(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/239 20180101AFI20220128BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20220128BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20220128BHJP
F21S 43/241 20180101ALI20220128BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20220128BHJP
F21S 43/249 20180101ALI20220128BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20220128BHJP
F21W 103/15 20180101ALN20220128BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20220128BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20220128BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20220128BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220128BHJP
【FI】
F21S43/239
F21S43/14
F21S43/237
F21S43/241
F21S43/245
F21S43/249
F21W103:00
F21W103:15
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:55
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2018546241
(86)(22)【出願日】2017-10-05
(86)【国際出願番号】 JP2017036231
(87)【国際公開番号】W WO2018074242
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-09-18
(31)【優先権主張番号】P 2016203823
(32)【優先日】2016-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】仲田 麻美
(72)【発明者】
【氏名】原 弘明
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-513912(JP,A)
【文献】特開2015-011939(JP,A)
【文献】特開2014-007014(JP,A)
【文献】特開平09-207661(JP,A)
【文献】特開2011-044394(JP,A)
【文献】特開2015-041466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/239
F21S 43/237
F21S 43/245
F21S 43/249
F21S 43/241
F21S 43/14
F21W 103/00
F21W 103/15
F21W 103/20
F21W 103/35
F21W 103/55
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光源と、
棒状部及び板状部を有する導光体と、
を備え、
前記導光体は、前記棒状部の周面が前記板状部の側面に接続された構造を有し、
前記板状部は、内部に光拡散材を含有し、
前記第1光源の光は、前記棒状部の一方の端部から前記棒状部に入射し、前記棒状部の前記周面から前記板状部に進入し、前記光拡散材によって前記板状部の主表面から出射され
、
車両用灯具は、第3光源をさらに備え、
前記導光体は、2つの前記棒状部を有し、
一方の前記棒状部は前記板状部の第1側面に接続され、他方の前記棒状部は前記第1側面に背向する前記板状部の第2側面に接続され、
一方の前記棒状部の端部に前記第1光源が配置され、他方の前記棒状部の端部に前記第3光源が配置され、
前記板状部は、前記第1側面と前記第2側面との間に配置される屈折部であって前記第1側面から前記第2側面側且つ灯具前方側に延びる第1領域と、前記第2側面から前記第1側面側且つ灯具前方側に延びる第2領域とが接続される屈折部を有し、
前記第3光源が点灯して前記第2領域が発光することで第1の灯具機能を発揮し、前記第1光源が点灯して前記第1領域が発光することで第2の灯具機能を発揮することを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記棒状部と前記板状部とは一体成形品である請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記棒状部の前記一方の端部から他方の端部に向けて内面反射しながら棒状部内を進む過程で前記周面から漏れる光が、前記板状部に進入する請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
本車両用灯具は、第2光源をさらに備え、
前記導光体は、前記第2光源の光を前記棒状部の周面から前記棒状部に入射させるための側枝部を有し、
