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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】家電製品用底脚及び家電製品
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/02 20060101AFI20220111BHJP
   D06F 37/20 20060101ALI20220111BHJP
   D06F 37/26 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
F16F15/02 L
D06F37/20
D06F37/26
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020502636
(86)(22)【出願日】2018-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-08
(86)【国際出願番号】 CN2018095560
(87)【国際公開番号】W WO2019015530
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-09-29
(31)【優先権主張番号】201710601953.7
(32)【優先日】2017-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】518357782
【氏名又は名称】青島海爾智能技術研発有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】李洋
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105755757(CN,A)
【文献】特開2005-013748(JP,A)
【文献】特開平02-072298(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105757408(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第00943859(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 21/00-25/00
37/00-37/42
39/12-39/14
F16F 15/00-15/36
F16M 1/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧プレート、 前記油圧プレートに固定接続されるカバー、 カバー内に設置されて軸方向に対し移動可能であり、且つ支持面に支持されて接触する支持端部を備える調整脚、 前記油圧プレート、カバー及び調整脚の間に形成される収容室、 収容室内に密封状に収容され、圧力の作用によって圧縮/膨張することで、調整脚をカバー内で軸方向に移動させてレベリングを行う油圧媒体、及び 調整脚の支持端部に嵌着されて、支持面に対する調整脚の支持減衰力を増大させる減衰パッド、を含み、 装着溝は、前記支持端部に対し内側に凹陥する第1装着凹溝及び第2装着凹溝を含み、 前記第1装着凹溝は、前記支持端部の中心を中心とする環状の凹溝であり、 前記第2装着凹溝は、前記支持端部の中心に設置される円形の凹溝であり、 前記第2装着凹溝の深さは前記第1装着凹溝の深さよりも深く、 前記減衰パッドには第1突起部及び第2突起部が備わっており、 前記第1突起部は、前記減衰パッドの上面から突出し、且つ前記減衰パッドの中心を中心とする環状の段差であり、 前記環状の段差は前記環状の凹溝と一致しており、 前記第2突起部は、前記減衰パッドの上面から突出し、且つ前記減衰パッドの中心に位置する突出柱構造であり、 前記突出柱構造は前記円形の凹溝内に嵌め込まれ、 前記減衰パッドは前記装着溝内に嵌着され、 前記第2突起部の突出高さは前記第1突起部よりも高いことを特徴とする家電製品用底脚。
【請求項2】
前記調整脚は、一端がカバー内に設置されて軸方向に対し移動可能であり、他端が支持端部となっていることを特徴とする請求項1に記載の家電製品用底脚。
【請求項3】
前記第1装着凹溝は、支持端部の底壁の中央部を辺縁よりも低く設置することで形成され、前記第2装着凹溝は、支持端部の底壁の中心位置が調整脚の内部に向かって凹陥することで形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の家電製品用底脚。
【請求項4】
更に、内部に空洞を有するフレキシブル収容体を含み、前記油圧媒体がフレキシブル収容体の空洞に収容され、前記フレキシブル収容体は開口部を有し、且つ油圧プレートに密封状に装着され、油圧プレートは、フレキシブル収容体の内部空間と連通する液体流路を内部に有し、
圧力の変化に伴って、フレキシブル収容体内の油圧媒体は圧縮/膨張し、フレキシブル収容体と液体流路の間で流動することで、調整脚をカバー内で軸方向に移動させてレベリングを行い、
前記フレキシブル収容体には、調整脚の第2装着凹溝に対応して退避部が設けられることを特徴とする請求項に記載の家電製品用底脚。
【請求項5】
前記フレキシブル収容体は伸縮可能な収容本体を含み、前記開口部は収容本体と連通する小径構造をなしており、前記収容本体は調整脚の内部に設置され、前記収容本体のうち支持端部の内壁と接触する一端は第2装着凹溝に対応して部分的に内側に凹陥し、退避部
を形成していることを特徴とする請求項に記載の家電製品用底脚。
【請求項6】
