(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】積層装置
(51)【国際特許分類】
B65B 23/20 20060101AFI20220128BHJP
C03C 17/00 20060101ALI20220128BHJP
B05C 13/02 20060101ALN20220128BHJP
B05C 11/00 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
B65B23/20
C03C17/00
B05C13/02
B05C11/00
(21)【出願番号】P 2018563553
(86)(22)【出願日】2017-06-07
(86)【国際出願番号】 KR2017005896
(87)【国際公開番号】W WO2017213408
(87)【国際公開日】2017-12-14
【審査請求日】2020-06-05
(31)【優先権主張番号】10-2016-0071165
(32)【優先日】2016-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】チェ,サンボム
(72)【発明者】
【氏名】イ,サンフン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,テヨン
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0139634(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0308943(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0240972(US,A1)
【文献】米国特許第04488846(US,A)
【文献】米国特許第07345698(US,B2)
【文献】特開2015-155307(JP,A)
【文献】特開2006-256748(JP,A)
【文献】特開2009-220956(JP,A)
【文献】特開2008-110492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 23/20
C03C 17/00
B05C 13/02
B05C 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある搬送速度を有する第1のコンベアユニット;
前記第1のコンベアユニットの下流に配置された積層ユニットであって、前記積層ユニットは、前記搬送速度で、ガラスシートの表面にフィルムを1回のストロークで積層する、積層ユニット
;
前記積層ユニットの上流に配置された少なくとも1つの第1の撮像ユニットであって、前記少なくとも1つの第1の撮像ユニットは、前記積層ユニットに入る前記ガラスシートの位置を補正する、第1の撮像ユニット
;
前記積層ユニットの下流に配置された少なくとも1つの第2の撮像ユニット;および
前記ガラスシートから延在する前記フィルムを切断する切断ユニット
を備
える積層装置であって、
前記少なくとも1つの第2の撮像ユニットは、前記積層ユニットを出る前記ガラスシートの位置を検出するよう構成されており、
前記積層装置は、前記ガラスシートの前記位置に基づいて、前記フィルムの切断される部分の位置を決定するよう構成されている、積層装置。
【請求項2】
前記第1のコンベアユニットは、前記ガラスシートの側縁部を把持する第1の把持装置と、前記第1の把持装置を直線方向にガイドする第1の直線状モジュールとを備える、請求項1に記載の積層装置。
【請求項3】
前記第1のコンベアユニットは更に、第1の浮揚テーブルの下流に配置された第2の浮揚テーブルを備え、
前記第2の浮揚テーブルは、前記ガラスシートの後縁部を把持する少なくとも1つの第2の把持装置と、前記少なくとも1つの第2の把持装置を直線方向にガイドする少なくとも1つの第2の直線状モジュールとを含む、請求項2に記載の積層装置。
【請求項4】
前記第1の浮揚テーブル及び前記第2の浮揚テーブルはそれぞれ、前記第1の浮揚テーブル及び前記第2の浮揚テーブルそれぞれの上に存在する空気を排出することによって、前記空気の圧力を制御するための、複数の通気口を有する、請求項3に記載の積層装置。
【請求項5】
