(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】接続確認器
(51)【国際特許分類】
H01H 19/02 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
H01H19/02 C
H01H19/02 A
(21)【出願番号】P 2020526584
(86)(22)【出願日】2018-10-22
(86)【国際出願番号】 US2018056885
(87)【国際公開番号】W WO2019103802
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-06-17
(32)【優先日】2017-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519147290
【氏名又は名称】オエティカ エヌワイ インク
【氏名又は名称原語表記】Oetiker NY, Inc.
【住所又は居所原語表記】4437 Walden Avenue, Lancaster, New York, U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】ホール トーマス エドウィン ツー
(72)【発明者】
【氏名】バッツ ローレンス
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-089440(JP,A)
【文献】特開2013-120720(JP,A)
【文献】特開2007-109649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続確認器であって、
カラーと、
前記カラーに回転不能に接続される回路基板であって、少なくとも一つの端子を含む回路基板と、
前記カラーに回転可能に接続されて、前記少なくとも一つの端子と接触するように配置されるスイッチであって、第1軸方向に延在する少なくとも一つのフィンガを含むスイッチと、
前記スイッチが前記少なくとも一つの端子と接触する時に起動するように配置される指示デバイスと
を包含し、
前記回路基板に電気的に接続される送信デバイスをさらに包含し、
前記送信デバイスが、流体接続部の接続状態を指示する信号を遠隔受信器へ送信するように機能的に配置される、接続確認器。
【請求項2】
前記カラーが、実質的に同心状態で中に配置されるインサートを包含し、前記インサートが第1溝部と第2溝部とを含む、請求項1に記載の接続確認器。
【請求項3】
前記回路基板が前記第1溝部に配置されて前記スイッチが前記第2溝部に配置される、請求項2に記載の接続確認器。
【請求項4】
前記スイッチがさらに、前記第1軸方向と反対の第2軸方向に延在して前記少なくとも一つの端子と接触するように配置される少なくとも一つのピンを包含する、請求項1に記載の接続確認器。
【請求項5】
前記回路基板に電気的に接続されるマイクロ制御装置をさらに包含する、請求項1に記載の接続確認器。
【請求項6】
前記指示デバイスがライトである、請求項1に記載の接続確認器。
【請求項7】
前記指示デバイスが振動デバイスである、請求項1に記載の接続確認器。
【請求項8】
前記指示デバイスが音声デバイスである、請求項1に記載の接続確認器。
【請求項9】
前記回路基板が電源に接続されるための導管を前記カラーが含む、請求項1に記載の接続確認器。
【請求項10】
流体接続部のための接続確認器において、
インサートであって、
径方向外向き表面と、
径方向内向き表面と、
前記径方向内向き表面に配置される第1溝部と、
前記径方向内向き表面に配置される第2溝部と、
を含むインサートと、
前記第1溝部に配置される回路基板であって、
少なくとも一つの端子と、
指示デバイスと、
を含む回路基板と、
前記第2溝部に配置されるスイッチであって、
第1軸方向に延在して、前記少なくとも一つの端子と接触するように配置される少なくとも一つのピンと、
前記第1軸方向と反対の第2軸方向に延在する少なくとも一つのフィンガと、
を含むスイッチと、
を包含する接続確認器。
【請求項11】
前記インサートがさらに、前記径方向外向き表面に回転不能に接続されるカラーを包含する、請求項
10に記載の接続確認器。
【請求項12】
前記回路基板に電気的に接続される送信デバイスをさらに包含する、請求項
10に記載の接続確認器。
【請求項13】
前記送信デバイスが、流体接続部の接続状態を指示する信号を遠隔受信器へ送信するように機能的に配置される、請求項
