(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】手術スケジュール管理システム
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20220111BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20220111BHJP
【FI】
G16H40/20
G06Q10/02
(21)【出願番号】P 2021067230
(22)【出願日】2021-04-12
【審査請求日】2021-04-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521155313
【氏名又は名称】亀井 拓郎
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀井 拓郎
【審査官】竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-122174(JP,A)
【文献】国際公開第2012/124265(WO,A1)
【文献】特開2015-232767(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0108023(US,A1)
【文献】特開2021-064350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の医師が共通の手術室を用いて手術を行う医療施設における手術スケジュール管理システムであって、
任意の期日における前記手術室の使用予約を、所定の時間枠単位にて受け付ける予約受付手段と、
前記予約受付手段により順次受け付けた前記使用予約に基づき、各期日において対応する前記時間枠を当該使用予約で埋めて1次予約シートデータを作成する1次シート作成手段と、
前記1次シート作成手段により作成された前記1次予約シートデータにおける前記使用予約の内容を、1つの時間枠領域に重なる又は複数の時間枠領域に跨って重なる矩形図像で表すための、2次予約シートデータを作成する2次シート作成手段と、
前記1次予約シートデータの内容に対応した前記矩形図像に対する、ドラッグアンドドロップ操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けた前記ドラッグアンドドロップ操作に基づき、操作対象となっている前記矩形図像を移動させ、前記2次予約シートデータのタイムテーブル枠内における複数の前記矩形図像の並べ替え処理を行う並べ替え処理手段と、
前記並べ替え処理手段により前記並べ替え処理が行われた後の、複数の前記使用予約にそれぞれ対応する複数の矩形図像を含む前記タイムテーブルを表示する表示手段と、
所望の期日の指定入力を受け付ける期日指定受付手段と、
前記1次予約シートデータのうち、前記期日指定受付手段で指定を受け付けた特定期日における前記使用予約の内容を抽出するデータ抽出手段と、
前記データ抽出手段により抽出した前記特定期日における前記使用予約の内容に対応した前記矩形図像を、前記2次予約シートデータ中の前記タイムテーブル枠の外部に仮配置する仮配置手段と、
前記並べ替え処理手段による前記並べ替え処理に対し、所定の制限を加える並べ替え制限手段と、
を有し、
前記操作受付手段は、
前記仮配置手段により仮配置された前記タイムテーブル枠の外部の前記矩形図像に対する、前記タイムテーブル枠の内部へのドラッグアンドドロップ操作を受け付け、
前記並べ替え制限手段は、
前記並べ替え処理手段による前記矩形図像の移動を禁止し、
かつ、
前記操作受付手段により、前記タイムテーブルにおいて、外来患者に対する手術時間が入院患者に対する手術時間よりも遅い時間となるような前記ドラッグアンドドロップ操作が受け付けられた場合には、
前記並べ替え処理手段は、
前記並べ替え制限手段により前記矩形図像の移動を行わないか、
若しくは、
前記並べ替え処理として、前記外来患者に対する手術時間が前記入院患者に対する手術時間よりも早い時間となるように修正した、前記矩形図像の移動を行う
ことを特徴とする手術スケジュール管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の手術スケジュール管理システムにおいて、
前記操作受付手段により、前記タイムテーブルにおいて、同じ術者による手術時間が異なる手術室の間で重複するような前記ドラッグアンドドロップ操作が受け付けられた場合には、
前記並べ替え処理手段は、
前記並べ替え制限手段により前記矩形図像の移動を行わないか、
若しくは、
前記並べ替え処理として、同じ術者による手術時間が異なる手術室で重複しないように修正した、前記矩形図像の移動を行う
ことを特徴とする手術スケジュール管理システム。
【請求項3】
複数の医師が共通の手術室を用いて手術を行う医療施設における手術スケジュール管理システムであって、
任意の期日における前記手術室の使用予約を、所定の時間枠単位にて受け付ける予約受付手段と、
前記予約受付手段により順次受け付けた前記使用予約に基づき、各期日において対応する前記時間枠を当該使用予約で埋めて1次予約シートデータを作成する1次シート作成手段と、
前記1次シート作成手段により作成された前記1次予約シートデータにおける前記使用予約の内容を、1つの時間枠領域に重なる又は複数の時間枠領域に跨って重なる矩形図像で表すための、2次予約シートデータを作成する2次シート作成手段と、
前記1次予約シートデータの内容に対応した前記矩形図像に対する、ドラッグアンドドロップ操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けた前記ドラッグアンドドロップ操作に基づき、操作対象となっている前記矩形図像を移動させ、前記2次予約シートデータのタイムテーブル枠内における複数の前記矩形図像の並べ替え処理を行う並べ替え処理手段と、
前記並べ替え処理手段により前記並べ替え処理が行われた後の、複数の前記使用予約にそれぞれ対応する複数の矩形図像を含む前記タイムテーブルを表示する表示手段と、
所望の期日の指定入力を受け付ける期日指定受付手段と、
