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  • 特許-食品搬送装置 図1
  • 特許-食品搬送装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】食品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 33/08 20060101AFI20220111BHJP
   B65G 47/31 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
B65H33/08
B65G47/31 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020184418
(22)【出願日】2020-11-04
【審査請求日】2020-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000141509
【氏名又は名称】株式会社紀文食品
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】山口龍
(72)【発明者】
【氏名】河田健司
(72)【発明者】
【氏名】森井勤
【審査官】飯田 義久
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-121475(JP,A)
【文献】特開2000-288984(JP,A)
【文献】特開平06-179402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 33/08
B65G 47/00-47/20
A21C 1/00-15/04
A23L 23/00-25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質の平たい食品を、その先端を下向きにした状態で、順次一定間隔をあけて供給する供給手段と、
該供給手段から供給される食品を受け取り載置して所定方向に搬送する搬送面を有する搬送手段であって、該供給手段から順次受け取る食品を所定数ごと該所定方向でずらして重ね一組として搬送するようにした搬送手段と
を有し、
該搬送手段は、
該一組として重ねられる所定数の食品の1番目の食品の先端が該搬送面に達するときに、該搬送面を該所定方向に変位させることにより、該1番目の食品がその先端から後端にわたり平たい状態で該搬送面上に載置されるようにし、
該載置が完了した時点で、該搬送面を所定量だけ該所定方向とは逆方向に変位させることにより、該供給手段から次に供給される2番目食品の先端が該搬送面に載置されている該1番目の食品の先端よりも所定間隔だけ後方にずれた位置となるようにし、
該2番目の食品の該先端が該1番目の食品に達するときに、該搬送面を該所定方向に再度変位させることにより、該2番目の食品がその先端から後端にわたり平たい状態で、該1番目の食品上に部分的に重なるようにして該搬送面上に載置されるようにし、
該一組が3以上の食品からなるものである場合には、3番目以降の各食品に対しても、該2番目の食品の該搬送面上への載置のために行ったと同様に、該搬送面を該逆方向及び該所定方向へ変位させ、
該所定数の食品が相互に部分的に重ねられて該一組の食品が作られた段階で、該搬送面を該所定方向に変位させて停止し、
該供給手段から続けて供給される食品に対しても、該搬送面を前記と同様に変位させるように構成されていることを特徴とする食品搬送装置。
【請求項2】
該搬送手段が、該食品を搬送する該所定方向における上流端から下流端に延び該搬送面を画定する上部走行部、該下流端から該上流端に延びる下部走行部を有する無端コンベアとされている請求項1に記載の食品搬送装置。
【請求項3】
該無端コンベアが相互に平行に2つ設けられるとともに、該供給手段が該2つの無端コンベアに対応して2つ設けられている請求項2に記載の食品搬送装置。
【請求項4】
該供給手段が、該所定方向における上流端から下流端に延びる上部走行部及び該下流端から該上流端に延びる下部走行部を有する無端コンベアを有し、該供給手段の無端コンベアの該下流端が該搬送手段の無端コンベアの上部走行部の上方位置とされ、食品をその先端部を下に向くようにして該搬送手段の無端コンベアの上部走行部上に供給するようにされている請求項2又は3に記載の食品搬送装置。
【請求項5】
該搬送手段は、該所定方向において該搬送面に連続するように設けられ、該搬送面により搬送された該一組の食品を受け入れて該所定方向に搬送するための第2搬送面を有する請求項1乃至4の何れかに記載の食品搬送装置。