12に記載の接続確認器。
【請求項14】
前記回路基板に電気的に接続されるマイクロ制御装置をさらに包含する、請求項
10に記載の接続確認器。
【請求項15】
前記指示デバイスがライトである、請求項
10に記載の接続確認器。
【請求項16】
前記指示デバイスが振動デバイスである、請求項
10に記載の接続確認器。
【請求項17】
前記回路基板が前記インサートに回転不能に接続され、
前記スイッチが前記インサートに回転可能に接続される、
請求項
10に記載の接続確認器。
【請求項18】
インサートであって、
径方向外向き表面と、
径方向内向き表面と、
を含むインサートと、
前記径方向内向き表面に回転不能に接続される回路基板であって、
少なくとも一つの端子と、
インジケータライトと、
を含む回路基板と、
前記径方向内向き表面に回転可能に接続されて前記少なくとも一つの端子と接触するように配置されるスイッチであって、第1軸方向に延在する少なくとも一つのフィンガを含むスイッチと、
を包含する接続確認器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年11月22日出願の米国仮特許出願第62/589,968号について、工業所有権の保護に関するパリ条約のストックホルム改正条約の第4および8条による優先権を主張し、同出願は参照によりその全体が本願に援用される。
【0002】
本開示は、流体接続部のための接続確認器に、より詳しくは、無線送信を介して現場と遠隔箇所の両方に接続状態を指示する接続確認器に関する。
【背景技術】
【0003】
流体コネクタは、多くの用途、特に自動車の用途のための一体的コンポーネントである。自動車システムは、ラジエータ、トランスミッション、エンジンのような様々なコンポーネントから成るので、流体は各コンポーネント内ばかりでなくコンポーネント間でも移動が可能でなければならない。コンポーネント間を移動する流体の例は、トランスミッション流体の温度を低下させるためトランスミッションからトランスミッションオイル冷却器まで移動するトランスミッション流体である。流体は主として、流体コネクタにより各コンポーネントに接続される可撓性または剛性のホースを介して、コンポーネント間で動く。このような流体コネクタは一般的に、チューブエンドフォームが流体コネクタへ充分に挿入された時にチューブエンドフォームの隆起肩部の後方にスナップ固定されるのに適した、流体コネクタに支承される保持クリップまたはスナップリングを含む。チューブエンドフォームが流体コネクタへ充分に挿入されていない場合には、流体接続が成立せず、流体を漏出させるとともにより深刻な他の結果をもたらす。
【0004】
ゆえに、流体接続部が確実に接続されていることを保証する接続確認器に対する必要性が長く実感されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
図示されている態様によれば、カラーと、カラーに回転不能に接続される回路基板であって少なくとも一つの端子を含む回路基板と、カラーに回転可能に接続されて少なくとも一つの端子と接触するように配置されるスイッチであって、第1軸方向に延在する少なくとも一つのフィンガを含むスイッチと、スイッチが少なくとも一つの端子と接触する時に起動するように配置される指示デバイスとを包含する接続確認器が提供される。
【0006】
図示されている態様によれば、径方向外向き表面と、径方向内向き表面と、径方向内向き表面に配置される第1溝部と、径方向内向き表面に配置される第2溝部とを含むインサートと、第1溝部に配置される回路基板であって少なくとも一つの端子を含む回路基板と、指示デバイスと、第2溝部に配置されるスイッチであって、第1軸方向に延在して少なくとも一つの端子と接触するように配置される少なくとも一つのピンと、第1軸方向と反対の第2軸方向に延在する少なくとも一つのフィンガとを含むスイッチとを包含する、流体接続部のための接続確認器が提供される。
【0007】
図示されている態様によれば、径方向外向き表面と径方向内向き表面とを含むインサートと、径方向内向き表面に回転不能に接続される回路基板であって、少なくとも一つの端子とインジケータライトとを含む回路基板と、径方向内向き表面に回転可能に接続されて少なくとも一つの端子と接触するように配置されるスイッチであって、第1軸方向に延在する少なくとも一つのフィンガを含むスイッチとを包含する接続確認器が提供される。
【0008】
