(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】工具パックアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B21D 51/26 20060101AFI20220128BHJP
B21D 22/28 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
B21D51/26 X
B21D22/28 L
(21)【出願番号】P 2019524934
(86)(22)【出願日】2017-06-28
(86)【国際出願番号】 US2017039721
(87)【国際公開番号】W WO2018093422
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-06-26
(32)【優先日】2016-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518070917
【氏名又は名称】プライド エンジニアリング リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】スウェッドバーグ、リック
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-094117(JP,A)
【文献】特表2016-512471(JP,A)
【文献】特開平11-104765(JP,A)
【文献】特表平06-500503(JP,A)
【文献】特開2004-154782(JP,A)
【文献】特開2005-288483(JP,A)
【文献】実開平01-084834(JP,U)
【文献】米国特許第04578981(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 51/26
B21D 22/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の高サイクル製造に
おいて、
金属体の絞り加工およびしごき加工のために往復缶成形パンチと共に使用される、一連の間隔を空けたダイを有する工具パックアセンブリ用のモジュールであって、このモジュールは、
a.キャビティを有する外周壁と、環状チャネルを有する前面と、前記環状チャネルと前記外周壁内の前記キャビティとの間に延びる通路とを備える往復缶
成形パンチ用の貫通孔を有する略円筒形のモジュール本体と
、
b.少なくとも1つの
歪みセンサ
と少なくとも1つの隆起面とを
持つ環状プレート本体
を備えるセンサプレートアセンブリであって、前記
環状プレート本体は、前記モジュール本体の前記前面の前記環状チャネル内に配置するように構成さ
れ、前記少なくとも1つの隆起面は、一連の間隔を空けたダイのうちの1つのダイに接触し、接触したダイからの力を前記少なくとも1つの歪みセンサに伝えるように構成されたセンサプレートアサンブリと、および
c.
電子素子であって、前記モジュール本体の前記外周壁の前記
キャビティ内に配置され、前記センサ
プレートアセンブリ
の少なくとも1つの歪みセンサと通信す
る電子素子
と、
を備える工具パックアセンブリ用のモジュール。
【請求項2】
前記
センサプレートアセンブリは、少なくとも1つの温度センサ
をさらに含む請求項1に記載の工具パックアセンブリ
用のモジュール。
【請求項3】
前
記少なくとも1つの歪みセンサは、前記
環状プレート本体の周囲に、実質的に等間隔で配置された複数の歪みセンサを含む請求項
1に記載の工具パックアセンブリ
用のモジュール。
【請求項4】
前
記少なくとも1つの
温度センサおよび前記少なくとも1つの歪みセンサ
が、前記モジュール内の前記通路を介して、前記モジュールの前記外周壁の前記キャビティ内の前記電子素子と電気的に通信している請求項2に記載の工具パックアセンブリ
用のモジュール。
【請求項5】
前記電子素子は、外部データ収集ポイントと無線で通信するように構成可能であ
る請求項1に記載の工具パックアセンブリ
用のモジュール。
【請求項6】
前記データ収集
ポイントは、工具パッククレードルの蓋に配置される請求項
5に記載の工具パックアセンブリ
用のモジュール。
【請求項7】
前記電子素子が、硬化シーラントを使用して
前記モジュール本体の前記外周壁の前記キャビティ内に封止され
る請求項
4に記載の工具パックアセンブリ用
のモジュール。
【請求項8】
請求項1に記載の工具パックアセンブリ
用の
モジュールに使用されるセンサプレートアセンブリであって、