【請求項6】
該搬送面が該逆方向に変位されるときに、該一組の食品を作るために該搬送面上で重ねられており該逆方向へ変位されてくる食品の搬送方向最後尾の食品の後端に係合して、該最後尾の食品を前方に付勢してその位置の調整をする位置調整用部材を更に有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の食品搬送装置。
【請求項7】
搬送する食品が全体として平らで、搬送方向先端付近に具が内包されて隆起部分を形成しているワンタンとされ、該位置調整用部材はワンタンを前方に付勢することにより、順次重ねられたワンタンの該隆起部分が相互に押し付けられた状態とするようにされている請求項6に記載の食品搬送装置。
【請求項8】
該搬送手段は、該所定数のワンタンが相互に部分的に重ねられて該一組が作られた段階で、該搬送面を該所定方向に変位させる前に該逆方向に変位して、該一組のワンタンの該搬送方向最後尾のワンタンが該位置調整用部材によって前方に付勢されるようにする請求項7に記載の食品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば工場で生産されるワンタンのような軟質で平たい食品を相互にずらして重ね包装する技術に係り、特にそのような食品の所定枚数を一組として、各組ごとの食品を相互にずらして重ねた状態にして包装工程に送るための食品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場で生産されたワンタンは、見栄えをよくするなどのために、所定数のワンタンを相互に一列にずらして重ね、浅いトレーの中に一列や二列にして並べて包装することが行われる。その場合、生産工程において生産されたワンタンが複数の平行なラインに沿ってラインごとに順次搬送され、これを包装工程にいる作業員が手作業で所定枚数ごとにずらし重ねた状態で受け取り、トレーに入れるという方法が1つの方法としてとられている。
【0003】
このような方法では、作業員が順次搬送されてくるワンタンを一列にずらしながら重ね取る作業があり、この作業は熟練を要する。更に、作業員は上述の如くして重ね取ったワンタンを整えた状態でトレーに入れる作業があり、その作業も熟練を要する。
【0004】
特許文献1には、所定数の平たいパックハムを、相互にずらした状態で重ねて搬送する装置が開示されている。この装置では、第1ベルトコンベアで個々のパックハムを順次搬送して同ベルトコンベアの終端から放出し、それを第2ベルトコンベアにより受け取り、この第2ベルトコンベアを次に、受け取ったパックハムを僅かに前進させるよう移動して停止し、第1ベルトコンベアの終端から放出される次のパックハムを、先に受け取っているパックハムに重なるようにして受け取り、次に第2ベルトコンベアをこれらパックハムを僅かに前進させるように移動して停止し、同様にして更に次のパックハムを受け取るという動作を繰り返し、所定数のパックハムが重ねられると、重ねられたパックハムを急速に前進させるように第2ベルトコンベアを移動したのち停止し、更に順次送られてくる後続のパックハムに対して上記と同様の第2ベルトコンベアの動作を繰り返すようになっており、このようにして、所定数ごとに重ねられたパックハムを一組として包装する包装工程に搬送するようになっている。第2ベルトコンベア上に受け取られたパックハムは、第2ベルトコンベアの下に設置されているバキューム装置により第2ベルトコンベア上に吸着されて、上述のような第2ベルトコンベアの間欠的な動きによってその位置がずれることがないようにされている。
【0005】
特許文献2には、レトルトパックを所定数ごとに重ねて包装するための装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開平704448
【文献】特開2003-104586
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献に開示の装置では、パックハムやレトルトパックといった比較的硬質の材料を重ねた状態で包装する技術に関するものであるが、本発明は工場で生産されるワンタンのように軟質で平たい複数の食品を一列にずらして重ね搬送するのに適した食品搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る食品搬送装置は、
軟質の平たい食品を、その先端を下向きにした状態で、順次一定間隔をあけて供給する供給手段と、
