(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】ユーザ獲得システム、ユーザ獲得方法、及びユーザ獲得プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220111BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
G06Q30/02 300
(21)【出願番号】P 2020091772
(22)【出願日】2020-05-26
【審査請求日】2020-07-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518016982
【氏名又は名称】Repro株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】平田 祐介
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0221086(US,A1)
【文献】特開2019-046172(JP,A)
【文献】特開2006-277270(JP,A)
【文献】特開2016-045866(JP,A)
【文献】特開2019-191984(JP,A)
【文献】押久保 剛, 倭田 須美恵, 野村 光,ECzine 売れるECサイトのすごい仕掛け,第1版,日本,株式会社翔泳社,2017年03月17日,p.86-88
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された情報処理装置に提供されるサービスのユーザの獲得またはユーザの継続利用を促進するユーザ獲得システムであって、
前記サービス内での商品の取得若しくはサービスの利用を前記ユーザに促すための報酬を前記ユーザに付与した場合に、前記ユーザが所定期間を通じて前記サービスにもたらす利益の指標である顧客価値の変化を、前記ユーザの前記サービス内での活動内容を示す情報に基づいて予測する顧客価値予測部と、
前記顧客価値予測部に予測された前記顧客価値と前記報酬との内容とに基づいて、前記ユーザの前記サービスへの貢献の度合いの指標である貢献値を算出する貢献値算出部と、
前記報酬の付与の資格条件が予め設定され、前記ユーザが前記資格条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記資格条件を満たすと判定された前記ユーザに対し、前記報酬の付与について前記ユーザに通知する通知部と、
前記通知部から前記報酬の付与について通知を受けた前記ユーザから前記報酬の付与の申込を受け付ける受付部と、
前記受付部により前記ユーザから前記報酬の付与の申込を受け付けた場合に、前記ユーザに前記報酬を付与する報酬付与部と、
を備え、
前記報酬付与部は、前記貢献値算出部により算出された前記ユーザの前記貢献値が所定の基準を満たすように前記報酬の内容を決定することを特徴とするユーザ獲得システム。
【請求項2】
前記通知部は、前記情報処理装置にインストールされたネイティブアプリケーションを利用して、若しくは、前記情報処理装置のウェブブラウザを介して利用されるウェブアプリケーションを通じて前記ユーザに通知することを特徴とする請求項1に記載のユーザ獲得システム。
【請求項3】
前記通知部は、少なくとも、プッシュ通知、電子メール、デジタル広告、ソーシャル・ネットワーキング・サービス、若しくはショート・メッセージ・サービスの何れかを利用して前記ユーザに通知することを特徴とする請求項1に記載のユーザ獲得システム。
【請求項4】
前記顧客価値とは、前記ユーザの前記サービスの所定利用期間における、前記ユーザが支払うことが予測される前記サービスの利用料の総額である、ことを特徴とする請求項1乃至3に記載のユーザ獲得システム。
【請求項5】
前記サービスの利用料の総額とは、顧客生涯価値である、ことを特徴とする請求項4に記載のユーザ獲得システム。
【請求項6】
前記報酬の内容は、少なくとも、所定額の現金、商品券、若しくは所定の商品の何れかであることを特徴とする請求項1乃至5に記載のユーザ獲得システム。
【請求項7】
前記報酬の内容は、少なくとも、前記サービス内でのみ利用できる所定額の仮想通貨、若しくは所定のアイテムの何れかであることを特徴とする請求項1乃至5に記載のユーザ獲得システム。
【請求項8】
前記報酬の内容は、前記サービス内でのみ利用できる所定量のポイントであることを特徴とする請求項1乃至5に記載のユーザ獲得システム。
【請求項9】
前記報酬の内容は、前記サービスに限定されず利用可能な所定のポイントサービスによる所定量のポイントであることを特徴とする請求項1乃至5に記載のユーザ獲得システム。
【請求項10】
前記報酬の内容は、所定額の電子マネーであることを特徴とする請求項1乃至5に記載のユーザ獲得システムであって、
前記報酬付与部は、前記ユーザに対して前記電子マネーを使用するためのコードを前記通知部により通知することで前記ユーザに前記報酬の付与を行うことを特徴とするユーザ獲得システム。
【請求項11】
前記報酬付与部は、前記ユーザを所定の電子決済サービス事業者のアプリケーションのログイン画面に誘導し、前記ユーザがログイン情報を入力して前記アプリケーションにログインすることで前記報酬を得る、ことを特徴とする請求項1乃至10に記載のユーザ獲得システム。
【請求項12】
前記報酬付与部は、前記ユーザに対して前記ポイントを使用するためのコードを前記通知部により通知することで前記ユーザに前記報酬の付与を行うことを特徴とする請求項8又は9に記載のユーザ獲得システム。
【請求項13】
前記資格条件は、前記ユーザが前記サービスにおいて所定額以上の課金をしたことであることを特徴とする請求項1乃至12に記載のユーザ獲得システム。
【請求項14】
前記資格条件は、前記ユーザに紹介された被紹介者が前記サービスのユーザ登録の手続を完了させることであることを特徴とする請求項1乃至12に記載のユーザ獲得システム。
【請求項15】
前記資格条件は、前記ユーザが前記サービスの有料会員への登録の手続を完了させることであることを特徴とする請求項1乃至12に記載のユーザ獲得システム。
【請求項16】
前記資格条件は、前記ユーザが前記サービスのユーザ登録の手続をしてから所定期間が経過したことであることを特徴とする請求項1乃至12に記載のユーザ獲得システム。
【請求項17】
前記資格条件は、前記ユーザが前記サービスにおいて所定額以上の買い物をしたことであることを特徴とする請求項1乃至12に記載のユーザ獲得システム。
【請求項18】
前記資格条件は、前記サービス内での前記ユーザの所定回数以上の所定の行動をすることであることを特徴とする請求項1乃至12に記載のユーザ獲得システム。
【請求項19】
前記資格条件は、前記ユーザの、前記サービスに係る店舗への所定回数以上の来店をすること、又は、前記店舗内での所定回数以上の所定の行動をすることであることを特徴とする請求項1乃至12に記載のユーザ獲得システム。
【請求項20】
前記顧客価値予測部は、前記サービスの提供者が前記サービスを提供するために導入しているクラウドプラットフォーム、データ・ウエア・ハウス、CRMツールの少なくとも何れかにアクセスして入手する、前記ユーザの前記サービスの利用状
況の情報を加味して、前記ユーザに前記報酬を付与した場合の前記ユーザの前記顧客価値の変化を予測することを特徴とする請求項1乃至19に記載のユーザ獲得システム。
【請求項21】
