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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/14 20120101AFI20220107BHJP
   G06Q 20/24 20120101ALI20220107BHJP
【FI】
G06Q20/14
G06Q20/24
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018100774
(22)【出願日】2018-05-25
(65)【公開番号】P2019204426
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久晴
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0327064(US,A1)
【文献】特開2012-234455(JP,A)
【文献】特開2009-295091(JP,A)
【文献】特開昭63-229600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テナントの情報処理装置から、決算対象期間分のクレジットカード払いの売上データを受信する売上データ受信手段と、
クレジットカードの種類に基づいて、前記売上データから特定のカードの売上データを判別するカード判別手段と、
前記テナントの前記決算対象期間における前記特定のカードの売上合計金額と、前記特定のカードの利用割引に対する前記テナントの負担率とから、前記決算対象期間における前記テナントの合計負担額を算出する負担金額算出手段と、
デベロッパが前記テナントに請求する請求金額に、前記合計負担額を加算する請求金額加算手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記テナントが前記デベロッパに対して支払うべき前記決算対象期間の経費として、前記テナントの合計負担額を示した支払通知情報を生成し、生成した支払通知情報を出力する支払通知出力手段を更に備えた、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記支払通知出力手段は、前記決算対象期間における前記テナントの売上を精算する締め処理において、前記決算対象期間における前記テナントの前記合計負担額を示した前記支払通知情報を生成する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定のカード利用時の割引に対する前記テナントの負担率の変更を受付ける負担率変更手段を更に備えた、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記テナントの負担率と前記デベロッパの負担率との合計が、前記特定のカード利用時の割引率と相違する場合にエラー出力するエラー出力手段を更に備えた、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置を制御するコンピュータを、
テナントの情報処理装置から、決算対象期間分のクレジットカード払いの売上データを受信する売上データ受信手段と、
クレジットカードの種類に基づいて、前記売上データから特定のカードの売上データを判別するカード判別手段と、
前記テナントの前記決算対象期間における前記特定のカードの売上合計金額と、前記特定のカードの利用割引に対する前記テナントの負担率とから、前記決算対象期間における前記テナントの合計負担額を算出する負担金額算出手段と、
デベロッパが前記テナントに請求する請求金額に、前記合計負担額を加算する請求金額加算手段と、して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ショッピングセンター等の複合型商業施設では、テナントとして入店して営業している各店舗が、ショッピングセンターの駐車場料金や光熱費等の経費を負担するが、その負担額は、各テナントの売り場面積や売上実績に基づいて配分される。このため、ショッピングセンターを管理する本部(デベロッパ)では、各テナントの売上実績を把握しなければならない。そこで従来は、本部が管理するテナント管理サーバと、各テナントのPOS(Point Of Sales)端末とを通信回線で接続し、各テナントのPOSの売上データをテナント管理サーバで送付している。そして、テナント管理サーバは各テナントの売上データを記憶管理してデータベース化し、各テナントの売上を集計、管理するとともに、諸経費等の算出を行う運用としている。
【0003】
ところで近年、顧客の囲い込みを狙いとして、カード会社がショッピングセンター(SC)または系列グループと提携してクレジットカード(提携カードという)を発行し、提携カードでSC内の支払をした際には割引を行うという特典サービスが広く行われている。一般的に、割引分の金額はテナントとデベロッパとで分担することが多い。従来、この割引分の負担額については、定期的に行われる締め処理にて、デベロッパ側の担当者が割引総額と割引負担率とから算出して、各テナントに請求する作業を行っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、特定のカード(即ち、上述した提携カード)の割引額をデベロッパとテナントとで分担する場合に、テナントへの請求処理を簡便化できる情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理装置は、売上データ受信手段と、カード判別手段と、負担金額算出手段と、請求金額加算手段と、を備える。売上データ受信手段は、テナントの情報処理装置から、決算対象期間分のクレジットカード払いの売上データを受信する。カード判別手段は、クレジットカードの種類に基づいて、前記売上データから特定のカードの売上データを判別する。負担金額算出手段は、前記テナントの前記決算対象期間における前記特定のカードの売上合計金額と、前記特定のカードの利用割引に対する前記テナントの負担率とから、前記決算対象期間における前記テナントの合計負担額を算出する。請求金額加算手段は、デベロッパが前記テナントに請求する請求金額に、前記合計負担額を加算する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態にかかるSC管理システムの概略構成図である。
図2図2は、テナント管理サーバのハードウェア構成および機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、決済企業ごとの割引負担率を設定する設定画面の構成例を示す図である。
図4図4は、エラーメッセージの表示例を示した図である。
図5図5は、日ごとの割引負担率を設定する設定画面の構成例を示す図である。
図6図6は、負担率設定処理の手順例を示したフローチャートである。
図7図7は、締め処理の手順例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本実施形態にかかるSC(ショッピングセンター)管理システム100の概略構成図である。本実施形態のSC管理システム100は、例えば大型ショッピングセンター等の商業施設に適用される。図1に示すように、SC管理システム100は、デベロッパがSCの売上管理に用いるテナント管理サーバ1を備えている。テナント管理サーバ1は、各テナントの店舗システムと通信回線6を介して接続されており、各テナントから通信回線6を介して売上データを受信する。
【0008】
各テナントにおける店舗システムの構成は特に限定されないが、例えば、テナント9aにて例示するように、店舗サーバ2と複数台のPOS(Point Of Sales)端末3a~3cとが店内ネットワークで接続された店舗システムを用いることができる。POS端末3a~3cは、クレジットカードによる決済を行う場合には、通信回線6を介して接続されたクレジットカードの決済企業の決済管理サーバ5と信用照会ならびに決済データの送受信等を行って、クレジット決済を行う。また、POS端末3a~3cは売上データを店舗サーバ2に送信する。店舗サーバ2は各POS端末3a~3cから受信した売上データを売上ファイルに格納し、日時報告または決算報告において店舗分の売上データをまとめてテナント管理サーバ1に送信する。
【0009】
テナント9bのように、複数台の決済端末4a~4bで店舗システムが構築される場合には、決済端末4a~4bがそれぞれ決済管理サーバ5とデータ通信を行ってクレジット決済を行う。また、売上データについては決済端末4a~4bのうちいずれか(例えば決済端末4a)が店舗分の決算対象期間の売上データをまとめてテナント管理サーバ1に送信すればよい。あるいはテナント9cのように1台のPOS端末3dで店舗システムを構築する場合には、POS端末3dが決済管理サーバ5とデータ通信してクレジット決済を行い、売上データをテナント管理サーバ1に送信すればよい。尚、店舗システムは上述した例に限定されず、その他のシステム構成により構築して、クレジット決済、ならびに、売上データの送信を行ってもよい。
【0010】
次に、テナント管理サーバ1の機能構成について説明する。
【0011】
図2は、テナント管理サーバ1のハードウェア構成および機能構成を示すブロック図である。テナント管理サーバ1は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部10を備える。制御部10には、バス13を介して通信I/F(インタフェース)11が接続されている。制御部10は、通信I/F11および通信回線6を介して決済管理サーバ5との間でデータ通信を行う。また、制御部10は、通信I/F11および通信回線6を介して、店舗サーバ2、POS端末3a~3d、決済端末4a~4bとの間でデータ通信を行う。
