(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】再生可能な材料から調製された官能化ポリウレタン
(51)【国際特許分類】
C08G 18/36 20060101AFI20220111BHJP
C08G 18/10 20060101ALI20220111BHJP
C08G 18/67 20060101ALI20220111BHJP
C08G 18/81 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
C08G18/36
C08G18/10
C08G18/67 010
C08G18/81 016
(21)【出願番号】P 2017539268
(86)(22)【出願日】2015-12-03
(86)【国際出願番号】 US2015063629
(87)【国際公開番号】W WO2016130201
(87)【国際公開日】2016-08-18
【審査請求日】2017-09-22
【審判番号】
【審判請求日】2019-09-27
(32)【優先日】2015-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514056229
【氏名又は名称】ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】メッサーナ、 アンドリュー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ドボラク、 デイビッド ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ジャコビン、 アンソニー エフ.
(72)【発明者】
【氏名】メッサーナ、 アンジェリカ
【合議体】
【審判長】近野 光知
【審判官】橋本 栄和
【審判官】杉江 渉
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-116429(JP,A)
【文献】特開2000-026555(JP,A)
【文献】特開2009-249613(JP,A)
【文献】特表2014-514412(JP,A)
【文献】特開2012-229408(JP,A)
【文献】乾 純ら「(チオ)ウレタン構造をもつヒマシ油を基盤とするアルコキシシリル基による架橋系ポリマーの接着性評価」、ネットワークポリマー、日本、2014年、Vol.35、No.4、p.154-160
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G18/00-18/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造:
MA-U-A-U-MA
式中、
Aは、ヒドロキシル化
された植物油由来の油性骨格を含み、
Uは、ウレタン結合を含み、および
MAは、(メタ)アクリレート含有基を含み、
前記油性骨格が
、大豆油、アーモンド油、キャノーラ油、ココナッツ油
、コーン油、綿実油、亜麻仁油、リンシードオイル、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、ヒマワリ油、クルミ油およびこれらの組み合わせからなる群から選択される植物油由来である、
に相当する重合性ポリマー。
【請求項2】
油性骨格が、ヒドロキシル化
された大豆油を含む、請求項1に記載の重合性ポリマー。
【請求項3】
ヒドロキシル化された油性骨格が、1または2以上のアルコキシC
1~4基および1または2以上のヒドロキシル基を含むトリグリセリドを含む、請求項1に記載の重合性ポリマー。
【請求項4】
ヒドロキシル化
された植物油が、1.0~7.0eq/molの範囲のヒドロキシル官能価を有する、請求項1に記載の重合性ポリマー。
【請求項5】
(メタ)アクリレート含有基が、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-イソシアネートエチルメタクリレート、2-イソシアネートエチルアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)(メタ)アクリレート、3-イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート、2-イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート、4-イソシアネートブチル(メタ)アクリレート、3-イソシアネートブチル(メタ)アクリレートおよび2-イソシアネートブチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される反応物残基を含む、請求項1に記載の重合性ポリマー。
【請求項6】
Uが、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、IPDIイソシアヌレート、ポリマーIPDI、ナフタレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、ポリマーMDI、トルエンジイソシアネート(TDI)、TDIのイソシアヌレート、TDI-トリメチロールプロパン付加物、ポリマーTDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、HDIイソシアヌレート、HDIビウレート、ポリマーHDI、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニル-4,4’-ジイソシアネート(DDDI)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NDI)および4,4’-ジベンジルジイソシアネート(DBDI)からなる群から選択されるポリイソシアネート反応物残基を含む、請求項1に記載の重合性ポリマー。
【請求項7】
請求項1に記載の重合性ポリマーと硬化系とを含み、硬化系がフリーラジカル開始剤系、湿気硬化系およびこれらの組み合わせからなる群から選択される硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
a)ヒドロキシル化
された、大豆油、アーモンド油、キャノーラ油、ココナッツ油