ネットワークに接続された情報処理装置に提供されるサービスのユーザの獲得またはユーザの継続利用を促進するユーザ獲得方法であって、
ユーザ獲得システムに用いられるコンピュータが、
前記サービス内での商品の取得若しくはサービスの利用を前記ユーザに促すための報酬を前記ユーザに付与した場合に、前記ユーザが所定期間を通じて前記サービスにもたらす利益の指標である顧客価値の変化を、前記ユーザの前記サービス内での活動に基づいて予測する顧客価値予測ステップと、
前記顧客価値予測ステップに予測された前記顧客価値と前記報酬との内容とに基づいて、前記ユーザの前記サービスへの貢献の度合いの指標である貢献値を算出する貢献値算出ステップと、
前記報酬の付与の資格条件が予め設定され、前記ユーザが前記資格条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記資格条件を満たすと判定された前記ユーザに対し、前記報酬の付与について前記ユーザに通知する通知ステップと、
前記通知ステップから前記報酬の付与について通知を受けた前記ユーザから前記報酬の付与の申込を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより前記ユーザから前記報酬の付与の申込を受け付けた場合に、前記ユーザに前記報酬を付与する報酬付与ステップと、
を実行し、
前記報酬付与ステップは、前記貢献値算出ステップにより算出された前記ユーザの前記貢献値が所定の基準を満たすように前記報酬の内容を決定することを特徴とするユーザ獲得方法。
【請求項22】
ネットワークに接続された情報処理装置に提供されるサービスのユーザの獲得またはユーザの継続利用を促進するユーザ獲得プログラムであって、
ユーザ獲得システムに用いられるコンピュータに、
前記サービス内での商品の取得若しくはサービスの利用を前記ユーザに促すための報酬を前記ユーザに付与した場合に、前記ユーザが所定期間を通じて前記サービスにもたらす利益の指標である顧客価値の変化を、前記ユーザの前記サービス内での活動に基づいて予測する顧客価値予測機能と、
前記顧客価値予測機能に予測された前記顧客価値と前記報酬との内容とに基づいて、前記ユーザの前記サービスへの貢献の度合いの指標である貢献値を算出する貢献値算出機能と、
前記報酬の付与の資格条件が予め設定され、前記ユーザが前記資格条件を満たすか否かを判定する判定機能と、
前記判定機能により前記資格条件を満たすと判定された前記ユーザに対し、前記報酬の付与について前記ユーザに通知する通知機能と、
前記通知機能から前記報酬の付与について通知を受けた前記ユーザから前記報酬の付与の申込を受け付ける受付機能と、
前記受付機能により前記ユーザから前記報酬の付与の申込を受け付けた場合に、前記ユーザに前記報酬を付与する報酬付与機能と、
を実現させ、
前記報酬付与機能は、前記貢献値算出機能により算出された前記ユーザの前記貢献値が所定の基準を満たすように前記報酬の内容を決定することを特徴とするユーザ獲得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ獲得システム、ユーザ獲得方法、及びユーザ獲得プログラムに関し、特に情報処理装置を用いて提供される有償又は無償のサービスに係るユーザ獲得システム、ユーザ獲得方法、及びユーザ獲得プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のネットワークの普及により、インターネットを介して商品の販売やサービスの提供を行う電子商取引(Electronic Commerce)が盛んに行われている。このような電子商取引では、事前に会員登録を行ったユーザに対して、ネットワークを介して商品の販売やサービスの提供が行われている。
【0003】
上記のような電子商取引では、会員登録したユーザの数が多いほど、売り上げの増加が見込める。そのため、新規のユーザを獲得することを目的として、既存のユーザに紹介された被紹介者が新規の会員登録を行った場合に紹介者若しくは被紹介者に対して所定の報酬を与えることがなされていた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年では市場が成熟してきており、このような市場では、新規のユーザを開拓するためのコストは、既存のユーザを維持するためのコストの数倍はかかると言われている。そのため、既存のユーザを維持し離反を防止するという視点を持ったマーケティング戦略が重要視されるようになってきた。
【0006】
そこで、本開示は、既存のユーザと継続的な取引をすることでユーザがもたらす利益を効率良く確保することを可能にするユーザ獲得システム、ユーザ獲得方法、及びユーザ獲得プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、第1の態様に係るユーザ獲得システムは、ネットワークに接続された情報処理装置に提供されるサービスのユーザの獲得またはユーザの継続利用を促進するユーザ獲得システムであって、サービス内での商品の取得若しくはサービスの利用をユーザに促すための報酬をユーザに付与した場合に、ユーザが所定期間を通じてサービスにもたらす利益の指標である顧客価値の変化を、ユーザのサービス内での活動内容を示す情報に基づいて予測する顧客価値予測部と、顧客価値予測部に予測された顧客価値と報酬との内容とに基づいて、ユーザのサービスへの貢献の度合いの指標である貢献値を算出する貢献値算出部と、報酬の付与の資格条件が予め設定され、ユーザが資格条件を満たすか否かを判定する判定部と、判定部により資格条件を満たすと判定されたユーザに対し、報酬の付与についてユーザに通知する通知部と、通知部から報酬の付与について通知を受けたユーザから報酬の付与の申込を受け付ける受付部と、受付部によりユーザから報酬の付与の申込を受け付けた場合に、ユーザに報酬を付与する報酬付与部と、を備え、報酬付与部は、貢献値算出部により算出されたユーザの貢献値が所定の基準を満たすように報酬の内容を決定することを特徴とする。
【0008】
第1の態様によれば、ユーザに報酬を付与した場合の顧客価値の変化を予測し、この顧客価値と報酬の内容とに基づいてユーザのサービスへの貢献値を算出し、この貢献値が所定の基準を満たすように報酬の内容を決定するので、ユーザへの報酬が確実にサービスへの利益に結び付けることができ、既存のユーザと継続的な取引をすることでユーザがもたらす利益を効率良く確保することが可能になる。
【0009】
第2の態様は、第1の態様に係るユーザ獲得システムにおいて、通知部は、情報処理装置にインストールされたネイティブアプリケーションを利用して、若しくは、情報処理装置のウェブブラウザを介して利用されるウェブアプリケーションを通じてユーザに通知することとしてもよい。
【0010】
第2の態様によれば、サービスの提供に用いられるアプリケーションを利用してユーザに通知することができるので、ユーザはこのアプリケーションの使用時に通知に気付いてもアプリケーションを起動した状態のまま通知の内容を確認することがでる。
【0011】
第3の態様は、第1の態様に係るユーザ獲得システムにおいて、通知部は、少なくとも、プッシュ通知、電子メール、デジタル広告、ソーシャル・ネットワーキング・サービス、若しくはショート・メッセージ・サービスの何れかを利用してユーザに通知することとしてもよい。
【0012】
第4の態様は、第1乃至3の態様に係るユーザ獲得システムにおいて、顧客価値とは、ユーザのサービスの所定利用期間における、ユーザが支払うことが予測されるサービスの利用料の総額である、こととしてもよい。
