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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】バレーパーキングシステム、プログラム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20220107BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20220107BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
E05B49/00 J
B60R25/24
G08G1/00 X
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2017155920
(22)【出願日】2017-08-10
(65)【公開番号】P2019035220
(43)【公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】598121606
【氏名又は名称】三菱地所パークス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】荻田 健之
(72)【発明者】
【氏名】磯部 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 博美
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 公基
(72)【発明者】
【氏名】篠塚 博之
【審査官】松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-006603(JP,A)
【文献】特開2010-126949(JP,A)
【文献】特開2015-052223(JP,A)
【文献】特開2003-041821(JP,A)
【文献】国際公開第2016/082994(WO,A1)
【文献】米国特許第09135580(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
B60R 25/00-99/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と、鍵管理サーバ装置と、サーバ装置と、自動車と、信頼できる第三者機関の管理下にあるTTPサーバ装置を含むバレーパーキングシステムであって、
前記端末装置は、
前記サーバ装置から一時鍵要求を受信する鍵要求受信部と、
前記一時鍵要求を受信した場合に前記端末装置のIDと前記一時鍵要求を前記鍵管理サーバ装置に送信するID送信部と、
前記鍵管理サーバ装置から一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を前記サーバ装置に送信する一時鍵送信部を含み、
前記鍵管理サーバ装置は、
前記IDと前記一時鍵要求を受信した場合に、前記一時鍵を生成する一時鍵生成部と、
前記一時鍵を前記端末装置に送信する一時鍵送信部を含み、
前記サーバ装置は、
前記一時鍵要求を生成する鍵要求生成部と、
前記端末装置に前記一時鍵要求を送信する鍵要求送信部と、
前記端末装置から前記一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を受信した場合に、運転計画を生成する運転計画生成部と、
前記自動車に前記一時鍵と前記運転計画を送信する鍵・計画送信部を含み、
前記自動車は、
前記サーバ装置から前記一時鍵と前記運転計画を受信する鍵・計画受信部と、
前記TTPサーバ装置から、前記一時鍵の有効区画に関する情報である有効区画情報を受信する有効区画受信部と、
前記運転計画が前記有効区画の範囲内にあるか否かを判定する有効区画判定部と、
前記運転計画に従って自動運転制御を実行し、前記有効区画の判定結果が所定の結果となる場合に、前記運転計画に従った自動運転制御を停止する自動運転制御部を含む
バレーパーキングシステム。
【請求項2】
端末装置と、鍵管理サーバ装置と、サーバ装置と、自動車と、信頼できる第三者機関の管理下にあるTTPサーバ装置を含むバレーパーキングシステムであって、
前記端末装置は、
前記サーバ装置から一時鍵要求を受信する鍵要求受信部と、
前記一時鍵要求を受信した場合に前記端末装置のIDと前記一時鍵要求を前記鍵管理サーバ装置に送信するID送信部を含み、
前記鍵管理サーバ装置は、
前記IDと前記一時鍵要求を受信した場合に、一時鍵を生成する一時鍵生成部と、
前記一時鍵を前記自動車に送信する一時鍵送信部を含み、
前記自動車は、
前記鍵管理サーバ装置から前記一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を前記サーバ装置に送信する一時鍵送信部と、
前記サーバ装置から前記一時鍵と運転計画を受信する鍵・計画受信部と、
前記TTPサーバ装置から、前記一時鍵の有効区画に関する情報である有効区画情報を受信する有効区画受信部と、
前記運転計画が前記有効区画の範囲内にあるか否かを判定する有効区画判定部と、
前記運転計画に従って自動運転制御を実行し、前記有効区画の判定結果が所定の結果となる場合に、前記運転計画に従った自動運転制御を停止する自動運転制御部を含み、
前記サーバ装置は、
前記一時鍵要求を生成する鍵要求生成部と、
前記端末装置に前記一時鍵要求を送信する鍵要求送信部と、
前記自動車から前記一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を受信した場合に、前記運転計画を生成する運転計画生成部と、
前記自動車に前記一時鍵と前記運転計画を送信する鍵・計画送信部を含む
バレーパーキングシステム。
【請求項3】
端末装置と、鍵管理サーバ装置と、サーバ装置と、自動車と、信頼できる第三者機関の管理下にあるTTPサーバ装置を含むバレーパーキングシステムであって、
前記端末装置は、
前記サーバ装置から一時鍵要求を受信する鍵要求受信部と、
前記一時鍵要求を受信した場合に前記端末装置のIDと前記一時鍵要求を前記鍵管理サーバ装置に送信するID送信部を含み、
前記鍵管理サーバ装置は、
