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特許6997910LED照明回路、及びLED照明回路を有する照明デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】LED照明回路、及びLED照明回路を有する照明デバイス
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/48 20200101AFI20220111BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20220111BHJP
   H05B 45/36 20200101ALI20220111BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20220111BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20220111BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20220111BHJP
   H05B 47/17 20200101ALI20220111BHJP
   H05B 47/24 20200101ALI20220111BHJP
   H05B 45/50 20220101ALI20220111BHJP
【FI】
H05B45/48
H05B45/345
H05B45/36
H05B45/10
H05B47/105
H05B47/165
H05B47/17
H05B47/24
H05B45/50
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021512948
(86)(22)【出願日】2019-09-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 EP2019073386
(87)【国際公開番号】W WO2020053024
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-03-08
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2018/105114
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】18204436.2
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】チェン チークァン
(72)【発明者】
【氏名】ダイ ミアン
(72)【発明者】
【氏名】シー リャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-135086(JP,A)
【文献】国際公開第2009/029553(WO,A2)
【文献】欧州特許出願公開第02187705(EP,A1)
【文献】国際公開第2009/013676(WO,A2)
【文献】国際公開第2017/012835(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0108909(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/48
H05B 45/345
H05B 45/36
H05B 45/10
H05B 47/105
H05B 47/165
H05B 47/17
H05B 47/24
H05B 45/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を受け取るよう適合される入力と、
直列に接続されるとともに、前記入力に接続される複数のLEDセグメントと、
前記複数のLEDセグメントのうちの少なくとも2つLEDセグメントの直列ストリングの陽極及び陰極に接続されるバッファ構成要素と、
前記バッファ構成要素及び前記少なくとも2つのLEDセグメントの並列接続、並びに前記入力と直列接続される電流源回路とを有するLED照明回路であって、
前記電流源回路にわたって更なるバッファ構成要素を更に有し、前記バッファ構成要素と前記更なるバッファ構成要素とが直列接続されるLED照明回路。
【請求項2】
前記バッファ構成要素がコンデンサを有し、前記コンデンサが、
前記少なくとも2つのLEDセグメントのスイッチが開いているときは、前記少なくとも2つのLEDセグメントの両端の電圧をバッファし、
一方のLEDセグメントのスイッチは閉じている一方で、他方のLEDセグメントのスイッチは依然として開いているときは、前記一方のLEDセグメントの1つのスイッチ及び前記他方のLEDセグメントを介して放電するよう適合される請求項1に記載のLED照明回路。
【請求項3】
複数のスイッチを有するスイッチング装置であって、前記入力電圧の瞬時振幅と前記複数のLEDセグメントの残りの部分の順方向電圧を一致させるように、選択的に、LEDセグメントを全くバイパスしない、又は少なくとも1つのLEDセグメントをバイパスするために、前記複数のスイッチの各々がそれぞれのLEDセグメントと並列にあるスイッチング装置を更に有する請求項1又は2に記載のLED照明回路。
