(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】止水パネル
(51)【国際特許分類】
E06B 5/00 20060101AFI20220111BHJP
E06B 7/22 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
E06B7/22 M
(21)【出願番号】P 2018000373
(22)【出願日】2018-01-05
【審査請求日】2020-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【氏名又は名称】小池 勇三
(74)【代理人】
【識別番号】100095212
【氏名又は名称】安藤 武
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 展之
【審査官】鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3214872(JP,U)
【文献】特開2013-238007(JP,A)
【文献】特開2017-125382(JP,A)
【文献】特開2014-047502(JP,A)
【文献】特開2016-028182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/00
E06B 7/22
E04H 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル本体と、このパネル本体の外縁部に取り付けられた外縁防水シール部材とを含んで構成されている止水パネルであって、
開口部の少なくとも一部を塞ぐために前記開口部に配置され、前記開口部の外側を形成している左右の側部と上下部のうち、少なくとも左右の側部と下部とに前記外縁防水シール部材が当接することにより、水が前記開口部を通過することを阻止する止水パネルにおいて、
前記外縁防水シール部材は、前記パネル本体の左右端面と上下端面のうち、少なくとも左右端面と下端面とに取り付けられ、前記パネル本体の幅方向となっている左右方向の途中部に、このパネル本体を前記左右方向に少なくとも2個のパネル構成部材に分割し、これらのパネル構成部材を折り畳み可能かつ平面視で直線状態又は略直線状態に展開可能とするための少なくとも1個の折り畳み部が設けられ、折り畳まれていた少なくとも前記2個のパネル構成部材を前記折り畳み部を中心に展開させることにより、前記パネル本体の前記下端面に取り付けられている前記外縁防水シール部材を前記開口部の前記下部に接触させて、前記パネル本体の前記左右端面に取り付けられている前記外縁防水シール部材を前記開口部の前記左右の側部に圧接状態で当接可能となって
おり、
前記開口部は、室外と室内との境界部に配置されたドア枠の内側に形成されていて、開き戸により開閉される出入口であり、前記開口部の前記左右の側部と前記下部は、前記ドア枠の左右の側枠部材と下枠部材により形成され、前記パネル本体及び/又は前記外縁防水シール部材の室内側の面は、前記左右の側枠部材と前記下枠部材とに前記開き戸の全閉位置を規定するために設けられている戸当り部に、前記水の圧力が作用する室外側から当接可能となっており、
前記折り畳み部は少なくとも前記2個のパネル構成部材を前記室内側に折り畳み可能とするものであって、これらのパネル構成部材は、前記室外側には折り畳み不能となっていることを特徴とする止水パネル。
【請求項2】
請求項1に記載の止水パネルにおいて、前記折り畳み部は、前記パネル本体の前記室内側の面に取り付けられたヒンジによって形成されていることを特徴とする止水パネル。
【請求項3】
請求項2に記載の止水パネルにおいて、前記ヒンジは、前記パネル本体の前記室内側の面に上下複数個設けられていることを特徴とする止水パネル。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の止水パネルにおいて、少なくとも前記2個のパネル構成部材のうち、少なくとも1個のパネル構成部材には、前記2個のパネル構成部材を前記折り畳み部を中心に展開させたときにこの折り畳み部の防水性を確保するための内縁防水シール部材が設けられていることを特徴とする止水パネル。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の止水パネルにおいて、前記パネル本体には、折り畳まれていた少なくとも前記2個のパネル構成部材を前記折り畳み部を中心に展開させたときにこれらのパネル構成部材を平面視で直線状態又は略直線状態に維持させるための直線状態維持手段が設けられていることを特徴とする止水パネル。
【請求項6】
請求項5のいずれかに記載の止水パネルにおいて、前記直線状態維持手段は、前記パネル本体に上下複数個設けられていることを特徴とする止水パネル。
【請求項7】