前記1次予約シートデータのうち、前記期日指定受付手段で指定を受け付けた特定期日における前記使用予約の内容を抽出するデータ抽出手段と、
前記データ抽出手段により抽出した前記特定期日における前記使用予約の内容に対応した前記矩形図像を、前記2次予約シートデータ中の前記タイムテーブル枠の外部に仮配置する仮配置手段と、
前記並べ替え処理手段による前記並べ替え処理に対し、所定の制限を加える並べ替え制限手段と、
を有し、
前記操作受付手段は、
前記仮配置手段により仮配置された前記タイムテーブル枠の外部の前記矩形図像に対する、前記タイムテーブル枠の内部へのドラッグアンドドロップ操作を受け付け、
前記並べ替え制限手段は、
前記並べ替え処理手段による前記矩形図像の移動を禁止し、
かつ、
前記並べ替え処理手段は、
前記並べ替え処理として、同じ術者による手術時間が連続するように修正した、前記矩形図像の移動を行う
ことを特徴とする手術スケジュール管理システム。
【請求項4】
複数の医師が共通の手術室を用いて手術を行う医療施設における手術スケジュール管理システムであって、
任意の期日における前記手術室の使用予約を、所定の時間枠単位にて受け付ける予約受付手段と、
前記予約受付手段により順次受け付けた前記使用予約に基づき、各期日において対応する前記時間枠を当該使用予約で埋めて1次予約シートデータを作成する1次シート作成手段と、
前記1次シート作成手段により作成された前記1次予約シートデータにおける前記使用予約の内容を、1つの時間枠領域に重なる又は複数の時間枠領域に跨って重なる矩形図像で表すための、2次予約シートデータを作成する2次シート作成手段と、
前記1次予約シートデータの内容に対応した前記矩形図像に対する、ドラッグアンドドロップ操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けた前記ドラッグアンドドロップ操作に基づき、操作対象となっている前記矩形図像を移動させ、前記2次予約シートデータのタイムテーブル枠内における複数の前記矩形図像の並べ替え処理を行う並べ替え処理手段と、
前記並べ替え処理手段により前記並べ替え処理が行われた後の、複数の前記使用予約にそれぞれ対応する複数の矩形図像を含む前記タイムテーブルを表示する表示手段と、
所望の期日の指定入力を受け付ける期日指定受付手段と、
前記1次予約シートデータのうち、前記期日指定受付手段で指定を受け付けた特定期日における前記使用予約の内容を抽出するデータ抽出手段と、
前記データ抽出手段により抽出した前記特定期日における前記使用予約の内容に対応した前記矩形図像を、前記2次予約シートデータ中の前記タイムテーブル枠の外部に仮配置する仮配置手段と、
前記並べ替え処理手段による前記並べ替え処理に対し、所定の制限を加える並べ替え制限手段と、
を有し、
前記操作受付手段は、
前記仮配置手段により仮配置された前記タイムテーブル枠の外部の前記矩形図像に対する、前記タイムテーブル枠の内部へのドラッグアンドドロップ操作を受け付け、
前記並べ替え制限手段は、
前記並べ替え処理手段による前記矩形図像の移動を禁止し、
かつ、
前記操作受付手段により、前記タイムテーブルにおいて、所要時間が予想しやすい手術時間が所要時間が予想しにくい手術時間よりも遅い時間となるような前記ドラッグアンドドロップ操作が受け付けられた場合には、
前記並べ替え処理手段は、
前記並べ替え制限手段により前記矩形図像の移動を行わないか、
若しくは、
前記並べ替え処理として、所要時間が予想しやすい手術時間が所要時間が予想しにくい手術時間よりも速い時間となるように修正した、前記矩形図像の移動を行う
ことを特徴とする手術スケジュール管理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の手術スケジュール管理システムにおいて、
前記操作受付手段により、前記タイムテーブルにおいて、設備上の制限に適合しない手術時間の組み合わせとなるような前記ドラッグアンドドロップ操作が受け付けられた場合には、
前記並べ替え処理手段は、
前記並べ替え制限手段により前記矩形図像の移動を行わないか、
若しくは、
前記並べ替え処理として、前記設備上の制限に適合する手術時間の組み合わせとなるように修正した、前記矩形図像の移動を行う
ことを特徴とする手術スケジュール管理システム
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療施設における手術予約のスケジュールを管理するための手術スケジュール管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末を利用して病院の予約、予約日再確認、投薬時間再確認、円環資料等のサービスを実現する医療機関予約システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来技術では、医療機関においてスケジュール管理が容易な診療予約に対して対応可能であるものの、施術者、施術時間、使用機器、手術室の使用状況などの兼ね合いからスケジュール管理が複雑になりやすい手術予約までは対応できなかった。
【0005】
本発明の目的は、医療施設における手術予約のスケジュールの管理を容易にするための手術スケジュール管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、複数の医師が共通の手術室を用いて手術を行う医療施設における手術スケジュール管理システムであって、任意の期日における前記手術室の使用予約を、所定の時間枠単位にて受け付ける予約受付手段と、前記予約受付手段により順次受け付けた前記使用予約に基づき、各期日において対応する前記時間枠を当該使用予約で埋めて1次予約シートデータを作成する1次シート作成手段と、前記1次シート作成手段により作成された前記1次予約シートデータにおける前記使用予約の内容を、1つの時間枠領域に重なる又は複数の時間枠領域に跨って重なる矩形図像で表すための、2次予約シートデータを作成する2次シート作成手段と、前記1次予約シートデータの内容に対応した前記矩形図像に対する、ドラッグアンドドロップ操作を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段により受け付けた前記ドラッグアンドドロップ操作に基づき、操作対象となっている前記矩形図像を移動させ、前記2次予約シートデータのタイムテーブル枠内における複数の前記矩形図像の並べ替え処理を行う並べ替え処理手段と、前記並べ替え処理手段により前記並べ替え処理が行われた後の、複数の前記使用予約にそれぞれ対応する複数の矩形図像を含む前記タイムテーブルを表示する表示手段と、所望の期日の指定入力を受け付ける期日指定受付手段と、前記1次予約シートデータのうち、前記期日指定受付手段で指定を受け付けた特定期日における前記使用予約の内容を抽出するデータ抽出手段と、前記データ抽出手段により抽出した前記特定期日における前記使用予約の内容に対応した前記矩形図像を、前記2次予約シートデータ中の前記タイムテーブル枠の外部に仮配置する仮配置手段と、前記並べ替え処理手段による前記並べ替え処理に対し、所定の制限を加える並べ替え制限手段と、を有し、前記操作受付手段は、前記仮配置手段により仮配置された前記タイムテーブル枠の外部の前記矩形図像に対する、前記タイムテーブル枠の内部へのドラッグアンドドロップ操作を受け付け、前記並べ替え制限手段は、前記並べ替え処理手段による前記矩形図像の移動を禁止し、かつ、前記操作受付手段により、前記タイムテーブルにおいて、外来患者に対する手術時間が入院患者に対する手術時間よりも遅い時間となるような前記ドラッグアンドドロップ操作が受け付けられた場合には、前記並べ替え処理手段は、前記並べ替え制限手段により前記矩形図像の移動を行わないか、若しくは、前記並べ替え処理として、前記外来患者に対する手術時間が前記入院患者に対する手術時間よりも早い時間となるように修正した、前記矩形図像の移動を行うことを特徴とする。
また上記目的を達成するために、本願発明は、複数の医師が共通の手術室を用いて手術を行う医療施設における手術スケジュール管理システムであって、任意の期日における前記手術室の使用予約を、所定の時間枠単位にて受け付ける予約受付手段と、前記予約受付手段により順次受け付けた前記使用予約に基づき、各期日において対応する前記時間枠を当該使用予約で埋めて1次予約シートデータを作成する1次シート作成手段と、前記1次シート作成手段により作成された前記1次予約シートデータにおける前記使用予約の内容を、1つの時間枠領域に重なる又は複数の時間枠領域に跨って重なる矩形図像で表すための、2次予約シートデータを作成する2次シート作成手段と、前記1次予約シートデータの内容に対応した前記矩形図像に対する、ドラッグアンドドロップ操作を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段により受け付けた前記ドラッグアンドドロップ操作に基づき、操作対象となっている前記矩形図像を移動させ、前記2次予約シートデータのタイムテーブル枠内における複数の前記矩形図像の並べ替え処理を行う並べ替え処理手段と、前記並べ替え処理手段により前記並べ替え処理が行われた後の、複数の前記使用予約にそれぞれ対応する複数の矩形図像を含む前記タイムテーブルを表示する表示手段と、所望の期日の指定入力を受け付ける期日指定受付手段と、前記1次予約シートデータのうち、前記期日指定受付手段で指定を受け付けた特定期日における前記使用予約の内容を抽出するデータ抽出手段と、前記データ抽出手段により抽出した前記特定期日における前記使用予約の内容に対応した前記矩形図像を、前記2次予約シートデータ中の前記タイムテーブル枠の外部に仮配置する仮配置手段と、前記並べ替え処理手段による前記並べ替え処理に対し、所定の制限を加える並べ替え制限手段と、を有し、前記操作受付手段は、前記仮配置手段により仮配置された前記タイムテーブル枠の外部の前記矩形図像に対する、前記タイムテーブル枠の内部へのドラッグアンドドロップ操作を受け付け、前記並べ替え制限手段は、前記並べ替え処理手段による前記矩形図像の移動を禁止し、かつ、前記並べ替え処理手段は、前記並べ替え処理として、同じ術者による手術時間が連続するように修正した、前記矩形図像の移動を行うことを特徴とする。
また上記目的を達成するために、本願発明は、複数の医師が共通の手術室を用いて手術を行う医療施設における手術スケジュール管理システムであって、任意の期日における前記手術室の使用予約を、所定の時間枠単位にて受け付ける予約受付手段と、前記予約受付手段により順次受け付けた前記使用予約に基づき、各期日において対応する前記時間枠を当該使用予約で埋めて1次予約シートデータを作成する1次シート作成手段と、前記1次シート作成手段により作成された前記1次予約シートデータにおける前記使用予約の内容を、1つの時間枠領域に重なる又は複数の時間枠領域に跨って重なる矩形図像で表すための、2次予約シートデータを作成する2次シート作成手段と、前記1次予約シートデータの内容に対応した前記矩形図像に対する、ドラッグアンドドロップ操作を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段により受け付けた前記ドラッグアンドドロップ操作に基づき、操作対象となっている前記矩形図像を移動させ、前記2次予約シートデータのタイムテーブル枠内における複数の前記矩形図像の並べ替え処理を行う並べ替え処理手段と、前記並べ替え処理手段により前記並べ替え処理が行われた後の、複数の前記使用予約にそれぞれ対応する複数の矩形図像を含む前記タイムテーブルを表示する表示手段と、所望の期日の指定入力を受け付ける期日指定受付手段と、前記1次予約シートデータのうち、前記期日指定受付手段で指定を受け付けた特定期日における前記使用予約の内容を抽出するデータ抽出手段と、前記データ抽出手段により抽出した前記特定期日における前記使用予約の内容に対応した前記矩形図像を、前記2次予約シートデータ中の前記タイムテーブル枠の外部に仮配置する仮配置手段と、前記並べ替え処理手段による前記並べ替え処理に対し、所定の制限を加える並べ替え制限手段と、を有し、前記操作受付手段は、前記仮配置手段により仮配置された前記タイムテーブル枠の外部の前記矩形図像に対する、前記タイムテーブル枠の内部へのドラッグアンドドロップ操作を受け付け、前記並べ替え制限手段は、前記並べ替え処理手段による前記矩形図像の移動を禁止し、かつ、前記操作受付手段により、前記タイムテーブルにおいて、所要時間が予想しやすい手術時間が所要時間が予想しにくい手術時間よりも遅い時間となるような前記ドラッグアンドドロップ操作が受け付けられた場合には、前記並べ替え処理手段は、前記並べ替え制限手段により前記矩形図像の移動を行わないか、若しくは、前記並べ替え処理として、所要時間が予想しやすい手術時間が所要時間が予想しにくい手術時間よりも速い時間となるように修正した、前記矩形図像の移動を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、医療施設における手術予約のスケジュールの管理を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る手術スケジュール管理システムの概略的なシステム構成図である。
