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特許6997995中枢神経系及び脈管系障害の治療用のフェノール化合物及び、1,4-ジヒドロピリジンに融着したベンゾジアゼピンとのそれらの組合せ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】中枢神経系及び脈管系障害の治療用のフェノール化合物及び、1,4-ジヒドロピリジンに融着したベンゾジアゼピンとのそれらの組合せ
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/366 20060101AFI20220128BHJP
   A61K 31/551 20060101ALI20220128BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220128BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220128BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220128BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20220128BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20220128BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220128BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
A61K31/366
A61K31/551
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P25/00
A61P9/10
A61P25/16
A61P25/28
A61P25/02
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019510749
(86)(22)【出願日】2017-05-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 CU2017050003
(87)【国際公開番号】W WO2017190714
(87)【国際公開日】2017-11-09
【審査請求日】2020-08-17
(31)【優先権主張番号】CU-2016-0059
(32)【優先日】2016-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CU
(73)【特許権者】
【識別番号】518390697
【氏名又は名称】ウニベルシダ デ ラ ハバナ
(73)【特許権者】
【識別番号】518390701
【氏名又は名称】セントロ デ インベスティガシオン イ デサロージョ デ メディカメントス(シデム)
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オチョア、ロドリゲス、エスタエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルデシア レイエス、ヤミラ
(72)【発明者】
【氏名】ヌエス フィゲレド、ヤニエル
(72)【発明者】
【氏名】ラミレス サンチェス、ジェネイ
(72)【発明者】
【氏名】ウォン ゲラ、メイリン
(72)【発明者】
【氏名】フォンセカ フォンセカ、ルイス アルトゥーロ
(72)【発明者】
【氏名】パルド アンドリュー、ジルベルト ラザロ
(72)【発明者】
【氏名】カナーン - ハーデン ナヴァロ、クラウディア アマンダ
(72)【発明者】
【氏名】モンデーロ ロドリゲス、アベル
(72)【発明者】
【氏名】バルザガ フェルナンデス、ペドロ ジルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス アルフォンソ、ニクテ
(72)【発明者】
【氏名】デルガド ヘルナンデス、レネ
(72)【発明者】
【氏名】パドロン ヤキス、アレハンドロ サウル
【審査官】伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-063444(JP,A)
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry,18(15),2010年,pp.5626-5633
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤と一緒に、医薬的な有効成分として遊離の形態、塩として、水和物又は結晶形の形態の式Iのフェノール化合物:
【化1】

を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項2】
1,4-ジヒドロピリジン誘導体に縮合したベンゾジアゼピンタイプの3環式誘導体と、遊離の形態、塩として、水和物又は結晶形の形態の請求項1に記載の式Iの化合物との組合せ医薬
【請求項3】
1,4-ジヒドロピリジンに縮合したベンゾジアゼピン誘導体が、3-エトキシカルボニル-2-メチル-4-(2-ニトロフェニル)-4,11-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,5]ベンゾジアゼピンである、請求項2に記載の組合せ医薬
【請求項4】
1,4-ジヒドロピリジンに縮合したベンゾジアゼピン誘導体が、少なくともラセミ体の形態又はその右旋性又は左旋性鏡像異性体の形態である、請求項3に記載の組合せ医薬
【請求項5】
1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤と一緒に請求項2、3又は4に記載の組合せ医薬を医薬的な有効成分として含む、医薬組成物。
【請求項6】
中枢神経系及び脈管神経系の病気の治療に使用するための請求項1又は5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
脳虚血、パーキンソン病、及び異なるタイプの認知症の治療に使用するための請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
中枢神経系及び脈管神経系の病気の治療に使用するための請求項2、3又は4に記載の組合せ医薬
【請求項9】
中枢神経系及び脈管神経系の病気が脳虚血である、請求項に記載の組合せ医薬
【請求項10】
中枢神経系及び脈管神経系の病気がパーキンソン病である、請求項に記載の組合せ医薬
【請求項11】
中枢神経系及び脈管神経系の病気が、異なるタイプの認知症に関する、請求項に記載の組合せ医薬
【請求項12】
認知症がアルツハイマー病である、請求項11に記載の組合せ医薬
【請求項13】
認知症が脈管認知症である、請求項11に記載の組合せ医薬
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記述
本発明は、化学、医薬に関し、そして、特に、中枢神経系及び脈管系に対する作用を持つ、1,4-ジヒドロピリジンの誘導体に融着したベンゾジアゼピンタイプの3環式と組合せたフェノール又はポリフェノール化合物の誘導体から及びフェノール又はポリフェノール化合物の誘導体からの配合物の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
心血管、脳血管、神経変性、神経精神病及び神経学などの多因子起源の病気の場合は、単一の投薬ではそれらを効果的に治療するには十分でなく、したがって複合的な投薬治療が使用されるべきである。これらの病気の治療用の薬が存在しない2つの主な理由がある:1)単一の病理学的メカニズムを目標とする薬及び2)副作用のリスクを増加させる高投与量の使用。
【0003】
神経変性は、認知症、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)などの障害及び神経系の病気の多くの共通のテーマである。これらの病気は、現在の治療では不十分である一方で、壊滅的で管理するのに高価である。この問題の緊急性のため、老化に関するこれらの病気の発生率は、生じている人口構造の変化に起因して急速に増大しているという事実を、我々は付け加える。
【0004】
世界の人口の進行する高齢化は、神経変性疾患及び老年性認知症の増加という望まない結果を引き起こす。
【0005】
PDは、遅い動作、硬直、安静時振戦及びバランスの変化という運動機能障害の症状を伴う神経変性疾患である。当該病気が進行すると、多くの患者は、不安、憂うつ、便秘及び認知症を含む非運動性の症状を展開する。
【0006】
これらの特徴は、黒質緻密部(the substantia nigra pars compacta)におけるドーパミン作動性ニューロンの喪失及びドーパミンの線条体含有量の大きな減少によるものとされる(Gauthier, 1982)。
ドーパミン作動性ニューロン死亡が70~80%の閾値を超えてそして線条体神経末端の喪失が50~60%を超えた後にPDの臨床的徴候が現われる(Agid, 1991)。
【0007】
PDの発現メカニズムに関する研究では、黒質緻密部(圧縮一部黒質物質:the nigra pars substance compact)におけるドーパミン作動性ニューロンの喪失が、ミトコンドリアI複合体欠乏に関することが、示された(Jenner 1998).
【0008】
パーキンソン症状を軽減する薬がたとえ存在したとしても、これらの薬の慢性的な使用は、PDの進行を予防するのに有効ではなく、そして、それは、副次効果を弱らせることに関連してきた。それ故に、それは、変性の進行を遅らせるか又は停止さえもする神経保護療法を開発するのに大変興味深い。
【0009】
世界中で、4680万人の人々が、認知症を持って生きていると推定される。この数は、2030年には7470万人及び2050年には1億3150万人と、20年ごとにほとんど2倍に増加するだろうと推定される。認知症は、莫大な経済的影響をも有する。今日、認知症の世界的な合計コストの推定値は、8180億USDであり、2018までに1兆ドルの病気になるであろうし、これは、患者及びそれらの親族及び世話人の両方の生活の質に対する途方もない影響を与える(Alzheimer's Disease International, World Alzheimer Report 2015. London: Alzheimer's Disease International, 2015)。