請求項5又は6のいずれかに記載の止水パネルにおいて、前記直線状態維持手段は、展開されたときの前記2個のパネル構成部材に跨るかんぬき棒部材を有するものとなっていることを特徴とする止水パネル。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の止水パネルにおいて、少なくとも前記2個のパネル構成部材には、これらのパネル構成部材を前記折り畳み部を中心に手動で折り畳み操作及び展開操作するための手動操作部が設けられていることを特徴とする止水パネル。
【請求項9】
請求項8に記載の止水パネルにおいて
、前記手動操作部は、少なくとも前記2個のパネル構成部材の
前記室外側の面と
前記室内側の面とのうち、前記水の圧力が作用しない
前記室内側の面に設けられていることを特徴とする止水パネル。
【請求項10】
請求項9に記載の止水パネルにおいて、前記手動操作部における前記パネル構成部材の厚さ方向の外面の位置が、少なくとも前記2個のパネル構成部材が折り畳まれたときに互いに対面する前記室内側の面と同一の位置又はこの面よりも前記パネル構成部材の厚さ方向内側の位置となっていることを特徴とする止水パネル。
【請求項11】
請求項10に記載の止水パネルにおいて、少なくとも前記2個のパネル構成部材の前記室内側の面には、これらのパネル構成部材の厚さ方向に窪んだ窪み部が形成され、少なくとも前記2個のパネル構成部材の前記室内側の面に前記手動操作部を設けるために、前記窪み部が前記手動操作部を残して奥側が上方へ延出したものとなっていることにより、前記手動操作部は、垂下した部分として少なくとも前記2個のパネル構成部材に設けられていることを特徴とする止水パネル。
【請求項12】
請求項1~11のいずれかに記載の止水パネルにおいて、
前記出入口の下端部からこの出入口の高さの途中までの上下寸法を有していることを特徴とする止水パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大雨時や洪水発生時等において、例えば、出入口等の開口部を水が通過することを阻止するための止水パネルに係り、開き戸や引き戸等で開閉される出入口等の開口部に適用できるものである。
【背景技術】
【0002】
大雨時や洪水発生時等において、開き戸により開閉される出入口から水が室内に流入することを防止するための止水パネルが下記の特許文献1に示されている。この止水パネルは、パネル本体と、このパネル本体の外縁部に取り付けられた外縁防水シール部材とを含んで構成されているものであって、開き戸により開閉される開口部となっているドア枠の内側の出入口の一部を塞ぐためにこの出入口の下側の部分に配置されるものとなっており、開き戸が閉じられることにより、外縁防水シール部材が、ドア枠の左右の側部と下部を形成している左右の側枠部材と下枠部材に設けられている戸当り部に開き戸の押圧力によって押圧され、これにより、出入口から水が室内に流入することを阻止できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されている止水パネルは、パネル本体の外縁部に取り付けられた外縁防水シール部材が、閉じられた開き戸の押圧力によりドア枠の左右の側枠部材と下枠部材に設けられている戸当り部に押圧されるものになっているため、開き戸を開いているときには、止水パネルによって出入口から水が室内に流入することを阻止できず、また、開き戸が設けられていない開口部については、この開口部を水が通過することを阻止できない。
【0005】
本発明の目的は、開き戸等の扉体の有無に関係なく、また、扉体が設けられている開口部については、この扉体が開いていても、開口部を水が通過することを阻止できるようになる止水パネルを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る止水パネルは、パネル本体と、このパネル本体の外縁部に取り付けられた外縁防水シール部材とを含んで構成されている止水パネルであって、開口部の少なくとも一部を塞ぐために前記開口部に配置され、前記開口部の外側を形成している左右の側部と上下部のうち、少なくとも左右の側部と下部とに前記外縁防水シール部材が当接することにより、水が前記開口部を通過することを阻止する止水パネルにおいて、前記外縁防水シール部材は、前記パネル本体の左右端面と上下端面のうち、少なくとも左右端面と下端面とに取り付けられ、前記パネル本体の幅方向となっている左右方向の途中部に、このパネル本体を前記左右方向に少なくとも2個のパネル構成部材に分割し、これらのパネル構成部材を折り畳み可能かつ平面視で直線状態又は略直線状態に展開可能とするための少なくとも1個の折り畳み部が設けられ、折り畳まれていた少なくとも前記2個のパネル構成部材を前記折り畳み部を中心に展開させることにより、前記パネル本体の前記下端面に取り付けられている前記外縁防水シール部材を前記開口部の前記下部に接触させて、前記パネル本体の前記左右端面に取り付けられている前記外縁防水シール部材を前記開口部の前記左右の側部に圧接状態で当接可能となっていることを特徴とするものである。