図面および添付の請求項を考慮して以下の開示の詳細な説明を検討すると、本開示の以上および他の目的、特徴、利点が容易に明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
対応の参照符号が対応の部品を指す添付の概略図を参照して、様々な実施形態が例としてのみ開示される。
【
図2】
図1に示されている接続確認器の分解斜視図である。
【
図3】流体接続部と係合した、
図1に示されている接続確認器の斜視図である。
【
図4】概ね
図3の4‐4線における接続確認器および流体接続部の断面図である。
【
図5】
図4に示されている接続確認器および流体接続部の断面図であり、接続確認器は非係合状態である。
【
図6】流体接続部と係合した、
図1に示されている接続確認器の斜視図であり、カラーと回路基板とが取り外されている。
【
図7】概ね
図6の7‐7線における接続確認器の断面図であり、カラーと回路基板とが組み付けられている。
【
図8】概ね
図6の8‐8線における接続確認器の断面図であり、カラーと回路基板とが組み付けられている。
【
図9】スナップリングと係合した接続確認器の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
始めに、異なる図面での同様の図面番号は同一または機能的に類似の構造要素を特定するものであることが認識されるべきである。請求項は開示の態様に限定されないことが理解されるはずである。
【0011】
さらに、本開示は記載される特定の方法、材料、変形に限定されず、そのため当然ながら変化しうることは理解されている。ここで使用される用語は特定の態様を記述することのみを目的とし、請求項の範囲を限定する意図がないことも理解されている。
【0012】
他に定義されなければ、ここに使用される技術的および科学的な語すべては、この開示が関連する技術分野の熟練者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。ここに記載されるものと類似または同等の方法、デバイス、または材料が実施形態例の実施または試験に使用されうることが理解されるべきである。本開示のアセンブリは、水力学、電子工学、および/または、空気力学により推進されうる。
【0013】
「実質的に」の語は、「近く」、「非常に近く」、「約」、「およそ」、「だいたい」、「近似する」、「近い」、「本質的に」、「近隣に」、「近傍に」等のような語と同義語であって、このような語は明細書および請求項に出現する際に互換的に使用されうることが認識されるべきである。「近接の」の語は、「近くに」、「近い」、「隣接の」、「近隣の」、「直近の」、「隣の」等のような語と同義語であって、このような語は明細書および請求項に出現する際に互換的に使用されうることが認識されるべきである。「およそ」の語は、指定値の10パーセント以内の値を意味することが意図されている。
【0014】
「回転不能に接続される」要素により、我々は、要素の一つが回転すると必ずすべての要素が回転するように要素が接続されて要素間での相対的な回転は可能でないことを意味する。回転不能に接続される要素の互いに対する径方向および/または軸方向の動きは可能であるが必要ではない。
【0015】
さて図に目を移すと、
図1は、接続確認器10の斜視図である。
図2は、接続確認器10の分解斜視図である。接続確認器10は概ね、カラー20と回路基板40とスイッチ60とインサート80とを包含する。
【0016】
カラー20は概ね円筒形であり、径方向外向き表面22と径方向内向き表面24と底表面26と上表面28とを包含する。カラー20はさらに、径方向内向き表面24に対して実質的に同心に配置される径方向内向き表面34と、径方向内向き表面34の湾曲に対して実質的に正接して配置される表面30,32とを包含する。表面30,32は径方向内向き表面34を開口させて開口部21を形成する。一実施形態例で、径方向外向き表面22は、追加グリップのための複数のリブを包含する。一実施形態例で、径方向外向き表面は、追加グリップのための別の形状の突出部または摩擦材料を包含する。上表面28は導管38を包含する。導管38は、ワイヤのような電気導体を通して回路基板40(およびインジケータライト55)を電源と接続するように配置されている。一実施形態例では、カラー20を通してインジケータライト55が視認されうるようにカラー20は半透明である。一実施形態例で、カラー20を通してインジケータライト55が視認されうるようにカラー20は透明である。一実施形態例において、カラーを通してインジケータライト55が視認されうるように、カラー20は不透明であってインジケータライト55に近接する窓部をさらに包含する。一実施形態例で、径方向内向き表面34はさらに切欠き36を包含する。