【0013】
第4の態様によれば、顧客価値はユーザが支払うことが予測されるサービスの利用料の総額であるので、より実態に近い態様でユーザを評価することができる。
【0014】
第5の態様は、第4の態様に係るユーザ獲得システムにおいて、サービスの利用料の総額とは、顧客生涯価値である、こととしてもよい。
第5の態様によれば、サービス利用料の総額はユーザを顧客生涯価値であるので、より実態に近い態様でユーザを評価することができる。
【0015】
第6の態様は、第1乃至5のユーザ獲得システムにおいて、報酬の内容は、少なくとも、所定額の現金、商品券、若しくは所定の商品の何れかであることとしてもよい。
【0016】
第7の態様は、第1乃至5のユーザ獲得システムにおいて、報酬の内容は、少なくとも、サービス内でのみ利用できる所定額の仮想通貨、若しくは所定のアイテムの何れかであることとしてもよい。
【0017】
第7の態様によれば、ユーザに報酬を付与することで、ユーザにサービスの利用を促すことができる。ここでの仮想通貨とは、例えば、このサービスがオンラインゲームとした場合のゲーム内通貨のことであり、このサービス内でのみ経済的価値を持つ。また、ここでのアイテムとは、サービスの中で使用する仮想的な品物、例えば、サービス内でユーザが利用する衣服、アクセサリー、武器、道具などをいう。
【0018】
第8の態様は、第1乃至5のユーザ獲得システムにおいて、報酬の内容は、サービス内でのみ利用できる所定量のポイントであることとしてもよい。
第8の態様によれば、ユーザに報酬を付与することで、ユーザにサービスの利用を促すことができる。ここでのポイントとは、ユーザに与えるサービスの一種であり、このサービス内でのみ利用できる仮想通貨、アイテムなどの商品と交換することができる点数のことをいう。
【0019】
第9の態様は、第1乃至5の態様のユーザ獲得システムにおいて、報酬の内容は、サービスに限定されず利用可能な所定のポイントサービスによる所定量のポイントであることとしてもよい。
第9の態様によれば、報酬は当該サービスに限定されず利用可能なので、ユーザにとって報酬を得ることへの意欲をより高めることができる。ここでのポイントとは、Amazonポイント(登録商標)、Tポイント(登録商標)、楽天ポイント(登録商標)など、ポイントサービスを運営する事業者が、所定の商品、サービスの購入金額あるいは来店回数などの所定の行動に応じてユーザに与える点数のことをいう。
【0020】
第10の態様は、第1乃至5の態様のユーザ獲得システムにおいて、報酬の内容は、所定額の電子マネーであり、報酬付与部は、ユーザに対して電子マネーを使用するためのコードを通知部により通知することでユーザに報酬の付与を行うこととしてもよい。
【0021】
第10の態様によれば、電子マネーを使用するコードを直接ユーザに付与するので、報酬をユーザに直接与えることができ、当該サービスとユーザとの距離を近づけることができる。
【0022】
第11の態様は、第1乃至10の態様のユーザ獲得システムにおいて、報酬付与部は、ユーザを所定の電子決済サービス事業者のアプリケーションのログイン画面に誘導する。ログイン画面に誘導されたユーザがログイン情報を入力しアプリケーションにログインすることで報酬を得る、こととしてもよい。
【0023】
第11の態様によれば、報酬を電子決済サービス事業者からユーザに直接与えることができ、当該サービスを運営する事業者は、当該サービスの運営に注力することができる。
【0024】
第12の態様は、第8又は9の態様のユーザ獲得システムにおいて、報酬付与部は、ユーザに対してポイントを使用するためのコードを通知部により通知することでユーザに報酬の付与を行うこととしてもよい。
【0025】
第12の態様によれば、ポイントを使用するコードを直接ユーザに付与するので、報酬をユーザに直接与えることができ、当該サービスとユーザとの距離を近づけることができる。
【0026】
第13の態様は、第1乃至12の態様のユーザ獲得システムにおいて、資格条件は、ユーザがサービスにおいて所定額以上の課金をしたことであることとしてもよい。
【0027】
第14の態様は、第1乃至12の態様のユーザ獲得システムにおいて、資格条件は、ユーザに紹介された被紹介者がサービスのユーザ登録の手続を完了させることであることとしてもよい。
【0028】
第15の態様は、第1乃至12の態様のユーザ獲得システムにおいて、ユーザがサービスの有料会員への登録の手続を完了させることであることとしてもよい。
【0029】
第16の態様は、第1乃至12の態様のユーザ獲得システムにおいて、資格条件は、ユーザがサービスのユーザ登録の手続をしてから所定期間が経過したことであることとしてもよい。
【0030】
第17の態様は、第1乃至12の態様のユーザ獲得システムにおいて、資格条件は、ユーザがサービスにおいて所定額以上の買い物をしたことであることとしてもよい。
【0031】
第18の態様は、第1乃至12の態様のユーザ獲得システムにおいて、資格条件は、サービス内でのユーザの所定回数以上の所定の行動をすることであることとしてもいい。
【0032】
第19の態様は、第1乃至12の態様のユーザ獲得システムにおいて、資格条件は、ユーザの、サービスに係る店舗への所定回数以上の来店をすること、又は、店舗内での所定回数以上の所定の行動をすることであることとしてもいい。
【0033】
第20の態様は、第1乃至19の態様のユーザ獲得システムにおいて、顧客価値予測部は、サービスの提供者がサービスを提供するために導入しているクラウドプラットフォーム、データ・ウエア・ハウス、CRMツールの少なくとも何れかにアクセスして入手する、ユーザのサービスの利用状況などの情報を加味して、ユーザに報酬を付与した場合のユーザの顧客価値の変化を予測することとしてもよい。ここでのCRMとは、Customer Relationship Management(顧客関係管理)の略称である。
【0034】
第21の態様のユーザ獲得方法は、ネットワークに接続された情報処理装置に提供されるサービスのユーザの獲得またはユーザの継続利用を促進するユーザ獲得方法であって、サービス内での商品の取得若しくはサービスの利用をユーザに促すための報酬をユーザに付与した場合に、ユーザが所定期間を通じてサービスにもたらす利益の指標である顧客価値の変化を、ユーザのサービス内での活動に基づいて予測する顧客価値予測ステップと、顧客価値予測ステップに予測された顧客価値と報酬との内容とに基づいて、ユーザのサービスへの貢献の度合いの指標である貢献値を算出する貢献値算出ステップと、報酬の付与の資格条件が予め設定され、ユーザが資格条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、判定ステップにより資格条件を満たすと判定されたユーザに対し、報酬の付与についてユーザに通知する通知ステップと、通知ステップから報酬の付与について通知を受けたユーザから報酬の付与の申込を受け付ける受付ステップと、受付ステップによりユーザから報酬の付与の申込を受け付けた場合に、ユーザに報酬を付与する報酬付与ステップと、を備え、報酬付与ステップは、貢献値算出ステップにより算出されたユーザの貢献値が所定の基準を満たすように報酬の内容を決定することを特徴とする。
【0035】
