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特許6998022プログラム、情報処理装置、方法、及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、方法、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/907 20190101AFI20220111BHJP
【FI】
G06F16/907
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020173242
(22)【出願日】2020-10-14
【審査請求日】2020-10-14
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518016982
【氏名又は名称】Repro株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】稲田 宙人
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0104411(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111368171(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-1597718(KR,B1)
【文献】川畑雄補ほか,ヒットするiPhoneアプリの作り方・売り方・育て方,初版,株式会社マイナビ,2013年07月31日,pp.198-200
【文献】アプリ向けApp Store SEO・競合アプリ分析ツール [online],SearchMan,2019年02月08日,[検索日:2021.03.26], Internet<URL: https://web.archive.org/web/20190208064054/https://searchman.com/ja/ >
【文献】Google/Yahoo/Bing 検索順位チェックツールGRC 基本の使い方,Shellware Co.,Ltd.,2019年05月28日,[検索日:2021.03.29], Internet<URL: https://web.archive.org/web/20190528151430/https:/seopro.jp/grc/tutorial.htm >
【文献】松尾茂起,WordPressで加速させる!ソーシャルメディア時代の[新]SEO戦略マニュアル,第1版,株式会社秀和システム,2012年01月01日,pp.29
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを含むコンピュータに、
検索に関する第1データに基づいて、検索に用いられたキーワードのアプリケーションストア内での検索ボリュームと、前記キーワードを用いて前記アプリケーションストア内でアプリケーションを検索した場合に、前記キーワードにより対象アプリケーションが所定順位内に表示されることの難しさを示す指標である難易度とを求めるステップと、
前記キーワードの検索ボリュームが含まれる範囲を示す検索ボリューム帯に応じて、前記キーワードに重みを設定するステップと、
前記アプリケーションストアにおいて、前記キーワードで検索した場合の前記アプリケーションが表示された順位を示す検索順位の推移を求めるステップと、
前記キーワードの重みと、前記キーワードの検索ボリュームと、記キーワードの検索順位の推移と、前記キーワードの難易度とに基づいて、前記対象アプリケーションについて、前記キーワードの前記アプリケーションストアにおける優先度を示す優先度スコアを算出するステップと、
前記キーワードと、前記キーワードの優先度スコアとを提示するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記キーワードの検索ボリュームが含まれる範囲を示す検索ボリューム帯に応じて、前記キーワードに重みを設定するステップ、
を実行させ、
前記算出するステップは、前記キーワードの重みと、前記キーワードの検索ボリュームの推移と、前記キーワードの難易度とに基づいて、前記キーワードの優先度スコアを算出する
請求項に記載のプログラム。
【請求項3】
前記アプリケーションストアにおいて、前記キーワードで検索した場合の前記アプリケーションが表示された順位を示す検索順位の推移を求めるステップ、
を実行させ、
前記算出するステップは、前記キーワードの重みと、前記キーワードの検索ボリュームの推移と、前記キーワードの検索順位の推移と、前記キーワードの難易度とに基づいて、前記キーワードの優先度スコアを算出する
請求項に記載のプログラム。
【請求項4】
前記所定順位内は、検索結果として上位となる順位内である
請求項1~請求項の何れかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記上位の所定順位は、10位である
請求項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記求めるステップにおいて、前記第1データに基づいて、前記キーワードを用いて前記対象アプリケーションがダウンロードされたダウンロード数を求め、
前記算出するステップは、前記ダウンロード数と、前記キーワードの検索ボリュームと、前記キーワードの難易度とに基づいて、前記キーワードの優先度スコアを算出する
請求項1~請求項の何れか1項記載のプログラム。
【請求項7】
前記アプリケーションストアにおいて、検索に用いられたキーワードの各々について、前記キーワードで検索した場合の前記アプリケーションが表示された順位を示す検索順位の推移を求めるステップと、
前記検索に用いられたキーワードの各々での検索順位の推移をユーザに表示するステップと、
を実行させる請求項1~請求項の何れか1項記載のプログラム。
【請求項8】
前記推移を求めるステップにおいて、前記検索に用いられたキーワードの各々について、基準時の前記キーワードでの検索順位と、前記基準時から所定期間前の前記キーワードでの検索順位との変動幅を求め、
前記表示するステップにおいて、前記検索に用いられたキーワードの各々について、前記キーワードでの検索順位の推移と、前記キーワードの優先度スコアと、前記変動幅とを表示する
請求項に記載のプログラム。
【請求項9】
検索に関する第1データに基づいて、検索に用いられたキーワードの前記アプリケーションストア内での検索ボリュームと、前記キーワードを用いて前記アプリケーションストア内でアプリケーションを検索した場合に、前記キーワードにより対象アプリケーションが所定順位内に表示されることの難しさを示す指標である難易度とを求めるステップと、
前記キーワードの検索ボリュームが含まれる範囲を示す検索ボリューム帯に応じて、前記キーワードに重みを設定するステップと、
前記アプリケーションストアにおいて、前記キーワードで検索した場合の前記アプリケーションが表示された順位を示す検索順位の推移を求めるステップと、
前記キーワードの重みと、前記キーワードの検索ボリュームと、記キーワードの検索順位の推移と、前記キーワードの難易度とに基づいて、前記対象アプリケーションについて、前記キーワードの前記アプリケーションストアにおける優先度を示す優先度スコアを算出するステップと、