【請求項4】
前記バッファ構成要素が、前記少なくとも2つのLEDセグメントの両端の電圧を安定化させるように適合され、それによって、前記少なくとも2つのLEDセグメントのスイッチが切り替えられるときに、前記電流源回路の両端の電圧を安定化させる請求項3に記載のLED照明回路。
【請求項5】
前記入力が、直列の前記複数のLEDセグメントの陽極を接続するための正の端子と、前記電流源回路を介して前記直列の複数のLEDセグメントの陰極を接続するための負の端子とを有し、
前記バッファ構成要素が、前記直列の複数のLEDセグメントの前記陽極及び前記陰極にわたって接続される請求項3に記載のLED照明回路。
【請求項6】
前記直列の複数のLEDセグメントの前記陰極から前記バッファ構成要素と前記更なるバッファ構成要素との相互接続部へ順方向接続されるダイオードを更に有する請求項1に記載のLED照明回路。
【請求項7】
複数のコンデンサであって、前記複数のコンデンサの各々がそれぞれ1つのLEDセグメントと並列にある複数のコンデンサと、複数のダイオードであって、スイッチの電流を流す端子がその並列コンデンサの放電エネルギから切り離されるように前記スイッチを介する前記コンデンサの放電を阻止するよう前記複数のダイオードの各々が1つのスイッチと1つのコンデンサとの間にある複数のダイオードとを更に有する請求項1に記載のLED照明回路。
【請求項8】
前記入力が、前記入力電圧として、整流されたAC主電源電圧を受け取るよう適合される請求項1に記載のLED照明回路。
【請求項9】
前記スイッチング装置が、
前記入力電圧の瞬時振幅が、第1範囲内にあるときは、第1LEDセグメントをバイパスせず、第2LEDセグメントをバイパスし、
前記入力電圧の瞬時振幅が、前記第1範囲よりも高い第2範囲内にあるときは、前記第1LEDセグメントをバイパスし、前記第2LEDセグメントをバイパスせず、
前記入力電圧の瞬時振幅が、前記第2範囲よりも高い第3範囲内にあるときは、前記第1LEDセグメント及び前記第2LEDセグメントをバイパスしないよう適合される請求項に記載のLED照明回路。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のLED照明回路を有する照明デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明回路に関する。
【背景技術】
【0002】
タップ付きリニアドライバ(tapped linear driver)、又はステップLEDドライバ(stepped LED driver)と呼ばれるものは、スイッチモード電源を必要としない低コストのLED駆動技術である。それは、電気ループ内の残りのLEDセグメントの順方向電圧が入力電圧の振幅と一致するように、LEDセグメントの直列接続で1つ以上のLEDセグメントを動的にバイパスする。入力電圧は、通常、AC主電源電圧である。US20150108909A1は、このようなタップ付きリニアドライバを開示している。更に、それは、LEDセグメントを2進法のようにしてバイパスしている。より具体的には、3つのセグメントの状態を3ビットの2進コードとしてとらえ、各セグメントは1ビットに対応し、1は、或るセグメントがバイパスされていないことを意味し、0はそのセグメントがバイパスされていることを意味し、3つのセグメントは、000、001、010、011、010、110、110、111として切り替えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の実施形態の基本的な考え方は、少なくとも2つのLEDセグメントの直列ストリングの陽極及び陰極に接続されるバッファ構成要素を介して、電流スパイクの発生を防止するようスイッチの電圧をクランプするというものである。それでも、バッファ構成要素の放電は、電力損失を防止するために、LEDセグメント上を流れる。好ましくは、バッファ構成要素は、電流源回路の電圧もクランプする。本発明の実施形態の別の基本的な考え方は、バッファ構成要素を、それぞれ、LED、及びLEDのための電流源と並列に使用することによって、ロバストなサージ保護を備える回路を提供するというものである。
【0004】
基本的な実施形態によれば、入力電圧を受け取るよう適合される入力と、直列に接続されるとともに、前記入力に接続される複数のLEDセグメントと、前記複数のLEDセグメントのうちの少なくとも2つLEDセグメントの直列ストリングの陽極及び陰極に接続されるバッファ構成要素と、前記入力にわたって、前記バッファ構成要素及び前記少なくとも2つのLEDセグメントの並列接続と直列接続される電流源回路とを有するLED照明回路であって、前記電流源回路にわたって更なるバッファ構成要素を更に有し、前記バッファ構成要素と前記更なるバッファ構成要素とが直列接続されるLED照明回路が提供される。
【0005】
