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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】加熱調理システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/04 20060101AFI20220107BHJP
   A47J 27/14 20060101ALI20220107BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A47J37/04 A
A47J27/14 N
H05B6/12 303
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2016162928
(22)【出願日】2016-08-23
(65)【公開番号】P2018029719
(43)【公開日】2018-03-01
【審査請求日】2019-08-20
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】513129209
【氏名又は名称】株式会社武蔵野ホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安田 定明
(72)【発明者】
【氏名】安田 信行
(72)【発明者】
【氏名】石川 浩志
(72)【発明者】
【氏名】中村 博昭
(72)【発明者】
【氏名】高 英明
【合議体】
【審判長】松下 聡
【審判官】田村 佳孝
【審判官】山崎 勝司
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-151244(JP,A)
【文献】特開2009-187909(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0128503(US,A1)
【文献】米国特許第4120981(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J27/00-27/64
A47J37/00-37/12
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務用の炒め鍋を介して調理対象を加熱するための加熱調理システムであって、
前記炒め鍋の底部の中心を回転軸として、当該炒め鍋を回転させるための回転手段と、
前記炒め鍋を加熱するための複数のIHヒータであって、当該複数のIHヒータによって前記底部における前記調理対象を加熱する領域である有効領域の一部のみが覆われるように、相互に間隔を隔てて設けられた複数のIHヒータと、
を備え、
前記有効領域を、下方に向けて突出する湾曲状に形成し、
前記複数のIHヒータの各々における前記有効領域と対向する対向側面の形状を同一の円形状にしつつ、前記複数のIHヒータの各々における前記対向側面を、前記有効領域における当該対向側面との対向部分に略沿った、下方に向けて突出する湾曲状に形成し、
前記複数のIHヒータの各々における前記対向側面の中心が前記底部の中心と重なり合わないように、当該複数のIHヒータを配置し、
前記複数のIHヒータは、
第1IHヒータ、第2IHヒータ、及び第3IHヒータを含み、
前記回転手段によって前記炒め鍋を1回転させることにより、前記有効領域全体が前記第1IHヒータ、前記第2IHヒータ、及び前記第3IHヒータと対向して加熱され、且つ前記第1IHヒータ、前記第2IHヒータ、及び前記第3IHヒータの各々の加熱領域が相互に重複するように、前記第1IHヒータ、前記第2IHヒータ、及び前記第3IHヒータを配置し、
前記第2IHヒータの前記加熱領域は、前記有効領域のうち前記底部の中心を含む径方向中心側の領域であり、
前記第1IHヒータ及び前記第3IHヒータの前記加熱領域は、それぞれ、前記有効領域のうち前記底部の中心を含まず径方向最外周を含む領域であり、
前記第2IHヒータは、その前記対向側面の中心が、前記底部の中心から所定方向に離れるように配置されており、
前記第1IHヒータは、その前記対向側面の中心が前記底部の中心から前記所定方向とは別方向に離れるように配置されており、
前記第3IHヒータは、その前記対向側面の中心が前記底部の中心から前記所定方向とはさらに別方向に離れるように配置されている、
加熱調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鍋を介して食品を調理するための調理装置が提案されている。このような調理装置は、概略的には、駆動源の回転動力によって鍋を水平回転させながら、当該鍋を支持する回転鍋受けと、鍋を加熱する電磁誘導式加熱器であって、電磁誘導式加熱器によって鍋の底部全体が覆われるように構成された電磁誘導式加熱器とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-312691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記従来の調理装置においては、上述したように、電磁誘導式加熱器によって鍋の底部全体が覆われるように、当該電磁誘導式加熱器が構成されているので、例えば、大型の調理装置においては、電磁誘導式加熱器の大型化に伴って電磁誘導式加熱器のコストが高くなることから、調理装置の設置コストが高くなる可能性があった。