前記キーワードと、前記キーワードの優先度スコアとを提示するステップと、
を実行する情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが、
検索に関する第1データに基づいて、検索に用いられたキーワードのアプリケーションストア内での検索ボリュームと、前記キーワードを用いて前記アプリケーションストア内でアプリケーションを検索した場合に、前記キーワードにより対象アプリケーションが所定順位内に表示されることの難しさを示す指標である難易度とを求めるステップと、
前記キーワードの検索ボリュームが含まれる範囲を示す検索ボリューム帯に応じて、前記キーワードに重みを設定するステップと、
前記アプリケーションストアにおいて、前記キーワードで検索した場合の前記アプリケーションが表示された順位を示す検索順位の推移を求めるステップと、
前記キーワードの重みと、前記キーワードの検索ボリュームと、記キーワードの検索順位の推移と、前記キーワードの難易度とに基づいて、前記対象アプリケーションについて、前記キーワードの前記アプリケーションストアにおける優先度を示す優先度スコアを算出するステップと、
前記キーワードと、前記キーワードの優先度スコアとを提示するステップと、
を実行する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、方法、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アプリケーション(以下、単にアプリと言う)を提供するアプリ提供者が、Webサイト、専用アプリ等のアプリストアにおいて、そのアプリをユーザにダウンロードしてもらう仕組みがある。アプリ提供者は、提供するアプリの詳細に、キーワードを設定する。ユーザは、アプリストアにおいてキーワードを用いてアプリを検索する。アプリ提供者は、最適なキーワードを設定することで、提供するアプリを検索結果の上位に表示させ、ダウンロードしてもらう可能性を高くすることを目指す。このような最適なキーワードの選定を行うことによりアプリストアにおける最適化(ASO(App Store Optimization))の対策を行うサービスを行うニーズがある。
【0003】
SEO(Search Engine Optimization)対策では、Webサイトが検索結果の上位に来るようなキーワードを抽出している。例えば、特許文献1は、「ウェブサイトの運営者が、自身のウェブサイトに関連し、かつインターネットユーザが興味を持っているキーワードを短時間で抽出できるようにする」ため、「ユーザによって入力されるキーワードと関連してインターネットの検索エンジンで検索されている複数の関連語を取得する第1取得手段と、キーワードと複数の関連語の各々とを掛け合わせた複数の掛け合わせワードの各々を検索クエリとして検索エンジンにより検索されている回数の統計値を取得する第2取得手段と、複数の掛け合わせワードを統計値の降順で表示装置に表示するためのデータを出力する第1表示手段と、を備え」ることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-042637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ASO対策を行う事業者の手法は不明であるため、アプリ提供者が適切なASO対策を自ら行うことができない、という問題があった。
【0006】
また、ASO対策に適切なキーワードをアプリ提供者が、SEO対策におけるキーワードの最適化手法(例えば特許文献1)を流用することもできるように見える。しかし、ASOではアプリのダウンロード数を上げるための対策を行う必要がある。また、上記SEO対策では、その算出結果はあくまで流入ポテンシャルでしかない。このため、どのキーワードについて対策するかはアプリ提供者が判断する必要があり、ASO対策を行う難易度に変化はない。
【0007】
そこで、本開示の目的は、アプリ提供者に適切なASO対策の支援を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係るプログラムは、プロセッサを含む情報処理装置に、検索に関する第1データに基づいて、検索に用いられたキーワードのアプリケーションストア内での検索ボリュームと、前記キーワードを用いて前記アプリケーションストア内でアプリケーションを検索した場合に、対象アプリケーションが表示される難しさを示す難易度とを求めるステップと、前記キーワードの検索ボリュームと、前記キーワードの難易度とに基づいて、前記対象アプリケーションについて、前記キーワードの前記アプリケーションストアにおける優先度を示す優先度スコアを算出するステップと、前記キーワードと、前記キーワードの優先度スコアとを提示するステップと、を実行させるプログラム。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係るプログラムによれば、アプリ提供者に適切なASO対策の支援を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報処理システム1の全体構成を示すブロック図である。
図2】DBサーバ40のデータ構造の一例を示す図である。
図3】情報処理装置10の機能構成を示すブロック図である。
図4】提示する画面の一例を示す図である。
図5】急上昇及び急下降キーワードの検索順位の推移を表す画面の一例である。
図6】提供者端末20の機能構成を示すブロック図である。
図7】情報処理装置10によるレコメンド処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図8】情報処理装置10による推移表示処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図9】情報処理装置10によるアラート処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。本開示に係る情報処理システム1は、アプリのユーザがスマートフォン等からアプリストア30にアクセスし、アプリを検索した検索クエリ及び検索結果、アプリがダウンロードされた情報等を収集する。情報処理装置10が、収集した情報から、アプリ提供者にアプリストアにおける検索順位上昇・アプリのダウンロード数増加に繋がるキーワードを提示するためのシステムである。また、アプリ提供者に、対策が必要なキーワードについてアラートを通知するシステムである。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0012】
<1.情報処理システム1の全体構成>
図1は、情報処理システム1の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、提供者端末20と、アプリストア30と、DBサーバ40と、ネットワーク50とを含む。情報処理装置10と、提供者端末20と、アプリストア30と、DBサーバ40とは、ネットワーク50を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク50は、有線又は無線ネットワークにより構成される。提供者端末20は、ネットワーク50に有線接続される構成を例に説明するが、提供者端末が無線基地局と任意の無線通信規格を用いて接続されている構成であってもよい。
【0013】
