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特許6997386ゲーム関連サービス提供プログラムならびにサーバ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】ゲーム関連サービス提供プログラムならびにサーバ装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/49 20140101AFI20220107BHJP
   A63F 13/497 20140101ALI20220107BHJP
   A63F 13/85 20140101ALI20220107BHJP
   A63F 13/833 20140101ALI20220107BHJP
【FI】
A63F13/49
A63F13/497
A63F13/85
A63F13/833
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019076119
(22)【出願日】2019-04-12
(65)【公開番号】P2020171575
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2019-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石渡 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中山 貴之
(72)【発明者】
【氏名】蘆田 貢
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-144744(JP,A)
【文献】国際公開第2018/004812(WO,A1)
【文献】特開2001-046742(JP,A)
【文献】特開2004-290306(JP,A)
【文献】特開2017-097924(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0220854(US,A1)
【文献】[ソウルキャリバー6],ソウルキャリバー6 トレーニングモード解説、コマンドレコードとランダム再生,YouTube[Online][Video],2018年11月04日,https://www.youtube.com/watch?v=UD-uyXCD-mI,[2021年5月26日検索]
【文献】渋谷 哲也,鉄拳4 ザ・マスターズガイド TEKKEN 4,THE MASTERS GUIDE,第1版,ソフトバンクパブリッシング株式会社 稲葉 俊夫,2002年07月26日,p.24-25,特に「COMMAND CAPTURE」に関する項を参照
【文献】SE-MOOK ドラッグ オン ドラグーン3 公式ファーストガイド,初版,株式会社スクウェア・エニックス,2013年12月19日,p.073
【文献】ファンタシースター ノヴァ,電撃PlayStation Vol.572,株式会社KADOKAWA,2014年08月12日,第20巻 第28号 通巻679号,p.16~17
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザにより入力されたゲームに関する要求情報を、ゲーム装置または前記ゲーム装置とは異なる他装置から受信する受信手段と、
少なくとも1以上の過去のゲームプレイに関するプレイ情報を用いて、前記要求情報に合致するコンテンツを用いたサービスを前記ユーザに提供するための処理を施すサービス提供手段と、
前記サービス提供手段が行った処理の結果を、前記ユーザの操作する前記ゲーム装置の動作に作用させる作用手段と
として機能させ、
前記サービスには、前記ユーザが行う前記ゲームの練習の内容を表すトレーニングメニューの設定が含まれ、
前記サービス提供手段は、前記ユーザの指示に応じた内容の前記トレーニングメニューを設定し、
前記サービスには、
前記ユーザの操作に応じて仮想空間内で動作する所定キャラクタについての、前記ユーザの連続して繋がった操作によって構成された連続技のうち、人気または効果が所定値よりも高い前記連続技に関する情報の提供、
前記所定キャラクタの所定攻撃を回避可能な所定動作に関する情報の提供、
前記所定キャラクタに設定されている弱点を表す弱点情報の提供、および
前記弱点に対し有効な対策の情報の提供、
の少なくとも1つが含まれ、
前記要求情報が、前記ゲームの練習を行うための前記トレーニングメニューの作成を要求する情報である場合、
前記サービス提供手段は、前記要求情報の入力操作を行った前記ユーザとは異なる他ユーザの前記プレイ情報を用いて、前記他ユーザのプレイ傾向に応じた前記トレーニングメニューを生成する前記処理を行い、
前記作用手段は、前記トレーニングメニューを、前記要求情報の入力操作を行った前記ユーザの前記ゲーム装置に設定させ、
前記サービス提供手段は、学習モデルを有し、
前記学習モデルは、入力された前記プレイ情報を用いて、前記ユーザの癖、および弱点の何れかを含むプレイ傾向を把握し、前記プレイ傾向に応じたトレーニングメニュー情報を、コンテンツデータとして生成するように構成され、
前記他ユーザは、前記ユーザの対戦相手となるものである
ことを特徴とするゲーム関連サービス提供プログラム。
【請求項2】
前記要求情報が、前記ゲームの練習を行うための前記トレーニングメニューの作成を要求する情報である場合、
前記サービス提供手段は、前記要求情報の入力操作を行った前記ユーザの前記プレイ情報を用いて、前記ユーザのプレイ傾向に応じた前記トレーニングメニューを生成する前記処理を行い、
前記作用手段は、前記トレーニングメニューを前記ゲーム装置に設定させる、
ことを特徴とする、請求項に記載のゲーム関連サービス提供プログラム。
【請求項3】
前記要求情報が、前記所定キャラクタに設定されている弱点の把握を要求する情報である場合、
前記サービス提供手段は、前記プレイ情報を用いて、前記所定キャラクタに設定されている前記弱点を表す弱点情報とともに、前記弱点に対し有効な対策に関する対策情報を生成し、
前記作用手段は、前記弱点情報を前記ゲーム装置に報知させるとともに、前記対策情報に基づいて前記ゲーム装置に前記対策を講ずる設定を行わせる
ことを特徴とする、請求項に記載のゲーム関連サービス提供プログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれかに記載のゲーム関連サービス提供プログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲーム関連サービス提供プログラムを実行するコンピュータと、