【0007】
このように本発明に係る止水パネルでは、外縁防水シール部材が、パネル本体の左右端面と上下端面のうち、少なくとも左右端面と下端面とに取り付けられているとともに、パネル本体の幅方向となっている左右方向の途中部に、このパネル本体を左右方向に少なくとも2個のパネル構成部材に分割し、これらのパネル構成部材を折り畳み可能かつ平面視で直線状態又は略直線状態に展開可能とするための少なくとも1個の折り畳み部が設けられており、折り畳まれていた少なくとも2個のパネル構成部材を折り畳み部を中心に展開させることにより、パネル本体の下端面に取り付けられている外縁防水シール部材を開口部の下部に接触させて、パネル本体の左右端面に取り付けられている外縁防水シール部材を開口部の左右の側部に圧接状態で当接可能となっているため、パネル本体の下端面に取り付けられている外縁防水シール部材を開口部の下部に接触させて、パネル本体の左右端面に取り付けられている外縁防水シール部材を開口部の左右の側部に圧接状態で当接させることを、折り畳まれていた少なくとも2個のパネル構成部材を折り畳み部を中心に展開させることによって実現することができる。
【0008】
このため、上述の圧接状態により、本発明に係る止水パネルを開口部に固定した状態で配置することができるため、開き戸等の扉体の有無に関係なく、また、扉体が設けられている開口部については、この扉体が開いていても、開口部を水が通過することを阻止できるようになる。
【0009】
また、パネル本体が折り畳み部により折り畳み可能となっていることにより、本発明に係る止水パネルを開口部に配置していないときに、折り畳み部により折り畳むことができ、このため、本発明に係る止水パネルを小型化して収納等を有効に行える。
【0010】
なお、上述のように、折り畳まれていた少なくとも2個のパネル構成部材を折り畳み部を中心に展開させることにより、パネル本体の左右端面に取り付けられている外縁防水シール部材を開口部の左右の側部に圧接状態で当接可能とすることは、少なくとも2個のパネル構成部材を折り畳み部を中心に展開させたときのパネル本体と自然時の外縁防水シール部材との合計の幅方向の寸法を、開口部の左右の側部の間の寸法よりも少し大きい寸法とし、これにより、少なくとも2個のパネル構成部材を折り畳み部を中心に展開させたときに、外縁防水シール部材を開口部の左右の側部からの押圧力で圧縮変形することにより実現できる。
【0011】
また、本発明に係る止水パネルにおいて、パネル本体を左右方向に分割し、この分割によって生ずるパネル構成部材を折り畳み可能かつ平面視で直線状態又は略直線状態に展開可能とするための折り畳み部の個数は、1個でもよく、複数個でもよい。
【0012】
また、以上の本発明において、少なくとも前記2個のパネル構成部材のうち、少なくとも1個のパネル構成部材には、2個のパネル構成部材を折り畳み部を中心に展開させたときにこの折り畳み部の防水性を確保するための内縁防水シール部材を設けることが好ましい。
【0013】
これによると、開口部を水が通過することを阻止させるために、2個のパネル構成部材を折り畳み部を中心に展開させた止水パネルを開口部に配置したときに、折り畳み部についての防水性が内縁防水シール部材によって確保されるため、折り畳み部から水が漏れることを防止できる。
【0014】
また、本発明に係る止水パネルは、出入口よりも室外側の箇所において、コンクリート等で形成されている開口部に配置することができ、また、本発明に係る止水パネルは、開き戸により開閉される出入口にも配置することができる。
【0015】
本発明に係る止水パネルを開き戸により開閉される出入口に適用する場合には、言い換えると、開口部を、室外と室内との境界部に配置されたドア枠の内側に形成されていて、開き戸により開閉される出入口とする場合には、開口部の前記左右の側部と前記下部は、ドア枠の左右の側枠部材と下枠部材により形成されることになる。そして、この場合には、パネル本体及び/又は外縁防水シール部材の室内側の面を、左右の側枠部材と下枠部材とに開き戸の全閉位置を規定するために設けられている戸当り部に、水の圧力が作用する室外側から当接可能としてもよい。
【0016】
これによると、止水パネルの室外側の面に水の圧力が作用すると、パネル本体及び/又は外縁防水シール部材の室内側の面が、ドア枠の左右の側枠部材と下枠部材とに開き戸の全閉位置を規定するために設けられている戸当り部に水の圧力で当接することになり、これにより、止水パネルが室内側に移動することをこれらの戸当り部によって防止することができる。
【0017】