この実施形態は、効率、EMIマージン及びTHDを更に改善する。効率は既知の回路よりも約5%高められることができ、EMIマージンは20dBであり、THDは3%である。前記バッファ構成要素は前記サージ電流を接地(前記入力の別の極性)にシャントすることもできることから、それは、前記LED及び前記電流源へのサージリスクを軽減することもできる。従って、2つのバッファ構成要素の二重の機能が供給される。
【0006】
他の実施形態においては、前記バッファ構成要素はコンデンサを有し、前記コンデンサは、前記少なくとも2つのLEDセグメントのスイッチが開いているときは、前記少なくとも2つのLEDセグメントの両端の電圧をバッファし、一方のLEDセグメントのスイッチは閉じている一方で、他方のLEDセグメントのスイッチは依然として開いているときは、前記一方のLEDセグメントの1つのスイッチ及び前記他方のLEDセグメントを介して放電するよう適合される。
【0007】
この実施形態は、入力電流スパイクの低減における前記バッファ構成要素の動作を更に規定する。
【0008】
他の実施形態においては、前記LED照明回路は、複数のスイッチ(Q1、Q2、Q3、Q4)を有するスイッチング装置であって、前記入力電圧の瞬時振幅と前記複数のLEDセグメントの残りの部分の順方向電圧を一致させるように、選択的に、LEDセグメントを全くバイパスしない、又は少なくとも1つのLEDセグメントをバイパスするために、前記複数のスイッチの各々がそれぞれのLEDセグメントと並列にあるスイッチング装置を更に有する。
【0009】
この実施形態においては、タップ付きリニアドライバ(スイッチドセグメント)トポロジが使用される。電圧変化が電流源回路に印加されず、入力電流スパイクは少なくなる。
【0010】
他の実施形態においては、前記バッファ構成要素は、前記少なくとも2つのLEDセグメントの両端の電圧を安定化させるように適合され、それによって、前記少なくとも2つのLEDセグメントのスイッチが切り替えられるときに、前記電流源回路の両端の電圧を安定化させる。
【0011】
この実施形態は、入力電流スパイクの低減における前記バッファ構成要素の動作を更に規定する。
【0012】
他の実施形態においては、前記入力は、直列の前記複数のLEDセグメントの陽極を接続するための正の端子と、前記電流源回路を介して前記直列の複数のLEDセグメントの陰極を接続するための負の端子とを有し、前記バッファ構成要素は、前記直列の複数のLEDセグメントの前記陽極及び前記陰極にわたって接続される。
【0013】
この実施形態においては、前記バッファ構成要素は 前記直列の複数のLEDセグメントの全体にわたって接続される。
【0014】
他の例においては、前記バッファ構成要素は、前記複数のLEDセグメントのサブセットのLEDセグメントのみの直列接続に接続することができる。
【0015】
そして、前記LED照明回路は、前記直列の複数のLEDセグメントの前記陰極から前記バッファ構成要素と前記更なるバッファ構成要素との相互接続部へ順方向接続される(forwarded)ダイオードを更に有する。
【0016】
他の実施形態においては、前記LED照明回路は、複数のコンデンサであって、前記複数のコンデンサの各々がそれぞれ1つのLEDセグメントと並列にある複数のコンデンサと、複数のダイオードであって、スイッチの電流を流す端子がその並列コンデンサの放電エネルギから切り離されるように前記スイッチを介する前記コンデンサの放電を阻止するよう前記複数のダイオードの各々が1つのスイッチと1つのコンデンサとの間にある複数のダイオードとを更に有する。
【0017】
それらのコンデンサは、更に、前記LEDセグメントのフリッカを低減する。
【0018】
他の実施形態においては、前記入力は、前記入力電圧として、整流されたAC主電源電圧を受け取るよう適合される。前記AC主電源電圧は、米国若しくは日本におけるAC 110V、又は欧州若しくは中国におけるAC 220/230Vであってもよい。
【0019】
他の実施形態においては、前記スイッチング装置は、前記入力電圧の瞬時振幅が、第1範囲内にあるときは、第1LEDセグメントをバイパスせず、第2LEDセグメントをバイパスし、前記入力電圧の瞬時振幅が、前記第1範囲よりも高い第2範囲内にあるときは、前記第1LEDセグメントをバイパスし、前記第2セグメントをバイパスせず、前記入力電圧の瞬時振幅が、前記第2範囲よりも高い第3範囲内にあるときは、前記第1LEDセグメント及び前記第2セグメントをバイパスしないよう適合される。
【0020】
この実施形態は、2進タップ付き線形(binary tapped linear)における前記基本的な実施形態の適用を提供する。他の例においては、前記基本的な実施形態は、3つのビットがそれぞれのLEDセグメントの状態を示す001、011、及び111の態様で前記LEDセグメントが漸進的に/累積的にオン/オフされる通常のタップ付きリニアドライバでも使用され得る。
【0021】
本発明の別の態様は、上記の実施形態によるLED照明回路を有する照明デバイスを提供する。前記照明デバイスは、好ましくは、道路照明であり得る。
【0022】