前記油圧プレートの一端の端面には装着用突出柱が設けられており、前記フレキシブル収容体の開口部は装着用突出柱を覆って密封状に油圧プレートに装着され、装着用突出柱の端部には凹溝が設けられていることを特徴とする請求項に記載の家電製品用底脚。
【請求項7】
請求項1~のいずれかに記載の家電製品用底脚を備える家電製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電製品の支持及びレベリングの技術分野に関し、具体的には、家電製品用底脚及び家電製品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、家電製品はハウジングの底部にレベリング装置が設けられており、家電製品の設置時にレベリング装置を調節することで安定した設置状態を達成可能である。また、レベリングして設置したあと、レベリング装置は安定を維持するよう家電製品を支持可能である。
【0003】
洗濯機の場合を例示すると、一般的に、従来の洗濯機はハウジング又は全体の底部にボルト底脚が装着されている。ボルト底脚は、ボルト、ナットワッシャ及びゴムパッドを含む。ナットワッシャはボルト上で上下に回転可能とされ、ボルトもまたハウジング底板のネジ孔内で上下に回転可能とされる。底板のネジ孔に対するボルト底脚のボルトのねじ込み長さによって洗濯機の高さ調整が実現されるが、大部分の洗濯機では、底脚を反時計回りに回転させることで高さが高くなり、時計回りに回転させることで高さが低くなるよう調整される。当該ボルト底脚の高さを調整したあと、緩み防止用のナットワッシャをしっかりと締めることで安定が維持される。
【0004】
前記洗濯機の底脚によって洗濯機のレベリングは実現されるものの、ユーザは手動で調節を行わねばならない。そのため、洗濯機の重量が重かったり、設置スペースが狭かったりする場合にはユーザの操作に不都合が生じる。また、洗濯機の長期的な動作過程で生じる震動もまた底脚のレベリングに影響を及ぼし、支持機能を容易に喪失させる結果、洗濯機の設置が水平でなくなる。
【0005】
例えば、従来の8KGドラム洗濯機は一般的に80Kg程度と大重量のため、消費者が調節するには極めて不便であり、仮に調節を終えたとしても洗濯機を最適な状態に調整できる保証はない。洗濯機は洗浄時において、特に、0r/minから1400r/min程度まで加速して脱水する際に、水平でなかったり脚が機能しなかったりとの問題があると非常に大きく震動し、消費者の使用快適性に極めて大きな影響を及ぼす。
【0006】
このほか、洗濯機が水平でないことに伴う震動によって底脚のネジが緩み、底脚のブラケットが垂直に移動する場合がある。洗濯機の水平状態はこのような不安定性により変動し、更に強い震動を招来し得る。こうした悪循環によって、洗濯機の使用期間が長くなるほど騒音が大きくなり、洗濯機自体も一定の損傷を受けることから、使用寿命が短縮してしまう。
【0007】
したがって、従来の洗濯機におけるレベリングには、手動で調節せねばならないため時間と手間がかかり、且つ、精度にも劣るとの課題が存在する。
【0008】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の目的は、家電製品用底脚を提供することである。具体的には、以下の技術方案を用いる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
家電製品用底脚であって、油圧プレート、前記油圧プレートに固定接続されるカバー、 カバー内に設置されて軸方向に対し移動可能であり、且つ支持面に支持されて接触する支持端部を備える調整脚、前記油圧プレート、カバー及び調整脚の間に形成される収容室、収容室内に密封状に収容され、圧力の作用によって圧縮/膨張することで、調整脚をカバー内で軸方向に移動させてレベリングを行う油圧媒体、及び、調整脚の支持端部に嵌着されて、支持面に対する調整脚の支持減衰力を増大させる減衰パッド、を含む。
【0011】
更に、前記調整脚は、一端がカバー内に設置されて軸方向に対し移動可能であり、他端が支持端部となっている。前記支持端部には装着溝が設けられ、前記減衰パッドは装着溝内に嵌着される。
【0012】
更に、前記装着溝は、支持端部に対し内側に凹陥する第1装着凹溝を含み、前記減衰パッドには上面から突出する第1突起部が備わっており、前記第1突起部が第1装着凹溝内に嵌め込まれる。
【0013】
更に、前記装着溝は、支持端部に対し内側に凹陥する第2装着凹溝を含む。前記第2装着凹溝の深さは第1装着凹溝の深さよりも深い。前記減衰パッドには、上面から突出する第2突起部が備わっている。第2突起部の突出高さは第1突起部よりも高い。前記第1突起部は第1装着凹溝内に対応して嵌め込まれ、第2突起部は第2装着凹溝内に対応して嵌め込まれる。
【0014】
更に、前記第1装着凹溝は、支持端部の中心を中心とする環状の凹溝であり、前記第1突起部は、減衰パッドの上面から突出し、且つ減衰パッドの中心を中心とする環状の段差である。環状の段差は環状の凹溝と一致している。前記第2装着凹溝は、支持端部の中心に設置される円形の凹溝であり、前記第2突起部は、減衰パッドの上面から突出し、且つ減衰パッドの中心に位置する突出柱構造である。突出柱構造は円形の凹溝内に嵌め込まれる。
【0015】
更に、前記第1装着凹溝は、支持端部の底壁の中央部を辺縁よりも低く設置することで形成され、前記第2装着凹溝は、支持端部の底壁の中心位置が調整脚の内部に向かって凹陥することで形成される。
【0016】
