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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】無段変速機に関する変速システム
(51)【国際特許分類】
   F16H 37/12 20060101AFI20220128BHJP
   F16H 19/04 20060101ALI20220128BHJP
   F16H 21/20 20060101ALI20220128BHJP
   F16H 35/00 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
F16H37/12 Z
F16H19/04 C
F16H21/20 Z
F16H35/00 G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017194250
(22)【出願日】2017-10-04
(65)【公開番号】P2018071785
(43)【公開日】2018-05-10
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】15/333,501
(32)【優先日】2016-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517349407
【氏名又は名称】ファン シュン ツェン
(73)【特許権者】
【識別番号】517349418
【氏名又は名称】クオ-ハン ツェン
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】ファン シュン ツェン
(72)【発明者】
【氏名】クオ-ハン ツェン
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特公昭43-009491(JP,B1)
【文献】特開2000-110912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 37/00
F16H 19/00
F16H 21/00
F16H 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワー入力アセンブリ、パワー出力アセンブリ、カラーアセンブリ及び接続アセンブリを備えた、無段変速機に関する変速システムであって、
前記パワー入力アセンブリは、動力源、油圧動力伝達システム、主回動軸及び調整可能なギヤアセンブリを有し、
前記パワー出力アセンブリは、第1のシャフトを介して第1のギヤに接続された第1のフリーホイールと、第2のシャフトを介して第2のギヤに接続された第2のフリーホイールと、メインロッドと、出力ギヤと、出力シャフトと、を有し、前記第1のフリーホイールは、前記メインロッドの上部に設けられたメインロッドラックに係合される一方、前記第2のフリーホイールは、前記メインロッドの底部に設けられたメインロッドラックに係合され、
前記カラーアセンブリは、前記主回動軸上で摺動可能で前記調整可能なギヤアセンブリに枢着された摺動カラーを有し、
前記接続アセンブリは、旋回アームと、前記調整可能なギヤアセンブリと接続された複数の摺動スリーブと、前記メインロッドに枢着された接続ロッドに枢着されて前記旋回アームから延びたクランクピンと、を有し、
前記パワー入力アセンブリ中の前記油圧動力伝達システムは、そこから延びた油圧位置決め棒を有する少なくとも1つの油圧シリンダを有し、前記油圧位置決め棒の他端は、前記調整可能なギヤアセンブリの動きを制御するエンドプレートに接続され、
前記調整可能なギヤアセンブリは、一端上の前記摺動カラーの上部に枢着されるとともに、前記旋回アームの上部に設けられた前記摺動スリーブに枢着された第1のストレッチャと、一端上の前記摺動カラーの下部に枢着されるとともに、前記旋回アームの下部に設けられた前記摺動スリーブに枢着された第2のストレッチャと、を有し、
前記旋回アームは、円周に沿って旋回し、前記接続ロッド及び前記メインロッドにより前記第1のギヤ、前記第2のギヤ及び前記出力ギヤを駆動し、改良された無段変速機が供給する速度及びトルクは、前記旋回アーム上の前記第1のストレッチャと前記第2のストレッチャ間の距離により制御可能であることを特徴とする、
無段変速機に関する変速システム。
【請求項2】