前記第2の浮揚テーブルは、前記ガラスシートの前記側縁部を支持するための複数のブラシローラーを含む、請求項3に記載の積層装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の撮像ユニットは、前記ガラスシートの前縁部と、前記ガラスシートの直前の先行するガラスシートの後縁部との間の第1の距離を検出して整列させる、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層装置。
【請求項7】
前記積層ユニットの下流に配置された第2のコンベアユニットを更に備え、
前記第2のコンベアユニットは、前記積層ユニットから出る前記ガラスシートを搬送する、請求項1~6のいずれか1項に記載の積層装置。
【請求項8】
前記第2のコンベアユニットは、複数のベルトコンベアを備える、請求項7に記載の積層装置。
【請求項9】
前記第1のコンベアユニットの上流に配置された第1の積載ユニットを更に備え、
前記第1の積載ユニットは、前記ガラスシートを前記第1のコンベアユニット上に積層する、請求項1~
8のいずれか1項に記載の積層装置。
【請求項10】
前記積層ユニットの下流に配置された第2のコンベアユニットであって、前記第2のコンベアユニットは、前記積層ユニットを出る前記ガラスシートを搬送する、第2のコンベアユニット;及び
前記第2のコンベアユニットの下流に配置された梱包ユニットを更に備える、請求項1に記載の積層装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2016年6月8日出願の韓国特許出願第10‐2016‐0071165号の優先権の利益を主張するものであり、上記特許出願の内容は信頼できるものであり、参照によりその全体が本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は一般に、積層装置に関する。本開示はまた、ガラスシートの表面にフィルムを、優れた品質で比較的高速に積層するよう構成された、積層装置に関する。
【背景技術】
【0003】
フィルム積層装置は一般に、ガラスシートを外部の不純物から保護することによってガラスシートの表面品質を維持するために、ガラスシートを加工ラインに沿って搬送しながら、上記ガラスシートの表面にフィルムを積層するための装置である。従来のフィルム積層装置は、積層ローラーを備えた重い輸送台が、ガラスシートに沿って垂直方向に移動する間に、ガラスシートの表面にフィルムを4回のストロークで積層し、上記ガラスシートの上部は、キャリア把持装置によって把持される。しかしながら、このようなフィルム積層装置は複数の問題をもたらし得る。上記問題としては:(1)設備のセットアップの変更、ガラスシートの形状、妨害物等によって影響を受けるため、フィルム取り付け位置が変動し得ること;(2)歪みによってガラスシートが破壊され得ること;(3)フィルムを剥がせない、又はフィルムが過剰に剥がれる、しわになる、若しくは傷つく場合があることが挙げられる。更にガラスシートが薄く大きくなるほど、歪みの程度及び平坦性のばらつきが大きくなる。このような大きな歪みは、上述の問題を悪化させ得る。
【0004】
これらの問題を克服するためには、積層速度を低減するべきである。しかしながら、積層の速度を低減すると、薄いシートを高い生産速度で製造する能力を得ることができない。よって、高い生産速度を維持しながら、比較的速くかつ一貫した積層速度を提供することが、当該技術分野において必要とされている。
【0005】
この「背景技術」の節で開示されている情報は、背景技術のよりよい理解のためだけに提供されたものであり、この情報が当業者に既に知られている従来技術を形成するものであることの承認又はいずれの形態の示唆として解釈してはならない。
【発明の概要】
【0006】
ある態様では、積層装置は:ある搬送速度を有する第1のコンベアユニット;上記第1のコンベアユニットの下流に配置された積層ユニットであって、上記積層ユニットは、上記搬送速度で、ガラスシートの表面にフィルムを1回のストロークで積層する、積層ユニット;及び上記積層ユニットの上流に配置された少なくとも1つの第1の撮像ユニットであって、上記少なくとも1つの第1の撮像ユニットは、上記積層ユニットに入る上記ガラスシートの位置を補正する、第1の撮像ユニットを含んでよい。
【0007】
本開示の方法及び装置は、本明細書に組み込まれた添付の図面及び以下の「発明を実施するための形態」から明らかとなるか、又はこれらに詳細に記載される、他の特徴及び利点を有し、上記図面及び「発明を実施するための形態」は合わせて、本開示の特定の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】いくつかの実施形態による例示的な積層装置の図