【0005】
一方、このような問題を解決するために、電磁誘導式加熱器によって鍋の底部の一部のみが覆われるように、当該電磁誘導式加熱器を構成することも考えられる。しかしながら、このような電磁誘導式加熱器においては、電磁誘導式加熱器によって鍋の底部全体が覆われる場合に比べて、鍋の底部のうち電磁誘導式加熱器によって直接的に加熱される領域が小さくなるので、食品の如き調理対象をムラなく加熱することが難しくなる可能性があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、設置コストを低減しながら、調理対象をムラなく加熱することが可能になる、加熱調理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の加熱調理システムは、業務用の炒め鍋を介して調理対象を加熱するための加熱調理システムであって、前記炒め鍋の底部の中心を回転軸として、当該炒め鍋を回転させるための回転手段と、前記炒め鍋を加熱するための複数のIHヒータであって、当該複数のIHヒータによって前記底部における前記調理対象を加熱する領域である有効領域の一部のみが覆われるように、相互に間隔を隔てて設けられた複数のIHヒータと、を備え、前記有効領域を、下方に向けて突出する湾曲状に形成し、前記複数のIHヒータの各々における前記有効領域と対向する対向側面の形状を同一の円形状にしつつ、前記複数のIHヒータの各々における前記対向側面を、前記有効領域における当該対向側面との対向部分に略沿った、下方に向けて突出する湾曲状に形成し、前記複数のIHヒータの各々における前記対向側面の中心が前記底部の中心と重なり合わないように、当該複数のIHヒータを配置し、前記複数のIHヒータは、第1IHヒータ、第2IHヒータ、及び第3IHヒータを含み、前記回転手段によって前記炒め鍋を1回転させることにより、前記有効領域全体が前記第1IHヒータ、前記第2IHヒータ、及び前記第3IHヒータと対向して加熱され、且つ前記第1IHヒータ、前記第2IHヒータ、及び前記第3IHヒータの各々の加熱領域が相互に重複するように、前記第1IHヒータ、前記第2IHヒータ、及び前記第3IHヒータを配置し、前記第2IHヒータの前記加熱領域は、前記有効領域のうち前記底部の中心を含む径方向中心側の領域であり、前記第1IHヒータ及び前記第3IHヒータの前記加熱領域は、それぞれ、前記有効領域のうち前記底部の中心を含まず径方向最外周を含む領域であり、前記第2IHヒータは、その前記対向側面の中心が、前記底部の中心から所定方向)に離れるように配置されており、前記第1IHヒータは、その前記対向側面の中心が前記底部の中心から前記所定方向とは別方向に離れるように配置されており、前記第3IHヒータは、その前記対向側面の中心が前記底部の中心から前記所定方向とはさらに別方向に離れるように配置されている
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の加熱調理システムによれば、炒め鍋の底部の中心を回転軸として、当該炒め鍋を回転させるための回転手段と、複数のIHヒータによって底部における有効領域の一部のみが覆われるように、相互に間隔を隔てて設けられた複数のIHヒータと、を備え、回転手段によって炒め鍋を1回転させることにより、有効領域全体が複数のIHヒータと対向して加熱されるように、当該複数のIHヒータを配置したので、複数のIHヒータで有効領域の一部のみが覆われている場合でも、有効領域を効果的に加熱することでき、調理対象をムラなく加熱することが可能となる。また、複数のIHヒータで有効領域全体が覆われているシステムに比べて、IHヒータの設置個数を低減でき、加熱調理システムの設置コストを低減することが可能となる。
【0013】
請求項1に記載の加熱調理システムによれば、複数のIHヒータの各々における有効領域と対向する対向側面の形状を同一にしたので、当該対向側面の形状をそれぞれ異なる形状とした場合に比べて、複数のIHヒータの加熱制御を簡易に行うことができ、加熱調理システムの処理負荷を低減することが可能となる。
【0014】
請求項1に記載の加熱調理システムによれば、複数のIHヒータの各々における対向側面の中心が底部の中心と重なり合わないように、当該複数のIHヒータを配置したので、上記各々の対向側面が円形状に形成されている場合でも、有効領域全体が複数のIHヒータと対向して加熱されるように複数のIHヒータを確実に配置することができ、IHヒータの設置性を向上させることができる。
【0015】
請求項1に記載の加熱調理システムによれば、有効領域を、下方に向けて突出する湾曲状に形成し、複数のIHヒータの各々における対向側面を、有効領域における当該対向側面との対向部分に略沿った形状に形成したので、有効領域が下方に向けて突出する湾曲状に形成された場合でも、複数のIHヒータによって有効領域を効果的に加熱でき、調理対象をムラなく加熱することが可能となる。
【0016】
請求項1に記載の加熱調理システムによれば、複数のIHヒータの各々は、IHヒータであるので、他の加熱装置に比べて、安全性及びメンテナンス性に優れていることから、加熱調理システムの使用性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る加熱調理システムを概念的に示す平面図である(一部図示省略)。