、コーン油、綿実油、亜麻仁油、リンシードオイル、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、ヒマワリ油、クルミ油およびこれらの組み合わせからなる群から選択される植物油由来
の油性成分とポリイソシアネートとの反応から形成されるNCO末端ポリマーおよび
b)ヒドロキシル化(メタ)アクリレートモノマーを含む成分
の反応生成物によって調製されるポリウレタン。
【請求項9】
ヒドロキシル化された植物油由来
の油性成分が、ヒドロキシル化
された大豆油を含む、請求項8に記載のポリウレタン。
【請求項10】
ヒドロキシル化
された油性成分が、1または2以上のアルコキシC
1~4基および1または2以上のヒドロキシル基を含むトリグリセリドを含む、請求項8または9に記載のポリウレタン。
【請求項11】
ポリイソシアネートが、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、IPDIイソシアヌレート、ポリマーIPDI、ナフタレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、ポリマーMDI、トルエンジイソシアネート(TDI)、TDIのイソシアヌレート、TDI-トリメチロールプロパン付加物、ポリマーTDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、HDIイソシアヌレート、HDIビウレート、ポリマーHDI、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニル-4,4’-ジイソシアネート(DDDI)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NDI)および4,4’-ジベンジルジイソシアネート(DBDI)からなる群から選択される、請求項8に記載のポリウレタン。
【請求項12】
再生可能資源からポリウレタンポリマーを形成する方法であって、ポリウレタンポリマーは、(メタ)アクリレート官能化され、方法が、
a)ヒドロキシル化
された、大豆油、アーモンド油、キャノーラ油、ココナッツ油
、コーン油、綿実油、亜麻仁油、リンシードオイル、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、ヒマワリ油、クルミ油およびこれらの組み合わせからなる群から選択される植物油に由来す
る油性成分をジイソシアネートと反応させることにより、ポリウレタンポリマーを形成する工程
b)ポリウレタンポリマーを(i)ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマーと反応させて硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタンポリマーを得る工程を含む方法。
【請求項13】
ヒドロキシル化された植物油由来
の油性成分がヒドロキシル化
された大豆油を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ヒドロキシル化された植物油由来
の油性成分が1または2以上のアルコキシC
1~4基および1または2以上のヒドロキシル基を含むトリグリセリドを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
OH/NCO当量比が、0.1~10.0である、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
反応が、実質的に全てのNCO基がOH基と反応するまで行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
反応が、金属ベースの触媒をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
a)構造:
MA-U-A-U-MA
式中、
Aは、ヒドロキシル化
された、大豆油、アーモンド油、キャノーラ油、ココナッツ油
、コーン油、綿実油、亜麻仁油、リンシードオイル、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、ヒマワリ油、クルミ油およびこれらの組み合わせからなる群から選択される植物油に由来す
る油性骨格を含み、
Uは、ウレタン結合を含み、
MAは、1または2以上の湿気硬化性基を含有してもよい(メタ)アクリレート含有基を含む、
に相当するポリマー;
b)フリーラジカル開始剤系、湿気硬化系およびそれらの組み合わせからなる群から選択される硬化系を含む重合性樹脂
組成物。
【請求項19】
重合性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタンポリマーを形成する方法であって、(メタ)アクリレート官能化イソシアネート化合物を、再生可能資源由来の、ヒドロキシル化
された、大豆油、アーモンド油、キャノーラ油、ココナッツ油
、コーン油、綿実油、亜麻仁油、リンシードオイル、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、ヒマワリ油、クルミ油およびこれらの組み合わせからなる群から選択される植物油に由来す
る油性化合物と反応させることを含み、反応を重合性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタン化合物を形成するのに十分な時間および温度で行う方法。
【請求項20】
反応が、25℃~100℃の温度で2~24時間行われる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ヒドロキシル化
された油性化合物が、1または2以上のアルコキシC
1~4基および1または2以上のヒドロキシル基を含むトリグリセリドを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
油性化合物が、ヒドロキシル化
された大豆油を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
ヒドロキシル化
された大豆油が、1.0~7.0eq/molの範囲のヒドロキシル官能価を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