情報処理装置10は、アプリ提供者にアプリストアにおける検索順位上昇・アプリのダウンロード数増加に繋がるキーワードを提示する装置である。また、アプリ提供者に、対策が必要なキーワードについてアラートを通知する装置である。情報処理装置10は、例えば、ラップトップパソコン又はラックマウント型若しくはタワー型等のコンピュータ等である。情報処理装置10は、複数の情報処理装置10等により構成されてもよい。
【0014】
情報処理装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15とを含んで構成される。
【0015】
プロセッサ11は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0016】
メモリ12は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0017】
ストレージ13は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)である。
【0018】
通信IF14は、情報処理装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0019】
入出力IF15は、入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、マウス等のポインティングデバイス、キーボード)、及び、情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)とのインタフェースとして機能する。
【0020】
提供者端末20は、アプリ提供者が操作する端末であり、情報処理装置10から各種情報を受信及び表示する装置である。提供者端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット、又はラップトップパソコン等である。
【0021】
提供者端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF24と、入出力IF25とを含んで構成される。
【0022】
プロセッサ21は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0023】
メモリ22は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0024】
ストレージ23は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)である。
【0025】
通信IF24は、提供者端末20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0026】
入出力IF25は、入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、マウス等のポインティングデバイス、キーボード)、及び、情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)とのインタフェースとして機能する。
【0027】
アプリストア30は、ユーザがアプリを検索し、アプリをダウンロードするシステムである。具体的には、アプリストア30は、アプリ提供者により提供されたアプリを検索できるように構成される。また、アプリストア30は、ユーザのスマートフォン等の端末(図示しない)に、アプリをダウンロード・インストールすることができるように構成される。アプリストア30は、ユーザの端末、情報処理装置10、及び提供者端末20と通信可能に構成される。
【0028】
また、アプリストア30は、検索に関する第1データを取得し、情報処理装置10に送信するように構成される。第1データには、検索クエリ、検索時刻、検索結果、及びダウンロード情報が含まれる。検索クエリは、検索に用いられた少なくとも1以上のキーワードから構成される。検索時刻は、ユーザが当該検索クエリを用いてアプリストア30でアプリを検索した時刻である。検索結果は、検索クエリによる検索の結果であり、検索結果に含まれるアプリの順位を含む。ダウンロード情報は、検索クエリによる検索結果から、アプリがダウンロードされなかった、又はダウンロードされたアプリの情報である。
【0029】
DBサーバ40は、検索に関する第1データを保持するデータベースである。本開示では、DBサーバ40が、外部のデータベースサーバである場合を例に説明する。
【0030】
DBサーバ40は、検索に関する第1データを保持するデータベースである。図2は、DBサーバ40のデータ構造の一例を示す図である。図2に示すように、DBサーバ40のレコードは、項目「ユーザID」、項目「検索クエリ」、項目「検索時刻」、項目「検索結果」、及び項目「ダウンロード情報」等を含む。
【0031】
項目「ユーザID」は、ユーザを識別する情報である。例えば、ユーザの端末の端末ID、IPアドレス等である。
【0032】
項目「検索クエリ」は、検索に用いられた少なくとも1以上のキーワードから構成される情報である。
【0033】
項目「検索時刻」は、ユーザが当該検索クエリを用いてアプリストア30でアプリを検索した時刻である。
【0034】
項目「検索結果」は、検索クエリによる検索の結果であり、検索結果に含まれるアプリの順位を含む情報である。例えば、検索クエリでアプリが表示された順位を示すファイルとして格納される。
【0035】
項目「ダウンロード情報」は、検索クエリによる検索結果から、アプリがダウンロードされなかった、又はダウンロードされたアプリの情報である。図3の例では、「-」はダウンロードがされなかったことを示し、それ以外はダウンロードされたアプリを識別するための情報(名称、ID等)を示す。
【0036】
DBサーバ40は、任意に、又は情報処理装置10の要求により、第1データを情報処理装置10に送信するように構成される。この際、DBサーバ40は、第1データの一部を任意の形式に加工して提供するように構成してもよい。例えば、DBサーバ40において、後述の検索ボリューム、検索順位等を求め、これらを情報処理装置10に送信する構成としてもよい。
【0037】
<2.情報処理装置10の機能的な構成>
図3は、情報処理装置10の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、情報処理装置10は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを含む。
【0038】
通信部110は、情報処理装置10が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0039】
記憶部120は、情報処理装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。また、記憶部120は、各処理部により取り扱ったデータを一時的に記憶しておく。
【0040】
制御部130は、情報処理装置10のプロセッサ11がプログラムに従って処理を行うことにより、受信制御部131、送信制御部132、第1解析部133、設定部134、算出部135、提示部136、第2解析部137、抽出部138、表示部139、及び通知部140に示す機能を発揮する。
【0041】
