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特許6997531IoTデバイス機器のアクティベーション処理による接続方法
<図1>
  • 特許-IoTデバイス機器のアクティベーション処理による接続方法 図1
  • 特許-IoTデバイス機器のアクティベーション処理による接続方法 図2
  • 特許-IoTデバイス機器のアクティベーション処理による接続方法 図3
  • 特許-IoTデバイス機器のアクティベーション処理による接続方法 図4
  • 特許-IoTデバイス機器のアクティベーション処理による接続方法 図5
  • 特許-IoTデバイス機器のアクティベーション処理による接続方法 図6
  • 特許-IoTデバイス機器のアクティベーション処理による接続方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】IoTデバイス機器のアクティベーション処理による接続方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/12 20220101AFI20220107BHJP
【FI】
H04L67/12
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2017080369
(22)【出願日】2017-04-14
(65)【公開番号】P2018180978
(43)【公開日】2018-11-15
【審査請求日】2020-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】591030237
【氏名又は名称】日本ユニシス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】川崎 久志
(72)【発明者】
【氏名】松村 義昭
(72)【発明者】
【氏名】藤原 雄介
【審査官】今川 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-213801(JP,A)
【文献】特開2009-064450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録デバイスID、サーバ側アクティベーションID、アクティベーション許可期間、接続設定情報及び初期化処理スクリプトを少なくとも記憶したアクティベーション処理サーバを備え、
前記アクティベーション処理サーバは、利用者の端末から端末側アクティベーションIDを受信した後、前記端末側アクティベーションIDが前記サーバ側アクティベーションIDと一致し、かつ、前記端末側アクティベーションIDを受信した時間が前記アクティベーション許可期間内である場合に、前記登録デバイスIDに対応する機器に前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信すること
を特徴とするアクティベーションシステム。
【請求項2】
接続先URL及び端末側アクティベーションIDを含んだアクティベーション用ハイパーリンクを少なくとも記憶した端末を更に備え、
前記端末は、前記アクティベーション用ハイパーリンクにアクセスした利用者からの入力を受けた後、前記接続先URLに対応する前記アクティベーション処理サーバにネットワークを介して接続して、前記端末側アクティベーションIDを送信すること
を特徴とする請求項1に記載のアクティベーションシステム。
【請求項3】
初期接続先URL及びデバイスIDを少なくとも記憶したIoTゲートウェイ機器を更に備え、
前記IoTゲートウェイ機器は、電源を投入された後、前記初期接続先URLに対応する前記アクティベーション処理サーバにネットワークを介して接続して、前記デバイスIDを前記アクティベーション処理サーバに送信し、
前記アクティベーション処理サーバは、前記デバイスIDを受信した後、受信した前記デバイスIDが前記登録デバイスIDと一致する場合には、前記IoTゲートウェイ機器とのネットワーク接続を維持し、一致しない場合には、前記IoTゲートウェイ機器とのネットワーク接続を切断すること
を特徴とする請求項1又は2に記載のアクティベーションシステム。
【請求項4】
前記IoTゲートウェイ機器は、前記アクティベーション処理サーバから前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを受信した場合に、前記初期化処理スクリプトを実行して、前記接続設定情報に基づいてIoTデータ送信先サーバへのネットワーク接続を確立すること
を特徴とする請求項3に記載のアクティベーションシステム。
【請求項5】
前記接続設定情報は、少なくともデータ送信先URLと認証情報を含み、
前記IoTゲートウェイ機器は、前記初期化処理スクリプトを実行することで、前記データ送信先URLを用いてネットワークを介して前記IoTデータ送信先サーバに接続し、前記デバイスID及び前記認証情報を前記IoTデータ送信先サーバに送信し、
前記IoTデータ送信先サーバにおいて、前記デバイスID及び前記認証情報を受信した後、受信した前記デバイスID及び前記認証情報が、前記IoTデータ送信先サーバに記憶された登録デバイスID及びサーバ側認証情報にそれぞれ一致する場合に、前記IoTゲートウェイ機器と前記IoTデータ送信先サーバ間のネットワーク接続を維持し、一致しない場合には、当該ネットワーク接続を切断すること
を特徴とする請求項4に記載のアクティベーションシステム。
【請求項6】
前記IoTゲートウェイ機器は、前記初期化処理スクリプトを受信した場合に、前記初期化処理スクリプトによって前記初期接続先URLを変更又は削除し、
前記IoTゲートウェイ機器の電源を切って、再度電源を投入した際には、前記IoTデータ送信先サーバに自動的に接続されること
を特徴とする請求項4又は5に記載のアクティベーションシステム。
【請求項7】
前記アクティベーション処理サーバは、前記IoTゲートウェイ機器の前記デバイスIDが前記登録デバイスIDと一致するか否かを照合した結果に対応する応答メッセージを前記IoTゲートウェイ機器に送信し、
前記IoTゲートウェイ機器は、前記アクティベーション処理サーバに接続後一定期間、前記アクティベーション処理サーバから前記応答メッセージを受信しない場合には、再度、前記初期接続先URLを用いて、前記デバイスIDを前記アクティベーション処理サーバに送信すること
を特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載のアクティベーションシステム。
【請求項8】
前記アクティベーション処理サーバは、サーバ側期間変更キーを更に記憶しており、
前記端末は、利用者からの期間変更キーの入力を受けた後、前記アクティベーション処理サーバに、前記期間変更キーを送信し、
前記アクティベーション処理サーバは、前記期間変更キーを受信した後、前記期間変更キーが前記サーバ側期間変更キーに一致する場合に、前記端末からの前記アクティベーション許可期間の変更を許可すること
を特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載のアクティベーションシステム。
【請求項9】
前記アクティベーション処理サーバは、前記端末側アクティベーションIDを受信した時間が前記アクティベーション許可期間外である場合に、前記端末に期間変更キーの入力を促す通知を送信すること
を特徴とする請求項8に記載のアクティベーションシステム。
【請求項10】
前記アクティベーション処理サーバは、前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信する前に、前記登録デバイスIDに対応する前記IoTゲートウェイ機器が前記アクティベーション処理サーバに接続されているか否かを判断し、接続されていない場合に、前記端末に前記IoTゲートウェイ機器の電源を投入することを促す通知を送信すること
を特徴とする請求項に記載のアクティベーションシステム。
【請求項11】
登録デバイスID、サーバ側アクティベーションID、アクティベーション許可期間、接続設定情報及び初期化処理スクリプトを少なくとも記憶したアクティベーション処理サーバと、
接続先URL及び端末側アクティベーションIDを含んだアクティベーション用ハイパーリンクを少なくとも記憶した端末と、
初期接続先URL及びデバイスIDを少なくとも記憶したIoTゲートウェイ機器を含むアクティベーションシステムによって実行されるアクティベーション方法であって、
前記端末は、前記アクティベーション用ハイパーリンクにアクセスした利用者からの入力を受けた後、前記接続先URLに対応する前記アクティベーション処理サーバにネットワークを介して接続して、前記端末側アクティベーションIDを送信するステップと、
前記IoTゲートウェイ機器は、電源を投入された後、前記初期接続先URLに対応する前記アクティベーション処理サーバにネットワークを介して接続して、前記デバイスIDを前記アクティベーション処理サーバに送信するステップと、
前記アクティベーション処理サーバは、前記端末側アクティベーションIDを受信した後、前記端末側アクティベーションIDが前記サーバ側アクティベーションIDと一致し、かつ、前記端末側アクティベーションIDを受信した時間が前記アクティベーション許可期間内である場合に、前記登録デバイスIDに対応する前記IoTゲートウェイ機器に前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信するステップとを含むこと
を特徴とするアクティベーション方法。
【請求項12】
前記IoTゲートウェイ機器が前記デバイスIDを前記アクティベーション処理サーバに送信するステップの後に、