を備えるサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム関連サービス提供プログラムおよびサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、ゲーム内でユーザがプレイ可能なイベント(ミッション、ミニゲームなど)があり、そのイベント実行中に、キャラクタなどのゲーム媒体がAI(Artifical Intelligentce)によって操作されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6438085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザは、実際にゲームをプレイすること以外に、様々な観点でゲームに関する情報に興味を持つことがある。例えば、ユーザは、ゲーム攻略に有利な方法はないかと検索したり、プレイが上達する方法はないかと検索したりする。しかし、このような様々な要望に応えつつも、ゲームへの興味を更に持ち、自然とゲームをより楽しむようにユーザを誘導させるような機能は、存在していない。
【0005】
本発明の目的は、このような機能を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、コンピュータを、
ユーザにより入力されたゲームに関する要求情報を、ゲーム装置または前記ゲーム装置とは異なる他装置から受信する受信手段と、
少なくとも1以上の過去のゲームプレイに関するプレイ情報を用いて、前記要求情報に合致するコンテンツを用いたサービスを前記ユーザに提供するための処理を施すサービス提供手段と、
前記サービス提供手段が行った処理の結果を、前記ユーザの操作する前記ゲーム装置の動作に作用させる作用手段と
として機能させ
前記サービスには、前記ユーザが行う前記ゲームの練習の内容を表すトレーニングメニューの設定が含まれ、
前記サービス提供手段は、前記ユーザの指示に応じた内容の前記トレーニングメニューを設定することを特徴とするゲーム関連サービス提供プログラムである。
【0007】
また、第1の発明では、前記サービスには、
前記ユーザの操作に応じて仮想空間内で動作する所定キャラクタについての、前記ユーザの連続して繋がった操作によって構成された連続技のうち、人気または効果が所定値よりも高い前記連続技に関する情報の提供、
前記所定キャラクタの所定攻撃を回避可能な所定動作に関する情報の提供
前記所定キャラクタに設定されている弱点を表す弱点情報の提供、および
前記弱点に対し有効な対策の情報の提供、
の少なくとも1つが含まれることができる。
【0008】
また、第1の発明では、前記要求情報が、前記ゲームの練習を行うための前記トレーニングメニューの作成を要求する情報である場合、
前記サービス提供手段は、前記要求情報の入力操作を行った前記ユーザの前記プレイ情報を用いて、前記ユーザのプレイ傾向に応じた前記トレーニングメニューを生成する前記処理を行い、
前記作用手段は、前記トレーニングメニューを前記ゲーム装置に設定させることができる。
【0009】
また、第1の発明では、前記要求情報が、前記ゲームの練習を行うための前記トレーニングメニューの作成を要求する情報である場合、
前記サービス提供手段は、前記要求情報の入力操作を行った前記ユーザとは異なる他ユーザの前記プレイ情報を用いて、前記他ユーザのプレイ傾向に応じた前記トレーニングメニューを生成する前記処理を行い、
前記作用手段は、前記トレーニングメニューを、前記要求情報の入力操作を行った前記ユーザの前記ゲーム装置に設定させることができる。
【0010】
また、第1の発明では、前記要求情報が、前記所定キャラクタに設定されている弱点の把握を要求する情報である場合、
前記サービス提供手段は、前記プレイ情報を用いて、前記所定キャラクタに設定されている前記弱点を表す弱点情報とともに、前記弱点に対し有効な対策に関する対策情報を生成し、
前記作用手段は、前記弱点情報を前記ゲーム装置に報知させるとともに、前記対策情報に基づいて前記ゲーム装置に前記対策を講ずる設定を行わせることができる。
【0011】
前記サービス提供手段は、学習モデルを有し、
前記学習モデルは、入力された前記プレイ情報を用いて、前記ユーザの癖、および弱点の何れかを含むプレイ傾向を把握し、前記プレイ傾向に応じたトレーニングメニュー情報を、コンテンツデータとして生成するようにしてもよい。
【0012】
第2の発明では、前記第1の発明のゲーム関連サービス提供プログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲーム関連サービス提供プログラムを実行するコンピュータと、を備えるサーバ装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ゲームに関するユーザの様々な要望は、ゲーム装置5を介して叶えられる。従って、ユーザは、ゲームに対する興味や面白みを、ゲームのプレイのみならず様々な観点から、ゲーム装置5を介して自ずと感じることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態のサーバ装置を備えたゲームシステムのハードウェア構成および機能的構成を示すブロック図である。
図2】ゲーム画面例である。
図3】ユーザに提供される、コンテンツを用いたサービスの一覧表である。
図4】携帯端末の表示画面例である。
図5】ゲームシステムの一連の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
本発明の実施形態に係るゲーム関連サービス提供プログラムおよびサーバ装置2について、図面を参照して説明する。
【0016】
<ゲームの説明>
図1のゲームシステム1では、通信ネットワーク9を介して、サーバ装置2と複数のゲーム装置5それぞれとの間、サーバ装置2と複数の携帯端末8それぞれとの間が、通信可能に接続されている。
【0017】
本実施形態で説明するゲームは、ユーザの操作を受けて、プレイヤキャラクタを、他のプレイヤキャラクタまたはノンプレイヤキャラクタとゲーム仮想空間内で対戦させる対戦型アクションゲームである。ユーザは、通信ネットワーク9を介して他のユーザのプレイヤキャラクタとオンライン対戦(ネットワーク対戦)できるが、通信ネットワーク9を介さずにノンプレイヤキャラクタと対戦することにより、個人でゲームを進めることもできる。
【0018】
特に、本実施形態では、図2の画面sc1に示すように、一のユーザが複数のキャラクタの中から一のキャラクタC1(プレイヤキャラクタ)を選択して操作し、対戦相手となる他のキャラクタC2(プレイヤキャラクタまたはノンプレイヤキャラクタ)と1対1にて格闘試合を行う、いわゆる格闘ゲームである場合を例示する。
