(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】懸架座席用の取付構造体
(51)【国際特許分類】
A47C 7/00 20060101AFI20220111BHJP
A47C 7/02 20060101ALI20220111BHJP
A47C 7/40 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A47C7/00 B
A47C7/02 A
A47C7/40
(21)【出願番号】P 2017568033
(86)(22)【出願日】2016-06-29
(86)【国際出願番号】 US2016040126
(87)【国際公開番号】W WO2017004224
(87)【国際公開日】2017-01-05
【審査請求日】2019-05-22
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-15
(32)【優先日】2015-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591046191
【氏名又は名称】ハーマン、ミラー、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HERMAN MILLER INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ ヨハン ブルクハルト
(72)【発明者】
【氏名】ツウィック カローラ エーファ マリアンネ
(72)【発明者】
【氏名】ツウィック ローランド ロルフ オットー
(72)【発明者】
【氏名】スラフ ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】トレイシー ブレント
(72)【発明者】
【氏名】スタントン マイケル ディー シニア
【合議体】
【審判長】藤井 昇
【審判官】出口 昌哉
【審判官】一ノ瀬 覚
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-45573(JP,A)
【文献】特開2013-132403(JP,A)
【文献】特開2011-110280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 3/026
A47C 7/00 - 7/74
A47C 31/02 - 31/06
B68G 7/00 - 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向で離間して配置され且つ開口を間に定める第1及び第2のサイドフレーム部材を含むフレームであって、前記第1及び第2のサイドフレーム部材が各々、前記開口に面する内側部分と、前記内側部分の反対側であって前記開口から外方に面する外側部分とを有し、該外側部分が、前記第1の方向で前記第1及び第2のサイドフレーム部材から外方に面する複数の第1の取付特徴要素を含む、フレームと、
第1及び第2のサイドキャリア部材を含むキャリアであって、前記第1及び第2のサイドキャリア部材が各々、前記第1の方向で前記第1及び第2のサイドフレーム部材に面する複数の第2の取付特徴要素を含み、該複数の第2の取付特徴要素が、前記複数の第1の取付特徴要素と係合して前記キャリアを前記フレームに取り付ける、キャリアと、
前記キャリアに取り付けられ、前記フレームにおいて前記開口にわたって延びる懸架材料と、を備え、
前記複数の第1の取付特徴要素は、互いに間隔を空けて配置された複数の突起である歯状部を含み、前記複数の第2の取付特徴要素は前記歯状部を受けるアパーチャを有している、
ことを特徴とする座席構造体。
【請求項2】
前記フレームは、前記第1及び第2のサイドフレーム部材間にわたって延びてこれらに連結される第1及び第2のクロスフレーム部材を含み、前記第1及び第2のクロスフレーム部材は、前記第1の方向を横断する第2の方向で離間して配置され、前記キャリアは、前記第1及び第2のサイドキャリア部材と、該第1及び第2のサイドキャリア部材の間にわたって延び且つこれらに連結される第1及び第2のクロスキャリア部材とによって形成される連続リングであり、前記第1及び第2のクロスキャリア部材は、前記第1の方向を横断する前記第2の方向で離間して配置されている、
請求項1に記載の座席構造体。
【請求項3】
前記第1及び第2のクロスフレーム部材は各々、前記開口に面する内側部分と前記開口から外方に面する外側部分とを有し、該外側部分の各々はまた、前記第2の方向で前記第1及び第2のクロスフレーム部材から外方に面して前記複数の第1の取付特徴要素を含み、前記第1及び第2のクロスキャリア部材の各々はまた、前記第2の方向で前記第1及び第2のクロスフレーム部材に面して前記複数の第2の取付特徴要素を有している、
請求項2に記載の座席構造体。
【請求項4】
前記アパーチャは、前記歯状部が前記開口から外方に面する前記キャリアの側部上で前記アパーチャを通じて視認できるようにするため、前記第1及び第2のサイドキャリア部材に貫通開口を定めている、
請求項1に記載の座席構造体。
【請求項5】
前記キャリアは、互いに離間して配置された第1及び第2のリップと、前記第1及び第2のリップの間に延びる複数の離間して配置されたポストと、を有し、該複数の離間して配置されたポストが前記アパーチャを定めている、
請求項4に記載の座席構造体。
【請求項6】
前記第1及び第2のサイドキャリア部材の各々は、前記第1及び第2のリップを含み、前記第1及び第2のリップは、外方に開いたチャンネルを間に定め、前記チャンネルが前記開口から外方に面している、
請求項5に記載の座席構造体。
【請求項7】
前記第1のリップは、内方に延びて前記懸架材料の少なくとも一部の上に載る、
請求項6に記載の座席構造体。
【請求項8】
前記キャリアは、前記フレームの外側部分に近接した内側部分と、前記キャリアの内側部分の反対側であって前記開口から外方に面する外側部分と、前記キャリアの内側部分側から前記キャリアの外側部分側にかけて
表面が凸状に湾曲した上側支持面を有している、
請求項1に記載の座席構造体。
【請求項9】
基部と、
前記基部から垂直方向に延びる支持コラムと、
前記基部の反対側で前記支持コラムの端部に結合される傾斜機構と、を更に備えている、
請求項1に記載の座席構造体。
【請求項10】
前記フレームは、座部又は背もたれを定め、前記懸架材料は、着座面又は背もたれ面を形成している、
請求項1に記載の座席構造体。
【請求項11】
前記フレームは、座部及び背もたれの両方を定め、前記懸架材料は、連続した着座面及び背もたれ面を形成している、
請求項1に記載の座席構造体。
【請求項12】
前記フレーム、前記キャリア、及び前記懸架材料がアームレストを形成している、
請求項1に記載の座席構造体。
【請求項13】
前記懸架材料は、前記キャリア内に成形されている、
請求項1に記載の座席構造体。
【請求項14】
座席構造体を組み立てる方法であって、
第1の方向で離間して配置され且つ開口を間に定める第1及び第2のサイドフレーム部材を含むフレームを提供するステップであって、前記第1及び第2のサイドフレーム部材が各々、前記開口に面する内側部分と、前記内側部分の反対側であって前記開口から外方に面する外側部分とを有し、該外側部分が各々、前記第1の方向で前記第1及び第2のサイドフレーム部材から外方に面する複数の第1の取付特徴要素を含む、ステップと、
第1及び第2のサイドキャリア部材を含むキャリアを提供するステップであって、前記第1及び第2のサイドキャリア部材が各々、前記第1の方向で前記第1及び第2のサイドフレーム部材に面する複数の第2の取付特徴要素を含む、ステップと、
前記キャリアに懸架材料を取り付けるステップと、
前記キャリアを前記フレームに取り付けて前記懸架材料が前記フレームにおいて前記開口にわたって延びるように、前記複数の第2の取付特徴要素を前記複数の第1の取付特徴要素と係合するステップと、を含み、
