(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】液体サーバ
(51)【国際特許分類】
B67D 3/00 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
B67D3/00 Z
B67D3/00 J
B67D3/00 K
(21)【出願番号】P 2017237133
(22)【出願日】2017-12-11
【審査請求日】2020-09-15
(31)【優先権主張番号】P 2017019650
(32)【優先日】2017-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592044499
【氏名又は名称】株式会社千石
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】千石 唯司
(72)【発明者】
【氏名】千石 剛平
(72)【発明者】
【氏名】高見 博之
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-338422(JP,A)
【文献】特開2007-085585(JP,A)
【文献】特開平09-126650(JP,A)
【文献】米国特許第04470008(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有し、液体を貯留するタンクを収容する収容室と、前記開口を開閉する蓋とを備える液体サーバにおいて、
前記タンク内の液体の量を検出する液量センサが前記蓋の裏側に設けられて
おり、
前記開口は少なくとも前記収容室の側面部に形成されており、
排出口を下向きにして前記タンクは前記収容室に収容されており、
前記液量センサは一方向に並設された複数の電極を含み、
前記蓋を閉じた場合に、前記複数の電極は前記タンクに対向し、上下方向に並ぶこと
を特徴とする液体サーバ。
【請求項2】
開口を有し、液体を貯留するタンクを収容する収容室と、前記開口を開閉する蓋とを備える液体サーバにおいて、
前記タンク内の液体の量を検出する液量センサが前記蓋の裏側に設けられており、
前記収容室は複数の前記タンクを収容可能であり、
複数の前記タンクに対応した複数の前記液量センサが前記蓋に設けられていること
を特徴とする液体サーバ。
【請求項3】
開口を有し、液体を貯留するタンクを収容する収容室と、前記開口を開閉する蓋とを備える液体サーバにおいて、
前記タンク内の液体の量を検出する液量センサが前記蓋の裏側に設けられており、
第二開口を有し、前記収容室に取り出し可能に収容された収容箱と、
該収容箱に収納されており、前記第二開口から進出可能な容器と
を備えることを特徴とする液体サーバ。
【請求項4】
前記容器を前記第二開口に向けて付勢する付勢部材を備え、
前記蓋が前記開口を閉じた場合に、前記蓋は前記第二開口を覆うこと
を特徴とする請求項
3に記載の液体サーバ。
【請求項5】
前記容器における前記第二開口側の端部に、前記第二開口の縁部分に当接する当接部が設けられており、
前記当接部の前記縁部分への当接を解除することができるように、前記容器は前記収容箱に収容されていること
を特徴とする請求項
3又は4に記載の液体サーバ。
【請求項6】
開口を有し、液体を貯留するタンクを収容する収容室と、前記開口を開閉する蓋とを備える液体サーバにおいて、
前記タンク内の液体の量を検出する液量センサが前記蓋の裏側に設けられており、
前記タンクの排出口及び底面は第一方向に対向し、
前記液量センサは一方向に並設された複数の電極を含み、
前記蓋を閉じた場合に、前記複数の電極は、前記第一方向に交差する第二方向にて前記タンクに対向し、前記第一方向に並ぶこと
を特徴とする液体サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクに収容した液体を供給する液体サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貯水容器が載置される箱形のホルダを上部に設けたウォータサーバが提案されている。ホルダの上部及び下部は開口しており、上側の開口には蓋体が設けられている。下側の開口には、貯水容器を貫通するニードルパイプが設けられている。
【0003】