【
図2】いくつかの実施形態による例示的な積層装置の図
【
図3】いくつかの実施形態による例示的な積層装置の第1の浮揚テーブルの平面図
【
図5】いくつかの実施形態による例示的な積層装置の部分平面図
【
図6】いくつかの実施形態による例示的な積層装置の部分側面図
【
図7】いくつかの実施形態による例示的な積層装置のベルトコンベアの平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
これより、本開示の例示的実施形態による積層装置を詳細に参照する。これらの例示的実施形態の例は、本開示が関係する当業者が本開示を容易に実施できるように、添付の図面に示され、以下に説明される。
【0010】
この文書全体を通して、図面を参照するものとし、上記図面では、同一の又は同様の構成要素を指すために、異なる図面全体を通して同一の参照番号及び記号を使用する。以下の説明において、本明細書に組み込まれる公知の機能及び構成要素の詳細な説明は、これを含めることにより本開示の主題が不明瞭になる場合は、省略する。
【0011】
図1及び
図2を参照すると、本開示のある例示的実施形態による積層装置100は、ガラスシート10を外部の不純物から保護することによって、ガラスシート10の表面品質を維持するために、水平に搬送されたガラスシート10にフィルムを積層する装置を含む。積層装置100は、第1のコンベアユニット110、積層ユニット120、撮像ユニット130、及び第2のコンベアユニット140を含むことができる。
【0012】
第1のコンベアユニット110は、積層ユニット120の上流に配置できる。第1のコンベアユニット110は、ガラスシート10を水平に、積層ユニット120に向かって搬送する。ここでガラスシート10は、第1の積載ユニット150によって積載してよい。1つ以上の第1の積載ユニット150を、第1のコンベアユニット110の上流に配置してよい。この実施形態では、ガラスシート10を、垂直に直立した位置で搬送した後、第1のコンベアユニット110の上流のある位置において積層のために待機してよく、第1の積載ユニット150は、水平位置のガラスシート10を、円運動によって第1のコンベアユニット110に積載する。
【0013】
水平に搬送されるガラスシート10が損傷を受けるのを防止するために、第1のコンベアユニット110は、接触することなくガラスシート10を支持する、第1の浮揚テーブル111及び第2の浮揚テーブル112を含むことができる。
図3及び
図4に示すように、第1の浮揚テーブル111は、最小限しか接触することなくガラスシート10を水平に搬送するための、第1の把持装置111a及び第1の直線状モジュール111bを含む。第1の積載ユニット150によってガラスシート10が第1の浮揚テーブルに積載されると、第1の把持装置111aは、ガラスシート10の両側縁部を把持する。いくつかの実施形態では、第1の把持装置111aを、互いに対向する2つの把持装置を含む把持装置セットとして提供してよい。しかしながらこれは単なる例示であり、第1の把持装置111aの個数はこれに限定されない。第1の直線状モジュール111bは、その上に設置された第1の把持装置111aの移動をガイドし、これにより第1の把持装置111aは、それぞれの直線状経路に沿って移動する。いくつかの実施形態では、第1の直線状モジュール111bは、第1の浮揚テーブル111の両側に配置される。従って、第1の把持装置111aがガラスシート10の両側縁部を把持すると、ガラスシート10を、第1の直線状モジュール111bによって確立された経路に沿って、第2の浮揚テーブル112に向かって水平に搬送できる。
【0014】
第2の浮揚テーブル112は、第1の浮揚テーブル111の下流に配置できる。いくつかの実施形態では、第2の浮揚テーブル112は、第1の浮揚テーブル111と積層ユニット120との間に配置される。
図5及び
図6に示すように、第2の浮揚テーブル112は、第2の把持装置112a及び第2の直線状モジュール112bを含むことができる。第2の浮揚テーブル112によって搬送されたガラスシート10は、例示的な積層ユニット120に導入できる。第2の浮揚テーブル112の第2の把持装置112aは、ガラスシート10の後縁部を把持することによって、ガラスシート10を積層ユニット120に入れられるようにする。
