(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】マイクロホン、マイクロホンカバー及びマイクロホンキット
(51)【国際特許分類】
H04R 19/04 20060101AFI20220111BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20220111BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
H04R19/04
H04R3/00 320
H04R1/00 328D
(21)【出願番号】P 2019507275
(86)(22)【出願日】2017-08-09
(86)【国際出願番号】 US2017046146
(87)【国際公開番号】W WO2018052584
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2020-05-28
(32)【優先日】2016-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504189151
【氏名又は名称】シュアー アクイジッション ホールディングス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SHURE ACQUISITION HOLDINGS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】セゴタ、 ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】アルウィッカー、 マイケル
(72)【発明者】
【氏名】プラット、 ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ミラー、 ジョン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、 エリザベス
【審査官】大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-040584(JP,A)
【文献】特開2011-223133(JP,A)
【文献】"Meteor Mic - USB Studio Micrphone",米国,Samson Technologies Inc.,2011年09月02日,p1-4,https://web.archive.org/web/20110902141522/http://www.samsontech.com/samson/products/microphones/usb-microphones/meteormic/,[オンライン],[検索日 2021.4.26],インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20110902141522/http://www.samsontech.com/samson/products/microphones/usb-microphones/meteormic/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 19/04
H04R 3/00
H04R 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロホンであって、
カートリッジと、
前記カートリッジ内に配置されるように構成された入れ子であって、PCBが第1振動板と第2振動板との間に配置されるように積み重ねた配置で配置された第1振動板、第2振動板、及びPCBを含む入れ子と
を含
み、
前記第1振動板は第1平面を画定し、前記第2振動板は第2平面を画定し、前記PCBは第3平面を画定し、前記第1平面、前記第2平面、及び前記第3平面は互いに平行に延び、
前記入れ子は、第1バックプレート、第2バックプレート、及び接触スペーサーを更に含み、前記接触スペーサーは前記第1バックプレート及び前記PCBと直接電気接触するように配置され、
前記第1振動板と前記第1バックプレートとの間の静電容量の変化が、前記接触スペーサーを通して前記PCBに伝達される、マイクロホン。
【請求項2】
前記第2バックプレートは前記PCBと直接電気接触するように配置され、前記第2振動板と前記第2バックプレートとの間の静電容量の変化が、前記PCBに直接伝達される、請求項1に記載のマイクロホン。
【請求項3】
一連の細長いスリットを有するカバーを更に含み、前記スリットは半径方向と軸方向の両方に延び、半径方向内側に曲がる、請求項1に記載のマイクロホン。
【請求項4】
前記スリットは第1長さ及び第2長さを有し、前記第1長さは前記第2長さよりも大きい、請求項3に記載のマイクロホン。
【請求項5】
前記入れ子は、第1ワッシャ
及び第2ワッシ
ャを更に含み、
前記第1バックプレート及び前記第2バックプレートは、2つの並列コンデンサーを形成するためにそれぞれ前記第1ワッシャ及び前記第2ワッシャによって前記第1振動板及び前記第2振動板から離間する、請求項1のマイクロホン。
【請求項6】
前記入れ子は、前記第1振動板を受けるための第1棚状突起と前記第2振動板を受けるための第2棚状突起とを含む、請求項1に記載のマイクロホン。
【請求項7】
前記カートリッジはキャップを含み、前記キャップは音波を受け入れるように構成された一連の穴を含む、請求項1に記載のマイクロホン。
【請求項8】
前記カートリッジの長さは9mm以下である、請求項1に記載のマイクロホン。
【請求項9】