前記第2光源の光は、前記側枝部の端部から前記側枝部に入射し、前記棒状部の前記周面を介して前記側枝部から前記棒状部に進入し、前記棒状部の前記周面から前記板状部に進入し、前記光拡散材によって前記板状部の主表面から出射される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記導光体は、前記棒状部の延在方向に対して直交する断面で見たとき、前記棒状部の直径と前記板状部の厚みとの比率が、所定の第1部位と、当該第1部位よりも前記第1光源から離れた第2部位とで異なる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関し、特に自動車などの車両に用いられる車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源の光を導光体を介して灯具前方へ出射する車両用灯具が知られている。例えば特許文献1には、板状導光体に側面から光を入射させて、灯具外側の主表面から灯具前方へ光を出射する構造を有する車両用灯具が開示されている。この車両用灯具では、板状導光体の側面から入射した光を、当該導光体の灯具内側の主表面に設けられたステップ等の反射要素によって反射させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステップ等の反射要素を用いて導光体から光を出射させる構造では、導光体を均一に面発光させることが難しかった。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、導光体表面の発光の均一性を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は車両用灯具である。当該車両用灯具は、第1光源と、棒状部及び板状部を有する導光体とを備える。導光体は、棒状部の周面が板状部の側面に接続された構造を有する。板状部は、内部に光拡散材を含有する。第1光源の光は、棒状部の一方の端部から棒状部に入射し、棒状部の周面から板状部に進入し、光拡散材によって板状部の主表面から出射される。この態様によれば、導光体表面の発光の均一性を向上させることができる。
【0007】
上記態様において、棒状部と板状部とは一体成形品であってもよい。また、上記態様において、棒状部の一方の端部から他方の端部に向けて内面反射しながら棒状部内を進む過程で周面から漏れる光が、板状部に進入してもよい。また、上記いずれかの態様において、本車両用灯具は、第2光源をさらに備え、導光体は、第2光源の光を棒状部の周面から棒状部に入射させるための側枝部を有し、第2光源の光は、側枝部の端部から側枝部に入射し、棒状部の周面を介して側枝部から棒状部に進入し、棒状部の周面から板状部に進入し、光拡散材によって板状部の主表面から出射されてもよい。また,上記いずれかの態様において、導光体は、棒状部の延在方向に対して直交する断面で見たとき、棒状部の直径と板状部の厚みとの比率が、所定の第1部位と、当該第1部位よりも第1光源から離れた第2部位とで異なってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、導光体表面の発光の均一性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る車両用灯具の正面図である。
【
図2】実施の形態1に係る車両用灯具の内部構造を示す正面図である。
【
図3】
図3(A)は、
図2のA-A線に沿った断面図である。
図3(B)は、
図2のB-B線に沿った断面図である。
【
図4】実施の形態1に係る車両用灯具が備える光源及び導光体の正面図である。
【
図5】
図5(A)及び
図5(B)は、板状部の光出射効率の測定方法を説明するための模式図である。
【
図6】
図6(A)、
図6(B)及び
図6(C)は、実施の形態1に係る車両用灯具におけるシーケンシャル発光を説明するための図である。
【
図7】実施の形態2に係る車両用灯具の正面図である。
【
図8】
図8(A)は、実施の形態3に係る車両用灯具が備える光源及び導光体の正面図である。
図8(B)は、
図8(A)のC-C線に沿った断面図である。
図8(C)は、
図8(A)のD-D線に沿った断面図である。
【
図9】
図9(A)は、実施の形態4に係る車両用灯具が備える光源及び導光体を模式的に示す正面図である。
図9(B)は、一方の第1光源が点灯した状態の導光体を模式的に示す正面図である。
図9(C)は、他方の第1光源が点灯した状態の導光体を模式的に示す正面図である。
【
図10】
図10(A)は、実施の形態5に係る車両用灯具が備える光源及び導光体を模式的に示す正面図である。
図10(B)は、
図10(A)のE-E線に沿った断面図である。
図10(C)は、一方の第1光源が点灯した状態の導光体を模式的に示す正面図である。
図10(D)は、
図10(C)のF-F線に沿った断面図である。
図10(E)は、他方の第1光源が点灯した状態の導光体を模式的に示す正面図である。
図10(F)は、
図10(E)のG-G線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。また、本明細書または請求項中に用いられる「第1」、「第2」等の用語は、いかなる順序や重要度を表すものではなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る車両用灯具の正面図である。
図2は、実施の形態1に係る車両用灯具の内部構造を示す正面図である。
図3(A)は、
図2のA-A線に沿った断面図である。
図3(B)は、
図2のB-B線に沿った断面図である。
図4は、実施の形態1に係る車両用灯具が備える光源及び導光体の正面図である。
図2では、アウターカバー104及び遮蔽部材114を取り外した状態の車両用灯具100を図示している。
【0012】
本実施の形態に係る車両用灯具100は、例えば車両後方に配置されるリアコンビネーションランプである。車両用灯具100は、開口部を有するランプボディ102と、ランプボディ102の開口部を覆う透光性のアウターカバー104とを備える。ランプボディ102とアウターカバー104とで形成される灯室106内には、第1光源108と、第2光源110と、導光体112と、遮蔽部材114とが収容される。第1光源108、第2光源110、導光体112及び遮蔽部材114は、それぞれランプボディ102に固定される。