【0012】
また、制御部10には、バス13およびI/O機器制御部14を介して、キーボードまたはマウス、タッチパッド等の操作部15が接続される。また、制御部10には、バス13およびI/O機器制御部14を介して、ディスプレイ16およびHDD(Hard Disk Drive)17等が接続されている。
【0013】
HDD17は、負担率格納部170を有している。負担率格納部170は、提携カード利用時の割引について、負担者(デベロッパ、テナントなど)ごとの負担率や、負担金額算出時に用いる各種設定を記憶する。
【0014】
また、HDD17は、SC内の各テナントから送信された売上データを格納し、管理するための売上ファイル171を有している。また、HDD17は、制御部10が生成した支払通知書の文書ファイル形式のデータあるいは印刷データを格納する支払通知格納部172を有している。
【0015】
尚、支払通知書とは、決算対象期間ごとの締め処理において、デベロッパが各テナントに対して請求する請求金額(支払金額)を示した文書である。デベロッパからテナントに請求する請求金額は、テナント側から見ればデベロッパに支払う支払金額となるので、ここでは当該文書を支払通知書としたが、当該文書を請求書と呼んでもよい。支払通知書でテナントに請求される請求金額としては、家賃、光熱費等の諸経費が含まれるが、本実施形態では、提携カード割引のテナント負担分の金額がこの請求金額に加算されることとなる。
【0016】
次に、テナント管理サーバ1の制御部10が実行する本実施形態のプログラムについて説明する。
【0017】
なお、本実施形態のテナント管理サーバ1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のテナント管理サーバ1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0018】
さらに、本実施形態のテナント管理サーバ1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のテナント管理サーバ1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0019】
本実施形態のテナント管理サーバ1で実行されるプログラムは、図2に示すように、表示制御部101、入力受付部102、データ受信部103、カード判別部104、算出部105、支払通知生成部106、支払通知出力部107、負担率変更部108を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPUが上記記憶媒体(ROM)から本実施形態のプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされる。そして、CPUが主記憶装置上に上記各部を生成する。
【0020】
表示制御部101は、ディスプレイ16に出力する表示データを生成し、各種表示画面の表示動作を制御する。例えば、表示制御部101は、業務内容を選択する業務選択画面、提携カードの割引負担率を設定する設定画面(図3図5参照)、各テナントへの請求額を算出し、支払通知書を生成するための締め処理画面等の表示動作を制御する。
【0021】
入力受付部102は、キーボードやマウス等の操作部15、あるいはその他の入力インタフェースを介した入力を受付ける。また、入力受付部102は、操作部15を介して、表示制御部101が表示する各種GUI(グラフィカルユーザインタフェース)画面に対する入力操作を受付ける。
【0022】
即ち、データ受信部103(売上データ受信手段)は、テナントの情報処理装置から、決算対象期間におけるクレジットカード払いの売上データを受信し、HDD17の売上ファイル171に格納する。
【0023】
例えば、上述した店舗システムの場合、デベロッパが規定した決算日に、テナント9aの店舗サーバ2、テナント9bの決済端末4a、テナント9cのPOS端末3dは、締め処理用の売上データとして、決算期間の売上データをそれぞれテナント管理サーバ1に送信する。締め処理用の売上データは、決済方法別に、現金決済による売上金額、クレジット決済による売上金額、電子マネー決済による売上金額等のデータで構成される。クレジット決済による売上データは更に、クレジットカードの種類ごと、即ち、クレジットカードの決済企業ごとに売上金額が計上される。
【0024】
カード判別部104(カード判別手段)は、クレジットカードの種類に基づいて、データ受信部103が受信した売上データから特定のカード(即ち、提携カード)の売上データを判別する。