第21の態様によれば、ユーザに報酬を付与した場合の顧客価値の変化を予測し、この顧客価値と報酬の内容とに基づいてユーザのサービスへの貢献値を算出し、この貢献値が所定の基準を満たすように報酬の内容を決定するので、ユーザへの報酬が確実にサービスへの利益に結び付けることができ、既存のユーザと継続的な取引をすることでユーザがもたらす利益を効率良く確保することが可能になる。
【0036】
第22の態様のユーザ獲得プログラムは、ネットワークに接続された情報処理装置に提供されるサービスのユーザの獲得またはユーザの継続利用を促進するユーザ獲得プログラムであって、ユーザ獲得システムに用いられるコンピュータに、サービス内での商品の取得若しくはサービスの利用をユーザに促すための報酬をユーザに付与した場合に、ユーザが所定期間を通じてサービスにもたらす利益の指標である顧客価値の変化を、ユーザのサービス内での活動に基づいて予測する顧客価値予測機能と、顧客価値予測機能に予測された顧客価値と報酬との内容とに基づいて、ユーザのサービスへの貢献の度合いの指標である貢献値を算出する貢献値算出機能と、報酬の付与の資格条件が予め設定され、ユーザが資格条件を満たすか否かを判定する判定機能と、判定機能により資格条件を満たすと判定されたユーザに対し、報酬の付与についてユーザに通知する通知機能と、通知機能から報酬の付与について通知を受けたユーザから報酬の付与の申込を受け付ける受付機能と、受付機能によりユーザから報酬の付与の申込を受け付けた場合に、ユーザに報酬を付与する報酬付与機能と、を実現させ、報酬付与機能は、貢献値算出機能により算出されたユーザの貢献値が所定の基準を満たすように報酬の内容を決定することを特徴とする。
【0037】
第22の態様によれば、ユーザに報酬を付与した場合の顧客価値の変化を予測し、この顧客価値と報酬の内容とに基づいてユーザのサービスへの貢献値を算出し、この貢献値が所定の基準を満たすように報酬の内容を決定するので、ユーザへの報酬が確実にサービスへの利益に結び付けることができ、既存のユーザと継続的な取引をすることでユーザがもたらす利益を効率良く確保することが可能になる。
【発明の効果】
【0038】
上記の態様によれば、ユーザのサービス内での活動に基づいて、ユーザに報酬を付与した場合のサービスにおける顧客生涯価値の変化を予測する。従って、ユーザに報酬を付与する際に、ユーザがサービスを利用する全期間での、当該ユーザがこのサービスにもたらす価値を予測することができる。
【0039】
さらに、上記の態様によれば、顧客生涯価値予測部の予測結果と報酬の内容とに基づいて、のサービスへの貢献の度合いの指標である貢献値を算出し、算出されたユーザの貢献値が所定の基準を満たすように報酬の内容を決定することができる。従って、既存のユーザがもたらす利益を効率良く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】ユーザ獲得システムを含むネットワークの概略構成図。
【
図2】ユーザ獲得システムのハードの構成を示す概略図。
【
図3】ユーザ獲得システムのソフトの構成を示すブロック図。
【
図4】ユーザ獲得システムの働きを説明するシーケンス図。
【
図11】ユーザ獲得システムで実行されるプログラムのフローチャート。
【
図12】第2の実施形態に係るユーザ獲得システムの働きを説明するシーケンス図。
【
図13】第2の実施形態に係るユーザ獲得システムの働きを説明する図。
【
図14】第2の実施形態に係るユーザ獲得システムの働きを説明する図。
【
図15】第2の実施形態に係るユーザ獲得システムの働きを説明する図。
【
図16】第2の実施形態に係るユーザ獲得システムの働きを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
[第1の実施形態]
図1乃至
図11を参照して本開示に係るユーザ獲得システム10の第1の実施形態について説明する。
図1はユーザ獲得システム10を含むネットワークの概略の構成を示している。ユーザ獲得システム10は、インターネット回線20を含む情報通信ネットワークに接続されている。
【0042】
インターネット回線20には、サービスの事業を営むサービス事業者が運営管理するコンピュータ(以下、サービス事業者端末30とする。)が接続されている。サービス事業者端末30は、ユーザが用いるパソコン、タブレット、若しくはスマートフォンなどの情報処理装置の上で動作するアプリケーションに対してデータの送受信を行うことで、ユーザにサービスを提供する。
【0043】
本実施形態において、サービス事業者は、サービスを提供するにあたりクラウドプラットフォーム、データ・ウエア・ハウス、CRMツールなどの少なくとも何れかを導入しているものとする。これらクラウドプラットフォーム、データ・ウエア・ハウス、CRMツールなどを便宜上、データ解析サービスとし、これらのデータ解析サービスを営む事業者が運営管理するコンピュータをデータ解析サービス事業者端末70として図示する。
【0044】
クラウドプラットフォームとは、クラウドコンピューティングサービスのことであり、例えば、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS:Amazon Web Serbices)(登録商標)のことである。データ・ウエア・ハウスとは、ビッグデータ解析サービスのことであり、例えば、BigQuery(登録商標)のことである。
【0045】
CRMとはCustomer Relationship Management(顧客関係管理)の略称である。CRMツールとは、顧客情報を管理するためのツールのことで、具体的には、顧客の購買目的、志向、ニーズなどの情報を顧客属性として管理し、購入した製品・サービス、取引数量・金額などの購買実績、頻度や予算、次期購入見込みなどのサービスの利用拡大の可能性に関する情報も管理する。
【0046】
サービス事業者は、これらのデータ解析サービスを利用することで、詳細かつ膨大であり連続的な顧客情報を解析することができ、後述するユーザの顧客生涯価値を予測し、ユーザのサービス内での活動を分析することができる。ここでの顧客情報としては、サービスの提供に係るウェブサイトにユーザが訪問した際の行動、販売時点管理記録、オンライン購入履歴、ユーザサインインログ等など、ウェブサイト内でのユーザの行為をトラッキングすることで得られる情報も含まれる。
【0047】
本開示に係る情報処理装置とは、例えばパソコン、ワークステーションおよびサーバ装置を意味し、更に携帯通信端末を含むものとする。ここでいう携帯通信端末とは、例えばノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末、及び携帯電話などの携帯可能な情報処理装置を意味する。情報処理装置は、この他に通信機能を備えた電子機器などであってもよい。
【0048】
また、本開示に係るサービスとは、有償サービスであってもよいし、無償サービスであってもよく、ユーザがサービスを受けるためにその対価として利用料を支払う必要があるものを有償サービスといい、ユーザがその対価を支払う必要がないものを無償サービスということとする。
【0049】
サービス事業者からサービスの提供を受けるユーザが用いるパソコン、タブレット、若しくはスマートフォンなどの情報処理装置は、便宜上、その代表としてユーザA端末40、ユーザB端末50、ユーザC端末60として図示する。
【0050】
なお、サービスには、例えば、ゲーム、音楽、電子書籍、天気・ニュース、若しくは無料メールサービスのスタンプ素材などの提供・配信、スケジュール管理、画像編集、交通機関検索、タクシー配車サービスなどがある。これらのサービスの中には、基本的な機能は無償で利用することができ、一部の機能の利用について有償となる形態を取る場合がある。