ユーザは蓋体を開けることによって貯水容器を交換することができる。貯水容器の水はニードルパイプを通って下方に供給される。ホルダ内には液量センサが設けられており、液量センサは貯水容器の貯水量を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ホルダ内に冷却構造を設けた場合又は貯水容器が大型である場合には、液量センサを配置する空間をホルダ内に確保することが難しい。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、液体を貯留するタンクを収容する収容室に空間を確保することが難しい場合でも、タンク内の液体の残量を検出するセンサを設けることができる液体サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る液体サーバは、開口を有し、液体を貯留するタンクを収容する収容室と、前記開口を開閉する蓋とを備える液体サーバにおいて、前記タンク内の液体の量を検出する液量センサが前記蓋の裏側に設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、液量センサは蓋の裏側に配置されるので、収容室に液量センサを配置する空間を確保する必要がない。
【0009】
本発明に係る液体サーバは、前記開口は少なくとも前記収容室の側面部に形成されており、排出口を下向きにして前記タンクは前記収容室に収容されており、前記液量センサは一方向に並設された複数の電極を含み、前記蓋を閉じた場合に、前記複数の電極は前記タンクに対向し、上下方向に並ぶことを特徴とする。
【0010】
本発明においては、少なくとも収容室の側面部に開口が形成されており、排出口を下向きにしてタンクは収容室に配置される。タンクの側面部は開口に配置される。タンク内の液面は液体を排出するに従って、下側に移動する。蓋を閉じた場合、液量センサの電極は、タンクの側面部に対向して上下方向に並ぶ。液量センサは、電極と液面との相対位置に応じて、タンク内の液体の残量を検出する。
【0011】
本発明に係る液体サーバは、前記収容室は複数の前記タンクを収容可能であり、複数の前記タンクに対応した複数の前記液量センサが前記蓋に設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明においては、複数のタンクを収容することによって、一のタンクが空になっても、他のタンクから液体を供給することができる。またタンク毎に液量センサを設けることによって、タンク毎に残量を検出することができる。
【0013】
本発明に係る液体サーバは、第二開口を有し、前記収容室に取り出し可能に収容された収容箱と、該収容箱に収納されており、前記第二開口から進出可能な容器とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明においては、容器に物体、例えば菓子を収納させて、収容箱及び容器を収容室に収容させる。容器を第二開口から進出させることによって、容器の内奥に収納された菓子は容易に取り出される。
【0015】
本発明に係る液体サーバは、前記容器を前記第二開口に向けて付勢する付勢部材を備え、前記蓋が前記開口を閉じた場合に、前記蓋は前記第二開口を覆うことを特徴とする。
【0016】
本発明においては、蓋が開口を閉じている場合、付勢部材によって付勢された容器は、蓋によって押さえられる。蓋を開けた場合、容器は付勢力によって自動的に進出する。
【0017】
本発明に係る液体サーバは、前記容器における前記第二開口側の端部に、前記第二開口の縁部分に当接する当接部が設けられており、前記当接部の前記縁部分への当接を解除することができるように、前記容器は前記収容箱に収容されていることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、必要に応じて、当接部を第二開口の縁部分に当接させて、容器の進出を規制させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る液体サーバにあっては、液量センサは蓋の裏側に配置されるので、収容室に液量センサを配置する空間を確保する必要がない。そのため、収容室への冷却構造等の配置及びタンクの残量検知を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第一蓋を開けた状態の液体サーバを略示する斜視図である。
【
図2】第一蓋を開けた状態の液体サーバを略示する縦断面図である。
【
図4】第一蓋を閉じた場合における基板ユニット及びタンクを略示する正面図である。
【
図5】第一蓋を閉じた状態の液体サーバを略示する縦断面図である。
【
図6】実施の形態2に係る第一蓋を閉じた状態の液体サーバを略示する縦断面図である。