前記IDと前記一時鍵要求を受信した場合に、一時鍵を生成する一時鍵生成部と、
前記一時鍵を前記サーバ装置に送信する一時鍵送信部を含み、
前記サーバ装置は、
前記一時鍵要求を生成する鍵要求生成部と、
前記端末装置に前記一時鍵要求を送信する鍵要求送信部と、
前記鍵管理サーバ装置から前記一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を受信した場合に、運転計画を生成する運転計画生成部と、
前記自動車に前記一時鍵と前記運転計画を送信する鍵・計画送信部を含み、
前記自動車は、
前記サーバ装置から前記一時鍵と前記運転計画を受信する鍵・計画受信部と、
前記TTPサーバ装置から、前記一時鍵の有効区画に関する情報である有効区画情報を受信する有効区画受信部と、
前記運転計画が前記有効区画の範囲内にあるか否かを判定する有効区画判定部と、
前記運転計画に従って自動運転制御を実行し、前記有効区画の判定結果が所定の結果となる場合に、前記運転計画に従った自動運転制御を停止する自動運転制御部を含む
バレーパーキングシステム。
【請求項4】
自動車と、鍵管理サーバ装置と、サーバ装置と、信頼できる第三者機関の管理下にあるTTPサーバ装置を含むバレーパーキングシステムであって、
前記自動車は、
前記サーバ装置から一時鍵要求を受信する鍵要求受信部と、
前記一時鍵要求を受信した場合に前記自動車のIDと前記一時鍵要求を前記鍵管理サーバ装置に送信するID送信部と、
前記鍵管理サーバ装置から一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を前記サーバ装置に送信する一時鍵送信部と、
前記サーバ装置から前記一時鍵と運転計画を受信する鍵・計画受信部と、
前記TTPサーバ装置から、前記一時鍵の有効区画に関する情報である有効区画情報を受信する有効区画受信部と、
前記運転計画が前記有効区画の範囲内にあるか否かを判定する有効区画判定部と、
前記運転計画に従って自動運転制御を実行し、前記有効区画の判定結果が所定の結果となる場合に、前記運転計画に従った自動運転制御を停止する自動運転制御部を含み、
前記鍵管理サーバ装置は、
前記IDと前記一時鍵要求を受信した場合に、前記一時鍵を生成する一時鍵生成部と、
前記一時鍵を前記自動車に送信する一時鍵送信部を含み、
前記サーバ装置は、
前記一時鍵要求を生成する鍵要求生成部と、
前記自動車に前記一時鍵要求を送信する鍵要求送信部と、
前記自動車から前記一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を受信した場合に、前記運転計画を生成する運転計画生成部と、
前記自動車に前記一時鍵と前記運転計画を送信する鍵・計画送信部を含む
バレーパーキングシステム。
【請求項5】
自動車と、鍵管理サーバ装置と、サーバ装置と、信頼できる第三者機関の管理下にあるTTPサーバ装置を含むバレーパーキングシステムであって、
前記自動車は、
前記サーバ装置から一時鍵要求を受信する鍵要求受信部と、
前記一時鍵要求を受信した場合に前記自動車のIDと前記一時鍵要求を前記鍵管理サーバ装置に送信するID送信部と、
前記サーバ装置から一時鍵と運転計画を受信する鍵・計画受信部と、
前記TTPサーバ装置から、前記一時鍵の有効区画に関する情報である有効区画情報を受信する有効区画受信部と、
前記運転計画が前記有効区画の範囲内にあるか否かを判定する有効区画判定部と、
前記運転計画に従って自動運転制御を実行し、前記有効区画の判定結果が所定の結果となる場合に、前記運転計画に従った自動運転制御を停止する自動運転制御部を含み、
前記鍵管理サーバ装置は、
前記IDと前記一時鍵要求を受信した場合に、前記一時鍵を生成する一時鍵生成部と、
前記一時鍵を前記サーバ装置に送信する一時鍵送信部を含み、
前記サーバ装置は、
前記一時鍵要求を生成する鍵要求生成部と、
前記自動車に前記一時鍵要求を送信する鍵要求送信部と、
前記鍵管理サーバ装置から前記一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を受信した場合に、前記運転計画を生成する運転計画生成部と、
前記自動車に前記一時鍵と前記運転計画を送信する鍵・計画送信部を含む
バレーパーキングシステム。
【請求項6】
端末装置と、鍵管理サーバ装置と、サーバ装置と、自動車と、信頼できる第三者機関の管理下にあるTTPサーバ装置を含むバレーパーキングシステムであって、
前記端末装置は、
前記端末装置のIDとバレーパーキング申込を前記鍵管理サーバ装置に送信する申込送信部と、
前記鍵管理サーバ装置から一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を前記サーバ装置に送信する一時鍵送信部を含み、
前記鍵管理サーバ装置は、
前記IDと前記バレーパーキング申込を受信した場合に、前記一時鍵を生成する一時鍵生成部と、
前記一時鍵を前記端末装置に送信する一時鍵送信部を含み、
前記サーバ装置は、
前記端末装置から前記一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を受信した場合に、運転計画を生成する運転計画生成部と、
前記自動車に前記一時鍵と前記運転計画を送信する鍵・計画送信部を含み、
前記自動車は、
前記サーバ装置から前記一時鍵と前記運転計画を受信する鍵・計画受信部と、
前記TTPサーバ装置から、前記一時鍵の有効区画に関する情報である有効区画情報を受信する有効区画受信部と、
前記運転計画が前記有効区画の範囲内にあるか否かを判定する有効区画判定部と、
前記運転計画に従って自動運転制御を実行し、前記有効区画の判定結果が所定の結果となる場合に、前記運転計画に従った自動運転制御を停止する自動運転制御部を含む
バレーパーキングシステム。
【請求項7】
端末装置と、鍵管理サーバ装置と、サーバ装置と、自動車と、信頼できる第三者機関の管理下にあるTTPサーバ装置を含むバレーパーキングシステムであって、
前記端末装置は、
前記端末装置のIDとバレーパーキング申込を前記鍵管理サーバ装置に送信する申込送信部を含み、
前記鍵管理サーバ装置は、
前記IDと前記バレーパーキング申込を受信した場合に、一時鍵を生成する一時鍵生成部と、
前記一時鍵を前記サーバ装置に送信する一時鍵送信部を含み、
前記サーバ装置は、