前記複数の第1の取付特徴要素は、互いに間隔を空けて配置された複数の突起である歯状部を含み、前記複数の第2の取付特徴要素は前記歯状部を受けるアパーチャを含み、前記複数の第2の取付特徴要素を前記複数の第1の取付特徴要素と係合するステップが、前記歯状部を前記アパーチャに連続的に挿入するステップを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記フレームを提供するステップは、前記第1及び第2のサイドフレーム部材間にわたって延びてこれらに連結される第1及び第2のクロスフレーム部材を提供するステップを含み、前記第1及び第2のクロスフレーム部材は、前記第1の方向を横断する第2の方向で離間して配置され、
前記キャリアを提供するステップは、前記第1及び第2のサイドキャリア部材と、該第1及び第2のサイドキャリア部材の間にわたって延び且つこれらに連結される第1及び第2のクロスキャリア部材とによって形成される連続リングを提供するステップを含み、
前記第1及び第2のクロスキャリア部材は、前記第1の方向を横断する前記第2の方向で離間して配置される、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
取付工具のローラを前記キャリアに押し付け、該ローラを該キャリアの周囲に沿って転動させることにより、前記複数の第2の取付特徴要素を前記複数の第1の取付特徴要素と係合させるステップを更に含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記キャリアが、互いに離間して配置された第1及び第2のリップとの間に形成される外方に開いたチャンネルを定め、前記キャリアの周囲に沿って前記取付工具を転動させるステップが、前記チャンネル内で前記取付工具を移動させるステップを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記フレームにより座部又は背もたれを定め、前記懸架材料により着座面又は背もたれ面を形成するステップを更に含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記フレームにより座部及び背もたれの両方を定め、前記懸架材料により連続した着座面及び背もたれ面を形成するステップを更に含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記フレームによりアームレストを定め、前記懸架材料によりアームレスト面を形成するステップを更に含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記懸架材料を前記キャリアに取り付けるステップが、前記懸架材料を前記キャリア内に成形するステップを含む、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年6月29日出願の米国仮出願第62/185,932号及び2015年12月11日出願の米国仮出願第62/266,200号に対して優先権を主張し、これらは、引用により内容全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、懸架材料用の取付構造体を含む、チェア(椅子)又はスツールのような懸架座席構造体及びその製造及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
懸架座席構造体は、開口を覆ってフレームに固定される懸架材料を有することができる。多くの場合、懸架材料は、開口を覆って引張状態にされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
懸架材料は、座部として使用される場合、ユーザによって加わる比較的大きな引張荷重を支持できる必要がある。一部の座席構造体において、懸架材料は、フレームによって捕捉又は取り込むことができる。他の座席構造体において、懸架材料は、フレームに連結されたキャリア部材に結合することができる。多くの場合、フレームは、開口の周りにリングを形成し、又は実質的に非線形の外周部を有しており、懸架材料を開口にわたって望ましい引張量に晒すようにキャリアを適切なサイズにしてフレーム上に組み付けることが困難になる。同様に、懸架材料が所要の載荷能力を有することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施形態において、本発明は、第1の方向で離間して配置され且つ開口を間に定める第1及び第2のサイドフレーム部材を有するフレームを含む座席構造体を提供する。第1及び第2のサイドフレーム部材は各々、開口に面する内側部分と開口から外方に面する外側部分とを有する。外側部分は、第1の方向で第1及び第2のサイドフレーム部材から外方に面する複数の第1の取付特徴要素を含む。座席構造体はまた、第1及び第2のサイドキャリア部材を有するキャリアを含む。第1及び第2のサイドキャリア部材は各々、第1の方向で第1及び第2のサイドフレーム部材に面する複数の第2の取付特徴要素を含む。複数の第2の取付特徴要素は、複数の第1の取付特徴要素を係合してキャリアをフレームに取り付ける。座席構造体は更に、キャリアに取り付けられてフレームにおいて開口にわたって延びる懸架材料を含む。
【0005】
別の実施形態において、本発明は、第1の方向で離間して配置されて且つ開口を間に定める第1及び第2のクロスフレーム部材を有するフレームを含む座席構造体を提供する。第1及び第2のクロスフレーム部材は各々、開口に面する内側部分と、開口から外方に面する外側部分と、内側部分及び外側部分間に配置される上面とを有する。座席構造体はまた、第1の方向で離間して配置され且つフレームに結合された第1及び第2のクロスキャリア部材を有するキャリアを含む。第1及び第2のクロスキャリア部材は、フレームに結合される。第1のクロスキャリア部材は、第1のクロスフレーム部材の上面に載る上側リップと、該上側リップから延びる複数のリブとを有する。複数のリブは、第1のクロスフレーム部材の上面を係合し且つ第1のクロスフレーム部材の上面の上方で上側リップを支持する。座席構造体は更に、キャリアの上側リップに埋め込まれた懸架材料を含む。上側リップは、懸架材料の第1の面を覆い、複数のリブは、懸架材料の第2の面から外方に延びる。
【0006】
別の実施形態において、本発明は、第1のフレーム部材及び第2のフレーム部材を含む複数のフレーム部材から構成されるフレームを備えた座席構造体を提供する。フレームは、複数のフレーム部材間に開口を定める。第1のフレーム部材は、第1のフレーム部材の第1の端部から延びるボスと、該ボスに移動可能に結合されたタブとを有する。第2のフレーム部材は、該第2のフレーム部材の縁部に形成されるボアと、該ボアに隣接した第2のフレーム部材の面に形成される凹部とを有する。ボアは、ボスを受けて、第1のフレーム部材を第2のフレーム部材と整列させる。凹部は、タブを受けて、ボスをボア内に固定する。座席構造体は更に、第1のフレーム部材及び第2のフレーム部材に取り付けられたキャリアと、キャリアに取り付けられてフレームにおいて開口にわたって延びる懸架材料とを含む。
【0007】
別の実施形態において、本発明は、座席構造体を組み立てる方法を提供する。本方法は、第1の方向で離間して配置され且つ開口を間に定める第1及び第2のサイドフレーム部材を有するフレームを提供するステップを含む。第1及び第2のサイドフレーム部材は各々、開口に面する内側部分と開口から外方に面する外側部分とを有する。各外側部分は、第1の方向で第1及び第2のサイドフレーム部材から外方に面する複数の第1の取付特徴要素を含む。本方法はまた、第1及び第2のサイドキャリア部材を有するキャリアを提供するステップを含む。サイドキャリア部材は各々、第1の方向で第1及び第2のサイドフレーム部材に面する複数の第2の取付特徴要素を含む。本方法は更に、キャリアに懸架材料を取り付けるステップと、キャリアをフレームに取り付けて懸架材料がフレームにおいて開口にわたって延びるように、複数の第2の取付特徴要素を複数の第1の取付特徴要素と係合するステップとを含む。