【
図7】容器が進出していない状態の保持器を略示する斜視図である。
【
図8】容器が進出していない状態の保持器を略示する正面図である。
【
図9】容器が進出していない状態の保持器を略示する右側面図である。
【
図10】容器が進出していない状態の保持器を略示する平面図である。
【
図11】容器が進出した状態の保持器を略示する斜視図である。
【
図17】
図9のXVII-XVII線を切断線とした略示断面図である。
【
図18】
図8のXVIII-XVIII線を切断線とした略示断面図である。
【
図19】
図8のXIX-XIX線を切断線とした略示断面図である。
【
図20】突部と被当接部との当接が解除され且つ第二蓋が開いた状態を略示する液体サーバの縦断面図である。
【
図21】突部と被当接部との当接が解除され且つ第二蓋が閉じ始めた状態を略示する液体サーバの縦断面図である。
【
図22】突部と被当接部との当接が解除され且つ第二蓋が閉じた状態を略示する液体サーバの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態1)
以下本発明を、実施の形態1に係る液体サーバを示す図面に基づいて、説明する。以下の説明では、図に示す上下前後左右を使用する。
図1は、第一蓋21を開けた状態の液体サーバを略示する斜視図、
図2は、第一蓋21を開けた状態の液体サーバを略示する縦断面図である。
【0022】
液体サーバは、上下に延びた直方体状の筐体1を有する。筐体1前部の下部分には、後方に窪んだ凹部2が形成されている。凹部2の底部分はコップ等を置くための載置台2aをなす。凹部2内側の天面部分には、タンク50の排出口50bを開閉する二つのレバー3が左右に並設されている。
【0023】
レバー3にはプッシュプルキャップ4が取り付けられており、レバー3を下方に移動させた場合、プッシュプルキャップ4は開き、レバー3を上方に移動させた場合、プッシュプルキャップ4は閉じる。
【0024】
筐体1の内側上部には、タンク50を収容する収容室5が設けられている。収容室5の前面部は、後ろ斜め上方向に延びるように、傾斜している。収容室5の前面部及び天面部に亘って、外部と収容室5とを連通する開口6が設けられている。
【0025】
収容室5の下部前側に、タンク50を支持する漏斗状の二つの支持部7が左右に並設されている。後ろ斜め上方向を軸方向として、大径部分が上側に配置されるように、支持部7は設けられている。支持部7の小径部分は、凹部2の天面部分を貫通し、プッシュプルキャップ4に臨む。
【0026】
支持部7の後側には、予備タンク51を支持する支持台8が設けられている。支持台8は、後ろ斜め上方向に延びるように、傾斜している。タンク50及び予備タンク51を冷却又は加熱する為の冷却/加熱プレート9が、支持台8及び支持部7の間に設けられている。冷却/加熱プレート9は、後ろ斜め上方向に延びている。冷却/加熱プレート9の左右方向中央部には、二つのタンク50、50を左右に仕切る仕切り板(図示略)が設けられている。
【0027】
タンク50はボトル形状をなし、その中央部に窪み50aが形成されている。タンク50は収容室5内にて倒立状に配置され、その頭部、即ち排出口50bが支持部7に挿入される。該排出口50bにプッシュプルキャップ4が装着され、レバー3の上下移動によって、排出口50bが開閉する。
【0028】
予備タンク51はボトル形状をなし、その中央部に窪み51aが形成されている。また予備タンク51の頭部に排出口が設けられており、該排出口にはボトル栓51cが設けられている。予備タンク51は頭部を上側にして、支持台8に支持される。冷却/加熱プレート9の前面はタンク50に接触し、後面は予備タンク51に接触する。
【0029】
筐体1の下部にはコンプレッサ10が設けられており、筐体1下部の後面には熱交換フィン12が設けられている。コンプレッサ10、冷却/加熱プレート9及び熱交換フィン12の間には媒体パイプ11が設けられている。媒体パイプ11には、媒体(例えば冷媒ガス)が流れている。コンプレッサ10の駆動及び熱交換フィン12での熱交換によって、冷却/加熱プレート9が媒体を介して冷却又は加熱され、タンク50及び予備タンク51が冷却又は加熱される。
【0030】
開口6の前部及び上部前側に上下方向に回動可能な第一蓋21が設けられている。筐体1上面の前後方向中央部に、左右方向を軸方向とした第一枢軸21aが設けられており、第一蓋21は第一枢軸21aに連結している。第一蓋21は開口6の前側を開閉する。
【0031】