(メタ)アクリレート官能化イソシアネート化合物が、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートおよび2-アクリロイルオキシエチルイソシアネートからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
以下の反応スキーム:
【化1】
を含む請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、再生可能な材料から製造された官能化ポリウレタンの調製およびそれから製造される組成物に関する。より詳細には、本発明は、ヒドロキシル化植物油からのポリウレタンの調製およびそれから製造される硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、特に石油系製品の代替手段として、再生可能資源の材料に重点が置かれている。多くの企業が、さらなる反応およびポリマー材料の製造に有用な官能基を含むように植物油を改質することに焦点を当てている。例えば、米国特許第6,891,053号は、植物または動物脂肪などのエポキシ化油脂化学物質を混合して油脂化学油ベースのポリオールを製造する方法および活性化または酸浸出粘土を用いて油脂化学油ベースのポリオールを形成するアルコールを開示している。米国特許第8,757,294号および第8,575,378号は、少なくとも1つのC=C基を含む植物油を用いて、その基を求核性官能基および活性水素基と反応させることによって改質植物ベースのポリオールを製造する他の方法を開示している。その結果は、更なる反応、例えばアミン化合物と反応して、ポリウレタンを形成するために有用なヒドロキシル官能化を有する特定の植物油である。
【0003】
近年、ヒドロキシル官能性を有する市販の改質植物油が、材料を製造するための再生可能資源として市販されている。例えば、アリゾナ州スプリングデールのBiobased TechnologiesによってAgrolという商品名で販売されているいくつかの大豆ベースのポリオールは、ポリウレタンの製造に使用できる再生可能なポリオールの有用な供給源として開示されている。
【0004】
(メタ)アクリレート、アルコキシおよび他の官能基を含有するポリウレタンポリマーを形成するために植物油などの再生可能な材料を使用する方法が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、油脂化学油ベースのポリオール、Agrol3.6開始(ピーク保持時間~2.3分、PDI=2.29)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)トレースを示す。イソホロンジイソシアネートでの伸長後、分子量は、広範なGPCトレースによって示されるように、材料のPDI(1.70)およびMw(2,218から5,013)の増加とともに著しく増加した。
図1は、油脂化学油ベースのポリオールをジイソシアネートを用いてポリウレタンに伸長させることができることを示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、
a)構造:
MA-U-A-U-MA
式中、
Aは、ヒドロキシル化植物油由来の油性骨格を含み、Uは、ウレタン結合を含み、MAは、(メタ)アクリレート含有基、アルコキシ基などの湿気硬化基およびこれらの組み合わせから選択される基を含む、
に相当するポリマー;
b)フリーラジカル開始剤系、湿気硬化系およびそれらの組み合わせの1つから選択される硬化系を含む重合性樹脂が形成される。
【0007】
本発明の別の態様では、(メタ)アクリレート官能化イソシアネート化合物を再生可能資源由来のヒドロキシル化油性化合物と反応させることを含む重合性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタンポリマーの形成方法が開示されており、反応は、重合性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタン化合物を形成するのに十分な時間および温度で実施される。
【0008】
本発明の別の態様では、アルコキシ官能化イソシアネート化合物と再生可能資源由来のヒドロキシル化油性化合物とを反応させることを含む重合性アルコキシ官能化ポリウレタンポリマーを形成する方法が開示されており、反応は、重合性アルコキシ官能化ポリウレタン化合物を形成するのに十分な時間および温度で実施される。
【0009】
本発明の別の態様では、前記MA-U-A-MA構造および硬化系を含む硬化性樹脂組成物を開示し、硬化系は、フリーラジカル開始剤系、湿気硬化系およびそれらの組み合わせから選択される。
【0010】
本発明の別の態様では、本発明は、大豆由来の骨格を有する硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタンを製造する方法であって、ヒドロキシル化大豆油を(メタ)アクリレート末端イソシアネートと反応させ(メタ)アクリレート官能化ポリウレタンを形成する反応工程を含む。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、イソシアネートおよび(メタ)アクリレート官能基を含む大豆油をアルコキシ官能基を含むアミンと反応させる工程を含む硬化性(メタ)アクリレートおよびアルコキシ官能化ポリウレタンを提供する。
【0012】
本発明のさらに別の態様では、再生可能資源から硬化性ポリウレタンポリマーを形成する方法であって、
a)植物油由来で1つ以上のアルコキシC1~4基を含むヒドロキシル化油性成分をジイソシアナートと反応させることによってポリウレタンポリマーを形成する工程;および
b)(i)反応性アミノ基および湿気硬化基を含む化合物または(ii)(メタ)アクリレート官能基を含む反応性ヒドロキシル基を有する化合物とポリウレタンポリマーとをさらに反応させる工程を含む方法を提供する。
【0013】
本発明のさらに別の態様では、アルコキシ官能基を有する硬化性ポリウレタンポリマーの製造方法が提供され、この方法は、アルコキシおよびイソシアネート官能基を含有する植物油をシラン含有アミノ官能基と反応させることを含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<発明の詳細な説明>