前記アクティベーション処理サーバは、前記デバイスIDを受信した後、受信した前記デバイスIDが前記登録デバイスIDと一致する場合には、前記IoTゲートウェイ機器とのネットワーク接続を維持し、一致しない場合には、前記IoTゲートウェイ機器とのネットワーク接続を切断するステップを更に含むこと
を特徴とする請求項11に記載のアクティベーション方法。
【請求項13】
前記アクティベーション処理サーバが、前記登録デバイスIDに対応する前記IoTゲートウェイ機器に前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信するステップの後に、
前記IoTゲートウェイ機器は、前記アクティベーション処理サーバから前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを受信した場合に、前記初期化処理スクリプトを実行して、前記接続設定情報に基づいてIoTデータ送信先サーバへのネットワーク接続を確立するステップを更に含むこと
を特徴とする請求項11又は12に記載のアクティベーション方法。
【請求項14】
前記接続設定情報は、少なくともデータ送信先URLと認証情報を含み、
前記IoTデータ送信先サーバへのネットワーク接続を確立するステップは、
前記IoTゲートウェイ機器が、前記初期化処理スクリプトを実行することで、前記データ送信先URLを用いてネットワークを介して前記IoTデータ送信先サーバに接続し、前記デバイスID及び前記認証情報を前記IoTデータ送信先サーバに送信するステップを更に含み、
前記IoTデータ送信先サーバにおいて、前記デバイスID及び前記認証情報を受信した後、受信した前記デバイスID及び前記認証情報が、前記IoTデータ送信先サーバに記憶された登録デバイスID及びサーバ側認証情報にそれぞれ一致する場合に、前記IoTゲートウェイ機器と前記IoTデータ送信先サーバ間のネットワーク接続を維持し、一致しない場合には、当該ネットワーク接続を切断すること
を特徴とする請求項13に記載のアクティベーション方法。
【請求項15】
前記IoTゲートウェイ機器は、前記初期化処理スクリプトを受信した場合に、前記初期化処理スクリプトによって前記初期接続先URLを変更又は削除し、
前記IoTゲートウェイ機器の電源を切って、再度電源を投入した際には、前記IoTデータ送信先サーバに自動的に接続されること
を特徴とする請求項13に記載のアクティベーション方法。
【請求項16】
登録デバイスID、サーバ側アクティベーションID、アクティベーション許可期間、接続設定情報及び初期化処理スクリプトを少なくとも記憶した記憶部と、
端末側アクティベーションIDを受信する受信部と、
前記端末側アクティベーションIDが前記サーバ側アクティベーションIDと一致し、かつ、前記端末側アクティベーションIDを受信した時間が前記アクティベーション許可期間内であるか否かを判断する判断部と、
前記登録デバイスIDに対応する機器に前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信する送信部とを備え、
前記送信部は、前記端末側アクティベーションIDが前記サーバ側アクティベーションIDと一致し、かつ、前記端末側アクティベーションIDを受信した時間が前記アクティベーション許可期間内である場合に、前記登録デバイスIDに対応する機器に前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信すること
を特徴とするアクティベーション装置。
【請求項17】
前記受信部は、IoTゲートウェイ機器からデバイスIDを受信し、
前記判断部は、受信した前記デバイスIDが前記登録デバイスIDと一致するか否かの判断を行い、
前記送信部は、前記判断の結果に対応する応答メッセージを前記IoTゲートウェイ機器に送信すること
を特徴とする請求項16に記載のアクティベーション装置。
【請求項18】
前記アクティベーション許可期間の変更を許可する許可部を更に備え、
前記記憶部は、サーバ側期間変更キーを記憶し、
前記受信部は、利用者の端末からの期間変更キーを受信し、
前記許可部は、前記期間変更キーが前記サーバ側期間変更キーに一致する場合に、前記端末からの前記アクティベーション許可期間の変更を許可すること
を特徴とする請求項16又は17に記載のアクティベーション装置。
【請求項19】
前記送信部は、前記端末側アクティベーションIDを受信した時間が前記アクティベーション許可期間外である場合に、前記端末に期間変更キーの入力を促す通知を送信すること
を特徴とする請求項18に記載のアクティベーション装置。
【請求項20】
前記判断部は、前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信する前に、前記登録デバイスIDに対応する機器が接続されているか否かを判断し、
前記送信部は、前記登録デバイスIDに対応する機器が接続されていない場合に、前記端末に前記機器の電源を投入することを促す通知を送信すること
を特徴とする請求項18に記載のアクティベーション装置。
【請求項21】
初期接続先URL及びデバイスIDを少なくとも記憶した記憶部と、
電源投入された後、前記初期接続先URLに対応するアクティベーション処理サーバにネットワークを介して接続する接続部と、
前記デバイスIDを前記アクティベーション処理サーバに送信する送信部と、
前記アクティベーション処理サーバから接続設定情報及び初期化処理スクリプトを受信する受信部とを備え、
前記接続部は、前記アクティベーション処理サーバから前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを受信した場合に、前記初期化処理スクリプトを実行して、前記接続設定情報に基づいてIoTデータ送信先サーバへのネットワーク接続を確立すること
を特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項22】
前記受信部は、前記初期化処理スクリプトを受信した場合に、前記初期化処理スクリプトによって前記初期接続先URLを変更又は削除し、
前記電源られ前記電源が再度投入された際には、前記接続部は、前記IoTデータ送信先サーバに自動的に接続を試みること
を特徴とする請求項21に記載のゲートウェイ装置。
【請求項23】
前記送信部は、前記アクティベーション処理サーバに接続後一定期間、前記アクティベーション処理サーバから応答メッセージを受信しない場合には、再度、前記初期接続先URLを用いて、前記デバイスIDを前記アクティベーション処理サーバに送信すること
を特徴とする請求項21又は22に記載のゲートウェイ装置。
【請求項24】
1以上のプロセッサを含むアクティベーション処理サーバによって実行されることで、前記アクティベーション処理サーバを請求項14から20のいずれか1項に記載のアクティベーション装置として機能させること
を特徴とするプログラム。
【請求項25】
1以上のプロセッサを含むIoTゲートウェイ機器によって実行されることで、前記IoTゲートウェイ機器を請求項21から23のいずれか1項に記載のゲートウェイ装置として機能させること
を特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IoT(Internet of Things)デバイス機器のためのアクティベーション機能に関する。具体的には、センサ等からのデータを収集する場所の近くで前処理を行う機器であるIoTゲートウェイ機器(エッジコンピュータ、フィールドゲートウェイなどとも呼ばれる機器)を有効化(アクティベート)するためのアクティベーションシステム、方法、装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)と呼ばれる、コンピュータ以外のモノをインターネットに接続する技術が発展しつつある。IoT技術を用いることで、モノに取り付けられたIoTデバイスの1つであるセンサからデータを収集し、収集されたデータはインターネットを介してコンピュータ等に送信されて、当該データを活用することができる。例えば、IoT技術は、会議室のドア等にセンサを取り付けて、センサから収集したデータに基づいて会議室の使用状況を、インターネットを介して知ることに活用することができる。
【0003】
このように、IoT技術を活用していくにあたり、モノに取り付けられたセンサ等のIoT端末からデータを収集し前処理等を行うIoTゲートウェイ機器が必要となる。例えば、特開2015-114937号公報(特許文献1)に記載されたIoT技術を利用したデータ処理システムでは、フロント・エンド・サーバが、IoTデバイスから送信されるデータを、パケット通信網を介して受信することができる。フロント・エンド・サーバは、IoTデバイスから収集した大量の計測データ等のストリーム・データを前処理するといった、IoTゲートウェイ機器として機能させることができる。
【0004】
従来、IoTゲートウェイ機器を設置するためには、利用者が、少なくとも設置場所に合わせたネットワーク設定を行う必要がある。また、必要に応じて、ソフトウェアのインストールや機器の設定等の作業が発生する。例えば、特開2016-201032号公報(特許文献2)に記載の端末管理システムでは、監視カメラ等のIoTデバイスを利用するにあたって、利用者は管理パスワードを用いた利用者認証によって各種設定の変更を行うことができる。
【0005】
また、IoTゲートウェイ機器の接続先であるサーバ(IoTデータ送信先サーバ)では、事前に登録してあるデバイスIDのIoTゲートウェイ機器のみ接続を許可することができる。IoTゲートウェイ機器のデバイスIDの事前登録は、IoTゲートウェイ機器を購入した者が、そのデバイスIDの登録をサービスプロバイダーに依頼(登録手数料がかかる)することで、事前登録が完了し、その後IoTゲートウェイ機器はIoTデータ送信先サーバと接続が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-114937号公報