図5に示すように、第2の把持装置112aは複数の把持装置として提供されているが、これは単なる例示であり、第2の把持装置112aの個数はこれに限定されない。同様に、第2の直線状モジュール112bは、第2の浮揚テーブル112の長手方向中心線に沿って延在し、これにより、この第2の直線状モジュール112bの上に設置された第2の把持装置112の移動を、第2の把持装置112aが直線状経路に沿って移動するように案内する。従って、ガラスシート10の後縁部の中央部分を保持している第2の把持装置112aが第2の直線状モジュール112bに沿って移動すると、ガラスシート10は、水平位置を維持したまま、積層ユニット120に向かって下流へと移動する。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の浮揚テーブル111及び第2の浮揚テーブル112上を搬送されたガラスシート10は、接触せずにガラスシート10を支持する第1の浮揚テーブル111及び第2の浮揚テーブル112から吹き出す空気によって、歪む(例えば上向きに凸状となる)場合がある。従って、第1の浮揚テーブル111及び第2の浮揚テーブル112はそれぞれ複数の通気孔(図示せず)を含むことができ、これを通して、ガラスシート10にわたって存在する空気を排出することにより、ガラスシート10の歪みを防止できる。これらの通気孔は、上記通気孔を通した空気圧の制御も可能とする。いくつかの実施形態では、上記複数の通気孔を、第1の浮揚テーブル111及び第2の浮揚テーブル112に概ね沿って整列させる又は離間させることにより、均一な量の空気の排出を可能とすることができる。
【0016】
第2の浮揚テーブル112はまた、その両側縁部の一部分112cに配置された、複数のブラシローラーを含むことができる。第2の浮揚テーブル112の第2の把持装置112aは、ガラスシート10の後縁部の中央部分を把持するため、ガラスシート10の側縁部は、水平に搬送される間に下方へと垂れる場合がある。従って、複数のブラシローラーがガラスシート10の側縁部に回転しながら接触することにより、ガラスシート10の搬送を支持し、これによってガラスシート10の側縁部が垂れるのを防止する。
【0017】
積層ユニット120は一般に、第1のコンベアユニット110から導入されたガラスシート10の表面にフィルムを積層するためのデバイスである。これに関して、積層ユニット120は、第1のコンベアユニット110の下流、及びいくつかの実施形態では第2の浮揚テーブル112の下流に配置される。いくつかの実施形態では、積層ユニット120を複数のローラーのセットとして提供してよく、上記ローラーのセットは、上記ローラーのセットを通過したガラスシート10の1回のストローク又はパスで、水平に搬送されたガラスシート10の表面にフィルムを積層する。従来、フィルム積層は、積層ローラーを移動させることにより、4回のストロークでガラスシート10に対して実施されていた。対照的に、例示的実施形態は、固定位置にある積層ユニット120をガラスシート10が通過する間に、ガラスシート10の表面に対するフィルム積層を実施する。フィルム積層をこのように実施すると、積層速度を増大させることができ、複数のガラスシートに対して連続積層を実施できる。また、ガラスシートの歪み、積層中のガラスシートの振動、外乱等による、積層の品質の低下又はガラスシート10の破断を最小化することもできる。例えば従来、ある特定のサイズを有するガラスシートの積層のサイクル時間は、21.0秒であった。対照的に、例示的実施形態を用いて、同一サイズのガラスシートを水平に搬送しながら1回のストロークで積層を実施すると、積層のサイクル時間は10.5秒まで削減された。従って例示的実施形態によると、積層速度を従来の垂直積層法に対して約50%増大させることができ、これにより生産性を向上させることができる。更に、大型かつ超薄型のガラスシート上への積層が可能となる。水平に搬送される複数のガラスシート10の表面にフィルムを連続的に高品質で積層するために、積層ユニット120に順次入るガラスシート10の位置及び積層ユニット120から順次出るガラスシート10の位置を、撮像ユニット130を用いて検出できる。
【0018】
例えば撮像ユニット130は、積層ユニット120の上流及び下流に配置できる。撮像ユニット130を用いて、積層ユニット120に入る複数のガラスシートの位置及び積層ユニット120を出る複数のガラスシートの位置を検出できる。
【0019】