前記鍵管理サーバ装置から前記一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を受信した場合に、運転計画を生成する運転計画生成部と、
前記自動車に前記一時鍵と前記運転計画を送信する鍵・計画送信部を含み、
前記自動車は、
前記サーバ装置から前記一時鍵と前記運転計画を受信する鍵・計画受信部と、
前記TTPサーバ装置から、前記一時鍵の有効区画に関する情報である有効区画情報を受信する有効区画受信部と、
前記運転計画が前記有効区画の範囲内にあるか否かを判定する有効区画判定部と、
前記運転計画に従って自動運転制御を実行し、前記有効区画の判定結果が所定の結果となる場合に、前記運転計画に従った自動運転制御を停止する自動運転制御部を含む
バレーパーキングシステム。
【請求項8】
端末装置と、自動車と、サーバ装置と、信頼できる第三者機関の管理下にあるTTPサーバ装置を含むバレーパーキングシステムであって、
前記端末装置は、
前記サーバ装置から一時鍵要求を受信する鍵要求受信部と、
前記一時鍵要求を受信した場合に前記端末装置のIDと前記一時鍵要求を前記自動車に送信するID送信部と、
前記自動車から一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を前記サーバ装置に送信する一時鍵送信部を含み、
前記自動車は、
前記IDと前記一時鍵要求を受信した場合に、前記一時鍵を生成する一時鍵生成部と、
前記一時鍵を前記端末装置に送信する一時鍵送信部と、
前記サーバ装置から前記一時鍵と運転計画を受信する鍵・計画受信部と、
前記TTPサーバ装置から、前記一時鍵の有効区画に関する情報である有効区画情報を受信する有効区画受信部と、
前記運転計画が前記有効区画の範囲内にあるか否かを判定する有効区画判定部と、
前記運転計画に従って自動運転制御を実行し、前記有効区画の判定結果が所定の結果となる場合に、前記運転計画に従った自動運転制御を停止する自動運転制御部を含み、
前記サーバ装置は、
前記一時鍵要求を生成する鍵要求生成部と、
前記端末装置に前記一時鍵要求を送信する鍵要求送信部と、
前記端末装置から前記一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を受信した場合に、前記運転計画を生成する運転計画生成部と、
前記自動車に前記一時鍵と前記運転計画を送信する鍵・計画送信部を含む
バレーパーキングシステム。
【請求項9】
端末装置と、自動車と、サーバ装置と、信頼できる第三者機関の管理下にあるTTPサーバ装置を含むバレーパーキングシステムであって、
前記端末装置は、
前記サーバ装置から一時鍵要求を受信する鍵要求受信部と、
前記一時鍵要求を受信した場合に前記端末装置のIDと前記一時鍵要求を前記自動車に送信するID送信部を含み、
前記自動車は、
前記IDと前記一時鍵要求を受信した場合に、一時鍵を生成する一時鍵生成部と、
前記一時鍵を前記サーバ装置に送信する一時鍵送信部と、
前記サーバ装置から前記一時鍵と運転計画を受信する鍵・計画受信部と、
前記TTPサーバ装置から、前記一時鍵の有効区画に関する情報である有効区画情報を受信する有効区画受信部と、
前記運転計画が前記有効区画の範囲内にあるか否かを判定する有効区画判定部と、
前記運転計画に従って自動運転制御を実行し、前記有効区画の判定結果が所定の結果となる場合に、前記運転計画に従った自動運転制御を停止する自動運転制御部を含み、
前記サーバ装置は、
前記一時鍵要求を生成する鍵要求生成部と、
前記端末装置に前記一時鍵要求を送信する鍵要求送信部と、
前記自動車から前記一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を受信した場合に、前記運転計画を生成する運転計画生成部と、
前記自動車に前記一時鍵と前記運転計画を送信する鍵・計画送信部を含む
バレーパーキングシステム。
【請求項10】
自動車と、サーバ装置と、信頼できる第三者機関の管理下にあるTTPサーバ装置を含むバレーパーキングシステムであって、
前記自動車は、
前記サーバ装置から一時鍵要求を受信する鍵要求受信部と、
前記一時鍵要求を受信した場合に、一時鍵を生成する一時鍵生成部と、
前記一時鍵を前記サーバ装置に送信する一時鍵送信部と、
前記サーバ装置から前記一時鍵と運転計画を受信する鍵・計画受信部と、
前記TTPサーバ装置から、前記一時鍵の有効区画に関する情報である有効区画情報を受信する有効区画受信部と、
前記運転計画が前記有効区画の範囲内にあるか否かを判定する有効区画判定部と、
前記運転計画に従って自動運転制御を実行し、前記有効区画の判定結果が所定の結果となる場合に、前記運転計画に従った自動運転制御を停止する自動運転制御部を含み、
前記サーバ装置は、
前記一時鍵要求を生成する鍵要求生成部と、
前記自動車に前記一時鍵要求を送信する鍵要求送信部と、
前記自動車から前記一時鍵を受信する一時鍵受信部と、
前記一時鍵を受信した場合に、前記運転計画を生成する運転計画生成部と、
前記自動車に前記一時鍵と前記運転計画を送信する鍵・計画送信部を含む
バレーパーキングシステム。
【請求項11】
請求項1から10の何れかに記載のバレーパーキングシステムであって、
前記自動車は、
受信した前記一時鍵の有効期限を判定する有効期限判定部をさらに含み、
前記自動運転制御部は、
前記有効期限の判定結果が所定の結果となる場合に、前記運転計画に従った自動運転制御を停止する
バレーパーキングシステム。
【請求項12】
請求項1から3または6から9の何れかに記載のバレーパーキングシステムであって、
前記自動車は、
前記一時鍵を失効させる指令である失効指令を前記端末装置から受信する失効指令受信部と、
前記失効指令を受信した場合に、受信した前記一時鍵を失効させる鍵失効部を含む
バレーパーキングシステム。
【請求項13】