【文献】特開2016-201032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、IoTゲートウェイ機器のデバイスIDの事前登録により、IoTゲートウェイ機器はIoTデータ送信先サーバと接続が可能となるが、設置場所に応じた細かな設定は自動的には行われないため、作業員による手作業での設定が必要となる。IoTゲートウェイ機器は、国内に限らず海外の様々な場所にも設置され、設置場所に応じて設定する必要があるから、IoTゲートウェイの設定内容の汎用度は低く、特殊なものである。そのため、専門知識のない利用者が、IoTゲートウェイ機器に対してネットワーク設定、利用者認証等を行うことは困難である。
【0008】
また、IoTゲートウェイ機器の設定のためには、当該設定に関する専門知識を作業員に教育する必要があり、専門知識を有する作業員が、その都度現地に派遣されて設定作業を行う必要がある。そのため、作業員への教育にかかる費用や現地派遣にかかる費用等のコストがかかり過ぎる。
【0009】
設置場所での作業を簡単にするために、IoTゲートウェイ機器において、IoTデータ送信先サーバへのネットワーク接続、利用者認証等の設定を予めセットアップしておき、デバイスIDでの認証により、ほぼ自動的に設定を行わせることも可能であるが、IoTゲートウェイ機器に、IoTデータ送信先サーバへのアクセスに必要な認証情報等が含まれており、IoTゲートウェイ機器の盗難や紛失等によって、当該認証情報等を用いて不正アクセスに利用されるおそれがある。
【0010】
このような課題を解決するために、専門知識がない人でも、複雑なオペレーションを行うことなしに、簡単にIoTゲートウェイ機器の設置作業を行える仕組みが必要であり、そして、紛失や盗難が発生したときに、不正アクセスが起きにくい認証の仕組みも必要となる。
【0011】
そこで、本発明では、IoTサービス利用者が、設置場所において、IoTデータ送信先サーバへのネットワーク接続、利用者認証等の設定をセットアップされていない状態のIoTゲートウェイ機器の電源を投入し、IoTシステム管理者等から発行されたアクティベーション用ハイパーリンクに、スマートフォンやタブレットPC等の端末からアクセスし、IoTサービス利用者からのアクセスを受け付けたアクティベーション処理サーバは、当該ハイパーリンクに埋め込まれたアクティベーションIDが、事前に登録されたサーバ側アクティベーションIDと同じであり、かつ、ハイパーリンクにアクセスされた時間がアクティベーション許可期間内である場合に、IoTデータ送信先サーバへの接続に必要な情報及び初期化処理スクリプトをIoTゲートウェイ機器に送信することで、比較的簡単にIoTゲートウェイ機器の設定を行うことができ、不正なアクセスを事前に防ぐことが可能なIoTゲートウェイ機器のアクティベーションシステム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1つの実施形態に係るアクティベーションシステムは、
登録デバイスID、サーバ側アクティベーションID、アクティベーション許可期間、接続設定情報及び初期化処理スクリプトを少なくとも記憶したアクティベーション処理サーバを備え、
前記アクティベーション処理サーバは、利用者の端末から端末側アクティベーションIDを受信した後、前記端末側アクティベーションIDが前記サーバ側アクティベーションIDと一致し、かつ、前記端末側アクティベーションIDを受信した時間が前記アクティベーション許可期間内である場合に、前記登録デバイスIDに対応する機器に前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信すること
を特徴とする。
【0013】
本発明に係るアクティベーションシステムの好ましい実施形態として、
接続先URL及び端末側アクティベーションIDを含んだアクティベーション用ハイパーリンクを少なくとも記憶した端末を更に備え、
前記端末は、前記アクティベーション用ハイパーリンクにアクセスした利用者からの入力を受けた後、前記接続先URLに対応する前記アクティベーション処理サーバにネットワークを介して接続して、前記端末側アクティベーションIDを送信すること
を特徴とする。
【0014】
本発明に係るアクティベーションシステムの好ましい実施形態として、
初期接続先URL及びデバイスIDを少なくとも記憶したIoTゲートウェイ機器を更に備え、
前記IoTゲートウェイ機器は、電源を投入された後、前記初期接続先URLに対応する前記アクティベーション処理サーバにネットワークを介して接続して、前記デバイスIDを前記アクティベーション処理サーバに送信し、
前記アクティベーション処理サーバは、前記デバイスIDを受信した後、受信した前記デバイスIDが前記登録デバイスIDと一致する場合には、前記IoTゲートウェイ機器とのネットワーク接続を維持し、一致しない場合には、前記IoTゲートウェイ機器とのネットワーク接続を切断すること
を特徴とする。
【0015】
本発明に係るアクティベーションシステムの好ましい実施形態として、
前記IoTゲートウェイ機器は、前記アクティベーション処理サーバから前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを受信した場合に、前記初期化処理スクリプトを実行して、前記接続設定情報に基づいてIoTデータ送信先サーバへのネットワーク接続を確立すること
を特徴とする。
【0016】
本発明に係るアクティベーションシステムの好ましい実施形態として、
前記接続設定情報は、少なくともデータ送信先URLと認証情報を含み、
前記IoTゲートウェイ機器は、前記初期化処理スクリプトを実行することで、前記データ送信先URLを用いてネットワークを介して前記IoTデータ送信先サーバに接続し、前記デバイスID及び前記認証情報を前記IoTデータ送信先サーバに送信し、
前記IoTデータ送信先サーバにおいて、前記デバイスID及び前記認証情報を受信した後、受信した前記デバイスID及び前記認証情報が、前記IoTデータ送信先サーバに記憶された登録デバイスID及びサーバ側認証情報にそれぞれ一致する場合に、前記IoTゲートウェイ機器と前記IoTデータ送信先サーバ間のネットワーク接続を維持し、一致しない場合には、当該ネットワーク接続を切断すること
を特徴とする。
【0017】
本発明に係るアクティベーションシステムの好ましい実施形態として、
前記IoTゲートウェイ機器は、前記初期化処理スクリプトを受信した場合に、前記初期化処理スクリプトによって前記初期接続先URLを変更又は削除し、
前記IoTゲートウェイ機器の電源を切って、再度電源を投入した際には、前記IoTデータ送信先サーバに自動的に接続されること
を特徴とする。
【0018】
本発明に係るアクティベーションシステムの好ましい実施形態として、
前記アクティベーション処理サーバは、前記IoTゲートウェイ機器の前記デバイスIDが前記登録デバイスIDと一致するか否かを照合した結果に対応する応答メッセージを前記IoTゲートウェイ機器に送信し、
前記IoTゲートウェイ機器は、前記アクティベーション処理サーバに接続後一定期間、前記アクティベーション処理サーバから前記応答メッセージを受信しない場合には、再度、前記初期接続先URLを用いて、前記デバイスIDを前記アクティベーション処理サーバに送信すること
を特徴とする。
【0019】
本発明に係るアクティベーションシステムの好ましい実施形態として、
前記アクティベーション処理サーバは、サーバ側期間変更キーを更に記憶しており、
前記端末は、利用者からの期間変更キーの入力を受けた後、前記アクティベーション処理サーバに、前記期間変更キーを送信し、
前記アクティベーション処理サーバは、前記期間変更キーを受信した後、前記期間変更キーが前記サーバ側期間変更キーに一致する場合に、前記端末からの前記アクティベーション許可期間の変更を許可すること
を特徴とする。
【0020】
本発明に係るアクティベーションシステムの好ましい実施形態として、
前記アクティベーション処理サーバは、前記端末側アクティベーションIDを受信した時間が前記アクティベーション許可期間外である場合に、前記端末に期間変更キーの入力を促す通知を送信すること
を特徴とする。
【0021】
本発明に係るアクティベーションシステムの好ましい実施形態として、
前記アクティベーション処理サーバは、前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信する前に、前記登録デバイスIDに対応する前記IoTゲートウェイ機器が前記アクティベーション処理サーバに接続されているか否かを判断し、接続されていない場合に、前記端末に前記IoTゲートウェイ機器の電源を投入することを促す通知を送信すること
を特徴とする。
【0022】
本発明の1つの実施形態に係るアクティベーション方法は、
登録デバイスID、サーバ側アクティベーションID、アクティベーション許可期間、接続設定情報及び初期化処理スクリプトを少なくとも記憶したアクティベーション処理サーバと、
接続先URL及び端末側アクティベーションIDを含んだアクティベーション用ハイパーリンクを少なくとも記憶した端末と、
初期接続先URL及びデバイスIDを少なくとも記憶したIoTゲートウェイ機器を含むアクティベーションシステムによって実行されるアクティベーション方法であって、
前記端末は、前記アクティベーション用ハイパーリンクにアクセスした利用者からの入力を受けた後、前記接続先URLに対応する前記アクティベーション処理サーバにネットワークを介して接続して、前記端末側アクティベーションIDを送信するステップと、
前記IoTゲートウェイ機器は、電源を投入された後、前記初期接続先URLに対応する前記アクティベーション処理サーバにネットワークを介して接続して、前記デバイスIDを前記アクティベーション処理サーバに送信するステップと、