前記第1のフリーホイール及び前記第2のフリーホイールは、前記メインロッドの前記メインロッドラックとラックピニオン式に係合されることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機に関する変速システム。
【請求項3】
前記パワー入力アセンブリは、前記動力源から延びるとともに、入力ギヤと接続され、減速機に係合される入力シャフトを有することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機に関する変速システム。
【請求項4】
前記主回動軸は、前記減速機により駆動されることを特徴とする請求項3に記載の無段変速機に関する変速システム。
【請求項5】
前記油圧シリンダが前記旋回アームへ向かって移動すると、前記油圧位置決め棒により前記エンドプレートが押動され、前記摺動カラーを前記旋回アームへ向けてさらに押動し、前記摺動カラーの上部及び下部に枢着された前記第1のストレッチャ及び前記第2のストレッチャは、前記摺動スリーブの上部及び下部と同様に、前記旋回アーム上でそれぞれ上昇及び下降して間隔距離が増大することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機に関する変速システム。
【請求項6】
前記油圧シリンダが前記旋回アームから前記エンドプレート及び前記摺動カラーを引き離すと、前記第1のストレッチャ及び前記第2のストレッチャが前記旋回アーム上で移動して互いに近づくことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機に関する変速システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年9月20日出願の米国特許出願第14/859,302号の一部継続出願であり、明細書の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、車両用変速システムに関し、特に、従来の無段変速機よりも耐久性に優れ、高いトルクを発生し得る、簡素な構造を有する改良された無段変速機(Continuously Variable Transmission:CVT)に関連する変速システムに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、自動変速機は、現在又は期待できる動作状態(例えば、部分負荷、推力)及び環境パラメータ(例えば、温度、気圧及び湿度)の機能として実質的に有段又は無段階に現在の変速比を独立して変更する変調型コンバータである。そのグループに含まれるものは、電気式、空気圧式、流体力学式、静油圧式又はこれらの組み合わせからなる群から選択される方式の変調型コンバータである。
【0004】
無段変速機(CVT)は、原動機からのトルクを受ける第1のシャフトと、第1のシャフトに対して平行であるか、平行にすることができる第2のシャフトと、2つのシャフト上の調整可能なプーリ又はシーブ(sheave)と、2つのプーリに巻き掛け、原動機により第1のシャフトが駆動されたときに第1のシャフトから第2のシャフトへトルクを伝達する無端可撓部材(例えば、チェーン又はベルトであり、以下「チェーン」という)と、を一般に含む。
2つのプーリは、調整可能であり、この目的を達成するために、各プーリは、シャフトにそれぞれ固定された第1の錐状フランジと、第1のフランジとともに旋回可能であり、第1のフランジに向かうか第1のフランジから離れるように軸方向に移動可能な第2の錐状フランジと、を含む。プーリの調整可能性は、チェーンをシャフトの一つへ向かって一方のループ部を半径方向内向きに移動させるとともに、他方のループ部を半径方向外向きに移動させて他方のシャフトから離す(或いはその逆である)。
【0005】
無段変速機は、自動変速機より好ましい。それは、所謂バイパス又はロックアップクラッチと組み合わせる流体トルクコンバータを利用する。その理由としては、無段変速機が異なるギア比への変速を無衝撃で行うことができるため、乗員又は自動車の乗員へ高い快適性を提供することができるためである。その上、パワートレイン中の無段変速機を利用すると、自動車に必要な燃料を大きく節約することができる。
【0006】
しかしながら「コーンプーリー」の概念又はベルト/チェーン駆動システムを使用する無段変速機の物理的制限により、従来の無段変速機は、例えば、小型乗用車両、軽負荷機械などの低トルクにしか使用できなかった。また、無段変速機のコーン又はベルト/チェーンは、力を十分に伝達させて滑りを抑制するために、緊張させて十分な摩擦を発生させる必要があった。しかしコーン及びベルト/チェーンの緊張を維持するために使用されるエネルギーは、無駄なエネルギーの他の形であり、全体の効率が下がった。