【0019】
ネットワーク対戦の場合、サーバ装置2は、ゲーム装置5を操作するユーザの要望に応じて、他のゲーム装置5のプレイヤキャラクタとマッチングを行う。マッチングされたキャラクタ同士は、所定のゲーム仮想空間を舞台として、格闘試合を開始する。
【0020】
このような格闘ゲームは、コンピュータゲームが競技として催される大会、いわゆるEスポーツ(Electronic Sports)の大会でプレイされることができる。
【0021】
上記ゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、PlayStation Vita(登録商標)などの携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、タブレットなどにおいて実行される。以下では、上記ゲームが、家庭用ゲーム機であるゲーム装置5にて実行される場合を例示する。
【0022】
<ゲームシステム1の概要>
図1に示すように、ゲームシステム1は、1台のサーバ装置2、複数台のゲーム装置5、および複数台の携帯端末8にて構成される。このうち、ゲーム装置5および携帯端末8は、ユーザの所有物である。
【0023】
サーバ装置2は、ゲームプログラムの提供およびゲームデータの管理の他、対戦のマッチングを行う。
【0024】
各ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいてゲームプログラムに応じた上記ゲームを実行する。ゲームの実行にあたり、ゲーム装置5は、上記ゲームプログラム(アップデート版を含む)を、通信ネットワーク9を介してサーバ装置2から受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)することができる。
【0025】
携帯端末8は、ユーザの操作を受け付けたり、ユーザの操作に応じて対戦のプレイ動画をタッチパネル81に表示させたりする。
【0026】
特に、本実施形態のサーバ装置2は、記憶部22に、本実施形態のゲーム関連サービス提供プログラムを記憶するとともに、プレイ情報221を逐次蓄積している。
【0027】
プレイ情報221は、過去のゲームプレイに関する各種情報である。具体的に、プレイ情報221は、ネットワーク対戦時に使用されたモードの名称、ゲームがプレイされた場所(国、地域)、プレイを行ったユーザの情報(識別番号、ユーザ名、ユーザに与えられた称号、プロフィール)、プレイにて使用されたプレイヤキャラクタの情報(キャラクタ名、レベル)、プレイ時にユーザが入力したコマンド、そのコマンドに従ってプレイヤキャラクタが採ったアクション(攻撃、防御)、プレイヤキャラクタが所定時間内に連続して出した技の回数、対戦の勝敗、などを含む。
【0028】
更に、プレイ情報221は、様々なユーザが過去にプレイした際のゲーム動画も含む。
【0029】
そして、本実施形態のゲームシステム1では、ユーザがゲームに関する要求情報(以下、サービス要求情報)を携帯端末8に入力した場合、サーバ装置2は、その要求情報に合致した、コンテンツを用いたサービスをユーザに提供するべく、前記プレイ情報221を利用して所定処理を施す。サーバ装置2は、所定処理の結果を、そのユーザの操作するゲーム装置5の動作に作用させる。
【0030】
ユーザに提供される前記サービスには、様々なものがある。その一例を図3に示す。
【0031】
図3に示すように、サービスには、様々な技を習得するためのトレーニングメニューの設定、所定シーンの保存と再生、ゲームBGMの再生、ゲームに関するトレンド情報(人気商品、Eスポーツ大会、人気キャラクタランキング)の提供、ゲーム仮想空間内で動作する所定キャラクタについての人気または効果の比較的高い連続技の情報の提供、所定キャラクタの所定攻撃を回避可能な所定動作に関する情報の提供、所定キャラクタに設定されている弱点を表す弱点情報の提供、その弱点に対し有効な対策(攻撃、防御、必殺技など)情報の提供とその対策を講ずるための各種設定、ユーザに合致したゲームの練習内容を含む特定トレーニングメニューの生成と設定、などのうち、少なくとも1つが含まれる。
【0032】
特定トレーニングメニューには、人気コンボ対策用、特定キャラクタの攻略用、特定の攻撃対策用、ユーザ自身の弱点対策用などが含まれる。
【0033】
前記連続技とは、ユーザの操作に応じてゲーム仮想空間内で動作するプレイヤキャラクタについての、当該ユーザの連続して繋がった動作によって構成された複数の技(コンボ)をいう。
【0034】
例えば、ユーザが、携帯端末8に対して「人気のあるプレイヤキャラクタを教えてほしい」と発話したとする。このユーザの発話内容をサービス要求情報とし、サーバ装置2は、前記プレイ情報221に基づいて、ゲームにて操作可能なプレイヤキャラクタそれぞれの総使用回数を算出し、その高い順に1から5つ程度、プレイキャラクタを選択する。サーバ装置2は、選択したプレイヤキャラクタのキャラクタ名や、そのプレイヤキャラクタが使用された任意のプレイ動画を、自動的にゲーム装置5に表示させる。
【0035】
また、ユーザが、携帯端末8に対して「お勧めのトレーニングメニューを作ってほしい」と発話したとする。この場合、サーバ装置2は、このユーザの前記プレイ情報221に基づいてこのユーザの癖および弱点を求め、求めた癖を修正したり弱点を克服したりするための練習内容を含む特定トレーニングメニューを生成する。サーバ装置2は、そのトレーニングメニューに従って、癖および弱点を克服するためのシチュエーションを含むゲーム画像を、ゲーム装置5に自動的に表示させる。
【0036】
このように、本実施形態のゲームシステム1は、サーバ装置2に蓄積されているこれまでのプレイ情報221を有効活用して、個々のユーザの要望に応じた、各種コンテンツを用いたサービスを、当該ユーザに提供する。これにより、ゲームシステム1は、ユーザの更なるプレイ上達に寄与したり、ゲームをプレイ以外の様々な観点からより楽しんでもらうようにユーザを誘導したりすることができる。
【0037】
<ハードウェア構成>
以下、サーバ装置2、ゲーム装置5および携帯端末8それぞれのハードウェア構成について説明する。
【0038】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0039】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク9を介して各携帯端末8および各ゲーム装置5と通信可能に接続される。ネットワークインターフェース21を介して、各ゲーム装置5へのゲームデータやゲームプログラムの送信、アカウント情報の各ゲーム装置5および各携帯端末8からの受信などが行われる。