【0025】
特定のカードとは、提携カードのことであり、カード発行会社(決済企業)が、SCまたはSCの系列グループと提携して発行したクレジットカードである。本実施形態では、SC内のテナントで提携カードを利用して支払を行うと、支払金額に対して割引が適用される運用とする。割引分の金額は、当該カードでの売上があったテナントとデベロッパとで負担する。なお、テナントがSC内の商店会などの団体に所属している場合には、割引分の金額を、テナント、デベロッパ、商店会の3者が負担してもよい。
【0026】
算出部105は、売上ファイル171に格納された各テナントの売上データについて、テナント毎に、合計売上金額、クレジットカードごとの合計売上金額、家賃、その他諸経費等の金額を算出する。
【0027】
また、算出部105(負担金額算出手段)は、提携カード利用時の割引に対するテナントの負担率と、決算対象期間の当該テナントにおける当該提携カードの売上合計金額とから、決算対象期間におけるテナントの合計負担額を算出する。
【0028】
また、算出部105(請求金額加算手段)は、デベロッパがテナントに請求する請求金額に、算出部105が上述のようにして算出した合計負担額を加算して、当該決算対象期間のテナントに対する請求金額を決定する。
【0029】
支払通知生成部106(支払通知生成手段)は、各テナントがデベロッパに対して支払うべき決算対象期間の経費として、算出部105が算出した各テナントの合計負担額を示した支払通知情報を生成する。支払通知情報のデータフォーマットは特に限定されない。支払通知生成部106は、支払通知情報を、文書ファイル形式の支払通知書として生成してもよいし、支払通知情報を支払通知書の印刷用データファイルとして生成してもよい。また、支払通知情報をメール形式で生成してもよい。
【0030】
支払通知出力部107(支払通知出力手段)は、支払通知生成部106が生成した支払通知書の各種ファイルを出力する。出力のタイミングとしては、締め処理、即ち、決算対象期間における各テナントの売上を精算するための締め処理(決算処理)において支払通知書のデータファイルを出力するとよいが、これ以外のタイミングとしてもよい。
【0031】
支払通知情報を文書ファイル形式の支払通知書として生成した場合には、支払通知出力部107は当該文書ファイルを各テナントの情報処理装置(例えば、テナント9aの店舗サーバ2、テナント9bの決済端末4a、テナント9cのPOS端末3d)に送信すればよい。また、支払通知情報を印刷用データファイルとして生成した場合には、支払通知出力部107は当該印刷用データファイルを自装置に接続したプリンタに出力して、支払通知書を印字出力すればよい。
【0032】
負担率変更部108(負担率変更手段)は、負担率を設定する設定画面(図3図5参照)を介して、提携カード利用時の割引額に対するテナントの負担率(割引負担率ともいう)の変更を受付ける。
【0033】
図3は、決済企業ごとの割引負担率を設定する設定画面70の構成例を示す図である。表示制御部101は、業務内容を選択する業務選択画面のメニューから、割引負担率の設定のメニュー項目が選択されると、図3に示すような設定画面70をディスプレイ16に表示する。決済企業ごとの割引負担率を設定する設定画面70には、決済企業ごとの各種設定内容を表示した表示欄71が設けられている。
【0034】
表示欄71の各行にはそれぞれ、決済企業コードと、提携カード名称とが設定される。提携カード名称は、SCの提携カードの総称としてのAAAAAに、カッコ書きで決済企業(カード会社)の名称がBBB、CCC、DDD、EEE等と付されて示される。表示欄71の各行には、各提携カードについて、当該提携カード利用時の割引率、割引率の端数処理、デベロッパの割引負担率、テナントの割引負担率、商店会の割引負担率、負担率の端数処理、負担率の端数調整を行う負担者などの設定値が表示される。これら設定値は、負担率格納部170の設定値を反映している。
【0035】
表示欄71の各行はカーソル移動により選択可能である。例えば図3に示すように、決済企業コード4a99661の企業EEEとSCとが提携した提携カードAAAAA(EEE)に対する行72が選択された状態でキーボードのエンターキーが操作されると、入力欄73に行72の各項目の内容がコピーして表示される。
【0036】
負担率変更部108は、入力欄73から、決済企業コード76の選択を受付けて、選択された決済企業コード76に対応する決済企業と提携した提携カードの名称を、決済企業名称欄77に表示する。また、負担率変更部108は、決済企業名称欄77に表示された提携カードの利用時の割引率の入力を、割引率設定欄78から受付ける。割引率の端数処理については切り上げ、切り捨て、四捨五入を選択欄79から選択可能である。