更に、内部に空洞を有するフレキシブル収容体を含み、前記油圧媒体がフレキシブル収容体の空洞に収容される。前記フレキシブル収容体は開口部を有し、且つ油圧プレートに密封状に装着される。油圧プレートは、フレキシブル収容体の内部空間と連通する液体流路を内部に有する。圧力の変化に伴って、フレキシブル収容体内の油圧媒体は圧縮/膨張し、フレキシブル収容体と液体流路の間で流動することで、調整脚をカバー内で軸方向に移動させてレベリングを行う。前記フレキシブル収容体には、調整脚の第2装着凹溝に対応して退避部が設けられる。
【0017】
更に、前記フレキシブル収容体は伸縮可能な収容本体を含み、前記開口部は収容本体と連通する小径構造をなしている。前記収容本体は調整脚の内部に設置される。前記収容本体のうち支持端部の内壁と接触する一端は第2装着凹溝に対応して部分的に内側に凹陥し、退避部を形成している。
【0018】
更に、前記油圧プレートの一端の端面には装着用突出柱が設けられている。前記フレキシブル収容体の開口部は装着用突出柱を覆い、密封状に油圧プレートに装着される。装着用突出柱の端部には凹溝が設けられている。
【0019】
本発明の第2の目的は、上記いずれかに記載の家電製品用底脚を備える家電製品を提供することである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の家電製品用底脚は油圧の原理に基づく。水平でないために生じた圧力差により油圧媒体が流動することで、底脚は、家電製品用底脚が平衡を取って油圧媒体の流動が停止し、自動レベリングを実現するまで、適応的な調整を自動で行う。
【0021】
本発明の家電製品用底脚では、減衰パッドと調整脚が嵌め込み式で装着される。嵌め込み式の装着構造は合理的であり、家電製品用底脚の調整脚の高さに影響を及ぼさないため、内部空間が合理的に利用される。また、減衰パッドと調整脚との接続強度を極めて大きく向上させられるため、減衰パッドの抜け落ちの恐れが回避される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施例にかかる家電製品用底脚の立体構造を示す第1の図である。
図2図2は、本発明の実施例にかかる家電製品用底脚の立体構造を示す第2の図である。
図3図3は、本発明の実施例にかかる家電製品用底脚の平面図である。
図4図4は、本発明の実施例にかかる家電製品用底脚の図3のA-A面に沿う断面図(伸長状態)である。
図5図5は、本発明の実施例にかかる家電製品用底脚の図3のA-A面に沿う断面図(圧縮状態)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を組み合わせて、本発明における家電製品用底脚及び家電製品につき詳細に述べる。
【実施例1】
【0024】
図1図5に示すように、本実施例における家電製品用底脚は、油圧プレート100、前記油圧プレート100に固定接続されるカバー200、カバー200内に設置されて軸方向に対し移動可能であり、且つ支持面に支持されて接触する支持端部を備える調整脚300、前記油圧プレート100、カバー200及び調整脚300の間に形成される収容室、収容室内に密封状に収容され、圧力の作用によって圧縮/膨張することで、調整脚300をカバー200内で軸方向に移動させてレベリングを行う油圧媒体、及び、調整脚300の支持端部に嵌着されて、支持面に対する調整脚300の支持減衰力を増大させる減衰パッド400、を含む。
【0025】
本実施例における家電製品用底脚は、油圧の原理に基づく。水平でないために生じた圧力差により油圧媒体が流動することで、調整脚300は、家電製品用底脚が平衡を取って油圧媒体の流動が停止し、自動レベリングを実現するまで、適応的な調整を自動で行う。
【0026】
本実施例の減衰パッド400は、調整脚300の支持端部に嵌着されて、支持面に対する家電製品用底脚の減衰力を増大させるものであり、良好な「滑り防止」作用を有して支持の安定性を確保する。
【0027】
また、減衰パッド400は、横方向の作用力を受けて一定時間が経過した場合、調整脚300との接続が十分に堅固でないと容易に抜け落ちてしまう。そのため、本実施例の減衰パッド400には嵌め込み式の装着方式を採用し、調整脚300との接続の緊密性を大きく増大させることで抜け落ちを回避する。
【0028】
具体的に、本実施例の前記調整脚300は、一端がカバー200内に設置されて軸方向に対し移動可能であり、他端が支持端部となっている。前記支持端部には装着溝が設けられ、前記減衰パッド400が装着溝内に嵌着される。本実施例では、減衰パッド400を調整脚300の装着溝内に嵌着するため、横方向の作用力を受けた場合、減衰パッド400は装着溝によって横方向に位置規制及び阻止される。これにより、減衰パッド400が、横方向の作用力によって調整脚300に対し横方向に変位して抜け落ちるとの事態が回避される。
【0029】
本実施例の一実施形態として、前記装着溝は、支持端部に対し内側に凹陥する第1装着凹溝304を含む。前記減衰パッド400には上面から突出する第1突起部402が備わっており、前記第1突起部402が第1装着凹溝304内に嵌め込まれる。
【0030】
更に、前記装着溝は、支持端部に対し内側に凹陥する第2装着凹溝306を含む。前記第2装着凹溝306の深さは第1装着凹溝304の深さよりも深い。また、前記減衰パッド400には、上面から突出する第2突起部403が備わっている。第2突起部403の突出高さは第1突起部402よりも高い。前記第1突起部402は第1装着凹溝304内に対応して嵌め込まれ、第2突起部403は第2装着凹溝306内に対応して嵌め込まれる。
【0031】