【0017】
回路基板40は概ね円板形状であって、径方向外向き表面42と径方向内向き表面44と底表面46と上表面48とを包含する。一実施形態例において、回路基板40はプリント回路基板(PCB)である。回路基板40はさらに、径方向内向き表面44の湾曲に対して実質的に正接して配置される表面43,45を包含する。表面43,45は径方向内向き表面44を開口させて開口部41を形成する。上表面48は、回路と、端子51と、端子52と、インジケータライト55などのインジケータデバイスのうち少なくとも幾つかを包含する。以下でより詳細に記すように、端子51,52はそれぞれピン74,76と接触してインジケータライト55を起動させ、確実な接続を確認するように配置される。一実施形態例において、端子51,52はそれぞれピン74,76の近接箇所を検知するように配置されるセンサであり、そのためピンと端子との間に物理的な接触が発生する必要はない。図の実施形態において、回路基板40は二つの端子を包含するが、しかしながら、適当な数の端子が使用されうることが認識されるべきである。一実施形態例において、インジケータライト55は上表面48に配置されず、カラー20または回路基板40の外部の別の箇所に配置される。インジケータライト55は、白熱灯、小型白熱灯、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、発光ダイオード、蛍光管、ネオンランプ、高輝度放電ランプ、低圧ナトリウムランプなど、当該技術で周知の適当なライトでありうる。回路基板40はさらに、それぞれ端子51,52に近接して配置されて径方向内向き表面44から径方向外向きに延在するスロット49,50を包含する。以下でより詳しく記すように、スロット49はピン74に周方向境界を付与し、スロット50はピン76に周方向境界を付与する。一実施形態例では、スイッチ60が回路基板40に対して周方向CD1に回される時にピン74が端子51と接触するように、端子51はスロット49に隣接するか重複して配置される。一実施形態例では、スイッチ60が回路基板40に対して周方向CD2に回される時にピン76が端子52と接触するように、端子52はスロット50に隣接するか重複して配置される。回路基板40はさらに、径方向外向き表面42に近接して配置される孔54,56を包含する。一実施形態において、孔54,56は径方向外向き表面42から径方向内向きに延在する。以下でより詳しく記すように、孔54,56はそれぞれドエル94,96と係合して回路基板40をインサート80に回転不能に接続するように配置される。図の実施形態において、接続確認器10は、回路基板40をインサート80と接続する二つの孔と二つのドエルとを包含するが、回路基板40をインサート80と回転不能に接続するのに適した孔およびドエルはいかなる数が使用されてもよいことが認識されるべきである。
【0018】
回路基板40は、ピン74,76の一方が対応の端子と接触する時にインジケータライト55のようなインジケータデバイスを起動させることにより確実な接続を指示する適当な回路基板(または複数の回路基板)を包含する。一実施形態例において、回路基板40は、いずれの順序でもよいが、ピン74,76の一方がその対応の端子と接触し、続いてピン74,76の他方が対応の端子と接触した時にインジケータライト55のようなインジケータデバイスを起動させることにより確実な接続を指示する適当な回路基板である。一実施形態例において、回路基板40は、ピン74,76の一方が対応の端子と接触する時に振動デバイスが接続確認器10を振動させて確実な接続を指示するように、振動デバイス(例えば振動モータ)を包含する。一実施形態例において、回路基板40は、いずれの順序でもよいが、ピン74,76の一方が対応の端子と接触し、続いてピン74,76の他方が対応の端子と接触した時に、振動デバイスが接続確認器10を振動させることにより確実な接続を指示するように振動デバイスを包含する。例えば、振動デバイスは、振動する偏心カムを備えるモータ、または印加される波形に応じて振動する圧電デバイスの形を取りうる触覚デバイスでありうる。圧電デバイスは可聴出力も発しうる。一実施形態例で、回路基板40は、ピン74,76の一方が対応の端子と接触する時にスピーカがノイズを出力して確実な接続を指示するように、音声デバイス(例えばスピーカと、増幅器など他の必要な音声機器)を包含うる。