図2図1の右側面図である(一部図示省略)。
図3図1の鍋の周辺領域の拡大図である(一部図示省略)。
図4】鍋を1回転させた際の底部の加熱状態を示す図である。
図5】実施の形態に係る加熱調理システムの変形例を示す図であり、図3に対応する領域を示す図である。
図6】実施の形態に係る加熱調理システムの変形例を示す図であり、図3に対応する領域を示す図である。
図7】実施の形態に係る加熱調理システムの変形例を示す図であり、図3に対応する領域を示す図である。
図8】実施の形態に係る加熱調理システムの変形例を示す図であり、図3に対応する領域を示す図である。
図9】実施の形態に係る加熱調理システムの変形例を示す図であり、図3に対応する領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る加熱調理システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、鍋を介して調理対象を加熱するための加熱調理システムに関するものである。
【0020】
ここで、「鍋」とは、調理対象を加熱するための容器であり、例えば、家庭用又は業務用の鍋であって、炒め鍋、文化鍋、フライパン、寸胴鍋、又は中華鍋等を含む概念である。また、「調理対象」とは、加熱調理システムによって加熱して調理される対象を意味し、例えば、液体状、ゲル状、固体状、あるいはこれらの状態が混合された状態の食材等を含む概念である。以下、実施の形態では、業務用の炒め鍋を介して調理対象を加熱するための加熱調理システムに適用した場合について説明する。
【0021】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0022】
(構成)
最初に、実施の形態に係る加熱調理システムの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る加熱調理システムを概念的に示す平面図である(一部図示省略)。図2は、図1の右側面図である(一部図示省略)。図3は、図1の鍋の周辺領域の拡大図である(一部図示省略)。以下の説明では、図1のX方向を加熱調理システムの左右方向又は幅方向(-X方向を加熱調理システムの方向、+X方向を加熱調理システムの方向)、図1のY方向を加熱調理システムの前後方向(+Y方向を加熱調理システムの前方向、-Y方向を加熱調理システムの後方向)、図2のZ方向を加熱調理システムの上下方向(+Z方向を加熱調理システムの上方向、-Z方向を加熱調理システムの下方向)と称する。また、図1から図3及び後述する図4においては、後述する鍋10の底部11と側部12との境界部を1点鎖線で示すと共に、後述する第1加熱部41、後述する第2加熱部42、及び後述する第3加熱部43を点線で示す。
【0023】
図1図2に示すように、この加熱調理システム1は、概略的に、鍋10、支持台20、回転部30、第1加熱部41、第2加熱部42、第3加熱部43、投入部50、撹拌部(図示省略)、駆動部70、操作部80、及び制御装置90を備えて構成されている。ただし、加熱調理システム1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。なお、これら第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43を特に区別する必要のないときは、単に「加熱部40」と総称する。
【0024】
また、この加熱調理システム1における各装置の接続形態については、具体的には、回転部30、第1加熱部41、第2加熱部42、第3加熱部43、駆動部70、及び操作部80は、制御装置90と図示しない配線を介して電気的に接続されている。よって、回転部30、第1加熱部41、第2加熱部42、第3加熱部43、駆動部70、又は操作部80と制御装置90との相互間で通信及び電力供給を直接的又は間接的に行うことができる。
【0025】
(構成-鍋)
鍋10は、例えば公知の炒め鍋等を用いて構成されており、図1図2に示すように、下方に向けて突出する湾曲状に形成され(より具体的には、鍋10の平面形状が略円形状に形成されている)、後述する支持台本体21に対して回転可能に支持されている。また、図1図2に示すように、この鍋10は、鍋10の底を形成する部分である底部11と、鍋10における底部11以外の部分である側部12とを備えている。ここで、底部11の詳細な設定については任意であるが、実施の形態では、鍋10の下方側の部分であって、鍋10の回転により加熱器によって対向して加熱されることが可能な部分を「底部11」として設定している。ただし、これに限られず、例えば、上記部分に加えて、上記部分の近傍部分を含むものを、「底部11」として設定してもよい。
【0026】
(構成-支持台)
支持台20は、少なくとも鍋10、回転部30、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43を支持するための支持手段である。この支持台20は、例えば、公知の鋼製の調理台等を用いて構成されており、図1図2に示すように、支持台本体21及び脚部22を備えている。