該供給手段から供給される食品を受け取り載置して所定方向に搬送する搬送面を有する搬送手段であって、該供給手段から順次受け取る食品を所定数ごと該所定方向でずらして重ね一組として搬送するようにした搬送手段と
を有し、
該搬送手段は、
該一組として重ねられる所定数の食品の1番目の食品の先端が該搬送面に達するときに、該搬送面を該所定方向に変位させることにより、該1番目の食品がその先端から後端にわたり平たい状態で該搬送面上に載置されるようにし、
該載置が完了した時点で、該搬送面を所定量だけ該所定方向とは逆方向に変位させることにより、該供給手段から次に供給される2番目食品の先端が該搬送面に載置されている該1番目の食品の先端よりも所定間隔だけ後方にずれた位置となるようにし、
該2番目の食品の該先端が該1番目の食品に達するときに、該搬送面を該所定方向に再度変位させることにより、該2番目の食品がその先端から後端にわたり平たい状態で、該1番目の食品上に部分的に重なるようにして該搬送面上に載置されるようにし、
該一組が3以上の食品からなるものである場合には、3番目以降の各食品に対しても、該2番目の食品の該搬送面上への載置のために行ったと同様に、該搬送面を該逆方向及び該所定方向へ変位させ、
該所定数の食品が相互に部分的に重ねられて該一組の食品が作られた段階で、該搬送面を該所定方向に変位させて停止し、
該供給手段から続けて供給される食品に対しても、該搬送面を前記と同様に変位させるように構成されていることを特徴とする食品搬送装置を提供する。
【0009】
本発明に係る食品搬送装置では、所定数の相互に重なった食品が一組ずつ搬送されるので、例えば前述したワンタン包装工程に用いた場合、作業員は、トレーに入れるための所定数のワンタンを一組として受け取ることができるために、その作業はそれ程の熟練を要することなく効率よく行うことができるようになる。なお、上記記載から分かるように、一組を構成する食品の数が2である場合には、2番目の食品が搬送面上に載置された段階で、該搬送面が該所定方向に変位させて停止し、供給手段から続けて供給される後続の食品に対しても、該搬送面を同様に変位させて、2つの食品を重ねて一組としたものを順次作るようになっている。なお、「該所定数の食品が相互に部分的に重ねられて該一組の食品が作られた段階で、該搬送面を該所定方向に変位させて停止し、」というのは、該一組の食品が作られた段階で、該搬送面を「直ちに」該所定方向に変位させて停止することも、後述のように、該搬送面を一旦「逆方向」に変位させてから「該搬送面を該所定方向に変位させて停止」するようにすることも含まれる。
【0010】
具体的には、該搬送手段は、該食品を搬送する該所定方向における上流端から下流端に延び該搬送面を画定する上部走行部、該下流端から該上流端に延びる下部走行部を有する無端コンベアとされる。
【0011】
1つの実施形態では、該無端コンベアが相互に平行に2つ設けられるとともに、該供給手段が該2つの無端コンベアに対応して2つ設けられる。
【0012】
このような搬送手段の無端コンベアに対応して、該供給手段が、該所定方向における上流端から下流端に延びる上部走行部及び該下流端から該上流端に延びる下部走行部を有する無端コンベアを有し、該供給手段の無端コンベアの該下流端が該搬送手段の無端コンベアの上部走行部の上方位置とされ、食品をその先端部を下に向くようにして該搬送手段の無端コンベアの上部走行部上に供給するようにすることができる。
【0013】
該搬送手段は、該所定方向において該搬送面に連続するように設けられ、該搬送面により搬送された該一組の食品を受け入れて該所定方向に搬送するための第2搬送面を有するようにすることができる。
【0014】
本発明に係る食品搬送装置では、該搬送面が該逆方向に変位されるとき、該一組の食品を作るために該搬送面上で重ねられており該逆方向へ変位されてくる食品の搬送方向最後尾の食品の後端に係合して、該最後尾の食品を前方に付勢してその位置の調整をする位置調整用部材を更に有するようにすることができる。
【0015】
本発明に係る食品搬送装置の一実施形態では、搬送する食品が全体として平らで、搬送方向前端付近に具が内包されて隆起部分を形成しているワンタンとされ、該位置調整用部材はワンタンを前方に付勢することにより、順次重ねられたワンタンの該隆起部分が相互に押し付けられた状態とするようにすることができる。
【0016】