【0013】
第1光源108及び第2光源110は、それぞれ例えばLED(発光ダイオード)である。なお、各光源は、LD(レーザーダイオード)、有機または無機EL(エレクトロルミネセンス)等の他の半導体発光素子や、白熱球、ハロゲンランプ、放電球等であってもよい。
【0014】
導光体112は、透光性を有する樹脂部材である。導光体112に用いられる樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等の、透明な熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を挙げることができる。導光体112は、棒状部116と、板状部118とを有する。
【0015】
棒状部116は、任意の一方向に延在する長尺の部分である。本実施の形態の棒状部116は、円柱状であり、車幅方向に延在する。棒状部116は、車幅方向外側に位置する一方の端部116a(あるいは端面)と、車幅方向内側に位置する他方の端部116b(あるいは端面)と、2つの端部116a,116bをつなぐ周面116cとを有する。
【0016】
板状部118は、互いに背向する2つの主表面118a,118bを有する。主表面118aは灯具前方側に位置し、主表面118bは灯具後方側に位置する。また、板状部118は、2つの主表面118a,118bをつなぐ複数の側面を有する。本実施の形態の板状部118は、棒状部116の延在方向に長い略四角形状であり、4つの側面118c,118d,118e,118fを有する。
【0017】
側面118c及び側面118dは、棒状部116の延在方向、すなわち車幅方向に延在する。また、側面118cが側面118dよりも鉛直方向下方に位置する。側面118cは、棒状部116の延在方向に対して平行に延びる。側面118dは、車幅方向外側から車幅方向内側に向かうにつれて、徐々に側面118cに近づくように湾曲している。側面118e及び側面118fは、棒状部116の延在方向に対して略直交する方向に延在する。側面118eは、側面118c及び側面118dの車幅方向外側の端部をつなぎ、側面118fは、側面118c及び側面118dの車幅方向内側の端部をつなぐ。
【0018】
図3(B)における破線領域Rの拡大図に示されるように、板状部118は、内部に光拡散材119を含有する。光拡散材119としては、金属酸化物粒子、例えば二酸化チタン粒子を挙げることができる。二酸化チタン粒子の平均粒径は、例えば150~500nm、好ましくは160~450nm、より好ましくは170~450nm、さらに好ましくは200~400nm、特に好ましくは220~400nmである。光拡散材119の含有量は、板状部118の質量全体に対して例えば0.1~100質量ppm、好ましくは0.1~50質量ppm、より好ましくは0.1~10質量ppmである。二酸化チタン粒子は、ルチル変態の割合が例えば50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。板状部118には、用いられる樹脂の主要モノマーと共重合可能な他のモノマーや、帯電防止剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤、潤滑剤、流動性改善剤、充填剤、光安定剤等の一般的な添加剤が含有されてもよい。
【0019】
板状部118は、板厚を4mmとして測定した場合に、少なくとも一部における板厚方向でのヘイズ値が7%超30%以下である。なお、棒状部116は、同条件で測定した場合にヘイズ値が7%以下である。また、板状部118は、板厚を4mmとして測定した場合に、少なくとも一部における板厚方向での可視光の透過率が60%以上92%以下である。当該透過率は、主表面118bの法線方向で主表面118bから板状部118に入射する光の量に対する、主表面118aから全方向に出射する光の量の割合と定義される。板状部118及び棒状部116のヘイズ値は、ヘーズメーターHZ-2(スガ試験機社製)を用いてJIS K7136に準拠して測定することができる。板状部118の可視光透過率は、ヘーズメーターHZ-2(スガ試験機社製)を用いてJIS K7361-1に準拠して測定することができる。
【0020】
また、板状部118は、側面118c~118fから入射する光が主表面118aから出射される際の出射効率について、以下の条件を満たす。
図5(A)及び
図5(B)は、板状部の光出射効率の測定方法を説明するための模式図である。
図5(A)は、板状部118の寸法とLEDの配置とを示している。
図5(B)は、固定枠Bが取り付けられた板状部118を光出射面C側から見た様子を示している。
【0021】
図5(A)に示すように、上下方向の長さ100mm、左右方向の長さ190mm、厚さ3.2mmの直方体状の板状部118を用意する。この板状部118の側面Aを光源光の入射面とする。そして、側面Aの法線方向にLEDを配置する。LEDは、焦点Pが側面Aを向き、且つ焦点Pから側面Aまでの距離が1.85mmとなるように配置される。LEDの発光面からは、180°の範囲で光が拡散する。
【0022】
また、
図5(B)に示すように、用意した板状部118の周囲を固定枠Bで覆う。固定枠Bで覆われた状態で、板状部118の光出射面Cは、上下方向の長さが90mm、左右方向の長さが160mmとなる。固定枠Bは、表面及び裏面ともに光を反射しない。また、光出射面Cの法線方向で光出射面Cから√10の距離に、受光面(図示せず)を配置する。
【0023】
この状態で、LEDから光を出射させる。そして、光出射面Cの中心を通る法線と受光面との交点を中心として、受光面上の上下15°×左右25°の矩形領域に照射される光の光束を測定する。板状部118の場合、当該矩形領域に照射される光の光束は、LEDから出射される光の光束を1としたときに0.3%以上となる。
【0024】