受信制御部131は、情報処理装置10が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。具体的には、受信制御部131は、提供者端末20、アプリストア30、及びDBサーバ40から各種情報を受信する。例えば、受信制御部131は、DBサーバ40から、第1データを受信する。
【0042】
送信制御部132は、情報処理装置10が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。具体的には、送信制御部132は、所定の情報を、提供者端末20に送信する。
【0043】
第1解析部133は、検索に関する第1データに基づいて、検索に用いられたキーワードのアプリストア30内での検索ボリュームと、当該キーワードを用いてアプリストア30内でアプリを検索した場合に、対象アプリが表示される難しさを示す難易度と、当該キーワードを用いてダウンロードされたアプリ毎のダウンロード数を求める。
【0044】
具体的には、第1解析部133は、まず、DBサーバ40から第1データを取得する。次に、第1解析部133は、検索に用いられたキーワードの各々について、対象アプリに関するキーワードを抽出する。対象アプリに関するキーワードは、例えば対象アプリの属性と一致するキーワード、対象アプリと類似するアプリ又は関連するアプリと共通するキーワード等である。
【0045】
次に、第1解析部133は、対象アプリに関するキーワードの各々について、第1データに基づいて、当該キーワードのアプリストア30内での検索ボリュームを求める。検索ボリュームは、キーワードがアプリストア30で検索されている量を指数化した数値である。例えば、検索ボリュームとして、キーワード「KW1」が対象期間(例えば1ヶ月)内に検索に用いられた数そのものとすることができる。また、例えば、検索ボリュームとして、キーワード「KW1」が対象期間(例えば1ヶ月)内に検索に用いられた数を、外部のデータベースサーバに応じて指数化した値とすることができる。
【0046】
次に、第1解析部133は、対象アプリに関するキーワードの各々について、第1データに基づいて、当該キーワードを用いてアプリストア30内でアプリを検索した場合に、対象アプリが表示される難しさを示す難易度を求める。この難易度は、当該キーワードにより対象アプリが所定順位内に表示されることの難しさを示す指標である。所定順位内は、5位以内、10位以内等の上位順位内である。表示される順位が10位より下であると、CTRが著しく低くなり、ダウンロードされる見込みがほぼなくなるためである。より具体的には、第1解析部133は、当該キーワードが検索に用いられた際に、当該キーワードで表示される対象アプリを含むアプリ毎の検索順位、当該キーワードで検索された対象アプリを含むアプリ毎のダウンロード数を変数とした所定の関数を用いて、当該難易度を求める。
【0047】
次に、第1解析部133は、対象アプリに関するキーワードの各々について、第1データに基づいて、当該キーワードを用いてダウンロードされたアプリ毎のダウンロード数を求める。ダウンロード数は、所定の期間(例えば直近1ヶ月)の間を対象とする。
【0048】
設定部134は、対象アプリに関するキーワードの各々について、当該キーワードの検索ボリュームが含まれる範囲を示す検索ボリューム帯に応じて、当該キーワードに重みを設定する。検索ボリューム帯は、予め定めた検索ボリュームの値の範囲である。検索ボリューム帯毎の範囲は必ずしも同一でなくてよく、任意に設定することができる。例えば、あるキーワードの検索ボリュームが、値の少ない検索ボリューム帯であれば、キーワードについてASO対策する必要性は低い。このため、当該キーワードには小さい値の重みを付与する。
【0049】
算出部135は、検索に用いられたキーワードの各々について、当該キーワードの検索ボリュームと、当該キーワードの難易度と、当該キーワードの重みとに基づいて、対象アプリについて、当該キーワードのアプリストア30における優先度を示す優先度スコアを算出する。
【0050】
具体的には、算出部135は、キーワードの各々について、当該キーワードの検索ボリュームと、当該キーワードの難易度と、当該キーワードの重みとを変数として、所定の関数により、優先度スコアを算出する。算出部135は、例えば、各変数を乗算する、各変数を乗算した値の偏差値等を優先度スコアとして算出する。なお、算出部135は、アプリ毎のダウンロード数も加味して優先度スコアを算出する構成とすることができる。また、算出部135は、そのキーワードがブランドネームか、一般語かを判別し、判別結果も加味して優先度スコアを算出する構成とすることができる。
【0051】
提示部136は、キーワードの各々について、当該キーワードと、当該キーワードの優先度スコアとを提示する。具体的には、提示部136は、対象アプリに関するキーワードの各々について、当該キーワードと、当該キーワードの優先度スコアとを同時に表示する画面を生成し、当該画面を提供者端末20に表示させることで、アプリ提供者に提示する。
【0052】
図4は、提示する画面の一例を示す図である。提示部136は、図4に示すように、画面141において、キーワードと、キーワードの優先度スコアを表示する。優先度スコアについて昇順又は降順に並べ替えて表示可能に構成することができる。この場合、当該画面に昇順または降順にするためのボタンを設置すればよい。また、図4に示すように、画面141において、キーワード及びキーワードの優先度スコアの他に、ランク(Rank)、検索ボリューム、及び難易度(Difficulty)を表示する構成としてもよい。
【0053】
第2解析部137は、アプリストア30において、検索に用いられたキーワードの各々について、当該キーワードで検索した場合のアプリが表示された順位を示す検索順位の推移を求める。具体的には、第2解析部137は、対象アプリに関するキーワードの各々について、基準時から所定の第1期間前と、基準時との間の所定時間間隔での、当該キーワードでの当該アプリの検索順位を求める。基準時は、例えば、現在時刻、当日の午前0時等である。第1期間は、例えば、1日、1週間、1ヶ月等である。また、所定時間間隔は例えば、1時間、6時間、1日等の時間間隔である。より具体的な例を述べると、第2解析部137は、当日0時の1週間前から1日ごとのキーワードの検索順位を求める。定期的(例えば、毎日、隔日等)に検索順位を求めておき、記憶部120に保持しておく構成としてもよい。
【0054】
また、第2解析部137は、検索に用いられたキーワードの各々について、基準時の当該キーワードでの検索順位と、基準時から所定の第2期間前の当該キーワードでの検索順位との変動幅を求める。具体的には、第2解析部137は、対象アプリに関するキーワードの各々について、基準時の当該キーワードでの検索順位から、基準時から第2期間前の検索順位との変動幅を求める。第2期間は、例えば、1時間、6時間、1日等である。第2期間は上記所定時間間隔と同一であっても、同一でなくともよい。
【0055】
変動幅は、例えば、検索順位の第1差分である。また、変動幅は、基準時から第2期間前の検索順位と、当該第2期間前から第2期間前の検索順位との第2差分を含めることができる。また、第1差分と第2差分との差分である第3差分を含めることができる。ここで、第3差分は、検索順位の変動の傾向を測るための指標と考えることができる。このため、アプリ提供者は、第1差分と第3差分とを見ることにより、キーワードの傾向を判断することができるので、変動幅に各差分を含めることは有用である。