開口6の上部後側に上下方向に回動可能な第二蓋22が設けられている。筐体1後面の上部に、左右方向を軸方向とした第二枢軸22aが設けられており、第二蓋22は第二枢軸22aに連結している。第二蓋22は開口6の上部後側を開閉する。
【0032】
第一蓋21を開くことによって、タンク50の取り出し又は設置が可能となる。第二蓋22を開くことによって、予備タンク51の取り出し又は設置が可能となる。
【0033】
空になったタンク50を交換する場合、例えばユーザは第一蓋21を開いて、空のタンク50と共にプッシュプルキャップ4を取り出し、プッシュプルキャップ4をタンク50から取り外す。次に第二蓋22を開いて予備タンク51を取り出す。ユーザは取り出した予備タンク51のボトル栓51cを取り外し、プッシュプルキャップ4を予備タンク51の排出口に装着する。ユーザは、プッシュプルキャップ4を装着した予備タンク51、即ちタンク50を空の支持部7に設置する。またユーザは、新たな予備タンク51を空の支持台8に設置する。
【0034】
第一蓋21の裏面に基板ユニット30が設けられている。第一蓋21が閉じた場合、基板ユニット30は、第一蓋21とタンク50との間に配置される。基板ユニット30には、タンク50側に突出する突出部40が設けられている。第一蓋21を閉じた場合、突出部40はタンク50の窪み50aに挿入され、タンク50を安定に保持する。
【0035】
図3は、基板ユニット30を略示する斜視図、
図4は、第一蓋21を閉じた場合における基板ユニット30及びタンク50を略示する正面図である。
【0036】
基板ユニット30は、矩形のベース板37を備える。ベース板37の一面において、ベース板37に直角な第一壁31が第一の長辺37aに延設されている。第一壁31に対向する第二壁32がベース板37の一面に設けられている。第二壁32は第一壁31に平行に延びる。第一壁31及び第二壁32の一端部は第三壁33によって連結されている。第三壁33は、ベース板37の第一の短辺37cに設けられている。第一壁31及び第二壁32の他端部は連結されていない。第一壁31~第三壁33によって、第二の短辺37d側及びベース板37の反対側が開口した第一室30aが形成されている。
【0037】
ベース板37の一面において、ベース板37に直角な第四壁34が第二の長辺37bに延設されている。第四壁34に対向する第五壁35がベース板37の一面に設けられている。第五壁35は第四壁34に平行に延びる。第五壁35と第二壁32とは、第二の長辺37bに直角な方向において、離間している。第四壁34及び第五壁35の一端部は第六壁36によって連結されている。第六壁36は、ベース板37の第一の短辺37cに設けられている。第四壁34及び第五壁35の他端部は連結されていない。第四壁34~第六壁36によって、第二の短辺37d側及びベース板37の反対側が開口した第二室30bが形成されている。
【0038】
第二壁32と第五壁35とを連結する連結体38がベース板37の一面に設けられている。連結体38は、第一の短辺37c寄りに配置されている。ベース板37の一面において、第二壁32、第五壁35及び連結体38に囲まれた部分に、制御基板39cが設けられている。
【0039】
第一室30aに、タンク50に貯留した液体の量を検出する静電容量式の第一液量センサ39aが設けられている。第一液量センサ39aは、第一の長辺37aに沿って延びた細長い基板131と、該基板131のベース板37との対向面に実装された複数の検出用電極132、132、・・・、132と、共通電極133とを備える。検出用電極132は基板131の長手方向に並んでいる。検出用電極132はU状又は櫛歯状をなす。検出用電極132は配線(図示略)に接続されている。
【0040】
共通電極133は、基板131の長手方向に沿ったライン部分133aと、該ライン部分133aから突出した枝部分133bとを有する。ライン部分133aは、前記対向面の反対側の面に形成されており、枝部分133bは対向面に設けられている。共通電極133の枝部分133bは、U状又は櫛歯状の検出用電極132の内側に配置されている。
【0041】
第二室30bに、タンク50に貯留した液体の量を検出する静電容量式の第二液量センサ39bが設けられている。第二液量センサ39bは、第二の長辺37bに沿って延びた細長い基板135と、該基板135のベース板37との対向面に実装された複数の検出用電極136、136、・・・、136と、共通電極137とを備える。検出用電極136は基板135の長手方向に並んでいる。検出用電極136はU状又は櫛歯状をなす。検出用電極136は配線(図示略)に接続されている。