【
図2】操作端末の表示部における1次予約シートの表示例を表す図である。
【
図3】1つの使用予約コマの登録に必要な6つの入力情報を説明する図である。
【
図4】患者氏名の情報を入力する際の1つの使用予約コマを拡大して表す図である。
【
図5】術者の情報を入力する際の1つの使用予約コマを拡大して表す図である。
【
図6】登録が完了した1つの使用予約コマを拡大して表す図である。
【
図7】キャンセル操作する際の1つの使用予約コマを拡大して表す図である。
【
図8】キャンセル操作が完了した際の時間枠とキャンセル枠の表示の切り替えを説明する図である。
【
図9】使用予約コマを抽出表示した編集前状態にある2次予約シートの表示例を表す図である。
【
図10】ドラッグアンドドロップ操作による使用予約コマの並べ替え編集中の2次予約シートの表示例を表す図である。
【
図11】使用予約コマの並べ替え編集完了時の2次予約シートの表示例を表す図である。
【
図12】管理サーバのCPUが実行する手術スケジュール管理プログラムの制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0011】
<手術スケジュール管理システムの構成>
本実施形態に係わる、手術スケジュール管理システムの概略的なシステム構成を
図1に示す。
図1において、手術スケジュール管理システム1は、複数の操作端末2と、これら複数の操作端末2とLANなどの構内ネットワークNWを介して情報送受可能に接続する管理サーバ3とを有している。
【0012】
各操作端末2は、特に図示しないCPU、ROM、RAM、HDD、操作部、表示部などを備えた例えば汎用パーソナルコンピュータで構成され、実際に患者の診察や手術を行う担当医師や、手術予約のスケジュールの管理権限を有する管理者などがそれぞれ使用する端末である。
【0013】
管理サーバ3は、特に図示しないCPU、ROM、RAM、HDDなどを備えた情報処理装置であり、HDDには手術スケジュールデータベース31と手術スケジュール管理プログラム32を記憶している。手術スケジュールデータベース31は、後述する1次予約シートデータ31aと2次予約シートデータ31bとを記録するデータベースである。手術スケジュール管理プログラム32は、当該管理サーバ3にアクセスした上記の各操作端末2からのリモート操作により、上記の1次予約シートデータ31aにおける手術室の使用予約の登録や、2次予約シートデータ31bを介した使用予約のスケジュール編集や、操作端末2における各シートデータ31a,31bの検索閲覧表示などの各種処理を実行するプログラムである。本実施形態の例では、この手術スケジュール管理プログラム32の基本機能が一般的な表計算ソフトと同等であり、さらにその表計算ソフトのフォーマットに準拠した表計算データである上記2つのシートデータ31a,31bそれぞれのデータ内容を相互に連携させつつ個別に操作可能にプログラムされている。なお、この管理サーバ3が各請求項記載の手術スケジュール管理装置に相当する。
【0014】
なお、以上の構成に限られず、管理サーバ3には手術スケジュールデータベース31だけを記憶しておき、各操作端末2がそれぞれ手術スケジュール管理プログラム32を記憶して共有する管理サーバ3の手術スケジュールデータベース31に対して各種処理を実行する構成としてもよい(特に図示せず)。
【0015】
そして、以下に説明する本実施形態の手術スケジュール管理システム1の例においては、医療施設として2つの手術室(Room1,Room2)を有する独立した眼科医院を想定し、複数の医師が特定の手術で使用する専用の器具や設備をそれら2つの手術室で共有して使用する場合に適用するものとして説明する。
【0016】
<1次予約シートについて>
上述したように1次予約シートデータ31aは、表計算ソフトのフォーマットに準拠した表計算データであり、例えば
図2に示すようなデータ内容にある1つの表計算シートの形態で操作端末2の表示部に表示される。なお以下においては、1次予約シートと2次予約シートの各シートデータ31a,31bについて、操作端末2におけるいわゆるGUI(Graphic User Interface)の態様でデータ表示とデータ入力を行う場合の例で図示、説明する。
【0017】
図示する例の1次予約シートは、2021年3月29日の1日分における2つの手術室それぞれの使用予約に関するデータが記録、表示されている。この1次予約シートにおいては、横方向が2つの手術室(Room1,Room2)で大別して区画されているとともに、縦方向が時間方向として開院時間の10:00から閉院時間の17:00までの間の時間領域が20分単位の時間枠で区分され、さらにその下方にはキャンセル枠が設けられている。
【0018】
なお、紙面の都合により、この
図2中においては1日における10:00~11:40の間の時間枠と1つのキャンセル枠のみ示してその他の図示が省略されているが、表示部の表示領域の広さに合わせて適宜の期日分、時間枠分を全てもしくはスクロール表示してもよい。また、図示されていない12:00~13:00の間の時間区分は昼休み時間に相当するとして使用予約の登録を不可能とし、またキャンセル枠も別途複数設けられていてもよい。そして、1次予約シートデータ31aには上記の使用予約データが当該眼科医院の開院日ごとに記録され、期日をキーとして検索、表示可能となっている。
【0019】