【0027】
(構成-支持台-支持台本体)
支持台本体21は、支持台20の基本構造体である。図1図2に示すように、この支持台本体21は、例えば平坦状にて形成された板状体であり、略水平に配置されており、脚部22に対して溶接等によって固定されている。また、図2に示すように、支持台本体21には、鍋受け開口部23が設けられている。鍋受け開口部23は、鍋10を受けるための開口部であり、鍋受け開口部23の外形が鍋10の外形よりも小さく形成されていることにより、鍋受け開口部23を介して鍋10を回転可能に嵌合して支持することができる。
【0028】
(構成-支持台-脚部)
脚部22は、支持台本体21を支持する支持手段であり、図2に示すように、一対の脚部本体24及び接続部(図示省略)を備えている。
【0029】
一対の脚部本体24は、脚部22の基本構造体である。図2に示すように、これら一対の脚部本体24は、側面形状が略L字状である板状体にて形成されており、支持台本体21の下方において相互に間隔を隔てて左右方向に沿って並設されており、床面2に対して固定具等によって固定されている。また、一対の脚部本体24と支持台本体21との接続方法については任意であるが、実施の形態では、図2に示すように、支持台本体21の前端部を、一対の脚部本体24の各々の上端部に対して回転可能な固定具(例えば、ボールベアリング等)によって接続している。
【0030】
接続部は、一対の脚部本体24を接続するための接続手段である。この接続部は、略板状体にて形成されており、一対の脚部本体24との相互間に配置され、一対の脚部本体24に対して溶接等により接続されている。
【0031】
(構成-回転部)
回転部30は、鍋10の底部11の中心C0を回転軸(図1では、上下方向に略沿った回転軸)として、当該鍋10を回転させるための回転手段であり、例えば回転モータ等の公知の回転装置等を用いて構成されている。また、図1に示すように、この回転部30は、支持台本体21の上端部に設置されており、具体的には、鍋10の側部12と当接するように配置されており、支持台本体21に対して固定具等によって固定されている。
【0032】
(構成-第1加熱部、第2加熱部、第3加熱部)
第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43は、鍋10を加熱するための複数の加熱手段である。これら第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43の各々は、例えば、IHヒータ等の公知の加熱装置を用いて構成されており、図2に示すように、鍋10よりも下方位置に配置され、図示しない連結部材を介して支持台20に対して固定具等によって固定されている。なお、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43の構成の詳細については、後述する。
【0033】
(構成-投入部)
投入部50は、図示しない調理対象を鍋10に投入するための投入手段である。この投入部50は、例えば、投入シュータ等の公知の投入器を用いて構成されており、図2に示すように、鍋10よりも上方位置に配置され、固定部材51を介して床面2(又は支持台20)に対して固定具等によって固定されている。
【0034】
(構成-撹拌部)
撹拌部は、鍋10に投入された調理対象をかき混ぜるための撹拌手段である。この撹拌部は、例えば、螺旋状攪拌子やスクレーパ等の公知の撹拌器を用いて構成されており、鍋10よりも上方位置に配置され、駆動部70に対して固定具等によって接続されている。
【0035】
(構成-駆動部)
駆動部70は、撹拌部を駆動させるための駆動手段であり、例えば、公知の駆動機構を用いて構成されており、支持台本体21の近傍に配置され、連結部材71を介して支持台20に対して固定されている。なお、この連結部材71の具体的な構成については任意であるが、例えば、駆動部70を上下方向に回転させるための回転軸72を備えることにより、調理状況に応じて、撹拌部と鍋10との距離を調整することが可能となる。
【0036】
(構成-操作部)
操作部80は、制御装置90に対する操作入力を受け付けるための操作手段である。この操作部80は、例えば、タッチパッド、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、ハードスイッチ等の公知の操作手段を用いて構成されており、支持台20の近傍に配置されており、固定部材81を介して支持台20(又は床面2)に対して固定されている。
【0037】
(構成-制御装置)
制御装置90は、加熱調理システム1を制御するための装置であり、通信部、出力部、制御部、及びデータ記録部を備えている(いずれも図示省略)。
【0038】
通信部は、回転部30、第1加熱部41、第2加熱部42、第3加熱部43、駆動部70、及び操作部80との間で有線(又は無線)で通信するための通信手段である。
【0039】
出力部は、制御部の制御に基づいて各種の情報を出力する出力手段であり、例えば、ディスプレイやスピーカ等の公知の出力装置を用いて構成されている。
【0040】
制御部は、加熱調理システム1の各部を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されている。