コンピュータを請求項1から10の何れかに記載のバレーパーキングシステムに含まれるサーバ装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バレーパーキングシステム、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホテルやレストランなどの敷地内に入場した顧客の車両に対し、顧客の代わりに係員が駐車を行うバレーパーキングサービスが知られている(例えば非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】日本駐車場開発株式会社、”日本駐車場開発バレーパーキングサービス”、[online]、日本駐車場開発株式会社、[平成29年7月5日検索]、インターネット<URL:http://www.n-p-d.co.jp/solution/valet/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、自動運転制御により上述のバレーパーキングを実現した例はなく、これをどのように実現するかは未だ十分に検討されていない。自動運転制御によるバレーパーキングが実現すれば、施設側のコンピュータなどが車両に直接指令を送るため、係員による運転は不要となる。ただし、施設側のコンピュータなどの指示によって、顧客の車両を無制限に制御可能とすると、セキュリティ上の問題が発生する可能性がある。例えば、施設側のコンピュータなどになりすました装置が、顧客の車両を遠隔操作して、これを盗み出す可能性がある。あるいは、施設側のコンピュータなどに記録した顧客の車両を制御するための電子鍵情報が盗み出され、後になって悪用される可能性がある。
【0005】
そこで本発明では、自動運転制御方式によるバレーパーキングにおいて、その安全性を向上したバレーパーキングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバレーパーキングシステムは、端末装置と、鍵管理サーバ装置と、サーバ装置と、自動車を含む。
【0007】
端末装置は、サーバ装置から一時鍵要求を受信する鍵要求受信部と、一時鍵要求を受信した場合に端末装置のIDと一時鍵要求を鍵管理サーバ装置に送信するID送信部と、鍵管理サーバ装置から一時鍵を受信する一時鍵受信部と、一時鍵をサーバ装置に送信する一時鍵送信部を含む。
【0008】
鍵管理サーバ装置は、IDと一時鍵要求を受信した場合に、一時鍵を生成する一時鍵生成部と、一時鍵を端末装置に送信する一時鍵送信部を含む。
【0009】
サーバ装置は、一時鍵要求を生成する鍵要求生成部と、端末装置に一時鍵要求を送信する鍵要求送信部と、端末装置から一時鍵を受信する一時鍵受信部と、一時鍵を受信した場合に、運転計画を生成する運転計画生成部と、自動車に一時鍵と運転計画を送信する鍵・計画送信部を含む。
【0010】
自動車は、サーバ装置から一時鍵と運転計画を受信する鍵・計画受信部と、運転計画に従って自動運転制御を実行する自動運転制御部を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明のバレーパーキングシステムによれば、自動運転制御方式によるバレーパーキングにおいて、その安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1のシステムの概略図。
図2】実施例1のシステムの概略図。
図3】実施例1のシステムの各装置の構成を示すブロック図。
図4】実施例1のシステムの各装置の動作を示すシーケンス図。
図5】実施例1のシステムの各装置の動作を示すシーケンス図。
図6】実施例1のシステムの各装置の動作を示すシーケンス図。
図7】変形例1のシステムの各装置の構成を示すブロック図。
図8】変形例1のシステムの各装置の動作を示すシーケンス図。
図9】変形例2のシステムの各装置の構成を示すブロック図。
図10】変形例2のシステムの各装置の動作を示すシーケンス図。
図11】変形例3のシステムの各装置の構成を示すブロック図。
図12】変形例3のシステムの各装置の動作を示すシーケンス図。
図13】変形例4のシステムの各装置の構成を示すブロック図。
図14】変形例4のシステムの各装置の動作を示すシーケンス図。
図15】変形例5のシステムの各装置の構成を示すブロック図。
図16】変形例5のシステムの各装置の動作を示すシーケンス図。
図17】変形例6のシステムの各装置の構成を示すブロック図。
図18】変形例6のシステムの各装置の動作を示すシーケンス図。
図19】実施例2のシステムの概略図。
図20】実施例2のシステムの各装置の構成を示すブロック図。
図21】実施例2のシステムの各装置の動作を示すシーケンス図。
図22】変形例7のシステムの各装置の構成を示すブロック図。
図23】変形例7のシステムの各装置の動作を示すシーケンス図。
図24】変形例8のシステムの概略図。
図25】変形例8のシステムの各装置の構成を示すブロック図。
図26】変形例8のシステムの各装置の動作を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0014】
以下、図1を参照して実施例1のバレーパーキングシステムの構成および動作の概略を説明する。本実施例のバレーパーキングシステム1は、端末装置11と、自動車12と、サーバ装置13と、TTPサーバ装置14と、鍵管理サーバ装置15を含む構成である。
【0015】
端末装置11は通信機能を持つ機器であって、端末装置11の所有者の認証情報(以下、IDともいう)を格納している機器であればよい。端末装置11は自動車12と通信可能であるものとする。端末装置11と自動車12は、例えば近距離無線通信機能(図の破線)によりデータの送受信を行ってもよいし、ネットワーク9(例えば、無線LAN、移動体通信網、インターネット回線、車載V2X通信、これらを組み合わせた通信経路)を介してデータの送受信を行ってもよい。端末装置11とサーバ装置13、端末装置11と鍵管理サーバ装置15も通信可能である必要がある。端末装置11とサーバ装置13、端末装置11と鍵管理サーバ装置15は、ネットワーク9(例えば、無線LAN、移動体通信網、インターネット回線、車載V2X通信、これらを組み合わせた通信経路)を介して通信可能に接続されているものとする。端末装置11は例えばスマートフォン、タブレット端末などでよい。例えば、所有者の認証情報を格納して通信機能を追加した自動車用電子キー端末などを端末装置11としてもよい。
【0016】