各操作端末2の使用者である担当医師や管理者が特定の患者に対して手術を行うことを決めた際には、まず手術スケジュール管理プログラム32を実行して当該手術の施術予定日に対応する1次予約シートを検索、参照し、当日いずれかの手術室で空いている時間に当該手術を行うための手術室の使用予約を1次予約シートに登録する。
【0020】
このように1回分の手術に対する手術室の使用予約を登録するにあたっては、この1次予約シートに対して例えば
図3に示す6つの情報を入力する。1つ目の入力情報は施術対象である患者個人の識別情報としての患者IDであり、2つ目の入力情報は当該患者の氏名の情報であり、3つ目の入力情報は当該手術を施術する術者(担当医)の情報であり、4つ目の入力情報は当該手術の施術内容である術式の情報であり、5つ目の入力情報は当該患者が外来患者であるか入院患者であるかの情報であり、6つ目の入力情報は当該手術の予定施術時間の情報である。
【0021】
上述したように、1次予約シート及び2次予約シートはいずれも表計算シートの形態にあり、その最小記録単位である1つのセル(図中の点線で区切られた1つの枠)には1つの情報だけが入力される。
図3はその表計算シートの部分拡大図に相当しており、所定のセル位置にある6つのセル情報をまとめて手術1回分の使用予約データに相当する使用予約コマ40(図中の太線枠で囲まれたセルの集合領域)として登録される。したがって、上記
図2に示した1次予約シートでは、20分単位で区分された各時間枠が図示する例のように2列×3行=6セル分で構成され、1つの使用予約コマ40は当該手術の予定施術時間の長さに応じた1つ又は複数の連続した時間枠分(セル3行の倍数分)の大きさで登録、表示される。また、図示する例の1次予約シートでは各使用予約コマ40が登録された際に、その枠全体が術式の内容に対応した背景色で塗りつぶされて表示される。
【0022】
そして本実施形態の例では、上記6つの入力情報のうち患者IDと患者氏名の2つについて、それらの内容を手入力によって自由に入力できるようにする。具体的には、例えば
図4に示すように該当する位置のセルをカーソルCUの押下操作で指定して、操作部のキーボードから当該セルにテキスト入力する(図中では患者氏名のセルでの入力を図示)。
【0023】
患者IDは、あらかじめ患者個人に対応して別途作成されたカルテなどに一意に付与された識別情報であり、図示する例では7桁の数字で表記されている。なお、紙のカルテに記載する患者IDをバーコードやQRコード(登録商標)などの符号化形態で表記してもよく、操作端末2に接続された別途のバーコードリーダで読み取ることで当該1次予約シート上(使用予約コマ40のセル上)に自動的に患者IDの情報を入力してもよい。この場合には、バーコードの読み取り情報と患者IDとを紐付けて記憶する患者データベースを別途用意する必要がある(以上、特に図示せず)。なお、患者IDとともに患者氏名も紐付けて管理していれば、バーコードの読み取りで自動的に2つの情報を入力できる。
【0024】
また、上記6つの入力情報のうちの他の4つ、すなわち術者、術式、外来又は入院、予定施術時間の情報については、いずれも予め用意された複数の選択肢のいずれか1つを選択的に入力できるようにする。例えば術者の場合、
図5に示すように、該当する位置のセルをカーソルCUで押下操作することでボタン41が表示され、さらにそのボタン41を押下操作することで当該眼科医院で手術が可能な登録担当医(施術者)の名字を列記したプルダウンメニュー42が表示され、その中から術者を選択操作して入力する。また、術式については当該眼科医院で施術可能な複数の術式を選択肢とし、外来又は入院については「外来」と「入院」を選択肢とし、予定施術時間については「20分」、「40分」、「60分」などのように20分単位での時間枠を選択肢として、それぞれプルダウンメニュー42を表示すればよい。なお、外来と入院の入力情報については、後に詳述するように「全身麻酔」、「キャンセル」の選択肢を用意してもよい(後述の
図7参照)。
【0025】
そして6つの情報を全て入力した際には、
図6に示すように予定施術時間の時間枠数分に対応したセル行数(つまりセル3行の倍数)の長さで太線枠が形成され、さらにその内部全体が施術内容に対応した背景色で塗りつぶされた使用予約コマ40が表示されて、手術室の使用予約が1次予約シートに登録される。図示する例では、上記
図2の1次予約シートにおけるRoom1、10:00~10:20の時間枠(つまり20分間相当のセル3行数分の時間枠)の使用予約コマ40を拡大表示している。なお、新規の使用予約コマ40を登録する場合には、必ずその時点で空いている時間枠領域に限定して登録するものとし、予定施術時間の入力設定時には他の使用予約コマ40と重複する時間枠領域での設定を受け付けないようにする。以上のように1次予約シート上における使用予の登録を行うことで、各手術室における各手術の予約状況が使用予約コマ40としてタイムラインスケジュール上に重複しないよう登録され、また各使用予約コマ40において患者や施術に関する詳細情報を一覧表示できる。なお、使用予約コマ40が登録された時間枠領域に対応する時間が各請求項記載の手術時間に相当する。
【0026】
さらに本実施形態の例では、患者の都合により一旦予約された手術がキャンセルされる場合に対応して、1次予約シート上で1度登録された使用予約コマ40のキャンセル操作も行えるようにする。具体的には、
図7に示す例のように既に登録された使用予約コマ40における外来又は入院の情報入力セルのプルダウンメニュー42でキャンセルの選択肢を選択操作する。これにより、
図8に示すように登録時の時間枠(図示する例では10:00~10;20の時間枠)から使用予約コマ40の表示、つまり太線枠、背景色の塗りつぶし、各入力情報の表示が消え、その代わりに参照情報として1次予約シート下方側のタイムライン外に配置されているキャンセル枠に入力情報だけを移して表示する。
【0027】
<2次予約シートについて>
上記の1次予約シートでは、その時点で使用予約がされていない手術室の空いた時間枠にだけ担当医又は管理者が使用予約コマ40を登録でき、つまり早い者勝ちで使用予約コマ40が埋められてスケジュールが決定される。しかしながら、使用予約コマ40が登録された後でも以下のような事情から各手術の施術順や時間配置の調整が必要となる場合がある。