【0041】
データ記録部は、加熱調理システム1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。
【0042】
(構成-第1加熱部、第2加熱部、第3加熱部の構成の詳細)
次に、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43の構成の詳細について説明する。図4は、鍋10を1回転させた際の底部11の加熱状態を示す図である。まず、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43の構成の第1の特徴については、図3に示すように、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43によって鍋10の底部11における有効領域ERの一部のみが覆われるように、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43が相互に間隔を隔てて設けられている。ここで、「有効領域ER」とは、底部11の領域のうち、調理対象を加熱する領域を意味する。この「有効領域ER」は、実施の形態では、底部11の全体領域を「有効領域ER」として説明するが、これに限られず、例えば、底部11の全体領域よりも狭い領域(一例として、底部11の下端部から上端部よりも若干下方側の部分に至る領域等)を「有効領域ER」としてもよい。
【0043】
また、複数の加熱部40によって有効領域ERの一部のみを覆う理由は、以下に示す通りとなる。すなわち、複数の加熱部40によって有効領域ER全体を覆う場合には、有効領域ERの一部のみを覆う場合に比べて、各加熱部40のサイズを大きくすることで加熱部40のコストが高くなるため、調理装置の設置コストが高くなるおそれがあることから、このような問題を回避するためである。よって、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43の具体的な形状については、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43の各々における有効領域ERと対向する側面40a(以下、「対向側面40a」と称する)の面積の合計が有効領域ERよりも小さくなる形状に設定している。また、複数の加熱部40を相互に間隔を隔てて設けた理由は、以下に示す通りとなる。すなわち、複数の加熱部40の一部が、複数の加熱部40の他の一部から発生した熱又は電磁波による影響を受けることで、当該一部の加熱制御に支障をきたすおそれがあることから、このような問題を回避するためである。なお、上記間隔の長さの設定については、具体的には、各加熱部40の大きさや最大加熱温度等に応じて異なり得ることから、実験結果等に基づいて設定している。
【0044】
次に、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43の構成の第2の特徴については、図3に示すように、回転部30によって鍋10を1回転させることにより、有効領域ER全体が第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43と対向して加熱されるように、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43が配置されている。ここで、複数の加熱部40を上述したように配置する理由は、以下に示す通りとなる。すなわち、回転部30によって鍋10を1回転させた際に、有効領域ERの一部のみが複数の加熱部40と対向して加熱する場合には、有効領域ER全体が複数の加熱部40と対向して加熱する場合に比べて、有効領域ERのうち複数の加熱部40によって直接的に加熱される領域が小さくなるため、調理対象をムラなく加熱することが難しくなるおそれがあることから、このような問題を回避するためである。
【0045】
具体的には、図3図4に示すように、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43は、第1加熱領域41a(図4の左斜線の領域)、第2加熱領域42a(図4の右斜線の領域)、及び第3加熱領域43a(図4の水平線の領域)の総面積が有効領域ERの面積よりも大きく、且つ第1加熱領域41a、第2加熱領域42a、及び第3加熱領域43aの各々の相互間で隙間が生じないように配置されている(図4では、2つ以上の加熱領域が重複するように配置されている)。ここで、「第1加熱領域41a」とは、有効領域ERのうち、回転部30によって鍋10を1回転させることにより第1加熱部41によって対向して加熱される領域である。また、「第2加熱領域42a」とは、有効領域ERのうち、回転部30によって鍋10を1回転させることにより第2加熱部42によって対向して加熱される領域である。また、「第3加熱領域43a」とは、有効領域ERのうち、回転部30によって鍋10を1回転させることにより第3加熱部43によって対向して加熱される領域である。
【0046】
続いて、上述した第1の特徴及び第2の特徴を包含する第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43の構成の詳細については、以下の通りとなる。