【0056】
抽出部138は、当該キーワードでの検索順位又は所定期間前のキーワードでの検索順位と、変動幅とに基づいて、検索に用いられたキーワードから、対策の必要性又は確認の必要性があるキーワードを抽出する。具体的には、抽出部138は、対象アプリに関するキーワードのうち、当該キーワードでの検索順位と、当該キーワードの検索ボリュームとに応じた所定の第1閾値以上のキーワードを抽出する。当該キーワードでの検索順位としては、求めた当該キーワードでの検索順位又は所定期間前のキーワードでの検索順位を用いる。
【0057】
求めた当該キーワードでの検索順位又は所定期間前のキーワードでの検索順位が、所定順位以上(例えば、10位)であるとする。この場合、少しでも順位に変動があれば、ASO対策の必要性又は確認の必要性があると考えられる。例えば、キーワード「マンガ」の先月の検索順位が3位、今月の検索順位が2位であり、キーワード「まんが」の先月の検索順位が20位、今月の検索順位が10位であるとする。この場合、「マンガ」の方が順位変動は小さいが、ASO対策としてはインパクトが大きいと判断できる。このため、抽出部138は、キーワードでの検索順位が所定順位以上のキーワードについて、第1閾値を小さい値とする。抽出部138は、第1閾値以上であれば、当該キーワードを抽出する。
【0058】
一方、求めた当該キーワードでの検索順位又は所定期間前のキーワードでの検索順位が、所定順位未満であるとする。この場合、少し順位に変動があっても、ASO対策の必要性又は確認の必要性があるとは考えづらい。このため、抽出部138は、キーワードでの検索順位が所定順位未満のキーワードについて、第1閾値を大きい値とする。抽出部138は、第1閾値以上であれば、当該キーワードを抽出する。
【0059】
所定順位と、第1閾値とは多段階に定めておいてもよい。例えば、所定順位を、10位、50位とする。第1閾値を、10位の場合は1、50位の場合は10とする。
【0060】
また、抽出部138は、当該キーワードの検索ボリュームと、変動幅とに基づいて、検索に用いられたキーワードから、対策の必要性又は確認の必要性があるキーワードを抽出する構成とすることもできる。例えば、検索ボリュームが大きい場合、少しでも順位に変動があれば、ASO対策の必要性又は確認の必要性があると考えられる。この場合、キーワードでの検索順位の場合と同様に、第1閾値を小さくする。抽出部138は、第1閾値を、検索ボリュームが所定の地域(検索ボリューム帯)に応じて定めるようにしてもよい。このように、検索ボリューム又は検索ボリューム帯も考慮することで、真に流入に影響が出るキーワードを抽出することができる。
【0061】
また、抽出部138は、求めた当該キーワードでの検索順位又は所定期間前のキーワードでの検索順位と、当該キーワードの検索ボリュームと、変動幅とに基づいて、検索に用いられたキーワードから、対策の必要性又は確認の必要性があるキーワードを抽出する構成とすることもできる。このとき、(1)~(4)の場合が考えられる。
(1)検索順位が高く、検索ボリュームが大きい場合、
(2)検索順位は高いが、検索ボリュームが小さい場合、
(3)検索順位は低いが、検索ボリュームが大きい場合、
(4)検索順位が低く、検索ボリュームが小さい場合。
【0062】
このとき、抽出部138は、第1閾値を、検索順位と検索ボリュームとに基づいて算出した値に応じて第1閾値を決定する構成とすることができる。当該値は、例えば、検索順位の逆数と検索ボリュームとを乗算した値を採用することができる。そして、抽出部138は、キーワード毎に第1閾値を設定し、変動幅が第1閾値以上であれば当該キーワードを抽出する。このように、検索順位及び変動幅に加え、検索ボリューム又は検索ボリューム帯も考慮することで、真に流入に影響が出るキーワードを抽出することができる。
【0063】
このように抽出されたキーワードは、ASO対策にインパクトを与えるものと考えることができる。このため、アプリ提供者が提供の対象としている対象アプリの詳細情報に、抽出されたキーワードを、含めることを検討することができる。
【0064】
表示部139は、抽出したキーワードの各々について、当該キーワードと、当該キーワードでの検索順位の推移を表示する。具体的には、表示部139は、抽出したキーワードの各々について、当該キーワードでの検索順位の推移と、当該キーワードの優先度スコアと、当該キーワードの変動幅とをユーザに表示するための画面を生成する。表示部139は、変動幅が正のキーワードでの検索順位が急上昇しているものとして表示する。また、表示部139は、変動幅が負のキーワードでの検索順位が急下降しているものとして表示する。
【0065】
図5は、あるアプリについて、急上昇及び急下降キーワードでの検索順位の推移を表す画面の一例である。表示部139は、図5に示すような、画面142及び画面143を表示する。画面142及び画面143は同一の画面に表示しても、異なる画面に表示しても良い。画面142及び画面143は、図5に示すように上下に配置されても、左右に配置されてもよい。画面142は、急上昇しているキーワードでの検索順位の推移を表す。画面143は、急下降しているキーワードでの検索順位の推移を表す。図5に示すように、検索順位の推移をグラフとして可視化することができる。このように、キーワードでの検索順位の推移を可視化することにより、キーワードの傾向を直感的に把握することが可能となる。
【0066】
通知部140は、キーワードの変動幅に応じて、アプリ提供者にアラートを通知する。具体的には、通知部140は、対象アプリに関するキーワードのうち、当該キーワードでの検索順位、所定期間前のキーワードでの検索順位、及び当該キーワードの検索ボリュームの少なくとも1以上と、変動幅とに応じた所定の第2閾値以上であるキーワードが存在する場合に、提供者端末20にアラートを送信する。変動幅と第2閾値との比較については、抽出部138が第1閾値を用いる場合と同様である。第1閾値と第2閾値とは同じであっても異なっていてもよい。アラートは、アプリストア30における対象アプリに設定したキーワードについての対策の必要性又は確認の必要性がある旨のメッセージを含む。すなわち、対象アプリの検索順位が大きく上昇又は下降したキーワードが存在する場合、アプリ提供者は対象アプリに設定したキーワードについて対策の必要性又は確認の必要性があると考えることができるのである。
【0067】
また、通知部140は、アラートと共に、優先度スコアが第3閾値よりも高いキーワードを当該キーワードの優先度スコアと共に通知する構成とすることができる。すなわち、優先度スコアの高いキーワードを、設定すべきキーワードとして提案することができる。
【0068】
<3.提供者端末20の機能構成>
図6は、提供者端末20の機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、提供者端末20は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを含む。
【0069】
通信部210は、提供者端末20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0070】
記憶部220は、提供者端末20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。
【0071】
