(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】LED発光装置
(51)【国際特許分類】
H05B 45/40 20200101AFI20220107BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20220107BHJP
G03B 15/05 20210101ALI20220107BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20220107BHJP
【FI】
H05B45/40
H01L33/00 J
G03B15/05
G03B15/02 V
G03B15/02 G
(21)【出願番号】P 2017233366
(22)【出願日】2017-12-05
【審査請求日】2020-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097043
【氏名又は名称】浅川 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100128071
【氏名又は名称】志村 正樹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 鈴太郎
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-004692(JP,A)
【文献】特表2012-533883(JP,A)
【文献】特表2017-504173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H01L 33/00
H05B 47/00
G03B 15/05
G03B 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続フラッシュ発光が可能なLED発光装置において、
充電回路と、前記充電回路の出力端子に接続するコンデンサと、前記コンデンサの放電経路に挿入される第1LED列と、前記第1LED列に直列接続する第2LED列と、前記第1LED列に直列接続する第1スイッチと、前記第1LED列又は前記第2LED列に並列接続する第2スイッチとを備え
、
前記放電経路は、前記第1スイッチをオン、第2スイッチをオフすることで前記第1LED列及び第2LED列を同時発光させる1回目のフラッシュ発光経路と、
前記第1スイッチがオンの状態のまま、第2スイッチをオンすることで、前記第1LED列及び第2LEDの少なくともいずれか一方を発光させる2回目のフラッシュ発光経路と、を有し、
前記コンデンサによる1回の充電によって、前記1回目と2回目のフラッシュ発光を連続して行うことを特徴とするLED発光装置。
【請求項2】
前記第2スイッチがオフの状態で、前記第1スイッチがオフからオンに切り替わり1回目のフラッシュ発光が行われた際に、
前記コンデンサの電圧は、前記第1LED列と前記第2LED列の閾値電圧の合算値まで低下する請求項1に記載のLED発光装置。
【請求項3】
前記第1スイッチがオンの状態で、前記第2スイッチがオフからオンに切り替わり2回目のフラッシュ発光が行われた際に、
前記コンデンサの電圧は、前記第1LED列又は前記第2LED列のいずれか一方の閾値電圧まで低下する請求項2に記載のLED発光装置。
【請求項4】
前記第2LED列に直列接続する第3LED列と、前記第3LED列に並列接続する第3スイッチとをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のLED発光装置。
【請求項5】
前記第1LED列と前記第2LED列との間に逆流防止用ダイオードが挿入され、前記第2スイッチが前記第1LED列に並列接続しているとき、前記第2LED列に並列する第4スイッチを備え、前記第2スイッチの一端が前記逆流防止用ダイオードのカソードに接続し、前記4スイッチの一端が前記逆流防止用ダイオードのアノードに接続していることを特徴とする請求項1に記載のLED発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続フラッシュ発光が可能なLED発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDを光源とし、連続フラッシュ発光が可能なLED発光装置が知られている。例えば、特許文献1には、電気2重層コンデンサをフル充電し、一定時間フラッシュ発光させたら、再度電気2重層コンデンサを充電し、次のフラッシュ発光を行うLED発光装置が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載されたLED発光装置は、短時間で連続発光させるため、電気2重層コンデンサの放電を定電流回路により制限している。先ず、最初の発光では、充分に充電された電気2重層コンデンサを途中まで放電させるため、定電流回路に含まれる電流制限素子を制御して放電時間を限定する。