下記の実施形態を参照して、本発明のこれら及び他の態様を説明し、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明のより良い理解のために、及び本発明がどのようにして実施され得るかをより明確に示すために、ここで、ほんの一例として、添付図面を参照する。
図1】典型的なタップ付きリニアドライバの回路図を示す。
図2図1の回路の入力電流波形を示す。
図3】別の典型的なタップ付きリニアドライバの回路図を示す。
図4】本発明の基本的な実施形態によるタップ付きリニアドライバの回路図を示す。
図5】本発明の改良された実施形態によるタップ付きリニアドライバの回路図を示す。
図6図5の回路の入力電流波形を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図を参照して本発明について説明する。
【0025】
図1は、タップ付きリニアドライバの典型的な回路図を示している。V1は、入力電圧を表しており、前記入力電圧は、例えば、230V RMS AC電圧である。U3は、整流器ブリッジを表しており、前記整流器ブリッジは、ダイオードをベースにしたものであり得る。他の例においては、整流器ブリッジは、バイポーラトランジスタ又はMOSFETのような能動スイッチによって実施される能動整流をベースにし得る。C9は、或る程度のバッファリングを供給するための、整流器の正の出力及び負の出力に接続される大きなバッファリングコンデンサである。LED1乃至LED4は、スイッチドLEDセグメントを表しており、MOSFET S1乃至S4は、それぞれ、1つのLEDセグメントをバイパスする又はバイパスしないために、LED1乃至LED4と並列にある。それらのMOSFETは、スイッチ制御ブロックによって駆動され、前記スイッチ制御ブロックは、ICであってもよく、又は個別部品によって実施されてもよい。電流源回路B1は、LEDセグメントと直列に接続し、電流源回路B1及びLEDセグメントは、整流器の正の出力及び負の出力に接続する。各LEDセグメントにはバッファコンデンサC1乃至C4が付いている。バッファコンデンサがMOSFETを介して放電するのを防止するために、MOSFETとバッファコンデンサとの間にブロックダイオードD1乃至D4が接続される。
【0026】
スイッチング期間中、MOSFET Q1乃至Q4の切り替え時には高いdv/dtが存在する。切り替え時の(VbusとGNDとの間の)整流入力電圧は一定であると考えられるので、電流源回路B1において大きな電圧スパイクが存在し、これはEMIを不十分にさせる。また、電流源回路B1のインピーダンスがゆっくりと応答することから、入力電流における高いスパイクがもたらされ、これは、THDを悪化させるとともに、回路の発振による幾らかのノイズも生じさせる。図2は、上部において電流スパイクを示しており、中央においてAC主電源入力電圧を示しており、下部において電流源回路B1の両端の電圧を示している。電流スパイク及び電圧スパイクが非常に大きいことが見られ得る。
【0027】
図3においては別の回路が示されており、MOSFET S1乃至S4のゲート/ソース間及びドレイン/ソース間にコンデンサが追加されている。例としてMOSFET S1に対しては、ゲートとソースとの間にC10が追加されており、ドレインとソースとの間にC5が追加されている。前記回路は、電流スパイクを克服するようスイッチング速度を低下させ、MOSFETの両端の電圧は、コンデンサC5によってクランプされ、従って、電流源回路B1における過渡的な電圧変化がなく、電流スパイクを少なくする。しかしながら、それは、コンデンサC5乃至C8において蓄積されるエネルギはMOSFETによって消費されるので、効率を低下させ、MOSFET間のクロススイッチング(crossing switching)は入力電流の形状に影響を与え、THD及びPFの性能を低下させるという、幾つかの副作用をもたらす。
【0028】
本発明の基本的な実施形態は、少なくとも2つのLEDセグメントの直列ストリングの陽極及び陰極に接続されるバッファ構成要素を提案する。このバッファ構成要素は、少なくとも2つのLEDセグメントのスイッチが開いているときは、少なくとも2つのLEDセグメントの両端の電圧をバッファし、一方のLEDセグメントのスイッチは閉じている一方で、他方のLEDセグメントのスイッチは依然として開いているときは、一方のLEDセグメント及び他方のLEDセグメントの1つスイッチを介して放電する。従って、少なくとも2つのLEDセグメントの両端の電圧は、電圧/電流スパイクを防止するよう安定化させられ、それでも、バッファ構成要素によって放電されるエネルギは他方のLEDセグメントを流れ、効率は高い。
【0029】
より特別には、図4において示されているように、MOSFETのドレイン及びソースにわたるコンデンサが取り除かれ、故に、それらの放電損失が防止される。それぞれのスイッチQ1乃至Q4を備える全てのLEDセグメントLED1乃至LED4の直列ストリングの陽極及び陰極を接続するよう、コンデンサC9が追加される。他の例においては、コンデンサC9は、前記LEDセグメントのうちの2つ又は3つだけの、例えば、LED1及びLED2、LED2及びLED3、若しくはLED3及びLED4、又はLED1、LED2及びLED3、若しくはLED2、LED3及びLED4だけの直列ストリングの陽極及び陰極に接続し得る。