本実施例の装着凹溝は、深さの異なる第1装着凹溝304と第2装着凹溝306を含む。また、これに対応して、減衰パッド400には高さの異なる第1突起部402と第2突起部403が備わっている。こうして、減衰パッド400を調整脚300の装着溝内に対応して嵌め込むことで位置決め及び装着する。且つ、深さの異なる装着凹溝と高さの異なる突起部によって、減衰パッド400の嵌め込み式の装着がいっそう緊密となるため、より大きな横方向の作用力に抵抗可能となる。
【0032】
具体的に、本実施例で記載する第1装着凹溝304は、支持端部の中心を中心とする環状の凹溝である。前記第1突起部402は、減衰パッド400の上面から突出し、且つ減衰パッド400の中心を中心とする環状の段差である。環状の段差は環状の凹溝と一致している。また、前記第2装着凹溝306は、支持端部の中心に設置される円形の凹溝である。前記第2突起部403は、減衰パッド400の上面から突出し、且つ減衰パッド400の中心に位置する突出柱構造である。突出柱構造は円形の凹溝内に嵌め込まれる。
【0033】
本実施例における環状の段差と環状の凹溝を嵌め込み式で装着することで、減衰パッドが受ける一般的な横方向の作用力に抵抗可能となる。また、突出柱構造と円形の凹溝を嵌め込み式で装着することで、減衰パッドが受ける比較的大きな横方向の衝撃力に抵抗可能となる。このように、本実施例における減衰パッド400と調整脚300との嵌め込み式の装着によれば、より広い範囲の横方向の作用力に抵抗可能となり、減衰パッド300が横方向の作用力によって横向きに移動し、抜け落ちるとの事態が回避される。
【0034】
更に、本実施例で記載する第1装着凹溝304は、支持端部の底壁の中央部を辺縁よりも低く設置することで形成される。また、前記第2装着凹溝306は、支持端部の底壁の中心位置が調整脚の内部に向かって凹陥することで形成される。
【0035】
本実施例の家電製品用底脚は、内部に空洞を有するフレキシブル収容体500を更に含み、前記油圧媒体がフレキシブル収容体500の空洞内に収容される。前記フレキシブル収容体500は開口部502を有し、油圧プレート100に密封状に装着される。油圧プレート100は、フレキシブル収容体500の内部空間と連通する液体流路を内部に有する。
【0036】
圧力の変化に伴って、フレキシブル収容体500内の油圧媒体は圧縮/膨張し、フレキシブル収容体500と液体流路の間で流動する。これにより、調整脚300がカバー200内で軸方向に移動してレベリングを行う。
【0037】
前記フレキシブル収容体500には、調整脚300の第2装着凹溝306に対応して退避部503が設けられる。
【0038】
第2装着凹溝306は、支持端部の底壁の中心位置が調整脚の内部に向かって凹陥することで形成されるため、これに対応して、調整脚の内部の底壁には柱状の突起305が形成される。退避部503は、柱状の突起305に対応して設置されるものであり、柱状の突起305を回避するために設けられる。
【0039】
更に、前記フレキシブル収容体500は伸縮可能な収容本体501を含む。また、前記開口部502は収容本体501と連通する小径構造をなしている。前記収容本体501は調整脚300の内部に設置される。前記収容本体501のうち支持端部の内壁と接触する一端は、第2装着凹溝306に対応して部分的に内側に凹陥し、退避部503を形成している。
【0040】
本実施例の減衰パッド400のうち支持面と接触する面には減衰リブ401が設けられている。これにより、減衰作用が増大し、支持面に対する摩擦力が向上するため、安定性が強化される。本実施例の減衰パッド400には、ゴムパッド等を使用可能である。
【0041】
また、本実施例で記載する油圧プレート100の一端の端面には装着用突出柱が設けられている。前記フレキシブル収容体500の開口部502は装着用突出柱を覆い、密封状に油圧プレート100に装着される。装着用突出柱の端部には凹溝108が設けられている。
【0042】
本実施例の減衰パッド400と調整脚との接続方式は、金型型内での射出成形や接着等とすればよい。本実施例の接続方式は簡単であり、且つ安定性が強く、抜け落ちが回避される。
【0043】
本実施例の減衰パッド400と調整脚300は嵌め込み式で装着される。嵌め込み式の装着構造は合理的であり、家電製品用底脚の調整脚300の高さに影響を及ぼさないため、内部空間が合理的に利用される。また、減衰パッド400と調整脚300との接続強度を極めて大きく向上させられるため、減衰パッドの抜け落ちの恐れが回避される。
【実施例2】
【0044】
図1~5に示すように、本実施例における家電製品用底脚は、油圧プレート100、前記油圧プレート100に固定接続されるカバー200、カバー200内に設置されて軸方向に対し移動可能な調整脚300、前記油圧プレート100、カバー200及び調整脚300の間に形成される収容室、前記収容室内に設けられる油圧媒体、を含む。圧力の変化に伴って前記油圧媒体が圧縮/膨張することで、調整脚30がカバー200内で軸方向に移動し、レベリングを行う。
【0045】
本実施例における家電製品用底脚は、油圧の原理に基づく。水平でないために生じた圧力差により油圧媒体が流動することで、調整脚は、家電製品用底脚が平衡を取って油圧媒体の流動が停止し、自動レベリングを実現するまで、適応的な調整を自動で行う。
【0046】
本実施例における家電製品用底脚は、前記油圧プレート100に、家電製品の底板に固定接続される第1装着構造103が設けられている。また、前記油圧プレート100には、カバー200に固定接続される第2装着構造104が設けられている。
【0047】
本実施例では、調整脚300を軸方向に移動可能にカバー200内に嵌設してから、第2装着構造104によって油圧プレート100をカバー200に固定接続することで、家電製品用底脚単体の組み立てを実現する。そして、組み立てを完了した家電製品用底脚全体を、第1装着構造103によって家電製品の底板に装着することで、家電製品に対する家電製品用底脚の装着を実現する。