そして、次のフラッシュ発光までの間にできるかぎり充電する。なお、この充電時間は短くならざるを得ないため、2回目のフラッシュ発光の直前における電気2重層コンデンサの電圧は、最初のフラッシュ発光の直前の電圧より低くなっている。2回目の発光でも、電気2重層コンデンサの放電時間を定電流回路により限定する。続いて、電気2重層コンデンサを充電し、3度目のフラッシュ発光を行う。このようにして、特許文献1に記載されたLED発光装置は、フラッシュ発光直前の電圧を徐々に低下させながら、複数回の連続フラッシュ発光を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたLED発光装置は、電気2重層コンデンサの放電を制限するのに定電流回路を使用しているため、定電流回路による電力損失が避けられない。
【0006】
そこで、本発明のLED発光装置は、これらの課題に鑑みて為されたものであり、連続発光が可能でありながら電力損失の少ないLED発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決するため、本発明のLED発光装置は、連続フラッシュ発光が可能なLED発光装置において、充電回路と、前記充電回路の出力端子に接続するコンデンサと、前記コンデンサの放電経路に挿入される第1LED列と、前記第1LED列に直列接続する第2LED列と、前記第1LED列に直列接続する第1スイッチと、前記第1LED列又は前記第2LED列に並列接続する第2スイッチとを備え、
前記放電経路は、前記第1スイッチをオン、第2スイッチをオフすることで前記第1LED列及び第2LED列を同時発光させる1回目のフラッシュ発光経路と、前記第1スイッチがオンの状態のまま、第2スイッチをオンすることで、前記第1LED列及び第2LEDの少なくともいずれか一方を発光させる2回目のフラッシュ発光経路と、を有し、前記コンデンサによる1回の充電によって、前記1回目と2回目のフラッシュ発光を連続して行うことを特徴とする。
【0008】
本発明のLED発光装置は、第1スイッチ及び第2スイッチをオフにした状態で、先ず、充電回路によりコンデンサを所定の電圧まで充電する。次に、第1スイッチをオンし、第1LED列及び第2LED列を発光させる。このとき、コンデンサの電圧は、第1LED列の閾値電圧及び第2LED列の閾値電圧の合算値まで低下する。次に、第1スイッチをオンした状態で、第2スイッチをオンし、第1LED列又は第2LED列を発光させる。このときコンデンサ電圧は、第1LED列又は第2LED列の閾値電圧まで低下する。
【0009】
前記第2LED列に直列接続する第3LED列と、前記第3LED列に並列接続する第3スイッチとをさらに備えていても良い。
【0010】
前記第1LED列と前記第2LED列との間に逆流防止用ダイオードが挿入され、前記第2スイッチが前記第1LED列に並列接続しているとき、前記第2LED列に並列する第4スイッチを備え、前記第2スイッチの一端が前記逆流防止用ダイオードのカソードに接続し、前記4スイッチの一端が前記逆流防止用ダイオードのアノードに接続していても良い。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明のLED発光装置は、コンデンサの放電で直接的にLEDを連続発光させているので、エネルギー損失が大きい定電流回路などの回路要素を必要としないため、電力損失の少ないLED発光装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態として示すLED発光装置の回路図である。
【
図2】
図1に示すコンデンサの電圧を示すグラフである。
【
図3】本発明の第2実施形態として示すLED発光装置の回路図である。
【
図4】本発明の第3実施形態として示すLED発光装置の回路図である。
【
図5】本発明の第4実施形態として示すLED発光装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1~5を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。()には特許請求の範囲に記載した発明特定事項を示す。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態として示すLED発光装置10の回路図である。
図1に示すように、LED発光装置10は、充電回路21と、コンデンサ22と、LED列11(第1LED列)と、LED列12(第2LED列)と、スイッチ14(第1スイッチ)と、スイッチ15(第2スイッチ)と、コントローラ17とを備えている。
【0015】