前記カバーは円筒形状及び半球形端部を有する、請求項3に記載のマイクロホン。
【請求項10】
カートリッジは一連のフランジを含み、
前記フランジは前記入れ子を固定し且つ前記入れ子の少なくとも一部を遮蔽するように前記入れ子によって受け入れられる、請求項1に記載のマイクロホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体としてマイクロホンに関し、より詳細には、例えば、ラバリエールマイクロホン、ラペルマイクロホン、イヤーセットマイクロホン、ヘッドセットマイクロホン、又は楽器用マイクロホンとして構成され得る小型マイクロホンに関する。これらのタイプのマイクロホンは、ユーザーが着用するか又はユーザーもしくは楽器に取り付けることができ、いくつかの実施例において、コンデンサーマイクロホン又はエレクトレットコンデンサーマイクロホンであることができる。
【0002】
関連出願データ
本出願は、2016年8月12日に出願された米国特許出願第15/235,382号に対する優先権を主張するものであり、当該米国特許出願は、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に含まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
コンデンサーマイクロホンは、一般に2枚のプレートとそれらの間の電圧とからなるコンデンサーを用いて動作する。コンデンサーのプレートの一方は、音波に遭遇すると振動する振動板として作用するように、軽い材料から形成されることができる。これにより、2つのプレート間の距離が変わり、静電容量が変わる。詳細には、プレートが互いに近づくと静電容量が増加して充電電流が誘導され、プレートが遠くに離されると静電容量が減少して放電電流が発生する。エレクトレットコンデンサーマイクロホンは、強誘電材料又は永久的に帯電した又は分極した材料を利用することができる。
【0004】
コンデンサーマイクロホン、特にエレクトレットコンデンサーマイクロホンは、ラバリエールマイクロホン、ラペルマイクロホン、イヤーセットマイクロホン、ヘッドセットマイクロホン、又は楽器用マイクロホン及び他のハンズフリー操作マイクロホンと共に使用することができる。ボディーマイクロホン、カラーマイクロホン、クリップマイクロホン、ネックマイクロホン、又はパーソナルマイクロホンと呼ばれることもあるラバリエールマイクロホン又はラペルマイクロホンは、演劇、ミュージカル、テレビ、演説、及び演者の動作又はハンズフリー操作を必要とする他の環境でしばしば使用される。これらのタイプのマイクロホンは、ハンズフリー操作を可能にするために、様々な衣服、例えば、シャツ、襟、ネクタイなどへの取り付けを可能にするべくクリップを備えることができる。いくつかの実施例において、コードは、衣服の下に隠すことができ、ミキサー又は他の記録装置に直接接続することができ、或いはミキサー又は他の記録装置に信号を送ることができるユーザーに装着されたボディパックレシーバーに接続することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この概要は、詳細な説明で更に後述する本開示に関連するいくつかの一般概念の紹介を簡略化された形で提供する。この概要は、本発明の重要な特徴又は本質的な特徴を明らかにすることを意図していない。
【0006】
本明細書の開示の態様は、隠すのが容易な、より小型で高忠実度のマイクロホンに関するものであり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例において、マイクロホンは一連のスリットを有するカバーと入れ子とを含むことができる。入れ子は、PCBが第1振動板と第2振動板との間に配置されるように、第1振動板、第2振動板、及びPCBを積み重ねた配置で受け入れるように構成されることができる。一実施例において、第1振動板は第1平面を画定することができ、第2振動板は第2平面を画定することができ、PCBは第3平面を画定することができる。第1平面、第2平面、及び第3平面は、入れ子内で互いに平行に延びることができる。カバーは、第1長さ及び第2長さを有するスリットを含むこともでき、第1長さは第2長さよりも大きいことができる。スリットは半径方向と軸方向の両方に延びることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
前述の概要、ならびに以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて考慮すると、よりよく理解されるであろう。添付の図面において、同様の符号は、その符号が現れるすべての様々な図で同一又は類似の要素を指す。
【
図1】例示的なコンデンサーマイクロホンの斜視図を示す。
【
図2】例示的なコンデンサーマイクロホンの分解図を示す。
【
図2A】
図1のコンデンサーマイクロホン用の例示的なカバーの正面図を示す。
【
図2E】
図2Dの線B-Bに沿った2Dのカバーの断面図を示す。
【
図3A】コンデンサーマイクロホン用の例示的な入れ子の正面図を示す。
【
図4】コンデンサーマイクロホン用の例示的な接触スペーサーを示す。
【
図5A】コンデンサーマイクロホン用の例示的なPCBの上面図を示す。
【
図6】コンデンサーマイクロホン用の例示的なスペーサーの上面図を示す。
【