工具パックアセンブリは一連の間隔を空けたダイと往復ラムを有し、前記センサプレートアセンブリは、
環状センサプレート本体
であって、
前記環状センサプレート本体は前記モジュール本体の前記前面の前記環状チャネル内に配置され、前記少なくとも1つの隆起面は一連の間隔を空けたダイの1つと接触するように構成される環状センサプレート本体と、
センサプレート本体上の複数の歪みセンサ
であって、前記複数の歪みセンサは、センサプレート本体上の力を測定するように構成さ
れ、前記複数の歪みセンサは前記環状センサプレート本体の周囲に等間隔に配置されるセンサプレート本体上の複数の歪みセンサと、および
出力信号を提供するように構成された電気
インターフェースと、
を備えるセンサプレートアセンブリ。
【請求項9】
前記出力信号が、前記センサプレート上の
合力を表す前記複数の歪みセンサからの合計信号である請求項
8に記載のセンサプレートアセンブリ。
【請求項10】
前記出力信号は、中心を外れたパンチストロークを検出するために使用可能な個々の歪み信号を含む請求項
8に記載のセンサプレートアセンブリ。
【請求項11】
前記アセンブリは、缶成形ダイの温度を測定するように配置された温度センサをさらに備える請求項
8に記載のセンサプレートアセンブリ。
【請求項12】
前記出力信号は、前記センサプレート上の
合力を表す前記複数の歪みセンサからの合計信号であり、温度信号をさらに含む請求項
11に記載のセンサプレートアセンブリ。
【請求項13】
前記センサプレート本体は、実質的に環状であり、前記複数の歪みセンサは、前記本体の周りに実質的に等間隔で配置される請求項
12に記載のセンサプレートアセンブリ。
【請求項14】
前記電気インターフェースは、電力を受け取り、センサデータを無線で送信するように構成された電子素子を備える請求項
8に記載のセンサプレートアセンブリ。
【請求項15】
前記電気インターフェースは、電力を受け取り、センサデータを無線で送信するように構成された電子素子を備える請求項
13に記載のセンサプレートアセンブリ。
【請求項16】
前記電子素子は、
合力および差動力の両方を含む前記歪みセンサからデータを生成するようにさらに構成され、前記データは、無線で送信可能である請求項
15に記載のセンサプレートアセンブリ。
【請求項17】
前記電子素子は、無線で送信可能な温度データを生成するようにさらに構成され
る請求項
16に記載のセンサプレートアセンブリ。
【請求項18】
前記電子素子は、無線で送信可能な温度データを生成するようにさらに構成され
る請求項
15に記載のセンサプレートアセンブリ。
【請求項19】
前記センサプレートアセンブリは、ダイモジュールの環状チャネル内に配置されるように構成され、前記歪みセンサおよび前記温度センサは、前記ダイモジュール内のワイヤチャネル内に配置可能な複数のワイヤによって前記電気インターフェースに結合され、前記ワイヤチャネルは、前記環状チャネルと前記ダイモジュールの外部キャビティとの間の経路を提供す
る請求項
17に記載のセンサプレートアセンブリ。
【請求項20】
前記歪みセンサに対向して前記センサプレート本体上に配置された複数の隆
起面をさらに含み、前記複数の隆
起面は、ダイ表面から前記センサプレート本体に力を伝達することができ
る請求項
19に記載のセンサプレートアセンブリ。
【請求項21】
前記センサプレートアセンブリは、ダイモジュールの環状チャネル内に配置されるように構成され、前記歪みセンサおよび前記温度センサは、前記ダイモジュール内のワイヤチャネル内に配置可能な複数のワイヤによって前記電気インターフェースに結合され、前記ワイヤチャネルは、前記環状チャネルと前記ダイモジュールの外部キャビティとの間の経路を提供す
る請求項
18に記載のセンサプレートアセンブリ。
【請求項22】
前記歪みセンサに対向して前記センサプレート本体上に配置された複数の隆
起面をさらに含み、前記複数の隆
起面は、ダイ表面から前記センサプレート本体に力を伝達することができ
る請求項
21に記載のセンサプレートアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本アセンブリは、概して、缶成形工具パックアセンブリに関する。特に、このアセンブリは、工具パックアセンブリ内の構成要素を監視する機能を有するデータ監視システムに関する。より詳細には、本アセンブリは、内部工具パック構成要素に関するデータを読み取り、送信する工具パックアセンブリ内に配置するためのセンサプレートアセンブリに関する。
【発明の概要】
【0002】