充電回路21は、良く知られたスイッチングレギュレータであり、入力端子21aと出力端子21bを備えている。コンデンサ22は、上端が充電回路21の出力端子21bに接続し、下端がグランドレベルとなっている。LED列11は、複数のLED(図中、2個のLEDで示している。以下同様)が直列接続したものである。LED列12は、LED列11と同様に複数のLEDが直列接続したものであり、アノードがLED列11のカソードに接続し、カソードがグランドレベルになっている。スイッチ14は、上端がコンデンサ22の上端と接続し、下端がLED列11のアノードに接続する。すなわち、LED列11は、コンデンサ22の放電経路に挿入され、スイッチ14及びLED列12と直列接続している。スイッチ15は、LED列11と並列接続している。コントローラ17は、制御信号の出力端子がスイッチ14、15の制御端子と接続している。
【0016】
図2により、LED発光装置10の動作を説明する。
図2は、LED発光装置10に備えられたコンデンサ22の電圧を示すグラフであり、横軸が時間t、縦軸が電圧Vである。図中、曲線の混じった折れ線20は、コンデンサ22の上端の電圧を示している。
【0017】
期間taは、予めコンデンサ22の両端間電圧を所定の電圧V1にするための準備期間である。期間taにおいて、充電回路21は、出力端子21bから一定の電流を出力し、コンデンサ22を所定の電圧V1まで充電し、コンデンサ22の上端が電圧V1になった
ら停止する。すなわち、折れ線20は、時間の経過ともに上昇し、電圧V1に達したら水平になる。なお、期間taでは、スイッチ14、15はオフしている(切れている)。
【0018】
期間tbでは、スイッチ14をオンする(入れる)。コンデンサ22は、放電を開始し、LED列11及びLED列12が発光する。このとき、コンデンサ22は、上端の電圧がLED列11の閾値電圧Vth及びLED列12の閾値電圧Vthの合算値(2Vth)である電圧V2まで低下したら放電が停止する。すなわち、期間tbにおいて、折れ線20は、電圧V1から電圧V2に至る放電曲線を描く。なお、LED列11の閾値電圧Vthとは、LED列11に含まれるLEDの順方向ドロップ電圧(2.5V程度)とLED列11に含まれるLEDの直列段数の積である。LED列12も同様であり、LED列11の閾値電圧VthとLED列12の閾値電圧Vthは等しい(それぞれ直列段数が等しい)ものとしている(以下同様)。
【0019】
期間tcは、コンデンサ22の放電が終了し、LED列11、12が消灯している時間である。
【0020】
期間tdでは、さらにスイッチ15をオンする。コンデンサ22は、両端間電圧が電圧V2からLED列12の閾値電圧Vthである電圧V3になるまで放電し、LED列12を発光させる。期間tdでは、折れ線20は、電圧V2から電圧V3に至る放電曲線を描く。
【0021】
以上のようにして、LED発光装置10は連続フラッシュ発光を行う。このとき、LED発光装置10は、コンデンサ22の放電で直接的にLED列11又はLED列12に含まれるLEDを発光させている。すなわち、LED発光装置10は、エネルギー損失の大きい定電流回路などの回路要素を必要としないため、電力損失が少なくなる。
【0022】
なお、LED発光装置10では、期間tbと期間tdの間、すなわち期間tcにおいてコンデンサ22を充電しないので、1回目のフラッシュ発光と2回目のフラッシュ発光を短時間に行うことが可能となる。
【0023】
図1では、電圧V3が閾値電圧Vth、電圧V2が閾値電圧Vtの2倍(2Vth)になっているので、電圧V1を閾値電圧Vthの√7と倍とすれば、期間tbでコンデンサ22が放出するエネルギーと、期間tdでコンデンサ22が放出するエネルギーとを等しくできる(それぞれのエネルギーは、3C×Vth×Vth/2、となる。ここで、Cはコンデンサ22の容量である)。しかしながら、期間tdは、期間tbより各LEDに印加する電圧が高くなるので、発光効率が悪化する。このため、期間tbと期間tdで発光量を等しくするためには、電圧V1を閾値電圧Vthの√7倍より小さくしておくと良い。
【0024】
(実施形態2)
図1に示したLED発光装置10では、スイッチ14(第1スイッチ)がLED列11(第1LED列)のアノードと接続するとともに、スイッチ15(第2スイッチ)がLED列11に並列接続していた。しかしながら、本発明のLED発光装置では、第1スイッチは、第1LED列に直列接続し、第2スイッチは、第1LED列又は前記第2LED列に並列接続すれば良い。そこで、第2実施形態として、
図3により、第1スイッチ及び第2スイッチの位置がLED発光装置10と異なるLED発光装置30について説明する。
【0025】
図3は、本発明の第2実施形態として示すLED発光装置30の回路図である。
図3に示すように、LED発光装置30は、充電回路21と、コンデンサ22と、LED列31(第1LED列)と、LED列32(第2LED列)と、スイッチ34(第1スイッチ)
と、スイッチ35(第2スイッチ)と、コントローラ37とを備えている。充電回路21とコンデンサ22からなる回路の構成は、LED発光装置10と同じであるので、LED発光装置30については異なる部分のみ説明する。
【0026】