また、板状部118は、次のような光学的特性を有する。すなわち、側面118c~118fから光が入射されると、主表面118aからの単位面積当たりの出射光量の方が、光が入射した側面(例えば側面118c)に背向する側面(例えば側面118d)からの単位面積当たりの出射光量よりも多い。また、主表面118bから光が入射されると、主表面118aからの単位面積当たりの出射光量の方が側面118c~118fからの単位面積当たりの出射光量よりも多い。すなわち、板状部118は、側面118c~118fから光が入射される場合と、主表面118bから光が入射される場合とのいずれであっても、主表面118aから出射される光の割合が側面118c~118fから出射される光の割合より高い。
【0025】
導光体112は、棒状部116の周面116cが板状部118の側面118cに接続された構造を有する。すなわち、棒状部116は、板状部118の鉛直方向下方に位置する。そして、棒状部116の周面116cにおける鉛直方向上方を向く部分が、板状部118の側面118cに当接している。棒状部116の直径は、板状部118の厚さ(2つの主表面118a,118bが並ぶ方向における側面118cの長さ)よりも大きい。本実施の形態では、棒状部116と板状部118とは一体成形品である。当該一体成形品は、光拡散材119を非混合の樹脂材料と、光拡散材119を混合した樹脂材料とを用いて、従来公知の2色成形等により製造することができる。光拡散材119を非混合の樹脂材料によって棒状部116が形成され、光拡散材119を混合した樹脂材料によって板状部118が形成される。
【0026】
第1光源108は、光出射面が棒状部116の一方の端部116aと対向するように配置される。第1光源108から出射される光は、棒状部116の一方の端部116aから棒状部116に入射する。棒状部116に入射した光は、棒状部116の周面116cから板状部118に進入する。より具体的には、第1光源108の光は、棒状部116の一方の端部116aから他方の端部116bに向けて内面反射しながら棒状部116内を進む。ここで、上述のように棒状部116と板状部118とは一体成形品である。このため、第1光源108の光は、一方の端部116aから他方の端部116bに進む過程で、棒状部116の周面116cと板状部118の側面118cとが当接する領域において周面116cから板状部118側に漏れ、板状部118に進入する。
【0027】
側面118cから板状部118に進入した光は、板状部118の内部に分散する光拡散材119によって進行方向が主表面118aに向けられる。そして、板状部118の主表面118aの全体から出射される。すなわち、板状部118は、主表面118a全体が均一に面発光する。
【0028】
また、導光体112は、側枝部120を有する。側枝部120は、第2光源110の光を棒状部116の周面116cから棒状部116に入射させるための部分である。側枝部120は、棒状であり、棒状部116の延在方向に対して交わる方向に延在する。そして、一方の端部120aが棒状部116の周面116cに接続される。例えば、端部120aは、周面116cにおける側面118cに当接する領域に背向する領域、すなわち鉛直方向下方を向く領域に当接する。
【0029】
また、側枝部120は、棒状部116の2つの端部116a,116bの間において、周面116cに接続される。好ましくは、側枝部120は、第1光源108とは反対側の端部116bから棒状部116の中間位置までの間において、周面116cに接続される。本実施の形態では、中間位置で周面116cに接続されている。棒状部116には、複数の側枝部120が接続されてもよい。この場合、好ましくは少なくとも1つの側枝部120が、端部116bから棒状部116の中間位置までの間に配置される。
【0030】
側枝部120は、一方の端部120aから他方の端部120bに向かうにつれて棒状部116から離間するように、棒状部116に対して傾いている。また、一方の端部120aは、他方の端部120bよりも車幅方向内側に位置する。したがって、側枝部120は、車幅方向外側且つ鉛直方向下方に向かって棒状部116から分岐する部分である。また、本実施の形態では、側枝部120は、棒状部116及び板状部118と一体成形品である。
【0031】
第2光源110は、光出射面が側枝部120の他方の端部120bと対向するように配置される。第2光源110の光は、側枝部120の他方の端部120bから側枝部120に入射する。側枝部120に入射した光は、他方の端部120bから一方の端部120aに向けて内面反射しながら側枝部120内を進む。一方の端部120aに到達した光は、棒状部116の周面116cを介して側枝部120から棒状部116に進入する。棒状部116に進入した光は、棒状部116の他方の端部116bに向けて内面反射しながら棒状部116内を進む。そして、他方の端部116bに進む過程で、棒状部116の周面116cから板状部118側に漏れ、板状部118に進入する。
【0032】
側面118cから板状部118に進入した光は、板状部118の内部に分散する光拡散材119によって進行方向が主表面118aに向けられる。そして、板状部118の主表面118aから出射される。第2光源110の光は、側枝部120と棒状部116との接続部から、棒状部116内を車幅方向内側に向かって進む。このため、第2光源110が点灯すると、板状部118の主表面118aのうち、側枝部120と棒状部116との接続部から車幅方向内側の領域が面発光する。
【0033】
板状部118が長尺であると、主表面118aのうち第1光源108から離れた領域における輝度が、第1光源108に近い領域における輝度よりも低下する場合がある。これに対し、第2光源110の光を、側枝部120を介して棒状部116の途中から入射させることで、第1光源108から離れた領域における輝度を高めることができる。これにより、板状部118を長尺形状とした場合であっても、主表面118a全体の均一な面発光を実現することができる。