【0010】
これら全ての中で、ADが最も一般的であり、約3500万の人々が当該病気に苦しんでおり、そして、その発生率は、人口の平均年齢の増加と歩調をそろえて、次の30年間で著しく増加するであろうと推定される(Reitz , C. Brayne, C. Mayeux, R. Epidemiology of Alzheimer's disease, Nat. Rev. Neurol., 2011, 7, 137-152) (Reitz, C., Mayeux, R. Alzheimer disease: Epidemiology, diagnostic criteria , Risk factors and biomarkers, Biochem, Pharmacol., 2014, 88, 640-651)。
【0011】
ADは、ゆっくりとしたペースで進行する認知機能の喪失及び記憶障害につながる脳の神経変性疾患であり、攻撃性及び憂鬱などの挙動変化をしばしば伴う(Querfurth, H.W., LaFerla, F.M. Alzheimer's disease, N. Engl. J. Med., 2010, 362, 329-344)。その最終段階では、患者は寝たきりになり、失禁して介護に依存し、これらは、家族にとって非常に高価なものとなる。平均すると、診断後9年で死亡する(Citron M. (2004), Strategies for disease modification in Alzheimer's disease, Nat Rev Neurosci 5 (9): 677-85)。一日中の介護及び他のサービスを要求するこの病気に苦しむ多数の人々は、医療資源、財源及び人的資源にひどく影響するであろう(Suh YH and Checler F. (2002).) Amyloid precursor protein, presenilins, and alpha-15 synuclein: molecular pathogenesis And pharmacological applications in Alzheimer's disease, Pharmacol Rev. 54 (3): 469-525). Amyloid precursor protein, presenilins, and alpha-15 synuclein: molecular pathogenesis and pharmacological applications in Alzheimer's disease. Pharmacol Rev. 54 (3): 469-525)。それ故に、これは、増大する医療懸念である。
【0012】
脳虚血は、多くの国において主な死亡原因の1つであり、成人の障害の最初の1つである(Mukherjee, D., Patil, CG, 2011. Epidemiology and the global burden of stroke, World Neurosurg.76, S85-S90) Currently only tissue plasminogen activator is the drug that is approved for use in human therapy during the acute phase of cerebral ischemia (Howells, DW, Donnan, GA, 2010.) Comes from? PLoS Med. 7, e1000224)。発症前に得られる有望な結果にもかかわらず、評価された何の候補も、一貫した臨床的改善を示さなかった。これは、脳虚血後に次々と起きるニューロンの損傷に含まれるメカニズムの多様性に起因し得るのであり、提案された神経保護のより単純化した視野とは対照的である(Minnerup, J., Schabitz, WR., 2009. Multifunctional actions of approved and Candidate stroke drugs, Neurotherapeutics 6, 43-52)。蓄積された発症前の証拠によれば、所定の生物学的目標のための高度に選択性のリガンドは、臨床的に有効な薬、特に、脳虚血などの複合的な要因を含むそれらの病理学という結果には必ずしもならないということが、示される。それ故に、Ca2+遮断薬、グルタメート拮抗薬、GABA作用薬、酸化防止剤/フリーラジカル捕捉剤、リン脂質前駆体、及び抗炎症剤などの次々と起きる虚血性において単一のサイトで作用する薬は、一般的には、臨床的に有効ではなかった(Ginsberg, MD, 2008. Neuroprotection for ischemic stroke: past, present and future, Neuropharmacology 55, 363-389)。
【0013】
緊急の神経保護アプローチは、ミトコンドリア生体機能障害を考慮し始めた。細胞死亡に最終的につながる次々と起きる増幅によって又は構造上の及び機能的な損傷のいずれかによって、有害なシグナルの活性化による虚血性ニューロン損傷に、ミトコンドリアが重要な役割を果たすことを提案する証拠が存在する(Christophe , M., Nicolas, S., 2006. Mitochondria: a target for neuroprotective interventions in cerebral ischemia-reperfusion.Curr.Pharm.Des.12,739-757) (Mazzeo, AT, Beat, A., Singh, A., Bullock , MR, 2009. The role of mitochondrial transition pore and its modulation intraumatic brain injury and delayed neurodegeneration after TBI. Exp.Neurol.218,363-370) (Perez-Pinzon, MA, Stetler, RA, Fiskum, G., Mitochondrial targets for neuroprotection, J. Cereb.BloodFlow.Metab, 32, 1362-1376)。それ故に、ミトコンドリアレベルで作用するものを含む、虚血性ニューロンにおけるいくつかの毒性プロセスに同時に作用する新しいクラスの化合物の同定における高まる興味が存在する。フェノール又はポリフェノール誘導体は、中枢神経系の病気の治療で使用されるべきであるとして文献に広く報告されてきた。しかし、それらの高い水溶性(主にヒドロキシル基によって与えられる)は、これらの化合物が血液脳関門にクロスして脳にアクセスするのを困難にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
発明者は、生成物(5-[(3,4-ジヒドロキシフェニル)メチリデン]-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン)又はKM34を得た:
【化1】
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1. KM-34(5-400μM)によるDPPH(100μM)のパーセンテージ低減が、30分の反応後に、(ゼロ濃度のKM-34又はAA)ビヒクル及びDPPHのみを含有する目標から550nmでの吸光度が変化することによって、決定された。
図2図2. ラジカル捕捉剤O ・-としてのKM-34(5-100μM)の活性。
図3図3. Fe3+-EDTA及びアスコルベートによって誘発される、それぞれ2.8(A)及び28mM(B)DRへの酸化損傷に対するKM-34(0.1、1.10、100μM)の効果。
図4図4. 10mMホスフェートバッファー(KHPO/KOH)pH7.4及び無水エタノール14:1(v:v)の混合物における100μM KM-34のUV-VIS(200-500nm)に関する最大吸収データ、及び10mM HCL中に溶解したFeCl(50,100及び200μM)の存在下での吸光度。
図5図5. 100mM FeCl及び100mM AAによって誘発される自発的脂質過酸化に対するKM-34(0.01-100μM)の効果。
図6図6. PC12細胞の培養液におけるL-グルタメート(50mmol/L)によって誘発される損傷に対するKM-34(0.001-10μM)の細胞保護効果。
図7図7. PC12細胞の培養液におけるH(150μM)によって誘発される損傷に対するKM-34(1-100μM)の細胞保護効果。
図8図8. PC12細胞の培養液におけるアスコルビン酸(AA、2mmol/L)及びFeSO(5mmol/L)によって誘発される損傷に対するKM-34(0.001-10μM)の細胞保護効果。
図9図9. シリンダー試験、6-OHDAで損傷された動物に対するKM-34の効果。
図10図10. 探査行動、6-OHDAで損傷された動物に対するKM-34の効果。
図11図11: 空間記憶に対するKM-34の効果。
図12図12: 新しい物体の認識記憶に関するKM-34の効果。
図13図13. KM-34での鋭い処理は、90分の中大脳動脈閉塞(MACA)及び23時間の再潅流の後に、ラット挙動での欠乏及び水腫、梗塞の容積を低減させた。
図14図14. 皮質動脈の熱凝固で誘発される非対称性に対するJM-20、KM-34及びその組合せの効果。
【発明を実施するための形態】
【0016】
メルドラム(2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン)酸及びその誘導体が、多くの複素環の合成用出発物質として、それらの潜在的な生物学的活性を特に評価するために、集中的に使用された。
【化2】

