(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】端部耐水腐植するシート付稲苗マット。
(51)【国際特許分類】
A01G 24/46 20180101AFI20220111BHJP
【FI】
A01G24/46
(21)【出願番号】P 2020029878
(22)【出願日】2020-02-04
【審査請求日】2020-02-04
(31)【優先権主張番号】P 2019075914
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】596090823
【氏名又は名称】若松 大朔
(72)【発明者】
【氏名】若松 大朔
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-136053(JP,A)
【文献】特開2001-016932(JP,A)
【文献】特開平09-308399(JP,A)
【文献】実開昭47-008604(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 24/00-24/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後端部の腐植するシート付苗マットの湛水苗代で、水による腐食を防ぐため、田植え機の移植爪で破砕出来る耐水物資である蝋等を、後端部シートの水浸する部分に表裏塗布・浸漬し,対応する苗マットの前端部底面に塊状等のルートマットを形成した、端部耐水腐植するシート付稲苗マット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
苗代培土代替軽量稲苗マット相互の田植機上における、確実な接続方法に関する。
【発明の概要】
【0002】
この発明は、在来より長い育苗箱に、籾殻苗マット・ロックウールシート・尿素樹脂シート・木材パルプ成形等の苗代培土代替軽量苗マットを敷き、覆土は省き毛羽だった綿不織布・落綿シート等腐植するシート状資材を替わりに苗代培土代替軽量苗マット表面に敷いて,播種した種籾の棘毛・禾を、その毛羽に絡ませて固定する、特
許4348652号による方法を用いる。
育苗箱の後端部から腐植するシート状資材を数十cm延ばし、種籾を播種せずに、
図1に示す後端部マジック布付苗マットとする。
この苗代培土代替軽量苗マットの後端部分・後端部シート付苗マットの苗箱のシート対応部分の育苗箱底には、小穴・,凹部が設けられ、筆状・塊状ルートマット(根群)が
図3のように形成される。
毛羽だった後端部マジック布と捧状、筆状・塊状のルートマット(根群)を重ねると相互に絡みあい、いわゆるマジック効果で接着する。
この、大型化・連続化・重量増加(必要あれば加水・水浸)により変形・移動を防げる。
然しながら、後端部シート付苗マットは、湛水苗代で育成するので、苗生育時に水浸するため水を吸収する苗マットとシートとの接続部が特に腐植しやすい。
耐水性のシートは、田植え機の移植爪で欠き取り難く、土中にも永く残存する。
これを防ぐには、田植え機の移植爪で破砕出来る耐水物資である蝋・パラフィンまたは漆等を、腐植するシー卜の水浸する部分に表裏塗布・浸漬すれば良い。
他方法として、種籾の発芽後、育苗箱の後端部の苗代培土代替軽量苗マット底面に耐水処理したシート^を十数cm端部から延ばして装着してもよい。
湛水苗代で棒状、筆状・塊状のルートマット形成を簡単に行うには、2枚のポリエチレンフィルム間に多数の空気入り小球を設けた、プチプチと呼ばれる緩衝シートを、根切シートとして
図2ように育苗箱底に敷けばよい。
【発明が解決しようする課題】
【0003】
以下、苗代培土代替軽量苗マットの代表例として、実施例のある籾殻苗マットを取り上げる。
籾殻苗マットを乗用田植機の植え付け面(苗のせ台)に展開した場合、摺動する苗かきとり面への苗の粘着は、籾殻苗マットには、起こらないが、先に下部に解舒し田植機の植え付け面に展開した籾殻苗マットの後端部と、追加した籾殻苗マット前端部との接合(接ぎ苗)は、不良となり欠株が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
欠株が生じる原因苗代培土代替軽量の籾殻苗マットの軽量と柔軟性にある。
苗代培土は、保水性のある造粒した土で作られ、一般的には、造粒床土・育苗培土・苗代培土と呼ばれる。これに水をかけると、土粒が相互に結着して板状となり剛性を現す。
水を含んだ苗代培土苗マットは、籾殻苗マットより数倍重く、板状の剛性を持ち
籾殻苗マットの上記の欠点を持たない。
後から籾殻苗マットを、籾殻苗マットの田植機に追加補充した場合、下の籾殻苗マット
柔らかくなって、移動・変形しやすい。
本発明は、下の籾殻苗マットの数センチ長さの残部の変動・変形と、変形部
かきとり過大による不整形化を防ぎ、稲苗を正しくかきとり、代掻き後の田に正しく植え付ける、きちんとした整列植え付けを可能にする。
図をもって説明すれば、
図1の1はロング育苗箱で、在来の育苗箱2枚の短辺のひとつを除いて合せ、合せ部分上面縁に断面がコの字型の金具4を被せ、ブラインドリベット又はセルフタッピン螺子・リベットで
図1のように止める。
出来あがったロング育苗箱1の長辺は在来の育苗箱2枚分120cm弱となる。
殻苗マット等の苗代培土代替軽量苗マットをロング育苗箱1に敷き特許
第4348
敷いて,播種した種籾3の棘毛・禾が腐植する資材の毛羽に絡み固定される機能を応用する。
籾殻苗マットの端は、ほつれやすいので、腐植するシート小片を底面に敷き、
図3の様に折って、籾殻苗マット2の前・後端部を包み、整形補強する。
マジック布前端対応部分以外の種籾3の根は、籾殻苗マット2を貫通して、ロング育苗箱底部に敷いたポリエチレンフィルム等の根切りシートに遮られ絨緞状のルートマット
1
3になる。
【発明の効果】
【0005】
このように、籾殻苗マット搭載田植機の下位搭載の籾殻苗マットの数センチ長さのかきとり残部の変動・変形と、変形部かきとり過大による不整形化を防ぎ、稲苗
を正しくかきとり、代掻き後の田に正しく植え付ける、整列植え付けを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4】
図4は
図1の接合時の長辺方向断面図(1ロング育苗箱、7架台は取り除いてある)
【発明を実施するための形態】
【0007】
育苗箱の後端部から、浸水部部分に破砕する耐水処理をした、毛羽だった腐植するシ ートを数十cm延ばし、種籾を播種せずに、
図1に示す後端部シート付苗マットとする 。
後端部シート付苗マットの苗箱の前端部育苗箱底には、多数の空気入り小球を設けた 緩衝シートを根切シートとして多数の,凹部が設けられ、塊状等のルートマット(根群 )が形成される。
毛羽だった後端部シートと塊状等のルートマット(根群)を重ねると相互に絡みあい 、いわゆるマジック効果で軽く接着する。
苗マット相互の一体化の大型化・重量増により変形・移動を防げる。
【符号の説明】
【0008】
1はロング育苗箱
2は籾殻苗マット
3は催芽籾
4は止め金具
5は毛羽だった後端部マジック布
7は毛羽だった後端部マジック布の架台
6は毛羽だった腐植するシート状資材
8は前端部育苗箱底の小穴
9は前端部育苗箱底の窪み
10は隗状籾の根
11は筆状籾の根
12は毛羽だった後端部マジック布の重石
13はルートマット
14は後端部腐植するシートの水浸部分で蝋等を塗布等する部分。