【0034】
車両用灯具100は、第1光源108の点灯により第1の灯具機能を発揮し、第2光源110の点灯により第2の灯具機能を発揮することができる。あるいは、車両用灯具100は、第1光源108及び第2光源110の両方の点灯によって1つの灯具機能を発揮してもよい。第1及び第2の灯具機能としては、例えばストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、デイタイムランニングランプ等を挙げることができる。
【0035】
また、第1光源108及び第2光源110を順次点灯させることで、いわゆるシーケンシャル発光を実現することができる。
図6(A)、
図6(B)及び
図6(C)は、実施の形態1に係る車両用灯具におけるシーケンシャル発光を説明するための図である。なお、
図6(A)~
図6(C)に図示する導光体は、側枝部120及び第2光源110の組み合わせを2組備えている。第1組の側枝部120x及び第2光源110xは車幅方向の中間位置に設けられ、第2組の側枝部120y及び第2光源110yは第1組よりも車幅方向内側に設けられている。
【0036】
図6(A)に示すように、第1光源108を点灯させると、板状部118の全体が発光する。
図6(B)に示すように、第2光源110xを点灯させると、板状部118のうち側枝部120xから車幅方向内側に位置する領域が発光する。
図6(C)に示すように、第2光源110yを点灯させると、板状部118のうち側枝部120yから車幅方向内側に位置する領域が発光する。
【0037】
例えば、車両用灯具100は、第2光源110yを点灯、第2光源110x及び第1光源108を非点灯として、板状部118の一部を発光させる第1状態をとる(
図6(C))。続いて、車両用灯具100は、第2光源110xを点灯、第1光源108を非点灯として、板状部118の一部であって第1状態よりも広い範囲を発光させる第2状態をとる(
図6(B))。続いて、車両用灯具100は、第1光源108を点灯させて板状部118の全体を発光させる第3状態をとる(
図6(A))。この第1状態~第3状態をこの順に繰り返すことで、シーケンシャル発光を実現することができる。
【0038】
なお、第2状態では、第2光源110yは点灯/非点灯のいずれであってもよい。また、第3状態では、第2光源110x,110yは点灯/非点灯のいずれであってもよい。これらの光源を点灯させることで、第2、第3状態においてより均一な面発光を実現することができる。また、これらの光源を非点灯とすることで、第2、第3状態における消費電力を低減することができる。また、側枝部120と第2光源110との組み合わせをさらに増やして車幅方向に配置することで、より滑らかなシーケンシャル発光を実現することができる。
【0039】
車両用灯具100は、遮蔽部材114を備える。遮蔽部材114は、車幅方向に延在する長尺の板状部材である。遮蔽部材114は、枠状であり、第1光源108、第2光源110、棒状部116及び側枝部120の灯具前方側に延在する。また遮蔽部材114は、板状部118の周縁部の灯具前方側にも延在する。遮蔽部材114によって、第1光源108、第2光源110、棒状部116、側枝部120及び板状部118の周縁部を灯具外部に対して隠すことができる。遮蔽部材114を構成する枠体の開口からは、板状部118の主表面が露出する。したがって、
図1に示すように、灯具外部からは板状部118のみが視認される。
【0040】
板状部118は、高い透明性を有する。また、板状部118は透明であるとともに、側面118cから入射した光を主表面118aから均一に出射することができる。すなわち、第1光源108及び第2光源110の非点灯時は、板状部118は透明に見える。一方、第1光源108の点灯時は、主表面118a全体が均一に発光して見える。また、第2光源110の点灯時は、主表面118aの一部分が均一に発光して見える。
【0041】
好ましくは、棒状部116の端部116bに、金属膜やステップ、ドーム形状等の反射要素が設けられる。これにより、端部116bに到達した光を端部116a側に戻すことができる。この結果、板状部118からの出射光量を増やすことができる。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態に係る車両用灯具100は、第1光源108と、導光体112とを備える。導光体112は、棒状部116と板状部118とを有し、棒状部116の周面116cが板状部118の側面118cに接続された構造を有する。また、板状部118は、内部に光拡散材119を含有する。第1光源108の光は、棒状部116の一方の端部116aから棒状部116に入射し、周面116cから板状部118に進入し、光拡散材119によって板状部118の主表面118aから出射される。
【0043】
これにより、側面から入射した光を灯具内側の主表面に設けたステップ等の反射要素により反射して灯具外側の主表面から出射させる導光体に比べて、より均一に導光体112の板状部118を面発光させることができる。また、導光体表面の発光の均一性を向上させることができるため、歩行者や他の車両の運転者等が、車両用灯具100の発光をより確実に視認することができる。よって、車両用灯具100の被視認性を向上させることができる。また、車両用灯具100の意匠性、見栄えを向上させることができる。
【0044】
また、板状部118は、光拡散材119によって主表面118aが発光する。このため、ステップ等の反射要素を用いる場合に必要となる、反射面の角度調節といった光学制御が不要である。したがって、導光体112をより簡単に成形することができ、製造コストを削減することができる。また、棒状部116と板状部118とは、一体成形品である。これにより、棒状部116から板状部118への導光効率を高めることができる。また、車両用灯具100の部品点数と製造コストとを削減することができる。