【0030】
Q1乃至Q4は、AC主電源電圧の瞬時振幅がピークに達しているときは、全てオフにしておく。振幅が小さくなると、Q1は、LEDセグメントLED1をバイパスするよう、オフからオンに切り替えられる。切り替えの時点においては、入力電圧は一定であるとみなされる。C9は、整流器の正の出力からLEDセグメントの陰極までの電圧を保つ。従って、電流源回路B1の両端の電圧も保たれる。電圧/電流スパイクはない。C9は、Q1-DS→D2→C2//LED2→D3→C3//LED3→D4→C4//LED4→D5という経路を通して放電され、ここで、DSは、ドレインからソースへを意味し、//は、並列接続を意味する。
【0031】
放電電流は、LEDセグメントLED2乃至LED4を駆動する。従って、この実施形態は、C5の放電電流がMOSFETによって完全に消費される図3の回路よりも高い効率を持つ。
【0032】
他の実施形態は、電流源回路と並列に更なるバッファ構成要素を追加するものである。図5において示されているように、電流源回路B1にわたって更なるバッファ構成要素C5が設けられる。バッファ構成要素C9及び更なるバッファ構成要素C5は、(整流)入力電圧間で、直列接続される。それは、直列の複数のLEDセグメントの陰極から前記バッファ構成要素C9と前記更なるバッファ構成要素C5との相互接続部へ順方向接続されるダイオードを更に有する。
【0033】
電流源回路の両端の電圧はまた、コンデンサC5によって安定化される。MOSFETがオンされる場合には、電流源回路の両端の電圧は、増加しようとするが、それは、まず、C5の電圧にD5の順方向電圧を加えたものによってクランプされる。
【0034】
C5は、C9→Q1-DS→D2→C2//LED2→D3→C3//LED3→D4→C4//LED4→B1という経路を通して放電される。
【0035】
Q1のスイッチング中、LED1における電圧降下が、非常に短い期間、B1のソースポイント(source point)に印加される。
Vsoruce1 = Vbus - Vled1 - Vled2 - Vled3 - Vled4 (1) (Q1乃至Q4オフ)
Vsoruce2 = Vbus - VRdson - Vled2 - Vled3 - Vled4 (2) (Q1オン、Q2乃至Q3オフ)
【0036】
式(2)-式(1)により、Q1がオンになる間のB1における電圧変化を求めることができる。
ΔVsource = Vled1 - VRdson (3)
【0037】
B1は線形電流源であり、Q1がオンになる期間におけるB1の抵抗値は、式(4)によって計算されることができる。
RB1 = Vsource1/Iin (4)
【0038】
Q1がオンになる間の電流差分は、下記のようになる。
Ipeak = ΔVsource/RB1 (5)
【0039】
スパイクIpeakは、式(5)によって計算される。このスパイク電流は、EMI、THDを悪化させる。更に、それは、Q1のピン間の発振を生じさせ、これは耐電圧性能(hi-pot performance)を低下させる。
【0040】
C9がない場合は、B1の応答速度は、Q1のオンになる速度よりもはるかに遅い。C1で、電流源の両端のΔVsourceが減らされ、RB1が増やされることが分かる。明らかに、Ipeakは小さくなり、入力電流は滑らかになる(図7における緑色チャネル)。この回路の場合は、C9 330nF及びC5 33nFを選んでいる。C9の放電中、エネルギはほぼ全てLEDによって消費される。また、D9のおかげで、B1によって消費されるコンデンサC9及びC5において蓄積される余分な電力はない。従って、効率は高い。
【0041】
図6は、図5の実施形態の入力電流波形を示している。図2の実施形態に比べて、電流スパイクがかなり少ないことが見られ得る。
【0042】
電流源回路は、バイポーラトランジスタ又はMOSFETによって実施され得る。当業者は、請求項記載の発明の実施において、図面、明細及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示されている実施形態に対する変形を、理解し、達成することができる。例えば、電流源回路は、LEDセグメントの陰極からLEDセグメントの陽極へ移動されてもよく、即ち、ハイサイド駆動になり得る。特許請求の範囲において、「有する」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲において挙げられている複数のアイテムの機能を果たしてもよい。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として供給される光学式記憶媒体又は固体媒体のような適切な媒体上に記憶/分散されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムを介するような他の形態で分散されてもよい。特許請求の範囲における如何なる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6