LED列31は、複数のLEDが直列接続したものであり、アノードがコンデンサ22の上端と接続している。LED列32は、LED列31と同様に複数のLEDが直列接続したものであり、アノードがLED列31のカソードに接続し、カソードがスイッチ34の上端に接続している。スイッチ34は、下端がグランドレベルになっている。すなわち、コンデンサ22の上端からみて、LED列31は、コンデンサ22の放電経路に挿入さているとともに、LED列32及びスイッチ34と直列接続している。スイッチ35は、LED列32と並列接続している。コントローラ37は、制御信号の出力端子がスイッチ34、35の制御端子と接続している。
【0027】
LED発光装置30の動作は、LED発光装置10と実質的に同じである。そこで、
図2により、LED発光装置30の動作を説明する。期間taでは、予めコンデンサ22の両端間電圧を所定の電圧V1にする。このとき、スイッチ34、35はオフしている。期間tbでは、スイッチ34をオンし、コンデンサ22を放電させ、LED列31及びLED列32を発光させる。このとき、コンデンサ22の放電が停止する電圧V2は、LED列31の閾値電圧Vth及びLED列32の閾値電圧Vthの合算値(2Vth)である。期間tdでは、さらにスイッチ35をオンし、コンデンサ22を放電させ、LED列31を発光させる。このとき、コンデンサ22の放電が停止する電圧V3は、LED列31の閾値電圧Vthである。
【0028】
以上のようにして、LED発光装置30は連続フラッシュ発光を行う。このとき、LED発光装置30は、LED発光装置10と同様に電力損失が少なくなる。また、LED発光装置10では、スイッチ14、15にPチャンネルMOS-FET又はPNPトランジスタが使い易いと考えられるが、LED発光装置30では、スイッチ34、35にNチャンネルMOS-FET又はNPNトランジスタが使えるので電流の制御性を向上させられる。なお、スイッチ35は、LED列31に並列接続しても良い。LED列31、32のそれぞれにスイッチを並列接続しても良い。この場合、これらのスイッチとスイッチ34により、コンデンサ22に残留する電荷を放電できる。
【0029】
(実施形態3)
図1、2に示したLED発光装置10、30は、2回の連続フラッシュ発光が可能であった。しかしながら、本発明のLED発光装置は、連続発光が2回に限定されるものではない。そこで、第3実施形態として、
図4により、3回の連続フラッシュ発光が可能なLED発光装置40について説明する。
【0030】
図4は、本発明の第3実施形態として示すLED発光装置40の回路図である。
図4に示すように、LED発光装置40は、充電回路21と、コンデンサ22と、LED列41(第1LED列)と、LED列42(第2LED列)と、LED列43(第3LED列)と、スイッチ44(第1スイッチ)と、スイッチ45(第2スイッチ)と、スイッチ46(第3スイッチ)と、コントローラ47とを備えている。充電回路21とコンデンサ22からなる回路の構成は、LED発光装置10、30と同じであるので、LED発光装置40については異なる部分のみ説明する。
【0031】
スイッチ44の上端は、コンデンサ22の上端と接続している。スイッチ44、LED列41、LED列42、LED列43は直列接続し、LED列43のカソードはグランドレベルとなっている。スイッチ45は、LED列42と並列接続し、スイッチ46は、LED列43と並列接続している。コントローラ47は、制御信号の出力端子がスイッチ4
4、45、46の制御端子と接続している。
【0032】
コンデンサ22の充電が完了したらスイッチ44をオンし、コンデンサ22を放電させ、LED列41~43を発光させる。このとき、コンデンサ22の放電が停止する電圧は、LED列41、42、43の閾値電圧Vthの合算値(3Vth)である。次に、スイッチ45をオンし、コンデンサ22を放電させ、LED列41及びLED列43を発光させる。このとき、コンデンサ22の放電が停止する電圧は、LED列41、43の閾値電圧Vthの合算値(2Vth)である。最後に、スイッチ46をオンし、コンデンサ22を放電させ、LED列41を発光させる。このとき、コンデンサ22の放電が停止する電圧は、LED列41の閾値電圧Vthである。
【0033】
以上のようにして、LED発光装置40は、3回の連続フラッシュ発光を行う。このとき、LED発光装置40は、LED発光装置10、30と同様に電力損失が少なくなる。なお、最初の発光、2回目の発光、最後の発光の発光強度をそれぞれ等しくするためには、LED発光装置10と同様に充電電圧を調整することに加え、LED列41、42、43の直列段数をそれぞれ異なったものに設定すれば良い。スイッチ45は、LED列41に並列接続しても良い。
【0034】
(実施形態4)
図1及び
図3に示したLED発光装置10、30では、2回目のフラッシュ発光時に一方のLED列12、31が発光し、他方のLED列11、32が消灯していた。しかしながら、本発明のLED発光装置は、素子の利用効率上、フラッシュ発光時に消灯しているLED列が無い方が好ましい。そこで、第4実施形態として、