図7A】コンデンサーマイクロホン用の例示的な振動板の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の様々な実施例及び構成要素の以下の説明において、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照し、それらの図面において、本開示の態様を実施することができる様々な例示的な構造及び環境を実施例として示す。他の構造及び環境を利用することができ、本開示の範囲から逸脱することなく具体的に説明した構造及び方法から構造的及び機能的な変更を成し得ることを理解すべきである。
【0010】
また、本明細書では、「前面」、「背面」、「上面」、「底面」、「側部」、「前方」及び「後方」などの用語を用いて様々な例示的な特徴を説明することがあるが、これらの用語は、本明細書では便宜上、例えば、図に示される例示的な向き及び/又は典型的な使用法における向きに基づいて用いられている。本明細書中のいかなるものも、特許請求の範囲に含まれるために構造の特定の三次元的又は空間的な配向を必要とすると解釈されるべきではない。
【0011】
図1は、一実施例においてエレクトレットコンデンサーマイクロホンとすることができる例示的なラペルマイクロホン100を示す。ラペルマイクロホン100は、一般に、カートリッジ102とカバー104とを含む。一実施例において、カートリッジは、組み立てられたとき、9mm以下の長さ及び4.5mmの直径を有することができる。
【0012】
図示されていないが、ラペルマイクロホン100は、ラペルマイクロホンをユーザーの衣服に固定するための弾性的性質を有することができるクリップを備えることができる。本明細書の実施例はラペルマイクロホンとして示されているが、マイクロホンは、イヤーセットマイクロホン又はヘッドセットマイクロホンとして及び他のハンズフリー操作マイクロホンとして構成することができると考えられる。
【0013】
図2は、カバー104を取り外した状態の例示的なラペルマイクロホン100の分解図を示す。本明細書で述べられるように音波を電気信号に変換するのに使用される個々の構成要素を受け入れるために、カートリッジ102内に入れ子又はハウジング106を含むことができる。具体的には、入れ子106は、第1振動板108a、第2振動板108b、第1ワッシャ110a、第2ワッシャ110b、第1バックプレート107a、第2バックプレート107b、接触スペーサー112、及びPCB114を収容するように構成されることができる。入れ子106はまた、前方ワッシャ148及び前方ディスク146を含むことができる。
【0014】
ラペルマイクロホン100の動作中、バックプレート107a、107bの電位は、振動板108a、108bの振動に従って変化する。具体的には、音はカバーのスリット105a、105bを通って進み、振動板108a、108bと相互作用して振動板108a、108bを振動させ、振動板108a、108bとバックプレート107a、107bとの間で静電容量を変化させる。バックプレート107a及び振動板108aからの静電容量の変化は次に、バックプレート107aから接触スペーサー112に出力され、接触スペーサー112は電位変化をPCB114に出力する。振動板108b及びバックプレート107bからの静電容量の変化も、直接PCB114に出力される。PCB114は、マイクロホン100からケーブル138を介して接触スペーサー112及びバックプレート107bから受信した信号に基づく出力を生成するように構成されることができる。カートリッジ102は、キャップ102aとプラグ102bとから形成されることができる。プラグ102bは、カートリッジ102内に入れ子106を固定するためにキャップ102a内に嵌合するように構成されることができる。
【0015】
プラグ102bは、キャップ102a及び入れ子106内の様々なスロットと整列してそれらと係合するように構成された、いくつかの半径方向に延びるフランジ116a、116b、118a、118bを含むことができる。詳細には、プラグ102bは、キャップ102a内の対応する上部スロット及び下部スロット内に嵌合する上部フランジ116a及び下部フランジ116bを含む。また、プラグ102bは、入れ子106に配置された細長いくぼみ又は溝120と係合するように構成された第1側部フランジ118a及び第2側部フランジ118bを含む。入れ子106の溝120はまた、第1側部フランジ118a及び第2側部フランジ118bに位置する突出部124を受け入れるように構成された切欠き121を含むことができる。このようにして、突出部124は、スナップ嵌めタイプの接続を形成するように切欠き121内に受け入れられて戻り止めとして作用する。半径方向に延びるフランジ116a、116b、118a、118bはまた、入れ子106の後部を遮蔽することができる。一実施例において、プラグは適切な金属材料から形成され、入れ子は、フランジ116a、116b、118a、118bが入れ子106のポリマー材料を遮蔽するようにポリマー材料から形成される。半径方向に延びるフランジ116a、116b、118a、118bは、プラグ102bと入れ子106との間を接合するための追加の構成要素が不要であるという点で、カートリッジを形成するのに必要な構成要素の数を減らすのにも役立つ。
【0016】
プラグ102bは、キャップ102aに配置された対応する表面開口部130内に受け入れられるように構成された表面フランジ128も含むことができ、キャップ102aとプラグを合わせて溶接してマイクロホンを組み立てることができる。しかしながら、他の実施例において、キャップ102a及びプラグ102bは、キャップ102a及びプラグ102bを固定するのにスナップ嵌め又は摩擦嵌めを形成することができる。