芳香族アルデヒドでのメルドラム酸の縮合が、環境での高度に効率的な光化学プロセスによって触媒の存在下でエタノール水溶液中で展開された(A novel light induced Knoevenagel condensation of Meldrum's acid with aromatic aldehydes in aqueous ethanol. Somnath Ghosh, Jhantu Das, Subhagata Chattopadhyay, Tetrahedron Letters, Volume 52, Issue 22, 1 June 2011, Pages 2869-2872)。
【化3】
【0017】
これらの誘導体は、抗菌力を示す。メルドラム酸の他の一連のアリーリデン類似物(Sandhu HS and all (2010) Synthesis and biological evaluation of arylidene analogues of Meldrum's acid as a new class of antimalarial and antioxidant agents Bioorg Med Chem. 2010 Aug 1; 18 (15) : 5626-33)が、血小板凝集の抑制剤と同様に、抗マラリア性及び酸化防止活性をインビトロで示すと評価された(Abdelaziz El Maatougui, JhonnyAzuaje, Alberto Coelho, Ernesto Cano, Matilde Yanez, Carmen Lopez, Vicente Yaziji, Carlos Carbajales and Eddy Sotelo (4)) Discovery and Preliminary SAR of 5-Arylidene-2,2-Dimethyl-1,3-Dioxane-4,6-Diones as Platelet Aggregation Inhibitors Pages 551-554 (4))。
【0018】
いくつかの特許は、このタイプの化合物と、治療特性を持つそれらの使用とを、保護する。特許ES2074770は、1,3-ジオキサン-4,6-ジオン誘導体の調製用手順を示す。
【化4】
【0019】
N,N’,N’-三置換5-ビス-アミノメチレン-1,3-ジオキサン-4,6-ジオンに基づく、コレステロール-アシルトランスフェラーゼ:アシル-CoAの共抑制剤が、以下の式で特許ES2077985にも示される:
【化5】
【0020】
この発明は、コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT):補酵素Aでの抑制力を示す化合物に関する。このタイプの化合物は、コレステロールの吸収を低減するのに役立ち、アテローム性動脈硬化に対する効果を有する。
【0021】
JPH11180975は、優れた紫外線吸収能力、皮膚の亀裂に対する特性及び低い経皮吸収能力を有する、2,2-ジメチル-5-(4-メトキシカルボニルメチルオキシフェニルアミノメチレン)-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン、式IIIの化合物を開示する。
【化6】
【0022】
米国特許5,217,174は、5-[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニルアミノ)-(メチル-ピリジン-4-イルアミノ)-メチレン]-2,2-ジメチル-[3]ジオキサン-4,6-ジオンを保護する。
【化7】
【0023】
WO200586661では、代謝障害の治療用の化合物、医薬組成物及び使用方法が保護される。この場合、以下の一般式の中間体を加工する、II型糖尿病の治療用に著しい活性を示す生成物を得ることが提案されている:
【化8】
【0024】
中枢神経系及び脈管神経系に対する作用を持つ1,4-ジヒドロピリジン誘導体に融着した3環式ベンゾジアゼピンタイプのシステムに関する文献中の特許が存在する(CU2009/000172)が、この発明は、GABA作動性、抗グルタミン酸、カルシウムチャンネル調節、ミトコンドリア保護性の、酸化防止剤(フリーラジカル捕捉剤及び鉄キレート)、抗炎症性及び抗アポトーシス作用を組合せることを可能にするであろうフェノール又はポリフェノール誘導体とそのような3環式誘導体との組合せを含まず;それらは、心血管、脳血管、神経変性、神経精神病及び神経学的疾病の治療におけるその使用を支持し、より少ない投与量の使用及びそれ故により低い副作用での使用も支持する。
本発明の更なる側面として、遊離の形態での又はその塩、水和物、結晶形、代謝産物、プロドラッグの形態でのフェノール化合物KM34は、JM-20:1,4-ジヒドロピリジンに融着した3環式ベンゾジアゼピンタイプとのそれらの組合せの形態でも、異なる配合物の有効成分として機能することができる。
【0025】
有効成分は、提案された医薬組成物に含まれる、以後は賦形剤として認識される、少なくとも1つの無毒で化学的に不活性の補助剤、希釈剤及び/又はキャリヤーとの混合物で投与できる。
【0026】
液体組成物、固体又は半固体を企図する医薬組成物は、経口的に、頬咽頭に、舌下に、非経口に、例えば、筋内に、静脈に、皮内に又は皮下に、局部的に、経皮的に、気管に、気管支に、経鼻に、肺に、直腸に又は投与の他のルートで、投与できる。
【0027】
開示された医薬組成物は、各配合物用の適切な賦形剤を含むであろう。配合物は、最新技術で収集された方法によって従来のやり方で調製される。賦形剤は、投与のルートに従って選択された医薬形態に従って選択される。
【0028】
ヒトへの投与用の有効成分は、以下のような提示形態を含むがそれらに限定されない医薬的に許容可能な投薬形態で含有できる:錠剤(舌下の、コーティングされた及び噛むことができる錠剤を含む)、ハード及びソフトカプセル(マイクロカプセル、ナノ粒子及びペレットを含む、溶液(経口ドロップ、シロップ)、非経口の溶液、経皮的なパッチ、インプラント及び他の遅延システム、軟膏(クリーム及びゲル)、経鼻スプレー、粘膜接着剤、座薬、懸濁、再構成又は食品中への添加粉末、この本発明に包含される他の投薬形態。
【0029】
最新技術で公知の技術プロセスを採用することによって、有効成分は、それらを、天然又は合成起源の液体、固体又は半固体補助剤、有機及び無機化合物などの賦形剤と混合することによって、投与に適切な投薬形態に形成できる。これらは、以下のものを含む:活性化合物又はそれらの生理的に許容可能な塩に物理的、化学的及び/又は生物学的安定性を提供する、フィラー固体、希釈剤、バインダー、溶媒、乳化剤、潤滑剤、崩壊剤、滑剤、着色剤、顔料、ポリマー、甘味料、可塑剤、吸収促進剤、浸透促進剤、界面活性剤、共界面活性剤、特殊油及び/又はバッファーシステム。
【0030】
他の補助剤の使用以外で、活性物質を含有する投薬形態の配合物で使用されるいくつかの賦形剤は:デンプン、ラクトース、セルロース及びその生成物、スクロース、ソルビトール、マンニトール及び他の糖類、タルク、二酸化物ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ポビドン、ゼラチン、ラクト-タンパク質、クエン酸塩、酒石酸塩、アルギナート、デキストラン、エチルセルロース、シクロデキストリン、シリコーンエラストマー、ポリソルベート、アミロペクチン、パラベン、動物及び植物油、プロピレングリコール、滅菌水、グリセロールなどの一価又は多価アルコール、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン及びポリエチレングリコールワックスである(数ある中で)。
【0031】
本発明に従う有効成分を含有する錠剤、微粒、ナノ粒子、ペレット、再構成粉末又はカプセルなどの固体の経口投薬形態は、即時解放又は修正解放できる。
【0032】
本発明に従う選択の医薬形態は、活性医薬成分有効成分を含有する錠剤であり、混合物は、微結晶性セルロース、コーンスターチ、クロスポビドン、ナトリウム及びポリビニルピロリドンの溶液で調製されて粒を形成し、これは、流動床での完成プロセスで乾燥されてステアリン酸マグネシウム及びタルクと混合され、錠剤はその後それらの製造用のロータリーパンチのシステムを使用して製造され、最終的に、錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール4000、二酸化チタン及び着色剤の懸濁液でコーティングされる。
【0033】
錠剤をコーティングすることによって、上品さが仕上がった形態で実現され、不愉快な味を避ける;これは、メチルアクリル酸、エチルセルロース、メチルヒドロキシルプロピルセルロースのコポリマー又は他のポリマーなどの風味マスキング剤で実現される。錠剤は、低投与量で作用しているという条件で、錠剤化工程での工程を減少してそして直接圧縮用の賦形剤を使用する直接圧縮法により又は上述した湿式造粒法のいずれかによって、得ることができる。
【0034】
錠剤は解放を修正でき、そして、それらは、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシルプロピルセルロース2910、ステアリン酸マグネシウム、塩化ナトリウム、赤酸化第一鉄、酢酸セルロース、ポリエチレングリコール3350及びオパドライなどの賦形剤を使用して、微粒、ナノ粒子又はマトリックスシステムで、有効成分を含有できる。
【0035】
本発明による薬組成物は、医薬的に許容可能な浸透できて生分解性で水に不溶性のポリマーを含有でき、それらの解放プロファイルを制御して、それによって修正された解放(即座の、遅らせた又は制御された)の投薬形態を得ることができる。これらのポリマーは、本発明で言及されるいかなる他の投薬形態に含まれる他の賦形剤との混合物、顆粒、錠剤、又はペレットにおける解放マトリックスとして、ナノ粒子の調製において、カプセル、微粒、錠剤のコーティングにおいて使用できる。
経口投与のために、他の適切な医薬組成物は、ハードなカプセル、ソフトなカプセル及び医薬粉末であり、錠剤用に記述されるような固体形態で共通に使用される賦形剤と活性な医薬成分との混合物を例えば含有するハードなゼラチン又はセルロースカプセルの形態で、生理的に許容可能な有効成分は投薬でき、前記混合物は、乾燥、湿式造粒、押出し、ペレット化、マイクロカプセル化又はマイクロタブ用量によって得ることができる。ソフトなゼラチンカプセルでの用量は、従来の調製方法を採用するであろうし、そして、植物油、油脂、又は配合物用に適切な他の同様なビヒクルと有効成分とを混合することによって調製できる。