また、このように止水パネルの室外側の面に水の圧力が作用したときに、パネル本体及び/又は外縁防水シール部材の室内側の面が、ドア枠の左右の側枠部材と下枠部材とに開き戸の全閉位置を規定するために設けられている戸当り部に水の圧力で当接するようにする場合には、折り畳み部を、少なくとも2個のパネル構成部材を室内側に折り畳み可能とするものとし、これらのパネル構成部材を室外側には折り畳み不能とすることが好ましい。
【0018】
これによると、止水パネルの室外側の面に作用する水の圧力によって止水パネルが室外側に折り畳まれることを防止できる。
【0019】
また、以上の本発明に係る止水パネルにおいて、パネル本体には、折り畳まれていた少なくとも2個のパネル構成部材を折り畳み部を中心に展開させたときにこれらのパネル構成部材を平面視で直線状態又は略直線状態に維持させるための直線状態維持手段を設けることが好ましい。
【0020】
これによると、折り畳まれていた少なくとも2個のパネル構成部材を折り畳み部を中心に展開させたときに、これらのパネル構成部材を直線状態維持手段により平面視で直線状態又は略直線状態に維持させることができるため、開口部を水が通過することを本発明に係る止水パネルによって一層有効に阻止できる。
【0021】
なお、直線状態維持手段は、折り畳まれていた少なくとも2個のパネル構成部材を折り畳み部を中心に展開させたときに、これらのパネル構成部材を平面視で直線状態又は略直線状態に維持させることができるものであれば、任意な形式、構造のものでよく、例えば、かんぬき方式のものでもよく、あるいは、一方のパネル構成部材に回動自在に設けられたフック部材等の係止部材を他方のパネル構成に設けられた被係止部材に係止する係止構造のものでもよい。
【0022】
また、折り畳み部により折り畳み可能となっている少なくとも2個のパネル構成部材には、これらのパネル構成部材を折り畳み部を中心に手動で折り畳み操作及び展開操作するための手動操作部を設けることが好ましい。
【0023】
これによると、手動操作部により、少なくとも2個のパネル構成部材について折り畳み操作及び展開操作を手動により容易に行えるようになる。
【0024】
このように折り畳み部を中心に折り畳み可能となっている少なくとも2個のパネル構成部材に、これらのパネル構成部材を折り畳み部を中心に手動で折り畳み操作及び展開操作するための手動操作部を設ける場合であって、止水パネルで少なくとも一部が塞がれる開口部が室外と室内との境界部に設けられている場合には、手動操作部を、少なくとも2個のパネル構成部材の室外側の面と室内側の面とのうち、水の圧力が作用しない室内側の面に設けることが好ましい。
【0025】
これによると、手動操作部によって少なくとも2個のパネル構成部材を折り畳み操作及び展開操作することを、水の影響を受けない室内側において行えるため、これらの操作を容易に行える。
【0026】
また、上述したように、折り畳み部により折り畳み可能となっている少なくとも2個のパネル構成部材に、これらのパネル構成部材を折り畳み部を中心に手動で折り畳み操作及び展開操作するための手動操作部を設ける場合には、これらの手動操作部を、パネル構成部材の厚さ方向の2つの面のうち、少なくとも2個のパネル構成部材が折り畳み部を中心に折り畳まれたときに互いに対面する面の側に設けることが好ましい。
【0027】
これによると、手動操作部により少なくとも2個のパネル構成部材を折り畳み部を中心に手動で折り畳み操作することを容易に行える。
【0028】
そして、このように手動操作部を、少なくとも2個のパネル構成部材が折り畳み部を中心に折り畳まれたときに互いに対面する面の側に設ける場合には、手動操作部におけるパネル構成部材の厚さ方向の外面の位置を、互いに対面する面と同一の位置又はこの面よりもパネル構成部材の厚さ方向内側の位置とすることが好ましい。
【0029】
これによると、手動操作部は、パネル構成部材の厚さ方向の外面から突出していないため、本発明に係る止水パネルを収納等するために折り畳み部を中心に折り畳んだときに、少なくとも2個のパネル構成部材の厚さ方向の2つの面のうち、互いに対面する面同士を接触させて折り畳むことができるようになり、これにより、収納等を有効かつ容易に行えるようになる。
【0030】
また、以上の本発明において、止水パネルは、開口部の全体を塞ぐものでもよく、あるいは、この開口部が出入口である場合には、止水パネルを、この出入口の下端部からこの出入口の高さの途中までの上下寸法を有するものとし、止水パネルにより塞がれる出入口の範囲を、この出入口の下側の部分だけとしてもよい。
【0031】
後者によると、止水パネルにより出入口の下側の部分が塞がれているときでも、止水パネルの上を跨ぐことにより、出入口を通過することができるようになる。
【0032】