図5により、2回目のフラッシュ発光時にも第1LED列及び第2LED列が同時に発光するLED発光装置50について説明する。
【0035】
図5は、本発明の第4実施形態として示すLED発光装置50の回路図である。
図5に示すように、LED発光装置50は、充電回路21と、コンデンサ22と、LED列51(第1LED列)と、LED列52(第2LED列)と、スイッチ54(第1スイッチ)と、スイッチ55(第2スイッチ)と、スイッチ56(第4スイッチ)と、コントローラ57と、逆流防止用ダイオード58とを備えている。充電回路21とコンデンサ22からなる回路の構成は、LED発光装置10、30と同じであるので、LED発光装置50については異なる部分のみ説明する。
【0036】
LED列51は、複数のLEDが直列接続したものであり、アノードがコンデンサ22の上端と接続している。LED列52は、LED列51と同様に複数のLEDが直列接続したものであり、アノードが逆流防止用ダイオード58を介してLED列51のカソードに接続し、カソードがスイッチ54の上端に接続している。スイッチ54は、下端がグランドレベルになっている。すなわち、コンデンサ22の上端からみて、LED列51は、コンデンサ22の放電経路に挿入さているとともに、LED列52、逆流防止用ダイオード58及びスイッチ54と直列接続している。スイッチ55は、LED列51と並列接続し、スイッチ56は、LED列52と並列接続している。コントローラ57は、制御信号の出力端子がスイッチ54、55、56の制御端子と接続している。
【0037】
なお、LED発光装置50では、LED列51とLED列52との間に逆流防止用ダイオード58が挿入されている点と、電流をバイパスするスイッチ(スイッチ55、56)を2つ備えている点がLED発光装置10、30と大きく異なる。LED列51とスイッチ55との並列接続では、逆流防止用ダイオード58が介在する。すなわち、LED列51及びスイッチ55の下端は、それぞれ逆流防止用ダイオード58のアノード及びカソードに接続している。同様に、LED列52とスイッチ56との並列接続でも、逆流防止用
ダイオード58が介在する。すなわち、LED列52及びスイッチ56の上端は、それぞれ逆流防止用ダイオード58のカソード及びアノードに接続している。
【0038】
LED発光装置50の動作は、LED発光装置10、30と実質的に同じである。そこで、
図2により、LED発光装置50の動作を説明する。期間taでは、予めコンデンサ22の両端間電圧を所定の電圧V1にする。このとき、スイッチ54~56はオフしている。期間tbでは、スイッチ54をオンし、コンデンサ22を放電させ、LED列51及びLED列52を発光させる。このとき、コンデンサ22の放電が停止する電圧V2は、LED列51の閾値電圧Vth及びLED列52の閾値電圧Vthの合算値(2Vth)である。なお、説明を簡便にするため逆流防止用ダイオード58の順方向ドロップは無視する。期間tdでは、さらにスイッチ55、56をオンし、コンデンサ22を放電させ、LED列51、52を発光させる。このとき、コンデンサ22の放電が停止する電圧V3は、LED列51、52の閾値電圧Vthである。
【0039】
以上のようにして、LED発光装置50は連続フラッシュ発光を行う。このとき、LED発光装置50は、LED発光装置10、30と同様に電力損失が少なくなる。また、LED発光装置50では、2回目のフラッシュ発光時にLED列51、52が並列接続となるので、発光用の電流が分散し発光効率が向上する。
【0040】
なお、LED発光装置50を基本にして、さらなる多段化が可能である。例えば、LED列51、52、スイッチ55、56及び逆流防止用ダイオード58からなる回路ユニットを、LED発光装置10のLED列12と置き換えれば、3回の連続発光が可能なLED発光装置を構成できる(
図1参照)。また、LED列52、スイッチ55、56、及び逆流防止用ダイオード58からなる回路ユニットと同等の回路ユニットを、LED列52とスイッチ54の間に挿入しても3回の連続発光が可能なLED発光装置を構成できる(
図5参照)。このとき、LED列51の下端は、LED列52のカソードに接続させたままスイッチ54と断線させる。ただし、コントローラ17、57は変更することになる。
【符号の説明】
【0041】
10、30、40、50…LED発光装置、
11、31、41、51…LED列(第1LED列)、
12、32、42、52…LED列(第2LED列)、
14、34、44、54…スイッチ(第1スイッチ)、
15、35、45、55…スイッチ(第2スイッチ)、
17、37、47、57…コントローラ、
20…折れ線、
21…充電回路、
21a…入力端子、
21b…出力端子、
22…コンデンサ、
43…LED列(第3LED列)、
46…スイッチ(第3スイッチ)、
56…スイッチ(第4スイッチ)、
58…逆流防止用ダイオード。