【0017】
キャップ102aは、上部平坦面126a及び下部平坦面(図示せず)を含むことができる。カバー104と上部平坦面126aとの間の容積及び下部面とカバーとの間の容積は、マイクロホンの音響特性を最適化する大きさであることができる。上部平坦面126a及び下部平坦面は、キャップ102aの内部を第1振動板108a及び第2振動板108bにまで開放するための一連の穴122を含むことができる。したがって、穴122は、第1振動板108a及び第2振動板108bと相互作用する音波を受け入れるように構成される。
【0018】
図1、
図2A~
図2Cに示すように、カバー104は、端部が半球形で形成される半球円筒形で形成されることができる。カバー104は一般に、空気容量を形成し、管と呼ぶことができる。カバー104は一般に、カバー104に沿って軸方向及び半径方向に延びる音響開口部として構成された一連のスリット105a、105bを含み、それによって管内の空気容量を制御する。スリット105a、105bは、音波がカバー104を通ってマイクロホン100内に入って振動板108a、108bを振動させることができるように構成されることができる。
【0019】
一実施例において、スリット105a、105bは、カバーに沿った軸方向及び半径方向の長さが互い違いになることができる。スリット105a、105bの長さは、下にあるカートリッジ102内のいくつの穴が露出されるかを決定して露出される空気容量を制御することによって、マイクロホンの音響特性を変化させる。具体的には、スリット105aは、スリット105bの第2軸方向及び半径方向長さよりも長い第1軸方向及び半径方向長さまで延びることができる。また、スリット105a、105bは、軸方向及び半径方向にカバーの頂部に向かって内側に曲がることができる。一連のスリット105a、105bを同じ軸方向及び半径方向長さまで延ばすことができ、スリットの軸方向及び半径方向長さをマイクロホンの所望の音響特性に従って調整することができることも考えられる。
【0020】
カバー104は、キャップ102aと係合するように構成された円筒形縁103を含むこともできる。この実施例において、円筒形縁103は、摩擦又は締まり嵌めによってキャップ102a上に保持されることができる。また、カバー104をキャップ102aに固定するべくカバー104がキャップ102aと摩擦係合することを可能にするために、カバー104に半径方向内側に延びる一連の突出部109を設けることができる。このようにして、カバー104は、使用中にキャップ102a上に保持することができ、また、後述するカバー204のような異なるカバーを使用するために取り外すこともできる。
【0021】
スリット105a、105bはスリット領域を画定することができ、円筒形縁103は円筒形縁領域を画定することができる。一実施例において、スリット領域は、円筒形縁領域よりも軸方向に長いことができる。一実施例において、カバー104は、射出成形グレードのアクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、例えばABS-LUSTRAN(登録商標)348及び他の同様の材料などのポリマー材料から適切な射出成形プロセスによって成形されることができる。しかしながら、他の実施例において、カバー104は金属又は様々な金属合金から形成されることができる。
【0022】
図2D~
図2Fは、他の例示的なカバー204を示し、図中、同様の符号は、上述のカバー104と同一又は類似の要素を指す。カバー204も、端部が半球形で形成される半球円筒形で形成されることができる。しかしながら、スリット205a、205bは、様々な音響特性を提供するためにスリット105a、105bよりも短いことができる。また、円筒形縁203は、キャップ102aと係合するための円筒形縁103よりも軸方向に大きく形成されることができる。また、スリット領域は、円筒形縁領域の軸方向長さと同様の軸方向長さで形成されることができる。
【0023】
上記の実施例と同様に、カバー204は一般に、空気容量又は管を形成する。スリット205a、205bも、カバー204に沿って軸方向及び半径方向に延びる音響開口部として構成され、それによって管内の空気容積を制御することができ、音波がカバー204を通ってマイクロホン100内に入って振動板108a、108bを振動させるように構成されることができる。
【0024】
一実施例において、キャップ204を用いた周波数応答は、キャップ104よりもハイエンドの応答を有することができる。この実施例において、高周波は、キャップ104と比べてキャップ204において強調されることができる。また、キャップ104は、キャップ204と比べてより平坦な周波数応答を有することができる。更に、キャップ204は、キャップ104と比べて高周波を増幅することができる。このようにして、カバー104、204の両方をカートリッジ102と共にマイクロホンキットに設けることができ、それによりユーザーは特定の用途に最も適したカバーを選択することができる。カバー104、204の代わりに単純なスリーブを使用してカートリッジを覆うこともできると考えられる。スリーブは、メッシュ又は発泡体スリーブであることができる。代替的な1つ又は複数のスリーブをマイクロホンキットに設けることもできる。
【0025】