本発明は、植物油などのバイオベースのポリオール材料を使用する新規なプロセスおよび硬化性ポリマー/組成物を提供する。植物油は、一般に、その化学構造中にヒドロキシル基を含むように改変を必要とし、このような生成物は、現在、市販されている。本発明は、硬化性ポリウレタンを形成するための適切な(メタ)アクリレート含有またはアルコキシ含有イソシアネート化合物との直接反応のための、またはバイオベースのポリオールとジイソシアネートとを最初に反応させ、さらに生ずる生成物をヒドロキシル含有(メタ)アクリレートとを反応させて、(メタ)アクリル化ポリウレタンを得る、拡張された方法を介したこのようなバイオベースポリオールの使用を含む。さらに、NCO基および/またはアルコキシ基C1~4などの湿気硬化性基がバイオベースポリオールに組み込まれ得るように、バイオベースポリオールのさらなる改変が行われてもよい。そのような場合、そこから形成された得られるポリウレタンは湿気硬化能力を有してもよい。
【0015】
種々の再生可能なヒドロキシル化植物油(バイオベースのポリオールとしても知られている)を本発明において使用することができる。例えば、大豆油、アーモンド油、キャノーラ油、ココナッツ油、タラ肝油、コーン油、綿実油、亜麻仁油、リンシードオイル、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、ヒマワリ油、クルミ、ヒマシ油およびそれらの組み合わせを使用することができる。
【0016】
好ましい再生可能なヒドロキシル化植物油の中には、本明細書にさらに記載するように、Biobased Technologies、スプリングフィールド、アーカンソー州によって販売されているAgrolの商品名で市販されているものがある。Agrolポリオールは、天然大豆に由来するヒドロキシル化大豆油である。ヒドロキシル化の程度は変化し得、70~200mgKOH/gのヒドロキシル価が用いられ得る。これらの大豆由来ポリオールの粘度は、25℃で約200~約3,000、ヒドロキシル官能価は1.0~7.0、好ましくは、1.7~7.0eq/molの範囲で変えることができる。
【0017】
本発明に使用することができるジイソシアネートには、限定されないが、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、IPDIイソシアヌレート(isocyanaurate)、ポリマーIPDI、ナフタレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、ポリマーMDI、トルエンジイソシアネート(TDI)、TDIのイソシアヌレート(isocyanaurate)、TDI-トリメチロールプロパン付加物、ポリマーTDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、HDIイソシアヌレート(isocyanaurate)、HDIビウレート、ポリマーHDI、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニル-4,4’-ジイソシアネート(DDDI)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NDI)、および4,4’-ジベンジルジイソシアネート(DBDI)が含まれる。
【0018】
ジイソシアネートの組み合わせも使用することができる。モノイソシアネートもまた、本発明において使用することができる。
【0019】
NCO官能化バイオベースのポリオールとの反応に有用な(メタ)アクリレート含有ヒドロキシル化合物の中には、限定されないが、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-イソシアネートエチルメタクリレート、2-イソシアネートエチルアクリレート、およびポリ(プロピレングリコール)(メタ)アクリレートが含まれる。
【0020】
バイオベースのポリオールとの反応に有用な(メタ)アクリレート含有イソシアネートとしては、限定されないが、2-イソシアネートエチルアクリレート、2-イソシアネートエチルメタクリレート、3-イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート、2-イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート、4-イソシアネートブチル(メタ)アクリレート、3-イソシアネートブチル(メタ)アクリレートおよび2-イソシアネートブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0021】
バイオベースのポリオールとの反応に有用なアルコキシ含有イソシアネートの中には、限定はされないが、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルジメチルエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、および3-イソシアネートプロピルジメチルメトキシシランが含まれる。
【0022】
本発明における使用に有用なアルコキシ含有アミンには、4-アミノブチルトリエトキシシラン、4-アミノブチルメチルジエトキシシラン、4-アミノブチルジメチルエトキシシラン、4-アミノブチルトリメトキシシラン、4-アミノブチルメチルジメトキシシラン、4-アミノブチルジメチルメトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、ジメチルブチルトリメトキシシラン、1-アミノ-2-(ジメチルエトキシシリル)プロパン、3-(m-アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、m-アミノフェニルトリメトキシシラン、m-アミノフェニルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3-アミノプロピルペンタメチルジシロキサン、11-アミノウンデシルトリエトキシシランおよび11-アミノウンデシルトリメトキシシランが含まれる。
【0023】