【0007】
また、従来の無段変速機には、アクセルペダルを踏んで自動車を加速させるとき、「ラグタイム(lag time)」が発生する。これは、コーンプーリ又はベルト/チェーンの従来の無段変速機システムの物理的制限により、加速が遅れ気味でトルクが不足し易いためである。また、従来の無段変速機には、騒音、振動及びハーシュネス(NVH)の問題点もあった。従来の無段変速機の構造は複雑であるため、信頼性及び耐久性が低下した。そのため、上述したような問題点を改善するために、改良した変速システムが求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の第1の目的は、動力伝達にギヤ及び油圧のみ利用し、旅客大型自動車、大型トラック、高負荷機械など低トルクから高トルクまで様々なトルクが必要な場面で使用し得る、改良された無段変速機に関する変速システムを提供することにある。
本発明の第2の目的は、動力伝達にギヤ及び油圧のみ利用し、動力を追加しなくとも変速機を「十分に緊張させて」係合させて「滑る」ことを防ぐことができるため、動力伝達の全体の効率が向上する、改良された無段変速機に関する変速システムを提供することにある。
本発明の第3の目的は、動力伝達にギヤ及び油圧のみ利用し、動力伝達を即時に行って加速する際にラグタイムが生じることを防ぐことができるため、変速システムの制御、効率及び安全性が改善する、改良された無段変速機に関する変速システムを提供することにある。
本発明の第4の目的は、動力伝達にギヤ及び油圧のみ利用し、従来の無段変速機が加速する際に騒音、振動及びハーシュネス(NVH)が発生する欠点を改善する、改良された無段変速機に関する変速システムを提供することにある。
本発明の第5の目的は、簡素な構造により信頼性、耐久性に優れ、製造コストを大幅に減らすことができる、改良された無段変速機に関する変速システムを提供することにある。
本発明の第6の目的は、最適かつ効果的なギヤ比に設定することができるため、如何なる速度、状態であってもエネルギー消費を減らすことができる、環境を汚染させない無段変速機に関する変速システムを提供することにある。
本発明の第7の目的は、動力伝達にギヤ及び油圧のみ利用し、瞬時に大きな加速を行うことができる性能により、自動車競技、山道などでも使用し得る、改良された無段変速機に関する変速システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、パワー入力アセンブリ、パワー出力アセンブリ、カラーアセンブリ及び接続アセンブリを備えた、無段変速機に関する変速システムであって、前記パワー入力アセンブリは、動力源、油圧動力伝達システム、主回動軸及び調整可能なギヤアセンブリを有し、前記パワー出力アセンブリは、第1のシャフトを介して第1のギヤに接続された第1のフリーホイールと、第2のシャフトを介して第2のギヤに接続された第2のフリーホイールと、メインロッドと、出力ギヤと、出力シャフトと、を有し、前記第1のフリーホイールは、前記メインロッドの上部に設けられたメインロッドラックに係合される一方、前記第2のフリーホイールは、前記メインロッドの底部に設けられたメインロッドラックに係合され、前記カラーアセンブリは、前記主回動軸上で摺動可能で前記調整可能なギヤアセンブリに枢着された摺動カラーを有し、前記接続アセンブリは、旋回アームと、前記調整可能なギヤアセンブリと接続された複数の摺動スリーブと、前記メインロッドに枢着された接続ロッドに枢着されて前記旋回アームから延びたクランクピンと、を有し、前記パワー入力アセンブリ中の前記油圧動力伝達システムは、そこから延びた油圧位置決め棒を有する少なくとも1つの油圧シリンダを有し、前記油圧位置決め棒の他端は、前記調整可能なギヤアセンブリの動きを制御するエンドプレートに接続され、前記調整可能なギヤアセンブリは、一端上の前記摺動カラーの上部に枢着されるとともに、前記旋回アームの上部に設けられた前記摺動スリーブに枢着された第1のストレッチャと、一端上の前記摺動カラーの下部に枢着されるとともに、前記旋回アームの下部に設けられた前記摺動スリーブに枢着された第2のストレッチャと、を有し、前記旋回アームは、円周に沿って旋回し、前記接続ロッド及び前記メインロッドにより前記第1のギヤ、前記第2のギヤ及び前記出力ギヤを駆動し、改良された無段変速機が供給する速度及びトルクは、前記旋回アーム上の前記第1のストレッチャと前記第2のストレッチャ間の距離により制御可能であることを特徴とする無段変速機に関する変速システムが提供される。