図1に示すように、例示的実施形態は、複数のガラスシートを加工できる。例えば、第1のガラスシート10は、積層ユニット120に入る前に第1のコンベアユニット110によって搬送されているものとして図示されており、第2のガラスシート20は、積層ユニット120によって積層されているものとして図示されており、第3のガラスシート30は、第2のコンベアユニット140によって積層ユニット120から搬送されているものとして図示されている。ガラスシート10、20、30の位置を検出するために、例示的な撮像ユニット130は、第1の撮像ユニット131及び第2の撮像ユニット132を含むことができ、ここで第1の撮像ユニット131は、積層ユニット120の上流の、第1のガラスシート10の前縁部と第2のガラスシート20の後縁部との間の第1の距離を検出するための位置に配置される。第1の撮像ユニット131はまた、ガラスシートの両側縁部の上に、これらの縁部を検出するために配置してもよい。しかしながらこれは単なる例示であり、第1の撮像ユニット131の個数は具体的に限定されない。第1の撮像ユニット131は、上記第1の距離を、その画像を撮影することによって検出し、検出した距離に基づいて、第1のガラスシート10及び第2のガラスシート20を整列させる。例えば第1の撮像ユニット131は、ガラスシート10の前縁部と積層ガラス20の後縁部との間の上記第1の距離が、1mm~10mm、2mm~9mm、3mm~8mm、4mm~7mm、又は約6mmとなるように、第1のガラスシート10及び第2のガラスシート20を整列させてよい。
【0020】
例示的な第2の撮像ユニット132は、積層ユニット120の下流の、第2のガラスシート20の前縁部(及び/又は第3のガラスシート30の後縁部)を検出するための位置に配置される。第2の撮像ユニット132はまた、ガラスシートの両側縁部の上に、これらの縁部を検出するために配置してもよい。しかしながらこれは単なる例示であり、第2の撮像ユニット132の個数は具体的に限定されない。第2の撮像ユニット132は、第2のガラスシート20の前縁部の位置(及び/又は第3のガラスシート30の後縁部の位置)を、その画像を撮影することによって検出する。図示されているように、第3のガラスシート30及び第2のガラスシート20はフィルムによって接続され、積層ユニット120の外側の第3のガラスシート30及び第2のガラスシート20の1つ以上の主表面には、フィルムが積層されている。第3のガラスシート30の後縁部と第2のガラスシート20の前縁部との間のフィルムの一部分を、切断ユニット180で切断することによって、積層済みガラスシートが製造される。いくつかの実施形態では、積層済みガラスシートの後縁部が第2の撮像ユニット132の下側に到達すると、積層済みガラスシート30の搬送は停止され、切断ユニット180はフィルムを切断する。他の実施形態では、切断ユニット180は、上記シートの速度と共に移動することにより、上記シートの移動中にフィルムを切断する。いくつかの実施形態では、フィルムが切断される位置は、第2の撮像ユニット132が検出した第2のガラスシート20の位置(及び/又は第3のガラスシート30の位置)に基づいて設定できる。ある例示的実施形態では、切断ユニット180は、第2の撮像ユニット132が検出した第2のガラスシート20の前縁部の位置の下流の所定の距離において、フィルムの一部分を切断できる。ある代替実施形態では、切断ユニット180は、第2の撮像ユニット132が検出した第3のガラスシート30の後縁部の上流の所定の距離において、フィルムの一部分を切断できる。上述のように撮像ユニット130を用いて、第1のガラスシート10、第2のガラスシート20、及び第3のガラスシート30の位置を検出すると、例示的なフィルム積層プロセスの信頼性及び精度を提供でき、従って高品質の積層済みガラスシートを製造できる。
【0021】
いくつかの実施形態では、第2のコンベアユニット140は、積層ユニット120の下流に配置できる。更なる実施形態では、第2のコンベアユニット140は、複数のベルトコンベア141、142及び143を含むことができる。いくつかの実施形態では、ベルトコンベア141は、第3の把持装置141a及び第3の直線状モジュール141bを含んでよい。第3の把持装置141aは、ガラスシート30の両側縁部を把持してよい。いくつかの実施形態では、第3の把持装置141aは、互いに対向する2つの把持装置を含む把持装置セットとして提供してよい。しかしながらこれは単なる例示であり、第3の把持装置141aの個数はこれに限定されない。第3の直線状モジュール141bは、その上に設置された第3の把持装置141aの移動を、第3の把持装置141aがそれぞれの直線状経路に沿って移動するようにガイドする。いくつかの実施形態では、第3の直線状モジュール141bをベルトコンベア141の両側に配置してよい。