本明細書で述べるように、バイオベースのポリオールがNCO基および/またはアルコキシ基などの他の反応性基も含む場合、それから形成される得られるポリウレタンは、さらなる反応に利用可能なこれらの基を有することができる。例えば、バイオベースのポリオール上に反応性NCO基が存在すると、尿素結合を形成するアミン基との反応が可能になる。従って、本発明で使用されるバイオベースのポリオールから形成された本発明のポリウレタンは、(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシ官能性のような官能性を有する種々のポリウレタン最終生成物を可能にし、それから製造される最終硬化性組成物に使用されるフリーラジカルおよび/または湿気硬化メカニズムを可能にする。
【0024】
本発明のポリウレタンから種々の硬化性組成物を製造することができる。例えば、接着剤組成物、シーラントおよびコーティングは、本発明の再生可能な組成物から形成され得る有用な製品の1つである。
【0025】
本発明のポリウレタン組成物は、フリーラジカル、UVおよび/または湿気硬化メカニズムを有する硬化性組成物に組み込むことができる。
【0026】
フリーラジカルメカニズムを介して硬化する組成物に組み込む場合、組成物は通常フリーラジカル開始剤を含む。有用なフリーラジカル開始剤の例には、限定されないが、クメンヒドロペルオキシド、パラメンタンヒドロペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド、および過安息香酸tert-ブチルなどの過酸化物に加水分解するペルエステルなどが含まれる。このようなペルオキシ化合物の量は、全組成物の約0.1~約10重量%、好ましくは約1~約5重量%の範囲で変わり得る。
【0027】
光硬化する組成物に配合する場合、組成物は通常、光開始剤を含む。有用な光開始剤には、限定されないが、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-N、N-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとベンゾフェノンとの組み合せ、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル-2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドおよび2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの組み合わせ、および[ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド]、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニル-ホスフィンオキシドおよび2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの組み合せ、dl-カンファーキノン、アルキルピルビン酸塩、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル-2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、ビス(n5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス[2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル]チタン、ジエトキシアセトフェノンおよびそれらの組み合わせである。
【0028】
光開始剤は、全組成物の約0.001重量%~約2.0重量%の量で使用することができる。
【0029】
促進剤も有利に含むことができる。そのような促進剤には、種々の第2および第3の有機アミンならびに当該技術分野でも知られているスルフィミド(例えば、安息香酸スルフィミド)が含まれる。これらは、組成物全体の約0.1~約5重量パーセント、望ましくは約1~約2重量パーセントの濃度範囲で使用することができる。
【0030】
増粘剤、可塑剤などの他の作用物質も当技術分野で公知であり、それらが意図された目的のために添加剤の機能を妨害しないという条件で機能的に望ましい場合には有利に組み込むことができる。
【0031】
<硬化性官能化ポリウレタンポリマーの合成のための合成>
本発明の硬化性官能化ポリウレタンポリマーは、複数の方法を用いて形成することができる。望ましくは、ポリウレタンポリマーは、(メタ)アクリレート官能性を有するが、他の官能性が考慮され、達成され得る。
【0032】
第1の方法(「直接法」)では、植物油由来のヒドロキシル化油性成分を遊離NCO基を含む(メタ)アクリレート成分と直接反応させて硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタンポリマーを直接形成する。これらのポリウレタンポリマーは、1つ以上の湿気硬化性基を含有してもよい。
【0033】
望ましくは、反応物中のOH:NCOの当量比は約0.1~3.0である。
【0034】
より望ましくは、反応物中のOH:NCOの当量比は、約0.4~約2.0、さらに望ましくは約0.8~約1.0当量のOH:NCOである。
【0035】
反応は、適切な溶媒を用いて、または用いずに、反応器中で行われる。溶媒を使用する場合、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、キシレンなどの極性溶媒を使用することができる。反応は、一般に約25℃~約100℃、好ましくは約40℃~約80℃、より好ましくは約60℃~約75℃の温度で行われる。ジブチルスズジラウレートのような金属ベースの触媒は、本明細書においてさらに記載されているように、全反応混合物の重量に基づき、約0.01重量%~約5重量%、好ましくは0.5重量%~約2重量%、より好ましくは約0.1重量%~約1.0重量%で用いることができる。
【0036】
望ましくは、反応はイソシアネートとヒドロキシル基とを実質的に完全に反応させるのに必要な時間実施される。反応時間は、約2~約24時間、好ましくは約3~約12時間、より好ましくは約4~約8時間の範囲であり得る。得られた硬化性(メタ)アクリレート官能化/アルコキシ官能化ポリウレタンポリマーは、少なくとも1つの(ヒドロキシル化された油性の、およびその一部、および望ましくは実質的にすべての油性成分を含む。
【0037】
