IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ドゥサン フューエル セル アメリカ、インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-発電システム 図1
  • 特許-発電システム 図2
  • 特許-発電システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】発電システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04007 20160101AFI20220107BHJP
   H01M 8/04701 20160101ALI20220107BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20220107BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20220107BHJP
【FI】
H01M8/04007
H01M8/04701
H01M8/04 N
H01M8/00 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018544462
(86)(22)【出願日】2017-02-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-03-22
(86)【国際出願番号】 US2017018616
(87)【国際公開番号】W WO2017147032
(87)【国際公開日】2017-08-31
【審査請求日】2020-01-29
(31)【優先権主張番号】15/052,089
(32)【優先日】2016-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518206871
【氏名又は名称】ドゥサン フューエル セル アメリカ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マージオット、ポール
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0262842(US,A1)
【文献】特開2009-203903(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10252156(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00-8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電システムであって、
化学反応に基づいて電力を発生させるように構成された燃料電池発電装置と、
前記燃料電池発電装置に流体を流すように構成された冷却媒体ネットワークと
を備え、前記冷却媒体ネットワーク内の流体は、前記燃料電池発電装置から熱を吸収することによって加熱された流体になり得るようになっており、前記冷却媒体ネットワークは、
電力を発生させるように構成された熱流体エンジンと、
冷却ステーションであって、該冷却ステーションに供給される流体の温度を低下させるように構成された前記冷却ステーションと、
前記冷却ステーションから、流体が加熱されるように構成された前記燃料電池発電装置の部分に向かって流体を流す、第1の部分と、
加熱された流体を前記第1の部分から前記熱流体エンジンの第1の熱流体入口に流すように構成された第2の部分と
を備え、
前記熱流体エンジンは、加熱された流体を前記第1の熱流体入口から、加熱された流体の熱を使用して電力を生成することができる前記熱流体エンジンの領域に向かわせるように構成され、
前記熱流体エンジンは第1の流体出口を有し、該第1の流体出口は、熱を発生させるために使用された流体を前記熱流体エンジンから前記冷却ステーションに向かわせるように構成され、
前記冷却ステーションは、前記第1の部分に供給される前の前記熱流体エンジンからの流体の温度を低下させるように構成されており、
前記発電システムは、前記熱流体エンジンの少なくとも一部の温度を低下させるように構成されたエンジン冷却ループを備え、前記エンジン冷却ループは、前記第1の熱流体入口及び前記第1の流体出口とは別個の第2の入口及び第2の出口を通じて、前記熱流体エンジンと流体連通している、発電システム。
【請求項2】
前記第1の部分、前記第2の部分、前記熱流体エンジンおよび前記冷却ステーションは、流体を循環させるように構成された冷却媒体ループとして接続され、前記冷却ステーションが前記第1の部分の上流にあり、前記第1の部分が前記第2の部分の上流にあり、前記第2の部分が前記熱流体エンジンの上流にあり、前記熱流体エンジンが前記冷却ステーションの上流にある、請求項1に記載された発電システム。