【0040】
記憶部22は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部22には、ゲームシステム1を利用するユーザのアカウント情報、ログイン履歴、ゲームデータ、ゲームシステム1を実現するためのゲーム関連サービス提供プログラムを含む各種プログラムが格納されている。また、記憶部22には、上述したプレイ情報221が格納されている。プレイ情報221は、ネットワークインターフェース21が各ゲーム装置5から受信する都度、記憶部22に逐次格納される。
【0041】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0042】
<サーバ装置2における制御部23の機能的構成>
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、図1に示すように、情報処理手段231(受信手段に相当)、照合手段232、ゲーム配信手段233、マッチング判定手段234、サービス提供手段235および作用手段236として機能する。
【0043】
-情報処理手段-
情報処理手段231は、各ゲーム装置5および各携帯端末8と各種データを送受信する。
【0044】
情報処理手段231が各携帯端末8から受信するデータとしては、前記サービス要求情報の他、アカウント情報などが挙げられる。情報処理手段231が各携帯端末8に送信するデータとしては、サーバ装置2に接続完了した旨の情報や、プレイ動画データなどが挙げられる。
【0045】
情報処理手段231が各ゲーム装置5から受信するデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、アカウント情報および対戦要求などの、ゲームの実行に必要なデータが挙げられる。情報処理手段231が各ゲーム装置5に送信するデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したかを確認するための情報、前記サービス要求情報に応じて行った所定処理の結果に基づくコンテンツデータおよび動作指示などが挙げられる。
【0046】
-照合手段-
照合手段232は、各ゲーム装置5または各携帯端末8から受信したアカウント情報を用いて、ユーザの認証処理を行う。
【0047】
-ゲーム配信手段-
ゲームプログラムのダウンロード要求情報およびアカウント情報を、情報処理手段231がゲーム装置5から受信した後、ゲーム配信手段233は、ゲームプログラムおよび受信したアカウント情報に対応するゲームデータを、対応するゲーム装置5に配信(送信)する。
【0048】
-マッチング判定手段-
マッチング判定手段234は、対戦要求を情報処理手段231が受信した際、当該対戦要求に応じて対戦相手を検索し、その対戦相手と対戦要求の送信元であるユーザとをマッチングすることが可能か否かを判定する。マッチング可能とマッチング判定手段234が判定した場合、情報処理手段231は、上記対戦相手および上記ユーザのゲーム装置5同士を相互に通信可能に接続する。
【0049】
-サービス提供手段-
サービス提供手段235は、サービス要求情報に合致するコンテンツを用いたサービスをユーザに提供するべく、少なくとも1以上の前記プレイ情報221を用いて、前記サービスをユーザに提供するために必要な処理を施す。このような処理を行うにあたり、サービス提供手段235は、学習モデル235aを有する。
【0050】
学習モデル235aは、プレイ情報221から、ユーザの要求に即したコンテンツのデータや、ユーザに提供するべきサービスが何であるのかを、ディープラーニング等の手法を用いた演算にて求める専用モデルである。学習モデル235aは、ニューラルネットワークとして予め構築されている。学習モデル235aは、必要なプレイ情報221を教示データとして機械学習(処理)を実行することにより、コンテンツデータの解析、生成および抽出、提供するべきサービスの判定などを精度良く行うことができる。
【0051】
-作用手段-
作用手段236は、サービス提供手段235が行った処理の結果を、サービス要求情報の入力操作を行ったユーザの操作(所有)するゲーム装置5の動作に作用させる。具体的に、作用手段236は、サービス提供手段235が前記サービス要求情報に応じて行った所定処理の結果に基づくコンテンツデータおよび動作指示を、宛先を当該ゲーム装置5として、情報処理手段231に送信させる。
【0052】
なお、サービス提供手段235および作用手段236の具体例については、<コンテンツを用いたサービス提供の具体例>にて説明する。
【0053】
<ゲーム装置5の構成>
複数のゲーム装置5は、いずれも同様の構成を有する。
【0054】
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびゲームコントローラ63が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0055】
ネットワークインターフェース51は、他のゲーム装置5およびサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク9に通信可能に接続される。
【0056】
グラフィック処理部52は、ゲームプレイ中に、制御部56から出力されるゲーム画像のデータに従って、ゲーム仮想空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0057】
また、グラフィック処理部52は、サーバ装置2からプレイ動画が配信された場合はこれを、制御部56の指示に従ってディスプレイ61に表示させる。
【0058】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続されており、ゲームプレイ中、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。また、オーディオ処理部53は、サーバ装置2から配信されたプレイ動画の音声やゲームBGMを、スピーカ62から出力させる。
【0059】
操作部54は、ゲームコントローラ63と接続され、操作入力に関するデータをゲームコントローラ63との間で送受信する。例えば、ユーザは、ゲームコントローラ63の各種ボタンを押下することで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0060】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムなどの各種プログラムなどが格納されている。また、記憶部55には、ゲーム装置5を使用するユーザの識別情報なども格納されている。