以上説明した本発明に係る止水パネルは、任意の開口部に適用することができ、この開口部は、開き戸装置のドア枠の内側に設けられ、開き戸により開閉される出入口でもよく、あるいは、引き戸装置の引き戸により開閉される開口部でもよく、あるいは、常時通過可能となっている通行用開口部でもよい。また、本発明に係る止水パネルは、窓枠の内側に、非通行用として形成されている開口部にも適用することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によると、開き戸等の扉体の有無に関係なく、また、扉体が設けられている開口部については、この扉体が開いていても、開口部を水が通過することを阻止できるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る止水パネルが適用される開き戸装置を示す正面図である。
【
図2】
図2は、
図1の開き戸装置の開き戸を開いたときを示す正面図である。
【
図3】
図3は、
図2のときに、止水パネルを開口部となっているドア枠の内側の出入口に配置した状態を示す正面図である。
【
図4】
図4は、止水パネルの全体を室内側から見た斜視図である。
【
図5】
図5は、止水パネルを室内側から見た背面図である。
【
図7】
図7は、止水パネルが折り畳み部により2個のパネル構成部材に折り畳み可能であることを示す平面図である。
【
図10】
図10は、直線状態維持手段が設けられている止水パネルの実施形態を示す
図5と同様の図である。
【
図11】
図11は、直線状態維持手段により止水パネルを平面視で直線状態又は略直線状態に維持させたときを示す
図5と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る止水パネルが適用される開き戸装置の全体が示されている。この開き戸装置は、開き戸1をドア枠2にヒンジ3により開閉自在に取り付けたものであり、
図2には、開き戸1を開けたときの状態が示されている。室外と室内との境界部になっている玄関等に配置されているドア枠2の内側の出入口4は、開き戸1により開閉される本実施形態における開口部であり、開き戸1を開けて出入口4を通過することにより、人は室外と室内との間を往復する。
【0036】
ドア枠2は、
図1及び
図2に示されているように、左右の側枠部材5,6と、上下の上枠部材7及び下枠部材8とからなる四方枠であり、左右の側枠部材5,6は、上記開口部の左右の側部を形成する部材となっており、上下の上枠部材7と下枠部材8は、この開口部の上下部を形成する部材となっている。また、下枠部材8により、開口部である出入口4の下端部が形成されている。
図2に示されているように、これらの左右の側枠部材5,6と、上下の上枠部材7及び下枠部材8には、閉じたときの開き戸1が当接することにより、この開き戸1の全閉位置を規定するための戸当り部5A,6A,7A,8Aが設けられ、また、閉じたときの開き戸1とドア枠2との間の気密性を確保するための気密部材9,10,11,12も、これらの枠部材5,6,7,8に設けられている。なお、戸当り部5A,6A,7A,8Aと気密部材9,10,11,12のうち、左右の側枠部材5,6と下枠部材8に設けられている戸当り部5A,6A,8A及び気密部材9,10,12は、後述する
図8と
図9にも示されている。
【0037】
図3には、開き戸1を開いているときに、出入口4の下側の部分を本実施形態の止水パネル20により塞いでいる状態が示されている。この止水パネル20は、左右方向の幅寸法が、ドア枠2を形成するために互いに対向して配置された左右の側枠部材5,6の間隔と対応する寸法となっていて、上下の高さ寸法が開き戸1の高さ寸法よりも小さくて、ドア枠2の下端部からこのドア枠2の高さの途中までの寸法となっているものである。
【0038】
図4には、止水パネル20を室内側から見た斜視図が示されており、
図5は、この止水パネル20の室内側を示す背面図である。止水パネル20は、パネル本体21と、このパネル本体21の外縁部に取り付けられた外縁防水シール部材22とを含んで構成されている。そして、外縁防水シール部材22は、パネル本体21の左右端面と上下端面のうち、左右端面23,24に取り付けられた側部外縁防水シール部材22A,22Bと、下端面25に取り付けられた下部外縁防水シール部材22Cとからなる。パネル本体21には、左右方向となっている幅方向の中央部において、上下複数個のヒンジ26による折り畳み部27が設けられ、この折り畳み部27により、パネル本体21は、左右2個のパネル構成部材21A,21Bに分割されているとともに、これらのパネル構成部材21A,21Bは、
図7に示されているように、ヒンジ26による折り畳み部27を中心に折り畳み可能となっているとともに、平面視で直線状態又は略直線状態に展開可能ともなっている。
【0039】
図4及び