【請求項3】
前記冷却媒体ループは、前記燃料電池発電装置の補助冷却ループである、請求項2に記載された発電システム。
【請求項4】
前記エンジン冷却ループは、前記冷却媒体ネットワークとは別個で分離している、請求項1に記載された発電システム。
【請求項5】
前記エンジン冷却ループは、該エンジン冷却ループ内の冷却流体の温度を低下させるように構成された少なくとも1つの冷却要素を備え、
前記エンジン冷却ループは、該エンジン冷却ループ内で冷却流体を移動させるためのポンプを備える、請求項1に記載された発電システム。
【請求項6】
セルスタックアセンブリに関連する少なくとも1つのセルスタック冷却器を備え、前記第1の部分は、前記少なくとも1つのセルスタック冷却器に関連付けられた少なくとも1つの熱交換器を含み、該少なくとも1つの熱交換器は、冷却媒体ループの第2の部分の上流に位置する、請求項1に記載された発電システム。
【請求項7】
前記冷却媒体ネットワークは、該冷却媒体ネットワークを通って流体を循環させるためのポンプを備える、請求項1に記載された発電システム。
【請求項8】
前記冷却ステーションが、前記冷却媒体ネットワークおよび前記エンジン冷却ループ内の流体の温度を低下させるように構成され、
前記エンジン冷却ループは、流体を前記冷却ステーションから前記熱流体エンジンに向け、冷却要素に戻すようになっている、請求項1に記載された発電システム。
【請求項9】
前記冷却媒体ネットワークおよび前記エンジン冷却ループを通って流体を循環させるためのポンプを備える、請求項8に記載された発電システム。
【請求項10】
発電システムであって、
化学反応に基づいて電力を発生させるように構成された燃料電池発電装置と、
電力を発生させるように構成された熱流体エンジンと、
冷却流体の温度を低下させるように構成された単一の冷却ステーションと、
前記冷却ステーションの下流の少なくとも1つの熱除去熱交換器と、該少なくとも1つの熱除去熱交換器の下流にある第2の熱交換器とを備える第1の冷却ループを含む冷却媒体ネットワークであって、前記冷却ステーションは前記第2の熱交換器の下流にあり、前記少なくとも1つの熱除去熱交換器は、前記少なくとも1つの熱除去熱交換器内の流体が前記燃料電池発電装置の運転に関連する熱を吸収するように配置され、前記第2の熱交換器は、前記少なくとも1つの熱除去熱交換器からの加熱された流体を受けて、受け取った流体を前記冷却ステーションに向けて流すように構成された第1の部分を有する、前記冷却媒体ネットワークと、
を備え、
前記冷却媒体ネットワークは、第2の流体を前記第2の熱交換器に流す第2の部分を含む第2の冷却ループを含み、前記第2の熱交換器において第2部分の第2の流体は、前記第2の熱交換器の第1の部分の加熱された流体からの熱によって加熱され、
前記第2の冷却ループは、加熱された第2の流体を前記熱流体エンジンの領域に向かわせるように構成された第3の部分を含み、前記熱流体エンジンの領域において、加熱された第2の流体が、前記第2の部分に戻される前に、前記第2の流体からの熱を用いて電力を発生さるために利用でき、
前記冷却媒体ネットワークは、前記冷却ステーションからの流体を前記熱流体エンジンに向けて流す第3の冷却ループを含み、前記熱流体エンジンにおいて、流体は、前記冷却ステーションに戻る前に前記熱流体エンジンの少なくとも一部の熱を吸収することができるようになっている、発電システム。
【請求項11】
前記第1の冷却ループは、前記燃料電池発電装置の補助冷却ループである、請求項10に記載された発電システム。
【請求項12】
セルスタックアセンブリに関連する少なくとも1つのセルスタック冷却器を備え、前記少なくとも1つのセルスタック冷却器が、前記少なくとも1つの熱除去熱交換器に関連付けられており、前記少なくとも1つの熱除去熱交換器の第1の部分の流体が、前記少なくとも1つのセルスタック冷却器の冷却流体から熱を吸収し、前記少なくとも1つのセルスタック冷却器の流体は、燃料電池スタックからの熱により加熱されるようになっている、請求項10に記載された発電システム。
【請求項13】
前記冷却媒体ネットワークは、前記第1の冷却ループを通って冷却流体を循環させる第1のポンプを備え、
前記第2の冷却ループは、該第2の冷却ループを通って第2の冷却流体を循環させる第2のポンプを備える、請求項10に記載された発電システム。
【請求項14】
前記第1のポンプは、前記第3の冷却ループを通って冷却流体を循環させるようになっている、請求項13に記載された発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池発電装置に関するものである。限定ではないが、具体的には、熱流体エンジンを統合した燃料電池発電装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