【0047】
すなわち、まず、図3に示すように、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43の各々の対向側面40aの形状が同一となるように、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43が形成されている。ここで、上記各々の対向側面40aの具体的な形状については任意であるが、実施の形態では、図3に示すように、有効領域ERの半径よりも小さい直径を有する円形状に形成されており、より具体的には、第1加熱部41、第2加熱部42、又は第3加熱部43のいずれか1つの対向側面40aの中心が鍋10の底部11の中心C0と重なり合うように第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43を配置した場合に、残りの加熱部40の対向側面40aを有効領域ER内に配置できない長さとなる直径を有する円形状に形成されている。ただし、上記形状に限られず、例えば、有効領域ERの大きさ、加熱部40の最大加熱温度、又は鍋10の回転速度等に応じて異なり得ることから、実験結果等に基づいた形状により形成されてもよい。このような形状により、上記対向側面40aの形状をそれぞれ異なる形状とした場合に比べて、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43の加熱制御を簡易に行うことができるので、加熱調理システム1(具体的には、制御装置90)の処理負荷を低減することが可能となる。
【0048】
また、上記各々の対向側面40aの中心が鍋10の底部11の中心C0と重なり合わないように、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43が配置されている。具体的には、第1加熱部41については、図3に示すように、当該第1加熱部41の対向側面40aの中心C1が底部11の中心C0から左方に距離X1離れ、且つ後方に距離Y1離れて位置するように配置されている。また、第2加熱部42については、図3に示すように、当該第2加熱部42の対向側面40aの中心C2が底部11の中心C0から右方に距離X2離れ、且つ前方に距離Y2離れて位置するように配置されている。また、第3加熱部43については、図3に示すように、当該第3加熱部43の対向側面40aの中心C3が底部11の中心C0から左方に距離X3離れ、且つ前方に距離Y3離れて位置するように配置されている。このような配置により、上記各々の対向側面40aが円形状に形成されている場合でも、第1加熱領域41a、第2加熱領域42a、及び第3加熱領域43aの相互間に隙間が生じることなく、有効領域ER全体が第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43と対向して加熱されるように、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43を確実に配置することができるので、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43の設置性を向上させることができる。
【0049】
また、上記各々の対向側面40aが、有効領域ERにおける当該対向側面40aとの対向部分に略沿った形状に形成されており、具体的には、図2に示すように、当該対向部分の形状と略同様に、下方に向けて突出する湾曲状に形成されている。このような形状により、有効領域ERが下方に向けて突出する湾曲状に形成された場合でも、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43によって有効領域ERを効果的に加熱できるので、調理対象をムラなく加熱することが可能となる。
【0050】
以上のような加熱部40の構成により、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43で有効領域ERの一部のみが覆われている場合でも、有効領域ERを効果的に加熱することできるので、調理対象をムラなく加熱することが可能となる。また、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43で有効領域ER全体が覆われているシステムに比べて、加熱部40の設置個数を低減できるので、加熱調理システム1の設置コストを低減することが可能となる。
【0051】
(構成-加熱調理システムの作用)
このように構成された加熱調理システム1の作用について説明する。
【0052】
例えば、加熱調理システム1の電源が投入された後に、投入部50によって調理対象が投入される前後のいずれかの時点で所定操作が操作部80を介して受け付けられると、制御装置90の制御部は、回転部30によって鍋10を回転させると共に、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43によって鍋10を介して調理対象を加熱させる。この場合において、回転部30によって鍋10を1回転させる毎に、有効領域ER全体が第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43と対向して加熱される。これにより、第1加熱部41、第2加熱部42、及び第3加熱部43で有効領域ERの一部のみが覆われている場合でも、有効領域ERを効果的に加熱することができるので、調理対象をムラなく加熱することができる。