前記アクティベーション処理サーバは、前記端末側アクティベーションIDを受信した後、前記端末側アクティベーションIDが前記サーバ側アクティベーションIDと一致し、かつ、前記端末側アクティベーションIDを受信した時間が前記アクティベーション許可期間内である場合に、前記登録デバイスIDに対応する前記IoTゲートウェイ機器に前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信するステップとを含むこと
を特徴とする。
【0023】
本発明に係るアクティベーション方法の好ましい実施形態として、
前記IoTゲートウェイ機器が前記デバイスIDを前記アクティベーション処理サーバに送信するステップの後に、
前記アクティベーション処理サーバは、前記デバイスIDを受信した後、受信した前記デバイスIDが前記登録デバイスIDと一致する場合には、前記IoTゲートウェイ機器とのネットワーク接続を維持し、一致しない場合には、前記IoTゲートウェイ機器とのネットワーク接続を切断するステップを更に含むこと
を特徴とする。
【0024】
本発明に係るアクティベーション方法の好ましい実施形態として、
前記アクティベーション処理サーバが、前記登録デバイスIDに対応する前記IoTゲートウェイ機器に前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信するステップの後に、
前記IoTゲートウェイ機器は、前記アクティベーション処理サーバから前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを受信した場合に、前記初期化処理スクリプトを実行して、前記接続設定情報に基づいてIoTデータ送信先サーバへのネットワーク接続を確立するステップを更に含むこと
を特徴とする。
【0025】
本発明に係るアクティベーション方法の好ましい実施形態として、
前記接続設定情報は、少なくともデータ送信先URLと認証情報を含み、
前記IoTデータ送信先サーバへのネットワーク接続を確立するステップは、
前記IoTゲートウェイ機器が、前記初期化処理スクリプトを実行することで、前記データ送信先URLを用いてネットワークを介して前記IoTデータ送信先サーバに接続し、前記デバイスID及び前記認証情報を前記IoTデータ送信先サーバに送信するステップを更に含み、
前記IoTデータ送信先サーバにおいて、前記デバイスID及び前記認証情報を受信した後、受信した前記デバイスID及び前記認証情報が、前記IoTデータ送信先サーバに記憶された登録デバイスID及びサーバ側認証情報にそれぞれ一致する場合に、前記IoTゲートウェイ機器と前記IoTデータ送信先サーバ間のネットワーク接続を維持し、一致しない場合には、当該ネットワーク接続を切断すること
を特徴とする。
【0026】
本発明に係るアクティベーション方法の好ましい実施形態として、
前記IoTゲートウェイ機器は、前記初期化処理スクリプトを受信した場合に、前記初期化処理スクリプトによって前記初期接続先URLを変更又は削除し、
前記IoTゲートウェイ機器の電源を切って、再度電源を投入した際には、前記IoTデータ送信先サーバに自動的に接続されること
を特徴とする。
【0027】
本発明の1つの実施形態に係るアクティベーション装置は、
登録デバイスID、サーバ側アクティベーションID、アクティベーション許可期間、接続設定情報及び初期化処理スクリプトを少なくとも記憶した記憶部と、
端末側アクティベーションIDを受信する受信部と、
前記端末側アクティベーションIDが前記サーバ側アクティベーションIDと一致し、かつ、前記端末側アクティベーションIDを受信した時間が前記アクティベーション許可期間内であるか否かを判断する判断部と、
前記登録デバイスIDに対応する機器に前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信する送信部とを備え、
前記送信部は、前記端末側アクティベーションIDが前記サーバ側アクティベーションIDと一致し、かつ、前記端末側アクティベーションIDを受信した時間が前記アクティベーション許可期間内である場合に、前記登録デバイスIDに対応する機器に前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信すること
を特徴とする。
【0028】
本発明に係るアクティベーション装置の好ましい実施形態として、
前記受信部は、IoTゲートウェイ機器からデバイスIDを受信し、
前記判断部は、受信した前記デバイスIDが前記登録デバイスIDと一致するか否かの判断を行い、
前記送信部は、前記照合の結果に対応する応答メッセージを前記IoTゲートウェイ機器に送信すること
を特徴とする。
【0029】
本発明に係るアクティベーション装置の好ましい実施形態として、
前記アクティベーション許可期間の変更を許可する許可部を更に備え、
前記記憶部は、サーバ側期間変更キーを記憶し、
前記受信部は、利用者の端末からの期間変更キーを受信し、
前記許可部は、前記期間変更キーが前記サーバ側期間変更キーに一致する場合に、前記端末からの前記アクティベーション許可期間の変更を許可すること
を特徴とする。
【0030】
本発明に係るアクティベーション装置の好ましい実施形態として、
前記送信部は、前記端末側アクティベーションIDを受信した時間が前記アクティベーション許可期間外である場合に、前記端末に期間変更キーの入力を促す通知を送信すること
を特徴とする。
【0031】
本発明に係るアクティベーション装置の好ましい実施形態として、
前記判断部は、前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを送信する前に、前記登録デバイスIDに対応する機器が接続されているか否かを判断し、
前記送信部は、前記登録デバイスIDに対応する機器が接続されていない場合に、前記端末に前記機器の電源を投入することを促す通知を送信すること
を特徴とする。
【0032】
本発明の1つの実施形態に係るゲートウェイ装置は、
初期接続先URL及びデバイスIDを少なくとも記憶した記憶部と、
電源を投入された後、前記初期接続先URLに対応するアクティベーション処理サーバにネットワークを介して接続する接続部と、
前記デバイスIDを前記アクティベーション処理サーバに送信する送信部と、
前記アクティベーション処理サーバから接続設定情報及び初期化処理スクリプトを受信する受信部とを備え、
前記接続部は、前記アクティベーション処理サーバから前記接続設定情報及び前記初期化処理スクリプトを受信した場合に、前記初期化処理スクリプトを実行して、前記接続設定情報に基づいてIoTデータ送信先サーバへのネットワーク接続を確立すること
を特徴とする。
【0033】
本発明に係るゲートウェイ装置の好ましい実施形態として、
前記受信部は、前記初期化処理スクリプトを受信した場合に、前記初期化処理スクリプトによって前記初期接続先URLを変更又は削除し、
前記装置の電源を切って、再度電源を投入した際には、前記接続部は、前記IoTデータ送信先サーバに自動的に接続を試みること
を特徴とする。
【0034】
本発明に係るゲートウェイ装置の好ましい実施形態として、
前記送信部は、前記アクティベーション処理サーバに接続後一定期間、前記アクティベーション処理サーバから応答メッセージを受信しない場合には、再度、前記初期接続先URLを用いて、前記デバイスIDを前記アクティベーション処理サーバに送信すること
を特徴とする。
【0035】
本発明の1つの実施形態に係るプログラムは、
1以上のプロセッサを含むアクティベーション処理サーバによって実行されることで、前記アクティベーション処理サーバを前記アクティベーション装置として機能させること
を特徴とする。
【0036】
本発明の別の実施形態に係るプログラムは、
1以上のプロセッサを含むIoTゲートウェイ機器によって実行されることで、前記IoTゲートウェイ機器を前記ゲートウェイ装置として機能させること
を特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係るアクティベーションシステム、方法、装置及びプログラムを用いることで、IoTサービス利用者は、IoTデータ送信先サーバへのネットワーク接続、利用者認証等の設定がセットアップされていない状態のIoTゲートウェイ機器を設置場所に設置し、当該機器の電源を投入する操作と、IoTシステム管理者等から発行されたアクティベーション用ハイパーリンクに、スマートフォンやタブレットPC等の端末からアクセスする操作という比較的簡単な操作のみで、IoTゲートウェイ機器の初期設定を完了することができる。
【0038】
また、設置場所に持ち運ばれるIoTゲートウェイ機器は、初期状態ではIoTデータ送信先サーバへの接続に必要な情報等は何も記憶されていないことから、初期状態のIoTゲートウェイ機器が悪意のある第三者に入手されても、IoTデータ送信先サーバ等に不正にアクセスされることを防ぐことができる。つまり、本発明は、IoTゲートウェイ機器の設定に係る操作を簡略化しつつ、比較的簡単な枠組みでセキュリティを向上させて不正なアクセスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の一実施形態に係るIoTゲートウェイ機器のアクティベーションシステムにおける機器等の構成概要を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るアクティベーションシステムにおける機器間で送受信されるデータ等の情報の関係を示す概念図である。
図3】本発明の一実施形態に係るアクティベーション処理サーバの構成を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るIoTゲートウェイ機器の構成を示す図である。