【0061】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
【0062】
<ゲーム装置5における制御部56の機能的構成>
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562および報知制御手段563として機能する。
【0063】
-通信手段-
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2および他ゲーム装置5と通信を行う。
【0064】
通信手段561がサーバ装置2に送信するデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、アカウント情報、対戦要求、などが挙げられる。通信手段561がサーバ装置2から受信するデータとしては、ゲームデータ、ゲームプログラムを受信したか否かを確認するための情報、対戦情報、コンテンツデータおよび動作指示などが挙げられる。
【0065】
通信手段561が他ゲーム装置5との間で送受信するデータとしては、自装置5を操作するユーザについての情報(名前、プロフィールなど)や、ユーザが操作するキャラクタ名などが挙げられる。
【0066】
-ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段562は、ユーザの操作に従って、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または三次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0067】
そして、ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、自装置5のユーザの操作に従って動作するプレイヤキャラクタと他ゲーム装置5のユーザのプレイヤキャラクタとを配置させ、これらのキャラクタ同士を対戦させることによりゲームを進行させる。
【0068】
例えば、自装置5が、サーバ装置2によりマッチング可能と判定されたユーザによって操作されている場合、ゲーム実行手段562は、当該ユーザの操作に応じてゲームを実行する。
【0069】
-報知制御手段-
報知制御手段563は、ディスプレイ61に表示させる画面の制御およびスピーカ62から出力される音声の制御を行う。例えば、報知制御手段563は、ユーザがゲームをプレイする際、図2の画面sc1をディスプレイ61に表示させつつ、図2の画面sc1に応じたBGMや試合中のキャラクタC1,C2のボイスを、スピーカ62から出力させる。
【0070】
特に、報知制御手段563は、コンテンツデータおよび動作指示がサーバ装置2から送られてきた場合、動作指示に従って、そのコンテンツデータに対応する画面および/または音声を、ディスプレイ61および/またはスピーカ62から出力させる。例えば、サービス要求情報が「ゲームのBGMを流してほしい」であって、そのゲームのBGMがコンテンツデータである場合、報知制御手段563は、動作指示「ゲームBGMを出力する」に従って、コンテンツデータであるゲームBGMをスピーカ62から出力させる。
【0071】
<携帯端末8の構成>
携帯端末8は、スマートフォン、タブレットなどである。携帯端末8は、メモリ、CPUおよびスピーカ(いずれも図示せず)の他、図4に示すタッチパネル81およびマイク82を有する。
【0072】
メモリには、携帯端末8にて起動されて動作する各種アプリケーションのソフトウェアプログラムなどが格納されている。CPUは、必要に応じてソフトウェアプログラムを読み出し起動させて、当該アプリケーションのソフトウェアを動作させる。
【0073】
タッチパネル81に表示される一画面例として、図4(a)の画面sc2が挙げられる。図4(a)の画面sc2では、各種アプリケーションソフトウェアのアイコンic1~ic3がそれぞれ選択可能に並べられている。アプリケーションソフトウェアは、起動されれば、対応するサーバ装置に自動的にログインできるように、当該ソフトウェアの初期設定時に、アカウント情報の設定が施されている。
【0074】
画面sc2から、ゲームに関する各種サービスの提供を要求するためのアイコンic1が、ユーザによって選択されたとする。この場合、携帯端末8はサーバ装置2に自動的にログインし、携帯端末8のCPUは、アイコンic1に対応するアプリケーションのソフトウェアプログラムを起動する。すると、図4(b)に示すように、ユーザがゲームに関する要望(サービス要求情報)を発話にて入力できる画面sc3が、タッチパネル81に表示される。この画面sc3上からユーザが発話した内容は、マイク82を介して携帯端末8に入力され、サービス要求情報としてサーバ装置2へと自動で送信される。
【0075】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図5を用いて、ゲームシステム1の動作の流れを説明する。
【0076】
携帯端末8のタッチパネル81に表示されている図4(a)の画面sc2上から、ユーザが、アイコンic1を選択した場合(ステップst1)、携帯端末8のCPUは、選択されたアイコンic1に対応するアプリケーションのソフトウェアプログラムを起動させる(ステップst2)。起動後、携帯端末8は自動的にサーバ装置2にログインした状態となる。
【0077】
携帯端末8のCPUは、図4(b)の画面sc3をタッチパネル81に表示させる。この画面sc3上から、ユーザがゲームに関する要求を発話すると、マイク82は、この発話内容を、サービス要求情報として受け付ける(ステップst3)。携帯端末8は、ログインしているサーバ装置2に、入力されたサービス要求情報を送信する。
【0078】
サーバ装置2の情報処理手段231が前記サービス要求情報を受信すると(ステップst4)、サービス提供手段235は、学習モデル235aを用いて音声認識処理を行い、要求されている内容(つまり、サービス要求情報の内容)を解明する。
【0079】
次いで、サービス提供手段235は、これまでに記憶部22内に蓄積してきたプレイ情報221を学習モデル235aに入力させる。学習モデル235aは、サービス要求情報の内容に即したコンテンツを取得または生成すると共に、当該コンテンツを用いたサービスをユーザに提供するために必要な処理を行う(ステップst5)。作用手段236は、当該処理の結果に対応するコンテンツデータおよび動作指示を、サービス要求情報を発話したユーザが使用するゲーム装置5に送信する(ステップst6)。つまり、作用手段236は、コンテンツデータおよび動作指示の送信により、ステップst5における処理の結果を、当該ゲーム装置5の動作に作用させる。