【0036】
医薬粉末の場合は、これらは、生理的に許容可能な有効成分と、フィラー、懸濁剤、甘味料、風味剤及び保存料との単純な混合物によって製造できる。けれども本発明は、粉末の調製において、100℃-150℃の間の入口温度及び50℃-90℃の間の出口温度での噴霧化乾燥方法を採用し、数ある中で、デキストラン、ポリエチレングリコール4000及びラウリル硫酸ナトリウムなどの賦形剤を使用し、溶液中の物体中へのその適切な取込みの機能として活性な医薬成分の溶解性を改善し、又は、ジュースなどの食品にそれを添加する。
【0037】
直腸投与では、生理的に許容可能な有効成分は、座薬、発泡体又は直腸のマイクロ浣腸溶液の形態で投薬でき、それらは、固体の中性脂肪基剤(Witespol 45)又はその配合物用に適切ないくつかの他の同様なキャリヤー(;ソルビタンモノオレエート、ポリソルベート20、乳化剤ワックス、無水物コロイドシリカ、メタ重亜硫酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、メチルパラヒドロキシルベンゾエート、リン酸ナトリウム、マクロゴール300、グリセリン、水、プロパン、イソブテン及びn-ブタン)と活性な化合物との混合物を含有できる。
液体の経口投与では、生理的に許容可能な有効成分は、エタノール、水、グリセロール、プロピレングリコール、及び/又はポリエチレングリコール、数ある中で、カルボキシルメチルセルロース又は他の増粘剤の混合物として医薬的に許容可能なキャリヤーを有する懸濁液、濃縮ドロップ、エリキシル剤、又はシロップとして配合できる;それは、着色剤、風味剤、甘味料(スクラロース、アスパルテーム、シクラメート、ステビア)及び保存料(パラベン、ベンゾエート)を含有できる。これらの液体投薬形態は、使用される前に適切な希釈剤で粉末医薬組成物を再構成することから調製できる。
【0038】
非経口投与では、生理的に許容可能な有効成分は、注入可能な溶液として配合できる。そのような溶液は、安定化、保存及び/又は緩衝成分を含有できる。本発明では、活性な医薬成分は、96%エタノール溶液、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、安息香酸、安息香酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、注入用の水、ポリエチレングリコール400、クエン酸ナトリウム及びクエン酸などの他の賦形剤の中にある。生理的に許容可能な有効成分を含有する非経口投与用の溶液は、中でも、マンニトール、ポリソルベート80、塩化ナトリウムなどの補助物質の使用を含む、使用される前に適切な溶媒で乾燥(凍結乾燥)医薬組成物を再構成することによっても、調製できる。
【0039】
皮下投与では、生理的に許容可能な有効成分は、ペレットの調製のために他の医薬使用ポリマーを使用できるとしても、無水物コロイドシリカ及びシリコーンのエラストマー補助物質を使用してインプラントの形態で投薬できる。
経皮的投与では、生理的に許容可能な有効成分は、パッチとして配合でき、この場合は、活性な医薬成分は、(12.75cmの表面積で15mg/日の名目上の解放速度で)解放シートの内部上に、アクリルコポリマー、エタノール、軽流動パラフィン、イソプロピルパルミテート、ポリエチレンテレフタレート、エチレン酢酸ビニル及びシリコーン層から成るキャリヤー中に含有される。
【0040】

例1. 5-(3,4-ジヒドロキシ-ベンジリデン)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオンの合成
等モル量の3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド及びメルドラム酸が、反応物質モル当り1-2Lの比率で溶媒として脱イオン水を使用して、電磁撹拌機を具備するバルーン中で混合される。反応混合物は、約3-5時間撹拌される。この後に、黄色の沈殿が得られ、真空ろ過によって集められ、水で3~5回洗浄され、デシケータ中に置かれる。反応は、移動相としてn-ヘキサン-酢酸エチル(1:1)を使用する薄層クロマトグラフィー(シリカゲル)によって監視される。
反応時間(3-5h);収率>75%
融解温度:154-157℃(矯正されていない)。
【0041】
生物学的評価用の(フェノール又はポリフェノール化合物誘導体からの及び1,4-ジヒドロピリジンの誘導体に融着した3環式ベンゾジアゼピンのようなシステムと組合せたフェノール又はポリフェノール化合物の誘導体からの)異なる配合物の調製
【0042】
例2.活性医薬成分としてKM34を含有する懸濁粉末配合物の調製
【0043】
懸濁用のKM34粉末の各ティースプーン(5mL)は、以下を含有する:
【表1】
【0044】
技術プロセスの簡単な記述:
・サッカリンナトリウム及びスクロース 高速ミルによる 及びメッシュ#20によるふるい 有効成分、ミント風味粉末及び重質酸化マグネシウム 及びメッシュ#60による イチゴ風味粉末。
・記述された配合物に従って原材料の量の重さを量る。
・Vanguard V-5ミキサー中で10分間混合。
・ダブルナイロンバッグでタンク中に混合生成物を集める。
・生成物をフィラー-タップに移動し、60mL褐色びん中で5グラムの生成物をパックする。
【0045】
例3.活性医薬成分としてKM34を含有する錠剤配合物の調製
【0046】
各120.00mgの錠剤は、以下を含有する
【表2】
【0047】
技術プロセスの簡単な記述:
1.20-メッシュを通して有効成分、デンプン及びラクトースをふるいにかける。
2.処方で確立された量に従って配合物の全ての成分の重さを計る。
3.バインダー溶液を調製するために、Tシャツの蒸気を持つソースパンの中に、水及びクラスCエチルアルコールの混合物を注ぎ、ポリビニルピロリドンを添加し、そして、完全に溶解するまで撹拌する。
4.有効成分、デンプン及びラクトース(内相の成分)をミキサーに投入する。15分間の混合。
5.蠕動ポンプを使用してゆっくりとバインダー溶液を添加し、水及びクラスCエチルアルコール(1:1)を使用して要求される程度の湿潤を完結する(必要なら)。低速でミルによって粒状化。
6.流動床中で粒を乾燥。10分で、代表的なサンプルの粒を取り出し、脱顆粒し、そして、その残留湿度をチェックする;前記湿度の値は、0.8~1.2%の間であるべき。
7.乾燥粒と潤滑剤とを10分間混合する。
8.高速回転機中で、平らで斜めに切ってありそして溝付1/4”(1/4PBR)のダイスを使用し、ダイカッターを調整して圧縮し、下記のパラメーターを有する錠剤を得る:
質量:120.0mg±10%
高さ:2.6±0.10mm
硬度:4.0±1KgF
破砕性:1%未満
【0048】
例4.活性医薬成分としてKM34を含有する注入可能な形態の配合物の調製
【0049】
各KM34バルブ(2mL)は、以下を含有する:
【表3】
【0050】
1.殺菌後に反応器が完全に乾燥していることを確認する;もしもそうでないなら、脱水アルコールでそれをすすぎ落とす。
2.pHを調節するための1N塩酸の溶液を調製する。
3.反応器に脱水アルコール及びCremofor ELPの一部を添加する。420rpmで混合する。
4.有効成分の重さを計り、脱水アルコールの一部を、それを含有するビーカーに添加する;ガラス撹拌機でそれを分散させ、反応器にそれを添加する;全ての有効成分が引き出されて脱水アルコールを使い切るまでこの操作を繰り返す。
5.有効成分の全体的な溶解が実現するまで420rpmで60分間反応器中の撹拌を維持する。
6.Cremofor ELPの残りを添加し、脱水アルコールで残余を一掃し、420rpmで10分間それを撹拌する。
7.溶液のpHを決定し、5.0-6.0の間に1N塩酸で調節する。
8.脱水アルコールを添加することによって、溶液の容積を完結する。420rpmで5分間撹拌する。
9.10mLの溶液を取り、プロセス制御用の実験室にそれを送る(滴定及びpH)。
10.充填及び窒化処理システムの正しい組立を確認する。
11.the Sartobran P MidiCapsフィルターのインテグリティー試験を実施、脱水アルコールで(0.45+0.2μm)気孔率。
12.プロセス制御が一旦仕上がったら、0.45μm+0.2μm気孔率のSartobran Pカートリッジフィルターを通して溶液を推進するために窒素(0.7-1.0バール)を使用して反応器を加圧する。バルブを満たしてシールし、2.2mLの溶液を測定する。
【0051】
例5.活性医薬成分としてKM34及びJM20の組合せを含有する錠剤配合物の調製
【0052】
各120.00mgの錠剤は、以下を含有する:
【表4】
【0053】
技術プロセスの簡単な記述:
1.20-メッシュを通して有効成分、デンプン及びラクトースをふるいにかける。
2.処方で確立された量に従って配合物の全ての成分の重さを計る。
3.バインダー溶液を調製するために、Tシャツの蒸気を持つソースパンの中に、水及びクラスCエチルアルコールの混合物を注ぎ、ポリビニルピロリドンを添加し、そして、完全に溶解するまで撹拌する。
4.有効成分、デンプン及びラクトース(内相の成分)をミキサーに投入する。15分間の混合。
5.蠕動ポンプを使用してゆっくりとバインダー溶液を添加し、水及びクラスCエチルアルコール(1:1)を使用して要求される程度の湿潤を完結する(必要なら)。低速でミルによって粒状化。
6.流動床中で粒を乾燥。10分で、代表的なサンプルの粒を取り出し、脱顆粒し、そして、その残留湿度をチェックする;前記湿度の値は、0.8~1.2%の間であるべき。
7.乾燥粒と潤滑剤とを10分間混合する。
8.高速回転機中で、平らで斜めに切ってありそしてスリット1/4”(1/4 PBR)のダイスを使用し、ダイカッターを調整して圧縮し、下記のパラメーターを有する錠剤を得る:
質量:120.0mg±10%
高さ:2.6±0.10mm
硬度:4.0±1KgF
破砕性:1%未満
【0054】
例6.活性医薬成分としてKM34及びJM20の組合せを含有する経口ドロップ(液滴)の形態の配合物の調製
【0055】
各mL(20ドロップ)は、以下を含有する:
【表5】