【0008】
本発明の他の態様は、以下の詳細な説明及び添付図面を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本発明の幾つかの実施形態によるチェアの斜視図である。
【
図1B】本発明の幾つかの実施形態による別のチェアの斜視図である。
【
図2A】キャリア及び懸架材料が取り除かれた状態の
図1Aのチェアの斜視図である。
【
図2B】キャリア及び懸架材料が取り除かれた状態の
図1Bのチェアの斜視図である。
【
図3】
図2Bに示すチェアのフレームの一部の拡大斜視図である。
【
図4】
図3の切断線4-4から見たフレームの一部の断面図である。
【
図5】
図1Bの切断線5-5から見たチェアのフレーム、キャリア及び懸架材料の一部の断面図である。
【
図6】
図1Bの切断線6-6から見たチェアのフレーム、キャリア及び懸架材料の一部の断面図である。
【
図7A】本発明の幾つかの実施形態によるキャリア及びフレームを示す図である。
【
図7B】本発明の幾つかの実施形態によるキャリア及びフレームを示す図である。
【
図7C】本発明の幾つかの実施形態によるキャリア及びフレームを示す図である。
【
図7D】本発明の幾つかの実施形態によるキャリア及びフレームを示す図である。
【
図8A】本発明の幾つかの実施形態によるキャリアを示す図である。
【
図8B】本発明の幾つかの実施形態によるキャリアを示す図である。
【
図9A】本発明の幾つかの実施形態による、リブを含むキャリアの拡大図である。
【
図9B】本発明の幾つかの実施形態による、リブを含むキャリアの拡大図である。
【
図10A】リブに荷重が係った場合及び係っていない場合のキャリアを示す図である。
【
図10B】リブに荷重が係った場合及び係っていない場合のキャリアを示す図である。
【
図10C】リブに荷重が係った場合及び係っていない場合のキャリアを示す図である。
【
図11A】本発明の幾つかの実施形態による、キャリア及びフレームを示す図である。
【
図11B】本発明の幾つかの実施形態による、キャリア及びフレームを示す図である。
【
図12A】本発明の幾つかの実施形態による、キャリア及びフレームを示す図である。
【
図12B】本発明の幾つかの実施形態による、キャリア及びフレームを示す図である。
【
図13A】本発明の幾つかの実施形態による、キャリア及びフレームを示す図である。
【
図13B】本発明の幾つかの実施形態による、キャリア及びフレームを示す図である。
【
図14A】本発明の幾つかの実施形態による、キャリア及びフレームを示す図である。
【
図14B】本発明の幾つかの実施形態による、キャリア及びフレームを示す図である。
【
図14C】本発明の幾つかの実施形態による、キャリア及びフレームを示す図である。
【
図15A】本発明の幾つかの実施形態による、キャリア及びフレームを示す図である。
【
図15B】本発明の幾つかの実施形態による、キャリア及びフレームを示す図である。
【
図15C】本発明の幾つかの実施形態による、キャリア及びフレームを示す図である。
【
図16A】本発明の幾つかの実施形態による、湾曲キャリア及び湾曲フレームを示す図である。
【
図16B】本発明の幾つかの実施形態による、湾曲キャリア及び湾曲フレームを示す図である。
【
図17】本発明の幾つかの実施形態による、スツールの拡大図である。
【
図19A】本発明の幾つかの実施形態による、キャリアを製造する方法を示す図である。
【
図19B】本発明の幾つかの実施形態による、キャリアを製造する方法を示す図である。
【
図19C】本発明の幾つかの実施形態による、キャリアを製造する方法を示す図である。
【
図19D】本発明の幾つかの実施形態による、キャリアを製造する方法を示す図である。
【
図19E】本発明の幾つかの実施形態による、キャリアを製造する方法を示す図である。
【
図20】キャリアをフレームに取り付けるのに使用される工具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の何れかの実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、以下の説明で記載される、又は以下の図面に例示される構成要素の構造及び配置の詳細にその用途が限定されないことは理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0011】
図1A~
図1Bは、本発明を具現化した座席構造体10A,10Bを例示している。例示の座席構造体10A,10Bは、事務用チェアであり、タスクチェアと呼ばれることも多い。各座席構造体10A,10Bは、基部14、支持コラム18、傾斜機構22(
図2A,2B)、フレーム26A,26B(
図2A,2B)、アームレスト28A,28B、キャリア30A,30B、及び懸架材料34A,34Bを含む。例示の各実施形態において、基部14、支持コラム18、及び傾斜機構22は同一であり、フレーム26A,26B、キャリア30A,30B、及び懸架材料34A,34Bは実質的に同様のものである。詳細には、
図1Aに示される座席構造体10Aのフレーム26A、キャリア30A、及び懸架材料34Aは、比較的低い背もたれ36Aを有してチェアを形成するよう構成されるが、
図1Bに示される座席構造体10Bのフレーム26B、キャリア30B、及び懸架材料34Bは、比較的高い背もたれ36Bを有してチェアを形成するよう構成されている。座席構造体10A及び10B間の他の相違点についても以下で検討する。
【0012】
図1A~
図1Bに示すように、各基部14は、剛性下部構造体38、外側カバー42、及び複数のキャスター46を含む。剛性下部構造体38は、座席構造体10A,10Bの重量を支持する。剛性下部構造体38は、中央ハブ54の周りを囲む5つのアーム50を含む。キャスター46の1つは、アーム50の各々の遠位端に取り付けられる。剛性下部構造体38は、金属、重プラスチック、又は複合材料で作られる。外側カバー42は、剛性下部構造体38を覆って位置付けられる。一部の実施形態において、剛性下部構造体38及び外側カバー42は、金属又は剛性プラスチックにより一体的に形成してもよい。一部の実施形態において、外側カバー42は、剛性下部構造体38上にオーバーモールド(外側被覆)することができる。
【0013】
図1A~
図1B及び
図2A~
図2Bに示すように、各座席構造体10A,10Bの支持コラム18は、基部14から垂直に延びる。支持コラム18は、下側端部62、上側端部66、伸縮自在セグメント70、及びアクチュエータ74を含む。支持コラム18の下側端部62は、基部14に回転可能に取り付けられる。支持コラム18の上側端部66は、傾斜機構22に取り付けられる。支持コラム18は、座部32A,32Bの高さを変更するよう調整可能な伸縮自在セグメント70を含む。アクチュエータ74は、ケーブルガイド及びケーブルを用いて支持コラム18に取り付けることができる。
【0014】
図2A~
図2Bに示すように、各座席構造体10A,10Bの傾斜機構22は、基部14の反対側で支持コラム18の上側端部66に結合され、且つフレーム26A,26Bの一部に結合される。傾斜機構22は、フレーム26A,26Bが支持コラム18に対して枢動(例えば、傾斜)できるように構成される。
【0015】
図2A~