【0010】
前記第1のフリーホイール及び前記第2のフリーホイールは、前記メインロッドの前記メインロッドラックとラックピニオン式に係合されることが好ましい。
【0011】
前記パワー入力アセンブリは、前記動力源から延びるとともに、入力ギヤと接続され、減速機に係合される入力シャフトを有することが好ましい。
【0012】
前記主回動軸は、前記減速機により駆動されることが好ましい。
【0013】
前記油圧シリンダが前記旋回アームへ向かって移動すると、前記油圧位置決め棒により前記エンドプレートが押動され、前記摺動カラーを前記旋回アームへ向けてさらに押動し、前記摺動カラーの上部及び下部に枢着された前記第1のストレッチャ及び前記第2のストレッチャは、前記摺動スリーブの上部及び下部と同様に、前記旋回アーム上でそれぞれ上昇及び下降して間隔距離が増大することが好ましい。
【0014】
前記油圧シリンダが前記旋回アームから前記エンドプレート及び前記摺動カラーを引き離すと、前記第1のストレッチャ及び前記第2のストレッチャが前記旋回アーム上で移動して互いに近づくことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の無段変速機に関する変速システムは、従来の無段変速機よりも耐久性に優れ、高いトルクを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る無段変速機に関する変速システムを示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る無段変速機に関する変速システムのパワー出力アセンブリを示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る無段変速機に関する変速システムのパワー出力アセンブリのメインロッド及びフリーホイールを示す説明図である。
図4】本発明の一実施形態に係る無段変速機に関する変速システムのパワー出力アセンブリの第1のギア、第2のギア及び出力ギアを示す説明図である。
図5】本発明の一実施形態に係る無段変速機に関する変速システムのカラーアセンブリを示す分解斜視図である。
図6】旋回アーム上でストレッチャーが開いたとき、高速かつ低トルクを達成するパワー入力アセンブリを示す斜視図である。
図7】旋回アーム上でストレッチャーが互いに向かって移動するとき、高トルクかつ低速度を達成するパワー入力アセンブリを示す斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係る無段変速機に関する変速システム中のパラメータRを示す斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係る無段変速機に関する変速システムの旋回アームが接続ロッドに対して平行な状態を示す斜視図である。
図10】本発明の一実施形態に係る無段変速機に関する変速システムの旋回アームが旋回して接続ロッドに対して平行になったときの状態を示す斜視図である。
図11】本発明の一実施形態に係る無段変速機に関する変速システムは、図9の旋回アームが180度旋回したときの状態を示す斜視図である。
図12】本発明の一実施形態に係る無段変速機に関する変速システムは、図9の旋回アームが270度旋回したときの状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0018】
図1図3を参照する。図1図3に示すように、本発明の一実施形態に係る無段変速機に関する変速システムは、パワー出力アセンブリ100と、パワー入力アセンブリ200と、カラーアセンブリ300と、パワー出力アセンブリ100及びパワー入力アセンブリ200に接続された接続アセンブリ400と、を含んでもよい。本実施形態の変速システムは、無段変速機(CVT)に関する。
パワー出力アセンブリ100は、第1のシャフト7を介して第1のギヤ3と結合する第1のフリーホイール1と、第2のシャフト8を介して第2のギヤ4と結合する第2のフリーホイール2と、を含む。本実施形態において、第1のフリーホイール1は、メインロッド9の上部上のメインロッドラック10に係合される一方、第2のフリーホイール2は、メインロッド9の底部上のメインロッドラック10に係合される。
【0019】