図5に示されているように、パネル本体21の下端面25に取り付けられている下部外縁防水シール部材22Cは、2個のパネル構成部材21A,21Bごとに分割された分割下部外縁防水シール部材22Dと分割下部外縁防水シール部材22Eとからなる。また、パネル本体21の折り畳み部27には、内縁防水シール部材28が設けられ、この内縁防水シール部材28は、本実施形態では、2個のパネル構成部材21A,21Bのうち、一方のパネル構成部材21Aにおける他方のパネル構成部材21Bと対面する端面29に取り付けられているとともに、内縁防水シール部材28は、パネル構成部材21Aの分割下部外縁防水シール部材22Dの上面まで達しており、このため、この分割下部外縁防水シール部材22Dは、内縁防水シール部材28の左右方向の幅寸法を含む左右方向の長さ寸法を有するものとなっている。
【0040】
このため、
図7から分かるように、パネル本体21を折り畳み部27により2個のパネル構成部材21A,21Bに折り畳むことは、内縁防水シール部材28とパネル構成部材21Bとの間、及び分割下部外縁防水シール部材22Dと分割下部外縁防水シール部材22Eとの間を分割した状態で行われる。
【0041】
また、折り畳み部27を形成するためにパネル本体21に設けられている前述のヒンジ26は、
図4に示されているように、パネル本体21の室外側の面Aと室内側の面Bとのうち、室内側の面Bに取り付けられている。このため、
図7に示されているように、ヒンジ26によるパネル本体21の折り畳み部27は、2個のパネル構成部材21A,21Bを室内側に折り畳み可能とするものであり、これらのパネル構成部材21A,21Bは室外側には折り畳み不能となっている。
【0042】
パネル本体21の室内側の面Bは、
図4及び
図5に示されている2個のパネル構成部材21A,21Bの室内側の面B1,B2でもあり、これらの室内側の面B1,B2には、パネル構成部材21A,21Bの厚さ方向に窪んだ窪み部30が形成されている。
図6は
図5のS6-S6線断面図であり、この
図6から分かるように、パネル構成部材21A,21Bの室内側の面B1,B2に手動操作部31を設けるために、窪み部30は、手動操作部31を残して奥側が上方へ延出したものとなっている。このため、それぞれの手動操作部31におけるパネル構成部材21A,21Bの厚さ方向の外面の位置は、室内側の面B1,B2と同一の位置となっているとともに、これらの手動操作部31は、垂下した部分としてパネル構成部材21A,21Bに設けられている。
【0043】
なお、それぞれの手動操作部31におけるパネル構成部材21A,21Bの厚さ方向の外面を切削することにより、これらの手動操作部31におけるパネル構成部材21A,21Bの厚さ方向の外面の位置を、室内側の面B1,B2よりもパネル構成部材21A,21Bの厚さ方向内側の位置としてもよい。
【0044】
以上により、パネル構成部材21A,21Bの室内側の面B1,B2に手動操作部31が設けられていることになり、これらの室内側の面B1,B2は、パネル本体21を折り畳み部27を中心に折り畳んだときに、パネル構成部材21A,21Bの互いに対面する面となっているため、それぞれの手動操作部31は、パネル構成部材21A,21Bの互いに対面する面に設けられていることになる。
【0045】
また、パネル構成部材21A,21Bの室内側の面B1,B2に設けられているそれぞれの窪み部30に両手を差し入れて、それぞれの手動操作部31を指で握ることにより、
図7に示されているように、平面視で直線状態又は略直線状態に展開されていたパネル本体21を折り畳み部27を中心に手動操作により2個のパネル構成部材21A,21Bに折り畳むことができ、また、折り畳まれていた2個のパネル構成部材21A,21Bを折り畳み部27を中心に手動操作により展開して、これらのパネル構成部材21A,21Bを、平面視で直線状態又は略直線状態となったパネル本体21とすることも可能となっている。
【0046】
前述した外縁防水シール部材22と内縁防水シール部材28は、防水性と圧縮性を有する材料、例えば、EPDM(エチレンプロピレンゴム)やCR(クロロプレンゴム)等で形成されている。そして、外縁防水シール部材22のうち、前述した側部外縁防水シール部材22A,22Bの左右方向の寸法を含む止水パネル20全体の左右方向の幅寸法L1(
図5を参照)は、これらの側部外縁防水シール部材22A,22Bが圧縮されていない自然時において、後述する
図9に示されているドア枠2の左右の側枠部材5,6の間における止水パネル20の配置箇所での左右寸法L2よりも少し大きくなっている。
【0047】
図3に示されているように、止水パネル20をドア枠2の内側の開口部となっている出入口4に配置するときには、出入口4から開き戸1を開き、次いで、止水パネル20の2個のパネル構成部材21A,21Bを折り畳み部27を中心に少し開いた状態にして、これらのパネル構成部材21A,21Bの手動操作部31に指を掛けた人が、出入口4で室外と区画されている室内において、室外側に向けたパネル構成部材21A,21Bを手動操作部31に掛けた指の操作により折り畳み部27を中心に展開させる。これにより、
図3のS9-S9線断面図である