自動車12は、自動運転機能を有する。自動車12は、外部装置などから自動運転制御に関する制御指令を受信した場合、その制御指令が真正なものである場合には、当該制御指令に従った運転制御を実行することができるものとする。自動車12は、少なくとも端末装置11、サーバ装置13、TTPサーバ装置14と通信可能であるものとする。自動車12とサーバ装置13、自動車12とTTPサーバ装置14は、ネットワーク9を介して通信可能に接続されており、データの送受信が可能であるものとする。
【0017】
サーバ装置13は、自動車12を遠隔操作して敷地内の好適な位置に駐車させるための装置である。サーバ装置13は、バレーパーキングサービスを提供する施設側が管理・管轄しているものとする。例えば、サーバ装置13は、バレーパーキングサービスを提供するホテルやレストランが管理・管轄する装置である場合がある。あるいはサーバ装置13は、当該サービスを提供するホテルやレストランと契約している駐車場管理会社が管理・管轄する装置である場合がある。
【0018】
TTPサーバ装置14は、自動車12に対して有効区画という所定の意味づけがなされた地図情報を送信する装置である(詳細は後述)。TTPサーバ装置14は、信頼できる第三者機関(Trusted Third Party,TTP)が管理・管轄する装置である。例えば信頼できる第三者機関(TTP)として、自動運転制御に関する行政や、測量などを取り扱う専門の公的機関、例えば国土交通省の関係機関(国土地理院など)が考えられる。また、公的団体、自動車メーカー、地図作成を主たる業務とする会社などのうちのいずれかが設立する事業会社、あるいはこれらの会社が共同で設立する事業会社などであって、自動運転車用の地図作成や測量を行うことを公的に認められた事業会社などが行ってもよい。ただし、信頼できる第三者機関(TTP)は上記に限定されない。
【0019】
鍵管理サーバ装置15は、自動車12を運転制御する権限を与える電子情報である電子鍵7と、失効条件付きの電子鍵7として機能する一時鍵8を一括管理する装置である。鍵管理サーバ装置15は、信頼できる機関が管理・管轄する装置であることが望ましい。例えば信頼できる機関として、自動車メーカー連合、自動車メーカー連合が許可を与えた団体などが考えられる。
【0020】
図1に示すように、鍵管理サーバ装置15は、その内部に自動車12の電子鍵7を格納しており、電子鍵7を用いて認証を行うことにより、自動車12に自動運転を実行させることができる。電子鍵7は、継続的に使用される情報であり、盗難された場合など特殊なケースを除いて失効することはない。従って、当該電子鍵7を外部の装置などにむやみに送信することはセキュリティ上の問題があり、好ましくない。そこで本実施例では、バレーパーキングサービス提供中に限り、電子鍵7の代わりの鍵として機能する一時鍵8が生成される。一時鍵8により、電子鍵7と同様に所有者の認証を行うことができ、自動車12に自動運転を実行させることができる。ただし一時鍵8は、電子鍵7とは異なる条件で失効するものとし、一時鍵8が適切に失効することによりバレーパーキングシステム1の安全性が担保される。
【0021】
図1に示すように、鍵管理サーバ装置15は端末装置11からID4と一時鍵要求を受信し、その一時鍵要求が真正なものである場合に一時鍵8を生成して、生成した一時鍵8を端末装置11に送信する。端末装置11は、受信した一時鍵8をサーバ装置13に送信する。サーバ装置13は、受信した一時鍵8と運転計画6を自動車12に送信する。自動車12は、サーバ装置13から受信した一時鍵8が真正なものである場合に限り、受信した運転計画6に従って、自動運転制御を開始する。自動車12は、定期的に一時鍵8の有効期限を判定する機能を備えていてもよい。一時鍵8の有効期限が切れている場合には一時鍵8は失効し、自動車12は自動運転制御を停止する。また図2に示すように自動車12は、TTPサーバ装置14から、一時鍵8が有効に使用できる区画(有効区画)を記録した地図情報である有効区画情報5を受信し、サーバ装置13から受信した運転計画6が、有効区画情報5で指定される有効区画の範囲内、あるいは有効区画に基づいて定まる所定区画の範囲内にあるか否かを判定してもよい。運転計画6が有効区画あるいは所定区画の範囲外にある場合には一時鍵8は失効し、自動車12は自動運転制御を停止する。
【0022】
以下、図3を参照して、本実施例のバレーパーキングシステム1の各装置の構成の詳細を説明する。図3に示すように、本実施例の端末装置11は、申込送信部111と、鍵要求受信部112と、署名検証部113と、ID・要求生成部114と、ID送信部115と、一時鍵受信部116と、一時鍵送信部117と、失効指令生成部118と、失効指令送信部119を含む構成である。本実施例の自動車12は、鍵・計画受信部120と、一時鍵検証部121と、有効期限判定部122と、区画要求生成部123と、区画要求送信部124と、有効区画受信部125と、有効区画判定部126と、自動運転制御部127と、失効指令受信部128と、鍵失効部129を含む構成である。サーバ装置13は、申込受信部131と、鍵要求生成部132と、署名生成部133と、鍵要求送信部134と、一時鍵受信部135と、運転計画生成部136と、鍵・計画送信部137を含む構成である。TTPサーバ装置14は、区画要求受信部141と、有効区画検索部142と、有効区画送信部143を含む構成である。鍵管理サーバ装置15は、ID受信部151と、ID検証部152と、一時鍵生成部153と、一時鍵送信部154を含む構成である。
【0023】
次に図4を参照して本実施例のバレーパーキングシステム1の各装置の動作の詳細を説明する。
【0024】
図4に示すように、まず端末装置11の申込送信部111は、バレーパーキング申込をサーバ装置13に送信する(S111)。バレーパーキング申込には、自動車12のアドレス、識別子などが含まれていれば好適である。なお、ステップS111で送信されるバレーパーキング申込は、図示しない記憶部に記憶されてもよい。
【0025】
サーバ装置13の申込受信部131は、バレーパーキング申込を受信する(S131)。サーバ装置13の鍵要求生成部132は、一時鍵要求を生成する(S132)。サーバ装置13の署名生成部133は、ステップS132で生成された一時鍵要求に署名する(S133)。サーバ装置13の鍵要求送信部134は、署名付の一時鍵要求を端末装置11に送信する(S134)。本実施例では、一時鍵要求が真正であるか否かを判定できるようにするために、一時鍵要求に署名を付することにした。しかし一時鍵要求の真偽判定は他の方法でも実現できるため、上記方法には限定されない。なお、ステップS131で受信するバレーパーキング申込、ステップS134で送信される署名付の一時鍵要求は、図示しない記憶部に記憶されてもよい。