電力をつくるための様々なシステムが知られている。その1つとして、燃料電池装置が知られている。複数の個々の燃料電池を含むセルスタックアセンブリが、水素および酸素などの反応物が供給されたときに、燃料電池が引き起こす電気化学反応に基づいて電力を生成する。様々な燃料電池発電装置の構成が知られており、使用されている。
【0003】
通常のセルスタックアセンブリは、所望の動作温度に制御または維持するために冷却を必要とする。適切な温度が維持されないと、燃料電池の一部の部品が劣化することがある。さらに、セルスタックアセンブリの発電効率は、適切な温度管理に依存する場合が多い。
【0004】
セルスタックアセンブリは、セルスタックアセンブリ内の温度が高くなり過ぎることを防止するための付属する冷却器を有する場合が多い。燃料電池装置は、しばしば、燃料電池装置内で熱管理機能を果たす1つ以上の熱除去熱交換器を含む補助冷却媒体ループを含む。熱除去熱交換器は、通常は冷却媒体が熱除去熱交換器に向かって循環する低品位熱交換器の上流に配置される。
【0005】
熱流体エンジンも電力を生成することができる。熱流体エンジンは、通常、流体を膨張させるために熱を利用する。流体の膨張の結果、ピストンなどの機械的要素を作動させる。熱流体エンジンは、機械的要素の運動を電力に変換する発電機として動作するように構成できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な発電システムは、化学反応に基づいて電力を発生させるように構成された複数の燃料電池セルを有するセルスタックアセンブリを備える燃料電池発電装置を含む。冷却媒体ネットワークは、セルスタックアセンブリに流体を流すように構成され、そこで冷却媒体ネットワーク内の流体は、燃料電池発電装置から熱を吸収することによって加熱された流体になり得るようになっている。冷却媒体ネットワークは、電力を発生させるように構成された熱流体エンジンと、冷却ステーションに供給される流体の温度を低下させるように構成された冷却ステーションと、冷却ステーションから、流体が加熱されるように構成された燃料電池発電装置の部分に向かって流体を流す第1の部分と、加熱された流体を第1の部分から流す第2の部分とを備え、第2の部分は、熱流体エンジンの熱流体入口を含む。熱流体エンジンは、加熱された流体を熱流体入口から、加熱された流体の熱を使用して電力を生成することができる熱流体エンジンの領域に向かわせるように構成される。熱流体エンジンは流体出口を有し、流体出口は、熱を発生させるために使用された流体を熱流体エンジンから冷却ステーションに向かわせるように構成される。冷却ステーションは、第1の部分に供給される前に、熱流体エンジンからの流体の温度を低下させるように構成されている。
【0007】
他の例示的な発電システムは、化学反応に基づいて電力を発生させるように構成された複数の燃料電池セルを有するセルスタックアセンブリを備える燃料電池発電装置を含む。単一の冷却ステーションは、冷却流体の温度を低下させるように構成される。冷却媒体ネットワークは、冷却ステーションの下流の少なくとも1つの熱除去熱交換器と、少なくとも1つの熱除去熱交換器の下流にある低品位の熱交換器とを備える第1の冷却ループを含む。冷却ステーションは低品位の熱交換器の下流にある。低品位の熱交換器は、熱除去熱交換器からの加熱された流体を受けて、受け取った流体を冷却ステーションに向けて流すように構成された第1の部分を有する。冷却媒体ネットワークは、第2の流体を低品位の熱交換器に流す第2の部分を含む第2の冷却ループを含み、低品位の熱交換器において第2部分の第2の流体は、低品位の熱交換器の第1の部分の加熱された流体からの熱によって加熱される。第2の冷却ループは、加熱された第2の流体を熱流体エンジンの領域に向かわせるように構成された部分を含み、熱流体エンジンの領域において、加熱された第2の流体が、第2の部分に戻される前に、第2の流体からの熱を用いて電力を発生さるために利用できる。冷却媒体ネットワークは、冷却ステーションからの流体を熱流体エンジンに向けて流す第3の冷却ループを含み、熱流体エンジンにおいて、流体は、冷却ステーションに戻る前に熱流体エンジンの少なくとも一部の熱を吸収することができる。
【0008】
開示された例示的実施形態の様々な構成および利点は、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。詳細な説明に添付された図面は、以下のように簡単に説明できる
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に従って設計された発電システムの概略図。
図2】本発明の他の実施形態に従って設計された発電システムの概略図。