【0042】
共通電極137は、基板135の長手方向に沿ったライン部分137aと、該ライン部分137aから突出した枝部分137bとを有する。ライン部分137aは、前記対向面の反対側の面に形成されており、枝部分137bは対向面に設けられている。共通電極137の枝部分137bは、U状又は櫛歯状の検出用電極136の内側に配置されている。
【0043】
制御基板39cと、第一液量センサ39a及び第二液量センサ39bとはケーブル(図示略)を介して接続されている。第一液量センサ39a及び第二液量センサ39bの出力は制御基板39cに入力される。なお第一室30a及び第二室30bそれぞれの第二の短辺37d側に形成された開口と、第二の短辺37d側において、第二壁32及び第五壁35によって形成された開口とをケーブルは挿通する。
【0044】
基板ユニット30は、第三壁33及び第六壁36が下側に配置され、第一室30a及び第二室30bにおけるベース板37の反対側の開口を塞ぐように、第一蓋21の裏面に取り付けられている。
【0045】
図5は、第一蓋21を閉じた状態の液体サーバを略示する縦断面図である。
図4及び図
5に示すように、第一蓋21を閉じた場合、検出用電極132、136及び枝部分133b、137bはタンク50に対向する。第一液量センサ39a及び第二液量センサ39bにおいて、検出用電極132、136と共通電極133、137とによってコンデンサが形成されている。このコンデンサの容量は、液体の位置によって、変化する。即ち、検出用電極132、136に液体が対向していない場合における容量と、検出用電極132、136に液体が対向している場合における容量とは異なる。
【0046】
第一液量センサ39a及び第二液量センサ39bは、各検出用電極132、136における容量、換言すれば、タンク50内の液面の位置(タンク50内の液体の量)に対応した値を制御基板39cに入力する。制御基板39cは送信部(図示略)を備えており、タンク50内の液体の量を、送信部を介して外部、例えばユーザ端末に送信する。これにより、液体の量をユーザに報知することができ、空になったタンク50の速やかな交換をユーザに促すことができる。
【0047】
なお、支持台8には予備タンク51の有無を検出する静電容量式センサが設けられており、支持部7には、タンク50の温度を検出するサーミスタセンサが設けられており、第一蓋21には、第一蓋21の開閉を検出する傾斜センサが設けられている(いずれも図示略)。制御基板39cには、これら各センサの検出値も入力される。
【0048】
実施の形態1に係る液体サーバにあっては、液量センサ39a、39bは第一蓋21の裏側に配置されるので、収容室5に液量センサ39a、39bを配置する空間を確保する必要がない。そのため、収容室5への冷却構造等の配置及びタンク50の残量検知を両立させることができる。
【0049】
また収容室5の前面部に開口6が形成されており、排出口50bを下向きにしてタンク50は収容室5に配置される。第一蓋21の裏側に基板ユニット30が設けられているので、第一蓋21を閉じた場合、液量センサ39a、39bの検出用電極132、136は、タンク50の前面部に対向して上下方向に並ぶ。液量センサ39a、39bは、検出用電極132、136と液面との相対位置に応じて、タンク50内の液体の残量を検出することができる。
【0050】
また静電容量式のセンサを使用しているので、液体に接触することなく、液量を検出することができ、タンク50内の衛生状態を良好に保つことができる。なお前面部は側面部の一例に過ぎず、前面部に代えて、収容室5の右面部、左面部又は後面部に開口6を設け、該開口6を開閉する蓋を設けてもよい。
【0051】
また複数のタンク50、50を収容することによって、一のタンク50が空になっても、他のタンク50から液体を供給することができる。またタンク50毎に液量センサ39a、39bを設けることによって、タンク50毎に残量を検出することができる。
【0052】
なお静電容量式のセンサに代えて、超音波センサ又は光センサ等を液量センサとして、使用してもよい。
【0053】
(実施の形態2)
以下本発明を実施の形態2に係る液体サーバを示す図面に基づいて、説明する。
図6は、第一蓋21を閉じた状態の液体サーバを略示する縦断面図、
図7は、容器62が進出していない状態の保持器60を略示する斜視図、
図8は、容器62が進出していない状態の保持器60を略示する正面図、
図9は、容器62が進出していない状態の保持器60を略示する右側面図、
図10は、容器62が進出していない状態の保持器60を略示する平面図である。