【0028】
例えば、外来患者は当該眼科医院の受付時間帯や開院時間内に施術すべきとする制限があり、それに対して入院患者にはそのような時間帯の制限がない。このため、外来患者は入院患者よりも先に施術することが望ましい(条件1)。また、同じ術者が重複した時間枠で2つの手術室で施術することができないことはもちろん、手術準備などの都合から同じ術者は時間を空けずにできるだけ連続した時間枠で施術することが望ましい(条件2)。また例えば、流出路再建術は5分、白内障手術は10分で予定通り施術が完了する場合が多いことに対し、緑内障手術や硝子体手術は患者の状態次第で所要時間が60分~90分で変動しやすい。このように予定施術時間の予想が立てにくい術式内容の手術に対しては延長しやすいように、予定施術時間の予想が立てやすい術式よりも後に施術することが望ましい(条件3)。また例えば、硝子体手術で必要とされる専用の機器や設備が1つしかない場合には、2つの手術室で重複する時間枠に同じ硝子体手術を施術することができない。このような設備上の制限に適合するよう、同じ機器や設備を必要とする術式内容の手術を2つの手術室で重複する時間枠で施術しない組み合わせとすることが望ましい(条件4)。また、施術前後の準備や後処理による多少の時間のずれ込みを考慮して、手術の合間に使用予約のない空きの時間枠を適宜設けることが望ましい(条件5)。
【0029】
これに対して本実施形態の手術スケジュール管理プログラム32では、1次予約シートにおける各手術室のタイムラインスケジュール上に多数の使用予約コマ40が埋められるよう登録された後でも、2次予約シートでの編集処理によって各使用予約コマ40の時間枠の配置や順序を容易に変更可能としている。
【0030】
図9は、上記
図2に示した1次予約シートデータ31aのデータ内容例に対応して、そこに登録されている全ての使用予約コマ40を抽出して初期位置に配置した編集前状態にある2次予約シートの表示例を示している。
【0031】
図示する例の2次予約シートでは、縦方向で2つの手術室(Room1,Room2)が大別して区画されているとともに、横方向が時間方向として開院時間の10:00から閉院時間の17:00(図示省略)までの間の各手術室に対応する2つのタイムテーブル枠44が20分単位の時間枠で区分されている。また各手術室のタイムテーブル枠44に対してそれぞれ上下方向で隣接する行位置に、対応する手術室に登録済みの各使用予約コマ40が初期的に仮配置される初期配置行45が設けられている。
【0032】
当該2次予約シート全体の左上方位置には入力年月日の入力セル46が設けられており、ここに編集対象期日の年月日を入力してから隣の入力ボタン47を押下操作することで、対応する期日の1次予約シートデータ31aに登録されている全ての使用予約コマ40が抽出され、図示するようにそれぞれ対応する手術室の初期配置行45でそれぞれ対応する時間枠に並列配置される。なお、この2次予約シートにおいては、各使用予約コマ40における6つの入力情報が縦1列の配置で表示され、また各使用予約コマ40の枠内部は「外来」と「入院」と「全身麻酔」の区別に対応した背景色で塗りつぶされて表示される。この背景色の区別は、上述した条件1の観点で各使用予約コマ40の区別を容易に視認できるようにするためであり、また同じ条件1の観点で全身麻酔を必要とする使用予約コマ40については独自の背景色で塗りつぶして個別に視認が容易となるよう表示している。なお、入力ボタン47の隣には別途の初期化ボタン48が設けられており、これを押下操作することで全ての表示内容がリセットされて空白となる。
【0033】
そして、この2次予約シート上において表示される各使用予約コマ40は、カーソルCUを介したいわゆるドラッグアンドドロップ操作での移動操作が可能なアイコンとして表示される。具体的には、
図10に示すように、特定の使用予約コマ40のアイコンに対してカーソルCUの押下操作による把持状態を維持したまま任意の方向に移動させること(ドラッグ操作)ができ、目的の手術室に対応するタイムテーブル枠44上の時間枠位置でカーソルCUの開放操作を行うことにより当該アイコンの位置を固定させること(ドロップ操作)ができる。
【0034】
なお、このドラッグアンドドロップ操作では、使用予約コマ40のアイコンをいずれかの初期配置行45上又はタイムテーブル枠44上にだけドロップ操作を受付可能とし、また2つのタイムテーブル枠44間における移動も可能とする。また、アイコンを各時間枠の途中位置や他のアイコンと重複する位置にドロップ操作した場合には、その移動操作を受け付けない(元の位置に戻す)か、もしくは最寄りの空いた時間枠位置に一致するよう自動的に引き込んで整列配置させる。なお、上記のアイコンが各請求項記載の矩形図像に相当し、移動操作を受け付けないことが書く請求項記載の所定の制限に相当する。
【0035】
2次予約シートでの編集操作を行う操作者(担当医師、管理者)は、上述した条件1~条件5を考慮しつつ上記の編集操作を繰り返すことによって、例えば
図11に示すように全ての使用予約コマ40を各タイムテーブル枠44に並べ替えて再配置し、それぞれのタイムラインスケジュールを最適化することができる。そして、この2次予約シート上での編集作業を終了した際には、当該2次予約シート上での各使用予約コマ40の配置が1次予約シート上でも反映されて再登録される。
【0036】
<制御手順>
本実施形態における上記の手法を実現するために、管理サーバ3のCPU(図示省略)が実行する手術スケジュール管理プログラム32の制御手順の一例を、
図12のフローチャートにより説明する。この制御手順は、当該管理サーバ3にアクセスした各操作端末2からのリモート操作によって手術スケジュール管理プログラム32を起動した際に以下の手順が開始される。
【0037】
S5では、操作端末2の表示部に1次予約シートを表示させる。このとき、その当日に対応するスケジュール内容を表示してもよいし、指定入力された任意の期日に対応するスケジュール内容を検索して表示してもよい。
【0038】
次にS10で、当該期日のスケジュール内容に対する2次予約シートを用いた使用予約コマ40の並べ替え編集の要求操作が操作端末2から行われたか否かを判定する。要求操作として具体的には、一般的な表計算ソフトにおける各シートに対応したタブの選択操作などがある。並べ替え編集の要求操作が行われていない場合にはNO判定となり、S15へ移行する。