図2Bに示すように、各座席構造体10A,10Bのフレーム26A,26Bは、基部14の上方で傾斜機構22によって支持される。各フレーム26A,26Bは、複数のフレーム部材を含む。より詳細には、各フレーム26A,26Bは、第1のサイドフレーム部材78A,78B、第2のサイドフレーム部材82A,82B、第1のクロスフレーム部材86A,86B、及び第2のクロスフレーム部材90A,90Bを含む。第1のサイドフレーム部材78A,78B及び第2のサイドフレーム部材82A,82Bは、第1の軸線94A,94Bに沿って離間して配置され、これらの間に開口98A,98Bを定める。第1のクロスフレーム部材86A,86B及び第2のクロスフレーム部材90A,90Bは、第1の軸線94A,94Bに実質的に垂直な第2の軸線106A,106Bに沿って離間して配置される。第1のクロスフレーム部材86A,86B及び第2のクロスフレーム部材90A,90Bは、開口98A,98Bにわたって延び、第1のサイドフレーム部材78A,78B及び第2のサイドフレーム部材82A,82Bに連結される。第1のサイドフレーム部材78A,78B、第2のサイドフレーム部材82A,82B、第1のクロスフレーム部材86A,86B、及び第2のクロスフレーム部材90A,90Bは各々、開口98A,98Bに面する内側部分99A,99Bと、開口98A,98Bから外方に面する外側部分100A,100Bとを有する。支持面101A,101Bは、内側部分99A,99Bと外側部分100A,100Bとの間を延びる。複数の第1の取付特徴要素102A,102Bは、該複数の第1の取付特徴要素102A,102Bがフレーム26A,26Bの外周を囲むように外側部分100A,100Bに沿って配置される。複数の第1の取付特徴要素102A,102Bは、第1のサイドフレーム部材78A,78B、第2のサイドフレーム部材82A,82B、第1のクロスフレーム部材86A,86B、及び第2のクロスフレーム部材90A,90Bから外方に面する。
図5、
図6及び
図7A~
図7Dに示されるように、第1の取付特徴要素102A,102Bは、歯状部104A,104Bである。
【0016】
例示の実施形態において、第1のサイドフレーム部材78A,78B、第2のサイドフレーム部材82A,82B、第1のクロスフレーム部材86A,86B、及び第2のクロスフレーム部材90A,90Bは、閉ループ又はリングを形成する。一部の実施形態において、フレーム部材78A,78B、82A,82B、86A,86B、90A,90Bは、該フレーム部材との間で比較的円滑な移行をもたらし、且つフレーム26A,26Bに丸みのあるコーナーを提供するよう湾曲している。例示のフレーム26A,26Bは、別個のフレーム部材から形成されているが、単一の均質なユニットとして形成してもよい。一部の実施形態において、フレーム26A,26Bは、ガラス充填及びガラス非充填の熱可塑性物質から作られる。
【0017】
例示の実施形態において、座部32A,32B及び背もたれ36A,36Bの両方を定めるような曲線輪郭にされる。換言すると、各フレーム26A,26Bは、連続した座部及び背もたれを定める。第1のクロスフレーム部材86A,86Bとサイドフレーム部材78A,78B,82A,82Bの下側部分とが、座部32A,32Bを定めるようほぼ平坦であり、第2のクロスフレーム部材90A,90Bとサイドフレーム部材78A,78B,82A,82Bの上側部分とが、背もたれ36A,36Bを定めるようにほぼ平坦である。他の実施形態において、各フレーム26A,26Bは、実質的に平坦であり、座部32A,32Bのみを定めることができる。別の実施形態において、各フレーム26A,26Bは、実質的に平坦であり、背もたれ36A,36Bのみを定めることができる。
【0018】
図2B、3及び4に示すように、フレーム26Bは、第3のクロスフレーム部材108Bを含む。第3のクロスフレーム部材108Bは、細長本体110B、第1のアーム114B及び第2のアーム118Bを含む。第1のアーム114B及び第2のアーム118Bは、細長本体110Bに実質的に垂直である。一部の実施形態において、湾曲コーナーは、細長本体110Bと第1のアーム114B及び第2のアーム118Bとの間に延びる。第3のクロスフレーム部材108Bの第1のアーム114B及び第2のアーム118Bは、第1のサイドフレーム部材78A,78B及び第2のサイドフレーム部材82A,82Bを係合するよう構成される。第3のクロスフレーム部材108Bが、第1のサイドフレーム部材78B及び第2のサイドフレーム部材82Bと係合されると、第3のクロスフレーム部材108Bの細長本体110Bは、第2のクロスフレーム部材90Bから垂直方向に離間してその実質的に上方に配置され、より高い背もたれ36Bを形成する。
【0019】
例示の実施形態において、第3のクロスフレーム部材108Bは、スナップ嵌め型連結によって第1のサイドフレーム部材78B及び第2のサイドフレーム部材82Bに固定される。
図3及び4に示すように、第1のアーム114B及び第2のアーム118Bは実質的に同様であり、第1のサイドフレーム部材78B及び第2のサイドフレーム部材82Bは、実質的に同様である。このため、第1のアーム114Bと第1のサイドフレーム部材78Bのみを以下で詳細に説明することにする。第2のアーム118B及び第2のサイドフレーム部材82Bの同じ要素を示すのに同じ参照符号が使用される。
【0020】
図3に示すように、第1のアーム114Bは、該第1のアーム114Bの端部から延びるボス122Bと、ボス122Bに移動可能に結合されたタブ126Bとを含む。ボス122Bは、第1のアーム114Bの残りの部分の断面積よりも小さな断面積を有する。タブ126Bは、該タブ126Bがボス122B上で片持ちになり、ボス122Bに対して移動する(例えば、撓む)ことができるようにスロット130Bによって囲まれる。タブ126Bはまた、拡大遠位端部分138Bを含む。
【0021】
図3及び4を参照すると、第1のサイドフレーム部材78Bは、該第1のサイドフレーム部材78Bの縁部に形成されたボア142Bと、該ボア142Bに隣接して第1のサイドフレーム部材78Bの表面に形成された凹部146Bとを有する。ボア142Bは、ボス122Bを受けるような形状にされる。凹部146Bは、ボア142Bを部分的に定める第1のサイドフレーム部材78Bの内面に形成される。例示の実施形態において、凹部146Bはまた、第1のサイドフレーム部材78Bの外面を通って延びる貫通孔である。他の実施形態において、凹部146Bは、サイドフレーム部材78Bの内面に形成される窪みとすることができる。凹部146Bは、タブ126Bの拡大遠位端部138Bを受けるように構成される。詳細には、ボス122Bは、タブ126Bの拡大遠位端部138Bが凹部146Bと整列するまでボア142B内に滑動され、この時点で、タブ126Bは、外方に(材料の偏位に起因して)且つ凹部146B内にスナップ嵌合して、フレーム部材78B,108Bを共に固定する。ボス122Bとタブ126B並びにボア142Bと凹部146Bにより、追加の締結具又は工具なしで、第3のクロスフレーム部材108Bを第1及び第2の第1のサイドフレーム部材78B,82Bに共に連結する。代替の構成において、第1のサイドフレーム部材78Bは、ボス122Bとタブ126Bを含むことができ、第1のアーム114Bは、ボア142Bと凹部146Bを含むことができる。
【0022】
図2A及び2Bに示すように、各座席構造体10A,10Bのフレーム26A,26Bは、該フレーム26A,26Bを支持する支持組立体150A,150Bを含む。支持組立体150A,150Bは、中央脊柱部154A,154B、第1の下側支持部材158A,158B、及び第2の下側支持部材162A,162Bを含む。中央脊柱部154A,154Bは、実質的にY字型であり、第1のアーム166A,166B、第2のアーム170A,170B、及び第3のアーム174A,174Bを含む。第1のアーム166A,166Bは、第2のクロスフレーム部材90A,90Bに結合される。一部の実施形態において、第1のアーム166A,166Bは、第2のクロスフレーム部材90A,90Bと一体的に形成される。中央脊柱部154A,154Bの第2のアーム170A,170B及び第3のアーム174A,174Bは、座部32A,32Bの真下に延びて、第2の下側支持部材162A,162Bを通って傾斜機構22に結合される。第1の下側支持部材