第2の方法(「拡張法」)では、植物油由来のヒドロキシル化油性成分をジイソシアネートと反応させてポリウレタン中間体を形成する。反応物の化学量論は、ポリウレタン中間体が、さらなる反応に使用されることを意図した未反応ペンダントNCO基を含むように制御される。すなわち、ペンダントNCO基は、例えば、ヒドロキシル含有(メタ)アクリレート成分、多官能アルコール成分、またはアルコキシ含有アミン成分とのさらなる反応のためのポリウレタン中間体上に残る。残留NCOの量は、約5~90重量%、好ましくは25~70重量%、より好ましくは30~60重量%である。
【0038】
出発反応物のジイソシアネート成分中のNCO対OHの当量比は、NCO対OHの望ましくは約0.1~約10.0、より望ましくは約0.2~3.0、さらにより望ましくは約0.5~約2.0当量である。反応は、適切な溶媒を用いてまたは用いずに反応器内で行う。溶媒を使用する場合、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、キシレンなどの極性溶媒を使用することができる。反応は、一般に、約25℃~約100℃、望ましくは約40℃~約80℃、より望ましくは約60℃~約75℃の温度で行われる。ジブチルスズジラウレート(とりわけ本明細書にさらに記載される)のような金属ベースの触媒は、全反応混合物の重量に基づき、約0.01%~約5%、望ましくは0.5%~約2%、より望ましくは約0.1%~約1.0%である。この反応は、ヒドロキシル基をNCO基と実質的に完全に反応させるのに必要な時間実施される。反応時間は、約2~約24時間、望ましくは3~12時間、より望ましくは4~8時間で変化し得る。
【0039】
反応中に過剰のNCO基が存在するため、形成された中間ポリウレタンは、付加的な成分との反応に利用可能なペンダントなNCO基を含む。例えば、中間ポリウレタンは、必要に応じて、ヒドロキシル基、アルコキシ基またはアミン基を含む成分とさらに反応することができる。例えば、中間ポリウレタンポリマーは、湿気硬化のためのアルコキシ官能基を含むアミノシラン化合物と反応することができる。1つの特に望ましい更なる反応は、硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタンポリマーを得るために中間ポリウレタンとヒドロキシル含有(メタ)アクリレート成分(例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA))との反応を含む。望ましくは、中間ポリウレタンとヒドロキシル含有(メタ)アクリレート成分との反応におけるNCO:OHの当量比は、約1:0.01~約1:1.2である。この反応は、前述した様々な用途に有用な硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタンポリマーを生じる。
【0040】
中間ポリウレタンとヒドロキシル含有(メタ)アクリレート成分との反応は、イソシアネートおよびヒドロキシル基を完全に反応させるのに必要な時間行われる。典型的には、反応時間は約2~約12時間、好ましくは約3~約12時間、より好ましくは4~8時間の範囲であり得る。
【0041】
本発明に従って製造された中間ポリマーおよび最終ポリマー中に存在する再生可能な成分の量は、約30重量%~約70重量%、より望ましくは約45重量%~約60重量%の範囲であり得る。特定のヒドロキシル化油性材料の選択のために、形成された最終生成物は、約1~約10重量%、望ましくは約2重量%~約5重量%の(ヒドロキシル化油性材料中に存在するジイソシアネートと短鎖ジオールとの反応に起因する)硬質(比較的剛性)セグメントを含有してもよい。
【0042】
本発明のポリウレタンを調製する特に有用な方法の1つは、以下の反応工程を含む。:
【0043】
【0044】
本発明のポリウレタンを調製する他の特に有用な方法は、以下の反応工程を含む。:
【0045】
【0046】
本発明のポリウレタンを調製するさらに他の特に有用な方法は、以下の反応工程を含む。:
【0047】
【0048】
<実施例>
Agrol2.0は、65~75のヒドロキシル価、≦1.0の酸価(mg KOH/g)、25℃で約233の粘度を有するBioBased Technologies、スプリングフィールド、アーカンソー州から入手可能である天然大豆由来のヒドロキシル化大豆油の商品名である。
【0049】
Agrol3.6は、107~117のヒドロキシル価、≦1.0の酸価(mg KOH/g)、25℃で約720の粘度を有するBioBased Technologies、スプリングフィールド、アーカンソー州から入手可能な天然大豆に由来するヒドロキシル化大豆油の商品名である。
【0050】
Pomoflex 6156は、Piedmont Chemical Industries I、LLC、331 Burton Avenue、High Point、NC 27262により製造されたコハク酸およびプロパンジオール由来のバイオベースのポリオールである。これは、約2,000の分子量、2.0の官能性、56mg KOH/gのヒドロキシル価、および<1.0の酸価(mg KOH/g)を有する。
【0051】
<例1>
<上記拡張法を用いて硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタン(メタクリル化Agrol2.0/IPDI(1.0:1.72)ポリウレタン樹脂)の調製>
熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器に、Agrol2.0(374.61g、0.1766モル)、ジブチルスズジラウレート(0.24g、0.0004モル)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸、[3-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]-2,2-ビス[[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロピル]エステル(0.096g、0.00008モル)、4-メトキシフェノール(0.096g、0.0008モル)およびリン酸(0.013g、0.00014モル)を添加した。内容物を60℃に加熱し、15分間混合した。イソホロンジイソシアネート(IPDI)(71.49g、0.321モル)を加え、約+2時間反応させた。滴定を実施して、残留イソシアネート含有量を測定した。次いで、ヒドロキシエチルメタクリレート(36.92g、0.284モル)を添加し、60℃で3時間反応させた。この反応により、透明で黄色の粘稠なメタクリル化ポリウレタン樹脂が得られた(451.6g、収率93.4%)。