一実施形態例において、回路基板40は、いずれの順序でもよいが、ピン74,76の一方が対応の端子と接触し、続いてピン74,76の他方が対応の端子と接触した時に、スピーカがノイズを出力して確実な接続を指示するように、音声デバイス(例えばスピーカと、増幅器など他の必要な音声機器)を包含する。回路基板40はさらに、一つ以上の中央処理ユニット(CPU)をメモリおよびプログラマブル入出力周辺機器とともに格納するマイクロ制御装置を包含しうる。以下でより詳細に記すように、マイクロ制御装置は、確実な接続の確認時にインジケータライト55(または他のインジケータデバイス)を起動させ、送信デバイスを用いて遠隔箇所の受信器への信号の送信を開始して確実な接続(または不確実な接続)を指示し、工具故障インジケータを起動させるのに使用されうる。
【0019】
スイッチ60は、径方向外向き表面62と径方向内向き表面64と底表面66と上表面68とを包含する。スイッチ60はさらに、径方向内向き表面64の湾曲に対して実質的に正接して配置される表面63,65を包含する。表面63,65は径方向内向き表面64を開口させて開口部61を形成する。フィンガ70,72は、底表面66から軸方向AD1に延出する。フィンガ70,72はそれぞれインサート80のスロット90,92と係合し、その中で周方向に変位可能である。一実施形態例において、フィンガ70,72は、以下で詳しく記すようにスナップリング150と係合するように配置される湾曲突出部である。しかしながら、方形柱、矩形柱、三角柱等のように、スナップリング150との係合に適した他の幾何学形状をフィンガ70,72が有しうることが認識されるべきである。ピン74,76は、軸方向AD1と反対の軸方向AD2に上表面68から延出する。ピン74,76はそれぞれ回路基板40のスロット49,50と係合し、その中で周方向に変位可能である。一実施形態例において、ピン74,76は、以下でより詳しく記すように、それぞれ端子51,52と係合するように配置される円筒形突出部である。しかしながら、方形柱、矩形柱、三角柱等のように、それぞれ端子51,52との係合に適した他の幾何学形状をピン74,76が有しうることが認識されるべきである。組み立てられると、スイッチ60は、インサート80と回路基板40とカラー20に対して少なくとも部分的に回転可能である。
【0020】
インサート80は概ね円筒形であって、径方向外向き表面82と径方向内向き表面84とフランジ86と上表面88とを包含する。インサート80とカラー20とは回転不能に接続される。フランジ86は底表面85と上表面87とを含む。インサート80はさらに、溝部98を形成する径方向内向き表面106と、径方向内向き表面106から径方向外向きに延在するスロット90,92とを包含する。インサート80はさらに、径方向内向き表面106の湾曲に対して実質的に正接して配置される表面107,108を包含する。表面107,108は径方向内向き表面106を開口させて開口部81を形成する。溝部98は表面100を含む。接続確認器10が組み立てられると、スイッチ60は溝部98に配置され、底表面66は表面100に近接または当接して配置され、フィンガ70,72はそれぞれスロット90,92において軸方向AD1に延在する。スイッチ60がインサート80に対して周方向CD1およびCD2に変位できるように、フィンガ70,72とそれぞれのスロット90,92との間には周方向間隙が設けられる。インサート80はさらに、表面104を有する溝部102を包含する。一実施形態例において、溝部98,102は同心状態で配置される。インサート80はさらに、表面104から軸方向AD2に延出するドエル94,96を包含する。ドエル94,96は、それぞれ孔54,56と係合して、回路基板40をインサート80に回転不能に接続するように配置される。接続確認器10が組み立てられると、回路基板スイッチ60が溝部102に配置され、底表面46が表面104に近接または当接して配置され、孔54,56はそれぞれドエル94,96と係合し、ピン74,76はそれぞれスロット49,50において軸方向AD2に延在する。スイッチ60が回路基板40に対して周方向CD1およびCD2に変位できるように、ピン74,76とそれぞれのスロット49,50との間には周方向間隙が設けられる。一実施形態例において、接続確認器10が組み立てられると、上表面48は上表面88と実質的に同一平面または共平面である。
【0021】
