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  • 特許-マウスシールド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】マウスシールド
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220111BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A41D13/11 E
A62B18/02 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020191076
(22)【出願日】2020-11-17
【審査請求日】2020-12-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520451197
【氏名又は名称】亀山 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】亀山 歩
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-036461(JP,A)
【文献】実開昭53-110795(JP,U)
【文献】中国実用新案第206586428(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳掛け部を有し、口に相当する部分が開口した第1開口部を有する第1カバー部と、
前記第1開口部をスライド可能に設けられた第2カバー部と、
を備え、
前記第2カバー部は、前記第1開口部を開放する方向に付勢し、上端が第1カバー部の中央上端に接続され、かつ下端にストッパーが設けられている付勢部材が設けられているとともに、前記第2カバー部が前記第1開口部を閉じている状態で保持できる前記ストッパーを有することを特徴とするマウスシールド。
【請求項2】
前記第2カバー部には、第2開口部が設けられるとともに、衛生マスクのマスク用耳掛け部が取付可能な取付部を内面側又は外面側に有し、前記取付部に前記衛生マスクを取り付けることによって前記第2開口部を前記衛生マスクで覆うことが可能であることを特徴とする請求項1に記載のマウスシールド。
【請求項3】
前記第2開口部には、前記衛生マスクを支持するための架設部を備えていることを特徴とする請求項2に記載のマウスシールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マウスシールドに関する。
【背景技術】
【0002】
ウイルスや細菌による感染症が流行した場合には、外出時に加え、飲食店に入店する際にも衛生マスクの着用が義務づけられる場合がある。こうした場合に、衛生マスクを飲食の度に取り外すのは、非常に面倒である。また、外した衛生マスクをテーブル等に載置すると、衛生マスクが汚染される可能性もあるという問題があった。
【0003】
かかる点を解決したものとして、利用者の口および口周辺を覆うマスク本体と、マスク本体の左右に設けられ、利用者の耳に掛けられる耳掛け部とを備え、マスク本体の中央部分に設けられた開口と、開口をマスク本体の表側から開閉可能に覆う蓋片とを備えているマスクが提案されている(特許文献1)。かかるマスクによれば、少し物を飲食したくなったときには、蓋片を開いて開口の覆いを外し、開口を通じて飲食を行うことが可能になるという効果を有する。
【0004】
しかしながら、かかるマスクは、マスク自体を新たに設計・製造しなければならず、市販の衛生マスクを使用することができないという問題があった。また、飲食中にマスクに飲食物が付着する可能性があり、衛生面でも問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-2430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、取り外すことなく口を開放して食事を行うことができるマウスシールドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明にかかるマウスシールドは、耳掛け部を有し、口に相当する部分が開口した第1開口部を有する第1カバー部と、
前記第1開口部をスライド可能に設けられた第2カバー部と、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
かかる構成を採用することによって、第2カバー部をスライドすることによって、第1開口部を開放することができ、マウスカバーを取り付けたまま食事を行うことができる。
【0010】
また、本発明にかかるマウスカバーにおいて、
前記第2カバー部には、第2開口部が設けられるとともに、衛生マスクのマスク用耳掛け部が取付可能な取付部を内面側又は外面側に有し、前記取付部に前記衛生マスクを取り付けることによって前記第2開口部を前記衛生マスクで覆うことが可能であることを特徴とするものであってもよい。
【0011】
本発明にかかるマウスシールドによれば、市販の衛生マスクを第2カバー部に取り付けるだけで使用可能であるので、改めて衛生マスクを加工する必要はない。また、第2カバー部をスライドさせれば、第1カバー部の第1開口部が露出するので、この第1開口部から飲食を行うことができる。その際に、衛生マスク本体は、第2カバー部に取り付けられている状態であるので、飲食中に衛生マスクを取り外す必要がない。さらに、食事中は衛生マスクが上方にスライドされているので、飲食物が衛生マスクに付着することを防止することができる。
【0012】
また、本発明にかかるマウスシールドにおいて、前記第2開口部には、前記衛生マスクを支持するための架設部を備えていることを特徴とするものであってもよい。
【0013】
かかる構成を採用することによって、マスクが架設部によって支持されるため、外側に取り付けた衛生マスクが第2開口部内に入り込んだり、内側に取り付けた衛生マスクが第2開口部から飛び出したりする可能性を低減することができる。
【0014】
また、本発明にかかるマウスシールドにおいて、前記第2カバー部は、前記第1開口部を開放する方向に付勢する付勢部材が設けられているとともに、前記第2カバー部が前記第1開口部を閉じている状態で保持できるストッパーを有することを特徴とするものであってもよい。
【0015】
かかる構成を採用することによって、手で第2カバー部をスライドさせる必要がなく、ストッパーを外すことで、弾性部材によって自動的にスライドするので、使いやすいマウスシールドとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかるマウスシールドによれば、取り外すことなく口を開放して食事を行うことができるマウスシールドを提供することができる。また、市販の衛生マスクを使用することができ、食事中にもマスクを取り外すことなく口を開放して食事を行うことができるマウスシールドをも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、第1実施形態にかかるマウスシールド100の分解斜視図である。