また、この実施例において、スリット205a、205bは、カバーに沿った軸方向及び半径方向の長さが互い違いになることができる。スリット205a、205bの長さは、下にあるカートリッジ102内のいくつの穴が露出されるかを決定して露出される空気の量を制御することによって、マイクロホンの音響特性を変化させる。また、一連のスリットを同じ軸方向及び半径方向長さまで延ばすことができ、スリットの軸方向及び半径方向長さをマイクロホンの所望の音響特性に従って調整することができることも考えられる。カバー204も、上述のようにポリマー材料から適切な射出成形プロセスによって成形されることができる。
【0026】
入れ子106は
図2及び
図3A~
図3Dに示されている。
図2に示すように、入れ子106は一般に、カートリッジ102内に嵌合する大きさであることができる。入れ子106の上面図である
図3Cに示すように、入れ子106は曲線状の前端と平坦な後端とを有することができる。曲線状の形状は、キャップ102a及びカバー104の曲線状の形状に対応することができる。平坦な後端は、入れ子106をプラグ102b内に固定することができるようにカプセル102のプラグ102Bに対応するように構成されることができる。
【0027】
図3A及び
図3Bに示すように、入れ子106は、カートリッジ102と一致するようにテーパー付き上部140aとテーパー付き下部140bとを含むことができる。テーパー付き上部140a及びテーパー付き下部140bは、入れ子がカプセル102及びカバー104の湾曲及び形状と一致することを可能にする。テーパー付き上部140aとテーパー付き下部140bとの間の領域は、プラグ102bの側部フランジ118b、118aを受け入れるように構成された溝120を形成する。一実施例において、入れ子106は、液晶ポリマー又はガラス強化液晶ポリマーから形成されることができる。しかしながら、他の適切な同等の材料も考えられる。
【0028】
入れ子106は、入れ子106の本体を貫通する開口部132を有する全体として中空の構造体である。入れ子106の開口部132は、第1振動板108a、第2振動板108b、第1ワッシャ110a、第2ワッシャ110b、第1バックプレート107a、第2バックプレート107b、接触スペーサー112、及びPCB114を含むマイクロホン100の内部部品を受け入れるように構成される。また、第1振動板108a、第2振動板108b、第1ワッシャ110a、第2ワッシャ110b、第1バックプレート107a、第2バックプレート107b、接触スペーサー112、及びPCB114は、各々が平面を画定し、平面の各々が互いに平行に延びるように構成されるという点において、平行な配置で配置される。更に、第1振動板108a、第2振動板108b、第1ワッシャ110a、第2ワッシャ110b、第1バックプレート107a、第2バックプレート107b、接触スペーサー112、及びPCB114の軸の各々は、入れ子の軸に対して平行に延びる。
【0029】
また、第1振動板108a、第2振動板108b、第1ワッシャ110a、第2ワッシャ110b、第1バックプレート107a、第2バックプレート107b、接触スペーサー112、及びPCB114は、入れ子106に対して積に重ねた配置で入れ子106の内部に配置される。積み重ねた配置は、マイクロホン100のよりコンパクトな組立体を可能にする。積み重ねた配置は、接触スペーサー112、第1振動板108a、第2振動板108b、第1ワッシャ110a、第2ワッシャ110b、第1バックプレート107a、及び第2バックプレート107bの間にPCB114を配置することによって達成できる。また、接触スペーサー112は、第1バックプレート107aと直接電気接触するように配置され、第2バックプレート107bは、PCB114と直接電気接触するように配置されることができる。この配置では、接触スペーサー112は、バックプレート107aから静電容量の変化を伝達し且つPCB114に静電容量の変化を伝達するように構成され、バックプレート107bは、静電容量の変化を直接PCB114に伝達することができ、次いでPCB114は、ケーブル138に信号を伝達し、それによってマイクロホンから電気信号を出力する。
【0030】
本明細書で述べるように、入れ子106には、マイクロホン100の様々な構成要素を受け入れるための一連の突出部、スロット、ノッチ、切り欠き、又は穴を設けることができる。入れ子106の開口部132は、接触スペーサー112の4つの対応するタブ113を受け入れるように構成された4つのノッチ134を各コーナー側壁に設けることができる。ノッチ134は、第1バックプレート107aが接触スペーサー112の上に直接配置され且つフランジ152がPCB114及び第2バックプレート107bと電気接触するように延びるように、第1バックプレート107aのタブ115aも受け入れることができる。同様に、4つの追加のノッチ(図示せず)が入れ子106の開口部の底部に設けられ、第2バックプレートタブ115bを受け入れる。入れ子106の開口部132は、ワッシャ110a、110b及び振動板108a、108bを受けるための一連の棚状突起136も備えることができる。一実施例において、振動板108a、108bは、入れ子106に付着させることができ、ワッシャ110a、110bは、それらのそれぞれの振動板108a、108bによってそれらのそれぞれのバックプレート107a、107bに対して適切な位置に保持される。
【0031】
入れ子106の正面図である
図3Aに示すように、入れ子106には、気圧を逃がすための前方円形開口部142と、ワッシャ148及びディスク146を受けるための面取りされた肩部150とを設けることができる。ディスク146は、円形プレートとして形成されることができ、前方円形開口部142を通る気圧の軽減のためにその中心に小さな穴を含むことができる。しかしながら、他の実施例において、ディスク146はいくつかの穴を含むことができ、或いはスクリーンとして形成されることができる。また入れ子106の背面図である