工具パックアセンブリは、金属ブランクの絞り加工及びしごき加工において使用され、ツーピーススチール及びアルミニウム缶用の缶本体を成形する。工具パックアセンブリは、典型的には、材料の厚さを減少させるために、ラム装置の周りに運ばれ、配置された、より柔らかい素材を迅速に循環させるように係合する、固定および/または可動ダイ要素を収容する。ラムの移動軸に沿った、およびそれに垂直なダイ要素の空間制御は、製造、品質、および効率のために必須である。本明細書に開示される工具パックアセンブリおよびダイモジュールは、缶製造作業中に内部工具パック構成要素からデータを提供することによって、これらの製造パラメータを改善する。
【0003】
缶本体を成形するとき、缶ブランク材料と共に缶成形パンチは、再絞りダイ、しごきダイおよびスペーサを有する工具パックアセンブリに侵入する。缶本体と共にパンチが再絞りダイ及び各連続したしごきダイを強制的に通過するとき、横方向の力が発生する。再絞りダイおよび各しごきダイに配置された本明細書に開示されるセンサプレートアセンブリは、缶本体と共にパンチがアセンブリを通過するときに各ダイに加えられる力を表すデータを測定し、送信する。パンチが、缶材料を成形ダイに押し込む際に発生する力が、センサプレート上に加えられ、これらの力は、センサプレートアセンブリを介して測定され得る。パンチおよび成形された缶は、工具パックアセンブリを出て、パンチは、工具パックの周囲に成形された容器なしで工具パックを通って戻る。
【0004】
本明細書に開示される各センサプレートアセンブリは、工具パックアセンブリのモジュール内に嵌合するように構成および配置される。センサは、缶本体が成形されているときに各缶成形ダイに加えられる歪みまたは力を感知するために、各センサプレート本体上で使用される。これらのセンサからの信号は、回路によって処理され、分析のために送信されてもよい。センサは、工具パックアセンブリの外部のデータ収集ポイントとの無線通信、すなわちRFID(無線周波数識別)であってもよいが、有線接続を使用してもよい。缶成形ダイ上の合力は、センサプレート上の既知の位置にあるいくつかのセンサから来る個々の力信号を利用して計算することができる。さらに、個々のセンサ間の力の差を利用して、成形ダイ上の不均等な力を示すことができる。これらの力信号は、電子的に処理され、缶製造プロセスにおける欠陥を示すために使用されてもよい。
【0005】
各センサプレートアセンブリの内部構成要素は、エラストマシールによって環境から密封することができる。通路は、工具パックの外径に到達するための電気信号および電力供給ワイヤのための導管を形成するために設けられる。電子回路およびアンテナは、工具パックモジュールの外径上のキャビティ内に配置されてもよい。電子構成要素およびアンテナは、キャビティを充填し、キャビティの含有量を封入する硬化シーラントなどを使用することによって、機械的および化学的に保護することができる。センサプレートアセンブリは、缶成形ダイおよびダイの特定の部分の温度を測定するための温度測定機器を含んでもよい。
【0006】
センサプレート本体は、ダイ力の力をプレート円周の周りの特定の位置に集中させる働きをする隆起面のアレイを含むことができる。センサは、隆起面の反対側に配置され、それによって、缶成形ダイから誘発される歪みを感知することができる。
【0007】
センサプレートアセンブリの力センサおよび温度センサから収集されたデータは、例えば、工具パックダイおよび成形パンチが再研削または交換のために工具パックから取り外されるべきときを示すことができるダイ摩耗特性を監視するために利用され得る。これにより、缶製造者は、ダイ及びパンチの使用を最適化することができ、それにより、それらの寿命を延ばすことができる。
【0008】
センサプレートアセンブリの力センサおよび温度センサから収集されたデータは、例えば、成形されている材料上に存在する初期潤滑の不足または変化を監視するために、および/または工具パック構成要素を通って流れる冷却剤の量、温度、または有効性の変化を監視するために利用され得る。
【0009】
センサプレートアセンブリの力センサおよび温度センサから収集されたデータは、例えば、中心から外れたパンチ打撃を測定し、仕様外のボディメーカ移動構成要素を決定および予測するために利用され得る。
【0010】
センサプレートアセンブリの力センサおよび温度センサから収集されたデータは、例えば、初期工具パックダイ進行デザインを最適化するために、および/または仕様外の原缶材料を示すために利用され得る。缶成形ダイの温度が上昇するにつれて、ダイの直径が増大する。製造中のダイの温度を利用して、監視システムは、工具パックに導入される冷却の量を変更させて、一貫したダイの温度を維持し、したがってダイの直径の変更を最小限に抑えることができる。これにより、缶製造業者は、より厳しい公差のために、より薄い原材料を稼働させることができ、それによって製造コストを低減することができる。