【0080】
ゲーム装置5は、コンテンツデータおよび動作指示を受信すると、動作指示に従って、コンテンツをユーザに提供するにあたり必要となる設定や、コンテンツデータの表示および音声出力を行う(ステップst7)。これにより、ユーザには、ユーザの要望に合致するコンテンツを用いたサービスが提供される。
【0081】
<コンテンツを用いたサービス提供の具体例>
以下、サービス要求情報の具体的な内容を挙げて、上述した動作の流れによってユーザに提供されるサービスの具体例について説明する。
【0082】
(具体例その1)
携帯端末8を介してユーザが入力したサービス要求情報が、ゲームの練習を行うためのトレーニングメニューの作成を要求する情報であるとする。
【0083】
サービス提供手段235は、記憶部22に蓄積されたこれまでのプレイ情報221の中から、当該ユーザに関するプレイ情報221を抽出して、学習モデル235aに入力する。学習モデル235aは、入力されたプレイ情報221を用いて、当該ユーザの癖や弱点などのプレイ傾向を把握し、そのプレイ傾向に応じたトレーニングメニュー情報を、コンテンツデータとして生成する。
【0084】
例えば、プレイ情報221の解析によって、敵キャラクタの懐にジャンプして飛び込んだプレイヤキャラクタが、その敵キャラクタの攻撃をまともに受けてしまうことが多い傾向にあると、学習モデル235aが把握したとする。この場合、学習モデル235aは、このプレイ傾向を当該ユーザの癖および弱点とみなし、敵キャラクタを登場させて同じシチュエーションを繰り返し再現させるゲームデータを、コンテンツデータであるトレーニングメニューとして生成する。学習モデル235aは、このトレーニングメニューをゲーム装置5に自動で設定させる旨の動作指示も生成する。
【0085】
作用手段236は、情報処理手段231に対し、前記トレーニングメニューおよび動作指示を当該ユーザのゲーム装置5に送信させる。これにより、作用手段236は、前記トレーニングメニューをユーザが直ぐに行えるように、前記トレーニングメニューをゲーム装置5に設定させる。
【0086】
ゲーム装置5のディスプレイ61には、前記シチュエーションが繰り返し表示される。ユーザは、そのシチュエーションにて自身のプレイヤキャラクタを操作して動作させ、敵キャラクタの攻撃を受けないようにするための練習を行うことができる。
【0087】
これにより、ユーザは、ユーザ自身の癖および弱点を克服するための自身に合致したトレーニングを直ちに行うことができる。従って、ユーザは、自身の癖および弱点を分析した上でトレーニング内容を自身で考えたりせずに済むとともに、当該トレーニング内容をゲーム装置5に設定する手間が省ける。
【0088】
(具体例その2)
携帯端末8を介してユーザが入力したサービス要求情報が、所定キャラクタに設定されている弱点の把握を要求する情報であるとする。
【0089】
サービス提供手段235は、記憶部22に蓄積されたこれまでのプレイ情報221の中から、所定キャラクタに関連するプレイ情報221を抽出して、学習モデル235aに入力する。学習モデル235aは、入力されたプレイ情報221をその所定キャラクタに焦点をあてて解析し、所定キャラクタの属性、所定キャラクタがどのような技でダメージを受けることが多いか、敵キャラクタとの対戦相手がどのようなキャラクタの場合にダメージを受けることが多いか、などを把握する。学習モデル235aは、把握した所定キャラクタの弱点情報を生成する。
【0090】
更に、学習モデル235aは、その弱点に対し有効な対策に関する対策情報も、プレイ情報221の解析により生成する。対策情報としては、所定キャラクタに対する勝率の高い特定キャラクタの情報、弱点に対し有効な技や動作のコマンド情報、有効な技を習得するためのトレーニングメニュー、などが挙げられる。
【0091】
作用手段236は、情報処理手段231に対し、コンテンツデータである弱点情報および対策情報と、これらの情報を用いての動作指示とを、当該ユーザのゲーム装置5に送信させる。動作指示としては、弱点情報と対策情報をゲーム装置5のディスプレイ61に自動的に表示させる動作、対策情報に基づいてゲーム装置5に対策を構ずる設定を行わせる動作(例えば、有効な技を習得できるようにするためのトレーニングメニューの自動設定、勝率の高い特定キャラクタを選択可能に出現させる動作)などが挙げられる。
【0092】
ゲーム装置5のディスプレイ61および/またはスピーカ62からは、弱点情報および対策情報が報知される。ディスプレイ61上には、対策を講ずる設定後のゲーム画面が、自動で表示される。
【0093】
これにより、ユーザは、所定キャラクタの弱点とその対策とを、自身で検索することなく容易に知ることができる。また、ユーザは、対策を講ずるためのトレーニングメニューを自身で検索せずとも、そのようなトレーニングを行うことができる。
【0094】
(具体例その3)
携帯端末8を介してユーザが入力したサービス要求情報が、人気の高い連続技の把握を要求する情報であるとする。
【0095】
サービス提供手段235の学習モデル235aは、これまでに蓄積されたプレイ情報221を連続技に着目して解析し、人気が所定値よりも高い連続技の情報と、その連続技を習得するためのトレーニングメニュー情報とを、コンテンツデータとして生成する。学習モデル235aは、このトレーニングメニューをゲーム装置5に自動で設定される旨の動作指示も生成する。
【0096】
作用手段236は、情報処理手段231に対し、人気の高い連続技の情報、これを習得するためのトレーニングメニュー情報および動作指示を、当該ユーザのゲーム装置5に送信させる。これにより、作用手段236は、人気の高い連続技の情報のゲーム装置5への自動表示とともに、前記トレーニングメニュー情報に基づくトレーニングをユーザが直ぐに行えるように前記トレーニングメニューをゲーム装置5に設定させる。
【0097】
ゲーム装置5のディスプレイ61には、例えば、人気の高い連続技が何かと、その連続技を繰り出すためのコマンド情報などが表示される。そして、ディスプレイ61には、トレーニングメニューに基づくゲーム画像が表示される。ユーザは、表示された連続技とそのコマンド情報とを確認しつつ、自身のプレイヤキャラクタを動作させて練習を行うことができる。
【0098】
これにより、ユーザは、人気の高い連続技を、自身で検索することなく容易に知ることができる。更に、ユーザは、その連続技を習得するためのトレーニングを、自身で検索して設定することなく、直ちに行うことができる。