【0054】
図6に示すように、第二蓋22の裏面には、プッシュプルキャップ4を保持する保持部22bが設けられている。保持部22bは、前記裏面から支持台8側に突出している。また載置台2aは、上面が開口した直方体状の水受け2bの上側に配置されている。載置台2aは網状部分を有する。例えばコップを載置台2aに設置し、コップから液体がこぼれた場合、水受け2bは液体を受けることができる。支持台8の底面後部に下方に突出した筒体8aが設けられている。筒体8aと、支持台8の内側とは連通されている。筒体8aと水受け2bとの間には、流路13が設けられている。
【0055】
予備タンク51に代えて、物体を収容して保持する保持器60が収容室5に収容されている。保持器60は、収容室5に取り出し可能に収容された収容箱61と、該収容箱61に収納された容器62とを備える。
【0056】
収容箱61は直方体状をなし、上下に延びている。収容箱61の上端部には矩形の第二開口61cが設けられている。収容箱61の下端部は四角錐台状をなし、下側に頂面が配置されている。収容箱61の左右側面部及び後面部それぞれの上端部は、上方に突出した半円状をなす。各上端部の外面に突部61aが設けられている。突部61aは複数設けられており、上下に並んでいる。ユーザが手で保持器60を収容室から取り出す場合、突部61aは滑り止めとして機能する。
【0057】
図7及び
図10に示すように、収容箱61の内側において、左側面部及び右側面部それぞれの後縁部分に、上下方向に延びる案内溝61dが設けられている。案内溝61dの上端部、換言すれば第二開口61cの縁部分には、後述する突部63又はストッパ67が当接する被当接部61eが設けられている。被当接部61eは案内溝61dの上端部を部分的に塞いでいる。収容箱61の上端部における前縁部分に、後方に突出した突出板61bが設けられている。
【0058】
図11は、容器62が進出した状態の保持器60を略示する斜視図、
図12は、容器62を略示する斜視図、
図13は、容器62を略示する正面図、
図14は、容器62を略示する右側面図、
図15は、容器62を略示する平面図、
図16は、容器62を略示する背面図である。容器62は有底四角筒状をなし、上下方向に延びている。
【0059】
図12及び
図15に示すように、容器62の前面部62eの上側部分には矩形の第三開口62gが形成されている。第三開口62gは上下に延びる。第三開口62gは、容器62の上面の開口に連なる。前面部62eの左右方向中央部分に、前方に突出した円筒状のボス62fが形成されている。容器62の後面部62aの上端部分から、板状の取手62dが上方に突出している。取手62dの突出端部は、上方に突出するように湾曲し且つ後方に突出している。
【0060】
容器62の右側面部62cは、後面部62aの右縁よりも左寄りの位置から直角に突出した板状の第一部分162dと、該第一部分162dの突出端部から右方に突出した板状の第二部分162eと、該第二部分162eの突出端部から前方に突出した第三部分162fとを備える。第三部分162fは、後面部62aの右縁の下端部と、後面部62aの右縁の上端よりも若干下寄りの部分との間に配置されている。
【0061】
容器62の左側面部62bは、後面部62aの左縁よりも右寄りの位置から直角に突出した板状の第一部分162aと、該第一部分162aの突出端部から左方に突出した板状の第二部分162bと、該第二部分162bの突出端部から前方に突出した第三部分162cとを備える。第三部分162cは、後面部62aの左縁の下端部と、後面部62aの左縁の上端よりも若干下寄りの部分との間に配置されている。右側面部62c及び左側面部62bの下部において、各第三部分162c、162fの突出端部に前面部62eが連なっている。
【0062】
図12、
図14及び
図16に示すように、後面部62aの下部において、左縁からストッパ67が左向きに突出し、右縁からストッパ67が右向きに突出している。後面部62aの左縁の上端部分に、右側に窪んだ凹部64が形成されている。後面部62aの右縁の上端部分に、右側に突出した突部63(当接部)が形成されている。
図15及び
図16に示すように、右縁からのストッパ67の突出幅は、突部63の突出幅よりも大きい。
【0063】
図13に示すように、凹部64の右側には、後面部62aに直角な当接板65が設けられている。当接板65は前記保持部22bに当接する。当接板65は上下に延びており、左側面部62bの第三部分162cよりも右側に配置されている。