【0011】
本明細書に記載されるシステムの利点は、缶製造中に成形ダイ温度およびダイに加えられる力を測定する機能であり、缶成形プロセスの重要な側面を監視することを可能にする。
【0012】
別の利点は、仕様から外れている、または仕様から外れて摩耗しているボディメーカ、ボディメーカパンチ、またはボディメーカ構成要素を示すことができる、工具パックを通る中心から外れたパンチ打撃を測定することである。
【0013】
さらなる利点は、缶製造中に工具パックダイの温度を測定し、工具パックを貫流する冷却剤の量を制御または変化させることで、冷却剤の節約および冷却剤の供給に関連するエネルギーの節約につながる。
【0014】
本明細書に開示される工具パックアセンブリの例示的な実施形態のこれらおよび他の利点は、図面を参照することによって以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係るセンサプレートを有する工具パックアセンブリの断面図である。
【
図2】本発明に係る工具パックスペーサ
成形ダイと組み合わされた工具パックスペーサと組み合わされたセンサプレートアセンブリを示す拡大断面図である。
【
図3】本発明に係るセンサプレートアセンブリの平面図である。
【
図4】本発明に係る
ボディメーカクレードル内の工具パックアセンブリの断面図である。
【
図5】本発明に係るセンサ
プレートアセンブリの別の平面図である。
【
図6】本発明に係る成形ダイに取り付けられたセンサ
プレートアセンブリの断面を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書に開示される工具パックアセンブリおよびダイモジュールは、缶製造作業中に内部工具パック構成要素からデータを提供する。温度および歪みセンサは、工具パック内で利用され、工具パックアセンブリの外部のデータ収集ポイントと無線通信する。温度および歪みデータは、装置の動作中に工具パックダイ上の合力を測定し、工具パックダイに対するラムまたはパンチの同心性を測定し、それによってダイセットを通る中心から外れたパンチ移動を検出し、最適な缶本体の厚さを保証するために工具パック内で利用される冷却剤の量を調整するために利用されてもよい。
【0017】
本明細書に開示される工具パックアセンブリは、缶製造中に工具パックに含まれる成形ダイのいずれかの温度を測定することができる。温度は、非接触または接触ベースの温度測定のいずれかによって測定することができる。非接触温度測定は、成形ダイから放射される熱プロファイルを監視することによって行うことができる。接触測定は、センサプレートの監視面から直接的な温度読み取りを行うことによって行うことができる。
【0018】
本明細書に開示される工具パックアセンブリは、缶製造中に工具パックに含まれる成形ダイのいずれかの力を測定することができる。力の測定は、ダイホルダの監視面のたわみを測定することによって行うことができる。本発明は、缶成形ダイから監視面に加えられる力を感知する、監視面に取り付けられたセンサを含む。センサは、監視面に円形アレイ状に配置される。センサアレイは、パンチおよび缶ブランクが缶製造中にダイを強制的に通過させられる間に、生成された電気信号が、ダイ上の合力および方向力の両方を示すことを可能にする。
【0019】
収集された温度データと力データの両方は、工具パックからボディメーカ上のデータ収集ポイントに送られる。このプロセスは、工具パック内の監視電子機器に誘導的に電力を供給することと、工具パック構成要素内に埋め込まれたアンテナおよびボディメーカ上に配置されたアンテナを介して、収集されたデータを無線で送受信することとを含む。
【0020】
図1は、代表的な工具パックアセンブリ10の断面を示し、センサプレートアセンブリ20A~20Eの例は、それらの機能を実行する位置にある。缶成形パンチは、図面に示すように、缶ブランク材料
と共に右から工具パックに
入る。缶原料が再絞りダイ11を通ってパンチの周りに押し込まれると、横方向の力が再絞りダイキャリア16内の感知プレート20Aに発生する。これらの力は、
図4の説明で説明したように測定され、処理される。
パンチ及び部分的に
成形された
缶は、
次に、工具パック内の第1の
しごきダイ12に進
む。缶成形ダイの間には、冷却剤スペーサアセンブリ15A~15Dがある。
【0021】
缶材料が
しごきダ