134A,134B及び第2の下側支持部材162A,162Bは、第1のサイドフレーム部材78A,78B及び第2のサイドフレーム部材82A,82Bの真下に横方向に延びている。第1の下側支持部材158A,158B及び第2の下側支持部材162A,162Bは、第1のサイドフレーム部材78A,78B及び第2のサイドフレーム部材82A,82Bに係合するよう構成された、上方に湾曲した端部を含む。
【0023】
図7A~
図7Dを参照すると、歯状部104A,104Bは、フレーム26A,26Bの外側部分100A,100Bに沿って等間隔に配置される。各歯状部104A,104Bは、近位端200A,200Bと、湾曲した遠位端204A,204Bとを有し、これらの間に長さ208A,208Bが定められる。歯状部104A,104Bは、同じ長さを有することができる。歯状部104A,104Bの長さ208A,208Bは、フレーム26A,26Bの厚み212A,212Bよりも小さい。歯状部104A,104Bは、各歯状部104A,104Bの近位端200A,200Bが第1の幅216A,216Bを有し、且つ各歯状部104A,104Bの湾曲した遠位端204A,204Bが第1の幅216A,216Bよりも短い第2の幅220A,220Bを有するようにテーパーが付けられる。歯状部104A,104Bは、実質的に一定の高さ224A,224Bを有する。隣接する歯状部104A,104Bの間には、均等な間隔228A,228Bがある。隣接する歯状部104A,104Bの間の間隔228A,228Bは、歯状部104A,104Bの第1の幅216A,216Bと実質的に等しい。歯状部104A,104Bの第1の幅216A,216Bは、約4mm~約25mmの範囲とすることができる。歯状部104A,104Bの長さ208A,208Bは、約4mm~約8mmの範囲とすることができる。歯状部104A,104Bの高さ224A,224Bは、約3mm~約5mmの範囲とすることができる。歯状部104A,104B間の間隔228A,228Bは、約4mm~約25mmの範囲とすることができる。フレーム26A,26Bの厚み212A,212Bは、約6mm~約12mmの範囲とすることができる。歯状部104A,104Bは、高さ224A,224B寸法及び幅寸法の両方で長さ208A,208Bに沿って僅かなテーパーを有することができる。
【0024】
図1Bに示すように、アームレスト28Bは、ループ形状であり、開口232Bを含むことができる。アームレスト28Bは、開口232Bに面する内側部分236Bと、開口232Bから外方に面する外側部分240Bと含むことができる。支持面244Bは、内側部分236Bと外側部分240Bとの間を延びることができる。一部の実施形態において、複数の第1の取付特徴要素102A,102B(例えば、歯状部)はまた、アームレスト28Bの外側部分240Bに沿って配置される。換言すると、アームレスト28Bの構成は、フレーム26Bと同様とすることができるが、形状及びサイズは異なる。アームレスト28Bは、以下に記載されるキャリア30A,30Bと懸架材料34A,34Bと同様に、好適なキャリアを懸架材料と係合することができる。
【0025】
図8A及び
図8Bに示すように、各キャリア30A,30Bは、第1のサイドキャリア部材248A,248B、第2のサイドキャリア部材252A,252B、第1のクロスキャリア部材256A,256B、及び第2のクロスキャリア部材260A,260Bを含む。第1のサイドキャリア部材248A,248B及び第2のサイドキャリア部材252A,252Bは、第1の軸線266A,266Bに沿って離間して配置され、これらの間に開口268A,268Bを定める。第1のクロスキャリア部材256A,256B及び第2のクロスキャリア部材260A,260Bは、第1の軸線266A,266Bに実質的に垂直な第2の軸線279A,279Bに沿って離間して配置される。第1のクロスキャリア部材256A,256B及び第2のクロスキャリア部材260A,260Bは、開口268A,268Bにわたって延び、第1のサイドキャリア部材248A,248B及び第2のサイドキャリア部材252A,252Bに連結される。第1のサイドキャリア部材248A,248B、第2のサイドキャリア部材252A,252B、第1のクロスキャリア部材256A,256B、及び第2のクロスキャリア部材260A,260Bは各々、開口268A,268Bに内方に面する内側部分270A,270Bと、開口268A,268Bから外方に面する外側部分272A,272Bとを含む。上側支持面274A,274B及び下側支持面276A,276Bは、内側部分270A,270Bと外側部分272A,272Bとの間に延びる。
【0026】
図7A及び
図7Bに示すように、各キャリア30A,30Bはまた、内側部分270A,270Bに沿って配置された複数の第2の取付特徴要素262A,262Bを含む。複数の第2の取付特徴要素262A,262Bは、第1のサイドフレーム部材78A,78B、第2のサイドフレーム部材82A,82B、第1のクロスフレーム部材86A,86B、及び第2のクロスフレーム部材90A,90Bに向かって面する。複数の第2の取付特徴要素262A,262Bは、該複数の第2の取付特徴要素262A,262Bがキャリア30A,30Bの内周を囲むようにキャリア30A,30Bの内側部分270A,270Bに沿って配置される。
図6~
図7Dに示すように、第2の取付特徴要素262A,262Bはアパーチャ264A,264Bである。例示の実施形態において、アパーチャ264A,264Bは、開口を貫通する。他の実施形態において、第2の取付特徴要素262A,262Bは、キャビティとすることができる。キャリア30A,30Bは、複数の第1の取付特徴要素102A,102Bを複数の第2の取付特徴要素262A,262と係合することによって、フレーム26A,26Bに取り付けられる。一部の実施形態において、フレーム26A,26B上の第1の取付特徴要素102A,102Bは、アパーチャとすることができ、キャリア30A,30B上の第2の取付特徴要素262A,262は、歯状部とすることができる。
【0027】
例示の実施形態において、第1のサイドキャリア部材248A,248B、第2のサイドキャリア部材252A,252B、第1のクロスキャリア部材256A,256B、及び第2のクロスキャリア部材260A,260Bは、閉ループ又はリングを形成する。例示のキャリア部材248A,248B、252A,252B、256A,256B、260A,260Bは、単一の均質なユニットとして一体的に形成される。キャリア30A,30Bは、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ウレタン、及び/又は無充填エラストマーから形成することができる。他の実施形態において、キャリア30A,30Bは、離散的フレーム部材から形成することができる。
【0028】
図8A及び
図8Bに示すように、各キャリア30A,30Bは、内側部分270A,270Bと外側部分272A,272Bとの間に延びる、上側支持面274A,274B及び下側支持面276A,276Bを含む。上側支持面284A,284Bは、
図5~
図6に示すように、内側部分から外側部分まで下向きに湾曲している。上側支持面284A,284Bは、内方に延びて懸架材料34A,34B及びフレーム26A,26Bの上部に載る部分を有する上側リップ280A,280Bを含む。下側支持面288A,288Bは、フレーム26A,26Bの支持面101A,101Bを係合することができる。第1のクロスキャリア部材256A,256B及び第2のクロスキャリア部材260A,260Bは、外方に延びる下側リップ286A,286Bを含む。キャリア30A,30Bはまた、該キャリア30A,30Bの開口268A,268Bから外方に開いたチャンネル304A,304Bを含む。