【0045】
また、第1光源108の光は、棒状部116の端部116a側から端部116b側に向けて内面反射しながら棒状部116内を進み、その過程で周面116cから側面118c側に漏れる光が、板状部118に進入する。したがって、第1光源108の光は、棒状部116内を進行する過程で徐々に板状部118側に進入する。これにより、板状部118をより均一に面発光させることができる。
【0046】
また、板状部118は、側面118cから入射した光を主表面118aから効率よく出射することができる。このため、第1光源108及び棒状部116を、板状部118と同一平面上に配置することができる。これにより、板状部118の背面側に光源を配置して板状部118を発光させる構造に比べて、車両用灯具100の薄型化を図ることができる。
【0047】
また、車両用灯具100は、第2光源110を備える。そして、導光体112は、第2光源110の光を周面116cから棒状部116に入射させるための側枝部120を有する。第2光源110の光は、側枝部120の端部120bから側枝部120に入射し、棒状部116の周面116cを介して側枝部120から棒状部116に進入する。棒状部116に進入した第2光源110の光は、第1光源108の光と同様に、周面116cから板状部118に進入し、光拡散材119によって主表面118aから出射される。これにより、板状部118の特定領域、例えば第1光源108から離間した領域への入射光量を増やすことができるため、板状部118をより均一に面発光させることができる。なお、第2光源110及び側枝部120も、板状部118と同一平面上に配置することができる。
【0048】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る車両用灯具は、灯具外部から棒状部116を視認可能である点を除いて、実施の形態1に係る車両用灯具100の構成と共通する。以下、実施の形態2に係る車両用灯具について、実施の形態1と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
【0049】
図7は、実施の形態2に係る車両用灯具の正面図である。本実施の形態に係る車両用灯具200が備える遮蔽部材214は、枠状であり、第1光源108、棒状部116の端部116a,116b及び板状部118の周縁部の灯具前方側に延在する。遮蔽部材214によって、第1光源108、棒状部116の端部116a,116b及び板状部118の周縁部が灯具外部に対して隠される。遮蔽部材214を構成する枠体の開口からは、棒状部116の端部116a,116bを除いた領域と、板状部118の主表面とが露出する。したがって、灯具外部からは棒状部116及び板状部118を視認することができる。これにより、車両用灯具200に新たな見栄えを付与することができる。
【0050】
なお、本実施の形態では、側枝部120及び第2光源110は設けられていないことが好ましい。側枝部120及び第2光源110が設けられた場合、第2光源110が点灯すると、棒状部116のうち側枝部120の接続領域が他の領域よりも強く光る状態、いわゆる点光りが生じ得る。本実施の形態では、棒状部116も外部から視認できるため、棒状部116の点光りも視認されてしまう。このため、側枝部120及び第2光源110は設けられていないことが好ましい。
【0051】
棒状部116は、周面116cから灯具前方に光を照射する構造であってもよい。すなわち、板状部118に加えて棒状部116も、発光部としてもよい。例えば、周面116cにおける灯具後方側を向く領域にステップ等の反射要素が設けられる。第1光源108から出射される光は(第2光源110が設けられる場合には第2光源110からの光も)、棒状部116の端部116a側から端部116b側に向けて棒状部116内を進み、その過程で一部の光が周面116cから側面118c側に漏れて板状部118に進入する。また、他の一部の光が周面116cに設けられた反射要素によって、灯具前方に向けて反射される。この光は、周面116cから灯具前方に向けて出射される。これにより、車両用灯具200の被視認性を向上させることができる。また、車両用灯具200に新たな見栄えを付与することができる。
【0052】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る車両用灯具は、導光体の形状を除いて実施の形態1に係る車両用灯具100の構成と共通する。以下、実施の形態3に係る車両用灯具について、実施の形態1と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
【0053】
図8(A)は、実施の形態3に係る車両用灯具が備える光源及び導光体の正面図である。
図8(B)は、
図8(A)のC-C線に沿った断面図である。
図8(C)は、
図8(A)のD-D線に沿った断面図である。C-C線に沿った断面及びD-D線に沿った断面は、それぞれ棒状部116の延在方向に対して直交する断面に相当する。また、C-C線は第1部位312aに位置し、D-D線は第2部位312bに位置する。
【0054】
本実施の形態に係る車両用灯具が備える導光体312は、棒状部116の延在方向に対して直交する断面で見たとき、棒状部116の直径A1と板状部318の厚みA2との比率(A1/A2)が、所定の第1部位312aと、当該第1部位312aよりも第1光源108から離れた第2部位312bとで異なる。
【0055】
比率(A1/A2)は、棒状部116の周面116c全体(板状部318の側面318cに当接する領域と当接しない領域の両方)に占める、側面318cに当接する領域の大きさと相関する。比率が大きい場合、周面116cにおける側面318cに当接する領域は小さく、比率が小さい場合、周面116cにおける側面318cに当接する領域は大きい。棒状部116内の光は、周面116cを内面反射しながら進行する。このとき、側面318cに当接する領域に到達した光は、内面反射することなく板状部318内に進入する。