イ12を通って押し出されると、力はスペーサモジュール15B内に埋め込まれたセンサプレート20B上で感知される。これらの力は、
図2~3の説明で説明したように測定され、処理される。缶成形プロセスは、缶製造パンチおよび部分的に成形された缶が、第2の
しごきダイ13および第3の
しごきダイ14などの他の缶成形ダイを通って進むにつれて、工具パックアセンブリを通って完了する。これらの成形ダイは、それぞれのダイホルダ15Cおよび15Dに取り付けられたセンサプレート20Cおよび20Dを介して力について監視される。ボルスタープレート18は、クランプされるべき工具パックのための固定された平坦な表面を提供する。缶
メーカが使用される前に、クランプ力が工具パックアセンブリの前縁に与えられる。この
クランプ力は、缶成形プロセスの間、すべての工具パック
構成要素が互いに対して、およびボルスタープレートに対してしっかりと着座することを確実にする。センサプレートアセンブリ20Eは、
合力および任意の
中心から外れた力を感知するために、他の工具パック
構成要素と同様に使用されてもよい。缶パンチと成形
された缶は、工具パックから
図1の左側に
出る。パンチは、
次に、その周囲に成形容器を
成形することなく、工具パックを通って戻る。
【0022】
図2は、センサプレートアセンブリ20が設置された、例示的な工具パックモジュール15の断面図を示す。センサプレートアセンブリ20はリング形状であり、したがって、
図2は、リングの一部分を通る断面のみを示すことに留意されたい。センサプレートアセンブリの内側構成要素は、エラストマシール22(外側シール)および23(内側シール)
の手段によって環境からシールされる。センサプレート本体21は、工具パックモジュール15の環状チャネル17内に嵌合する。通路25は、センサプレート20と工具パックモジュール15の外径との間に延在し、電気信号および電力供給ワイヤ26のための導管を形成する。外周キャビティ27は、工具パックモジュールの外径上に配置され、電子回路およびアンテナ28または追加のアンテナ(図示せず)を含むことができる。電子
構成要素29およびアンテナ28は共に、キャビティ27を充填し、キャビティの含有量を封入する硬化シーラント34を使用することによって機械的および化学的に保護することができる電子素子30を備える。温度測定センサ24は、缶成形ダイ12の温度を測定するセンサプレートアセンブリ20内に存在してもよい。一例として、温度センサ24は、熱電対、抵抗温度検出器、サーミスタ、または非接触温度センサとすることができる。パンチが缶材料を
図2の左から右に成形ダイ12に
押し進めると、発生した力がセンサプレート20に加えられる。この力は、センサプレートアセンブリ20を介して測定される。
【0023】
図3は、センサ
プレートアセンブリ20の裏側(すなわち、
図1に示される
プレートの左側)およびその
構成要素を示す。センサプレート本体21は、円周の周りの特定の位置にダイ力の力を集中させるのに役立つ隆起したダイ感
知面35A~35Dのアレイ(4つの歪みゲージの反対側のセンサプレートの側に)を含む。歪みセンサ31は、歪みゲージ作動ブリッジ32A~32Dに適用される。
歪みゲージ作動ブリッジは、ブリッジ32A~32Dの間の
プレートよりも厚い隆起領域であり、言い換えれば、ブリッジは隆起し、それらの間の楔形領域は凹部である。論じたように、4つのブリッジが
図3に示されており、システムが中心から外れたパンチを検出することを可能にするために、センサプレートの1つの象限に集中した力だけでなく合計の力も測定することができる。
【0024】
歪みセンサ31(4つが示されているが、他の構成も可能である)は、缶成形ダイから誘発される歪みを感知する。これらのセンサからの信号は、アンテナキャビティ27内に存在する回路基板33または回路29の間で共有される回路上で処理することができる。缶成形ダイからの合力は、センサプレート上の既知の位置にあるいくつかのセンサ31からの個々の力信号を利用して計算することができる。成形ダイ上の等しくない力は、個々のセンサ31間の力の差を利用して決定することができる。これらの力信号は、電子的に処理され、缶製造プロセスにおける欠陥を示すために使用され得る。
【0025】
図4は、代表的な
ボディメーカクレードル40内の作動位置に設置されたセンサプレート20を有する例示的な工具パックアセンブリ10を示す。
ボディメーカクレードル40は、缶製造プロセス中に工具パックアセンブリ10を所定位置に支持するアセンブリである。工具パック
アセンブリ10は、クレードル40内でガイド41上に正確に載置され、工具パックハンドル42上で半径方向に配向される。冷却剤および空気は、