図5】アクティベーション処理サーバでのアクティベーション処理の流れの一例を示す図である。
図6】アクティベーション処理サーバでのアクティベーション許可期間の変更処理の流れの一例を示す図である。
図7】IoTゲートウェイ機器でのIoTデータ送信先サーバへの接続処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、実施の形態を説明するための全ての図において、同一部分には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0041】
図1は、本発明の一実施形態に係るIoTゲートウェイ機器のアクティベーションシステムにおける機器等の構成概要を示す。アクティベーションシステムは、アクティベーション処理サーバ10と、センサやカメラ等のIoTデバイス(すなわち、データ収集場所)の近くで前処理等を行う機器であるIoTゲートウェイ機器20と、IoTゲートウェイ機器設置・管理担当者(IoTサービス利用者)が利用する携帯端末等のIoTサービス利用者端末30(以下、単に端末30ともいう。)とを少なくとも備える。さらに、アクティベーションシステムは、IoTデータの送信先であるIoTデータ送信先サーバ40と、IoTサービス事業者が利用する端末又は自動化されたソフトウェアが実行されるコンピュータであるIoTシステム管理者端末50を備えることができる。
【0042】
図1では、アクティベーション処理サーバ10、IoTゲートウェイ機器20、端末30、IoTデータ送信先サーバ40及びIoTシステム管理者端末50は、それぞれ1台であるが、当然のことながら、必要に応じて複数台設けることもできる。アクティベーション処理サーバ10、IoTゲートウェイ機器20、端末30、IoTデータ送信先サーバ40及びIoTシステム管理者端末50は、プロセッサ、メモリ、ハードディスク、ネットワークインタフェース等の一般的なコンピュータのハードウェア資源を備えることができる。
【0043】
アクティベーション処理サーバ10は、一般的には、IoTゲートウェイ機器20が設置される場所とは、別の場所、たとえば、IoTサービス事業者のサーバルーム等に設置される。また、アクティベーション処理サーバ10は、IoTゲートウェイ機器20及びIoTサービス利用者の端末30にインターネット等のネットワークを介して接続される。図1では、アクティベーション処理サーバ10とIoTゲートウェイ機器20との間の直線及びアクティベーション処理サーバ10と端末30との間の直線がネットワーク接続を表す。同様に、図1中のその他の機器、端末、サーバ間における直線も、ネットワーク接続を表す。
【0044】
アクティベーション処理サーバ10は、データベース等の記憶部に、IoTシステム管理者又は自動化されたソフトウェアによって事前に登録される、IoTゲートウェイ機器20との接続設定情報等を記憶することができる。IoTゲートウェイ機器20との接続設定情報等は、IoTシステム管理者が、IoTシステム管理者端末50で入力して、当該端末からネットワークを介してアクティベーション処理サーバ10に送信することができる。また、IoTデータ送信先サーバ40も、データベース等の記憶部に、IoTゲートウェイ機器20に対応する登録デバイスID及びサーバ側認証情報等を記憶することができる。登録デバイスID及びサーバ側認証情報等は、同様に、IoTシステム管理者が、IoTシステム管理者端末50で入力して、当該端末からネットワークを介してIoTデータ送信先サーバ40に送信することができる。
【0045】
また、IoTゲートウェイ機器20との接続設定情報等は、IoTシステム管理者が、アクティベーション処理サーバ10に直接入力することで事前に登録することができる。この場合、アクティベーションシステムに、IoTシステム管理者端末50を設けずに、アクティベーション処理サーバ10に、IoTシステム管理者端末50の機能及び役割を持たせることもできる。
【0046】
IoTゲートウェイ機器20は、データ収集場所の近くで前処理を行う機器であり、エッジコンピュータ、フィールドゲートウェイなどとも呼ばれる。IoTゲートウェイ機器20は、センサや監視カメラ等のIoTデバイスから無線通信又は有線通信等により、データを受信して、必要であればIoTデータ送信先サーバ40に送信するための前処理を行うことができる。IoTサービス利用者は、端末30を用いて、アクティベーション用ハイパーリンク(URL)にアクセスすることで、IoTゲートウェイ機器20がIoTデータ送信先サーバ40にネットワーク接続された状態になる。
【0047】
本発明の一実施形態に係るアクティベーションシステムでは、IoTゲートウェイ機器20がIoTデータ送信先サーバ40にネットワーク接続された状態にする処理を、アクティベーション(あるいは、アクティベーション処理)と呼ぶ。つまり、アクティベーションが成功すると、IoTゲートウェイ機器20は、IoTデータ送信先サーバ40とのネットワーク接続を確立することができる。
【0048】
IoTサービス利用者が使用する端末30は、アクティベーション用ハイパーリンクにアクセス可能な一般的なコンピュータであり、例えば、タブレット端末、スマートフォン、ノートPC等のカメラ付き携帯端末である。アクティベーション用ハイパーリンクは、アクティベーション処理サーバ10の記憶部に記憶されたサーバ側アクティベーションIDと照合される端末側アクティベーションIDを含むことができる。
【0049】
アクティベーション用ハイパーリンクは、IoTサービス事業者又はIoTシステム管理者端末50で実行される自動化されたソフトウェアによって生成され、例えば、電子メール等の電子的な手段によって、当該リンクに相当する文字列、バーコード又は二次元コード等を、IoTシステム管理者端末50からネットワークを介して端末30に送信することができる。
【0050】
また、アクティベーション用ハイパーリンクは、当該リンクに相当する文字列、バーコード又は二次元コード等が印刷された紙を郵送等でIoTサービス利用者に送付することができる。IoTサービス利用者は、送付されてきたアクティベーション用ハイパーリンクに相当する文字列を端末30に入力するか、バーコード若しくは二次元コードを端末30のカメラで読み取ることで、アクティベーション用ハイパーリンクにアクセスすることができる。
【0051】
IoTデータ送信先サーバ40は、アクティベーション後のIoTゲートウェイ機器20とネットワークを介して接続され、IoTゲートウェイ機器20からセンサ等のIoTデバイスからのデータを受信することができる。
【0052】
IoTシステム管理者端末50は、IoTシステム管理者による入力又は自動化されたソフトウェアを実行することで、アクティベーション用ハイパーリンクを生成することができる。また、IoTシステム管理者端末50は、IoTゲートウェイ機器20のアクティベーションに必要なアクティベーションID、IoTゲートウェイ機器20のデバイスID、IoTデータ送信先サーバ40との接続設定情報等の項目を事前に登録するために、それらの項目の入力をIoTシステム管理者から受けて、それらの項目をアクティベーション処理サーバ10の記憶部に記憶することができる。さらに、IoTシステム管理者端末50は、IoTデータ送信先サーバ40とIoTゲートウェイ機器20との接続に必要なIoTゲートウェイ機器20のデバイスID、サーバ側認証情報等の項目を事前に登録するために、それらの項目の入力をIoTシステム管理者から受けて、それらの項目をIoTデータ送信先サーバ40の記憶部に記憶することができる。
【0053】
図2は、図1に示したアクティベーションシステムにおける機器間で送受信されるデータ等の情報の関係を示す概念図である。図2中の矢印D0からD7は、本発明のアクティベーションシステムにおける一般的なアクティベーション処理のデータの流れ(データフロー)の一例を表す。データフローD0として、IoTシステム管理者端末50は、端末30がアクティベーション処理サーバ10に接続される前に(すなわち、事前に)、IoTゲートウェイ機器20のアクティベーションを行うために、サーバ側アクティベーションID、IoTゲートウェイ機器20のデバイスIDに対応する登録デバイスID、アクティベーション許可期間、サーバ側期間変更キー、接続設定情報、及び初期化処理スクリプト等の必要な情報をアクティベーション処理サーバ10に送信することができる。これらの情報の詳細及び役割等は後述する。
【0054】
また、データフローD0では、IoTシステム管理者端末50は、事前に、IoTゲートウェイ機器20とIoTデータ送信先サーバ40との間のネットワーク接続を確立するために、IoTゲートウェイ機器20のデバイスIDに対応する登録デバイスID及び認証情報等の必要な情報をIoTデータ送信先サーバ40に送信することもできる。これらの情報の詳細及び役割等も後述する。
【0055】
データフローD1では、IoTシステム管理者端末50は、アクティベーション用ハイパーリンクを端末30に送信する。アクティベーション用ハイパーリンクは、電子的に送信する代わりに、文字列、バーコード又は二次元コード等が印刷された紙を、端末30を使用するIoTサービス利用者に郵送等で送付することもできる。セキュリティを強化することに応じて、アクティベーション用ハイパーリンクを送る方法を選択することができる。
【0056】
システムの簡略化等のために、アクティベーションシステムにおいてIoTシステム管理者端末50を設けずに、アクティベーション処理サーバ10にアクティベーション用ハイパーリンクの発行を行わせることも可能ではあるが、アクティベーション処理サーバ10とは異なるIoTシステム管理者端末50からアクティベーション用ハイパーリンクを送信することで、アクティベーション処理サーバへの不正なアクセスを未然に防止することもできる。
【0057】