【0022】
積層装置100は、第2のコンベアユニット140の下流に配置された梱包ユニット160も含んでよい。いくつかの実施形態では、第2のコンベアユニット140が搬送する個々の積層済みガラスシート30を梱包ユニット160に積載して、コンテナ内へと梱包できる。いくつかの実施形態では、梱包ユニット160はターンテーブルを含むことができ、また複数の梱包ユニット160を設けてもよい。いくつかの実施形態による積層装置100は、第2のコンベアユニット140が搬送する個々の積層済みガラスシート30を梱包ユニット160に積載する役割を果たす、第2の積載ユニット170を更に含んでよい。いくつかの実施形態では、第2の積載ユニット170の個数は、梱包ユニット160の個数に対応してよい。
【0023】
積層装置の動作
ガラスシート10は、第1の積載ユニット150の円運動によって第1の浮揚テーブル111上に積載でき、これにより、第1の把持装置111aはガラスシート10の両側縁部を把持し、続いて第1の直線状モジュール111bに沿って第2の浮揚テーブル112に向かって移動する。ガラスシート10が第2の浮揚テーブル112上に到達すると、第2の把持装置112aはガラスシート10の後縁部を把持し、続いて第2の直線状モジュール112bに沿って積層ユニット120に向かって移動する。同時に、後続のガラスシートが、第1の積載ユニットによって第1の浮揚テーブル111上に積載される。これらと同じプロセスによって、複数のガラスシートを連続的に搬送できる。
【0024】
ガラスシートが積層ユニット120に入ると、第1の撮像ユニット131は、第1のガラスシートの後縁部と第2のガラスシートの前縁部との間の距離が1mm~10mm、2mm~9mm、3mm~8mm、4mm~7mm、又は約6mmとなるように、ガラスシートを整列させる。第1のガラスシートは積層ユニット120に入り、これにより、第1のガラスシートの表面にフィルムが積層される。積層動作の後、上記第1のガラスシートは積層ユニット120を出て、第2のガラスシートが積層動作中となり、これは第1のガラスシートの上流に位置決めされている。いくつかの実施形態では、切断ユニット180が、第3のガラスシート30の後縁部と第2のガラスシート20の前縁部との間のフィルムの部分を、第3のガラスシート30の後縁部の位置と第2のガラスシート20の前縁部の位置との間の距離(及び/又は第3のガラスシート30の後縁部の位置)に基づいて切断できるようにするために、ガラスシート10、20及び30の搬送を停止できる。他の実施形態では、切断ユニット180は、シートの速度と共に移動し、これにより、シートの移動中にフィルムを切断する。その後、第2のガラスシート20から分離された積層済みガラスシート30を、第2のコンベアユニット140によって搬送し、第2の積層ユニット170によって梱包ユニット160に積載して、梱包ユニット160によってコンテナ(図示せず)内へと梱包できる。
【0025】
このように、例示的な積層装置100は、第1のコンベアユニット110を用いて、固定位置にある積層ユニット120によってガラスシート10を水平に搬送する間に、ガラスシート10にフィルムを1回のストロークで積層できる。更に積層装置100は、例示的な撮像ユニット130を用いて、積層動作の前及び後にガラスシートの位置を検出できる。いくつかの実施形態では、積層装置100は、通気孔及び/又はブラシローラーを用いてガラスシート10に均一な圧力を印加することにより、ガラスシートの搬送中のガラスシートの垂れ又は歪みを防止又は最小化できる。本明細書に記載の実施形態を用いれば、積層プロセスの速度、信頼性及び精度を改善でき、これにより、高品質の積層済みガラスシートを短期間で大量に製造できる。
【0026】
本開示の具体的な例示的実施形態に関する以上の説明は、図面を参照して提示されている。以上の説明は、網羅的なものであること、又は本開示をここで開示された形態に正確に限定することを意図したものではなく、当業者には、以上の教示に照らして多数の修正及び変更が明らかに可能である。
【0027】
従って、本開示の範囲は以上の実施形態に限定されず、本明細書に添付される請求項及びその均等物により定義されることを意図している。