図3Bに示すように、PCBが入れ子106の後部から延びるように構成されるように、PCB114を受け入れるために後方スロット144が設けられる。このようにして、PCBの後部をケーブル138と電気的に結合してケーブルを介して信号を送ることができる。
【0032】
図4は、接触スペーサー112の底面斜視図を示す。接触スペーサーは、接触スペーサー112が「犬の骨」形状の外観を有するように、接触スペーサー112を入れ子106内に位置決めするためのいくつかのタブ113を含むことができる。接触スペーサー112は、接触スペーサーの本体に対して90°の角度で延びるフランジ152も含むことができる。フランジ152は、PCB114と第1バックプレート107aとを接続して、第1バックプレート107aとPCB114との間に電気的接続を形成する。一実施例において、フランジ152は、導電性エポキシ、はんだ、溶接、又は同様の接続によってPCBに電気的に接続されることができる。しかしながら、第2バックプレート107bは、導電性エポキシ、はんだ、又は溶接でPCBに直接結合されることができる。接触スペーサー112はステンレス鋼から形成されることができ、1つの特定の実施例において、接触スペーサー112は厚さ0.10インチの焼き鈍し316ステンレス鋼から形成されることができる。一実施例において、接触スペーサー112は化学エッチングプロセスで形成されることができ、形成プロセスの一部として追加のタブ117が設けられる。
【0033】
また、接触スペーサーの形状は、様々な音響特性を提供するように変えることができ、例えば、長方形、円形、卵形、台形、三角形などを使用してマイクロホンの音響特性を変えることができる。したがって、マイクロホンの音響特性を変えるために入れ子106を異なる接触スペーサーで製造することができると考えられる。入れ子106は、様々な音響特性を提供するために様々な形状の接触スペーサーを受け入れるためにすべての形や大きさの物に用い得るように構成されることができる。
【0034】
PCB114の上面図である
図5に示すように、PCB114は十角形を形成するために10個の側面を含むことができる。PCB114は、カートリッジの非常に高い電気インピーダンスを、ケーブルを通して信号を通過させるのに適したより低いインピーダンスに変換し、必要に応じて信号を減衰させ、RF干渉をフィルタリングするように構成されることができる。PCB114の形状は、その様々な構成要素のすべてに対して十分な面積をも提供しながら、PCB114が組立体内に収まることができるように構成されることができる。したがって、所望の配置に応じて、PCB114の他の形状及び構成も考えられる。
【0035】
図6はバックプレート107aの上面図を示す。バックプレート107aは、バックプレート107aを入れ子106と位置合わせするための一連のバックプレートタブ115aを備えることができる。一実施例において、バックプレート107aは、バックプレート107aが永久的に帯電して起電力を生成するようにエレクトレット材料を含むことができる。例えば、バックプレート107aは完全にエレクトレット材料から形成されることができ、或いはエレクトレット材料を振動板108aに面する表面に積層することができる。一実施例において、エレクトレット材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はテフロン(登録商標)などのフッ素樹脂であることができる。しかしながら、膜エレクトレットを振動板に接着して起電力を発生させることができ、バックプレート107aは単純な金属から形成されることができ、振動板に面するように配置されることができることも考えられる。
【0036】
バックプレート107bはバックプレート107aと同一に形成されることができる。バックプレート107a、107bは、2つの並列コンデンサーを形成するために、振動板と整列させ、ワッシャ110a、110bによって振動板から離間させることができる。また、本明細書で述べるように、バックプレート107a、107bは、それらがマイクロホン100の本体の軸及び振動板108a、108bの軸と平行であるように互いに平行な配置で配置されることができる。
【0037】
例示的な振動板の上面図を
図7Aに示し、
図7Aの例示的な振動板の側面図を
図7Bに示す。振動板108bは、振動板108aと同一に形成されることができる。
図7A及び
図7Bに示すように、振動板108aは、振動板本体154と振動板支持体156とを含む。振動板本体154には、カバー104のスリット105a、105bからの音波を受け入れるための2つの音侵入穴158を設けることができる。振動板支持体は、好適なコンデンサーを提供するために金メッキされるか又は任意の好適な材料でメッキされることができる。一実施例において、振動板本体154は、接着剤によって振動板支持体156に接合される。しかしながら、他の実施例において、振動板本体154と振動板支持体156とは、例えば、射出成形作業で全体として一体的に成形されることができる。
【0038】
一実施例において、振動板108a、108bは、細長い卵形又は楕円形に形成されることができる。上述のように、振動板108a、108bも、それらがマイクロホン100の本体の軸に対して平行であるように互いに平行な配置で配置される。したがって、振動板108a、108bは、マイクロホンの本体の大部分に沿って軸方向に延びる。楕円形振動板108a、108bの細長い外形も、円形振動板と比較して静電容量を最大にするのに役立つ。しかしながら、正方形、長方形、円形などの他の形状の振動板も考えられる。