【0048】
本実施例では、第2装着構造104により家電製品用底脚の組み立てを実現し、第1装着構造103により家電製品に対する家電製品用底脚の装着を実現する。このように、別々の装着構造によって対応する装着を実現することから、家電製品用底脚全体の安定性と、家電製品に対する装着の安定性が確保される。
【0049】
本実施例における家電製品用底脚は、油圧プレート100を家電製品の底部に直に固定し、且つ、カバー200と油圧プレート100を固定接続している。このように、油圧プレート100は家電製品の底部とカバー200により挟まれるため、油圧プレート100とカバー200との固定接続強度は必須ではない。これらの接続は、一体的な底脚とすることが主な目的であるため、接続箇所の強度は、家電製品の重力の大きさや調整脚300の支持力の大きさに関係しない。そのため、本発明の家電製品用底脚によれば、油圧プレート100とカバー200の迅速且つ確実な固定接続を実現可能である。且つ、これらの接続強度に対する要求が低下するため、接続に要するスペースや高さを更に抑えられる。
【0050】
上述したように、本実施例の家電製品用底脚は構造がよりシンプルとなる。また、装着もいっそう容易となり、より良好な安定性を有する。
【0051】
また、本実施例における家電製品用底脚の構造設計によれば、全体の高さを低下させられるため、家電製品がより良好な制震効果を有する。例えば、洗濯機の場合、本発明の家電製品用底脚は、洗濯機の脱水時の震動に対しより良好な制震効果を有する。
【0052】
本実施例の好ましい実施形態として、前記第1装着構造103は、油圧プレートに設けられた第1装着孔である。前記油圧プレート100は、第1接続部材を第1装着孔に挿通することで家電製品の底板に固定接続される。
【0053】
具体的に、本実施例で記載する第1装着孔はネジ孔であり、前記第1接続部材はネジである。前記家電製品の底板には、ネジを挿通するための装着孔が設けられている。前記ネジが底板の装着孔を貫通して油圧プレート100のネジ孔に装着されることで、固定装着が実現される。
【0054】
具体的に、本実施例で記載する第2装着構造104は第2装着孔である。前記油圧プレートは、第2接続部材を第2装着孔に挿通することでカバーに固定接続される。
【0055】
更に、本実施例で記載するカバー200の上端は、外側に折り返されて装着平面を形成している。装着平面は、油圧プレート100の底面に密着して固定接続される。前記装着平面には、第2装着孔に対応する第4装着孔が開設されている。
【0056】
本実施例では、カバー200の装着平面を油圧プレート100に密着させる。これにより、いっそう多くの圧力を装着平面に伝達して分散させられるため、油圧プレート100が過剰な圧力を受けるとの事態が回避される。油圧プレート100の内部には、油圧媒体が流動する液体流路が備わっている。油圧プレート100の安定性は、家電製品用底脚全体の安定的なレベリングの要となる。本実施例では、装着平面がカバー200の上端から外側に折り返されて形成されるため、カバー200と油圧プレート100との装着接触面が拡大する。よって、油圧プレート100からカバー200の装着平面に対する力の伝達の安定性及び分散性にいっそう有利となる。
【0057】
また、カバー200の装着平面と油圧プレート100は密着状に固定接続される。そのため、カバー200又は油圧プレート100に装着構造を設計する必要がなく、家電製品用底脚の構造全体が低くなる。
【0058】
更に、本実施例で記載する装着平面の外輪郭は油圧プレート100の外輪郭と一致しており、前記装着平面と油圧プレート100の底面が密着して固定接続される。これにより、油圧プレート100にかかる圧力をカバー200の装着平面にいっそう良好に伝達可能となるため、油圧プレート100が部分的に装着平面の作用を受けないことによる応力の集中が回避される。よって、油圧プレート内における油圧媒体の安定的な流動にいっそう有利となる。
【0059】
好ましくは、本実施例で記載する油圧プレート100の外輪郭は、装着平面の外輪郭と類似しているか同一である。この場合、両者を対応させるだけでよいため、装着がよりシンプル且つ容易となる。
【0060】
具体的に、本実施例で記載するカバー200は、内部が中空のスリーブ部を含む。調整脚300は一端がスリーブ部内に嵌設され、軸方向に対し移動可能である。前記スリーブ部の上端は外側に折り返されて装着平面を形成しており、装着平面と油圧プレート100の底面が密着して固定接続される。本実施例の装着平面はスリーブ部の上端が外側に折り返されて形成され、調整脚300がカバー200内で軸方向に移動する。且つ、カバー200全体を拡大するのではなく、装着平面部分の面積だけを拡大しているため、材料の節約となり、コストが低下する。
【0061】
更に、本実施例で記載する油圧プレート100は四角形の平板構造をなしており、前記スリーブ部は円筒状構造をなしている。また、円筒状構造の上端は、外側に折り返されて油圧プレートと一致する四角形の装着平面を形成している。前記四角形の平板構造は、四角形の装着平面に密着して固定接続される。
【0062】
具体的に、本実施例で記載する油圧プレートの四隅には、少なくとも1つの第2装着構造104がそれぞれ設けられ、各装着構造の少なくとも一方の側に第1装着構造103が設けられる。
【0063】
好ましくは、前記油圧プレート100の四隅に第1装着孔が1つずつ設けられ、各第1装着孔の両側に第2装着孔がそれぞれ設けられる。
【0064】