【0028】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0029】
実施形態1
ある搬送速度を有する第1のコンベアユニット;
上記第1のコンベアユニットの下流に配置された積層ユニットであって、上記積層ユニットは、上記搬送速度で、ガラスシートの表面にフィルムを1回のストロークで積層する、積層ユニット;及び
上記積層ユニットの上流に配置された少なくとも1つの第1の撮像ユニットであって、上記少なくとも1つの第1の撮像ユニットは、上記積層ユニットに入る上記ガラスシートの位置を補正する、第1の撮像ユニット
を備える、積層装置。
【0030】
実施形態2
上記第1のコンベアユニットは、上記ガラスシートの側縁部を把持する第1の把持装置と、上記第1の把持装置を直線方向にガイドする第1の直線状モジュールとを備える、実施形態1に記載の積層装置。
【0031】
実施形態3
上記第1のコンベアユニットは更に、第1の浮揚テーブルの下流に配置された第2の浮揚テーブルを備え、
上記第2の浮揚テーブルは、上記ガラスシートの後縁部を把持する少なくとも1つの第2の把持装置と、上記少なくとも1つの第2の把持装置を直線方向にガイドする少なくとも1つの第2の直線状モジュールとを含む、実施形態2に記載の積層装置。
【0032】
実施形態4
上記第1の浮揚テーブル及び上記第2の浮揚テーブルはそれぞれ、上記第1の浮揚テーブル及び上記第2の浮揚テーブルそれぞれの上に存在する空気を排出することによって、上記空気の圧力を制御するための、複数の通気口を有する、実施形態3に記載の積層装置。
【0033】
実施形態5
上記第2の浮揚テーブルは、上記ガラスシートの上記側縁部を支持するための複数のブラシローラーを含む、実施形態3に記載の積層装置。
【0034】
実施形態6
上記少なくとも1つの第1の撮像ユニットは、上記ガラスシートの前縁部と、上記ガラスシートの直前の先行するガラスシートの後縁部との間の第1の距離を検出して整列させる、実施形態1に記載の積層装置。
【0035】
実施形態7
上記積層ユニットの下流に配置された第2のコンベアユニットを更に備え、
上記第2のコンベアユニットは、上記積層ユニットから出る上記ガラスシートを搬送する、実施形態1に記載の積層装置。
【0036】
実施形態8
上記第2のコンベアユニットは、複数のベルトコンベアを備える、実施形態7に記載の積層装置。
【0037】
実施形態9
上記積層ユニットの下流に配置された少なくとも1つの第2の撮像ユニットを更に備え、
上記少なくとも1つの第2の撮像ユニットは、上記積層ユニットを出る上記ガラスシートの位置を検出する、実施形態1に記載の積層装置。
【0038】
実施形態10
上記ガラスシートから延在する上記フィルムを切断する切断ユニットを更に備え、
上記積層装置は、上記ガラスシートの上記位置に基づいて、上記フィルムの切断される部分の位置を決定する、実施形態9に記載の積層装置。
【0039】
実施形態11
上記第1のコンベアユニットの上流に配置された第1の積載ユニットを更に備え、
上記第1の積載ユニットは、上記ガラスシートを上記第1のコンベアユニット上に積層する、実施形態1に記載の積層装置。
【0040】
実施形態12
上記積層ユニットの下流に配置された第2のコンベアユニットであって、上記第2のコンベアユニットは、上記積層ユニットを出る上記ガラスシートを搬送する、第2のコンベアユニット;及び
上記第2のコンベアユニットの下流に配置された梱包ユニットを更に備える、実施形態1に記載の積層装置。
【符号の説明】
【0041】
10 ガラスシート、第1のガラスシート
20 第2のガラスシート、積層ガラス
30 第3のガラスシート、積層済みガラスシート
100 積層装置
110 第1のコンベアユニット
111 第1の浮揚テーブル
111a 第1の把持装置
111b 第1の直線状モジュール
112 第2の浮揚テーブル
112a 第2の把持装置
112b 第2の直線状モジュール
112c 第2の浮揚テーブル112の側縁部の一部分
120 積層ユニット
130 撮像ユニット
131 第1の撮像ユニット
132 第2の撮像ユニット
140 第2のコンベアユニット
141 ベルトコンベア
141a 第3の把持装置
141b 第3の直線状モジュール
142 ベルトコンベア
143 ベルトコンベア
150 第1の積載ユニット
160 梱包ユニット
170 第2の積載ユニット
180 切断ユニット