図3】他の実施形態。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に発電システム20を概略的に示す。燃料電池発電装置22は、既知の方法で化学反応に基づいて電力を発生する複数の燃料電池を含むセルスタックアセンブリ(CSA)を含む。図示の例では、燃料電池発電装置22は、発電システム20によって供給される電力の主要な供給源として働く。
【0011】
冷却媒体ネットワーク30は、例えばCSAの燃料電池の作動温度を所望の範囲内に維持するために、燃料電池発電装置22の冷却機能を提供する。この例の冷却媒体ネットワーク30は、冷却媒体ループ32を含む。冷却媒体ループ32の第1の部分34は、水、グリコールまたはこれら2つの混合物などの冷却流体を燃料電池発電装置22に向けて流す。この例では、第1の部分32は、水回収凝縮器熱交換器36と、少なくとも1つの熱除去熱交換器38とを含む。熱交換器36および38は、燃料電池発電所内の熱管理機能を提供する。
【0012】
図示の例では、CSAは、既知の方法でCSA内の温度を所望の範囲内に保つために利用される関連する冷却器を有する。熱交換器36および38は、冷却媒体ループ32の第1の部分34を通って流れる流体が、40および41で概略的に示される熱源からの熱を吸収できるように配置される。図示の例では、熱源40は、燃料電池発電装置22のCSAの作動による排出熱を含み、熱源42は、CSAの温度を制御するために使用される1つまたは2つ以上の冷却器を含む。
【0013】
冷却媒体ループ32の第2の部分42は、熱除去熱交換器38から加熱された流体を流す。冷却媒体ネットワーク30は、熱流体エンジン44を含む。冷却媒体ループ32の第2の部分42は、熱流体エンジン44の加熱流体入口に加熱された流体を流す。加熱流体は、加熱された流体からの熱を電力の発生に使用できる熱流体エンジン44の部分に供給する。熱流体エンジン44は、熱を利用して電力を生成する公知の技術に基づいて作動するように設計されている。この例では、冷却媒体ネットワーク30の一部である熱流体エンジン44は、発電システム20が供給する電力の第2の供給源として作動する。この例における熱流体エンジン44の電力出力は、熱流体エンジン44の出力が燃料電池発電装置22から出力される電力よりも小さいため、第2の供給源と考えられる。
【0014】
この例の熱流体エンジン44は、冷却媒体ループ32の低品位の熱交換器としても作動する。熱流体エンジンに供給される加熱された流体は、発電のために熱が利用されるため、少なくとも部分的に冷却される。温度の低下した流体は、冷却媒体ループ32の第3の部分46によって熱流体エンジン44から流し出される。
【0015】
冷却媒体ループ32は、冷却部材または冷却ステーション50を含む。冷却部材または冷却ステーション50は、それに供給される流体の温度をさらに低下させ、その流体は、第1の部分34および燃料電池発電装置22に戻される。ポンプ52が、冷却媒体ループ32に流体を循環させる。
【0016】
一例として、冷却ステーション50からの流体は84°F(29℃)のオーダーの温度を有し、第2の部分42の加熱された流体の温度は180°F~194°F(82℃~90℃)のオーダーの温度を有し、第3の部分46の低温流体の温度は、115°F~140°F(46℃~60℃)のオーダーである。いくつかの実施形態では、熱流体エンジン44は、第2の部分42における加熱された流体の理想的な温度が180°F(82℃)である。ポンプ52、冷却ステーション50または燃料電池発電装置22の作動により、第2の部分42内の流体温度が、熱流体エンジン44の180°F(82℃)の設定温度にできるだけ近くなるように制御することができる。冷却ループ32内の流速は、燃料電池装置22内の所望の量の温度管理、熱流体エンジン44への所望の量の加熱流体、またはその両方を提供するように制御することができる。冷却媒体ネットワーク30内の流体および温度をさらに管理するために、追加のバイパスラインを冷却媒体ループ32に沿った異なる位置に有することができる。
【0017】
図示の例は、熱流体エンジン44の少なくとも一部の温度を制御するために、熱流体エンジン44に冷却流体を運ぶエンジン冷却ループ54を含む。この例では、エンジン冷却ループ54は、冷却ステーション50とは別個で分離した冷却ステーション56を含む。ポンプ58が、流体を冷却ステーション56からエンジン冷却ループ54の第1の部分60に導く。第1の部分60の流体は、熱流体エンジン44へ流され、そこで熱流体エンジン44からの熱を吸収することができる。その後、加熱された流体は、第2の部分62の冷却ステーション56に戻され、そこで流体が冷却され、次いで必要に応じて熱流体エンジン44に戻される。
【0018】
冷却ステーション50および56は、同じ構成にされてもよく、あるいは異なっていてもよい。例えば、冷却ステーション50,56の一方または両方は、湿式冷却塔または乾式冷却塔であってもよい。この説明の恩恵を受ける当業者は、それらの特定の必要性を満たすために適切な冷却要素または冷却ステーション要素を選択することができるであろう。