IoTゲートウェイ機器20は、初期接続先URL及びデバイスIDを少なくとも記憶している。IoTサービス利用者等によってIoTゲートウェイ機器20の電源が投入された後、データフローD2として、IoTゲートウェイ機器20は、初期接続先URLに対応するアクティベーション処理サーバ10に、当該機器のデバイスIDを送信することができる。端末30は、データフローD3として、IoTサービス利用者からアクティベーション用ハイパーリンクへのアクセスを入力として受け付けて、当該ハイパーリンクに含まれた端末側アクティベーションIDを、アクティベーション処理サーバ10に送信することができる。また、端末30は、IoTサービス利用者の入力を受けて、アクティベーション許可期間を変更するための期間変更キーをアクティベーション処理サーバ10に送信することができる。
【0058】
アクティベーション処理サーバ10は、サーバ側アクティベーションID、登録デバイスID、アクティベーション許可期間、接続設定情報及び初期化処理スクリプトを少なくとも関連付けて記憶している。アクティベーション処理サーバ10は、端末30から受信した端末側アクティベーションIDが、サーバ側アクティベーションIDと一致し、かつ、端末側アクティベーションIDを受信した時間がアクティベーション許可期間内である場合に、データフローD4として、接続設定情報及び初期化処理スクリプトをIoTゲートウェイ機器20に送信することができる。ただし、接続設定情報及び初期化処理スクリプトの送信は、登録デバイスIDに対応するIoTゲートウェイ機器20のデバイスIDを受信している場合(言い換えると、登録デバイスIDに対応するIoTゲートウェイ機器20の電源が投入されている場合)に実行することができる。
【0059】
アクティベーション処理サーバ10は、登録デバイスIDに対応するIoTゲートウェイ機器20のデバイスIDを受信していない場合(言い換えると、登録デバイスIDに対応するIoTゲートウェイ機器20の電源が投入されてない場合)、データフローD6として、端末30にIoTゲートウェイ機器20の電源を投入することを促す通知を送信することができる。例えば、アクティベーション処理サーバ10は、アクティベーション対象のIoTゲートウェイ機器の電源ボタンを押してください等のメッセージを端末30に送信し、メッセージをIoTサービス利用者に確認させることで、IoTサービス利用者がアクティベーション対象であるIoTゲートウェイ機器20の電源ボタンを押すように促すことができる。
【0060】
また、アクティベーション処理サーバ10は、端末側アクティベーションIDを受信した時間がアクティベーション許可期間外である場合に、端末30に期間変更キーの入力を促す通知を送信することができる。例えば、アクティベーション処理サーバ10は、アクティベーション用ハイパーリンクによるアクセスがアクティベーション期間外であり、アクティベーションの許可期間を変更してください等のメッセージと共に期間変更キーの入力を受け付ける入力画面を端末30に送信し、メッセージをIoTサービス利用者に確認させることで、IoTサービス利用者が入力画面を介して期間変更キーを入力してアクティベーション許可期間の変更を行うように促すことができる。期間変更キーが事前に登録されていなければ、単に、アクティベーション用ハイパーリンクによるアクセスがアクティベーション許可期間外である旨のメッセージを端末30に送信することができる。
【0061】
アクティベーション処理サーバ10は、IoTサービス利用者からの要求に応じて、期間変更キーの入力を受け付ける入力画面を端末30に送信することもできる。また、アクティベーション処理サーバ10は、端末30から期間変更キーをいつでも受信できるが、アクティベーション許可期間外のみに、端末30から送信された期間変更キーとサーバ側期間変更キーとの照合を許可するようにすることもできる。
【0062】
IoTゲートウェイ機器20は、アクティベーション処理サーバ10から接続設定情報及び初期化処理スクリプトを受信した場合に、初期化処理スクリプトを実行して、接続設定情報に基づいてIoTデータ送信先サーバ40へのネットワーク接続を確立することができる。具体的には、接続設定情報は、少なくともデータ送信先URLと認証情報を含み、データフローD5として、IoTゲートウェイ機器20は、データ送信先URLを用いてネットワークを介してIoTデータ送信先サーバ40に接続し、デバイスID及び認証情報をIoTデータ送信先サーバ40に送信することができる。
【0063】
IoTデータ送信先サーバ40は、IoTシステム管理者等によって、登録デバイスID及びサーバ側認証情報を少なくとも関連付けて記憶している。IoTデータ送信先サーバ40では、IoTゲートウェイ機器20から受信したデバイスID及び認証情報が、IoTデータ送信先サーバ40に記憶された登録デバイスID及びサーバ側認証情報にそれぞれ一致する場合に、IoTゲートウェイ機器20とIoTデータ送信先サーバ40間のネットワーク接続を維持することができる。
【0064】
この場合、IoTゲートウェイ機器20は、IoTデータ送信先サーバ40にネットワーク接続された状態、つまり、アクティベーションが成功した状態となる。IoTデータ送信先サーバ40は、データフローD7として、IoTデータ送信先サーバとの認証が成功した旨の通知を、IoTゲートウェイ機器20に送信することができる。IoTゲートウェイ機器20から受信したデバイスID及び認証情報が、IoTデータ送信先サーバ40に記憶された登録デバイスID及びサーバ側認証情報にそれぞれ一致しない場合には、当該ネットワーク接続を切断することができる。この場合、IoTデータ送信先サーバ40は、データフローD7として、IoTデータ送信先サーバとの認証が失敗した旨の通知を、IoTゲートウェイ機器20に送信することができる。
【0065】
図3は、本発明の一実施形態に係るアクティベーション処理サーバの構成を示す。アクティベーション処理サーバ10は、送信部11、受信部12、判断部13、許可部14及び記憶部15を含むことができる。送信部11、受信部12、判断部13及び許可部14の各々は、アクティベーション処理サーバ10のCPUが、アクティベーション処理サーバ用のプログラムを実行することで、CPUを送信部11、受信部12、判断部13及び許可部14として機能させることができる。また、送信部11、受信部12、判断部13及び許可部14の少なくとも一部を、特定用途向け集積回路(ASIC)等でハードウェア的に実装することも可能である。アクティベーション処理サーバ10のメモリ又はハードディスク等の記憶手段を利用することで、記憶部15を実現することができる。記憶部15は、外部記憶装置であってもよい。
【0066】
記憶部15は、アクティベーション処理サーバ10又はその他のコンピュータにおいてデータベース管理システム(DBMS)を用いることで、データベースとして実装することもできる。図3に記載の実施例では、リレーショナルデータベースを簡略化して表す。記憶部15は、サーバ側アクティベーションID151、登録デバイスID152、アクティベーション許可期間153、サーバ側期間変更キー154、接続設定情報155及び初期化処理スクリプト156を関連付けて記憶する(1つのレコード(タプル)として記憶する)ことができる。
【0067】
サーバ側アクティベーションID151は、アクティベーション用ハイパーリンクに含まれる端末側アクティベーションIDと一致する英数字等を含む一意の文字列であり、例えば、"172156", "545168"等である。登録デバイスID152は、IoTゲートウェイ機器20のデバイスIDと一致する英数字等を含む一意の文字列であり、例えば、"F8BC123B76F8", "CCBA955A84BE"等のように機器のマックアドレスを利用することもできる。
【0068】
アクティベーション許可期間153は、アクティベーションのリクエストを受け付けることが可能な期間である。例えば、アクティベーション許可期間153は、"2017/04/01 9:00 ~ 2017/04/01 17:00", "2017/05/01 9:00 ~ 2017/05/08 17:00"等のように、IoTシステム管理者等によって年月日形式で指定される。サーバ側期間変更キー154は、IoTシステム管理者又は自動化されたソフトウェアによって発行されてIoTサービス利用者に渡される期間変更キーと一致する英数字等を含む一意の文字列であり、例えば、"492857", "124950"等である。
【0069】
接続設定情報155は、IoTデータ送信先サーバ40への接続を設定するための情報であり、少なくともデータ送信先URL(すなわち、接続先アドレス)を含む。接続設定情報155は、セキュリティ強化のため、証明書等の認証情報をサーバ側認証情報として含むこともできる。例えば、接続設定情報155は、"https://192.1.1.10/", "https://172.3.10.1/"等のデータ送信先URLであり、SSL証明書等の認証情報を含むことができる。
【0070】
初期化処理スクリプト156は、IoTゲートウェイ機器20において初期化処理を実行するためのスクリプトであり、例えばJavaScript(登録商標)等のスクリプト言語を用いて、初期化処理の内容が記載される。図3では、簡略化のため、初期化処理スクリプト156を"<script type = …> … </script>"等のようにスクリプトの内容そのものを記憶しているが、これに限定されるものではなく、初期化処理が記載されたスクリプトをファイル(以下、「スクリプトファイル」という。)に保存し、スクリプトファイルの記憶場所を指定するパスであってもよい。初期化処理スクリプト156にスクリプトファイルを指定するパスが記憶されている場合には、当該パスに基づいてスクリプトファイルを見つけて、当該ファイルをIoTゲートウェイ機器20に送信することができる。
【0071】