図5~
図6及び
図7A~
図7Dに示すように、一部の実施形態において、第1のサイドキャリア部材248A,248B、第2のサイドキャリア部材252A,252B、第1のクロスキャリア部材256A,256B、及び第2のクロスキャリア部材260A,260Bは各々、上側リップ280A,280B及び下側リップ286A,286Bを含むことができる。上側リップ280A,280B及び下側リップ286A,286Bは、垂直方向に離間して配置される。上側リップ280A,280B及び下側リップ286A,286Bは、複数の離間して配置されたポスト314A,314Bによって連結される。ポスト314A,314Bは、アパーチャ264A,264Bを定める。
図7Bを参照すると、一部の実施形態において、アパーチャ264A,264Bは、上側及び下側ランディング380A,380B、384A,384B及び離間して配置されたポスト314A,314Bによって定められる。離間して配置されたポスト314A,314Bは、キャリア30A,30Bがフレーム26A,26Bと係合したときのキャリア30A,30Bの張力に応答して、及び懸架材料34A,34Bの外部装荷(例えば、ユーザの着座による)に応答してアパーチャ264A,264Bの形状及び一体性を維持するのを助ける。
【0029】
図7A、
図7B及び
図7Dに示すように、アパーチャ264A,264Bは、チャンネル304A,304Bに沿って等間隔に配置される。アパーチャ264A,264Bの深さは、ポスト314A,314Bの深さ326A,326Bと同じである。各アパーチャ264A,264Bは、歯状部104A,104Bの1つを受けるように構成された高さ332及び幅336を有する。
図7Aに示すように、歯状部104A,104Bの遠位端204A,204Bがチャンネル304A,304B内に配置されるようにするために、歯状部104A,104Bの遠位端204A,204Bは、キャリア30A,30Bがフレーム26A,26Bと係合したときにポスト314A,314Bの外側端部340A,340Bと同じ高さにある。従って、チャンネル304A,304Bは、キャリア30A,30Bの外側端部340A,340Bから内方方向で歯状部104A,104Bの遠位端204A,204Bを離隔又は離間して、歯状部104A,104Bを衝撃損傷から保護している。
図5、
図6及び
図7Aに示すように、第1の取付特徴要素102A,102Bの歯状部104A,104Bの遠位端204A,204Bは、開口268A,268Bから外方に面するキャリア30A,30Bの側部上でアパーチャ264A,264Bを通して視認できる。換言すると、歯状部104A,104Bは、座席構造体10A,10Bの外周に沿って視認でき、「ジッパー状」の外観をもたらしている(
図5~
図6)。
【0030】
図5~
図6に示すように、懸架材料34A,34Bは、キャリア30A,30Bに取り付けられ、フレーム26A,26Bによって定められる開口98A,98Bにわたって延びる。懸架材料34A,34Bは、エラストマー材料、織物、又は成形ポリマー材料など、織成又はニット材料から作ることができる。一部の実施形態において、懸架材料34A,34Bは、座席構造体10A,10Bの座部32A,32B、背もたれ36A,36B、もしくは連続座部及び背もたれを形成する。一部の実施形態において、フレーム26B、キャリア30B、及び懸架材料34Bはまた、アームレスト28Bを形成する。
【0031】
懸架材料34A,34Bは、キャリア30A,30Bに結合される。例示の実施形態において、懸架材料34A,34Bは、キャリア30A,30B内に成形される。他の実施形態において、懸架材料34A,34Bは、ボンディング、接着、機械的締結(例えば、ステープル、スクリュー、その他)又は同様のものによってキャリア30A,30Bに結合することができる。懸架材料34A,34Bがキャリア30A,30Bに成形される実施形態において、懸架材料34A,34Bの縁部356A,356Bは、キャリア30A,30Bの上側リップ280A,280Bが懸架材料34A,34Bの縁部356A,356Bの上に載るようにキャリア30A,30B内に取り込まれる。
【0032】
キャリア30A,30Bがフレーム26A,26Bに取り付けられると、懸架材料34A,34Bは、該懸架材料34A,34Bが引張状態になるように、フレーム26A,26Bによって定められる開口98A,98Bを覆って伸張される。引張線348A,348B(
図9A及び
図9B)は、第1のサイドキャリア部材248A,248Bと第2のサイドキャリア部材252A,252Bとの間に形成される。
【0033】
図9A及び
図9Bに示すように、キャリア30A,30Bは、複数のリブ360A,360Bを含む。リブ360A,360Bは、上側リップ280A,280Bの下側面288A,288Bに沿って位置付けられ、フレーム26A,26Bの支持面101A,101Bを係合する。リブ360A,360Bは、一般に、第1のクロスキャリア部材256A,256B(
図9A及び
図9Bに示すような)に沿って又はアームレスト28Bに沿ってなど、点荷重を生じる可能性があるキャリア30A,30Bの部分に沿って位置付けられる。複数のリブ360A,360Bの各々は、一般に、テーパー付きトラスのような形状にされる。リブ360A,360Bは、荷重を受けて圧壊可能又は撓み可能である。リブ360A,360Bは、弾性材料及び関数様バネから作られる。リブ360A,360Bは、弾性材料から作られて、バネのように機能する。リブ360A,360Bは、加荷重を364に近接したリブ360A,360Bだけが撓むように離散要素として形成される(
図9B)。リブ360A,360Bは、張力線348A,348B(
図9B)の上方に延びて、張力線348A,348Bの上方で懸架材料34A,34Bの一部を支持し、張力線348A,348Bの上方に正の緩衝湾曲部を形成する。リブ360A,360Bは、懸架材料34A,34Bが加荷重364を受けたときに該懸架材料34A,34Bがフレーム26A,26Bの支持面101A,101Bに接触するのを阻止する。リブ360A,360Bは、例えば、ゴム又はシリコーンなど、弾性材料で作られる。
図8Aに示すように、上側リップ280A,280Bの幅362A,362B及びリブ360A,360Bの長さは、フレーム26A,26Bの輪郭に沿って変化することができる。
【0034】
図10Aに示すように、一部の実施形態において、キャリア30A,30Bは、短い上側リップ368A,368Bを含むことができる。このような実施形態において、懸架材料34A,34Bが加荷重364を受けると、懸架材料34A,34Bは、破線によって識別される位置まで撓む。撓んだ懸架材料34A,34Bは、フレーム26A,26Bの支持面101A,101Bに近接し、これによりユーザをフレーム26A,26Bの硬質の支持面101A,101Bに触れさせることができる。
【0035】
図10Bに示すように、一部の実施形態において、キャリア30A,30Bは、細長い上側リップ372A,372Bを含む。懸架材料34A,34Bが加荷重364を受けると、該懸架材料34A,34B及び細長い上側リップ372A,372Bは、破線によって識別される位置まで撓む。このような実施形態において、細長い上側リップ372A,372Bは、片持ちの弾性支持を提供し、懸架材料34A,34Bは、荷重364を受けて僅かな撓みを生じる。ユーザは、依然として、フレーム26A,26Bの硬質支持面101A,101Bに接触することができるが、
図10Aに示す実施形態におけるよりも少ない範囲である。
【0036】