【0051】
サービスを利用したいユーザは自分の情報処理装置に、サービス事業者が提供するサービスに係るネイティブアプリケーションをインストールする。そして、ユーザは、自分の情報処理装置にインストールされたネイティブアプリケーションを操作することでサービス事業者からサービスの提供を受ける。若しくは、ユーザは自分の情報処理装置のウェブブラウザを操作し、サービス事業者が提供するサービスに係るウェブアプリケーションにアクセスすることでサービスの提供を受けることができる。
【0052】
サービスを受けるユーザは、そのサービス内で商品の取得若しくは有償のサービスの利用のために、電子決済サービスを利用してその対価を支払うことができる。なお、本実施形態における電子決済とは、例えば、クレジットカード、デビットカードによる決済、電子マネーによる決済、Google Pay(登録商標)、Apple Pay(登録商標)などの情報処理装置のOSプラットフォームを提供する事業者による電子決済などのことをいう。
【0053】
対価を支払う方法としては、銀行振り込み、オンライン決済、若しくはコンビニエンスストアなどで支払う、いわゆるコンビニ決済でもよい。ユーザは、一つ若しくは複数の電子決済サービスを利用することが可能である。これらの電子決済サービスの事業を営む電子決済サービス事業者が運営管理するコンピュータを電子決済サービス事業者端末80として図示する。ユーザA、ユーザB、及びユーザCは、電子決済サービス事業者端末80にインターネット回線20を介して接続し、電子決済サービスを利用する。
【0054】
図2を参照して、ユーザ獲得システム10の構成について説明する。ユーザ獲得システム10は、I/Oインターフェース11、ROM12、RAM13、記憶部14、CPU15等を備えて構成されている。ユーザ獲得システム10は、I/Oインターフェース11を介してインターネット回線20に対しデータの送受信を行う。記憶部14は記憶装置として利用でき、サービスの提供を受けるためのアプリケーションを実行するために利用される各種データや、他のアプリケーションなどが記憶される。
【0055】
ユーザ獲得システム10は、後述するユーザ獲得プログラムをRead Only Memory(ROM)12若しくは記憶部14に保存し、Random Access Memory(RAM)13などで構成されるメインメモリに後述するユーザ獲得プログラムを取り込む。そして、CPU15は、ユーザ獲得プログラムを取り込んだメインメモリにアクセスして、ユーザ獲得プログラムを実行する。
【0056】
次に
図3を参照して、ユーザ獲得システム10における各機能構成について説明する。ユーザ獲得システム10は、後述するユーザ獲得プログラムを実行することで、顧客価値予測部90、貢献値算出部100、判定部110、通知部120、受付部130、報酬付与部140を備える。
【0057】
本実施形態において、このサービスのユーザが報酬を受け取ることのできる資格条件は、当該ユーザがサービスにおいて所定額以上の課金をしたことである。報酬とは、サービス内での購買や参加の意欲を持たせるためにユーザに付与されるプレゼント、若しくは特典などのことであり、本実施形態では、クレジットカード、デビットカード、若しくは電子マネーなどの電子決済サービスを介して付与される金銭、若しくはサービス内通貨を報酬としている。
【0058】
本実施形態を例にして、
図4乃至
図10を参照して、ユーザ獲得システム10の動作について説明する。
図4は、ユーザ獲得システム10を含むネットワークを構成する要素の相互間のやり取りを時系列に沿って示すシーケンス図である。
図5から
図10は、ユーザ獲得システム10の働きを説明する図である。
【0059】
本実施形態において、サービスを提供するサービス事業者は、ユーザのサービス利用を促進することを目的として、ユーザが所定額(例えば、1000円)以上の課金をしたら、その課金額の10%をユーザに払い戻すとする施策を講じることにした。
【0060】
そこで、サービス事業者はサービス事業者端末30からユーザ獲得システム10に対して、ユーザに向けて「所定の期間内に、このサービスにおいて、ユーザが1000円以上の課金をした場合、その10%をユーザに払い戻す」旨の通知を依頼する(
図5参照)。
【0061】
顧客価値予測部90は、サービス内での商品の取得若しくはサービスの利用をユーザに促すための報酬をユーザに付与した場合に、ユーザが所定期間を通じてサービスにもたらす利益の指標である顧客価値の変化を、ユーザのサービス内での活動内容を示す情報に基づいて予測する。顧客価値予測部90は、当該サービスのユーザ全てについて顧客価値の変化を予測する。なお、本開示の実施の形態によっては、一部のユーザについて顧客価値の変化を予測すればよい場合もある。
【0062】
顧客価値とは、ユーザのサービスの所定利用期間における、ユーザが支払うことが予測されるサービスの利用料の総額であることとしてもよい。更に、サービスの利用料の総額とは、顧客生涯価値であることとしてもよい。顧客生涯価値とは、1人のユーザがこのサービスを利用する全期間での、ユーザがこのサービスにもたらす損益の累計のことをいう。
【0063】
顧客価値予測部90は、先ず、サービス事業者端末30又はデータ解析サービス事業者端末70にアクセスして、ユーザのサービス内での利用状況を入手する(
図6、7参照)。例えば、ユーザのサービス内での活動とは、ユーザのサービスに係るアプリケーションの起動回数、起動時間、起動間隔などの利用状況のことである。起動回数とは、サービスに係るアプリケーションをインストールしてから現時点までの当該アプリケーションの起動の全回数や、特定の期間における起動回数のことである。
【0064】
なお、アプリケーションは起動中であるが、情報処理装置などのモニターには表示させていない場合は、アプリケーションの起動には含めないこととし、アプリケーションがモニターに非表示の状態から再表示させた場合はアプリケーションの起動に含めることとする。
【0065】
また、起動時間とは、サービスに係るアプリケーションをインストールしてから現時点に至るまでのアプリケーションの総起動時間、特定の期間における起動時間、若しくは一回のアプリケーションの起動の際、継続して使用した時間などである。起動間隔とは、起動していたサービスに係るアプリケーションを一旦終了して、再び起動するまでにかかる時間、若しくはアプリケーションを非表示にして、再び表示するまでにかかる時間のことである。なお、起動間隔は再訪確率と類似する概念であり、起動間隔の代わりに再訪確率が用いられる場合もある。
【0066】
更に、ユーザのサービス内での活動内容を示す情報とは、ユーザの購入した製品、その製品の属性、取引数量・金額などの購入実績、購入の頻度、購入1回の予算、購入日時なども含まれる。また、ユーザが利用したサービス、そのサービスの属性、サービスの利用回数・金額などの利用実績、利用の頻度、利用日時などもユーザのサービス内での活動に含まれる。更に、過去行った商品・サービスの閲覧回数、閲覧した商品・サービス、その属性、閲覧の頻度、閲覧日時などもユーザのサービス内での活動に含まれる。
【0067】
顧客価値予測部90は、さらに、サービス事業者端末30若しくはデータ解析サービス事業者端末70から、ユーザのサービスに係るアプリケーション内の行動、及びこのアプリケーション内での課金の額などの状況を入手する。アプリケーション内の行動とは、どの電子決済サービスを利用しているかなどであり、その他、ユーザのサービス内での活動と同じである。