送信部11は、接続設定情報及び初期化処理スクリプト等のIoTデータ送信先サーバ40に接続するのに必要な情報をIoTゲートウェイ機器20に送信することができる(図2中のD4)。また、送信部11は、IoTゲートウェイ機器20の電源が投入されていない場合にその旨を知らせるメッセージを送信することができ、アクティベーション用ハイパーリンクを介した端末30からのアクセスが、アクティベーション許可期間内ではない場合にその旨を知らせるメッセージ及び期間変更キーの入力画面等を送信することができる(図2中のD6)。
【0072】
受信部12は、IoTゲートウェイ機器20からデバイスIDを受信することができる(図2中のD2)。また、受信部12は、IoTサービス利用者がアクティベーション用ハイパーリンクにアクセスすることで端末30から送信される端末側アクティベーションIDを受信することができる(図2中のD3)。さらに、受信部12は、端末30からIoTサービス利用者が入力した期間変更キーを受信することができる(図2中のD3)。
【0073】
判断部13は、受信部12で端末30から受信した端末側アクティベーションIDが、記憶部15のサーバ側アクティベーションID151に格納されたいずれかのサーバ側アクティベーションIDと一致し、かつ、端末側アクティベーションIDを受信した時間が、アクティベーション許可期間153として格納された期間に収まるか否かを判断することができる。また、判断部13は、受信部12でIoTゲートウェイ機器20から受信したデバイスIDが、記憶部15の登録デバイスID152として格納されたIDと一致するか否かを判断することができる。すなわち、判断部13は、登録デバイスID152として格納されたIDに一致するデバイスIDを有するIoTゲートウェイ機器が接続されているか否かを判断することができる。
【0074】
許可部14は、受信部12でIoTサービス利用者端末30から受信した期間変更キーが、記憶部15のサーバ側期間変更キー154として格納されたキーに一致する場合に、端末30からのアクティベーション許可期間の変更を許可することができる。
【0075】
図4は、本発明の一実施形態に係るIoTゲートウェイ機器の構成を示す。IoTゲートウェイ機器20は、送信部21、受信部22、接続部23、データ収集部24及び記憶部25を含むことができる。送信部21、受信部22、接続部23及びデータ収集部24の各々は、IoTゲートウェイ機器20のCPUが、IoTゲートウェイ機器用のプログラムを実行することで、CPUを送信部21、受信部22、接続部23及びデータ収集部24として機能させることができる。また、送信部21、受信部22、接続部23及びデータ収集部24の少なくとも一部を、特定用途向け集積回路(ASIC)等でハードウェア的に実装することも可能である。IoTゲートウェイ機器20のメモリ又はハードディスク等の記憶手段を利用することで、記憶部25を実現することができる。
【0076】
記憶部25は、デバイスID251と接続先252を記憶する。デバイスID251は、英数字等を含む一意の文字列であり、例えば、"F8BC123B76F8"等のように機器のマックアドレスを利用することもできる。デバイスID251は、アクティベーション処理サーバ10の記憶部15に登録デバイスID152として記憶されたIDと照合される。接続先252は、IoTゲートウェイ機器20が接続するサーバを指定するためのURL、アドレス等の接続先情報であり、例えば、"172.16.25.1"等の文字列である。接続先252は、アクティベーション前は、初期接続先であるアクティベーション処理サーバ10のURL、アドレス等の接続先情報(初期接続先URL)が指定され、アクティベーション後は、データ送信先であるIoTデータ送信先サーバ40のURL、アドレス等の接続先情報(データ送信先URL)が指定される。
【0077】
送信部21は、アクティベーション前の場合に、IoTゲートウェイ機器20の記憶部25にデバイスID251として格納されているデバイスIDを、初期接続先であるアクティベーション処理サーバ10に送信することができる(図2中のD2)。また、送信部21は、IoTゲートウェイ機器20の記憶部25にデバイスID251として格納されているIDに加えて、必要に応じてアクティベーション処理サーバ10から受信した認証情報を、IoTデータ送信先サーバ40に送信することができる(図2中のD5)。また、アクティベーションが成功した後、送信部21は、データ収集部24で収集したデータをIoTデータ送信先サーバ40に送信することができる。
【0078】
受信部22は、IoTゲートウェイ機器20から、接続設定情報及び初期化処理スクリプト等のIoTデータ送信先サーバ40に接続するのに必要な情報を受信することができる(図2中のD4)。受信部22は、初期化処理スクリプトを受信した場合に、初期化処理スクリプトを実行することによって、記憶部25に接続先252として格納された初期接続先URLを変更又は削除し、接続設定情報に含まれるデータ送信先URLを記憶部25に接続先252として格納することができる。IoTゲートウェイ機器20の電源を切って、再度電源を投入した際には、IoTゲートウェイ機器20は、IoTデータ送信先サーバ40に自動的に接続することができる。
【0079】
接続部23は、記憶部25に接続先252として格納されたURL、アドレス等の接続先情報に基づいて、接続先とのネットワーク接続を確立する処理を行うことができる。当該ネットワーク接続を確立する処理は、IoTゲートウェイ機器20の電源が投入された後、自動的に実行されるようにしてもよい。記憶部25に接続先252として初期接続先URLが格納されている場合には、接続部23は、初期接続先URLに基づいて、アクティベーション処理サーバ10に接続する(又は接続を試みる)ことができる。記憶部25に接続先252としてデータ送信先URLが格納されている場合には、接続部23は、データ送信先URLに基づいて、IoTデータ送信先サーバ40に接続する(又は接続を試みる)ことができる。また、アクティベーション処理サーバ10から接続設定情報及び初期化処理スクリプトを受信部22で受信した場合に、接続部23は、初期化処理スクリプトを実行して、接続設定情報に基づいてIoTデータ送信先サーバ40へのネットワーク接続を確立することもできる。
【0080】
データ収集部24は、アクティベーションが成功した後、センサ、カメラ等のIoTデバイスからデータを受信して、受信したデータを必要に応じて前処理等を実行し、記憶部25に接続先252として格納されたデータ送信先URLに基づいて、当該データをIoTデータ送信先サーバ40に送信することができる。データ収集部24において、データの送信は随時行うことができるが、データの送信のタイミングを設定することもできる。例えば、データをIoTデータ送信先サーバに送信するタイミングは、10分、1時間、1日等のデータ送信間隔を設定することができる。データ送信間隔は、アクティベーション処理サーバ10から受信する接続設定情報に含めておくこともできる。
【0081】
図5は、アクティベーション処理サーバ10でのアクティベーション処理の流れの一例を示す。アクティベーション処理サーバ10は、該サーバに備えられたCPUでアクティベーション処理に関するプログラムを実行することで、図5に示されるアクティベーション処理を行うことができる。図2に示すとおり、アクティベーション処理サーバ10は、IoTサービス利用者の端末30からのアクセスと、IoTゲートウェイ機器20からのアクセスを受けることができる。
【0082】
まず、アクティベーション処理サーバ10は、アクセスが端末30からのアクセスか又はIoTゲートウェイ機器20からのアクセスかを判定する(ステップS100)。例えば、アクティベーション処理サーバ10は、アクティベーション用ハイパーリンクを介したアクセスであれば、端末30からのアクセスと判定し、さもなければ、IoTゲートウェイ機器20からのアクセスと判定することができる。
【0083】
判定の結果、端末30からのアクセスであれば、端末側アクティベーションIDを受信し(ステップS101)、受信した端末側アクティベーションIDが記憶部15にサーバ側アクティベーションID151として格納されたいずれかのサーバ側アクティベーションIDに一致するか否かを判定する(ステップS102)。一方、IoTゲートウェイ機器20からのアクセスであれば、デバイスIDを受信し(ステップS106)、受信したデバイスIDを、電源が投入されたIoTゲートウェイ機器の1つとして記憶部15に保存する(ステップS107)。
【0084】
ステップS102において、受信した端末側アクティベーションIDに一致するサーバ側アクティベーションIDがあった場合(ステップS102のはい)、端末側アクティベーションIDをアクティベーション処理サーバ10で受信した時間が、アクティベーション許可期間内にあるか否かを判定する(ステップS103)。一方、受信した端末側アクティベーションIDに一致するサーバ側アクティベーションIDがなかった場合(ステップS102のいいえ)、端末30にアクティベーションIDが不一致である旨の通知を送信する(ステップS108)。
【0085】
ステップS103において、端末側アクティベーションIDを受信した時間がアクティベーション許可期間内である場合(ステップS103のはい)、ステップS106及びS107により既に受信されて保存されているデバイスIDの中で、サーバ側アクティベーションIDに関連付けて記憶されている登録デバイスIDと一致するものがあるか否かを判定する(ステップS104)。一方、端末側アクティベーションIDを受信した時間がアクティベーション許可期間外である場合(ステップS103のいいえ)、サーバ側アクティベーションIDに関連付けて記憶されている期間変更キーがあるか否かを判定する(ステップS109)。期間変更キーが記憶されている(登録されている)場合(ステップS109のはい)、端末30に期間変更キーの入力を促す通知を送信する(ステップS110)。期間変更キーが記憶されていない(登録されていない)場合(ステップS109のいいえ)、端末30にアクティベーション用ハイパーリンクによるアクセスがアクティベーション許可期間外である旨の通知を送信する(ステップS111)。