【0037】
また、入力欄73には、割引の負担率の入力を負担者ごとに受付ける設定欄が設けられている。図3では、割引分の支払いをデベロッパ、テナント、テナントが属する商店会の3者で負担する例について示している。この場合に負担率変更部108は、デベロッパの負担率を入力する入力欄80、テナントの負担率を入力する入力欄81、商店会の負担率を入力する入力欄82のそれぞれから、各負担者に対する負担率の入力を受付ける。負担率の端数処理については、切り上げ、切り捨て、四捨五入を選択欄83から選択可能である。また、負担率の端数調整を担う負担者については、選択欄84から選択可能である。
【0038】
商店会が無い場合や商店会があっても商店会は割引額の負担を行わない場合であれば、割引額をデベロッパとテナントとの2者で負担するとして設定画面70を構成すればよい。即ち、設定画面70の入力欄73を、決済企業コード76、決済企業名称欄77、割引率設定欄78、割引率の端数処理の選択欄79、デベロッパの負担率の入力欄80、テナントの負担率の入力欄81、負担率の端数処理の選択欄83、および、負担率の端数調整を担う負担者の選択欄84で構成すればよい。そして、負担率変更部108は、当該設定画面を介して、デベロッパの負担率およびデベロッパの負担率の入力を受付ければよい。尚、尚、一方の負担率が入力された際に他方の負担率を自動的に計算して入力欄80または入力欄81に自動的に表示し、他方の負担率の入力は省いてもよい。
【0039】
設定画面70のメニューバーに設けられた確定アイコン74が操作されると、負担率変更部108は入力欄73に入力された各項目内容を、表示欄71に反映する。
【0040】
確定アイコン74の操作時に、テナント管理サーバ1は、入力欄73に入力された負担率の合計が割引率と一致するかを判定し、不一致の場合にはエラー出力を行う。即ち、負担率変更部108は、入力欄73において、入力欄80に入力されたデベロッパの負担率と、入力欄81に入力されたテナントの負担率と、入力欄82に入力された商店会の負担率とを合算し、端数処理がある場合には選択欄83、選択欄84で選択された項目に基づき端数処理を行う。そして、負担率変更部108は、割引率設定欄78で設定された割引率に選択欄79で選択された端数処理を行い、当該端数処理後の割引率が、上述の端数処理後の負担率の合算値と一致するか否かを判定する。一致すれば、負担率変更部108は、入力欄73に入力された各値を負担率格納部170に格納する。不一致であれば、表示制御部101は、エラーメッセージをディスプレイ16に表示する。
【0041】
尚、割引額の負担をデベロッパとテナントとの2者で行う場合には、当該2者の負担率を合算し、合算値が割引率と一致するか否かを判定する。そして、表示制御部101(エラー出力手段)は、入力されたテナントの負担率とデベロッパの負担率との合計が、提携カード利用時の割引率と相違する場合に、エラーメッセージを出力する。
【0042】
図4は、エラーメッセージの表示例を示した図である。表示制御部101は、負担率変更部108が負担率の合算値と割引率とが不一致であると判定すると、ディスプレイ16に図4に示すようなエラーメッセージ273を表示する。エラーメッセージ273としては、負担率の合計が割引率と異なる旨のメッセージを含めればよい。エラーメッセージ273は、ポップアップ画面を用いて表示してもよいし、設定画面70内の部分的な表示領域を用いて表示してもよい。
【0043】
図3に戻って、設定画面70のメニューバーには終了アイコン75が設けられており、終了アイコン75が操作されると、負担率変更部108は各行に設定された値を負担率格納部170に保存し、表示制御部101はディスプレイ16の表示を上述した業務選択画面(初期画面)に戻す。
【0044】
なお、負担率の設定は、さらに細分化して設定可能としてもよい。例えば、所定期間ごと、あるいは、日毎で割引負担率を設定できるようにしてもよい。
【0045】
図5は、日ごとの割引負担率を設定する設定画面90の構成例を示す図である。設定画面90には、年月を選択する選択欄91と、決済企業コードを選択する選択欄92と、割引率を設定する割引率設定欄93とが設けられている。また、日別負担率設定テーブル94には、一決算対象期間中の日付が表示され、各日付に対してデベロッパの負担率、テナントの負担率、商店会の負担率が表示される。
【0046】
図3と同様に、日別負担率設定テーブル94のうち一行をカーソルにより選択した状態でエンターキーが操作されると、選択された行の内容が日別負担率設定テーブル94の下部に設けられている入力欄95にコピーして表示される。負担率変更部108は、図3で上述した受付処理と同様に、入力欄95を介して、対象日におけるデベロッパの負担率、テナントの負担率、商店会の負担率の入力を受付ける。入力後の負担率格納部170への格納処理等については、図3で上述した処理と同様である。