スイッチ60が溝部98に配置されて回路基板40が溝部102に配置された後で、カラー20がインサート80に嵌着される。接続確認器10が組み立てられると、径方向内向き表面24は径方向外向き表面82に近接または当接して配置され、底表面26は上表面87に近接または当接して配置される。付加的に、開口部21,41,61,81は概ね整合されて開口部11を形成する。カラー20と回路基板40とインサート80とは回転不能に接続される。スイッチ60は、カラー20と回路基板40とインサート80に対して少なくとも部分的に回転可能である。カラー20と回路基板40とインサート80とは、接着剤、ボルト、ねじ、釘、リベット、ドエル、または圧力/干渉嵌めのような適当な手段を用いて一緒に固定されうることが認識されるべきである。
【0022】
接続確認器10はさらに、回路基板40に電気的に接続される送信デバイスと、任意でメモリデバイスまたはマイクロ制御装置とを包含する。送信デバイスは、流体接続が確実であるか不確実であるかを指示する信号を遠隔箇所へ送信するように配置される。一実施形態例で、送信デバイスは、ワイヤまたは光ファイバケーブル(つまり物理的な接続形状)のような電気ケーブルを介して、信号を送るように配置される。送信デバイスは、集積回路間回路(I2C)、コントローラエリアネットワーク(CAN)、ローカルインターコネクトネットワーク(LIN)、または当該技術で周知の適当な通信プロトコルを使用しうる。一実施形態例において、送信デバイスは、送られたデータ(つまり流体接続部が確実に接続されているか否か)を記録する遠隔箇所の受信器へ無線通信を送るように配置される。送信デバイスは、当該技術で周知の適当な方法、例えばブルートゥース(登録商標)通信、無線周波数、赤外線、Wi-Fi(登録商標)通信を用いてデータを送信しうる。一実施形態例において、送信デバイスは、流体接続部識別番号、接続確認器識別番号、接続確認器の残余寿命、車両識別番号(VIN)、部品番号(例えばエンジン、ラジエータ等)、この部品のシリアル番号、流体接続が確実であるとの確認、および/または流体接続が確実でないとの確認を送信しうる。一実施形態例において、接続確認器は、コンピュータのような別のデバイスと協働して、各検査について電子記録を残して、合格/不合格ラベルを印刷できる。一実施形態例において、合格/不合格ラベルは流体接続部に接続または貼付される。
【0023】
接続確認器10はさらに、ライト、振動デバイス、または音声デバイスのような、接続確認器10が交換されるべきであることを指示する工具故障インジケータを包含しうる。この実施形態で、例えば、既定数と等しい回数だけ接続確認器10が使用される時に、工具故障インジケータが起動する(つまりライトが点灯する、振動デバイスが振動する、音声デバイスが音声を発する)ように、接続確認器10は既定の数でプログラムされるメモリデバイスまたはマイクロ制御装置を含みうる。マイクロ制御装置は、接続確認器10が使用される回数を集計し、予設定の残余寿命計算を安全係数とともに用いて、接続確認器10の残余寿命を継続的に判断してもよい。
【0024】
図3は、流体接続部160と係合した接続確認器10の斜視図である。
図4は、概ね
図3の4‐4線における接続確認器10および流体接続部160の断面図である。
図5は、
図4に示されている接続確認器10および流体接続部160の断面図であり、接続確認器10は非係合状態である。以下の説明は、
図3~5と照らし合わせて解釈されるべきである。接続確認器10は概ね、チューブエンドフォーム120と流体コネクタ140とスナップリング150とを包含する。
【0025】
チューブエンドフォーム120は、端部122と区分123と肩部127と区分129と端部132と貫通ボア121とを包含する。貫通ボア121は、端部122から端部132までチューブエンドフォーム120に延在する。区分123は、端部122と肩部127との間に配置されて径方向外向き表面124を包含する。径方向外向き表面124は実質的に一定の直径を含む。肩部127は、区分123と区分129との間に配置されて径方向外向き表面126を包含する。径方向外向き表面126は線形円錐形状であり、軸方向AD2に直径が増加する。区分129は、肩部127と端部132との間に配置されて径方向外向き表面130を包含する。径方向外向き表面130は実質的に一定の直径を含む。肩部127は、肩部表面128を介して径方向外向き表面130に接続される。チューブエンドフォーム120は、具体的には端部122が最初に流体コネクタ140へ挿入されるように配置される。チューブエンドフォーム120は直線状斜面(つまり一定の線形斜面)または曲線状斜面を利用し、スナップリング150が肩部127にスナップ固定されるまで流体コネクタ140へ挿入される。チューブエンドフォーム120は、斜面を包含する従来のチューブンドフォームであり、この斜面は、チューブエンドフォームの外表面で径方向外向きかつ軸方向に延在して、スナップリングまたはワイヤクリップを流体コネクタ内で変位させ、流体コネクタ内にチューブエンドフォームを固定する。流体接続部160が確実に接続されていると判断するため、以下により詳しく記すように、接続確認器10は本質的に、スナップリング150が肩部127に「スナップ固定」されたことを確認する。