制御部230は、提供者端末20のプロセッサ21がプログラムに従って処理を行うことにより、受信制御部231、送信制御部232、及び表示部233に示す機能を発揮する。
【0072】
受信制御部231は、提供者端末20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。具体的には、受信制御部231は、情報処理装置10から各種情報を受信する。例えば、受信制御部231は、情報処理装置10から、画面データ又は画面を表示するためのデータを受信する。
【0073】
送信制御部232は、提供者端末20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。具体的には、送信制御部232は、所定の情報を、情報処理装置10又はアプリのサーバに送信する。例えば、送信制御部232は、提供者ID、対象アプリID、画面操作情報等を情報処理装置10に送信する。
【0074】
表示部233は、アプリ提供者に、ASO対策における種々の画面を表示する。例えば、提示部136又は表示部139により生成された画面、又はその画面を表示するための情報に基づいて画面を生成し、当該画面を表示する。
【0075】
また、表示部233は、情報処理装置10からアラートを受信すると、アプリ提供者に、当該アラートを表示する。アラートを表示する方法は例えばプッシュ通知、メール形式での表示、上記画面にアラートを表示する等種々の方法を採用することができる。
【0076】
<4.動作>
以下では、情報処理装置10における各処理について図面を参照しながら説明する。
【0077】
(レコメンド処理)
図7は、情報処理装置10によるレコメンド処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。レコメンド処理は、提供者端末20からレコメンド要求を受信すると実行される。レコメンド要求は、アプリ提供者が、ASO対策すべきキーワードの提示を要求するための情報である。レコメンド要求には、アプリ提供者が提供しているアプリである対象アプリを識別するための情報が含まれているものとする。
【0078】
ステップS101において、受信制御部131は、レコメンド要求を提供者端末20から受信する。
【0079】
ステップS102において、受信制御部131は、DBサーバ40から、第1データを受信する。
【0080】
ステップS103において、第1解析部133は、検索に関する第1データに基づいて、検索に用いられたキーワードのアプリストア30内での検索ボリュームと、当該キーワードを用いてアプリストア30内でアプリを検索した場合に、対象アプリが表示される難しさを示す難易度と、当該キーワードを用いてダウンロードされたアプリ毎のダウンロード数を求める。
【0081】
ステップS104において、設定部134は、対象アプリに関するキーワードの各々について、当該キーワードの検索ボリュームが含まれる範囲を示す検索ボリューム帯に応じて、当該キーワードに重みを設定する。
【0082】
ステップS105において、算出部135は、検索に用いられたキーワードの各々について、当該キーワードの検索ボリュームと、当該キーワードの難易度と、当該キーワードの重みとに基づいて、対象アプリについて、当該キーワードのアプリストア30における優先度を示す優先度スコアを算出する。
【0083】
ステップS106において、提示部136は、キーワードの各々について、当該キーワードと、当該キーワードの優先度スコアとを提示する。具体的には、提示部136は、提示するための画面の情報又はキーワードの各々について、当該キーワードと、当該キーワードの優先度スコアとを、送信制御部132により、提供者端末20に送信する。提供者端末20は、当該画面によりキーワードと、当該キーワードの優先度スコアをアプリ提供者に提示する。そして、処理を終了する。
【0084】
レコメンド処理によれば、検索に関する第1データに基づいて、検索に用いられたキーワードのアプリストア30内での検索ボリュームと、当該キーワードを用いて当該アプリストア30内でアプリケーションを検索した場合に、対象アプリが表示される難しさを示す難易度とを求め、当該キーワードの検索ボリュームと、当該キーワードの難易度とに基づいて、対象アプリについて、キーワードの当該アプリストア30における優先度を示す優先度スコアを算出し、当該キーワードと、当該キーワードの優先度スコアとを提示することにより、アプリ提供者に適切なASO対策の支援を実現することができる。また、アプリ提供者は、当該キーワードと、当該キーワードの優先度スコアとが提示されることにより、適切なASO施策の実施を実現することができる。
【0085】
(推移表示処理)
図8は、情報処理装置10による推移表示処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。推移表示処理は、アプリ提供者の画面操作により、推移表示要求を受信すると実行される。
【0086】
ステップS201において、受信制御部131は、推移表示要求を提供者端末20から受信する。
【0087】
ステップS202において、第2解析部137は、アプリストア30において、検索に用いられたキーワードの各々について、当該キーワードで検索した場合の前記アプリケーションが表示された順位を示す検索順位の推移を求める。また第2解析部137は、基準時の当該キーワードでの検索順位と、基準時から所定の第2期間前の当該キーワードでの検索順位との変動幅を求める。
【0088】
ステップS203において、抽出部138は、キーワードでの検索順位又は所定期間前のキーワードでの検索順位と、変動幅とに基づいて、対策の必要性又は確認の必要性があるキーワードを抽出する。
【0089】
ステップS204において、表示部139は、抽出したキーワードの各々について、当該キーワードと、当該キーワードの検索順位の推移を表示する。具体的には、表示部139は、表示するための画面の情報又はキーワードの検索順位の推移を、送信制御部132により、提供者端末20に送信する。提供者端末20は、当該画面をアプリ提供者に表示する。そして、処理を終了する。
【0090】
推移表示処理によれば、キーワードの検索順位の推移を可視化することにより、アプリ提供者が、キーワードの傾向を直感的に把握することが可能となる。
【0091】
なお、推移表示処理は、レコメンド処理後に行うこととしてもよい。この場合、提示部136によるキーワードの優先度を表示する画面と、表示部139によるキーワードの推移を表示する画面とを、提供者端末20において同じ画面に表示する構成としてもよい。
【0092】
(アラート処理)
図9は、情報処理装置10によるアラート処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。アラート処理は、所定のタイミングにより実行される。例えば、毎日午前9時等、予め定めたタイミングにより自動的に実行される。
【0093】
ステップS301において、第1解析部133及びは、DBサーバ40から、第1データを取得する。
【0094】
ステップS302において、第2解析部137は、アプリストア30において、検索に用いられたキーワードの各々について、当該キーワードで検索した場合の前記アプリケーションが表示された順位を示す検索順位の推移を求める。また第2解析部137は、基準時の当該キーワードでの検索順位と、基準時から所定の第2期間前の当該キーワードでの検索順位との変動幅を求める