【0056】
技術プロセスの簡単な記述:
1.生成物を製造するときに精製水の導電率及びpHを測定する。
2.反応器中にプロピレングリコールを注ぐ。
3.適切なステンレス鋼補助容器中で、精製水中にサッカリンナトリウムを溶解する。
4.Kollidon 25を組込み、それを徐々に散乱させ、全体的に分散するまで30分間以上撹拌する。
5.撹拌して調製品に熱をかけ、40-50℃の間の温度を30分間保つ。
6.先の工程の結果物に有効成分を少量組込み、一定の撹拌を30分間保つ。
7.熱を除去し、そして、調製物が部屋温度:30±2℃を達成するように待つ。
8.適切な補助ガラス又はステンレス鋼容器中でクラスCエチルアルコールにメチルパラベン及びプロピレングリコールを溶解し、完全に溶解するまで絶えず撹拌する。
9.先の工程の結果物に、可溶性の液体イチゴ風味を付加し、完全に均質になるまで撹拌する。
10.反応器タンク中に先の工程の結果物をゆっくりと組込み、絶えず及び強くそれを撹拌する。
11.適切な容量のガラス又はステンレス鋼容器中で精製水にクエン酸及びクエン酸ナトリウム二水和物を溶解し、完全に溶解するまで各添加後にそれを撹拌する。
12.反応器タンク中に先の工程の結果物をゆっくりと組込み、絶えず及び強くそれを撹拌する。
13.適切な容量のガラス又はステンレス鋼容器中で精製水にred ponceauxを溶解し、完全に溶解して調製物を組込むまで撹拌する。
14.精製水と一緒に事前に決められた容量をすくい取る。均一になるまで撹拌する。
15.pHが4.0-6.0間隔で維持されることをチェックする。
16.最終の濾過をする;官能特徴をチェックする。
17.15.0±1.0mLの溶液で、15ml琥珀色のガラスビン中に最終の調製物をパックし、適切にシールし、油状の生成物用のドロップリディーサーを持つキャップを使用する。
【0057】
例7.活性医薬成分としてKM34及びJM20の組合せを含有する注入可能な形態の配合物の調製
【0058】
各バルブ(2mL)は、以下を含有する:
【表6】
【0059】
1.殺菌後に反応器が完全に乾燥していることを確認する;もしもそうでないなら、脱水アルコールでそれをすすぎ落とす。
2.pHを調節するための1N塩酸の溶液を調製する。
3.反応器に脱水アルコール及びCremofor ELPの一部を添加する。420rpmで混合する。
4.有効成分の重さを計り、脱水アルコールの一部を、それを含有するビーカーに添加する;ガラス撹拌機でそれを分散させ、反応器にそれを添加する;全ての有効成分が引き出されて脱水アルコールを使い切るまでこの操作を繰り返す。
5.有効成分の全体的な溶解が実現するまで420rpmで60分間反応器中の撹拌を維持する。
6.Cremofor ELPの残りを添加し、脱水アルコールで残余を一掃し、420rpmで10分間それを撹拌する。
7.溶液のpHを決定し、5.0-6.0の間に1N塩酸で調節する。
8.脱水アルコールを添加することによって、溶液の容積を完結する。420rpmで5分間撹拌する。
9.10mLの溶液を取り、プロセス制御用の実験室にそれを送る(滴定及びpH)。
10.充填及び窒化処理システムの正しい組立を確認する。
11.the Sartobran P MidiCapsフィルターのインテグリティー試験を実施、脱水アルコールで(0.45+0.2μm)気孔率。
12.プロセス制御が一旦仕上がったら、0.45μm+0.2μm気孔率のSartobran Pカートリッジフィルターを通して溶液を推進するために窒素(0.7-1.0バール)を使用して反応器を加圧する。バルブを満たしてシールし、2.2mLの溶液を測定する。
【0060】
生物学的活性実現試験
例8.KM-34の酸化防止活性
DPPHラジカルを低減するKM-34能力
酸化防止活性を評価する最も共通に使用される方法の1つは、分光光度で決定できる、DPPHラジカルを低減する異なる化合物の能力を評価することである(Brand-Williams et al., 1995)。DPPHは、分子が二量化しないことを例証する、全体の分子にわたって利用できるeの非局在化に起因する安定なフリーラジカルである。電子の非局在化は、それがエタノール溶液中で調製される時、DPPHラジカルの強い紫着色を引き起こす(Molyneux et al., 2004)。
【0061】
DPPHラジカルに対するKM-34(5-400μM)の効果の結果は、図1に示される。その中で、ラジカルの%低減は、KM濃度の増加に直接比例していることが観察でき;5μMよりも高い濃度で及び30分後にDPPHラジカルの反応%抑制はビヒクルに関して有意(p<0.05)であると観察された。50μMよりも高い濃度では、KM-34はその最大応答に達した。KMで得られるIC50値は、参照化合物として使用されるアスコルビン酸(AA)で得られるものよりも約2.4倍低かった。
【0062】
その芳香族的性質を考えると、このジヒドロキシ置換化合物は、電子的共役によって(Merchan et al., 1981)優れた電子供与体(Vermerris and Nicholson, 2006)として挙動する。AA(38.70μM)よりもKM-34(16.26μM)の低いIC50値は、この分子の強い酸化防止力を例証する。フェノール基の存在が酸化防止特性を与えるという事実(Fraga, 2007)は、下記のやり方でこのポリフェノール(AH)の効果を表すことを可能にする:
【化9】
【0063】
KMの作用によって形成されるラジカルの安定性は、その酸化防止活性の本質的な条件である。負電荷は、芳香族システム中で非局在化され、それは著しいイオン安定性を引き起こす(Merchan et al., 1981)。
【0064】
ピロガロール試験でのKM-34のラジカル捕集O .- の活性
これらのラジカルを発生させる非酵素システムが、KM-34のO .-隔離活性を評価するために使用され、それは、ピロガロールの自動酸化に触媒作用を及ぼし、420nmで吸収する着色化合物を形成する(Marklund, 1985)。図2に示すように、5μMよりも大きいKM-34の濃度は、ビヒクルに関してピロガロール酸化形態の形成を有意に抑制し(p<0.05)、IC50値は11.04μMであった。50μMから、ピロガロールの酸化は完全に抑制された。
【0065】
この試みの結果は、KM-34が、ピロガロール酸化形態の形成を促進する生長反応の原因である有力なラジカル捕捉剤O2-であるという事実を、支持する。そのハイジャッカーの枯渇及び生産過剰の生理的条件下で、O2・-は、それらの不活性化を引き起こすタンパク質及び隣接する酵素のスルフヒドリル基と相互作用することができ、主にFenton-Haber-Weiss反応を通じて、次々と起きる酸化事象を開始する。それは、細胞内フェリチンリザーブから鉄を移動することもできる(Brent and Rumack, 1993)。このジヒドロキシフェノール(KM-34)は、O ・-によって引き起こされる損傷及びより反応性のOHの形成を予防できる。
【0066】
2-デオキシD-リボースの分解に対するKM-34の保護効果
DRの酸化分解に対するKM-34の保護作用を評価するために(OH・ラジカルの効果の生成物)、それぞれDR 2.8及び28mMの濃度に対応するグラフ(A及びB)に、結果が示される。両方の場合で、有意な結果(陰性対照に関してP<0.05)が、10μMよりも大きいKM-34の濃度で観察される。
DRに引き起こされる損傷と同様に、OH・ラジカルの形成のプロセスは、下記の反応を通じて起る(Pardo et al., 2006):
Fe3+-EDTA + アスコルベート → Fe2+-EDTA + アスコルビル (1)
Fe2+-EDTA + O ⇔ Fe3+-EDTA + O2・- (2)
2O + 2H + Fe2+-EDTA → H + O (3)
+ Fe3+-EDTA → OH- + ・OH (4)
・OH + 2-DR → 分解生成物(MDA). (5)
【0067】
このようにして、我々は、使用されるDRの濃度に独立に10~100μMの間の値で(532nmで分光光度で監視される)MDA、DRの分解の主な生成物の形成の抑制を例証した、KM-34が作用できたレベルを理解できる。
【0068】
ラジカル・OHで予想することもできたラジカルDPPH及びO ・-に対するKM-34の低減能力を先の検討が例証したけれども、この評価は、それらのシステムではROSの生成は鉄によって媒介されることを提案する、(Pardo et al., 2006)。しかし、金属の配位によってこれらの種の形成を予測することは可能ではない。この化合物は、その構造の中に、カテコール基、ケトン基、及び、鉄結合によって酸化防止活性に寄与できる不飽和を提示する(Perron and Brumaghim, 2009)。Fe3+-EDTA複合体の高い生成定数(logK=25.5)は、KM-34が後者取ってかわることをある程度防止できるが、Fe2+-EDTA錯体の生成定数は、錯体Fe3+-EDTAに対して約半分であり、KM-34がFe2+の自動酸化を刺激することを可能にするには十分であることができ(Pardo et al., 2006)、この金属がFenton-Haber-Weiss反応に関与することを防止する。他方で、LSOで実施される実験的試験は、安定なエポキシドの形成という結果になるH2O2とのKM-34の相互作用を例証する(未発表の結果)。これは、KM-34によるFenton反応の抑制の他のモードを説明できる。
【0069】
M-34とFe 2+ との間の相互作用の分光光度的証拠
(それらのスペクトルの修正を通じて)KM-34とFe2+との間の可能な相互作用の存在を確認するために、下記の結果が得られた:
【0070】
グラフ(図4)によって示される実験結果では、所定の吸収最大262、345及び472(それぞれnm)でのKM-34の吸光度が、第一鉄イオン増加の濃度として修正されることを、見ることができる。これは、Fe2+とKM-34との間可能な相互作用を示すことができ、そこでは、電子配置d6(Fe2+)からd5(Fe3+)へのより大きい結晶場の安定に起因して不飽和のリガンドによって、イオンがFe3+で安定化される(Hider et al. ., 1981, Hider et al., 1983)。これは、DRの酸化分解試験で得られる応答を正当化し、そこでは、これらの条件でのKM-34は、・OH捕捉剤としてよりもFe2+のコーディネーターとしてより多く作用するように見えることが観察された。この結果は、もしもFenton-Haber-Weissの反応としてEROを生じるプロセスでFe2+が活性に関与することを我々が考慮するならば、非常に良好であろう(Pardo, 2007)し、もしもKM-34がそのキレート化によってイオンの制御を維持できるならば、ROS形成のリスクは、より低いであろう。