図9に示されているように、パネル本体21の左右端面23,24に取り付けられている側部外縁防水シール部材22A,22Bを、ドア枠2の左右の側部を形成している左右の側枠部材5,6に当接させ、また、
図3のS8-S8線断面図である
図8に示されているように、折り畳み部27を中心に展開させたパネル構成部材21A,21Bにより平面視で直線状態又は略直線状態となったパネル本体21の下端面25に取り付けられている下部外縁防水シール部材22Cを、ドア枠2の下部を形成している下枠部材8に接触させる。
【0048】
このようにパネル構成部材21A,21Bを、手動操作部31に掛けた指の操作により、折り畳み部27を中心に展開させ、これにより、パネル本体21の左右端面23,24に取り付けられている側部外縁防水シール部材22A,22Bを、ドア枠2の左右の側部を形成している左右の側枠部材5,6に当接させたときには、前述したように、側部外縁防水シール部材22A,22Bの左右方向の寸法を含む止水パネル20全体の左右方向の幅寸法L1が、側部外縁防水シール部材22A,22Bが圧縮されていない自然時において、ドア枠2の左右の側枠部材5,6の間における止水パネル20の配置箇所での左右寸法L2よりも少し大きくなっているため、側部外縁防水シール部材22A,22Bは、左右の側枠部材5,6からの押圧力によって圧縮変形してこれらの側枠部材5,6に当接することになる。このため、側部外縁防水シール部材22A,22Bは、左右の側枠部材5,6に圧接状態で当接することになる。
【0049】
この圧接状態により、開き戸1が出入口4を開いているときに、この出入口4の下側の部分に、止水パネル20を固定した状態で配置することができ、このため、大雨や洪水発生時等による水が出入口4を通過して室内に流入することを阻止できる。
【0050】
このため、本実施形態に係る止水パネル20は、開き戸等の扉体の有無に関係なく、また、扉体が設けられている開口部については、この扉体が開いていても、開口部を水が通過することを阻止させるために用いることができる。
【0051】
なお、側部外縁防水シール部材22A,22Bを左右の側枠部材5,6に圧縮変形させて当接させる際に、パネル本体21の下端面に取り付けられている下部外縁防水シール部材22Cを下枠部材8に上からの押圧力で押圧することにより、下部外縁防水シール部材22Cによる防水効果を一層確実に確保できるようにする。
【0052】
また、折り畳み部27を中心にパネル構成部材21A,21Bを展開させて平面視で直線状態又は略直線状態となったパネル本体21を形成したときには、このパネル本体21の折り畳み部27に配置されている内縁防水シール部材28は、パネル構成部材21A,21Bからの押圧力により圧縮変形するため、この折り畳み部27についての防水性も確保することができる。
【0053】
また、側部外縁防水シール部材22A,22Bを左右の側枠部材5,6に圧縮変形させて当接させたときには、
図8及び
図9に示されているように、側部外縁防水シール部材22A,22Bと下部外縁防水シール部材22Cの室内側の面を、ドア枠2の側枠部材5,6と下枠部材8とに開き戸1の全閉位置を規定するために設けられている前述の戸当り部5A,6A,8Aに、大雨や洪水発生時等において水の圧力が作用する室外側から当接させる。
【0054】
これによると、水の圧力により止水パネル20が室内側へ移動してしまうことを、戸当り部5A,6A,8Aによって防止でき、また、止水パネル20が折り畳み部27において室内側に屈曲することも、戸当り部8Aで抑制することができる。
【0055】
また、前述したように、2個のパネル構成部材21A,21Bは、折り畳み部27により室内側には折り畳み可能となっているが、室外側には折り畳み不能となっているため、止水パネル20の室外側の面に作用する大雨や洪水等による水の圧力により、2個のパネル構成部材21A,21Bが折り畳み部27を中心に室外側に折り畳まれることを防止できる。
【0056】
なお、
図8及び
図9では、側部外縁防水シール部材22A,22Bと下部外縁防水シール部材22Cの室内側の面が戸当り部5A,6A,8Aに当接しているが、これらの防水シール部材22A,22B,22Cの寸法設定により、パネル本体21の室内側の面Bを戸当り部5A,6A,8Aに当接させてもよく、側部外縁防水シール部材22A,22Bと下部外縁防水シール部材22Cの室内側の面と、パネル本体21の室内側の面Bとの両方を戸当り部5A,6A,8Aに当接させてもよい。
【0057】
さらに、本実施形態の止水パネル20には、この止水パネル20のパネル本体21を折り畳み部27を中心に2個のパネル構成部材21A,21Bに手動で折り畳み、これらのパネル構成部材21A,21Bを折り畳み部27により手動で展開させて、平面視で直線状態又は略直線状態となったパネル本体21を形成するために手動操作部31が設けられているため、これらの折り畳み操作と展開操作を手動操作部31により容易に行える。