【0095】
ステップS303において、第1解析部133は、検索に関する第1データに基づいて、検索に用いられたキーワードのアプリストア30内での検索ボリュームと、当該キーワードを用いてアプリストア30内でアプリを検索した場合に、対象アプリが表示される難しさを示す難易度と、当該キーワードを用いてダウンロードされたアプリ毎のダウンロード数を求める。
【0096】
ステップS304において、設定部134は、対象アプリに関するキーワードの各々について、当該キーワードの検索ボリュームが含まれる範囲を示す検索ボリューム帯に応じて、当該キーワードに重みを設定する。
【0097】
ステップS305において、算出部135は、検索に用いられたキーワードの各々について、当該キーワードの検索ボリュームと、当該キーワードの難易度と、当該キーワードの重みとに基づいて、対象アプリについて、当該キーワードのアプリストア30における優先度を示す優先度スコアを算出する。
【0098】
ステップS306において、通知部140は、キーワードの変動幅に応じて、アプリ提供者にアラートを通知し、処理を終了する。
【0099】
アラート処理によれば、所定のタイミングに、検索に関する第1データに基づいて、アプリストア30において、キーワードで検索した場合の前記アプリケーションが表示された順位を示す検索順位を求め、求めたキーワードでの検索順位と、所定期間前の当該キーワードでの検索順位との変動幅を求め、キーワードの変動幅に応じて、アプリ提供者にアラートを通知することにより、キーワードの対策を検討する機会を適切なタイミングでアプリ提供者に与えることができる。
【0100】
以上説明したように、本開示に係るプログラムによれば、検索に関する第1データに基づいて、検索に用いられたキーワードのアプリストア内での検索ボリュームと、当該キーワードを用いて当該アプリストア内でアプリケーションを検索した場合に、対象アプリが表示される難しさを示す難易度とを求め、当該キーワードの検索ボリュームと、当該キーワードの難易度とに基づいて、対象アプリについて、キーワードの当該アプリストアにおける優先度を示す優先度スコアを算出し、当該キーワードと、当該キーワードの優先度スコアとを提示することにより、アプリ提供者に適切なASO対策の支援を実現することができる。アプリ提供者は、どのキーワードがASO対策において効果が高いか判断ができない。このため、キーワードと優先度スコアとを提示することで、アプリ提供者の支援を効果的に行うことができるのである。また、アプリ提供者は、当該キーワードと、当該キーワードの優先度スコアとが提示されることにより、適切なASO施策の実施を実現することができる。
【0101】
また、従来技術では、キーワードを用いてユーザが検索した場合に、上位、特に10位以内に入る難しさを考慮していない。すなわち、競合ドメインは事業者が手動で設定するものであり、競合認識は主観に任されており網羅されているものではない。また、そもそもそのキーワードで10位以内に表示される難しさを考慮していないため、真に流入が見込めるかどうかは推測の域を出ず、まさに流入「ポテンシャル」でしかなかった。本開示では、キーワードにより対象アプリが所定順位内に表示されることの難しさを示す指標である難易度を、検索ボリュームと組み合わせ用いることで優先度スコアを算出する。これにより、真に流入が見込めるキーワードをアプリ提供者に提案することができるのである。
【0102】
また、市場の傾向や検索アルゴリズムの変化は、代理店がいち早くキャッチアップし、アプリ提供者との間に情報の非対称性が存在する。アプリ提供者はキーワードの傾向に大きな変動があった際には、代理店から連絡が来るか待つか・知らないままで終わる可能性がある。また、仮に知らされた場合にもラグが存在することで、実際に施策を実施するタイミングでは傾向が変わってしまう可能性がある。
【0103】
本開示では、所定のタイミングに、検索に関する第1データに基づいて、アプリストアにおいて、キーワードで検索した場合のアプリが表示された順位を示す検索順位を求め、求めたキーワードでの検索順位と、所定期間前の当該キーワードでの検索順位との変動幅を求め、キーワードの変動幅に応じて、アプリ提供者にアラートを通知することにより、キーワードの対策を検討する機会を適切なタイミングでアプリ提供者に与えることができる。
【0104】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0105】
例えば、算出部135は、優先度スコアの算出に際し、更にキーワードの検索順位の推移を用いる構成としてもよい。従来技術では、中長期的な傾向を加味していなかった。これに対し、中長期的な検索順位の変動、検索ボリュームの変動等の傾向を加味する。これにより、優先度スコア算出時点と、実際にアプリ提供者が何らかのASO対策を行う時点とのギャップを解消することができる。
【0106】
また、上記開示では、第1データをDBサーバ40が記憶している場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1データを、情報処理装置10又はアプリストア30が記憶する構成としてもよい。また、情報処理装置10が第1データを予めDBサーバ40から取得しておく構成としてもよい。
【0107】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
(付記1)プロセッサを含むコンピュータ(10)に、検索に関する第1データに基づいて、検索に用いられたキーワードのアプリケーションストア(30)内での検索ボリュームと、前記キーワードを用いて前記アプリケーションストア内でアプリケーションを検索した場合に、対象アプリケーションが表示される難しさを示す難易度とを求めるステップ(S104)と、前記キーワードの検索ボリュームと、前記キーワードの難易度とに基づいて、前記対象アプリケーションについて、前記キーワードの前記アプリケーションストアにおける優先度を示す優先度スコアを算出するステップ(S105)と、前記キーワードと、前記キーワードの優先度スコアとを提示するステップ(S106)と、を実行させるプログラム。
【0108】
(付記2)前記難易度は、前記キーワードにより前記対象アプリケーションが所定順位内に表示されることの難しさを示す指標である(付記1)に記載のプログラム。
【0109】
(付記3)前記キーワードの検索ボリュームが含まれる範囲を示す検索ボリューム帯に応じて、前記キーワードに重みを設定するステップ(S103)を実行させ、前記算出するステップ(S105)は、前記キーワードの重みと、前記キーワードの検索ボリュームと、前記キーワードの難易度とに基づいて、前記キーワードの優先度スコアを算出する(付記1)又は(付記2)に記載のプログラム。
【0110】
(付記4)前記求めるステップ(S104)において、前記第1データに基づいて、前記キーワードを用いて前記対象アプリケーションがダウンロードされたダウンロード数を求め、前記算出するステップは、前記ダウンロード数と、前記キーワードの検索ボリュームと、前記キーワードの難易度とに基づいて、前記キーワードの優先度スコアを算出する(付記1)~(付記3)の何れかに記載のプログラム。
【0111】