【0071】
ラット脳ホモジネートにおいて自発的又は誘発されるFe3+/AAPOLに対するKM-34の効果
脳ホモジネートは、リン脂質が豊富であり、それは、FeCl3及びAAの存在によって自発的な又は誘発される自動酸化を受け、そこでは、後者は、還元されている金属を犠牲にして酸化され、こうして、Fenton-Haber-Weiss反応に触媒作用を及ぼすために当該イオンが利用できる(Hiroi et al., 2005; Kooncumchoo, 2005)。これらのプロセスに対するKM-34の効果は、図5に示される。当該化合物は、抑制されない反応に関してそれぞれ0.1及び10μMよりも高い濃度で自発的なPOL及び誘発されるFe3+/AA混合物を有意に抑制した(p0.05)。
POLは、生理的及び病態生理学的見地の両方から、非常に重要性な事象として、最近の30年間で認識されてきた。POLの増加は、いくつかの組織に対する損傷、細胞死亡及び多くの鋭く慢性的な病気の追加の進行に関するEOのイニシエーションの重要で本質的な原因として考慮される。毒性及び突然変異誘発及びヒドロキシアルキン(HAL)として高い濃度に言及されるMDAは、POLの末期の生成物及びマーカーである(Leon, 2010)。先に報告された結果からは、KM-34が、0.1μMよりも高い濃度でMDAの形成を避けるこの自発的酸化プロセスを抑制できることを、示す。これは、予想される実際のことであり、DPPH及びO2としてRLを隔離するこのポリフェノールの有力な能力が例証された時に、側面が更に補強され、及び、連鎖切断酸化防止剤のように挙動するリポペルオキシル(LOO・)及びアルコキシル(LO・)としてPOLの間に発生する他のRLをKM-34が捕捉できることを我々が信じることに導く。Fe3+/AA(100mM)混合物によって触媒作用を及ぼされるPOLの場合には、(10μM KM-34から)抑制はより小さく現われ得るが、それらは、酸化プロセスがより高いことを考慮するならば、有意な結果でもある。AAは、Fe3+をFe2+に還元し、その状態では、それは、Fenton-Haber-Weiss化学反応を通じてOHラジカルの形成に関与し得る。これらのラジカルは、ポリ不飽和の脂肪酸(LH)から水素原子を除去して酸化損傷を開始し得る(Hiroi et al., 2005; Kooncumchoo, 2005)。この場合の結果は、形成されるRLの直接の隔離に加えて、KM-34と鉄との間の相互作用が存在でき、こうして、それが過酸化のイニシエーション及び生長の段階に関与することを防止し、酸化還元の見地から活性な形態の錯体にそれを維持し得る。
【0072】
L-グルタメートの作用に対するKM-34の保護効果
興奮毒性プロセスは、グルタミン酸作動性受容体の過度の活性化によって引き起こされるニューロン損傷として定義される。受容体の活性化後に高いCa2+レベルに入ることは、細胞死亡につながる高い濃度でERN/EROを発生させる一酸化窒素シンターゼ(NOS)などの酵素の活性化を刺激する(Nakamura and Lipton, 2010; Yang et al. [Links] [Article in Spanish] Torregrosa G, et al., 2009)。高いレベルのグルタメート又は他の興奮性のアミノ酸は、酸化プロセスに対するニューロンの酸化防止防御を減少させる(SODなどの酸化防止剤の合成では必須の)システインの取込み中に含まれる(Emerit et al., 2004; , 2004)。
【0073】
興奮毒性の複合的なモデルで得られる結果は、グルタメートが細胞生存率を有意に抑制し(P<0.01)、このNTの存在下で細胞の形態学的変化(顕微鏡的)を識別することを、示す(Yang et al., 2010)。この意味では、図6は、KM-34の細胞保護効果を例証するために50mM L-グルタメートで展開された実験から得られた結果を示す。L-グルタメートの存在下で及び0.01μMよりも大きい濃度でこの化合物は、陰性対照に関して有意に(P<0.01)細胞損傷を抑制する。1μM KM-34よりも上の値では、細胞保護応答は、80%よりも大きい。
【0074】
ERN/EROの高生成は、グルタメートの高濃度によって実施される細胞の興奮毒性のプロセスを媒介するメカニズムの1つである(Yang et al., 2010)。先の検討は、RLを捕捉するKM-34の能力、これの他の例であるこの試みで得られた結果を例証し、そこでは、KM-34は、興奮毒性の間にこれらが引き起こす損傷を避けてERN/EROを捕捉できた。KM-34によって示される高い細胞保護能力に応答するために提案されて、他のタイプのポリフェノールで記述された他のメカニズムは、プロセス酸化に強く有利に働くNADPHオキシダーゼの抑制と同様に酸化防止酵素の可能な活性化である(Kovacsova et al., 2010)。
【0075】
によって誘発される損傷に対するKM-34の細胞保護効果
は、自発的に又は酵素的にインビボで形成される。低い濃度では、これは乏しい反応性のことがあるが、高い濃度では、それは、相互作用して、細胞のエネルギー発生システムの不活性化を発生できる。更に、H2O2は、タンパク質の-SH基を酸化してDNAストランド破壊を引き起こし得る。それらのほとんどの損傷効果は、Fenton-Habber-Weiss反応によって触媒作用を及ぼされた遷移金属の形成である(Martinez, 2005)。これは、化学薬品によって引き起こされる損傷を反対にすることをKM-34が可能か否かを観察する目的で、この試験におけるH2O2の使用に基づく。図7は、得られた結果を示し、5μMよりも高いKM-34の濃度が細胞生存の有意な効果を実現したことを示し、25μM KM-34から、50%よりも高い応答の値に達した。
【0076】
いくつかの実験結果からは、H2O2が複合的な生理的事象のメディエイターであることが明らかに示され、そして、その過剰は、複合的な病理学的条件につながるであろう(Leon, 2010)。この化学種は、他のROSの形成の中に含まれることができ、こうして、その有害性を増加させて、損傷制御で重要な役割を果たすためにKM-34などの酸化防止化合物につながり得る。この試験の間に得られる結果は、これを例証する、なぜなら、5μMよりも高い濃度では、KM-34は、150μMのH2O2にさらされるPC12の細胞の生存率を増加させたからである。50μMよりも高い濃度では、%細胞生存は90に近い。
【0077】
RLの取込みは、基本的なメカニズムであることができ、それによって、このモデルに対するその保護効果をKM-34が発揮し、H2O2から発生するO2・などのラジカル種に対するKM-34の低減可能性をもう一度例証する。KM-34とH2O2との間の相互作用(DR試験で議論された結果)を考慮すると、KM-34によるFenton-Habber-Weiss反応の抑制は、H2O2それ自身によって引き起こされる損傷に加えて、説明されることができた。
【0078】
FeSO4/AAによって誘発される損傷に対するKM-34の保護効果
FeSO4/AAシステムは、それらの死亡につながるPC12などの細胞における酸化反応の強い触媒である(Hiroi et al., 2005; Nunez et al., 2011)。この酸化促進システムの存在下でKM-34は、0.001μMよりも高い濃度で細胞保護効果を示した。1μMよりも高い濃度では、%細胞生存は、90%よりも大きかった(図8)。
【0079】
これらの結果は、0.01-10μMの間の濃度では酸化条件を切り抜ける細胞が100の中で90を実現するというKM-34の有力な保護能力を例証する。これらの結果は、その酸化防止特性を補強するいくつかのメカニズムによってKM-34が作用できたということを確認する。これらは、すでに何回か言及されてそしてKM-34に存在する構造上の特徴(発色団基)に基づく、鉄キレート化及びRL取込みであることができる。この化合物は、Fenton-Habber-Weiss反応で発生するRLを低減できた。なぜなら、フェノール化合物は、優れた電子供与体として挙動するからである(Vermerris and Nicholson, 2006)。他方で、H2O2の不活性化に加えて、分子に存在する不飽和及びカテコール基を通じる鉄などの金属のキレート化(Perron and Brumaghim, 2009)は、言及された反応の触媒作用を避けることができた。もしも、金属の配位後に、それが触媒作用的に活性のままでいるならば、ラジカルが、ポリフェノールの近傍に形成して、即時に隔離されるであろう。多くの数の検討によれば、カテコール金属-ポリフェノール相互作用は、後者の酸化防止及び細胞保護能力を増加させることが示される。主な理由としては、SODなどの酸化防止酵素を模倣する新しい酸化還元中心をリガンドが獲得するからである(Pardo, 2007; Nunez et al.)。
【0080】
合計保護値にさえ近くそれほど低い濃度でKM-34が細胞保護効果を提供するという事実によれば、この化合物は、DFOなどの酸化防止特性を持つ他の薬剤バインダー用に提案された遺伝子発現の調節などの他のより効率的な分子メカニズムによっても作用できたということが提案され、それは、NF-κB活性化を抑制してHIF-1αを安定化し、こうして、細胞の生存応答を高める(Kooncumchoo, 2005; Harten et al., 2010)。もしもこの後者のメカニズムが、KM-34用に適切に試験できるならば、反応性の種の隔離にのみ基づく酸化防止効果が、細胞生体分子の高濃度に対する酸化損傷を予防するには十分であることはできなかったであろうということを考慮すると、それは、インビボシステムでのこのポリフェノールの使用に大きな関連があるであろう(Halliwell et al., 1991)。鉄の異常な蓄積という状態でさえ、(クエン酸塩、ATP及び他の低重量分子に結合した)EROの形成の触媒能力を持つ鉄レベルは、ポリフェノールによってキレート化できる濃度、1-2μMをほとんど超えない(Halliwell et al., 1991)。