図12に示すように、当接板65の周縁部は左方に突出している。当接板65の下部と第三部分162cの上端部とは、連結部66によって連結されている。
【0064】
図13に示すように、突部63の左側には、後面部62aに直角な当接板65が設けられている。当接板65は上下に延びており、右側面部62cの第三部分162fよりも左側に配置されている。
図12に示すように、当接板65の周縁部は右方に突出している。当接板65の下部と第三部分162fの上端部とは、連結部66によって連結されている。
【0065】
図17は、
図9のXVII-XVII線を切断線とした略示断面図、
図18は、
図8のXVIII-XVIII線を切断線とした略示断面図、
図19は、
図8のXIX-XIX線を切断線とした略示断面図である。
図17に示すように、容器62の底面後部に上下に貫通した貫通孔62hが形成されており、収容箱61の底面後部に上下に貫通した貫通孔61fが形成されている。各貫通孔61f、62hの直径は、容器62に収容される物体が落下しない大きさに設定される。収容箱61及び容器62の内側に、結露によって水が発生した場合、水は各貫通孔61f、62hを通過し、排出される。
図6に示すように、収容箱61から排出された水は筒体8a及び流路13を通流し、水受け2bにて回収される。
【0066】
図17及び
図19に示すように、突出板61bの下側にばね収容室68が形成されている。ばね収容室68は上下に延びている。ばね収容室68における後面部の左右方向中央部分には、上下に延びたスリット68bが形成されている。ばね収容室68には、ばね69が上下方向を軸方向にして収容されている。
【0067】
ばね収容室68の上端部に円柱状のフック掛け68aが設けられている。フック掛け68aは、ばね69に対して直角に配置されている。ばね69の両端部それぞれにフック(図示略)が形成されており、一方のフックがフック掛け68aに掛けられている。なお、ばね69は付勢部材の一例に過ぎず、ばね69に代えて、ゴムを使用してもよい。
【0068】
前述したように、収容箱61には容器62が収容されている。
図17に示すように、ボス62fはスリット68bに挿入されている。ボス62fには、ばね69の他方のフックが、ねじ(
図6参照)によって連結されている。
【0069】
図18及び
図19に示すように、容器62の後面部62aの左右縁部分及びストッパ67は、収容箱61の案内溝61dに摺動可能に挿入されている。
図18に示すように、容器62が進出していない場合には、ばね69は伸長し、突部63が被当接部61eに当接している。突部63の被当接部61eへの当接によって、ばね69の弾性復元力に抗して、容器62は収容箱61から進出せず、収容箱61に収容される。取手62dを操作し、容器62を左側に移動させて、突部63と被当接部61eとの当接を解除した場合、容器62は上方に進出し、二つのストッパ67、67が二つの被当接部61e、61eにそれぞれ当接し、容器62の進出が止まる。
【0070】
図20は、突部63と被当接部61eとの当接が解除され且つ第二蓋22が開いた状態を略示する液体サーバの縦断面図、
図21は、突部63と被当接部61eとの当接が解除され且つ第二蓋22が閉じ始めた状態を略示する液体サーバの縦断面図、
図22は、突部63と被当接部61eとの当接が解除され且つ第二蓋22が閉じた状態を略示する液体サーバの縦断面図である。
【0071】
保持器60の使用方法の一例について、説明する。まず、第二蓋22を開けて、突部63と被当接部61eとを当接させた状態(
図6参照)で保持器60を収容室5から抜き出す。次に、容器62を横にずらして、突部63と被当接部61eとの当接を解除させて、ばね69の弾性復元力によって、容器62を進出させる。そして、第三開口62gを通して、物体、例えばチョコレート菓子を容器62に収容させる。次に、ばね69の弾性復元力に抗して、容器62を収容箱61に退入させて、突部63と被当接部61eとを当接させる。
【0072】
次に、第二蓋22を開けて、チョコレート菓子を収容した保持器60を収容室5に収容させ、突部63と被当接部61eとの当接を解除させる。
図20に示すように、ばね69は短縮し、チョコレート菓子を収容した容器62は上方に進出する。容器62の進出によって、チョコレート菓子は第三開口62gを通して、容易に取り出される。
【0073】
次に、第二蓋22の閉鎖を開始する。
図21に示すように、第二蓋22の押圧によって、保持部22bが当接板65に当接し、容器62は押されて、収容箱61への退入を開始し、更に第二蓋22の裏面が取手62dに当接し、容器62は更に押されて、ばね69は伸び始める。そして、