【0026】
流体コネクタ140は、貫通ボア142と径方向内向き表面144と径方向内向き表面146と径方向外向き表面148とを包含する。径方向外向き表面148は溝部149を包含する。スナップリング150は溝部149に配置される。スナップリング150は突出部152A,152B,152C(
図9参照)を包含する。突出部152A~Cは溝部149の孔を径方向内向きに通過して、肩部127、具体的には肩部表面128と係合する。
【0027】
流体接続部160が確実に接続されていることを確認するため、
図5に示されているように接続確認器10は最初に開口部11(
図1に示されている開口部11)からチューブエンドフォーム120の周りに配置される。(つまり非係合状態である)。それから接続確認器10は、
図4に示されている係合位置まで、チューブエンドフォーム120を軸方向AD1に下方へ摺動する。
図4では、フィンガ70,72がスナップリング150または肩部表面128(不図示)と接触するまで、接続確認器10がチューブエンドフォーム120を軸方向AD1に下方へ摺動する。
【0028】
図6は、流体接続部160と係合した接続確認器10の斜視図である。視認目的のためカラー20と回路基板40とが取り外されている。図から分かるように、フィンガ70はスロット90を介してインサート80内で下方に延出し、スナップリング150の突出部と係合/接触するように配置される。
【0029】
図7は、概ね
図6の7‐7線における接続確認器10の断面図である。チューブエンドフォーム120と流体コネクタ140とは視認目的で取り外されている。フィンガ70,72は、スナップリング150の突出部の間で軸方向AD1に延在する。充分に係合すると、フィンガ70,72の一方が突出部と接触し、スイッチ60がピン74,76の一方を周方向に変位させてそれぞれの端子と接触させるように、接続確認器10は周方向CD1およびCD2の一方で回される。例えば、接続確認器10が周方向CD1に回されると、フィンガ70および/または72はそれぞれ突出部152Bおよび/または152Cと接触し、スイッチ60を回路基板40に対して周方向CD2に変位させるとともにピン76を端子52と係合させる。接続確認器10が周方向CD2に回されると、フィンガ70および/または72がそれぞれ突出部152Aおよび/または152Bと接触し、スイッチ60を回路基板40に対して周方向CD1に変位させるとともにピン74を端子51と係合させる。上記のように一実施形態例において、スイッチ60はフィンガを一つのみ有してもよいことが認識されるべきである。フィンガ70,72がスナップクリップ150と係合する時にスナップクリップ150が拡開する量をインサート80の内径(つまり径方向内向き表面84)が制限することが認識されるべきである。この特徴は、フィンガ170,172がスナップクリップ150を溝部149から外すことを防止する。
【0030】
図8は、概ね
図6の8‐8線における接続確認器10の断面図である。チューブエンドフォーム120と流体コネクタ140とは視認目的のため取り外されている。図のように、フィンガ70は、突出部152Bと突出部152Cとの間で軸方向AD1に延在する。
【0031】
図9は、スナップリング150と係合した接続確認器10の底面図である。
図9に示されているように、フィンガ70は突出部152Aおよび152Cの間で下方に延出し、フィンガ72は突出部152Aと152Bとの間で下方に延出する。一実施形態例において、フィンガ70,72がスナップリング150と係合する(つまり突出部を通過する)と、フィンガ70が突出部152Cと接触するまで接続確認器10がCD1方向に回されることにより、スイッチ60を回路基板40に対して周方向CD2に変位させるとともにピン76を端子52と係合させる。これは、第1突出部が肩部27に適切に組み付けられていることの確認(第1確認)である。続いて、フィンガ72が突出部152Bと接触するまで接続確認器10が方向CD2に回されることにより、スイッチ60を回路基板40に対して周方向CD1に変位させるとともにピン74を端子51と係合させる。これは、第2突出部が肩部27に適切に組み付けられていることの確認(第2確認)である。