【0039】
本明細書で説明された例示的なマイクロホンは、2つの振動板108a、108bが使用される二重振動板構造を採用する。2つの振動板108a、108bを含むことは、面積及び静電容量を2倍にし、それによって限られたスペース内でのマイクロホンの有効性を高める。また、振動板108a、108bは、ユーザーがうっかりケーブルをこすることによって引き起こされるノイズなどの機械的ピックアップノイズを相殺するのを助けるために互いに逆位相で振動するように配置されることができる。具体的には、マイクロホンが機械的ノイズに遭遇すると、マイクロホンは、逆位相で振動する振動板の合計信号を得ることによってノイズを機械的に相殺するように構成される。これは、マイクロホンで増幅されたノイズをより低いレベルに維持するのに役立つ。
【0040】
また、振動板本体154は、マイクロホンの所望の用途に応じて特定の共振周波数に設定されることができる。一実施例において、振動板108aの共振周波数は30から34kHzに設定されることができる。しかしながら、振動板本体154は、20から40kHzの範囲の他の共振周波数に設定されることができると考えられる。
【0041】
ワッシャ110a、110bは概ね、振動板支持体156の外周形状に従うことができる。ワッシャ110a、110bは、バックプレート107a、107bとそれらのそれぞれの振動板108a、108bとの間に配置されることができる。したがって、ワッシャ110a、110bは、バックプレート107a、107bと振動板との間に間隔を空けて2つのコンデンサーを形成する。いくつかの実施例において、ワッシャは、PTFE、PEEK、ポリイミド、ETFE、及び他の同様の材料を含む様々な材料から形成されることができる。絶縁体を使用することができ、ワッシャを完全に置き換えるために1つ以上の接着剤を使用することができることも考えられる。具体的には、振動板108a、108bとバックプレート107a、107bとの間に所望の間隔を提供するために、振動板108a、108b又はバックプレート107a、107bのいずれかに接着剤を塗布することができる。
【0042】
マイクロホン100を組み立てるために、PCB114を入れ子106の開口部内に配置することができ、PCB114が後方スロット144を通って延びるように接着剤によって固定する。次に、接触スペーサー112を開口部132内に配置し、タブ113をノッチ134と整列させてその中に接着させる。次に、バックプレート107a、107bも開口部132内に配置し、それらのそれぞれのタブをノッチ134に接着させる。次に、ワッシャ110a、110bを開口部132内の棚状突起に接着させる。次に、振動板をワッシャ110a、110b上に配置し、入れ子106上の適所に接着させることもできる。次に、ワッシャ148とディスク146を入れ子106の面取りされた肩部に配置し、適切な接着剤で固定する。一実施例において、様々な構成要素を入れ子106に固定するためにUV硬化型接着剤を使用することができる。
【0043】
この時点で、次に、側部フランジ118a、118bを入れ子106の溝120と整列させ、上部及び下部フランジ116a、116bを入れ子106の上部及び下部と位置合わせすることによって、組み立てた入れ子106をプラグ102b内に配置することができる。PCBの後部をケーブル138と電気的に結合することができる。次に、プラグ102b及び入れ子106をキャップ102a内に配置することができ、プラグ102bを好適な溶接方法によってキャップ102aに固定することができる。
【0044】
一実施例において、マイクロホンは、一連のスリットを有するカバー、カートリッジ、及びカートリッジ内に配置されるように構成された入れ子を含むことができる。入れ子は、PCBが第1振動板と第2振動板との間に配置されるように、第1振動板、第2振動板、及びPCBを積み重ねた配置で受け入れるように構成されることができる。第1振動板は第1平面を画定することができ、第2振動板は第2平面を画定することができ、PCBは第3平面を画定することができる。第1平面、第2平面、及び第3平面は互いに平行に延びることができる。カバーは半球形の端部を含むことができ、カバーのスリットは第1長さ及び第2長さを有することができ、第1長さは第2長さよりも大きいことができる。また、スリットは半径方向と軸方向の両方に延びることができる。一実施例において、マイクロホンは、ユーザーの衣服に固定されるように構成されることができる。
【0045】
入れ子は、第1ワッシャ、第2ワッシャ、第1バックプレート、第2バックプレート、及び接触スペーサーを受け入れるように構成されることができる。接触スペーサーは、第1バックプレート及びPCBと直接電気接触するように配置されることができ、第2バックプレートはPCBと直接電気接触するように配置される。入れ子は、第1振動板を受けるための第1棚状突起と第2振動板を受けるための第2棚状突起とを含むこともできる。第1棚状突起及び第2棚状突起は、第1バックプレート及び第2バックプレートのタブを受けるためのノッチを含むことができる。カートリッジはキャップを含み、キャップは音を受け入れるように構成された一連の穴を含む。一実施例において、マイクロホンはエレクトレットコンデンサーマイクロホンである。
【0046】