図10Cは、キャリア30A,30Bが細長い上側リップ372A,372Bと該細長い上側リップ372A,372Bから延びる複数のリブ360A,360Bとを含む構成を例示している。懸架材料34A,34Bが加荷重364を受けると、懸架材料34A,34B、細長い上側リップ372A,372B及びリブ360A,360Bは、破線で識別される位置まで撓む。リブ360A,360Bは、加荷重364が加わったときに引張線348A,348Bの線にわたって懸架材料34A,34Bの一部を保持して、緩衝作用を提供し、並びにユーザがフレーム26A,26Bの支持面101A,101Bに接触するのを阻止する。従って、細長い上側リップ372A,372B及びリブ360A,360Bは、ユーザが接触するフレーム26A,26Bの一部に沿って(例えば、第1のクロスフレーム部材86A,86Bに沿って又はアームレスト28Bに沿って)位置付けられ、座席構造体10A,10Bの縁部での圧点を低減するのを助けることができる。
【0037】
図11A~
図11Bは、代替の取付特徴要素を備えた、フレーム378及びキャリア379の一部を例示している。例示の実施形態において、フレーム378上の第1の取付特徴要素は、実質的に矩形のステム376及び返し付き遠位端380を有する歯状部104Cを含む。ステム376の幅384は、該ステム376の長さ388に沿って一定あるが、返し付き遠位端381の幅392は、ステム376の幅384よりも幅広である。キャリア379上の第2の取付特徴要素は、ステム376を受けるようなサイズにされた幅393を有するアパーチャ264Cを含む。各アパーチャ264Cの深さ394は、各ステム376の長さ388と実質的に同様とすることができる。返し付き遠位端380は、キャリア379チャンネル395内に延びることができる。各返し付き遠位端381の幅392は、各アパーチャ264Cの幅393よりも幅広である。返し付き遠位端380の幅広の幅392は、キャリア379の装荷に応答して、歯状部104Cがキャリア379から引き出されるのを阻止する。
【0038】
図12A~
図12Bは、代替の取付特徴要素を備えた、フレーム396及びキャリア398の一部を例示している。例示の実施形態において、フレーム396上の第1の取付特徴要素は、第1の形状を有する第1の歯状部400と、第2の形状を有する第2の歯状部404とを含む。例示の第1の歯状部400は矩形である。例示の第2の歯状部404は、実質的に矩形のステム306と、矩形ステム376と上述の遠位端380に類似した返し付き遠位端407とを有する。各第1の歯状部404は、ステム406の幅409と実質的に同じである幅411を有する。各第1の歯状部404はまた、長さ412を有する。キャリア398上の第2の取付特徴要素は、上述のアパーチャ264Cと実質的に同じであるアパーチャ264Dを含む。各アパーチャ264Dの深さ413は、各第1の歯状部400の長さ412と実質的に同じである。キャリア398がフレーム396と係合されると、第2の複数の歯状部408の返し付き遠位端407は、アパーチャ264Dの深さ413を超えて延び、キャリア398のチャンネル410内に突出する。第1の歯状部404は、チャンネル410内には延びない。返し付き遠位端407の幅は、アパーチャ264Dの幅よりも幅広であるので、返し付き遠位端407は、キャリア398の装荷に応答して、歯状部404がキャリア398から引き出されるのを阻止する。
【0039】
図13A~
図13Bは、代替の取付特徴要素を備えた、フレーム420及びキャリア422の一部を例示している。例示の実施形態において、フレーム420上の第1の取付特徴要素は、比較的遠くに離間して配置された第1の歯状部104Eを含む。換言すると、歯状部104E間の間隔424は、各歯状部104Eの幅428よりも大きい。キャリア422上の第2の取付特徴要素は、アパーチャ264Eである。アパーチャ264E間の間隔432は、歯状部104E間の間隔424に相当する。例示の実施形態において、アパーチャ264Eはキャビティである。アパーチャ264Eは、フレーム420がキャリア422と契合したときに歯状部104Eが見えないようにするため、キャリア422の幅434よりも小さい深さ436を有する。
【0040】
図14A~
図14Cは、代替の取付特徴要素を備えた、フレーム437及びキャリア438の一部を例示している。例示の実施形態において、フレーム437は、アパーチャ264Fである複数の第1の取付特徴要素を含む。キャリア438は、歯状部104Fである複数の第2の取付特徴要素を含む。アパーチャ264Fは、等間隔で配置され、矩形断面を有する。アパーチャ264F間の間隔440は、アパーチャ264Fの幅444と実質的に同じである。歯状部104Fは、矩形断面を有し、アパーチャ264Fの深さ452と実質的に同じである長さ448を有する。
【0041】
図15A~
図15Cは、代替の取付特徴要素を備えた、フレーム458及びキャリア459の一部を例示している。例示の実施形態において、キャリア459は、第1の複数の歯状部460、第2の複数の歯状部464、及び第3の複数の歯状部468を含む。歯状部460,464,468は、等しくない幅を有する。各第1の歯状部460は、第1の幅472を有する。各第2の歯状部468は、第1の幅472よりも幅広の第2の幅476を有する。各第3の歯状部468は、第2の幅476よりも幅広の第3の幅480を有する。第1の歯状部460、第2の歯状部468及び第3の歯状部468は、等間隔に配置することができる。例示の実施形態において、歯状部460,464,468間の間隔484は、第1の幅472と同じである。フレーム458は、第1の複数のアパーチャ488、第2の複数のアパーチャ492、及び第3の複数のアパーチャ496を含む。アパーチャ488,492,496は、等しくない幅を有する。各第1のアパーチャ488は、第1の幅500を有する。各第2のアパーチャ496は、第1の幅500よりも幅広の第2の幅504を有する。各第3のアパーチャ496は、第2の幅504よりも幅広の第3の幅504を有する。第1のアパーチャ488、第2のアパーチャ496、及び第3のアパーチャ496は、第1の歯状部460、第2の歯状部464及び第3の歯状部をそれぞれ受けるように構成される。
【0042】
図16A~
図16Bは、湾曲部512を含むフレーム510と、湾曲部526を含むキャリア514とを例示している。フレーム510は、等しい幅で等間隔に配置された複数のアパーチャ264Gを有する直線部559を含む。フレーム510の湾曲部512は、単一の細長いアパーチャ567を有する。キャリア516は、等しい幅で等間隔に配置された歯状部104Gを有する直線部563を含む。アパーチャ264Gの間隔565は、歯状部104Gの幅571にほぼ等しい。キャリア514の湾曲部516は、単一の細長い歯状部584を含む。フレーム510の湾曲部512における単一の細長いアパーチャ567及びキャリア514の湾曲部516における単一の細長い歯状部584は、フレーム510及びキャリア514の製造並びに座席構造体10A,10Bの組み付けを容易にすることができる。
【0043】
図17は、本発明を具現化する座席構造体544を例示している。例示の座席構造体544は、サドル型スツールである。スツールは、基部545、支持コラム546、フレーム548、キャリア552、及び懸架材料556を含む。座席構造体544のフレーム548、キャリア552、及び懸架材料556は、相対的に高く狭い前部と、相対的に短く幅広の後部とを有するスツールを形成するよう構成される。
【0044】
図18Bに示すように、フレーム548は、前方部分560、第1の側方部分564、第2の側方部分568、及び後方部分572を含む。前方部分560は、垂直方向に延び、実質的にアーチ型とすることができる。前方部分560は、後方部分572から離間して配置され、これらの間に開口580を定める。第1の側方部分564及び第2の側方部分568は、離間して配置され、前方部分560及び後方部分572に垂直である。例示の実施形態において、前方部分560、第1の側方部分564、第2の側方部分568、及び後方部分572は、共に連結されて閉ループ又はリングを形成する。