【0068】
さらに、顧客価値予測部90は、サービス事業者端末30若しくはデータ解析サービス事業者端末70から、ユーザの過去閲覧商品購買確率、及び将来商品購入確率などの状況を入手する。過去閲覧商品購買確率とは、サービス内で過去に閲覧した商品の中から購入する商品を選択する確率のことをいう。将来商品購入確率とは、過去の閲覧履歴とは無関係に、ユーザの過去の行動パターンに基づいて特定の商品を購入する確率のことをいう。
【0069】
また、顧客価値予測部90は、サービス事業者端末30若しくはデータ解析サービス事業者端末70から、ユーザを新規に登録ユーザとして獲得した際に必要となったコストとユーザをサービスから離反させないでユーザとして維持するためのコストとに係る情報を入手する。
【0070】
顧客価値予測部90は、サービス事業者端末30若しくはデータ解析サービス事業者端末70から入手したユーザの利用状況から、ユーザが電子決済サービス事業者をサービス内で利用しているとの情報を入手する。次に、顧客価値予測部90は、必要ならば、電子決済サービス事業者端末80にアクセスしてユーザの電子決済サービスの利用状況を入手することができる。
【0071】
顧客価値予測部90は、サービス事業者端末30、データ解析サービス事業者端末70、電子決済サービス事業者端末80から入手したユーザの当該サービスの利用状況に基づいて、ユーザが報酬を得た場合の顧客生涯価値の予測をする。
【0072】
ユーザに報酬を付与する際に、例えば、電子決済サービス事業者Aを用いた場合と電子決済サービス事業者Bを用いた場合をABテストで比較し(この場合、比率は50対50でなくてもよい)、電子決済サービス事業者の違いを加味して、ユーザに報酬を付与したことによる顧客生涯価値の変化を予測する。ABテストとは、主にインターネットマーケティングで行われ、施策を行う上、その効果を予測するためのテストのことである。
【0073】
さらに、ユーザのサービスにおける生涯顧客価値を予測する際に、再訪確率、過去閲覧商品購買確率、及び将来商品購入確率などをも考慮することで、より正確な生涯顧客価値を予測することができる。さらに、ブートストラップ法を利用して、ユーザの生涯顧客価値の信頼区間を求めることができる。信頼区間とは、母集団の真の特性が指定される確率で存在する範囲のことをいう。
【0074】
顧客生涯価値の計算式は、いくつかあり、当該サービスの特徴に合わせて選択し、当てはめることができる。顧客生涯価値の代表的な計算式は以下の式(1)で表すことができる。なお、本実施形態においては以下の式(1)を用いて説明するが、これに限定するものではない。
【0075】
顧客生涯価値=ユーザの購入単価×購入頻度×契約継続期間×利益率-獲得・維持コスト …(1)
なお、購入単価とは、ユーザの購入1回あたりの購入金額のことである。購入頻度とは、例えば1年間での購入回数である。獲得・維持コストとは、一人のユーザを新規に獲得するのに必要なコストであり、維持コストとは一人のユーザを一年間離反させることなく登録を継続させるのに必要なコストである。
【0076】
顧客価値予測部90は当該サービスのユーザ全てに係る顧客生涯価値を算出するが、その具体的な算出の内容を以下に一例を掲げて説明する。本実施形態では、顧客生涯価値を算出しようとしているユーザを着目ユーザとし、過去に顧客生涯価値の算出歴があるユーザの中から、着目ユーザの性別、年齢などの属性及び当該サービス内での行動が着目ユーザと似ていると思われるユーザを選び、この選ばれたユーザを着目ユーザの類似モデルとし、この類似モデルの顧客生涯価値を着目ユーザの顧客生涯価値と見なすこととする。
【0077】
例えば、この類似モデルの購入単価が3000円で、購入頻度は1年に6回、継続契約期間は3年であったとする。そして、この類似モデル1人の獲得コストは2000円、維持コストは年間400円であったとする。利益率は50%とする。この類似モデルの顧客生涯価値は、式(1)から、顧客生涯価値=3000円×6回×3年×50%-(2000円+400円×3年)=23800円となる。従って、着目ユーザは、当該サービスに登録している全期間で23800円の利益を当該サービスに提供すると予測される。
【0078】
顧客価値予測部90は、蓄積された過去の当該サービスに係る情報、若しくは過去のユーザに係る情報などを機械学習することにより、パターンやルールを発見して利用することができる。
【0079】
次に、貢献値算出部100は、顧客価値予測部90に予測された顧客価値と報酬との内容とに基づいて、ユーザのサービスへの貢献の度合いの指標である貢献値を算出する。貢献値算出部100は、当該サービスのユーザ全てに係る貢献値を算出する。以下に、その具体的な貢献値の算出の内容について一例を掲げて説明する。貢献値算出部100が貢献値を算出しようとしているユーザを着目ユーザとする。貢献値は次の計算式(2)で計算される。本実施形態における報酬の内容とは、サービス事業者が決める所定額の報酬とその報酬の付与の方法のことをいう。
【0080】
貢献値=(報酬を付与した場合の顧客生涯価値-報酬を付与しなかった場合の顧客生涯価値)×(原価率)-(付与した報酬の額) … (2)
ユーザについて、以下の4つのケースの貢献値を試算する。この試算の前提条件として、「報酬を付与しなかった場合の顧客生涯価値」を500円とし、「原価率」を50%とし、「付与した報酬の額」を100円とする。
【0081】
第1のケースは、ユーザに報酬を与えなかった場合であり、即ち、「付与した報酬の額」を0円とする。この場合は、ユーザの「報酬を付与した場合の顧客生涯価値」は、「報酬を付与しなかった場合の顧客生涯価値」と同じになり、500円となる。
従って、式(2)より、貢献値=(500円-500円)×50%-0=0
即ち、第1のケースの着目ユーザの貢献値は「0」である。
【0082】
第2のケースは、着目ユーザに電子決済サービス事業者Aを用いて100円相当の報酬を付与した場合である。顧客価値予測部90は、サービス事業者端末30若しくはデータ解析サービス事業者端末70から入手した着目ユーザの当該サービス内での活動や着目ユーザの獲得・維持コスト、電子決済サービス事業者端末80から入手した着目ユーザの電子決済サービスAの利用状況、及び過去の当該サービス並びに着目ユーザに係る情報などを加味して、着目ユーザに電子決済サービス事業者Aを用いて100円相当の報酬を付与した場合の顧客生涯価値を予測する。
【0083】
そして、本実施形態において、顧客価値予測部90は、着目ユーザに電子決済サービス事業者Aを用いて100円相当の報酬を付与した場合の顧客生涯価値について、その顧客生涯価値を700円であると予想したと仮定する。
従って、式(2)より、貢献値=(700円-500円)×50%-100円=0
即ち、第2のケースの着目ユーザの貢献値は「0」である。
【0084】
第3のケースは、着目ユーザに電子決済サービス事業者Bを用いて200円相当の報酬を付与した場合である。顧客価値予測部90は、第2のケースの場合と同様に、サービス事業者端末30若しくはデータ解析サービス事業者端末70から入手した着目ユーザに係る情報、及び電子決済サービス事業者端末80から入手した着目ユーザの電子決済サービスBの利用状況などを加味して、着目ユーザに電子決済サービス事業者Bを用いて200円相当の報酬を付与した場合の顧客生涯価値を予測する。