【0053】
(構成-その他の構成)
また、この他にも、加熱調理システム1は、実施の形態に係る加熱調理システム1と同一の効果を有する限りにおいて任意の構造にて構成可能である。具体的には、実施の形態では、加熱部40の設置数が3つであると説明したが、これに限られない。例えば、図5に示すように、加熱部40の設置数が4つであってもよく、又は、それよりも多い数であってもよい。あるいは、加熱部40の設置数が2つであってもよい。
【0054】
また、実施の形態では、複数の加熱部40の各々の対向側面40aの形状が同一であると説明したが、これに限られない。図6は、実施の形態に係る加熱調理システム1の変形例を示す図であり、図3に対応する領域を示す図である。例えば、複数の加熱部40の各々の対向側面40aの形状が異なるものであってもよい。一例として、図6に示すように、5つの加熱部40が設けられている場合に、2つの加熱部40の対向側面40aの形状が、3つの加熱部40の対向側面40aの形状と異なるものであってもよい。
【0055】
また、実施の形態では、複数の加熱部40の各々の対向側面40aの形状が円形状であると説明したが、これに限られない。図7図8は、実施の形態に係る加熱調理システム1の変形例を示す図であり、図3に対応する領域を示す図である。例えば、図7に示すように、複数の加熱部40の各々の対向側面40aの形状が四角形状であってもよい。あるいは、図8に示すように、複数の加熱部40の各々の対向側面40aの形状が円環形状であってもよい。
【0056】
また、実施の形態では、複数の加熱部40の対向側面40aの中心が鍋10の底部11の中心C0と重なり合わないように、複数の加熱部40が配置されていると説明したが、これに限られない。図9は、実施の形態に係る加熱調理システム1の変形例を示す図であり、図3に対応する領域を示す図である。例えば、図9に示すように、複数の加熱部40のいずれか1つの対向側面40a(図9では、楕円形状の対向側面40a)の中心が鍋10の底部11の中心C0と重なり合うように配置され、残りの加熱部40の各々の対向側面40a(図9では、円形状の対向側面40a)の中心が鍋10の底部11の中心C0と重なり合わないように配置されてもよい。
【0057】
(効果)
このように実施の形態によれば、鍋10の底部11の中心C0を回転軸として、当該鍋10を回転させるための回転部30と、複数の加熱部40によって底部11における有効領域ERの一部のみが覆われるように、相互に間隔を隔てて設けられた複数の加熱部40と、を備え、回転部30によって鍋10を1回転させることにより、有効領域ER全体が複数の加熱部40と対向して加熱されるように、当該複数の加熱部40を配置したので、複数の加熱部40で有効領域ERの一部のみが覆われている場合でも、有効領域ERを効果的に加熱することでき、調理対象をムラなく加熱することが可能となる。また、複数の加熱部40で有効領域ER全体が覆われているシステムに比べて、加熱部40の設置個数を低減でき、加熱調理システム1の設置コストを低減することが可能となる。
【0058】
また、複数の加熱部40の各々における有効領域ERと対向する対向側面40aの形状を同一にしたので、当該対向側面40aの形状をそれぞれ異なる形状とした場合に比べて、複数の加熱部40の加熱制御を簡易に行うことができ、加熱調理システム1の処理負荷を低減することが可能となる。
【0059】
また、複数の加熱部40の各々における対向側面40aの中心が底部11の中心C0と重なり合わないように、当該複数の加熱部40を配置したので、上記各々における対向側面40aが円形状に形成されている場合でも、有効領域ER全体が複数の加熱部40と対向して加熱されるように複数の加熱部40を確実に配置することができ、加熱部40の設置性を向上させることができる。
【0060】
また、有効領域ERを、下方に向けて突出する湾曲状に形成し、複数の加熱部40の各々における対向側面40aを、有効領域ERにおける当該対向側面40aとの対向部分に略沿った形状に形成したので、有効領域ERが下方に向けて突出する湾曲状に形成された場合でも、複数の加熱部40によって有効領域ERを効果的に加熱でき、調理対象をムラなく加熱することが可能となる。
【0061】
また、複数の加熱部40の各々は、IHヒータであるので、他の加熱装置に比べて、安全性及びメンテナンス性に優れていることから、加熱調理システム1の使用性を向上させることが可能となる。
【0062】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0063】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0064】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0065】
(加熱調理システムについて)
上記実施の形態では、加熱調理システムは、投入部50、撹拌部、及び駆動部70を備えていると説明したが、これに限られない。例えば、加熱調理システムの設置コストを低減するために、投入部50、撹拌部、及び駆動部70を省略してもよい。