この場合、該搬送手段は、該所定数のワンタンが相互に部分的に重ねられて該一組が作られた段階で、該搬送面を該所定方向に変位させる前に該逆方向に変位して、該一組のワンタンの該搬送方向最後尾のワンタンが該位置調整用部材によって前方に付勢されるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明を適用したワンタンを包装工程に搬送するための食品搬送装置の概念的構成を示す側面図である。
図2図1に示す食品搬送装置の要部の概要を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図示の本発明の一実施形態に係る食品搬送装置10は、図示しないワンタン製造工程において作られたワンタンWを順次供給する供給手段12と、該供給手段からワンタンWを受け取り載置して図示しないワンタン包装工程に向けて搬送する搬送手段14とを有する。図2に示すように、この実施形態に係る食品搬送装置10は、2つの供給手段12と各供給手段12に対応する2つの搬送手段14を有し、ワンタンWはそれらが構成する2列の搬送経路に沿って搬送されるようになっているが、各搬送経路における供給手段12及び搬送手段14の搬送動作は同じであり、以下の説明では、特に述べる場合以外は、一方の搬送経路を構成する供給手段12及び搬送手段14について説明する。
【0019】
供給手段12は、具体的には、搬送方向Aを基準として上流端(図示せず)から下流端12aに延びる上部走行部12bと、下流端12aから上流端に延びる下部走行部12cとを有する無端コンベア12Aを有しており、この無端コンベア12AはワンタンWを上部走行部12bに一定間隔をあけて載置して図で見て右方に搬送して下流端12aから搬送手段14に排出(供給)する。搬送手段14は、無端コンベア12Aと搬送方向で整合された無端コンベア14-1を有しており、この無端コンベア14-1は、無端コンベア12Aの下流端12aよりも上流側の下側に位置決めされた上流端14aと無端コンベア12Aの下流端12aから下流方向で離れた位置にある下流端14bとの間に延びる上部走行部14cと、下流端14bから上流端14aに延びる下部走行部14dとを有しており、無端コンベア12Aの下流端12aから排出されて(図2に一点鎖線で示すように)先端が下向きにされて供給されるワンタンWを上部走行部14cが画定する搬送面(上部走行部の上向面)14eで受け取り該搬送面14e上に載置して包装工程に向けて下流方向に搬送する。図示の例では、搬送手段14は無端コンベア14-1に搬送方向A下流側で整合された第2の無端コンベア14-2を有しており、無端コンベア14-1によって搬送されたワンタンWを受け取り包装工程に向けて搬送するようになっている。
【0020】
本発明に係る食品搬送装置10では、供給手段12の無端コンベア12Aから順次供給されるワンタンWを、搬送手段14の無端コンベア14-1で所定数ごとに搬送方向で少しずつずらした状態で重ねて一組Sとして、第2の無端コンベア14-2に渡し、第2の無端コンベア14-2がワンタンWを組Sごとに間隔をあけて包装工程に向けて順次搬送するようになっている。搬送手段14によるこのようなワンタンの搬送動作は以下のようにして行われる。
【0021】
すなわち、無端コンベア14-1は、その上部走行部14cの搬送面(上向面)14eを先ず、上述した一組として重ねられる所定数(図示の例では5枚)のワンタンの最初(第1)のワンタンW1の先端Waが該搬送面14eに達するときに搬送方向Aに変位することにより、第1のワンタンW1がその先端Waから後端Wbにわたり平たい状態で搬送面14e上に載置されるようにする。その載置が完了した時点で、搬送面14eを所定量だけ上述の搬送方向Aとは逆方向に変位することにより、無端コンベア12Aから次に供給される第2のワンタンW2の先端Waが搬送面14eに載置されている第1のワンタンW1の先端Waよりも所定間隔だけ後方にずれた位置となるようにする。この第2のワンタンW2の先端Waが最初のワンタンW1に達するときに、搬送面14eを搬送方向Aに再度変位することにより、図示にように第2のワンタンW2がその先端Waから後端Wbにわたり平たい状態で、最初のワンタンW1上に部分的に重なるようにして搬送面14e上に載置されるようにする。続けて、無端コンベア12Aから順次供給される後続(図示の例では第3~第5)の各ワンタンW3-W5に対しても、第2のワンタンW2のために行った搬送面14eの搬送方向Aと逆方向及びそれに続く搬送方向Aへの変位を行い、それにより所定数(5枚)のワンタンW1-W5が相互に重なった時点で、搬送面14eを搬送方向Aに変位することにより、この相互に重なった所定数のワンタンを一組Sとして搬送方向Aに搬送し第2の無端コンベア14-2に渡して停止し、無端コンベア12Aによって更に連続的に供給される後続の各ワンタンに対しても、搬送面14eの上述と同様の搬送方向A、搬送方向Aと逆方向及び再度の搬送方向Aへの変位を繰り返して、相互に重なった所定数のワンタンを一組Sとして、それぞれ第2の無端コンベア14-2に渡す。