ボディメーカクレードル蓋43、
ボディメーカクレードル蓋シール44を通り、工具パック10に入る。
ボディメーカクレードル蓋43及び
ボディメーカクレードル蓋シール44は、ラッチ機構45を介して機械的に所定位置に保持される。アンテナおよび電子機器からなる電子感知装置46は、工具パックモジュールの円周上のアンテナの近くでセンサを機械的に支持するホルダ47内に取り付けられる。工具パックの近くに取り付けられた電子感知/アンテナ装置46は、工具パック
アセンブリ10内に配置されたセンサプレート
アセンブリ20に取り付けられたアンテナ28に電力を誘導的に伝達する。この電力は、センサプレート工具パック構成要素内の
電子機器のためのエネルギー源として、それらの個々のアンテナおよび
電子機器を介して使用される。工具パック10の近くに取り付けられた外部電子感知/アンテナ装置46は、工具パックセンサプレート
構成要素と、工具パックアセンブリ10の外部に取り付けられた装置46内の外部アンテナとの間でデータを転送するためにも利用される。電
力およびデータ源は、ケーブル48を介して外部アンテナに接続される。しかしながら、上述したように、有線接続も可能である。有線接続が使用される場合、1組のワイヤが、1つまたは
それ以上の工具パックモジュールの通路25を通り、電子素子30と電子感知/アンテナ
装置46との間に示される無線ギャップを横切って延び、その点から、システムの動作は、無線電力およびデータインターフェースと同じである。
【0026】
図5は、センサプレートアセンブリ20およびその
構成要素の前面を示す。センサプレート本体21は、円周の周りの特定の位置にダイ力の力を集中させる働きをする隆起したダイ感
知面35A~35Dのアレイを含む。上述したように、これら
の面は、パンチ力をセンサプレートの前部から、缶が
成形されるときにダイにかかる力を測定するために4つの対応する
歪みゲージが配置される裏側に伝達するのに役立つ。また、説明したように、必要に応じて、より多くのまたはより少ない歪みゲージおよび対応する部品(32および35など)も可能である。温度センサ24も示されているが、この素子は、ダイとの接触によって温度を感知することができるが、他の位置で温度を測定することもできる。
【0027】
図6は、センサプレートアセンブリおよび関連する
構成要素の拡大断面図であり、既に上記でより詳細に論じたセンサプレート
構成要素を示す。
【0028】
本発明のセンサプレートアセンブリで利用される力センサまたは歪みセンサおよび温度センサは、様々な構成を有することができる。例えば、4つの歪みゲージを歪みゲージマウントに適用することができる。歪みゲージは、個別に取り付けられ、制御基板に配線されてもよく、または単一のフレキシブル回路に統合され、歪みゲージマウントに取り付けられてもよい。RFID制御回路は、工具パックモジュールの外周上のアンテナに延びるリード線を有するフレキシブル回路に統合されてもよく、または、RFID装置およびアンテナは、歪みゲージに延びるリード線を有するモジュール外周にエポキシ樹脂で接着された単一ユニットであってもよい。RFIDシステムは、例えば、約1/8インチの距離から受信/送信アンテナから約2.5インチの距離まで動作することができるが、他の距離も可能である。ボディメーカクレードル蓋43に取り付けられたアンテナは、1つから6つの個々のRFID対応成形ダイ/ホルダ/モジュールの間で読み取ることができる。ボディメーカクレードル蓋に取り付けられたアンテナは、例えば、6~10フィートの間で、制御システムに電気的および機械的にルーティングされ得、次いで、イーサネット(登録商標)IPまたは他の通信システムを介して情報を出力し得る。
【0029】
RFIDシステムは、好ましくは、モジュールごとにRFID装置またはアンテナと、ボディメーカクレードル蓋内の受信RFIDアンテナとを含む。各RFIDユニットは、好ましくは、データ記憶のためのいくつかのメモリを含み、各RFIDユニットは、好ましくは、バッテリなしで動作する。温度の読み取りは、3~5秒毎に約1回行うことができるが、異なる間隔も可能である。歪みゲージの読み取り値は、4象限の読み取り値の合計と、各ゲージからの個々の読み取り値とを介して、ダイ上の総圧を提供することができる。個々の読み取り値は、工具パックに対するパンチの位置合わせまたは再位置合わせに関する情報を提供するために使用することができる。
【0030】
本明細書に記載され、示される工具パックアセンブリの実施形態に多くの変更が可能であるので、上記の説明および添付の図面は、例示的なものとして解釈されるべきであり、限定された意味で解釈されるべきではない。