図22に示すように、第二蓋22を完全に閉じた場合、第二蓋22によって、容器62の進出が防止され、保持器60は液体サーバ内に格納される。このとき、保持部22bは当接板65に当接した状態にある。第二蓋22を開ける都度、ばね69は短縮し、容器62は上方に進出する。
【0074】
実施の形態2に係る液体サーバは、容器62に物体、例えば菓子を収納させて、収容箱61及び容器62を収容室に収容させる。ユーザは必要に応じて、菓子を取り出すことができる。また容器62を第二開口61cから進出させることによって、容器62の内奥に収納された菓子を容易に取り出すことができる。
【0075】
また第二蓋22が開口6を閉じている場合、ばね69によって付勢された容器62は、第二蓋22によって押さえられる。第二蓋22を開けた場合、容器62はばね69の付勢力によって自動的に進出する。そのため、ユーザは必要に応じて、第二蓋22を開けて、菓子を容易に取り出すことができる。
【0076】
また必要に応じて、突部63を被当接部61eに当接させて、容器62の進出を規制させる(
図6参照)。保持器60を収容室5に挿入するか又は収容室5から取り出す場合には、突部63を被当接部61eに当接させることによって、収容箱61に容器62は保持され、保持器60が小型になる。保持器60を小型にすることによって、保持器60の収容室5への挿入又は収容室からの取り出しを容易に行うことができる。保持器60を収容室5に挿入させた後は、突部63と被当接部61eとの当接を解除させて、容器62を進出させることができる。
【0077】
冷却/加熱プレート9を冷却させている場合に、チョコレート菓子のような高温環境下において溶解する菓子を、保持器60に収納し、液体サーバ内に格納させることによって、菓子の溶解を防止することができる。ユーザは、必要に応じて第二蓋22を開けて、容器62を進出させることによって、菓子を取り出すことができる(
図20参照)。即ち、液体サーバは、夏場であっても、タンク50から冷却された液体を提供し、且つ溶解していない菓子を提供することができる。
【0078】
なお適切なばね定数を有するばね69を使用し、容器62に収容された菓子の重量に応じて、容器62の収容箱61からの進出量を適切に調整してもよい。例えば、容器62に多数の菓子が収容されている場合には、菓子の重量によって、ばね69の伸長が抑制され、容器62が進出し難く、容器62に少量の菓子が収容されている場合には、ばね69が伸長し易く、容器62が進出し易いようなばね定数を有するばね69を使用する。容器62に多数の菓子が収容されている場合、第三開口62gの上側にまで菓子が積み上げられ、且つ第二蓋22を開けたときに第三開口62gの上側は露出するので、容器62が進出しなくても、ユーザは容易に菓子を取り出すことができる。
【0079】
一方、容器62に少数の菓子が収容されている場合、容器62の底部側、即ち第三開口62gの下側に菓子が配されている。容器62が進出していない場合、第二蓋22を開けても、第三開口62gの下側は露出しないので、ユーザは容易に菓子を取り出すことができない。しかし、ばね69のばね定数を適切に設定することによって、容器62に少量の菓子が収容されている場合に、第二蓋22を開けると、容器62が進出して、第三開口62gの下側が露出し、ユーザは容易に菓子を取り出すことができる。
【0080】
例えば、収容可能な最大数の菓子を容器62に収容している場合には、第二蓋22を開けると、容器62は第1位置、換言すれば低位置まで進出し、最大数の2/3の菓子を容器62に収容している場合に、第二蓋22を開けると、第1位置よりも高い第2位置、換言すれば中位置まで容器62が進出し、最大数の1/3の菓子を容器62に収容している場合には、第2位置よりも高い第3位置、換言すれば高位置まで容器62が進出するように構成することができる。なお菓子の重量に拘わらず、容器62が中位置又は高位置まで進出するばね69を使用してもよい。
【0081】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0082】
1 筐体
5 収容室
6 開口
21 第一蓋
22 第二蓋
30 基板ユニット
39a 第一液量センサ
39b 第二液量センサ
50 タンク
50b 排出口
60 保持器
61 収容箱
61c 第二開口
61d 案内溝
61e 被当接部
62 容器
63 突部(当接部)
68 ばね収容室
69 ばね(付勢部材)
132、136 検出用電極
133、137 共通電極