第2の無端コンベア14-2は連続的に駆動されており、無端コンベア14-1から渡される組とされたワンタンを相互に間隔をあけた状態で包装工程へ搬送する。第2の無端コンベア14-2は、包装工程での作業員による包装作業がしやすいように比較的低速で駆動される。なお、本実施形態に係る食品搬送装置10においては、ワンタンW1-W5を相互に重ねるために行われる無端コンベア14-1の搬送方向A及びその逆方向への速度は同じとされ、重ねられたワンタンW1-W5の組Sを搬送方向Aへ動かすときの無端コンベア14-1の速度はそれよりも速いものとされるが、それぞれの速度は任意に設定することができる。
【0022】
図1に示すように、供給手段12の無端コンベア12Aの下流端の下には、無端コンベア12Aの横断方向に延び、搬送手段14の無端コンベア14-1の上部走行部14cの搬送面14eにほぼ接するようにされ位置調整部材16が設けられている。この位置調整部材16は、ワンタンWが無端コンベア12Aから無端コンベア14-1に供給されて搬送方向Aに変位された後、逆方向に変位されるときに、該ワンタンWの後端Wbに係合し、該ワンタンWを止めて搬送方向Aに付勢するようになっており、これにより該ワンタンWがそれに先行するワンタンWに対して位置調整がされるようになっている。具体的には、ワンタンWは全体として平たい形状とされており、搬送方向での先端近くに具を内包し、この先端近くが他の部分よりも隆起した形状とされており、位置調整部材16によって止められて搬送方向Aに付勢されたワンタンWはその隆起した部分が、先行するワンタンWの隆起部分に押し付けられるようにすることにより、搬送方向Aでずらしながら積み重ねられるワンタンW相互をしっかりと組み合わせた状態にする。なお、本実施形態においては、所定数(5枚)のワンタンW1-W5が相互に重なった時点で、搬送面14eを搬送方向Aに変位する前においても、上記逆方向に変位して搬送方向最後部(5枚目)のワンタンW5が位置調整部材16によって前方に付勢されて先行する(4枚目の)ワンタンに押し付けられてから、搬送方向Aに搬送されて停止されるようになっている。
【0023】
図2に示すように、上述した供給手段12及び搬送手段14は2列設けられているが、ワンタンWの組Sを作るタイミングが異なるようにされている。このようにワンタンWの組Sをずらして包装工程に搬送するようにすることにより、一人の作業者が搬送されてくるワンタンWの組Sの包装作業を無理なく行うことを可能とする。
【0024】
本発明に係る食品搬送装置の一実施形態につき述べたが、本発明に係る食品搬送装置はこれに限定されるものではない。例えば、無端コンベア12A、14-1,14-2は図示の例では、それぞれ1つの無端ベルトから構成されるものとしたが、より細い無端ベルトやコード状部材を無端にしたものを相互に平行に設定して1つの無端コンベアとすることができる。また、供給手段12及び搬送手段14からなる搬送経路が2列のものを示したが、3列以上の複数にすることもできる。供給手段12は、ワンタンを無端コンベア12Aにより搬送し供給するものとしたが、単純に平たい食品を扱う場合は、そのような食品を製造する製造装置から、製造した食品を搬送手段14の無端コンベア14-1上に直接供給するようにすることもできる。
【符号の説明】
【0025】
食品搬送装置10
供給手段12
無端コンベア12A
下流端12a
上部走行部12b
下部走行部12c
搬送手段14
無端コンベア14-1
第2の無端コンベア14-2
上流端14a
下流端14b
上部走行部14c
下部走行部14d
搬送面(上部走行部の上向面)14e
位置調整部材16
ワンタンW
先端Wa
後端Wb
【要約】
【課題】軟質の平たい食品を所定数ごとに部分的に重ねた状態で搬送する。
【解決手段】食品Wをその先端を下向きにした状態で、順次一定間隔をあけて供給する供給手段12と、供給手段から順次受け取る食品Wを所定数ごと搬送方向でずらして重ね一組として搬送するようにした搬送手段14とを有する。搬送手段14は食品Wを受け取り載置する載置面14eを備え、該搬送面を搬送方向A及びその逆方向に間欠的に変位させることにより、受け取る食品を搬送方向でずらしながら所定数重ねて一組として、組ごとに間隔をあけて搬送する。
【選択図】図1
図1
図2