【0039】
S15では、当該期日における手術室の使用予約を、所定の時間枠単位にて受け付ける。具体的には、各手術室のいずれかの時間枠における6つの情報セルの入力により使用予約コマ40の新規登録、又はキャンセルの操作を受け付ける。
【0040】
次のS20で、新規登録又はキャンセルされた使用予約コマ40の入力情報を反映して当該期日に対応する1次予約シートデータ31aのスケジュール内容を作成(修正)する。
【0041】
次にS25で、操作端末2から操作終了の指示がなされたか否かが判定され、操作終了の指示があった場合にはYES判定となり、このフローを終了する。一方、操作終了の指示がなかった場合にはNO判定となり、上記のS10へ戻って同様の手順を繰り返す。
【0042】
また一方、上記S10の判定において、並べ替え編集の要求操作が行われていた場合にはYES判定となり、S30へ移行する。
【0043】
S30では、操作端末2の表示部に空白の2次予約シートを表示する。
【0044】
次のS35で、入力年月日の入力操作と入力ボタン47の押下操作を受け付ける。なお、特に図示しないが、初期化ボタン48の押下操作は常時受け付けており、押下操作された際にはS30へ戻って空白の2次予約シートを再表示する。
【0045】
S40では、入力年月日で指定入力された期日に対応する1次予約シートデータ31aから各使用予約コマ40のデータを抽出する。
【0046】
次のS45で、抽出された各使用予約コマ40のアイコンをそれぞれ対応する初期配置行45の時間枠位置に仮配置して表示する。
【0047】
次のS50では、各使用予約コマ40のアイコンに対するドラッグアンドドロップ操作を受け付ける。
【0048】
次にS55で、各時間枠の途中位置や他のアイコンと重複する位置にドロップ操作されたアイコンに対して、その移動操作を受け付けないか、もしくは最寄りの空いた時間枠位置に一致するよう自動的に引き込んで整列配置させるよう並べ替えを制限する。
【0049】
S60では、各タイムテーブル枠44上の時間枠に適正に移動されたアイコンに対して、その対応する使用予約コマ40を当該時間枠位置に並べ替えるよう内部的に処理する。
【0050】
S65では、操作端末2から2次予約シートでの並べ替え編集操作を終了する指示がなされたか否かが判定され、操作終了の指示がなかった場合にはNO判定となり、上記のS50へ戻って同様の手順を繰り返す。一方、操作終了の指示があった場合にはYES判定となり、S70へ移行する。
【0051】
S70では、並べ替えられた各使用予約コマ40の配置位置を反映して当該期日に対応する2次予約シートデータ31bのスケジュール内容を作成(修正)し、また当該期日に対応する1次予約シートデータ31aに対しても同じスケジュール内容を反映するよう修正する。
【0052】
次にS75で、修正した2次予約シートのタイムテーブル枠44を操作端末2の表示部に表示させる。そして、このフローを終了する。
【0053】
以上において、S15の手順が各請求項記載の予約受付手段と予約受付部に相当し、S20の手順が各請求項記載の1次シート作成手段と1次シート作成部に相当し、S70の手順が各請求項記載の2次シート作成手段と2次シート作成部に相当し、S50の手順が各請求項記載の操作受付手段と操作受付部に相当し、S60の手順が各請求項記載の並べ替え処理手段と並べ替え処理部に相当し、S75の手順が各請求項記載の表示手段に相当し、S35の手順が各請求項記載の期日指定受付手段に相当し、S40の手順が各請求項記載のデータ抽出手段に相当し、S45の手順が各請求項記載の仮配置手段に相当し、S55の手順が各請求項記載の並べ替え制限手段に相当する。
【0054】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、S15の手順で任意の期日における手術室の使用予約を所定の時間枠単位にて受け付け、S20の手順で使用予約コマ40を時間枠に埋めて1次予約シートデータ31aを作成し、S70の手順で使用予約コマ40のアイコンで各手術室の手術スケジュールを表す2次予約シートデータ31bを作成する。S50の手順では、1次予約シートデータ31aの内容に対応した各使用予約コマ40のアイコンに対するドラッグドロップ操作を2次予約シート上で受け付け、S60の手順でそのドラッグアンドドロップ操作に基づく各アイコンのタイムテーブル枠44中での並べ替え処理を行い、S75の手順で並べ替え処理が行われた各アイコンを含むタイムテーブル枠44を表示する。
【0055】
これにより、1次予約シートにおいて多数の使用予約コマ40が埋められるよう登録された後でも、2次予約シートでの編集処理によって各種条件を考慮しつつ各手術室のタイムラインスケジュールを最適化できるよう各使用予約コマ40の時間枠の配置や順序を容易に変更可能としている。この結果、医療施設における手術予約のスケジュールの管理を容易にできる。
【0056】
また、本実施形態では特に、S35の手順で期日の指定入力を受け付け、S40の手順で1次予約シートデータ31aのうち指定期日における使用予約コマ40の内容を抽出し、S45の手順で各使用予約コマ40のアイコンを2次予約シートデータ31b中のタイムテーブル枠44の外部に仮配置する。そして、S50の手順では、タイムテーブル枠44の外部に仮配置された各アイコンに対する、タイムテーブル枠44の内部へのドラッグアンドドロップ操作を受け付ける。
【0057】
これにより操作者は、1次予約シートデータ31aにおける各使用予約コマ40の元の時間枠配置から2次予約シート上のタイムテーブル枠44における任意の時間枠配置への移動操作を、GUI表示画面において簡易に行えるドラッグアンドドロップ操作を介して簡易に行うことができる。
【0058】
また、本実施形態では特に、S60の手順による並べ替え処理に対し、S55の手順で所定の制限を加える並べ替え制限処理を行う。これにより、例えばタイムテーブル枠44外の位置や他のアイコンと重複する位置などの許容されない位置にアイコンがドロップ操作された場合などに対して並べ替え処理を制限できる。
【0059】