【0086】
ステップS104において、ステップS106及びS107により既に受信されて保存されているデバイスIDの中で、サーバ側アクティベーションIDに関連付けて記憶されている登録デバイスIDと一致するものがある場合(S104のはい)、一致したデバイスIDに対応するIoTゲートウェイ機器20に、登録デバイスIDに関連付けて記憶されている接続設定情報及び初期化処理スクリプトを送信する(ステップS105)。ステップS106及びS107により既に受信されて保存されているデバイスIDの中で、サーバ側アクティベーションIDに関連付けて記憶されている登録デバイスIDと一致するものがない場合(S104のいいえ)、端末30にIoTゲートウェイ機器20の電源オンを促す旨の通知を送信する(ステップS112)。
【0087】
電源オンを促す旨の通知を送信した後(ステップS112の後)、アクティベーション処理サーバ10は、登録デバイスIDに対応するIoTゲートウェイ機器20からデバイスIDを受信するまで、又は、予め定められた期限まで待機する(ステップS113)。期限は、IoTシステム管理者等によって、事前に設定することができ、例えば、電源オンを促す旨の通知を送信してから1分間、3分間、5分間等の期限を設定できる。また期限は必要に応じて変更することもできる。
【0088】
待機した後(ステップS113の後)、登録デバイスIDに対応するIoTゲートウェイ機器20のデバイスIDを受信した場合(つまり、IoTゲートウェイ機器20の電源が投入された場合)(ステップS114のはい)、デバイスIDに対応するIoTゲートウェイ機器20に、登録デバイスIDに関連付けて記憶されている接続設定情報及び初期化処理スクリプトを送信する(ステップS105)。そうでない場合(ステップS114のいいえ)、端末30に時間切れである旨の通知を送信する(ステップS115)。
【0089】
図6は、アクティベーション処理サーバ10でのアクティベーション許可期間の変更処理の流れの一例を示す。アクティベーション処理サーバ10は、該サーバに備えられたCPUでアクティベーション許可期間の変更処理に関するプログラムを実行することで、図6に示されるアクティベーション許可期間の変更処理を行うことができる。アクティベーション処理サーバ10は、IoTサービス利用者の端末30から期間変更キーを受信することができる(図2中のD3)。期間変更キーは、IoTシステム管理者又は自動化されたソフトウェアによって発行され、電子メール又は郵送等によりIoTサービス利用者に送付される。
【0090】
まず、アクティベーション処理サーバ10は、端末30から期間変更キーを受信する(ステップS150)。そして、アクティベーション処理サーバ10は、受信した期間変更キーが記憶部15にサーバ側期間変更キー154として格納されたいずれかのサーバ側期間変更キーに一致するか否かを判定する(ステップ151)。
【0091】
ステップS151において、受信した期間変更キーに一致するサーバ側期間変更キーがあった場合(ステップS151のはい)、端末30に期間変更の入力を促す画面を送信する(ステップS152)。一方、受信した期間変更キーに一致するサーバ側期間変更キーがなかった場合(ステップS151のいいえ)、端末30に入力した期間変更キーが不一致である旨の通知を送信する(ステップS156)。
【0092】
期間変更の入力を促す画面を送信した後(ステップS152の後)、アクティベーション処理サーバ10は、期間変更の入力を受信するまで、又は、予め定められた期限まで待機する(ステップS153)。期限は、IoTシステム管理者等によって、事前に設定することができ、例えば、期間変更の入力を促す画面を送信してから1分間、3分間、5分間等の期限を設定できる。また期限は必要に応じて変更することもできる。
【0093】
待機した後(ステップS153の後)、期間変更の入力を受信した場合(例えば、"2017/04/01 9:00" ~"2017/04/01 17:00"の期間を、1日後に変更した"2017/04/02 9:00" ~ "2017/04/02 17:00"等の入力を受けた場合)(ステップS154のはい)、アクティベーション処理サーバ10は、受信した期間変更の入力に基づいて、記憶部15にアクティベーション許可期間153として格納されている期間を更新する(ステップS155)。そうでない場合(ステップS154のいいえ)、端末30に時間切れである旨の通知を送信する(ステップS157)。
【0094】
図7は、IoTゲートウェイ機器20でのIoTデータ送信先サーバ40への接続処理の流れの一例を示す。IoTゲートウェイ機器20は、該機器に備えられたCPUで接続処理に関するプログラムを実行することで、図7に示される接続処理を行うことできる。IoTゲートウェイ機器20は、図7に示される接続処理を電源投入時に自動的に実行することもできる。
【0095】
まず、IoTゲートウェイ機器20は、記憶部25に接続先252として記憶された初期接続先URL、初期接続先アドレス等の接続先情報に基づいてアクティベーション処理サーバ10に接続する(ステップS200)。次に、IoTゲートウェイ機器20は、記憶部25にデバイスID251として格納されたIDをアクティベーション処理サーバ10に送信する(ステップS201)。その後、IoTゲートウェイ機器20は、接続設定情報及び初期化処理スクリプトをアクティベーション処理サーバ10から受信するまで、又は、予め定められた期限まで待機する(ステップS202)。期限は、IoTシステム管理者等によって、事前に設定することができ、例えば、デバイスIDを送信してから1分間、3分間、5分間等の期限を設定できる。また期限は必要に応じて変更することもできる。
【0096】
待機した後(ステップS202の後)、接続設定情報及び初期化処理スクリプトを受信した場合(ステップS203のはい)、IoTゲートウェイ機器20は、受信した初期化処理スクリプトを実行する(ステップS204)。そうでない場合(ステップS203のいいえ)、IoTゲートウェイ機器20にアクティベーション処理サーバ10から応答がない旨の通知を行う(ステップS208)。例えば、アクティベーション処理サーバ10から応答がない旨の通知は、IoTゲートウェイ機器20に備えられたLED等の表示器にエラーを知らせる赤色、オレンジ色等のライトを点灯又は点滅させることができる。また、IoTゲートウェイ機器20は、アクティベーション処理サーバ10から応答がない旨の通知を端末30に送信することもできる。
【0097】
初期化処理スクリプトを実行した後(ステップS204の後)、IoTゲートウェイ機器20は、データ送信先URLに基づいてIoTデータ送信先サーバ40に接続してデバイスID及び認証情報を送信する(ステップS205)。ステップS206において、IoTゲートウェイ機器20は、IoTデータ送信先サーバ40から認証が成功した旨の応答を受信した場合(ステップS206のはい)、IoTデータ送信先サーバ40とのネットワーク接続を維持し、センサ等のIoTデバイスからのデータを送信するための待機状態となる(ステップS207)。一方、IoTデータ送信先サーバ40から認証が成功した旨の応答を受信しなかった場合(ステップS206のいいえ)、IoTゲートウェイ機器20は、IoTデータ送信先サーバ40との認証が失敗した旨の通知を行う。例えば、IoTデータ送信先サーバ40との認証が失敗した旨の通知は、IoTゲートウェイ機器20に備えられたLED等の表示器にエラーを知らせる赤色、オレンジ色等のライトを点灯又は点滅させることができる。また、IoTゲートウェイ機器20は、IoTデータ送信先サーバ40との認証が失敗した旨の通知を端末30に送信することもできる。
【0098】
以上のとおり、本発明に係るアクティベーションシステム、方法、装置及びプログラムを用いることで、IoTサービス利用者は、IoTデータ送信先サーバへのネットワーク接続、利用者認証等の設定がセットアップされていない状態のIoTゲートウェイ機器を設置場所に設置し、当該機器の電源を投入する操作と、IoTシステム管理者等から発行されたアクティベーション用ハイパーリンクに、スマートフォンやタブレットPC等の端末からアクセスする操作という比較的簡単な操作のみで、IoTゲートウェイ機器の初期設定を完了することができる。
【0099】
また、設置場所に持ち運ばれるIoTゲートウェイ機器は、初期状態ではIoTデータ送信先サーバへの接続に必要な情報等は何も記憶されていないことから、初期状態のIoTゲートウェイ機器が悪意のある第三者に入手されても、IoTデータ送信先サーバ等に不正にアクセスされることを防ぐことができる。つまり、本発明は、IoTゲートウェイ機器の設定に係る操作を簡略化しつつ、比較的簡単な枠組みでセキュリティを向上させて不正なアクセスを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明のIoTデバイス機器のアクティベーション処理による接続方法等は、IoTゲートウェイ機器を用いてセンサ等のIoTデバイスからデータを収集する等のIoTの技術分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0101】
10 アクティベーション処理サーバ
11 送信部
12 受信部
13 判断部
14 許可部
15 記憶部
20 IoTゲートウェイ機器
21 送信部
22 受信部
23 接続部
24 データ収集部
25 記憶部
30 IoTサービス利用者端末(端末)
40 IoTデータ送信先サーバ
50 IoTシステム管理者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7