【0026】
端末装置11の鍵要求受信部112は、サーバ装置13から署名付の一時鍵要求を受信する(S112)。端末装置11の署名検証部113は、一時鍵要求に付された署名を検証して、一時鍵要求が真正であるか否かを検証する(S113)。ステップS113を実行することにより、端末装置11はサーバ装置13がなりすましでなく正規の装置であることを確認できる。端末装置11のID・要求生成部114は、一時鍵要求が真正である場合に端末装置11のIDと一時鍵要求をセットにしたID・要求を生成する(S114)。端末装置11のID送信部115は、生成されたID・要求を鍵管理サーバ装置15に送信する(S115)。
【0027】
鍵管理サーバ装置15のID受信部151は端末装置11からID・要求(IDと一時鍵要求)を受信する(S151)。鍵管理サーバ装置15のID検証部152は、一時鍵要求とセットで受信したIDを検証して、IDが真正であるか否かを検証する(S152)。鍵管理サーバ装置15には、予め端末装置11のIDのデータベースが用意されているものとする(図示略)。このデータベースには、端末装置11の購入時、買い替え時、自動車12の購入時、買い替え時などに、端末装置11、自動車12、これらに対応する電子鍵7などの必要な各IDが適宜追加登録される仕様としてもよい。例えば鍵管理サーバ装置15は、当該データベース上に検証対象のIDが存在する場合に、検証対象のIDを真正であると取り扱ってよい。当該データベース内においてIDが指定された場合、鍵管理サーバ装置15は指定されたIDに対応する自動車12およびその電子鍵7を一意に特定できるものとする。鍵管理サーバ装置15の一時鍵生成部153は、IDが真正である場合に一時鍵8を生成する(S153)。鍵管理サーバ装置15の一時鍵送信部154は、生成された一時鍵8を端末装置11に送信する(S154)。
【0028】
端末装置11の一次鍵受信部116は、鍵管理サーバ装置15から一時鍵8を受信する(S116)。端末装置11の一時鍵送信部117は、一時鍵8をサーバ装置13に送信する(S117)。なお、ステップS112で受信する署名付の一時鍵要求、ステップS117で送信される一時鍵8は、図示しない記憶部に記憶されてもよい。
【0029】
サーバ装置13の一時鍵受信部135は、端末装置11から一時鍵8を受信する(S135)。運転計画生成部136は、端末装置11から一時鍵8を受信した場合に、運転計画6を生成する(S136)。運転計画6とは、自動車12を運転制御するための指令情報であって広範な概念を含む。例えば運転計画6は、自動車12の直進、右折、左折、後退のタイミングや、走行速度、自動運転にあたっての禁則事項を細かく時系列順に指定した指令とすることができる。一方、運転計画6は、自動車12の現在地と目的地(車室)と車路と走行禁止エリア等の禁則事項だけを指定した指令とすることもできる。運転計画6の具体的な中身は自動車12に対する制御の方法如何によって様々なバリエーションが考えられる。例えば運転計画6は、自動車12に対する複数の制御指令をまとめた情報であってもよいし、自動車12に対する単一の制御指令のみを含む情報としてもよい。運転計画6が単一の制御指令である場合、運転計画6はその実行順序に沿って複数個生成され、時系列順に逐次自動車12に送信される。サーバ装置13の鍵・計画送信部137は、一時鍵8と運転計画6を自動車12に送信する(S137)。なお、前述したように運転計画6は、複数個に分割され、複数回に渡って送信されてもよいし、一時鍵8とは別のタイミングで送信されてもよい。なお、ステップS135で受信する一時鍵8、ステップS137で送信される運転計画6は、図示しない記憶部に記憶されてもよい。
【0030】
自動車12の鍵・計画受信部120は、サーバ装置13から一時鍵8と運転計画6を受信する(S120)。自動車12の一時鍵検証部121は、サーバ装置13から受信した一時鍵8が真正であるか否かを検証する(S121)。なお、ステップS120で受信した一時鍵8、運転計画6は図示しない記憶部に記憶されてもよい。
【0031】
図5に示すように、自動車12の有効期限判定部122は、一時鍵8の有効期限を判定する(S122)。一時鍵8の有効期限は、例えば、一時鍵8の生成日時を基準に設定してもよい。例えば一時鍵8が生成されてから1時間後の時刻を有効期限としてもよい。あるいは、一時鍵8が生成されてから24時間後の時刻を有効期限としてもよい。この場合、一時鍵8には生成日時のタイムスタンプ情報などが内包されている必要がある。また例えば、一時鍵8の有効期限を自動車12が一時鍵8を受信した時刻を基準にして設定してもよい。例えば自動車12が一時鍵8を受信した時刻から1時間後の時刻を有効期限としてもよい。自動運転制御部126は、有効期限の判定結果が所定の結果(有効期限切れ)となる場合に、運転計画6に従った自動運転制御を停止する。次に、自動車12の区画要求生成部123は、自動車12の現在位置を、例えばGPS機能などにより取得し、現在位置情報を含む有効区画情報要求を生成する(S123)。自動車12の区画要求送信部124は、ステップS123で生成された有効区画情報要求をTTPサーバ装置14に送信する(S124)。なお、ステップS124で送信された有効区画情報要求は、図示しない記憶部に記憶されてもよい。
【0032】