【0081】
得られる結果を考慮すると、中でもパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、虚血などの酸化ストレス及び鉄オーバーロードに関する病理学的プロセスの治療においてこの化合物の将来の実施への視野を持つ更に深い検討を思いつくことは、空想的ではないであろう。
【0082】
例9.KM-34の抗パーキンソン病活性
線条体(脳右半球)の片側性ドーパミン作動性除神経に進むために、ラットが、抱水クロラール[0.4g/kgの本体重量、ip, Merck (Darmstadt, Germany)]で麻酔され、定位手術用に設計されたフレーム中に置かれ(Stoelting Instruments, USA)、黒質緻密部右の中に神経毒6-OHDA-HBr(8μg/3μL生理食塩水溶液)を投入し、それは、酸化防止剤として0.2mg/mlのアスコルビン酸をも含有した。the Paxinos and Watson atlasに従ってブレグマの基準点を使用して座標が計算された:AP:-4.4mm;ML:1.2mm;DV:7.8mm及び鋭いバー:両耳間のライン下に-2.4mm。一旦置かれると、注入が終了した後5分間原位置でとどまり、Hamiltonシリンジ(5μl)で、1μl/分の流速で神経毒がゆっくりと注入された。
【0083】
IV.挙動試験
A.シリンダー試験
この試験では、ラットは、20cmの直径で30cmの高さの透明なアクリルシリンダーの内部に配置され、動物は端面に到着できない。知らない場所にラットを配置することによって、円筒型の形は、前肢での壁の垂直的調査の生得的行動に有利に働く。動物の配置後、右の又は左の又は両方の前足で動物によってなされた接触の数が、容器の壁上に動物当り合計20回まで定量化される。6-OHDAで片側性に損傷された動物は、損傷に対してより少なく対側性である前足を使用する傾向があり、我々のケースでは左の前足である。各々の動物によって示された非対称性のパーセンテージが、下記の式によって定量化される。
【表7】
【0084】
B.探究活性
動物の垂直的探究活性(活動)を評価するために、探究活性試験が使用され、動物は、41×41×33(h)cmの寸法を持つ透明なプレキシグラスキュービクル中に置かれた(UGO BASILE, Multiple Activity Cage Cat. 47420)。水平的/垂直的検出システムが正しく固定されるように、スチールの切り目を持つ4つの垂直スチールバーを備えた黒いプレキシグラスから製造された丈夫な基板上に、キュービクルが置かれる。センサーは、垂直走査のやり方で動物の動きを記録することが可能なIR発光システムである。データは、コンピューター上にモニターされる。動物は、それを探究するようにボックスの中央に配置される。ボックスは、5分間の小さい照明に加えて、環境騒音及び研究者から隔離された部屋の中に置かれる。ボックスのセンサーの光ビームが中断される時、動物がボックスの壁に垂直的に探究する回数を、研究者はとる。
【0085】
結果
神経毒6-OHDAによって誘発されるパーキンソン病のインビボモデルにおけるKM-34の神経保護効果
2mg/kg及び1mg/kgの投与量で処理された動物は、シリンダー試験で評価すると、動物(健康な)動物と同等の%非対称性を有していて、こうして、動物は、0.5Mg/kg KM-34の投与量で処理されなかった。処理を受けなかった対照グループの動物(6-OHDA)は、シリンダー試験で評価すると、黒質に存在する細胞ドーパミン作動性物質の大きな除神経を引き起こす6-OHDA誘発損傷に対する対側性の脚を使用できなかった。それ故に、それらは、非常に高い非対称性のa%を示した。化合物の投与量が増加すると、対照損傷に関して統計的に有意な2mg/kgで処理されたグループにおいて最大神経保護効果に達するまで、動物は損傷から回復する。0.5mg/kgで処理された動物は、損傷が減少するいくらかの傾向が観察されたが、処理なしの損傷されたグループに関して統計的に有意な相違を示さなかった。ビヒクルグループの動物は、いかなる損傷も提示しなかった(図9)。
【0086】
他方で、調査ボックスで評価された垂直の探査行動は、損傷した動物に関して0.5及び1mgの投与量の統計的に有意な相違を示さなかったが、これは、ビヒクルグループに関して何の相違も示さずそして損傷した動物に関して統計的に有意な相違を示した最大投与量で処理された動物の場合ではなかった。2mg/KgのKM-34の投与量が最大であるKM-34の投与量が増加すると、評価された3つの投与量では垂直の探究が増加する傾向が存在する、図10
【0087】
例10.KM-34抗認知症活性
スコポラミンによって誘発される認知症のモデルは、アルツハイマー病を含む異なるタイプの認知症の治療において有効な化合物のサーチで広く報告された。このモデルでのKM-34評価の結果は、認知症の治療におけるこの分子の神経保護特性を例証する。
【0088】
実験設計
インビボモデルで、4mL/kg本体重量の割合でKM-34が経口的に投与された(p.o)。挙動試験の開始前90分に、2、4及び8mg/kgの投与量が、鋭い投与として評価された。投与では、化合物は、カルボキシメチルセルロース(CMC)0.05%中に懸濁させた。スコポラミン臭化物は、0.9%生理食塩水中に溶解させて、そして、挙動試験の開始前30分に単一の投与量(1mg/kg、4mL/kg本体重量)として腹腔内に投与された。
【0089】
動物は無作為に選択されてそして異なる処理の5つの実験グループ(n=7、グループ当り)に分配された:対照グループ(CMC及び生理食塩水)、ビヒクルグループ(CMC及びスコポラミン1mg/kg)、KM-34(KM-34 4mg/kg及びスコポラミン1mg/kg)及び(KM-34 8mg/kg及びスコポラミン1mg/kg)。
【0090】
挙動研究
T迷路.自発的交替.
T迷路での自発的交替挙動の評価が、Capurro et al. (Capurro et al., 2013)によって提案された方法論をフォローして実施された。この評価は、強制的に選択される入口で始まる単一のセクションと、その後に左の又は右のどちらかの迷路アームへの自由に選択される14の入口とから成った。最初の入口では、迷路の右のアームへのアクセスが閉じられ、動物は開いた(左の)アームに強制された。その後、動物は、自由に迷路を探検して14の機会の右の又は左のアームへ入ることを選択できるようにした。各選択間では、動物は、出発位置(Tの長いアームの端)に戻され、そこでは、5秒間閉じ込められた。各アームへの一連の入口が記録されて、交替のパーセンテージが計算された:(実行された交替の数/可能な交替全体)×100。この試験は、JM-20及びスコポラミンの投与後、それぞれ90及び30分で実行された。
【0091】
物体認識
この試みは、Capurro et al. (Capurro et al., 2013)によって提案されたように、オープンフィールド中で2日連続で実施された。第1日目には、動物は、2つのセクションで3分間探究させるように適合させた。第2日目には、それぞれ試験1(P1)及び試験2(P2)の2つのステージで各々5分のトレーニング及び学習の評価が実施された。P1を開始する前に、動物には、90分前及び30分前にそれぞれ、JM-20及びスコポラミンが投与された。P1では、ラットには、見慣れた(familiar)物体(F)と呼ばれる2つの同一の物体が与えられた。30分後、P2がスタートし、ラットは、見慣れたF及び新規な物体(N)の2つの異なる物体にさらされた。試験は、物体の探究を分析するためにビデオで記録され、動物が各々の物体に実行する探究の時間によって定義される。物体FとNとの間の識別の割合は、ID=(N-F)/(N+F)として計算された。
【0092】
統計的分析
得られた結果の統計的分析のために、GraphPad Prism 5.0プログラムが使用された。実験データの正規性及び等分散性がチェックされた。異なる実験的グループの間の比較をするために、複合的な比較のANOVA(英語の専門用語によれば変動の分析)及びTukey試験が実行された。
【0093】
結果
T迷路では、短期空間記憶に対する異なる処理の効果が評価された。交替のパーセンテージは、動物認識能力及び正常な記憶と明確に相関関係がある。スコポラミン認識欠乏を引き起こす前1時間の2、4及び8mg/kgのKM-34(po)の投与は、KM-34で処理されないものに関して空間記憶損傷から有意に(p<0.01)保護された(図11)。
【0094】
偶発性物体認識記憶に対するKM-34の効果が、短期設計での新しい物体の認識試験によって評価された。この試験では、評価フェーズの間に見慣れた(F)及び新しい(N)物体の認識の時間が定量化され、識別指標(ID)は、両方の物体の間で計算された。高い明確な指標は、対照グループで観察されるように、Fに対するN物体の良好な認識記憶を反映する(図12)。負の又はゼロに近い値の指標は、動物が、NよりもF物体の大きな探究又はFとN物体との間のほとんどない識別をすることを意味する。これらの試験では、4及び8mg/kgのKM-34(po)の投与量が、スコポラミンによって誘発される期間認識の記憶及び学習に関する見せかけに戻ることができたということが観察された。KM-34で処理された動物は、実験の対照動物がしたのと同様のやり方ですでに公知のものと新しい物体との間を識別できたのであり、スコポラミン単独で処理された動物よりも有意に(p<0.01)高かった(図11)。
【0095】
これらの結果は、KM-34の可能な抗健忘効果を予測する。得られる一揃いの薬理的な証拠及びKM-34の構造上の潜在性は、アルツハイマー病を含む異なるタイプの認知症の治療においてKM-34が神経保護効果を有するという可能性を正当化する。
【0096】
例11.KM-34の抗虚血性活性