【0032】
一実施形態例において、フィンガ70,72がスナップリング150と係合する(突出部を通過する)と、フィンガ72が突出部152Bと接触するまで接続確認器10が方向CD2に回されることにより、スイッチ60を回路基板40に対して周方向CD1に変位させるとともにピン74を端子51と係合させる。これは、第1突出部が肩部27に適切に組み付けられていることの確認(第1確認)である。続いて、フィンガ70が突出部152Cと接触するまで接続確認器10が方向CD1に回されることにより、スイッチ60を回路基板40に対して周方向CD2に変位させるとともにピン76を端子52と係合させる。これは、第2突出部が肩部27に適切に組み付けられていることの確認(第2確認)である。
【0033】
一実施形態例において、インジケータライト55は、第1確認時に、そして第2確認時に再び起動する(各端子が接触するとライトが点灯する)。一実施形態例において、そしてすでに述べたように、接続確認器10は、両方の端子が設定時間内に接触した場合のみインジケータライト55が起動するようにプログラムされうる(例えば回路基板40に設置の)マイクロ制御装置または他のコンピュータデバイスを含みうる。例えば、マイクロ制御装置は、1)端子51および端子52の一方がそれぞれのピンと接触すること、2)端子51および端子52の他方が2秒以内にそれぞれのピンと接触すること、および/または、3)プログラムがリセットすることを必要とするプログラムを含みうる。このプログラムに従って、端子51,52が2秒以内に互いに接触した場合にインジケータライト55が起動し、送信デバイスは、流体コネクタが確実に接続されていることを指示する信号を遠隔箇所へ送り、プログラムは別の流体コネクタでの使用のためにリセットされる。端子51,52が2秒以内に互いに接触しない場合には、インジケータライト55が起動せず、送信デバイスは遠隔箇所へ信号を送らず、プログラムはリセットする。当該技術で周知のように、接続確認器10を適切にプログラミングして、流体接続部が確実に接続されていることを視覚的に、そして遠隔箇所(例えばデータベースまたはリスト)で指示するのに様々なプログラムが使用されうる。
【0034】
上記の開示の様々な態様と他の特徴および機能、そしてその代替例が望ましい形で組み合わされて他の多様なシステムまたは用途が得られることが認識されるだろう。現在は予見または予測できない様々な代替例、変形、変更、改良が当該技術の熟練者により今後行われることがあり、これらも以下の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0035】
10 接続確認器
11 開口部
20 カラー
21 開口部
22 径方向外向き表面
24 径方向内向き表面
26 底表面
28 上表面
30 表面
32 表面
34 径方向内向き表面
36 切欠き
38 導管
40 回路基板
41 開口部
42 径方向外向き表面
43 表面
44 径方向内向き表面
45 表面
46 底表面
48 上表面
49 スロット
50 スロット
51 端子
52 端子
55 インジケータライト
54 孔
56 孔
60 スイッチ
61 開口部
62 径方向外向き表面
63 表面
64 径方向内向き表面
65 表面
66 底表面
68 上表面
70 フィンガ
72 フィンガ
74 ピン
76 ピン
80 インサート
82 径方向外向き表面
84 径方向内向き表面
85 底表面
86 フランジ
87 上表面
88 上表面
90 スロット
92 スロット
94 ドエル
96 ドエル
98 溝部
100 表面
102 溝部
104 表面
106 径方向内向き表面
107 表面
108 表面
120 チューブエンドフォーム
121 貫通ボア
122 端部
123 区分
124 径方向外向き表面
126 径方向外向き表面
127 肩部
128 肩部表面
129 区分
130 径方向外向き表面
132 端部
140 流体コネクタ
142 貫通ボア
144 径方向内向き表面
146 径方向内向き表面
148 径方向外向き表面
149 溝部
150 スナップリング
152A 突出部
152B 突出部
152C 突出部
160 流体接続部