TTPサーバ装置14の区画要求受信部141は、自動車12から有効区画情報要求を受信する(S141)。有効区画検索部142は、有効区画情報要求に含まれる現在位置情報を参照して、現在位置情報が示す座標を検索のクエリとして、現在位置情報周辺の有効区画情報を検索する(S142)。なお、有効区画情報は予め、図示しないデータベース内に蓄積済みであるものとする。前述したように有効区画情報とは、一時鍵8が有効に使用できる区画(有効区画)を記録した地図情報のことである。有効区画情報は、信頼できる第三者機関(TTP)により予め準備される。例えば、信頼できる第三者機関(TTP)は、自動運転制御によるサービスが稼働中のエリア(例えば商業施設、ホテル、レストランなどのバレーパーキングエリアなど)を予め調査済みであって、これらのエリアに関する座標情報などを随時最新の情報に更新することとしてもよい。また、信頼できる第三者機関(TTP)は、公道と私有地の境界についての情報も予め調査済みであって、この情報についても随時最新の情報に更新し続けることとしてもよい。有効区画の決め方は任意であるが、例えば、上述の自動運転制御によるサービスが稼働中のエリアのみを有効区画としてもよい。この有効区画のうち、公道と認識されているエリアについては有効区画から除外してもよい。TTPサーバ装置14の有効区画送信部143は、ステップS142で検索された有効区画情報を自動車12に送信する(S143)。
【0033】
自動車12の有効区画受信部125は、TTPサーバ装置14から有効区画情報を受信する(S125)。有効区画判定部126は、運転計画6が有効区画の範囲内にあるか否かを判定する(S126)。自動運転制御部127は、有効区画の判定結果が所定の結果(運転計画6の一部または全部が有効区画外)となる場合に、運転計画6に従った自動運転制御を停止する。ステップS126を実行することにより、偽の運転計画6に従って自動車12が施設外に出て行ってしまうことが防止される。これにより防犯性能が向上する。なお、ステップS125で受信した有効区画情報は、図示しない記憶部に記憶されてもよい。
【0034】
この実施例では、上述した一時鍵8の検証(S121)、有効期限判定(S122)、有効区画判定(S126)の全てが真となる場合に限り、自動運転制御部127は、運転計画6に従って自動運転制御を開始する(S127)。ただし、有効期限判定(S122)、有効区画判定(S126)は場合により省略してもよく、ステップS126を省略する場合には、TTPサーバ装置14も不要となる。一時鍵8に設定する失効条件は上述した期限や区画以外の条件も考えられる。例えば、一時鍵8の使用回数に制限を設け、使用回数をオーバーした場合に一時鍵8を失効させてもよい。
【0035】
運転計画6による入庫指令を受信した場合、自動車12は、施設側が希望する車室まで自律走行して当該車室に自律入庫し、次の指令があるまで当該車室で待機する。運転計画6による出庫指令を受信した場合には、自動車12は当該車室から自律出庫し、例えば所有者が待機する車寄せまで自律走行する。
【0036】
次に図6を参照して、端末装置11が一時鍵8を強制的に失効させる方法について説明する。何らかの事情により、早急に自動車12の自動運転制御を解除したい場合、端末装置11の失効指令生成部118は、所定の規則に基づいて(例えば所有者から所定の要求があった場合など)失効指令を生成する(S118)。端末装置11の失効指令送信部119は、ステップS118で生成された失効指令を自動車12に送信する(S119)。自動車12の失効指令受信部128は、端末装置11から失効指令を受信する(S128)。鍵失効部129は、ステップS128で受信した失効指令に従って、一時鍵8を失効させる(S129)。なお、上述のステップS118,119の一時鍵失効機能は、鍵管理サーバ装置15の機能であってもよい。この場合、鍵管理サーバ装置15に失効指令生成部118、失効指令送信部119を追加すればよい。
【0037】
このように、本実施例のバレーパーキングシステム1によれば、自動運転制御方式によるバレーパーキングにおいて、その安全性を向上することができる。
【0038】
≪変形例1≫
以下、図7図8を参照して変形例1のバレーパーキングシステム1Aについて説明する。本変形例は、実施例1における端末装置11の機能の一部を自動車12に移した変形例である。すなわち図7に示すように、実施例1において端末装置11の構成要件であった一時鍵受信部116と、一時鍵送信部117を自動車12に移動し、それぞれを端末装置11A、自動車12Aとし、図8に示すように自動車12Aが、ステップS116とステップS117を実行するようにした。従って、本変形例において鍵管理サーバ装置15の一時鍵送信部154は、自動車12Aに一時鍵8を送信する。他の動作については、実施例1と同様である。
【0039】
≪変形例2≫
以下、図9図10を参照して変形例2のバレーパーキングシステム1Bについて説明する。本変形例は、鍵管理サーバ装置15からサーバ装置13にダイレクトに一時鍵8を配送するようにした変形例である。すなわち図9に示すように、実施例1において端末装置11の構成要件であった一時鍵受信部116と一時鍵送信部117を省略して端末装置11Bとし、図10に示すように鍵管理サーバ装置15が、ステップS154において直接サーバ装置13に一時鍵8を送信するようにした。他の動作については、実施例1と同様である。
【0040】
≪変形例3≫
以下、図11図12を参照して変形例3のバレーパーキングシステム1Cについて説明する。本変形例は、実施例1における端末装置11を自動車12に統合した変形例である。すなわち図11に示すように、端末装置11を省略し、端末装置11に含まれていた構成要件(失効指令生成部118と失効指令送信部119を除く)を全て自動車12に統合して自動車12Cとした。図12に示すように自動車12Cが、ステップS111,S112,S113,S114,S115,S116,S117を実行するようにした。従って、本変形例においてサーバ装置13の鍵要求送信部134は、自動車12Cに一時鍵要求を送信する。また、本変形例において鍵管理サーバ装置15の一時鍵送信部154は、自動車12Cに一時鍵を送信する。他の動作については、ステップS115において端末装置11のIDの代わりに自動車12CのIDが送信されることを除けば、実施例1と同様である。
【0041】
≪変形例4≫
以下、図13図14を参照して変形例4のバレーパーキングシステム1Dについて説明する。本変形例は、変形例3をさらに変形し、鍵管理サーバ装置15からサーバ装置13にダイレクトに一時鍵8を配送するようにした変形例である。すなわち図13に示すように、変形例3において自動車12Cの構成要件であった一時鍵受信部116と一時鍵送信部117を省略して自動車12Dとし、図14に示すように鍵管理サーバ装置15が、ステップS154において直接サーバ装置13に一時鍵8を送信するようにした。他の動作については、変形例3と同様である。
【0042】