本実施例の装着方式として、本実施例で記載するカバー200と油圧プレート100は、係接、又は接着、又は熱溶融、又は溶接といった方式で固定接続してから家電製品の底部に固定装着してもよい。
【0065】
本実施例の油圧プレート100は、プラスチックを一体的に射出成形するか、金属をダイカストして形成される。また、前記カバー200は、プラスチックを一体的に射出成形するか、金属材料をダイカストして形成される。
【0066】
本実施例における家電製品用底脚が受ける力の特性に応じて、好ましくは、前記油圧プレート100はプラスチックを一体的に射出成形して形成され、前記カバー200は金属をダイカストして形成される。カバー200は大きな力を受けるため、金属をダイカストすることで強度を保証する。これにより、本実施例の家電製品用底脚は、製造コストを更に抑えつつ、全体強度を保証可能となる。
【0067】
家電製品の重力の一部は底板を通じて油圧プレート100にF1を付与するが、油圧プレート100の平面は、受けた力をカバー200の装着平面に伝達可能である。また、油圧プレート100の内部において、これが油圧により調整脚300に伝達されて、調整脚300が同様に支持面からの支持力F2を受ける。このとき、F1=F2となる。そして、調整脚300からの力が油圧プレート100の平面に伝達されると、油圧プレート100はこれを家電製品の底板に伝達する。このような設計によれば、油圧プレート100は、内部の液体流路からの圧力、洗濯機の重力の一部及び調整脚300の支持力を受けるが、いずれもカバー200の装着平面、調整脚300及び家電製品の底板に伝達される。
【0068】
本実施例の好ましい実施形態として、本実施例の家電製品用底脚は、内部に収容室を有するフレキシブル収容体500を更に含み、前記油圧媒体がフレキシブル収容体500内に収容される。前記油圧プレート100には、フレキシブル収容体500を密封状に装着する第3装着構造105が設けられている。
【0069】
具体的に、前記油圧プレート100の内部には液体流路が設けられており、前記フレキシブル収容体500は開口部502を有する。前記フレキシブル収容体500の開口部は、圧縮リング600を介して油圧プレート100の底面に固定装着されるとともに、液体流路と連通する。前記第3装着構造105は第3装着孔であり、前記圧縮リング600は、第3接続部材により第3装着孔に組み付けられる。
【0070】
更に、本実施例で記載する第3装着孔は油圧プレート100の中央部に設けられる。前記第3装着孔は少なくとも4つあり、それぞれ油圧プレート100の四隅に対応して設けられる。
【0071】
本実施例の好ましい実施形態として、本実施例で記載するフレキシブル収容体500の開口部502は、圧縮リング600を介して油圧プレート100の底面に固定装着される。圧縮リング600は、油圧プレート100とともに開口部を押圧し、変形させて密封する。本実施例では、圧縮リング600で開口部を押圧し、変形させて密封するため、いっそうシンプル且つ容易であり、密封効果も良好となる。
【0072】
更に、前記圧縮リング600はフレキシブル収容体500の開口部502に覆設される。圧縮リング600は、油圧プレート100とともに開口部を押圧し、変形させて密封する。本実施例では、フレキシブル収容体500の密封装着時に、小径部を圧縮リング600に嵌設してから、圧縮リング600を固定装着し、緊締過程において圧縮リング600で開口部を押圧するだけで密封装着を実現可能である。
【0073】
本実施例の一実施形態として、前記油圧プレート100の底面には油圧プレート凹溝107が設けられる。前記フレキシブル収容体500の開口部は、圧縮リング600により押圧されて変形し、油圧プレート凹溝107に押し込まれることで密封される。このような方式によれば、圧縮リング600を緊締し、フレキシブル収容体500の開口部を押圧により変形させて、油圧プレート凹溝107内に押し込むことで密封を実現可能である。本構造はシンプルであり、密封が確実且つ効果的となる。
【0074】
好ましくは、前記油圧プレート凹溝107と圧縮リング600により取り囲まれる容積が、フレキシブル収容体500の開口部の体積よりも小さい。これにより、フレキシブル収容体500の開口部と油圧プレート凹溝107がしっかりと接触し、密封性が確保される。
【0075】
本実施例の圧縮リング600は、固定装置により油圧プレート100に固定される。具体的には、ボルト/ネジにより固定接続可能である。前記圧縮リング600には圧縮リング装着孔が開設されており、前記ボルト/ネジを圧縮リング装着孔に挿通することで、油圧プレート100の第3装着孔に緊締する。
【0076】
本実施例のフレキシブル収容体500は収容本体501を含む。収容本体501は軟性の袋状構造をなしており、伸縮可能なコルゲート構造を有する。コルゲート構造は調整脚300内に設けられ、油圧媒体の流動に伴い伸縮することで、調整脚300をカバー200内で軸方向に移動させてレベリングを行う。
【0077】
本実施例の家電製品用底脚は、フレキシブル収容体500を保護する保護リング700を更に含み、前記圧縮リング600が保護リング700内に嵌設される。これにより、次のような技術的効果を有する。
【0078】
1.本実施例の圧縮リング600と保護リング700は嵌め込み式で装着されるため、位置規制作用を奏することが可能である。よって、複雑な位置規制構造を設ける必要がなく、シンプル且つ安定的となる。
【0079】
2.本実施例の家電製品用底脚は、極めて大きな衝撃や圧力を受けた場合(例えば、当該家電製品用底脚を装着して使用する家電製品又は物品が落下したり、持ち上げられたあとに突然放置されたりした場合)、保護リング700とフレキシブル収容体500の圧着面には全く隙間が存在しないため、フレキシブル収容体500がこれにより膨張して破裂する等の問題が回避される。よって、信頼性が向上する。