メインロッド9は、ピボットヒンジ13を介して接続ロッド11に枢着されて軸支機構12が形成されるため、パワー入力アセンブリ200が発生させた動力が、接続アセンブリ400を介して接続ロッド11を駆動するために使用される。本実施形態において、メインロッド9は、方向15で移動し(図1図3を参照する)、メインロッド9は、第1のフリーホイール1及び第2のフリーホイール2にラックピニオン式に係合される。一方、第2のフリーホイール2は、第2のシャフト8により第2のギヤ4とともに時計回りで回転し、第2のギヤ4は、出力シャフト6を有する少なくとも1つの出力ギヤ5と係合され、出力ギヤ5を逆時計回りで回転させる。
出力ギヤ5も第1のギヤ3に係合され、第1のフリーホイール1と同様に第1のギヤ3を時計回りで回転させる。しかし、メインロッド9が方向15で移動すると、第1のフリーホイール1は逆時計回りで回転される。2つの異なる運動量で異なる方向へ回転させることが第1のフリーホイール1に同期で適用されるため、第1のフリーホイール1は空転状態となってもよい。ここで、メインロッド9は、メインロッド9の各側部上のレール17に沿って複数の滑輪31とともに摺動するように構成されている。
【0020】
他の実施形態において、メインロッド9は方向14で移動し(図1図3を参照する)、メインロッドラック10は、第1のフリーホイール1及び第2のフリーホイール2とラックピニオン式に係合される。現段階では、第1のフリーホイール1が第1のギヤ3と同様に第1のシャフト7により時計回りで回転され、第1のギヤ3は、少なくとも1つの出力ギヤ5が出力シャフト6とともに出力ギヤ5を逆時計回りで回転させるように構成される。
出力ギヤ5も第2のギヤ4と係合され、第2のフリーホイール2と同様に第2のギヤ4を時計回りで回転させる。しかし、メインロッド9が方向14で移動する際、第2のフリーホイール2は逆時計回りで回転される。2つの異なる運動量が異なる方向で回転することが第2のフリーホイール2に同期で適用されるため、第2のフリーホイール2は空転状態となってもよい。
【0021】
ここで、メインロッド9の進行方向に関わらず、第1のギヤ3及び第2のギヤ4は常に時計回りで回転し、出力ギヤ5は常に逆時計回りで回転する(図4を参照する)。動力は出力シャフト6により逆時計回りで回転されてもよい。
【0022】
図1を再び参照する。パワー入力アセンブリ200は、入力ギヤ29、入力シャフト30及び動力源40を含んでもよい。本実施形態において、入力ギヤ29は、減速機28に係合される。主回動軸21は、一端が減速機28の中心に挿入され、他端が旋回アーム18に接続される。そのため、旋回アーム18は、主回動軸21を介して減速機28により駆動される。
【0023】
パワー入力アセンブリ200は、油圧位置決め棒22に結合された油圧シリンダ27を含んでもよく、油圧シリンダ27の動きはコントロールユニット33により管理され、油圧位置決め棒22は、エンドプレート25に接続される。図5に示すように、パワー入力アセンブリ200は、カラーアセンブリ300を有してもよい。これは、フロントカラー26、ミドルカラー34、バックカラー35及び摺動カラー36を含んでもよい。
摺動カラー36は、主回動軸21上で摺動して旋回するように構成され、フロントカラー26及びバックカラー35の両方は、摺動カラー36に結合されるため、3つのカラー26,35,36は、1ユニットとして主回動軸21上で旋回する。ここで、ミドルカラー34は非旋回カラーであり、フロントカラー26とバックカラー35との間に設置され、ミドルカラー34は、主回動軸21上で摺動されてもよい。摺動カラー36は、ミドルカラー34が油圧シリンダ27により移動されるエンドプレート25に接続されているため、主回動軸21上で往復スライドさせるように構成される。
【0024】
パワー入力アセンブリ200は、一端上(摺動スリーブ20上)で上側フランジ24’に接続され、他端上で摺動カラー36の上部24に接続された第1のストレッチャ19と、一端上(摺動スリーブ20’上)で下側フランジ23’に接続され、他端上で摺動カラー36の下部23に接続された第2のストレッチャ19’と、を含んでもよい。
本実施形態において、ストレッチャ19,19’は、V形状構造に形成される(図1を参照する)。他の実施形態において、パワー入力アセンブリ200は、油圧管32,38を介して油圧シリンダ27及びコントロールユニット33へオイルを供給するポンプ39を含んでもよい。
【0025】