【0056】
したがって、比率(A1/A2)が小さい方が、すなわち側面318cと当接する領域がより大きい方が、棒状部116内の光は板状部318により多く進入する。一方、比率(A1/A2)が大きい方が、すなわち側面318cと当接する領域がより小さい方が、棒状部116内の光は棒状部116内に留まりやすい。したがって、第1光源108からの距離が異なる第1部位312aと第2部位312bとで比率(A1/A2)を異ならせることで、棒状部116から板状部318への入射光量を異ならせることができる。これにより、板状部318における、第1光源108からの距離が異なる領域のそれぞれにおける発光量を、調整することができる。
【0057】
本実施の形態では、棒状部116は、車幅方向外側から内側にかけて同じ直径A1を有する。一方、板状部318は、車幅方向外側から内側に向かって徐々に厚みA2が大きくなる形状を有する。したがって、
図8(B)及び
図8(C)に示すように、棒状部116の直径A1は、第1部位312aと第2部位312bとで同じ大きさである。一方、板状部318の厚みA2は、第1部位312aに比べて第2部位312bの方が厚い。したがって、第1光源108に近い第1部位312aに比べて、第1光源108から遠い第2部位312bの方が比率(A1/A2)が小さい。よって、本実施の形態では、第1部位312aに比べて第2部位bの方が、棒状部116内の光が板状部318内に進入しやすい。
【0058】
第1光源108により近い第1部位312aでは、第1光源108から遠い第2部位312bに比べて、棒状部116内により多くの光が存在する。したがって、上述の構成により、第1部位312aでは、棒状部116から板状部318への光の進入を抑制し、第2部位312b側へ進行する光の量を確保することができる。一方、第2部位312bでは、棒状部116内に残存する光の多くを板状部318へ進入させることができる。すなわち、第1部位312aと第2部位312bとで、棒状部116から板状部318へ進入する光の量を均一にすることができる。これにより、板状部318をより均一に面発光させることができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、板状部318の厚みA2を変化させることで比率(A1/A2)を変化させているが、棒状部116の直径A1を変化させることで、あるいは、直径A1及び厚みA2の両方を変化させることで、比率(A1/A2)を変化させてもよい。
【0060】
(実施の形態4)
実施の形態4に係る車両用灯具は、2つの第1光源と2つの棒状部とを備える点を除いて実施の形態1に係る車両用灯具100の構成と共通する。以下、実施の形態4に係る車両用灯具について、実施の形態1と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
【0061】
図9(A)は、実施の形態4に係る車両用灯具が備える光源及び導光体を模式的に示す正面図である。
図9(B)は、一方の第1光源が点灯した状態の導光体を模式的に示す正面図である。
図9(C)は、他方の第1光源が点灯した状態の導光体を模式的に示す正面図である。ここでは便宜上、一方の第1光源を第3光源と称し、他方の第1光源を単に第1光源と称する。
【0062】
本実施の形態に係る車両用灯具が備える導光体412は、2つの棒状部116を備える。また、車両用灯具は、第1光源108と第3光源122とを備える。一方の棒状部116dは、板状部118の側面118cに接続される。他方の棒状部116eは、側面118cに背向する側面118dに接続される。棒状部116dの端部には、第1光源108が配置される。棒状部116eの端部には、第3光源122が配置される。
【0063】
図9(B)に示すように、第3光源122が点灯して板状部118から光が出射されることで、第1の灯具機能が発揮される。また、
図9(C)に示すように、第1光源108が点灯して板状部118から光が出射されることで、第2の灯具機能が発揮される。本実施の形態によれば、同一の発光領域で異なる灯具機能を発揮することができる。第1、第2の灯具機能は、実施の形態1で説明したとおりである。例えば、第1光源108及び第3光源122は、一方が白色光源であり、他方がアンバー色光源である。そして、第1及び第2の灯具機能の一方の機能としてデイタイムランニングランプ機能が発揮され、他方の機能としてターンシグナルランプ機能が発揮される。
【0064】
また、第1光源108及び第3光源122のうちいずれか一方のみの点灯により第1の灯具機能を発揮し、両方の点灯により第2の灯具機能を発揮する構成としてもよい。例えば、第1光源108及び第3光源122は赤色光源である。そして、第1光源108又は第3光源122の点灯により第1の灯具機能としてテールランプ機能が発揮され、第1光源108及び第3光源122の点灯により第2の灯具機能としてストップランプ機能が発揮される。あるいは、第1光源108及び第3光源122は白色光源である。そして、第1光源108又は第3光源122の点灯により第1の灯具機能としてクリアランスランプ機能が発揮され、第1光源108及び第3光源122の点灯により第2の灯具機能としてデイタイムランニングランプ機能が発揮される。
【0065】
なお、棒状部116d,116eには、側枝部120が接続されてもよい。この側枝部120に第2光源110の光を入射させることで、上述の第1、第2の灯具機能に加えて、第3の灯具機能を追加することができる。第3の灯具機能としては、例えば第1、第2の灯具機能としてテールランプ機能及びストップランプ機能を発揮する構成に対する、クリアランスランプ機能やターンシグナルランプ機能等を挙げることができる。第1~第3の灯具機能の組み合わせは、適宜設定することができる。
【0066】