【0052】
<例2>
<上記拡張法を用いて硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタン(メタクリル化Agrol2.0/IPDI(1.0:2.0)ポリウレタン樹脂)の調製>
熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器に、Agrol2.0(228.78g、0.1407モル)、ジブチルスズジラウレート(0.17g、0.0003モル)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸[3-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]-2,2-ビス[[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロピル]エステル(0.096g、0.00008モル)、4-メトキシフェノール(0.069g、0.0006モル)およびリン酸(0.009g、0.00009モル)を添加した。内容物を60℃に加熱し、15分間混合した。イソホロンジイソシアネート(IPDI)(65.51g、0.295モル)を加え、約+2時間反応させた。滴定を実施して、残留イソシアネート含有量を測定した。次いで、ヒドロキシエチルメタクリレート(44.65g、0.343モル)を添加し、60℃で3時間混合した。この反応により、透明で黄色の粘稠なメタクリル化ポリウレタン樹脂が得られた(329.4g、収率94.1%)。
【0053】
<例3>
<上記拡張法を用いて硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタン(メタクリル化Agrol3.6/IPDI(1.0:2.0)ポリウレタン樹脂)の調製>
熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器に、Agrol3.6(582.61g、0.3739モル)、ジブチルスズジラウレート(0.49g、0.0008モル)、およびリン酸(0.025g 、0.0003モル)を加えた。内容物を60℃に加熱し、15分間混合した。イソホロンジイソシアネート(IPDI)(256.52g、1.154モル)を加え、約+2時間反応させた。滴定を実施して、残留イソシアネート含有量を測定した。次いで、ヒドロキシエチルメタクリレート(168.68g、1.296モル)を添加し、60℃で3時間混合した。この反応により、透明で黄色の粘稠なメタクリル化ポリウレタン樹脂が得られた(931.7g、収率92.4%)。この物質のGPC分析は、反応前後のAgrol3.6を示す。下記の
図1は、ポリウレタン樹脂を示す多分散指数の増加した分子量増加および劇的な広がりを示す。
【0054】
<例4>
<上記拡張法を用いて硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタン(その場で調製したIPDIおよびHEMA硬質ブロック部位を有するメタクリル化Agrol3.6およびIPDI(1.0:2.0)ポリウレタン樹脂)の調製>
熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器にイソホロンジイソシアネート(68.00g、0.310モル)、ヒドロキシエチルメタクリレート(19.81g、0.152モル)、ジブチルスズジラウレート(0.21g、0.0003モル)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸、[3-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]2,2-ビス[[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロピル]エステル(0.021g、0.00002モル)、4-メトキシフェノール(0.021g、0.0002モル)、およびリン酸(0.009g、0.00009モル)を加えた。内容物を65℃に加熱し、+1時間反応させた。次いで、Agrol3.6(79.45g、0.0495モル)を添加し、+2時間混合させた。滴定を実施して、残留イソシアネート含有量を測定した。次いで、ヒドロキシエチルメタクリレート(40.98g、0.284モル)を加え、60℃で3時間混合した。この反応の結果、透明で黄色の粘稠なメタクリル化ポリウレタン樹脂(193.4g、収率93.8%)が得られた。
【0055】
<例5>
<上記直接法を用いて硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタン(その場で調製したIPDIおよびHEMA硬質ブロック部位を有するメタクリル化Agrol4.0およびIPDI(1.0:2.0)ポリウレタン樹脂)の調製>
熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器にイソホロンジイソシアネート(IPDI)(250.00g、1.125モル)、ヒドロキシエチルメタクリレート(58.27g、0.448モル)、ジブチルスズジラウレート(1.47g、0.0023モル)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸、[3-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]-2,2-ビス[[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロピル]エステル(0.084g、0.0001モル)、4-メトキシフェノール(0.021g、0.0002モル)およびリン酸(0.08g、0.0008モル)を加えた。内容物を65℃に加熱し、+1時間反応させた。次いで、Agrol4.0(275.93g、0.1831モル)を加え、+2時間混合した。その後、滴定を実施して、残留イソシアネート含有量を測定した。次いで、ヒドロキシエチルメタクリレート(176.3g、1.223モル)を添加し、60℃で3時間混合した。この反応により、透明で黄色の粘稠なメタクリル化ポリウレタン樹脂(794.3g、収率94.2%)が得られた。