【0019】
図2に、発電システム20の別の例示的な実施形態を示す。この例では、冷却媒体ネットワーク30'は、冷却媒体ループ32およびエンジン冷却ループ54内の流体の温度を低下させることを容易にする単一の冷却ステーション56を有する。冷却媒体ループ32の第3の部分46は、図1の例の場合の冷却ステーション50の代わりに、冷却ステーション56に流体を導く。この特定の例では、第3の部分46は、エンジン冷却ループ54の第2の部分62に流体を流し、そこから流体が冷却ステーション56に流入する。図2の例では、冷却ステーションの必要な数を減少させ、外部冷却機能を単一のステーション56に統合している。
【0020】
制御弁(図示せず)および適切な制御アルゴリズムは、冷却媒体ネットワーク内の流体のうちのどれだけをそれぞれ冷却媒体ループ32およびエンジン冷却ループ54に向けるかを管理するために使用できる。図1の例では、エンジン冷却ループ54内の流体は、冷却媒体ループ32内の流体とは別れていて別個であった。図2の例では、エンジン冷却ループ54内の流体と冷却媒体ループ32内の流体は、少なくとも部分的に混合される。
【0021】
図3には、別の例示的な実施形態を示す。この例では、冷却媒体ネットワーク70は、冷却流体を燃料電池発電装置22に向ける第1の部分74を有する第1の冷却媒体ループ72を含む。熱除去熱交換器76および78は、それぞれ熱源40および41に関連付けられており、第1の部分74内の流体は、例えば、CSAの動作から生じる熱を吸収することができる。加熱流体は、冷却媒体ループ72の第2の部分82によって熱除去熱交換器78から流す。第2の部分82は、燃料電池発電装置22の低品位熱交換器84を通過する。第2の冷却ループ90は、低品位熱交換器84を少なくとも部分的に通過する第1の部分92を含み、第1の部分92内の流体が、第1の冷却ループ72の第2の部分82内の加熱された流体から熱を吸収することにより加熱される。第1の部分92内の加熱された流体は、第2の冷却ループ90の第2の部分94によって、低品位熱交換器84から流される。第2の部分94は、加熱された流体を熱流体エンジン44に流し、加熱された流体からの熱が発電に利用できるようになる。第2の冷却ループ90は、第2のループ90内に冷却流体を循環させるためのポンプ96を含む。
【0022】
第1冷却ループ72内の流体は、低品位熱交換器84から少なくとも1つの導管98を通ってエンジン冷却ループ100に流される。この流体は、冷却ステーション86によって冷却され、ここで流体の温度は所望のレベルまで低減される。ポンプ88は、第1の冷却ループ72内の流体の流れを制御する。また、ポンプ88は、エンジン冷却ループ100内の流体の流れを制御して、熱流体エンジン44に向けられる第1の部分102に沿って冷却流体を供給する。熱流体エンジン44の少なくとも一部を冷却する目的で熱を吸収した流体は第2の部分104で冷却ステーション86に向かって戻される。
【0023】
図3の例では、熱流体エンジン44は、第1の冷却ループ72内の流体温度を低下させるために、低品位熱交換器84と協働して動作する。熱流体エンジン44は、発電システム20によって供給される補助的電力源として働く。
【0024】
図1および図2に示す実施形態は、図3の実施形態の低品位熱交換器84のような発電装置22の一部としての別個の低品位熱交換器を必要としない。図1および図2の実施形態では、熱流体エンジン44は、冷却媒体ネットワークの低品位熱交換器として動作する。このような実施形態は、発電装置22のための補助冷却ループ内の別個の低品位熱交換器に必要な構成要素を排除することによりコストを節約する。同時に、追加または補助電力が熱流体エンジン44から利用可能であるので、装置の経済性が向上する。
【0025】
例示された実施形態は、燃料電池発電装置22用の冷却液ネットワークと熱流体エンジン44とを一体化している。図示された実施形態に示されている構成部品の統合は、電力を発生させる能力を高めるとともに、燃料電池発電装置内の温度制御の必要性にも対応している。
【0026】
様々な構成および要素を、個々の実施形態に関連して示し説明したが、それらの構成および要素のいずれも、他の実施形態の構成および要素と組み合わされてもよい。開示された例示的な実施形態に基づく他の組み合わせまたは実施形態も可能である。
【0027】
上記の説明は、本質的に限定ではなく例示的なものである。開示された実施例の変形および変更は、それらの実施例で具体化された本発明の本質から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本発明に提供される法的保護の範囲は、以下の請求項を検討することによってのみ決定することができる。
図1
図2
図3