例示的な実施形態において、油圧シリンダ27が旋回アーム18へ向かって移動すると、油圧位置決め棒22によりエンドプレート25を押動し、摺動カラー36を旋回アーム18へ向けてさらに押動する。一方、ストレッチャ19,19’は、フランジ24’,23’の上部及び下部と同様に、摺動カラー36の上部24及び下部23に枢着され、摺動スリーブ20,20’が旋回アーム18上で上昇するか下降する(図6を参照する)。現段階で、旋回アーム18上のストレッチャ19,19’間の距離が増える。これは、高速かつ低トルクである車両用変速装置の「アップシフト」に類似する。
【0026】
他方、油圧シリンダ27が旋回アーム18からエンドプレート25を引き離すと、摺動カラー36も旋回アーム18から引き戻され、ストレッチャ19,19’が旋回アーム18上で移動されて互いに近づく(図7を参照する)。現段階では、旋回アーム18上のストレッチャ19,19’間の距離が短くなる。これは、低速かつ高トルクの車両用変速装置の「ダウンシフト」に類似する。
【0027】
図8を参照する。図8に示すように、パラメータRは、R/Rと定義する。Rは、旋回アーム18の中間部と、フランジの上部(又は下部)との距離を表す変数であり、Rは、第1のフリーホイール1又は第2のフリーホイール2の半径である。上述したように、油圧シリンダ27が旋回アーム18へ移動すると、旋回アーム18上のストレッチャ19,19’の距離が増大する。即ち、Rが増大する(図8を参照する)。Rが定数だと仮定すると、パラメータRが大きいほど、変速装置は高速かつ低トルクとなる。それとは逆に、パラメータRが小さいほど、変速装置は低速かつ高トルクとなる。
【0028】
接続アセンブリ400は、旋回アーム18と、摺動スリーブ20上の上側フランジ24’と、摺動スリーブ20’上の下側フランジ23’と、バランスピン37と、上側フランジ24’の反対側から延びたクランクピン16と、を含んでもよい。クランクピン16は、接続ロッド11に枢着されているため、パワー入力アセンブリ200が発生させた動力がパワー出力アセンブリ100へ伝達される。
【0029】
図9図12は、改良した無段変速機により動力がパワー入力アセンブリ200からパワー出力アセンブリ100へ伝達される様子を示す。旋回アーム18は、接続ロッド11に対して平行な0度から開始し、動力オンがパワー入力アセンブリ200から始まると、主回動軸21が駆動され、主回動軸21に対して垂直となるように旋回アーム18を90度旋回させてから、180度及び270度へ旋回させると全ての動作変速サイクルが完了する。
動作変速サイクルでは、接続ロッド11がメインロッド9を移動させてフリーホイール1,2を駆動させ、さらには上述した出力ギヤ5及び出力シャフト6を駆動させる。
【0030】
本発明の無段変速機に関する変速システムは、動力伝達にギヤ及び油圧のみ利用しているため、従来の無段変速機より好ましい。さらに詳細には、速度及びトルクは、ストレッチャ19,19’により管理することができ、ストレッチャ19,19’が油圧シリンダ27により制御される旋回アーム18上で開けられるため、動力を追加しなくとも、変速機を「十分に緊張させて」、「滑る」ことを防ぎ、動力伝達の全体の効率を向上させることができる。
【0031】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0032】
1 第1のフリーホイール
2 第2のフリーホイール
3 第1のギヤ
4 第2のギヤ
5 出力ギヤ
6 出力シャフト
7 第1のシャフト
8 第2のシャフト
9 メインロッド
10 メインロッドラック
11 接続ロッド
12 軸支機構
13 ピボットヒンジ
14 方向
15 方向
16 クランクピン
17 レール
18 旋回アーム
19 ストレッチャ
19’ ストレッチャ
20 摺動スリーブ
20’ 摺動スリーブ
21 主回動軸
22 油圧位置決め棒
23 下部
23’ 下側フランジ
24 上部
24’ 上側フランジ
25 エンドプレート
26 フロントカラー
27 油圧シリンダ
28 減速機
29 入力ギヤ
30 入力シャフト
31 滑輪
32 油圧管
33 コントロールユニット
34 ミドルカラー
35 バックカラー
36 摺動カラー
37 バランスピン
38 油圧管
39 ポンプ
40 動力源
100 パワー出力アセンブリ
200 パワー入力アセンブリ
300 カラーアセンブリ
400 接続アセンブリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12