≪変形例5≫
以下、図15図16を参照して変形例5のバレーパーキングシステム1Eについて説明する。本変形例は、実施例1においてサーバ装置13に送信されていたバレーパーキング申込を鍵管理サーバ装置15に送信することとし、これに伴って一部の処理を省略した変形例である。すなわち図15に示すように、実施例1において端末装置11の構成要件であった鍵要求受信部112、署名検証部113、ID・要求生成部114、ID送信部115を省略して端末装置11Eとし、実施例1においてサーバ装置13の構成要件であった申込受信部131、鍵要求生成部132、署名生成部133、鍵要求送信部134を省略してサーバ装置13Eとした。図16に示すように、ステップS111において、端末装置11Eの申込送信部111は、バレーパーキング申込に端末装置11EのIDを付して、鍵管理サーバ装置15に送信し、鍵管理サーバ装置15のID受信部151は、バレーパーキング申込とIDを受信し(S151)、鍵管理サーバ装置15のID検証部152は、バレーパーキング申込に付されたIDを検証して、IDが真正であるか否かを検証し(S152)、IDが真正である場合に、鍵管理サーバ装置15の一時鍵生成部153は一時鍵を生成する(S153)。他の動作については、実施例1と同様である。
【0043】
≪変形例6≫
以下、図17図18を参照して変形例6のバレーパーキングシステム1Fについて説明する。本変形例は、変形例5をさらに変形し、鍵管理サーバ装置15からサーバ装置13Eにダイレクトに一時鍵8を配送するようにした変形例である。すなわち図17に示すように、変形例5において端末装置11Eの構成要件であった一時鍵受信部116と一時鍵送信部117を省略して端末装置11Fとし、図18に示すように鍵管理サーバ装置15が、ステップS154において直接サーバ装置13Eに一時鍵8を送信するようにした。他の動作については、変形例5と同様である。
【実施例2】
【0044】
以下、図19図20図21を参照して実施例2のバレーパーキングシステム2について説明する。本実施例は、実施例1及びその変形例に登場した鍵管理サーバ装置15の機能を自動車に統合した実施例である。すなわち図19に示すように、本実施例のバレーパーキングシステム2は、実施例1と同じ端末装置11と、サーバ装置13と、TTPサーバ装置14と、実施例1に存在した鍵管理サーバ装置15の機能を統合した自動車22を含む構成であり、本実施例では、鍵管理サーバ装置15は省略されている。
【0045】
すなわち図20に示すように、鍵管理サーバ装置15の構成要件を全て自動車12に統合して自動車22とした。図21に示すように自動車22が、ステップS151,S152,S153,S154を実行するようにした。従って、本実施例において端末装置11のID送信部115は、自動車22にID・要求(IDと一時鍵要求)を送信する。他の動作については、実施例1と同様である。
【0046】
≪変形例7≫
以下、図22図23を参照して変形例7のバレーパーキングシステム2Aについて説明する。本変形例は、実施例2を変形し、自動車22からサーバ装置13にダイレクトに一時鍵8を配送するようにした変形例である。すなわち図22に示すように、実施例2において端末装置11の構成要件であった一時鍵受信部116と、一時鍵送信部117を省略して端末装置11Bとし、図23に示すように自動車22が、ステップS154において直接サーバ装置13に一時鍵8を送信するようにした。他の動作については、実施例2と同様である。
【0047】
≪変形例8≫
以下、図24図25図26を参照して変形例8のバレーパーキングシステム2Bについて説明する。本変形例は、変形例7に登場した端末装置11Bの機能を自動車22に統合することにより、さらに変形した変形例である。すなわち図24に示すように、本変形例のバレーパーキングシステム2Bは、実施例1と同じサーバ装置13と、TTPサーバ装置14と、変形例7に存在した端末装置11Bの機能を自動車22に統合してなる自動車22Bを含む構成であり、本変形例では、端末装置11Bは省略されている。
【0048】
すなわち図25に示すように端末装置11BのID・要求生成部114と、ID送信部115と、失効指令生成部118と、失効指令送信部119を省略し、端末装置11Bの他の構成要件を全て自動車22に統合し、自動車22のID受信部151と、ID検証部152を省略して自動車22Bとした。図26に示すように自動車22Bが、ステップS111,S112,S113を実行するようにした。従って、本変形例においてサーバ装置13の鍵要求送信部134は、自動車22Bに一時鍵要求を送信する。ステップS114,S115,S151,S152は省略され、ステップS153において、一時鍵生成部153は、一時鍵要求が真正である場合に一時鍵を生成するようにした。他の動作については、変形例7と同様である。
【0049】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0050】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0051】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0052】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0053】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0054】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0055】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0056】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0057】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図17
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図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26