【0099】
(具体例その4)
携帯端末8を介してユーザが入力したサービス要求情報が、威力の高い連続技の把握を要求する情報であるとする。
【0100】
サービス提供手段235の学習モデル235aは、これまでに蓄積されたプレイ情報221を連続技に着目して解析し、対戦相手の敵キャララクタに与えるダメージ(効果)が所定値よりも高い連続技の情報と、その連続技を習得するためのトレーニングメニュー情報とを、コンテンツデータとして生成する。学習モデル235aは、このトレーニングメニューをゲーム装置5に自動で設定される旨の動作指示も生成する。
【0101】
作用手段236は、情報処理手段231に対し、威力の高い連続技の情報、これを習得するためのトレーニングメニュー情報および動作指示を、当該ユーザのゲーム装置5に送信させる。これにより、作用手段236は、威力の高い連続技の情報のゲーム装置5への自動表示とともに、前記トレーニングメニュー情報に基づくトレーニングをユーザが直ぐに行えるように前記トレーニングメニューをゲーム装置5に設定させる。
【0102】
ゲーム装置5のディスプレイ61には、例えば、威力の高い連続技が何かと、その連続技を繰り出すためのコマンド情報などが表示される。そして、ディスプレイ61には、トレーニングメニューに基づくゲーム画像が表示される。ユーザは、表示された連続技とそのコマンド情報とを確認しつつ、自身のプレイヤキャラクタを動作させて練習を行うことができる。
【0103】
これにより、ユーザは、威力の高い連続技を、自身で検索することなく容易に知ることができる。更に、ユーザは、その連続技を習得するためのトレーニングを、自身で検索して設定することなく、直ちに行うことができる。
【0104】
(具体例その5)
携帯端末8を介してユーザが入力したサービス要求情報が、所定キャラクタの所定攻撃を回避可能な技の把握を要求する情報であるとする。
【0105】
サービス提供手段235の学習モデル235aは、これまでに蓄積されたプレイ情報221を、所定キャラクタの所定攻撃に着目して解析する。学習モデル235aは、所定攻撃の際に、対戦相手の敵キャラクタが採った動作の中で所定攻撃を回避できた所定動作がある場合はその動作についての情報と、その所定動作を習得するためのトレーニングメニュー情報とを、コンテンツデータとして生成する。
【0106】
例えば、所定攻撃が大キックであり、大キックを回避できる所定動作が小キックであると学習モデル235aが把握したとする。この場合、学習モデル235aは、所定キャラクタが大キックを繰り返し行うシチュエーションを再現させるためのゲームデータを、トレーニングメニュー情報として生成する。学習モデル235aは、このトレーニングメニューをゲーム装置5に自動で設定させる旨の動作指示も生成する。
【0107】
作用手段236は、情報処理手段231に対し、コンテンツデータである所定動作の情報およびトレーニングメニュー情報と、動作指示とを、当該ユーザのゲーム装置5に送信させる。これにより、作用手段236は、所定動作の情報のゲーム装置5への自動表示とともに、前記トレーニングメニュー情報に基づくトレーニングをユーザが直ぐに行えるように前記トレーニングメニューをゲーム装置5に設定させる。
【0108】
ゲーム装置5のディスプレイ61およびスピーカ62からは、所定攻撃である大キックを繰り返し行う所定キャラクタ、これを回避できる所定動作が小キックであるとの情報、小キックを繰り出すためのコマンド情報などが報知される。そして、ディスプレイ61には、トレーニングメニューに基づくゲーム画像が表示される。ユーザは、各種情報を確認しつつ、自身のプレイヤキャラクタを動作させて練習を行うことができる。
【0109】
これにより、ユーザは、所定攻撃を回避できる技がどのような動作であるのかを、自身で検索することなく容易に知ることができる。更に、ユーザは、回避方法を習得するためのトレーニングを、自身で検索して設定することなく、直ちに行うことができる。
【0110】
(具体例その6)
ユーザが、ライバル選手である他ユーザとの対戦の練習を希望したとする。この場合、携帯端末8を介してユーザが入力したサービス要求情報は、この他ユーザのゲームプレイに対処するためのトレーニングメニューの作成を要求する情報となる。
【0111】
サービス提供手段235は、記憶部22に蓄積されたこれまでのプレイ情報221の中から、ライバル選手である他ユーザ、即ち前記サービス要求情報の入力操作を行ったユーザとは異なる他ユーザ、に関するプレイ情報221を抽出して、学習モデル235aに入力する。学習モデル235aは、当該プレイ情報221を用いて、この他ユーザが得意とするプレイヤキャラクタや必殺技、癖、弱点などのプレイ傾向を把握し、そのプレイ傾向に応じたトレーニングメニュー情報を、コンテンツデータとして生成する。
【0112】
例えば、プレイ情報221の解析によって、他ユーザが操作することの多いプレイヤキャラクタと、そのキャラクタが必殺技を放つ際に必ず採る行動とを、学習モデル235aが把握したとする。この場合、学習モデル235aは、このプレイ傾向を他ユーザの癖とみなし、そのキャラクタを登場させて同じシチュエーションを繰り返し再現させるゲームデータを、コンテンツデータであるトレーニングメニューとして生成する。学習モデル235aは、このトレーニングメニューをゲーム装置5に自動で設定させる旨の動作指示も生成する。
【0113】
作用手段236は、情報処理手段231に対し、前記トレーニングメニューおよび動作指示を、サービス要求情報の入力操作を行ったユーザのゲーム装置5に送信させる。これにより、作用手段236は、前記トレーニングメニューをユーザが直ぐに行えるように、前記トレーニングメニューをゲーム装置5に設定させる。
【0114】
ゲーム装置5のディスプレイ61には、前記シチュエーションが繰り返し表示される。ユーザは、そのシチュエーションにて自身のプレイヤキャラクタを操作して動作させ、他ユーザが操作するプレイヤキャラクタの必殺技を受けないようにするための練習を行うことができる。
【0115】
これにより、ユーザは、ライバル選手である他ユーザの癖などを克服するための、専用のトレーニングを直ちに行うことができる。従って、ユーザは、他ユーザの癖などを分析した上でトレーニング内容を自身で考えたりせずに済むとともに、当該トレーニング内容をゲーム装置5に設定する手間が省ける。
【0116】