【0066】
(鍋について)
上記実施の形態では、鍋10が下方に向けて突出する湾曲状に形成されていると説明したが、これに限られない。例えば、鍋10が寸胴鍋である場合には、上面が開放された円筒状に形成されてもよい。この場合には、鍋10の下端部が「底部11」として設定される。
【0067】
(加熱部について)
上記実施の形態では、加熱部40は、IHヒータであると説明したが、これに限られず、例えば、ガスコンロや電気コンロであってもよい。
【0068】
(付記)
付記1の加熱調理システムは、鍋を介して調理対象を加熱するための加熱調理システムであって、前記鍋の底部の中心を回転軸として、当該鍋を回転させるための回転手段と、前記鍋を加熱するための複数の加熱手段であって、当該複数の加熱手段によって前記底部における前記調理対象を加熱する領域である有効領域の一部のみが覆われるように、相互に間隔を隔てて設けられた複数の加熱手段と、を備え、前記回転手段によって前記鍋を1回転させることにより、前記有効領域全体が前記複数の加熱手段と対向して加熱されるように、当該複数の加熱手段を配置した。
【0069】
付記2の加熱調理システムは、付記1に記載の加熱調理システムにおいて、前記複数の加熱手段の各々における前記有効領域と対向する対向側面の形状を同一にした。
【0070】
付記3の加熱調理システムは、付記2に記載の加熱調理システムにおいて、前記複数の加熱手段の各々における前記対向側面の中心が前記底部の中心と重なり合わないように、当該複数の加熱手段を配置した。
【0071】
付記4の加熱調理システムは、付記2又は3に記載の加熱調理システムにおいて、前記有効領域を、下方に向けて突出する湾曲状に形成し、前記複数の加熱手段の各々における前記対向側面を、前記有効領域における当該対向側面との対向部分に略沿った形状に形成した。
【0072】
付記5の加熱調理システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の加熱調理システムにおいて、前記複数の加熱手段の各々は、IHヒータである。
【0073】
(付記の効果)
付記1に記載の加熱調理システムによれば、鍋の底部の中心を回転軸として、当該鍋を回転させるための回転手段と、複数の加熱手段によって底部における有効領域の一部のみが覆われるように、相互に間隔を隔てて設けられた複数の加熱手段と、を備え、回転手段によって鍋を1回転させることにより、有効領域全体が複数の加熱手段と対向して加熱されるように、当該複数の加熱手段を配置したので、複数の加熱手段で有効領域の一部のみが覆われている場合でも、有効領域を効果的に加熱することでき、調理対象をムラなく加熱することが可能となる。また、複数の加熱手段で有効領域全体が覆われているシステムに比べて、加熱手段の設置個数を低減でき、加熱調理システムの設置コストを低減することが可能となる。
【0074】
付記2に記載の加熱調理システムによれば、複数の加熱手段の各々における有効領域と対向する対向側面の形状を同一にしたので、当該対向側面の形状をそれぞれ異なる形状とした場合に比べて、複数の加熱手段の加熱制御を簡易に行うことができ、加熱調理システムの処理負荷を低減することが可能となる。
【0075】
付記3に記載の加熱調理システムによれば、複数の加熱手段の各々における対向側面の中心が底部の中心と重なり合わないように、当該複数の加熱手段を配置したので、上記各々の対向側面が円形状に形成されている場合でも、有効領域全体が複数の加熱手段と対向して加熱されるように複数の加熱手段を確実に配置することができ、加熱手段の設置性を向上させることができる。
【0076】
付記4に記載の加熱調理システムによれば、有効領域を、下方に向けて突出する湾曲状に形成し、複数の加熱手段の各々における対向側面を、有効領域における当該対向側面との対向部分に略沿った形状に形成したので、有効領域が下方に向けて突出する湾曲状に形成された場合でも、複数の加熱手段によって有効領域を効果的に加熱でき、調理対象をムラなく加熱することが可能となる。
【0077】
付記5に記載の加熱調理システムによれば、複数の加熱手段の各々は、IHヒータであるので、他の加熱装置に比べて、安全性及びメンテナンス性に優れていることから、加熱調理システムの使用性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0078】
1 加熱調理システム
2 床面
10 鍋
11 底部
12 側部
20 支持台
21 支持台本体
22 脚部
23 鍋受け開口部
24 脚部本体
30 回転部
40 加熱部
40a 対向側面
41 第1加熱部
41a 第1加熱領域
42 第2加熱部
42a 第2加熱領域
43 第3加熱部
43a 第3加熱領域
50 投入部
51 固定部材
70 駆動部
71 連結部材
72 回転軸
80 操作部
81 固定部材
90 制御装置
C0 鍋の底部の中心
C1 第1加熱部の対向側面の中心
C2 第2加熱部の対向側面の中心
C3 第3加熱部の対向側面の中心
ER 有効領域
X1 距離
X2 距離
X3 距離
Y1 距離
Y2 距離
Y3 距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9