【0056】
<例6>
<上記直接法を用いて硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタン(その場で調製したIPDIおよびHEMA硬質ブロック部位を有するメタクリル化Pomoflex 6156およびIPD1(1.0:2.0)ポリウレタン樹脂)の調製>
熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器にイソホロンジイソシアネート(IPDI)(222.3g、1.00モル)、ヒドロキシエチルメタクリレート(51.96g、0.399モル)、ジブチルスズジラウレート(2.01g、0.0031モル)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸、[3-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]-2、2-ビス[[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロピル]エステル(0.123g、0.0001モル)、4-メトキシフェノール(0.123g、0.0001モル)およびリン酸(0.08g、0.0008モル)を添加した。内容物を65℃に加熱し、+1時間反応させた。Pomoflex 6156(567.64g、0.2833モル)を加え、+2時間混合した。その後、滴定を実施して、残留イソシアネート含有量を測定した。
【0057】
<例7>
<上記拡張法を用いて硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタン(メタクリル化Pomoflex 6156およびIPD1(1.0:2.0)ポリウレタン樹脂)の調製>
熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器に、Pomoflex 6156(150.00g、0.0749mol)、ジブチルスズジラウレート(0.41g、0.0007mol)、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸、[3-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]-2,2-ビス[[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロピル]エステル(0.026g、0.00002mol)、4-メトキシフェノール(0.026g、0.0002mol)およびリン酸(0.006g、0.00006mol)を添加した。内容物を60℃に加熱し、15分間混合した。イソホロンジイソシアネート(35.14g、0.1581モル)を加え、+2時間反応させた。その後、滴定を実施して、残留イソシアネート含有量を測定した。次いで、ヒドロキシエチルメタクリレート(18.10g、0.139モル)を加え、60℃で3時間混合した。この反応により、透明で黄色の粘稠なメタクリル化ポリウレタン樹脂(192.9g、収率94.7%)が得られた。
【0058】
<例8>
<上記直接法を用いて硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタン(メタクリル化Agrol 2.0)の調製>
熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器に、Agrol2.0(101.50g、0.0734モル)、ジブチルスズジラウレート(0.08g、0.0001モル)、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸、[3-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]-2,2-ビス[[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロピル]エステル(0.020g、0.00002モル)、4-メトキシフェノール(0.020g、0.0002モル)およびリン酸(0.008g、0.00008モル)を添加した。内容物を60℃に加熱し、15分間混合した。2-イソシアネートエチルメタクリレート(40.49g、0.0261モル)を加え、+4時間反応させた。 反応が完了するまでイソシアネート基の消費量を測定するためにFT-IRを使用した。収量は156.6g(収率99.2%)であった。
【0059】
<例9>
<上記拡張法を用いて硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタン(メタクリル化Pomoflex 61212およびIPDI(1.0:2.0)ポリウレタン樹脂)の調製>
熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器に、Pomoflex 61212(345.48g、0.6528モル)、ジブチルスズジラウレート(1.63g、0.003mol)、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸、[3-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]-2,2-ビス[[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロピル]エステル(0.102g、0.00009モル)、4-メトキシフェノール(0.102g、0.0008モル)およびリン酸(0.019g、0.0002モル)を添加した。内容物を60℃に加熱し、15分間混合させた。イソホロンジイソシアネート(296.01g、1.332モル)を加え、+2時間反応させた。 その後、滴定を実施して、残留イソシアネート含有量を測定した。次いで、ヒドロキシエチルメタクリレート(110.87g、0.852モル)を加え、60℃で3時間混合した。この反応により、透明で黄色の粘稠なメタクリル化ポリウレタン樹脂(788.9g、収率93.4%)が得られた。