(付記5)前記アプリケーションストアにおいて、検索に用いられたキーワードの各々について、前記キーワードで検索した場合の前記アプリケーションが表示された順位を示す検索順位の推移を求めるステップ(S202)と、前記検索に用いられたキーワードの各々での検索順位の推移をユーザに表示するステップ(S204)と、を実行させる(付記1)~(付記4)の何れかに記載のプログラム。
【0112】
(付記6)前記推移を求めるステップ(S202)において、前記検索に用いられたキーワードの各々について、基準時の前記キーワードでの検索順位と、前記基準時から所定期間前の前記キーワードでの検索順位との変動幅を求め、前記表示するステップ(S204)において、前記検索に用いられたキーワードの各々について、前記キーワードの検索順位の推移と、前記キーワードの優先度スコアと、前記変動幅とを表示する(付記5)記載のプログラム。
【0113】
(付記7)検索に関する第1データに基づいて、検索に用いられたキーワードの前記アプリケーションストア(30)内での検索ボリュームと、前記キーワードを用いて前記アプリケーションストア内でアプリケーションを検索した場合に、対象アプリケーションが表示される難しさを示す難易度とを求めるステップ(S104)と、前記キーワードの検索ボリュームと、前記キーワードの難易度とに基づいて、前記対象アプリケーションについて、前記キーワードの前記アプリケーションストアにおける優先度を示す優先度スコアを算出するステップ(S105)と、前記キーワードと、前記キーワードの優先度スコアとを提示するステップと、を実行する情報処理装置。
【0114】
(付記8)検索に関する第1データに基づいて、検索に用いられたキーワードのアプリケーションストア(30)内での検索ボリュームと、前記キーワードを用いて前記アプリケーションストア内でアプリケーションを検索した場合に、対象アプリケーションが表示される難しさを示す難易度とを求めるステップ(S104)と、前記キーワードの検索ボリュームと、前記キーワードの難易度とに基づいて、前記対象アプリケーションについて、前記キーワードの前記アプリケーションストアにおける優先度を示す優先度スコアを算出するステップ(S105)と、前記キーワードと、前記キーワードの優先度スコアとを提示するステップと、を実行する方法。
【0115】
(付記9)プロセッサを含むコンピュータに、所定のタイミングに、検索に関する第1データに基づいて、アプリケーションストアにおいて、キーワードで検索した場合の前記アプリケーションが表示された順位を示す検索順位を求め、求めた前記キーワードでの検索順位と、所定期間前の前記キーワードでの検索順位との変動幅を求めるステップ(S302)と、前記キーワードの変動幅に応じて、ユーザにアラートを通知するステップ(S306)と、を実行させるプログラム。
【0116】
(付記10)前記アラートは、前記アプリケーションストアにおける前記対象アプリケーションに設定したキーワードについての対策の必要性又は確認の必要性がある旨のメッセージを含む(付記9)記載のプログラム。
【0117】
(付記11)前記通知するステップ(S306)において、前記キーワードでの検索順位又は前記所定期間前の前記キーワードでの検索順位と、前記変動幅とに応じて、前記ユーザに前記アラートを通知する(付記9)又は(付記10)記載のプログラム。
【0118】
(付記12)前記求めるステップ(S302)において、複数のキーワードの各々についての前記変動幅を求め、前記キーワードでの検索順位又は前記所定期間前の前記キーワードでの検索順位と、前記変動幅とに基づいて、対策の必要性又は確認の必要性があるキーワードを抽出するステップ(S203)と、抽出したキーワードを前記ユーザに表示するステップと、を実行させる(付記11)記載のプログラム。
【0119】
(付記13)前記表示するステップ(S306)において、前記抽出したキーワードでの検索順位の推移を、前記ユーザに表示する(付記12)記載のプログラム。
【0120】
(付記14)複数のキーワードの各々について、前記第1データに基づいて、前記キーワードの前記アプリケーションストア内での検索ボリュームと、前記キーワードを用いて前記アプリケーションストア内でアプリケーションを検索した場合に、前記対象アプリケーションが表示される難しさを示す難易度とを求めるステップ(S303)と、前記複数のキーワードの各々について、前記キーワードの検索ボリュームと、前記キーワードの難易度とに基づいて、前記対象アプリケーションについて、前記キーワードの前記アプリケーションストアにおける優先度を示す優先度スコアを算出するステップ(S305)と、を実行させ、前記通知するステップにおいて、前記優先度スコアが第3閾値よりも高いキーワードを通知する(付記9)~(付記13)の何れか記載のプログラム。
【0121】
(付記15)所定のタイミングに、検索に関する第1データに基づいて、アプリケーションストアにおいて、キーワードで検索した場合の前記アプリケーションが表示された順位を示す検索順位を求め、求めた前記キーワードでの検索順位と、所定期間前の前記キーワードでの検索順位との変動幅を求めるステップ(S302)と、前記キーワードの変動幅に応じて、ユーザにアラートを通知するステップ(S306)と、を実行する情報処理装置。
【0122】
(付記16)所定のタイミングに、検索に関する第1データに基づいて、アプリケーションストアにおいて、キーワードで検索した場合の前記アプリケーションが表示された順位を示す検索順位を求め、求めた前記キーワードでの検索順位と、所定期間前の前記キーワードでの検索順位との変動幅を求めるステップ(S302)と、前記キーワードの変動幅に応じて、ユーザにアラートを通知するステップ(S306)と、を実行する方法。
【符号の説明】
【0123】
1 情報処理システム、10 情報処理装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信IF、15 入出力IF、24 通信IF、25 入出力IF、20 提供者端末、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、30 アプリストア、40 DBサーバ、50 ネットワーク、110 通信部、120 記憶部、130 制御部、131 受信制御部、132 送信制御部、133 第1解析部、134 設定部、135 算出部、136 示部、137 第2解析部、138 抽出部、139 表示部、140 通知部、210 通信部、220 記憶部、230 制御部、231 受信制御部、232 送信制御部、233 表示部。
【要約】
【課題】アプリ提供者に適切なASO対策の支援を実現することができるようにする。
【解決手段】プロセッサを含むコンピュータ(10)に、検索に関する第1データに基づいて、検索に用いられたキーワードのアプリケーションストア(30)内での検索ボリュームと、当該キーワードを用いて当該アプリケーションストア内でアプリケーションを検索した場合に、対象アプリケーションが表示される難しさを示す難易度とを求めるステップ(S104)と、当該キーワードの検索ボリュームと、当該キーワードの難易度とに基づいて、当該対象アプリケーションについて、当該キーワードの当該アプリケーションストアにおける優先度を示す優先度スコアを算出するステップ(S105)と、当該キーワードと、当該キーワードの優先度スコアとを提示するステップ(S106)と、を実行させる。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9