【0085】
そして、本実施形態において、顧客価値予測部90は、着目ユーザに電子決済サービス事業者Bを用いて100円相当の報酬を付与した場合の顧客生涯価値について、その顧客生涯価値を800円であると予想したと仮定する。
従って、式(2)より、貢献値=(800円-500円)×50%-200円=-50
即ち、第3のケースの着目ユーザの貢献値は「-50」である。
【0086】
第4のケースは、電子決済サービス事業者Aを用いて着目ユーザに50円相当の報酬を付与するとともに、電子決済サービス事業者Bを用いて着目ユーザに50円相当の報酬を付与し、合計100円相当の報酬を着目ユーザに付与した場合である。
【0087】
顧客価値予測部90は、第2、第3のケースの場合と同様に、サービス事業者端末30若しくはデータ解析サービス事業者端末70から入手した着目ユーザに係る情報、電子決済サービス事業者端末80から入手した着目ユーザの電子決済サービスAの利用状況及び電子決済サービスBの利用状況などを加味して、着目ユーザに電子決済サービス事業者Aを用いて50円相当の報酬を付与するとともに、電子決済サービス事業者Bを用いて50円相当の報酬を付与した場合の顧客生涯価値を予測する。
【0088】
そして、本実施形態において、顧客価値予測部90は、電子決済サービス事業者Aを用いて着目ユーザに50円相当の報酬を付与するとともに、電子決済サービス事業者Bを用いて着目ユーザに50円相当の報酬を付与し、合計で100円相当の報酬を着目ユーザに付与した場合の顧客生涯価値について、その顧客生涯価値を800円であると予測したと仮定する。
従って、式(2)より、貢献値=(800円-500円)×50%-100円=50
即ち、第4のケースの着目ユーザの貢献値は「50」である。
【0089】
貢献値算出部100において、着目ユーザの貢献値が一番高かったのは、第4のケースであり、着目ユーザに電子決済サービス事業者Aを用いて50円相当の報酬を付与するとともに、電子決済サービス事業者Bを用いて50円相当の報酬を付与した場合であり、着目ユーザに合計100円相当の報酬を付与するという、報酬の内容の場合である。貢献値算出部100は、当該サービスのユーザ全てについて、着目ユーザと同様に貢献値を算出する。
【0090】
判定部110は、報酬の付与の資格条件が予め設定され、ユーザが資格条件を満たすか否かを判定する。判定部110は、当該サービスのユーザ全が予め設定された資格条件を満たすか否か判定する。本実施形態の資格条件は、所定の期間内に、このサービスにおいて、ユーザが1000円以上の課金をしたことである。判定部110は、サービス事業者端末30及びデータ解析サービス事業者端末70に対して、「資格条件」の照合をして「ユーザ全ての利用状況」を入手する(
図6、7参照)。
【0091】
そして、判定部110は、ユーザ全ての資格条件の照合を行い、ユーザ各々は所定の期間内にサービスにおいて1000円以上の課金をしたか否かの判定を行う。例えば、本実施形態では、判定部110は、ユーザAが資格条件を満たすと判定したと仮定する。
【0092】
通知部120は、判定部110により資格条件を満たすと判定されたユーザに対し、報酬の付与について通知し、判定部110での判定結果をサービス事業者端末30に対して報告する(
図8参照)。報告の内容は、資格条件を満たしユーザの人数などである。通知部120は、ユーザAに対して、報酬の付与及び資格条件について通知する。
【0093】
通知部120は、情報処理装置にインストールされたネイティブアプリケーションを利用して、若しくは、情報処理装置のウェブブラウザを介して利用されるウェブアプリケーションを通じてユーザに通知することとしてもよい。若しくは、通知部120は、少なくとも、プッシュ通知、電子メール、デジタル広告、ソーシャル・ネットワーキング・サービス、若しくはショート・メッセージ・サービスの何れかを利用してユーザに通知することとしてもよい。
【0094】
通知部120は、ネイティブアプリケーション及びショート・メッセージ・サービスなど複数の通知手段を利用してユーザに報酬の付与について通知してもよい。複数の通知手段でもって通知することで、ユーザに確実に通知することができる。ユーザAは、通知部120からの通知により自分が資格条件を満たし報酬を受け取ることができることを知る。
【0095】
ユーザAは、「課金の10%が還元されるなら」とサービス事業者が講じたこの施策に応じることにした。ユーザAはユーザA端末40を操作して当該サービスに係るアプリケーション内で所定の操作(例えば、「申込」ボタンのクリック)をする。
【0096】
受付部130は、通知部120から報酬の付与について通知を受けたユーザから報酬の付与の申込を受け付ける。受付部130は、インターネット回線20上でのユーザAの行動を記録することで、ユーザAの「申込」を認識することができる。「申込」とは、サービス事業者が講じた施策に応じて参加するとのユーザAの意思表示である。
【0097】
報酬付与部140は、受付部130によりユーザから報酬の付与の申込を受け付けた場合に、ユーザに報酬を付与する。報酬付与部140は、ユーザAに報酬を付与する。報酬付与部140は、貢献値算出部100により算出されたユーザAの貢献値が所定の基準を満たすように報酬の内容を決定する。本実施形態において、貢献値の所定の基準は貢献値が一番高いことである。
【0098】
ユーザAの貢献値が一番高いのは第4のケースである。第4のケースの報酬の内容は、ユーザAに電子決済サービス事業者Aを用いて50円相当の報酬を付与するとともに、電子決済サービス事業者Bを用いて50円相当の報酬を付与した場合であり、ユーザAに合計100円相当の報酬を付与する場合である。報酬付与部140はユーザAに第4のケースの報酬の内容で報酬を付与する。
【0099】
報酬付与部140は、ユーザを所定の電子決済サービス事業者のアプリケーションのログイン画面に誘導する。アプリケーションのログイン画面に誘導されたユーザはログイン情報を入力してアプリケーションにログインすることで報酬を得ることとしてもよい。
【0100】
本実施形態では、報酬付与部140は、ユーザAに対して電子決済サービス事業者A及び電子決済サービス事業者Bが運営するそれぞれのアプリケーションのログイン画面に誘導するURL(Uniform Resource Locator)を送付する。
【0101】
ユーザAは、電子決済サービス事業者A及び電子決済サービス事業者Bが運営するそれぞれのアプリケーションにログインすることで、それぞれから50円相当の電子マネーを報酬として得る。電子決済サービス事業者A及び電子決済サービス事業者BのそれぞれのアプリケーションにユーザAからログインがあったことは、ユーザ獲得システム10のユーザAのインターネット回線20上の行動の追跡によりサービス事業者は認識することができる。
【0102】
なお、報酬付与部140は、ユーザAに対してポイント、電子マネーなどを使用するためのコードを通知部により通知することとしてもよい。
また、報酬の内容は、少なくとも、所定額の現金、商品券、若しくは所定の商品の何れかであることとしてもよいし、少なくとも、当該サービス内でのみ利用できる所定額の仮想通貨、ポイント、若しくは所定のアイテムの何れかであることとしてもよい。更に、当該サービスに限定されずに利用可能な所定のポイントサービスによる所定量のポイントであることしてもよい。
【0103】