【0047】
例えば、提携カード利用時の割引率を優待セール期間中では高く設定する場合などに、併せて負担率を通常期間とは変えて設定し、テナントの負担率は維持し、割引率増分はデベロッパが負担するように設定してもよい。
【0048】
図6は、負担率設定処理の手順例を示したフローチャートである。入力受付部102は、業務選択画面のメニューから、割引負担率の設定のメニュー項目が選択されたか否かを判定する(ステップS1)。選択されなければ(ステップS1:No)、ステップS1で待つ。選択された場合(ステップS1:Yes)には、表示制御部101は、割引負担率を設定する設定画面70(図3参照)をディスプレイ16に表示する(ステップS2)。
【0049】
設定画面70において、提携カードの決済企業が選択されたか、即ち、カード会社ごとに複数種類ある提携カードのうち、1種類の提携カードが選択されたか判定する(ステップS3)。図3の例でいえば、表示欄71においていずれか一行が選択された上でキーボードのエンターキーが操作されたか判定する(ステップS3)。提携カードの種類が選択されない間(ステップS3:No)は、ステップS3で選択操作を待つ。提携カードの種類が選択された場合(ステップS3:Yes)には、表示制御部101は設定画面70の入力欄73に、選択された種類の提携カードに関する設定情報(図3の例でいえば、行72に表示されている各項目の内容をコピーして表示する。負担率変更部108は、入力欄73を介して、各項目に対する入力を受付ける(ステップS4)。次に、入力受付部102は、設定画面70において確定アイコン74が操作されたか否かを判定する(ステップS5)。
【0050】
確定アイコン74が操作されない間(ステップS5:No)は、操作を待つ。確定アイコン74が操作された場合(ステップS5:Yes)には、負担率変更部108は、入力欄73に入力された各負担者分の負担率を合算する(ステップS6)。負担率変更部108は、負担率の合算値が、提携カード利用時の割引率と一致するか否かを判定する(ステップS7)。負担率の合算値が割引率と一致しない場合(ステップS7:No)には、表示制御部101は図4に示したようなエラーメッセージ273をディスプレイ16に表示し(ステップS9)、ステップS4に移行する。負担率の合算値が割引率と一致すれば(ステップS7:Yes)、負担率変更部108は、入力欄73から入力された各項目の内容を受付けて、負担率格納部170に格納し、負担率格納部170の設定データを更新する(ステップS8)。
【0051】
入力受付部102は、設定画面70において終了アイコン75(図3参照)が操作されたか否かを判定する(ステップS10)。終了アイコン75が操作されなければ(ステップS10:No)、ステップS3に移行する。終了アイコン75が操作されると(ステップS10:Yes)、負担率設定処理を終了し、表示制御部101は設定画面70の表示を終了してディスプレイ16の表示を業務選択画面に戻す。
【0052】
次に、締め処理(決算処理)において、テナント管理サーバ1が負担率格納部170に設定された負担率を読み込んで、デベロッパからテナントに請求する金額を算出する請求額算出処理の手順例について説明する。尚、各テナントへの請求額算出処理については、ディスプレイ16に表示させたGUI画面を介して行われる。当該GUI画面の構成については、下記のフローチャートに含まれる入力処理が行えるものであればその詳細な構成は特に限定しない。
【0053】
図7は、締め処理の手順例を示したフローチャートである。入力受付部102は業務選択画面から締め処理を開始するメニューが選択されたか否かを判定する(ステップS21)。選択されない間(ステップS21)は、ステップS21で待つ。締め処理を開始するメニューが選択されると(ステップS21:Yes)、表示制御部101はディスプレイ16に締め処理を行うGUI画面を表示する。算出部105は、SC内の複数のテナントからテナントを1つずつ選択し、選択したテナントを順次、請求額算出の対象として設定する(ステップS22)。
【0054】
算出部105は、データ受信部103が各テナントから受信して売上ファイル171に格納した売上データから、ステップS22で選択したテナントのクレジット売上データを読み込む(ステップS23)。また、算出部105は、決済対象期間の売上データに基づいて、テナント毎、クレジットカード種類毎の売上合計金額を読み込む。
【0055】
算出部105は、提携カードの種類、即ち、提携カードの決済企業を1つずつ選択し(ステップS24)、当該提携カードについて、テナントの負担率を負担率格納部170から読み込む(ステップS25)。算出部105は、ステップS24で選択した種類の提携カードについて、ステップS23で読み込んだ決済期間中の売上合計金額と、ステップS25で読み込んだテナントの負担率とから、ステップS22で選択したテナントの割引負担額を算出する(ステップS26)。