また、本実施形態では特に、S55の手順で不適切なドラッグアンドドロップ操作に対応したアイコンの移動を行わせないよう制限する。これにより、許容されない位置へのアイコンの移動操作を制限し、各アイコンの適切な整列配置を補助できる。
【0060】
なお、上記実施形態においては、2次予約シート上における各使用予約コマ40の配置編集を、担当医師や管理者が上述した条件1~5を考慮しつつ人為的に使用予約コマ40を移動操作することで行っていたが、これに限られない。例えば、手術スケジュール管理プログラム32のS55、S60の手順などにおいて、いわゆる組み合わせ最適化問題の解法アルゴリズムなどに基づき条件1~5をできるだけ満たすよう最適化した使用予約コマ40の配置編集を機械的に行うようにしてもよい。
【0061】
この場合、例えば条件1に対しては、S50の手順で、タイムテーブル枠44において、外来患者に対する手術時間が入院患者に対する手術時間よりも遅い時間となるようなドラッグアンドドロップ操作が受け付けられた場合には、S55の手順でドラッグアンドドロップ操作に対応したアイコンに移動を行わないか、若しくは、S60の手順で、外来患者に対する手術時間が入院患者に対する手術時間よりも早い時間となるように修正した、アイコンの移動を行うよう処理する。これにより、時間制限のある外来患者に対して当該眼科医院の受付時間帯や開院時間内に施術が完了するよう優先的に使用予約を登録できる。
【0062】
また条件2に対しては、S50の手順で、タイムテーブル枠44において、同じ術者による手術時間が異なる手術室の間で重複するようなドラッグアンドドロップ操作が受け付けられた場合には、S55の手順でドラッグアンドドロップ操作に対応したアイコンに移動を行わないか、若しくは、S60の手順で、同じ術者による手術時間が異なる手術室で重複しないように修正した、アイコンの移動を行うよう処理する。これにより、同じ術者が異なる手術室で同時に施術するような矛盾した使用予約の登録を回避できる。
【0063】
また同じく条件2に対しては、S60の手順で、同じ術者による手術時間が連続するように修正した、アイコンの移動を行うよう処理する。これにより、同じ術者が手術準備を繰り返し行う手間を省略して、手術作業の労力を軽減できる。
【0064】
また条件3に対しては、S50の手順で、タイムテーブル枠44において、所要時間が予想しやすい手術時間が所要時間が予想しにくい手術時間よりも遅い時間となるようなドラッグアンドドロップ操作が受け付けられた場合には、S55の手順でドラッグアンドドロップ操作に対応したアイコンの移動を行わないか、若しくは、S60の手順で、所要時間が予想しやすい手術時間が所要時間が予想しにくい手術時間よりも速い時間となるように修正した、アイコンの移動を行うよう処理する。これにより、予定施術時間の予想が立てにくい術式内容の手術に対しては施術時間が延長しやすくなり、弾力的な手術スケジュールの設定が可能となる。
【0065】
また条件4に対しては、S50の手順で、タイムテーブル枠44において、設備上の制限に適合しない手術時間の組み合わせとなるようなドラッグアンドドロップ操作が受け付けられた場合には、S55の手順でドラッグアンドドロップ操作に対応したアイコンの移動を行わないか、若しくは、S60の手順で、設備上の制限に適合する手術時間の組み合わせとなるように修正した、アイコンの移動を行うよう処理する。これにより、例えば同じ機器や設備を必要とする術式内容の手術を2つの手術室で重複する時間枠で施術しないといった設備上の制限に適合するよう、整合性を確保した手術スケジュールの設定が可能となる。
【0066】
なお、上記実施形態では手術室が2つある場合の例で説明したが、1つだけの場合や3つ以上ある場合にも同様の処理が適用できる。また、例えば大きい病院などのように眼科だけではなく複数の医療科を有し、それら複数の医療科が共通の手術室を使用する医療施設もある。この場合には、各担当医は自分が所属している医療科以外の他の医療科の使用予約コマ40を移動させることができず、すなわち各手術室それぞれのタイムラインスケジュールにおいて医療科ごとに登録している部分的な時間枠領域の中でしか使用予約コマ40の位置編集を行うことができない。この場合に手術スケジュール管理プログラム32は、アクセスしている操作端末2の所属医療科を判別し、2次予約シートでタイムテーブル枠44を表示する際に当該所属医療科が登録している使用予約コマ40とその時間枠領域だけを表示し、その限定された時間枠領域内だけで使用予約コマ40を移動操作させるようにすればよい。
【0067】
なお、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0068】
また、
図12に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0069】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0070】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0071】
1 手術スケジュール管理システム
2 操作端末
3 管理サーバ
31 手術スケジュールデータベース
31a 1次予約シートデータ
31b 2次予約シートデータ
32 手術スケジュール管理プログラム
40 使用予約コマ
44 タイムテーブル枠
【要約】
【課題】医療施設における手術予約のスケジュールの管理を容易にする。
【解決手段】手術室の使用予約を所定の時間枠単位にて受け付けるS15の手順と、各時間枠を使用予約コマ40で埋めて1次予約シートデータ31aを作成するS20の手順と、1次予約シートデータ31aにおける各使用予約コマ40の内容を、1つ乃至連続する複数の時間枠領域に重なるアイコンで表すための、2次予約シートデータ31bを作成するS70の手順と、各アイコンに対するドラッグアンドドロップ操作を受け付けるS50の手順と、2次予約シートデータ31bのタイムテーブル枠44内における複数のアイコンの並べ替え処理を行うS60の手順と、並べ替え処理が行われた後の複数の使用予約コマ40のアイコンを含むタイムテーブル枠44を表示するS75の手順と、を有する。
【選択図】
図10