図2図2は、第1実施形態にかかるマウスシールド100の第2カバー部20をスライドさせて第1開口部12を開放した状態を示す斜視図である。
図3図3は、第2実施形態にかかるマウスシールド100の第2カバー部20に付勢部材を設けた状態を示す斜視図である。
図4図4は、第2実施形態にかかるマウスシールド100のストッパー40の別実施形態を示す斜視図である。
図5図5は、第3実施形態にかかるマウスシールド100の分解斜視図である。
図6図6は、第3実施形態にかかるマウスシールド100に衛生マスク90を取り付けた状態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明にかかるマウスシールド100の実施形態について、図を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0019】
本発明にかかるマウスシールド100は、主として、第1カバー部10と、第1カバー部10に重ねて取り付けられる第2カバー部20と、を備えている。
【0020】
第1カバー部10は、薄いプラスチック板、形状保持機能の高い不織布等で作製されているが、形状を維持可能な素材であれば、素材は限定されない。第1カバー部10の左右の両側端辺には、耳掛け部11を有しており、耳にこの耳掛け部11を掛けることによって口と鼻を被覆するように顔に取り付けることができる。この際に第1カバー部10の周囲は、顔に密着することができるように、スポンジやウレタン等の発泡部材を貼着するとよい。なお、耳掛け部11は、図1に示すように、ボタン等で取り外し自在に設けるとよい。取り外し自在に設けることによって、耳かけ部11の長さを適切な長さのものに交換することができ、また汚れた場合に交換することが可能になる。
【0021】
第2カバー部20は、第1カバー部10に重ねて取り付けられる部材であり、第1カバー部10の第1開口部12の前を開閉するようにスライド可能に取り付けられている。具体的には、図2に示すように、第1カバー部10の左右に回転軸14を有するように取り付けられており、第2カバー部20は、回転軸14を中心に回転し、第1開口部12の前では、上下にスライド可能に取り付けられている。
【0022】
こうして作製されたマウスシールド100は、耳掛け部11を耳に引っ掛けることによって、装着することができ、第2カバー部20を下方にスライドさせた状態で、市販の衛生マスク90を口元に設置することができる。さらに、食事等のように口を外部に露出したい場合には、第2カバー部20を上に回転するようにスライドさせることによって、第1開口部12を露出することができる。そのため、マウスシールド100を取り外すことなく、食事をすることができる。なお、開閉を容易にするため、第2カバー部20を下方にスライド可能な
【0023】
(第2実施形態)
第2実施形態にかかるマウスシールド100が、図3に示されている。第2実施形態にかかるマウスシールド100の第1カバー部10及び第2カバー部20は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。第2実施形態にかかるマウスシールド100は、図3に示すように、第2カバー部20を上へスライドする方向に付勢するばね、又はゴム等の付勢部材30が設けられている。図3では、ゴムが設けられている。付勢部材30は、第2カバー部20を第1カバー部10に取り付けることができるストッパー40としてフックが設けられており、通常は、ストッパー40によって第2カバー部20は、下方にスライドされた状態で保持されているが、ストッパー40を外すことで付勢部材30によって自動的に第2カバー部20を上へスライドさせることができる。なお、開閉を容易にするため、第2カバー部20を下方にスライドさせるために、第2カバー部に取り付けられた紐状部材50を設けても良い。
【0024】
このように付勢部材30を設けることによって、第2カバー部20を自動的にスライドさせることができ、使用勝手のよいマウスシールド100とすることができるとともに、食事中に第2カバー部20が重力によって下方にスライドしてくることを防止することができる。
【0025】
なお、ストッパーの形態は限定するものではなく、図4に示すように、ボタン式にしてボタンを押すことによって、分離可能なストッパーであってもよい。
【0026】
(第3実施形態)
第3実施形態にかかえるマウスシールド100が、図5又は図6に示されている、第1カバー部は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0027】
第3実施形態の第2カバー部20は、第2開口部21の外面側(図5)又は内面側(図6)に市販の衛生マスクを取り付けることができる。第1カバー部10側の左右には、市販の衛生マスク90のマスク用耳掛け部91を取り付けることが可能な突起からなる取付部23が設けられており、マスク用耳掛け部91を引っ掛けることによって、衛生マスク90を第2カバー部20の内側又は外側にセットすることができ、第2開口部21をマスクで覆うことができる。
【0028】
こうして作製されたマウスシールド100は、耳掛け部11を耳に引っ掛けることによって、装着することができ、第2カバー部20を下方にスライドさせた状態で、市販の衛生マスク90を口元に設置することができる。さらに、食事等のように口を外部に露出したい場合には、第2カバー部20を上に回転するようにスライドさせることによって、第1開口部12を露出することができる。そのため、食事をする際に衛生マスク90及びマウスシールド100を取り外すことなく、食事をすることができる。
【0029】
なお、第2実施形態にかかる付勢部材30、ストッパー40及び紐状部材50は第3実施形態に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
上述した実施の形態で示すように、マウスシールドとして産業上利用することができる。
【符号の説明】
【0031】
10…第1カバー部、11…耳掛け部、12…第1開口部、14…回転軸、20…第2カバー部、21…第2開口部、23…取付部、30…付勢部材、40…ストッパー、50…紐状部材、90…衛生マスク、91…マスク用耳掛け部、100…マウスシールド


【要約】      (修正有)
【課題】市販の衛生マスクを使用することができ、マスクを取り外すことなく口を開放して食事を行うことができるマウスシールドを提供する。
【解決手段】マウスシールド100は、耳掛け部11を有し、口に相当する部分が開口した第1開口部12を有する第1カバー部10と、第1開口部12をスライド可能に設けられた第2カバー部20と、を備え、第2カバー部20には、第2開口部21が設けられるとともに、衛生マスク90のマスク用耳掛け部91が取付可能な取付部23を内面側又は外面側に有し、取付部23に衛生マスク90を取り付けることによって第2開口部21を衛生マスク90で覆うことが可能である。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6