【0080】
3.本実施例の圧縮リング600と保護リング700は嵌め込み式で装着されるため、圧縮リング600と保護リング700の装着高さが低下する。これにより、家電製品用底脚の高さ全体が低下し、家電製品への装着時に重心全体に及ぼす影響が小さくなるため、家電製品の支持の安定性にいっそう有利となる。また、家電製品の動作過程での震動(例えば、洗濯機の脱水時の震動)に対しより良好な制震効果を有する。
【0081】
本実施例の好ましい実施形態として、前記保護リング700の一端には保護曲面が設けられている。保護曲面は、フレキシブル収容体500が圧力を受けて破損しないよう、フレキシブル収容体500の外部表面に係合する。
【0082】
本実施例における保護リング700の他端には嵌入溝が設けられ、前記圧縮リング600が保護リング700の嵌入溝に嵌め込まれる。
【0083】
本実施例の好ましい実施形態として、前記保護リング700の嵌入溝の内壁には位置規制凸部が設けられる。また、前記固定部材には、位置規制凸部と係合する位置規制凹部が設けられる。本実施例の位置規制構造は、圧縮リング600と保護リング700の嵌め込み式の装着に応じて設計され、嵌着とともに運動の位置規制も実現する。本構造はシンプルであり、安定的且つ確実である。
【0084】
本実施例の嵌入溝の深さは、圧縮リング600の厚さよりも大きい。これにより、圧縮リング600が完全に嵌入溝内に嵌め込まれ、装着高さが最大限低下するため、家電製品用底脚の高さ全体が低下する。且つ、家電製品用底脚が水平でない状態では、フレキシブル収容体500にかかる圧力に差ができるため、油圧媒体が流動する。そして、フレキシブル収容体500が伸縮することで、調整脚300がカバー200内で軸方向に運動し、レベリングを行う。フレキシブル収容体500の伸縮は自ずと保護リング700に作用するため、保護リング700は、嵌入溝と圧縮リング600との嵌め合いにより規制されつつ、軸方向に移動する。
【0085】
本実施例の構造設計によれば、保護リング700の外周が前記圧縮リング600を完全に取り囲み、保護リング700のみが調整脚300に圧入されるため、信頼性及び密着の安定性が極めて大きく向上する。これにより、本実施例の保護リング700は、調整脚300に圧入されたあと、調整脚300内で終始安定的に軸方向に移動する。よって、移動が円滑且つ確実となり、家電製品用底脚全体の更なる安定性が実現される。また、保護リング700と圧縮リング600は、上下に一定の遊びを有してもよい。
【0086】
本実施例における家電製品用底脚のカバー200及び/又は調整脚300には、カバー200に対する調整脚300の周方向の回動を規制するための案内位置規制機構が設けられる。また、前記油圧プレート100には、案内位置規制機構に対応して退避口106が設けられる。
【0087】
本実施例の家電製品用底脚による油圧の原理を利用した家電製品の自動レベリングはシンプル且つ確実である。調整脚300は軸方向に対し移動可能にカバー200内に設置されるが、家電製品の調節は上下方向に限られる。そこで、レベリングの安定性を保証するために、カバー200に対する調整脚300の回動を規制する必要がある。よって、本実施例の案内位置規制機構は、調整脚300がカバー200に対し所望の方向に運動するよう規制する。
【0088】
一般的に、家電製品(例えば、洗濯機)の動作時には震動が発生する。家電製品の運転の安定性を保証するために、本実施例の家電製品用底脚は、全体の高さを可能な限り低下させて家電製品の重心を下げる必要がある。そこで、本実施例では、油圧プレート100に、案内位置規制機構に対応して退避口106を設けている。これにより、案内位置規制機構の設置を可能としながら、調整脚300の軸方向の移動に影響することなく家電製品用底脚の高さ全体を低下させられるため、制震時の安定性が向上する。具体的に、前記案内位置規制機構は、カバーの内壁に設けられる案内位置規制凹溝/案内位置規制凸部と、これに応じて調整脚の外壁に設けられる案内位置規制凸部/案内位置規制凹溝を含む。前記案内位置規制凸部は、カバーに対する調整脚の周方向の回動を規制するよう、相対的に摺動可能に案内位置規制凹溝内に設けられる。本実施例では、案内位置規制凹溝と案内位置規制凸部の連携によって調整脚300の軸方向の移動を規制可能であり、構造がシンプル且つ確実である。
【0089】
本実施例における前記退避口106は、調整脚300の案内位置規制凸部/案内位置規制凹溝に対応して設けられる。調整脚300が油圧プレート100に向かって運動すると、調整脚300の案内位置規制凸部/案内位置規制凹溝の一端が退避口106に進入する。本実施例では、調整脚300の軸方向の移動に対し、案内位置規制機構がどのような機構であるかに関わらず、退避部を調整脚300の案内位置規制凸部/案内位置規制凹溝に対応するよう設ければよい。これにより、調節高さを変更することなく、家電製品用底脚の高さ全体が低下し、且つ、案内位置規制の安定性が保証される。
【0090】
本実施例の好ましい実施形態として、前記カバー200の内壁には、軸方向に沿って案内位置規制凹溝201が設けられ、前記調整脚300の外壁に案内位置規制凸部が設けられる。前記案内位置規制凸部は、カバー200に対する調整脚300の周方向の回動を規制するよう、相対的に摺動可能に案内位置規制凹溝内に設けられる。
【0091】
本実施例で記載する退避口106は、案内位置規制凸部に対応して油圧プレート100に設けられる。前記調整脚300がカバー200内で軸方向に上下に移動すると、案内位置規制凸部の一端が退避口106に対し進入/退出する。