【0056】
提携カードの種類が複数有り、他の種類の提携カード、即ち、他の決済企業による提携カードがある場合(ステップS27:Yes)には、ステップS24に移行して、ステップS24~S27の処理を全種類の提携カードについて行う。全ての種類の提携カードについて割引負担額の算出が終了すれば(ステップS27:No)、ステップS28に移行する。
【0057】
算出部105は、全ての種類の提携カードについて算出した割引負担額を合算し、ステップS22で選択したテナントが負担する合計負担額を算出する。そして、算出部105は、デベロッパが当該テナントに請求する請求金額(例えば光熱費等の経費などの合計)に、ステップS28で算出した合計負担額を加算して、決算対象期間の当該テナント(ステップS22で選択したテナント)に対する請求金額を決定する(ステップS29)。
【0058】
支払通知生成部106は、ステップS22で選択したテナントについて、支払通知書の電子文書ファイルを生成し、支払通知格納部172に格納する(ステップS30)。支払通知書には、決算対象期間の経費の一項目として、ステップS28で算出した合計負担額と、当該合計負担額が提携カード割引に対するテナントの負担額であることを示す項目名とが示される。
【0059】
未処理のテナント、即ち、支払通知書を生成していないテナントがあれば(ステップS31:Yes)、ステップS22に移行して全てのテナント分について支払通知書を生成するまで、ステップS22~S31の処理を続ける。未処理のテナントが無くなり、全てのテナントについて支払通知書を生成すると(ステップS31:No)、ステップS32に移行する。
【0060】
支払通知出力部107は、締め処理のGUI画面を介して、支払通知書を印字出力する指示を受付けたか否かを判定する(ステップS32)。指示を受付けない間(ステップS32:No)は、ステップS32で待つ。印字出力の指示を受付けると(ステップS32:Yes)、支払通知出力部107は、支払通知格納部172から各テナント分の支払通知書の電子文書ファイルを読み込んで、プリンタに出力する(ステップS33)。プリンタは当該電子文書ファイルに基づいて、各テナント分の支払通知書を印刷する。尚、支払通知出力部107は、各テナントに対する支払通知書の電子文書ファイルを、各テナントの情報処理装置に出力送信してもよい(ステップS33)。支払通知出力部107は、各テナントに対する支払通知書の出力が終了すると、当該テナントへの支払通知書の出力が完了したことを支払通知格納部172に記録して、締め処理を終了する。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0062】
例えば上述では、各テナントの情報処理装置が、クレジットカードの種類ごとの合計金額を算出した上で締め処理用の売上データをテナント管理サーバ1に送信するとしたが、実施形態はこれに限定されない。テナントの情報処理装置が、決算対象期間の売上データを決済方法ごと、クレジットカードの種類ごとにまとめて合計金額を算出する機能を有しない場合には、取引ごとの売上データに基づいてテナント管理サーバ1が提携カードによる売上を抽出し、決算対象期間の売上金額を合算してもよい。
【0063】
また、データ受信部103は、決算日等の予め定められた日に、各テナントから決算対象期間分の売上データをまとめて受信するとしたが、受信方法はこれに限定されない。テナントの情報処理装置は日毎の精算処理で随時売上データをテナント管理サーバ1に送信してもよい。この場合、テナント管理サーバ1は締め処理において決算対象期間の提携カードの売上データを選別し、締め処理(決算処理)に用いればよい。
【0064】
以上説明した通り、上記実施形態によれば、特定のカード(即ち、提携カード)の割引額をデベロッパとテナントとで分担する場合に、テナントへの請求処理を簡便化できる情報処理装置およびプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 テナント管理サーバ
10 制御部
101 表示制御部
102 入力受付部
103 データ受信部
104 カード判別部
105 算出部
106 支払通知生成部
107 支払通知出力部
108 負担率変更部
170 負担率格納部
171 売上ファイル
172 支払通知格納部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】
【文献】特開平11-250132号公報
図1
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図7