【0045】
図18B~
図18Cに示すように、後方部分572は、前方部分560の幅592よりも幅広の拡大幅588を有する。第1の側方部分564及び第2の側方部分568は、開口580の幅596が前方部分560から後方部分572まで増大するような形状にされる。交差部600は、第1の側方部分564と第2の側方部分568との間に位置付けられる。支持コラム546は、交差部600に取り付けられる。例示の実施形態において、第1の側方部分564及び第2の側方部分568は、湾曲形状を有する。前方部分560は、第1の側方部分564及び第2の側方部分568の高さよりも大きい高さを有する。
【0046】
フレーム548は、支持面604及び外周部608を含む。外周部608は、複数の外方に延びる第1の取付特徴要素610を含む。例示の実施形態において、第1の取付特徴要素610は歯状部611である。他の実施形態において、第1の取付特徴要素610はアパーチャとすることができる。例示の実施形態において、第1の取付特徴要素610の一部は、フレーム548と一体的に形成される。
図17に例示される実施形態において、フレーム548はまた、第1の取付特徴要素610を有する別個のインサート部材612を含む。
【0047】
図17に示すように、キャリア552は、前方部分616、第1の側方部分620、第2の側方部分624及び後方部分628を含む。前方部分616は、後方部分628から離間して配置される。第1の側方部分620及び第2の側方部分624は、離間して配置され、前方部分616及び後方部分628に実質的に垂直である。前方部分616、第1の側方部分620、第2の側方部分624、及び後方部分628は、共に連結されて連続ループ又はリングを形成する。
【0048】
キャリア552は、支持面644及び内周部648を含む。複数の第2の取付特徴要素650は、内周部648からうち向きに延びる。例示の実施形態において、第2の取付特徴要素650はアパーチャ651である。他の実施形態において、第2の取付特徴要素650は歯状部とすることができる。キャリア552のアパーチャ651は、フレーム548の歯状部611を受けて、キャリア552をフレーム548に連結する。
【0049】
懸架材料556は、キャリア552に結合される。例示の実施形態において、懸架材料556は、キャリア552内に成形される。代替の実施形態において、懸架材料556は、他の好適な結合手段を用いてキャリア552により取り付けることができる。懸架材料556は、エラストマー材料、織物、又は成形ポリマー材料など、織成又はニット材料から作ることができる。
【0050】
複数の第1の取付特徴要素102A,102Bを複数の第2の取付特徴要素262A,262Bに係合することによって、キャリア552がフレーム548に連結されると、懸架材料556は、フレーム548の開口580にわたって伸張される。
図17に示すように、キャリア552がフレーム548に取り付けられると、懸架材料556はサドル形状を形成する。フレーム548の前方部分560は、サドルの「ホーン」部分を定め、フレーム548の後方部分572は、隆起した後方支持部分を形成し、2つの湾曲した側方部分564,568は、ユーザの大腿部を係合するよう構成される。一部の実施形態において、キャリア552は、第1及び第2の側方部分564,568に沿ってなど、点荷重を生じることができるキャリア30A,30Bの部分に沿って位置付けられた複数のリブ(リブ360A,360Bと同様の)を含むことができる。
【0051】
図19A~
図19Eは、懸架材料のインモールド縁部を有するキャリア(上述のキャリアの何れかなど)を形成するのに使用される金型656を示している。金型656は、第1の金型要素660と第2の金型要素664とを含む。第1の金型要素660と第2の金型要素664は、これらの間にキャビティ668を定める。懸架材料は、該懸架材料の縁部がキャビティ668内に配置されるようにするため、第1の金型要素660と第2の金型要素664との間に取り込まれる。第2の取付特徴要素262A,262Bがアパーチャ264A,264Bである実施形態では、第1の金型要素660は、キャリアのアパーチャ264A,264B、チャンネル304A,304B、上面部308A,308B、及び上側リップ280A,280Bを定める特徴要素672(例えば、歯状部672’及び突出部672’)を含む。一部の実施形態において、特徴要素672は、同じ金型656を用いてキャリア30A,30Bの異なる構成を成形できるようにするため取り外し可能なインサート676上にある。第2の金型要素664は、第1の金型要素660の特徴要素672の端部684に当接する壁680を有し、これによりキャリアに貫通開口又は凹部を形成及び定めるようにする。
【0052】
キャリア30A,30Bが形成されると、懸架材料34A,34Bの縁部356A,356Bは、
図19Bに示すように金型656内に位置付けられる。第1の金型要素660と第2の金型要素664は、該第1の金型要素660と第2の金型要素664が垂直方向に重ね合わされ、これらの間に縁部356A,356Bが位置付けられるように閉鎖される。液化キャリア材料が、例えば、射出成形によって第1の金型要素660に定められた通路688を通ってキャビティ668内に導入される。キャビティ668内に配置された懸架材料34A,34Bの縁部356A,356Bの周りで液化キャリア材料を固化させる(
図19C)。液化キャリア材料が固化した後、第1の金型要素660は、該第1の金型要素660の歯状部672’に実質的に垂直な方向(例えば、垂直方向)で第2の金型要素664に対して開放されて、第1の金型要素660上でキャリア30A,30Bを保持する(
図19D)。懸架材料34A,34Bに力又は荷重が加えられ、キャリア30A,30Bを第1の金型要素660から離型又は取り出す。
【0053】
再度、
図1A~
図2Bを参照すると、キャリア30A,30Bをフレーム26A,26Bに取り付けるために、例えば、複数の外方に延びる歯状部104A,104Bの1つをアパーチャ264A,264Bの1つと整列させることにより、キャリア30A,30Bの第2の取付特徴要素262A,262Bのセクションは、フレーム26A,26Bの第1の取付特徴要素102A,102Bのセクションと整列する。次に、歯状部104A,104Bの遠位端204A,204Bがポスト314A,314Bのうちの2つの間に配置されてチャンネル304A,304Bに沿って同じ高さになるように、キャリア30A,30Bのアパーチャ264A,264Bが歯状部104A,104Bの長さ208A,208Bに沿って押し込まれる。次いで、歯状部104A,104Bの全てがアパーチャ264A,264Bの1つに受けられるまで、複数の歯状部104A,104Bが複数のアパーチャ264A,264Bと連続的に係合される。
【0054】
アパーチャ264A,264Bが貫通開口である実施形態において、この取り付けプロセスは、完全に視認することができ、歯状部毎に制御することができる。ローラ696,700,704を含む工具692(
図20)は、キャリア30A,30Bの周囲の周りを移動して、キャリア30A,30Bをフレーム26A,26Bに固定する。工具692のローラ696,700は、キャリア30A,30Bに押し付けられ、その周囲に沿って転動されて、キャリア30A,30Bをフレーム26A,26Bに連結する。ローラ704は、キャリア30A,30Bの上側リップ280A,280Bと下側リップ286A,286Bとの間に定められるチャンネル304A,304B内に載り、該チャンネルは、工具692のための軌道として機能する。キャリア30A,30Bがフレーム26A,26Bに取り付けられると、懸架材料34A,34Bは、フレーム26A,26Bによって定められる開口98A,98Bにわたって引張状態に保持される。
【0055】
本発明の様々な特徴要素及び利点が、添付の請求項に記載される。