(実施の形態5)
実施の形態5に係る車両用灯具は、板状部の形状を除いて実施の形態4に係る車両用灯具の構成と共通する。以下、実施の形態5に係る車両用灯具について、実施の形態1及び4と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
【0067】
図10(A)は、実施の形態5に係る車両用灯具が備える光源及び導光体を模式的に示す正面図である。
図10(B)は、
図10(A)のE-E線に沿った断面図である。
図10(C)は、一方の第1光源が点灯した状態の導光体を模式的に示す正面図である。
図10(D)は、
図10(C)のF-F線に沿った断面図である。
図10(E)は、他方の第1光源が点灯した状態の導光体を模式的に示す正面図である。
図10(F)は、
図10(E)のG-G線に沿った断面図である。ここでは便宜上、一方の第1光源を第3光源と称し、他方の第1光源を単に第1光源と称する。
【0068】
本実施の形態に係る車両用灯具が備える導光体512は、2つの棒状部116を備える。また、車両用灯具は、第1光源108と第3光源122とを備える。一方の棒状部116dは、板状部518の側面518cに接続される。他方の棒状部116eは、側面518cに背向する側面518dに接続される。棒状部116dの端部には、第1光源108が配置される。棒状部116eの端部には、第3光源122が配置される。
【0069】
また、板状部518は、側面518cと側面518dとの間に屈折部518eを有する。屈折部518eは、側面518cから鉛直方向上方且つ灯具前方側に延びる第1領域518fと、側面518dから鉛直方向下方且つ灯具前方側に延びる第2領域518gとが接続される部分である。したがって、屈折部518eは、灯具前方に突出するV字形状である。
【0070】
第1光源108から出射される光は、棒状部116dから第1領域518fに進入するが、屈折部518eによって第2領域518gへの進行が阻害される。第3光源122から出射される光は、棒状部116eから第2領域518gに進入するが、屈折部518eによって第1領域518fへの進行が阻害される。水平面に対する第1領域518fの傾斜角度、及び水平面に対する第2領域518gの傾斜角度は、それぞれ45°以下であることが好ましい。
【0071】
図10(C)及び
図10(D)に示すように、第3光源122が点灯すると第2領域518gが発光する。これにより、第1の灯具機能が発揮される。また、
図10(E)及び
図10(F)に示すように、第1光源108が点灯すると第1領域518fが発光する。これにより、第2の灯具機能が発揮される。本実施の形態によれば、導光体512の発光領域を、灯具機能ごとに異ならせることができる。
【0072】
第1、第2の灯具機能は、実施の形態1及び4で説明したとおりである。すなわち、例えば、第1光源108及び第3光源122の一方が白色光源、他方がアンバー色光源であり、デイタイムランニングランプ機能とターンシグナルランプ機能とが発揮される。また、例えば、第1光源108又は第3光源122の点灯によりテールランプ機能が発揮され、第1光源108及び第3光源122の点灯によりストップランプ機能が発揮される。あるいは、第1光源108又は第3光源122の点灯によりクリアランスランプ機能が発揮され、第1光源108及び第3光源122の点灯によりデイタイムランニングランプ機能が発揮される。
【0073】
また、棒状部116d,116eには、側枝部120が接続されてもよい。この側枝部120に第2光源110の光を入射させることで、上述の第1、第2の灯具機能に加えて、第3の灯具機能を追加することができる。第1~第3の灯具機能の組み合わせは、適宜設定することができる。
【0074】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態を組み合わせたり、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などの変形を加えることも可能であり、そのような組み合わせられ、もしくは変形が加えられて得られる新たな実施の形態も本発明の範囲に含まれる。このような新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態及び変形それぞれの効果をあわせもつ。
【0075】
各実施の形態の車両用灯具は、前照灯であってもよい。また、板状部は、円盤状等の四角形以外の形状であってもよい。第1光源及び第2光源の光は、リフレクタで反射されて棒状部あるいは側枝部に入射してもよい。実施の形態1-3において、棒状部は板状部の鉛直方向上方に位置してもよい。
【0076】
また、棒状部と板状部とは一体成形品でなくてもよい。この場合、棒状部の周面における、板状部の側面とは反対側を向く領域にステップ等の反射要素を設けることが好ましい。棒状部内を進行する光は、反射要素で板状部の側面に向けて反射されて、板状部に進入する。また、側枝部は、板状部(これを第1板状部とする)に接続される棒状部(これを第1棒状部とする)に直に接続されなくてもよい。例えば、側枝部は、第1棒状部とは別の第2棒状部に接続され、当該第2棒状部と第1棒状部とが、第1板状部とは別の第2板状部で接続されてもよい。すなわち、側枝部、第2棒状部、第2板状部、第1棒状部及び第1板状部がこの順に並んだ形状であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
100,200 車両用灯具、 108 第1光源、 110 第2光源、 112,312,512 導光体、 116,116d,116e 棒状部、 118,318,518 板状部、 119 光拡散材、 120 側枝部、 312a 第1部位、 312b 第2部位。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、車両用灯具に利用することができる。