動物が下記のグループ(グループ当りn=8)に無作為に分配された:(1)ビヒクル処理された虚血/再潅流(I/R)対照、(2)KM-34処理されたI/R 0.1mg/kg、(3)KM-34 0.5mg/kgで処理されたI/R、(4)KM-34 1mg/kgで処理されたI/R、(5)sham-操作ビヒクル処理及び(6)sham-KM-34 1mg/kg。全てのケースで、(胃内カニューレで)経口的に投与された。異なる投与量では、10mL/kgの一定容積を投与するという目的で、濃度が調節された。使用前の直前に、KM-34がカルボキシメチルセルロース(CMC)0.05%中に懸濁された。
【0097】
ラットでの一過性焦点の脳虚血の誘発
管腔内フィラメント法を使用して、OACMによって一過性脳虚血が実行された。手短に言えば、ケタミン(75mg/kg)及びキシラジン(8mg/kg)で動物が麻酔された。首の腹側正中線に縦切開をすることによって、右の共通の頸動脈がさらされ、そして、総頚動脈及び外頚動脈が3-0絹縫合で縛られた。その後、4-0ナイロンモノフィラメント(Somerville, Brazil)が、MCAの起源を遮断する目的で、ACIを通じて長さ18-20mmまで、丸い先端で導入されて、ポリ-L-リジン(44)でコーティングされた。90分の閉塞後、フィラメントが除去されて再潅流させた。本体温度は、加熱ブランケットで36.5℃~37.5℃の間で維持された。1時間後、ラットは、KM-34の単一の経口の投与量(0.1、0.5又は1mg/kg)を受けた。shamグループ(偽操作)の動物は、モノフィラメント挿入なしで同じ外科手順を受けた。23時間の再潅流後、神経障害が評価され、動物が犠牲にされて、
梗塞容積を決定して挙動評価を実行した。
【0098】
神経障害の評価
神経障害が、6点スケールに従って評価された:0=神経障害の観察なし;1=左の前脚の拡張なし;2=動物が尾によってサスペンドされるならば円内で左へシフト;3=円内で左へ自発的な押しのけ;4=意識レベルの減少を伴い自発的な運動活動なし;5=死亡。
【0099】
脳梗塞サイズの測定
溶液中では無色の化合物だが機能性ミトコンドリアのデヒドロゲナーゼによって還元されると赤レンガ色のホルマザン塩を形成するTTCで染色することによって、脳梗塞が決定された。このやり方では、虚血によって損傷された組織は、染色されないままであり、肉眼で認識できる。
【0100】
神経的評価後に動物は再び麻酔され、そして、4℃で20mLの生理食塩水で経心腔的に灌流された。脳は抽出され、30分間0℃に置かれた。2mm厚さの冠状断面がその後に実行され、30分間37℃で2%TTC溶液中でインキュベートされた。汚染断面が、4%ホスフェートバッファーホルマリンの溶液中に固定され、画像解析システム(ImageJ 1.41, National Institute of Health, USA)で梗塞サイズの決定のためにデジタル化された。水腫指標(OACMに対して同側の脳半球の容積/対側性の脳半球の容積)及び修正された梗塞の容積(障害の容積/水腫指標)が、脳水腫による梗塞容積の過大評価を避けるために、計算された。梗塞容積は、対側性の脳半球のパーセンテージで示された。
【0101】
統計的分析
GraphPadPrism 5.0 software (GraphPad Software Inc., USA)を使用して統計的分析が実行された。データは、平均±SEM(平均の標準のエラー)として表現された。変動の単純な分類分析(ANOVA)及びその後にthe Newman-Keuls複合比較試験を使用して、異なるグループ間の比較が実行された。p<0.05のA値が、統計的に有意であると考えられた。全ての分析は実験グループの割当を知らない研究者によって実施された。
【0102】
結果
KM-34での処理で、ラットでの中大脳動脈の閉塞によって誘発される神経障害及び梗塞の容積が低減した
【0103】
ラットでの中大脳動脈の閉塞のモデル、信頼性があり再現可能なモデルは、広く特徴付けられる感覚運動及び認識の欠乏を引き起こす。再潅流後1時間で、0.1、0.5及び1mg/kgの投与量で、(胃内カニューレを使用して)経口的に化合物が投与された。TTC染色によって、KM-34は梗塞サイズを大幅に低減することが例証された(図13A)。これらのデータの定量分析によって、0.5及び1mg/kgのKM-34で処理されたラットでの梗塞の全体容積(対側性の脳半球のパーセンテージで示される)は、ビヒクル処理されたグループ(それぞれ15.7%及び5.3%でビヒクル処理されたグループでの27.5%)よりも有意に(p<0.05)減少したことが、明らかになった(図13B)。この全体効果は、皮質下などの皮質領域での脳梗塞サイズの低減の結果である。
【0104】
神経学的評価では、shamグループでは何の有意な挙動障害も観察されなかったが(結果は示されない)、KM-34で処理されずOACMにかけたグループでは、厳しい神経障害が観察された(図)。このグループのラットは、円内の動作、損傷に対して対側性の前足の屈曲、及び自然な動作の減少を示した。KM-34(0.5及び1mg/kg)での処理は、神経障害を有意に改善し(p<0.05)、それは、神経学スコアの減少に反映される。両方のケースで、ラットの動作及び態度の異常性は低く、これによって、処理に起因する梗塞サイズの減少が虚血後の神経障害に対する明確な効果を有したことが提案される。他方で、この化合物の投与は、shamグループにおいて組織損傷又は挙動変化の何のサインも生み出さなかったのであり、これは、化合物が(OACMなしでの)基礎的な条件下でこれらのパラメーターに対する何の効果も有しないことを示す。
【0105】
例15.フェノール又はポリフェノール誘導体と組合せた1,4-ジヒドロピリジンの誘導体に融着したベンゾジアゼピン、ピリドジアゼピン及びピリミドジアゼピンのタイプの3環式誘導体の組合せの生物学的活性
フェノール又はポリフェノール誘導体と1,4-ジヒドロピリジン誘導体に融着したベンゾジアゼピン、ピリドジアゼピン及びピリミドジアゼピンタイプの3環式及び4環式誘導体との組合せの優位性を例証するために、これらのシステムの各々に関して別々に、細胞培養液PC12がグルタメート及び過酸化水素損傷にさらされた。
過酸化水素による損傷(ラジカル損傷)及びグルタメートによる損傷(興奮毒性)は、ほとんどの脈管及び神経障害の代表的なものである。両方のグラフにおいて、JM-20+KM34で処理されたグループが、それらを各々に分離して示されたものよりも大きい生存パーセンテージを如何に示したかが、観察される。これによって、両方の化合物の混合物が、別々に使用された時よりも治療有効性に関して優れていることが示される。それによって、優れた薬理的な効果を実現するためにより低い投与量を使用する必要性に起因する、フェノール又はポリフェノール誘導体と1,4-ジヒドロピリジンの誘導体と組合せた3環式及び4環式ベンゾジアゼピン、ピリドジアゼピン及びピリミドジアゼピン誘導体との組合せの時に、(臨床的実務から多くの薬を撤回する原因である)副次効果がより低いであろうということも、予測される。
【0106】
脈管認知症のモデルとして、20分間の総頚動脈の一過性閉塞及び認識障害を受けた動物(オスのSwiss albinoマウス)が、Morris迷路評価を通じて評価された。結果によれば、再潅流開始後1時間で4mg/kgのJM-20(po)が投与された動物は、試験の一日中、処理なしの動物に対して逃避待ち時間が有意である(p<0.05)ことが示される。JM-20(4mg/kg)+KM-34(2mg/kg)の組合せは、Tacrin 8mg/kgよりも高い脈管認知症の改善を示した。
永久皮質虚血のモデルとして、軟膜動脈の熱凝固が誘発され、非対称性のパーセンテージが定量化された。
【0107】
図14は、JM-20(4mg/kg)+KM-34(2mg/kg)の組合せが、各々別個の化合物に比べて、損傷した動物の非対称性を如何により強力に減少させるかを示す。
【0108】
認知症及びパーキンソン病では、JM-20+KM-34の組合せは、各々別個のこれらの分子の神経保護力を有意に強化をもする。これは、優れた効果を実現するためにより低い投与量の使用を可能にし、副作用のリスクを減少させる。
本発明に関連して、以下の内容を更に開示する。
[1]
遊離の形態又はその塩、水和物、結晶形、代謝産物、プロドラッグの形態の式Iのフェノール化合物:
【化1】

[2]
1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤と一緒に医薬的な有効成分として[1]に記載の式Iの化合物を含むことを特徴とする、医薬組成物。
[3]
1,4-ジヒドロピリジン誘導体に融着したベンゾジアゼピンタイプの3環式誘導体と[1]に記載の式Iの化合物との組合せ。
[4]
1,4-ジヒドロピリジンに融着したベンゾジアゼピン誘導体が、3-エトキシカルボニル-2-メチル-4-(2-ニトロフェニル)-4,11-ジヒドロ-1H-ピリド[3-b][1,5]ベンゾジアゼピンである、[3]に記載の組合せ。
[5]
1,4-ジヒドロピリジンに融着したベンゾジアゼピン誘導体が、少なくともラセミ体の形態又はその右旋性又は左旋性鏡像異性体の形態である、[4]に記載の組合せ。
[6]
1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤と一緒に[3]~[5]に記載の組合せを医薬的な有効成分として含む、医薬組成物。
[7]
中枢神経系及び脈管神経系の病気の治療のための[2]~[6]のいずれかに記載の医薬組成物。
[8]
脳虚血、パーキンソン病、及び異なるタイプの認知症の治療のための[7]に記載の医薬組成物。
[9]
中枢神経系及び脈管神経系の病気の治療のための薬剤の製造用の[1]に記載の式Iの化合物の使用。
[10]
中枢神経系及び脈管神経系の病気の治療のための薬剤の製造用の[3]~[5]に記載の組合せの使用。
[11]
中枢神経系及び脈管神経系の病気が脳虚血である、[10]に記載の組合せの使用。
[12]
中枢神経系及び脈管神経系の病気がパーキンソン病である、[10]に記載の組合せの使用。
[13]
中枢神経系及び脈管神経系の病気が、異なるタイプの認知症に関する、[10]に記載の組合せの使用。
[14]
認知症がアルツハイマー病である、[13]に記載の組合せの使用。
[15]
認知症が脈管認知症である、[13]に記載の組合せの使用。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14