【0058】
また、2個のパネル構成部材21A,21Bごとに設けられている手動操作部31は、パネル構成部材21A,21Bの厚さ方向の2つの面となっている室外側の面Aと室内側の面Bとのうち、大雨や洪水発生時等における水に影響を受けない室内側の面Bに設けられているため、手動操作部31による上述の折り畳み操作と展開操作とを水に影響されずに一層容易に行える。
【0059】
さらに、それぞれの手動操作部31は、手動操作部31におけるパネル構成部材21A,21Bの厚さ方向の外面の位置が、パネル構成部材21A,21Bが折り畳み部27により折り畳まれたときに互いに対面する面となっているパネル構成部材21A,21Bの室内側の面Bと同一の位置、又はこの面Bよりもパネル構成部材21A,21Bの厚さ方向内側の位置となってパネル構成部材21A,21Bに設けられているため、大雨や洪水等が解消したときに、2個のパネル構成部材21A,21Bを、これらのパネル構成部材21A,21Bの室内側の面B同士を接触させて折り畳むことができ、これにより、止水パネル20全体を小型化して収納等することができる。
【0060】
また、止水パネル20は、出入口4の下端部からこの出入口4の高さの途中までの上下寸法を有していて、出入口4の下側の部分を塞ぐものとなっているため、大雨や洪水発生時等において、出入口4に止水パネル20を配置しても、止水パネル20の上を跨ぐことにより、出入口4を通過することができる。
【0061】
図10には、別実施形態の止水パネル20’が示されている。この止水パネル20’には、2個のパネル構成部材21A,21Bを折り畳み部27を中心に展開させて、パネル本体21を平面視で直線状態又は略直線状態にしたときに、この状態を維持できるようにするための直線状態維持手段40が設けられている。2個のパネル構成部材21A,21Bに跨る構成となっているこの直線状態維持手段40は、パネル本体21
に上下複数個設けられている。
【0062】
それぞれの直線状態維持手段40は、パネル構成部材21Bの室内側の面B2に形成された窪み部41の内部に左右方向に複数個が配置されている支持部材42と、これらの支持部材42に形成された貫通孔42Aに左右方向に挿通されたかんぬき棒部材43と、2個のパネル構成部材21A,21Bを折り畳み部27を中心に展開させたときに、互いに連通状態となる孔になり、パネル構成部材21A,21Bと内縁防水シール部材28との内部に設けられている連通孔44と、パネル構成部材21Aの室内側の面B1に形成された窪み部45の内部に左右方向に複数個が配置されている支持部材46とを有するものになっており、これらの支持部材46には、連通孔44を通過してパネル構成部材21Bに達したかんぬき棒部材43の一部を挿通させることができる貫通孔46Aが設けられている。
【0063】
このため、室内に居る人が、パネル構成部材21Bの窪み部41に全体が配置されていたかんぬき棒部材43をパネル構成部材21A側へスライド移動させることにより、
図11に示されているように、このかんぬき棒材43の後部を、パネル構成部材21Bの支持部材42の貫通孔42Aに挿入した状態を保持して、かんぬき棒部材43の先部を、パネル構成部材21Aの支持部材46の貫通孔46Aに挿入させる。
【0064】
これにより、かんぬき棒部材43は2個のパネル構成部材21A,21Bに跨って配置され、このため、それぞれの直線状態維持手段40ごとに設けられているかんぬき棒部材43の強度により、パネル本体21を平面視で直線状態又は略直線状態に維持できることになる。
【0065】
このため、この実施形態の止水パネル20’によると、出入口4の下側の部分に配置された止水パネル20’は、大きな強度により平面視で直線状態又は略直線状態に維持された構造となっているため、止水パネル20’の室外側の面に大雨や洪水等による水が作用しても、止水パネル20’が、折り畳み部27において、室外側や室内側に屈曲することを直線状態維持手段40により防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、大雨時や洪水発生時等において、例えば、開き戸や引き戸等で開閉される出入口等の開口部を水が通過することを阻止するために利用できる。
【符号の説明】
【0067】
1 開き戸
2 ドア枠
4 開口部である出入口
5,6 開口部の左右の側部を形成しているドア枠の左右の側枠部材
5A,6A 戸当り部
8 開口部の下部を形成しているドア枠の下枠部材
8A 戸当り部
20,20’ 止水パネル
21 パネル本体
21A,21B パネル構成部材
22,22A,22B,22C,22D,22E 外縁防水シール部材
23,24 パネル本体の左右端面
25 パネル本体の下端面
26 ヒンジ
27 折り畳み部
28 内縁防水シール部材
30 窪み部
31 手動操作部
40 直線状態維持手段
43 かんぬき棒部材
A 室外側の面
B,B1,B2 室内側の面