別の実施例において、マイクロホンは、円筒形状及び半球形端部を有するカバーを含むことができ、マイクロホンはエレクトレットコンデンサーであることができる。マイクロホンは、カバーを受けるように構成されたカートリッジを含むこともできる。入れ子は、カートリッジ内に配置されるように構成されることができ、入れ子は、PCBが第1振動板と第2振動板との間に配置されるように、第1振動板、第2振動板、及びPCBを積み重ねた配置で受け入れるように構成されることができる。第1振動板は第1平面を画定することができ、第2振動板は第2平面を画定することができ、PCBは第3平面を画定することができる。第1平面、第2平面、及び第3平面は互いに平行に延びることができる。
【0047】
カバーは一連のスリットを含むことができ、スリットは第1長さと第2長さを有し、第1長さは第2長さよりも大きいことができる。スリットは、半径方向と軸方向の両方に延び、第1長さと第2長さとの間で互い違いになることができる。スリットは半径方向内側に湾曲することもできる。
【0048】
入れ子は更に、第1ワッシャ、第2ワッシャ、第1バックプレート、第2バックプレート、及び接触スペーサーを受け入れるように構成されることができる。接触スペーサーは、第1バックプレート及びPCBと直接電気接触するように配置されることができ、第2バックプレートは、PCBと直接電気接触するように配置されることができる。入れ子は、第1振動板を受けるための第1棚状突起と第2振動板を受けるための第2棚状突起とを含むことができる。第1棚状突起及び第2棚状突起は、第1バックプレート及び第2バックプレートのタブを受けるためのノッチを含むことができる。入れ子は、カートリッジを受けるための溝を含むことができる。
【0049】
別の実施例において、マイクロホンカバーは、円筒形状及び半球形端部と、一連のスリットとを含むことができる。一実施例において、スリットは第1長さ及び第2長さを有することができ、第1長さは第2長さよりも大きい。スリットは半径方向と軸方向の両方に延びることができ、半径方向内側に曲がることができる。スリットは、第1長さと第2長さとの間で互い違いになることができる。カバーは、ラペルマイクロホンのマイクロホンカートリッジを受け入れるように構成されることができる。カバーはポリマー材料から形成されることができ、ポリマー材料は射出成形グレードのアクリロニトリルブタジエンスチレンであることができる。カバーは、金属又は金属合金から形成されることもできる。カバーは、マイクロホンカートリッジを受け入れるように構成された円筒形縁を含むこともできる。カバーはスリット領域と円筒形縁領域とを含むこともでき、スリット領域は円筒形縁領域よりも軸方向に長いことができる。カバーはスリット領域と円筒形縁領域とを含むことができ、スリット領域は、軸方向の円筒形縁領域と同様の軸方向の長さであることができる。
【0050】
別の実施例において、マイクロホンを形成する方法は、第1振動板、第2振動板、及びPCBを積み重ね配置で受け入れるように構成された入れ子を提供することと、第1振動板と第2振動板との間にPCBを配意することとを含むことができる。第1振動板は第1平面を画定することができ、第2振動板は第2平面を画定することができ、PCBは第3平面を画定することができ、方法は、第1平面、第2平面、及び第3平面が互いに平行に延びるように、第1振動板、第2振動板、及びPCBを配置することを含むことができる。方法は、円筒形状及び半球形端部を有するカバーを提供することと、カバーに一連のスリットを形成することとを含むこともでき、一実施例において、スリットは第1長さ及び第2長さを有することができる。方法は、第2長さよりも大きい第1長さを形成することと、スリットを半径方向と軸方向の両方に配置することと、スリットを第1長さと第2長さの間で互い違いにすることと、第1ワッシャ、第2ワッシャ、第1バックプレート、第2バックプレート、及び接触スペーサーを入れ子内に配置することと、接触スペーサーを第1バックプレート及びPCBに直接電気接触させることと、第2バックプレートをPCBと直接電気接触させることとを含むことができる。
【0051】
別の実施例において、マイクロホンキットは、カートリッジ、第1カバー、及び第2カバーを含むことができる。第1カバーと第2カバーの両方が、円筒形状と半球形端部と一連のスリットとを含むことができる。スリットは半径方向と軸方向の両方に延びることができ、半径方向内側に曲がることができる。第1カバー及び第2カバーは、マイクロホンカートリッジを受け入れるように構成されることができる。キットは、カートリッジ内に配置されるように構成された入れ子を更に含むことができる。入れ子は、PCBが第1振動板と第2振動板との間に配置されるように、積み重ね配置で配置された第1振動板、第2振動板、及びPCBを含むことができる。第1振動板は第1平面を画定することができ、第2振動板は第2平面を画定することができ、PCBは第3平面を画定することができ、第1平面、第2平面、及び第3平面は互いに平行に延びることができる。第1カバー及び第2カバーの一連のスリットは、第1長さ及び第2長さを有することができ、第1長さは第2長さよりも大きいことができる。また、カートリッジの長さは9mm以下であることができる。
【0052】
本発明は、様々な実施例に関連して上記及び添付の図面に開示されている。しかしながら、本開示が果たす目的は、本発明に関連する様々な特徴及び概念の例を提供することであり、本発明の範囲を限定することではない。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施例に対して多数の変形及び修正を加えることができることを認識するであろう。