なお、当該サービス内の通貨システムを用いて報酬を付与する場合は、当該サービス内においてユーザAに対してアプリ内通貨が直接付与される場合もある。報酬の内容は、ユーザが利用可能である複数の電子決済サービス、電子マネー、若しくはサービス内の通貨システムに対して、サービス事業者が決める所定額の報酬を振り分けるので、数百、若しくは数千通りになる場合がある。ユーザ獲得システム10は、この多数の報酬の内容ごとに、ユーザの貢献値を計算して、所定の基準を満たす貢献値における報酬の内容を決定する。
【0104】
続いて、
図11のユーザ獲得プログラムを示すフローチャートを用い、本発明のユーザ獲得方法をユーザ獲得プログラムとともに説明する。本発明のユーザ獲得方法は、ユーザ獲得プログラムに基づいて、ユーザ獲得システム10のCPU15により実行される。
【0105】
ユーザ獲得プログラムは、
図2のCPU15に対して、顧客価値予測機能、貢献値算出機能、判定機能、通知機能、受付機能、及び報酬付与機能の各種機能を実行させる。これらの機能は図示の順に実行されるが、適宜、順番を入れ替えて実行することもできる。なお、各機能は前述のユーザ獲得システム10の説明と重複するため、その詳細な説明は省略する。
【0106】
顧客価値予測機能は、サービス内での商品の取得若しくはサービスの利用をユーザに促すための報酬をユーザに付与した場合に、ユーザが所定期間を通じてサービスにもたらす利益の指標である顧客価値の変化を、ユーザのサービス内での活動に基づいて予測する(S90:顧客価値予測ステップ)。
【0107】
貢献値算出機能は、顧客価値予測機能に予測された顧客価値と報酬との内容とに基づいて、ユーザのサービスへの貢献の度合いの指標である貢献値を算出する(S100:貢献値算出ステップ)。
【0108】
判定機能は、報酬の付与の資格条件が予め設定され、ユーザが資格条件を満たすか否かを判定する(S110:判定ステップ)。
通知機能は、判定機能により資格条件を満たすと判定されたユーザに対し、報酬の付与についてユーザに通知する(S120:通知ステップ)。
【0109】
受付部機能は、通知機能から報酬の付与について通知を受けたユーザから報酬の付与の申込を受け付ける(S130:受付ステップ)。
報酬付与機能は、受付機能によりユーザから報酬の付与の申込を受け付けた場合に、ユーザに報酬を付与する(S140:報酬付与ステップ)なお、報酬付与機能は、貢献値算出機能により算出されたユーザの貢献値が所定の基準を満たすように前記報酬の内容を決定する。
【0110】
上述した本発明に係る実施の形態によれば以下のことが可能となる。即ち、顧客価値予測部90は、ユーザAのサービス内での活動に基づいて、ユーザAに報酬を付与した場合の顧客価値の変化を予測する。従って、ユーザAに報酬を付与する際に、ユーザAがサービスを利用する全期間での、ユーザAがもたらす価値を予測して、ユーザAに報酬を付与することができる。
【0111】
さらに、貢献値算出部100は、顧客価値予測部90の予測結果と報酬の内容とに基づいて、サービスへの貢献の度合いの指標である貢献値を算出する。従って、複数種類の報酬の内容から最も貢献値が高くなるような報酬の内容を選択することが可能になる。従って、既存のユーザがもたらす利益を効率良く確保することができる。
【0112】
[第2の実施形態]
次に
図12乃至
図16を参照して本発明に係るユーザ獲得システム10の第2の実施形態について説明する。
図12は、ユーザ獲得システム10を含むネットワークを構成する要素の相互間のやり取りを時系列に沿って示すシーケンス図である。
図13-
図16は、ユーザ獲得システム10の働きを説明する図である。第2の実施形態における資格条件は、ユーザに紹介された被紹介者がサービスにユーザ登録の手続を完了させることである点で第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0113】
サービスを提供するサービス事業者は、ユーザのサービス利用を促進することを目的として、ユーザに紹介された被紹介者がサービスにユーザ登録の手続を完了させたら、そのユーザと新しいユーザとに100円相当分の報酬を付与する施策を講じることにした。
【0114】
ユーザ獲得システム10は、通知部120より、プッシュ通知若しくは電子メールを用いて、ユーザA端末40、ユーザB端末50、及びユーザC端末60に対して通知を行う。この通知を知ったユーザAは、「被紹介者Xをサービスに紹介しよう」と思い、サービス事業者が講じたこの施策に応じることにした。ユーザAはユーザA端末40からユーザ獲得システム10に対して「申込」を送信し、被紹介者Xの電子メールアドレス、若しくはSNSアカウントなどをユーザ獲得システム10に提供した(
図13参照)。
【0115】
ユーザ獲得システム10は、ユーザAから提供された電子メールアドレス、若しくはSNSアカウントなどに基づいて、被紹介者Xに対して通知部120よりサービス事業者の「ユーザ登録フォーム」のURLなどを送信する(
図14参照)。
【0116】
被紹介者Xは、ユーザ獲得システム10から送られてきた「ユーザ登録フォーム」のURLにアクセスする。被紹介者Xは、ユーザ登録フォームに自分の個人情報を入力しサービス事業者端末30に送信することで、ユーザ登録は完了する(
図15参照)。
【0117】
判定部110は、ユーザAの資格条件の照合を行い、被紹介者Xがサービスのユーザ登録を完了したか否かの判定を行う。判定部110がユーザAの資格条件を満たすと判定した場合、顧客価値予測部90、及び貢献値算出部100は上記した処理を行い、報酬付与部140により、ユーザA及び被紹介者Xに対して所定の報酬を付与する(
図16参照)。
【0118】
[その他の実施形態]
ユーザが報酬を得るための資格条件は上記したものに限られず、次のものであっても良い。即ち、資格条件は、ユーザがサービスの有料会員への登録の手続を完了させることであってもよい。更に、資格条件は、ユーザがサービスのユーザ登録の手続をしてから所定の期間が経過したことであることとしてもよい。更に、資格条件は、ユーザがサービスにおいて所定額以上の買い物をしたことであることとしてもよい。
【0119】
更に、資格条件は、サービス内でユーザが所定回数以上、所定の行動を実行することであってもよい。更に、資格条件は、ユーザの、サービスに係る店舗への所定回数以上の来店をすること、又は、店舗内での所定回数以上の所定の行動をすることであってもよい。
【0120】
また、上記の第2の実施形態では、ユーザAは1人(被紹介者X)のみ紹介したが、これに限らず、2人以上を紹介してもよい。さらに、ユーザAと被紹介者Xとに付与する報酬の額を同じ金額にする必要はなく、異なる金額を付与してもよい。
【0121】
また、ユーザ獲得プログラムは、ユーザ獲得システム10のCPUの上で動作する例を説明したが、これに限るものではなく、ユーザの携帯通信端末のCPUの上でユーザ獲得プログラムの一部もしくは全部を動作させても良い。また、ユーザ獲得システム10は、別のシステムの一部として組み込まれていてもよい。
【符号の説明】
【0122】
10 ユーザ獲得システム
11 I/Oインターフェース
12 ROM
13 RAM
14 記憶部
15 CPU
20 インターネット回線
30 サービス事業者端末
40 ユーザA端末
50 ユーザB端末
60 ユーザC端末
61 被紹介者X端末
70 データ解析サービス事業者端末
80 電子決済サービス事業者端末
90 顧客価値予測部
100 貢献値算出部
110 判定部
120 通知部
130 受付部
140 報酬付与部