以上をまとめると、本実施形態のゲーム関連サービス提供プログラムは、制御部23(コンピュータ)を、ユーザにより入力されたサービス要求情報(ゲームに関する要求情報)を、携帯端末8(ゲーム装置5とは異なる他装置)から受信する情報処理手段231(受信手段)と、少なくとも1以上の過去のゲームプレイに関するプレイ情報221を用いて、サービス要求情報に合致するコンテンツを用いたサービスをユーザに提供するための処理を施すサービス提供手段235と、サービス提供手段235が行った処理の結果を、ユーザの操作するゲーム装置5の動作に作用させる作用手段236と、として機能させるものである。
【0117】
<発明の効果>
本実施形態によれば、ユーザが携帯端末8からサービス要求情報を入力した場合、サーバ装置2は、これまでに蓄積したプレイ情報221を有効活用して、その要求情報に合致する、コンテンツを用いたサービスをユーザに提供するために必要な処理を行う。サーバ装置2は、その処理の結果を、当該ユーザのゲーム装置5の動作に作用させる。これにより、ゲームに関するユーザの様々な要望は、ゲーム装置5を介して叶えられる。従って、ユーザは、ゲームに対する興味や面白みを、ゲームのプレイのみならず様々な観点から、ゲーム装置5を介して自ずと感じることができる。
【0118】
前記サービスとしては、以下の(a)~(e)が挙げられる。
(a)ユーザの操作に応じてゲーム仮想空間内で動作する所定キャラクタについての、人気または効果が比較的高いコンボ(連続技)に関する情報の提供
(b)所定キャラクタの所定攻撃を回避可能な所定動作に関する情報の提供
(c)個々のユーザに対応したトレーニングメニューの設定
(d)所定キャラクタの弱点情報の提供
(e)その弱点に対し有効な対策情報の提供
このように、ユーザに提供できるサービスの内容は多義に亘っているため、ゲーム関連サービス提供プログラムは、ユーザの様々な要望に応えることができる。
【0119】
具体的に、サービス要求情報が「トレーニングメニューを作成してほしい」である場合、サービス提供手段235は、その要求情報の入力操作を行ったユーザ自身のプレイ情報221を用いて、そのユーザのプレイ傾向に応じたトレーニングメニューを生成する。作用手段236は、このトレーニングメニューをゲーム装置5に設定させる。この場合、ユーザは、自身の癖や弱点を分析してトレーニングメニューを考えずとも、自身の癖や弱点に即して生成されたトレーニングメニューにより癖を改善したり弱点を克服したりすることができる。
【0120】
また、サービス要求情報が「トレーニングメニューを作ってほしい」である場合、サービス提供手段235は、その要求情報の入力操作を行ったユーザとは異なる他ユーザのプレイ情報221を用いて、他ユーザのプレイ傾向に応じたトレーニングメニューを生成する。作用手段236は、このトレーニングメニューを、サービス要求情報の入力操作を行ったユーザのゲーム装置5に設定させる。この場合、ユーザは、他ユーザの癖などを分析した上でトレーニング内容を自身で考えずとも、他ユーザの癖などに即して生成されたトレーニングによって、他ユーザのゲーム操作に対抗するための練習を積むことができる。
【0121】
具体的に、サービス要求情報が「所定キャラクタの弱点を教えてほしい」である場合、サービス提供手段235は、これまでに蓄積されている膨大なプレイ情報221を用いて、所定キャラクタの弱点情報ともに、その弱点に対し有効な対策に関する対策情報を生成する。作用手段236は、この弱点情報をゲーム装置5に報知させるとともに、対策情報に基づいてゲーム装置5に対策を講ずる設定を行わせる。この場合、ユーザは、所定キャラクタの弱点を検索せずともゲーム装置5を介して知ることができ、その弱点に対し有効な対策を習得するためのトレーニングを考慮せずとも自動的に行うことができる。
【0122】
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0123】
前記ゲームは、対戦型の格闘ゲームに限定されず、アクションゲームやカードゲームなど、どのような種類のゲームにも適用できる。例えば、前記ゲームは、複数のユーザが協力してゲームを進める協力型のゲームにも適用できる。また、前記ゲームが対戦型である場合、1対1で行うものに限定されず、複数対複数で行うものにも適用できる。
【0124】
サービス要求情報の入力方法は、発話に限定されず、ユーザが携帯端末8のタッチパネル81を介して手で入力する方法などであってもよい。
【0125】
また、サービスの提供先は、携帯端末8であってもよい。つまり、サーバ装置2は、サービスの提供にあたり必要な処理を行ったあと、その処理の結果であるコンテンツデータおよび動作指示を携帯端末8に送信してもよい。この場合、コンテンツを用いたサービスは、携帯端末8を介してユーザに提供される。
【0126】
例えば、「ゲームのBGMを流してほしい」とのサービス要求情報が携帯端末8に入力された場合、サーバ装置2は、この携帯端末8にゲームBGMデータを送信し、携帯端末8のスピーカから出力させるようにしてもよい。「人気のあるコンボランキングを教えてほしい」とのサービス要求情報が携帯端末8に入力された場合、サーバ装置2は、人気のあるコンボランキングの情報を生成し、これを携帯端末8のタッチパネル81に表示またはスピーカから音声出力させてもよい。
【0127】
前記実施形態では、ゲーム装置5および携帯端末8は、それぞれサーバ装置2とは通信を行うが、ゲーム装置5と携帯端末8との間では通信を行わない場合を例示した。しかし、ゲーム装置5と携帯端末8との間でも、通信が行われてもよい。
【0128】
サービス要求情報をサーバ装置2に送信する装置は、携帯端末8に限定されず、ゲーム装置5であってもよいし、ゲーム装置5とは異なる他装置(パーソナルコンピュータなど)であってもよい。即ち、ユーザは、ゲーム装置5、または、ゲーム装置5とは異なる他装置に、サービス要求情報を入力することができる。ここで、他装置は、ゲーム装置5以外の装置であって、通信機能を備えた機器であればよい。
【0129】
サービス提供手段235によるサービス提供に必要な処理は、学習モデル235aを利用することなく、例えばプログラムを実行することで実行されてもよい。
【0130】
サービス提供手段235がプログラムにて必要な処理を実行する場合、サービス提供に必要な処理の精度が向上するように、当該プログラムは適宜なタイミングにて更新されてもよい。
【0131】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0132】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
5 ゲーム装置
8 携帯端末
22 記憶部
23 制御部(コンピュータ)
231 情報処理手段(受信手段)
235 サービス提供手段
236 作用手段
図1
図2
図3
図4
図5