【0092】
このように、本実施例の家電製品用底脚は、案内位置規制凸部の一端が退避口106に対し進入/退出することから、同じ全体高さのままで、より大きな調節高さを持つことが可能である。また、同じ調節高さであっても、本実施例の家電製品用底脚はより小さな全体高さを持つことが可能である。
【0093】
本実施例の好ましい実施形態として、前記案内位置規制凸部は、第1案内位置規制片302と第2案内位置規制片301を含む。第1案内位置規制片302は調整脚300の外壁に固定される。また、第2案内位置規制片301は第1案内位置規制片302に固定され、油圧プレート100に向かって一定の高さを延伸している。本実施例の第1案内位置規制片302は、主に、案内位置規制凹溝201内で案内位置規制の作用を奏する。また、第2案内位置規制片301は、第1案内位置規制片302を延長したものに相当する。これにより、いっそう良好な案内位置規制の安定性が備わる。
【0094】
本実施例の好ましい実施形態として、前記案内位置規制機構は複数設けられ、それぞれカバー200及び/又は調整脚300の周方向に分布している。また、前記油圧プレート100には、案内位置規制機構に対応して複数の退避口106が設けられる。このように、複数の案内位置規制機構を設けることで位置規制の安定性が更に増すため、より良好な案内位置規制効果が備わる。
【0095】
本実施例では、カバー200内で調整脚300の上下運動を実現しつつ、周方向の回転を防止するよう、カバー200の円周上に一定数量の案内位置規制凹溝201を設けている。数量をNとすると、N≧1である。本発明の図中の例の場合、好ましくは4つとする。
【0096】
また、調整脚300の円周上には、対応する案内位置規制凸部が設けられる。数量をNとすると、N≧1である。本発明の図中の例の場合、好ましくは4つとする。案内位置規制凸部は案内位置規制溝内で運動可能であり、案内位置規制凹溝201の底部の当止端部202で位置規制される。これにより、カバー200からの調整脚300の脱落が防止される。
【0097】
家電製品用底脚の高さをできるだけ低くし、より良好な安定性を実現するために、原理上は、調節高さH0を低下させることなく、カバー200、調整脚300の高さを可能な限り低下させられる。特に、カバーと調整脚が重なる部分を減少させられる。
【0098】
本実施例の家電製品用底脚の油圧プレート100は油圧ノズル101を有する。油圧ノズル101は内部の液体流路と連通する。2つの家電製品用底脚が油圧パイプを介して油圧ノズル101にそれぞれ接続されると、2つの家電製品用底脚が連通して、油圧媒体が互いに連通した家電製品用底脚間で流動可能となる。
【0099】
更に、本実施例の油圧プレートは厚さを増した凸材102を有し、前記油圧ノズル101が凸材102に設置される。これにより、油圧ノズル101の直径が増大するため、全体の強度が強化される。
【実施例3】
【0100】
更に、本実施例は、上記いずれかの実施例で述べた家電製品用底脚を備える家電製品を提供する。当該家電製品はハウジングを含み、ハウジングの底部に複数の前記家電製品用底脚が装着される。家電製品用底脚の内部に充填される油圧媒体は家電製品用底脚間で流動し、レベリングを行うことが可能である。
【0101】
好ましくは、連通装置を介して少なくとも2つの家電製品用底脚を連通することで、家電製品用底脚間における油圧媒体の流動を実現する。
【0102】
本発明の実施例では洗濯機の場合を例示し、本発明の家電製品用底脚によって洗濯機の自動レベリングを実現する際の原理と方法について詳述する。洗濯機を取り付けたあと、地面が水平でない場合には、家電製品用底脚各々の水平高さが異なり、地面の窪みに位置する家電製品用底脚の位置が低くなる。これから明らかなように、まずは高位置にある家電製品用底脚が洗濯機の重量を受け、且つ、大きな重力を受けるが、低位置にある家電製品用底脚は機能しないか、小さな重力を受ける。
【0103】
高位置にある家電製品用底脚の調整脚は大きな圧力がかかって上方に変位するため、底脚の高さ全体が縮小し、油圧媒体が充満したフレキシブル収容体の中空室の容積が圧縮により縮小する。これにより、油圧媒体がオリフィス又は弁孔に進入し、高圧配管を通じて低位置の家電製品用底脚内に進入する。すると、低位置の家電製品用底脚におけるフレキシブル収容体の油圧媒体が増え続け、フレキシブル収容体が膨張することで調整脚を伸長させる。
【0104】
高位置の底脚と低位置の底脚の油圧が同等となると、油圧媒体は高圧配管からそれ以上流動しなくなり、調整脚と洗濯機の底板との相対位置もそれ以上変化しなくなる。このようにして、洗濯機の自動調整が完了する。
【0105】
洗濯機の洗浄又は脱水の過程でも、油圧媒体は緩やかに流動して自動レベリングを実施可能なため、洗濯機の震動による騒音が大幅に低減する。
【0106】
本実施例の油圧媒体には、流動性が良好で成分の安定した作動油を利用可能である。
【0107】
また、本発明の上記各実施例における家電製品用底脚は、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、エアコン室内機といった洗濯機以外の家電製品にも応用可能である。
【0108】
なお、本発明の上記各実施例は単独で実施してもよいし、複数の実施例を組み合わせて実施してもよい。
【0109】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて行うわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲内とされる。
図1
図2
図3
図4
図5