(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】血管内装置を使用するためのトルク装置、及び関連するシステム、方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20220111BHJP
A61B 5/0215 20060101ALI20220111BHJP
A61B 1/313 20060101ALI20220111BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B5/0215 B
A61B1/313 510
A61B1/00 526
(21)【出願番号】P 2018550554
(86)(22)【出願日】2017-03-30
(86)【国際出願番号】 EP2017057508
(87)【国際公開番号】W WO2017167860
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-03-23
(32)【優先日】2016-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】メイ ユスティン
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05851189(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0236214(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0294030(US,A1)
【文献】特表2005-505344(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0065263(US,A1)
【文献】国際公開第2014/188969(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105188833(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
A61B 1/00 - 1/32
A61B 5/00 - 5/01
A61B 5/06 - 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内装置と共に使用するためのトルク装置であって、
前記血管内装置の近位部分を受けるための先細開口部を規定する本体、前記本体から延在する第1のアーム、及び前記本体から延在する第2のアームを有する第1の構成要素であって、前記第1のアーム及び前記第2のアームが、互いに向かって移動可能である、当該第1の構成要素と、
前記第1の構成要素に可動的に結合される第2の構成要素であって、前記第2の構成要素は、前記トルク装置が前記第1の構成要素の前記第1及び第2のアームの間で前記可撓性の細長い部材の前記近位部分を摺動可能に受けるように構成される開放位置と、前記トルク装置が前記第1の構成要素の前記第1及び第2のアームの間で前記可撓性の細長い部材の前記近位部分に固定的に係合する閉鎖位置との間で前記第1の構成要素に対して移動可能であり、前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素の前記アームの変位を選択的に制御するように前記第1の構成要素と螺合するように構成され、前記第1の構成要素の移動可能なアームは、前記第2の構成要素の対応するねじ機構との係合のためのねじ機構を備える、当該第2の構成要素と、
を有する、トルク装置。
【請求項2】
前記第1のアームは、前記可撓性の細長い部材の前記近位部分を受けて係合するようにサイジングされ形成される没入部を含む、請求項1に記載のトルク装置。
【請求項3】
前記第2のアームは、前記可撓性の細長い部材の前記近位部分と係合するように平坦な表面を含む、請求項2に記載のトルク装置。
【請求項4】
前
記本体は、前記先細開口部と連通する中央ルーメンをさらに含み、前記中央ルーメンは、前記可撓性の細長い部材の前記近位部分を摺動可能に受けるようにサイジングされ形成される、請求項1に記載のトルク装置。
【請求項5】
前記第1の構成要素の外面は雄ねじを含み、前記第2の構成要素の内面は雌ねじを含む、請求項1に記載のトルク装置。
【請求項6】
前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素にスナップ嵌め結合するようにさらに構成される、請求項1に記載のトルク装置。
【請求項7】
前記第1の構成要素はテーパフランジを含み、前記第2の構成要素は前記第1の構成要素の前記テーパフランジとのスナップ嵌め係合のための少なくとも1つの突起部を含む、請求項6に記載のトルク装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの突起部が、前記第2の構成要素の中央管腔に向かって内側に延在する、請求項7に記載のトルク装置。
【請求項9】
前記ねじ係合を介する前記第1の構成要素に対する前記第2の構成要素の回転が前記開放位置と前記閉鎖位置との間で前記第2の構成要素を移動させる、請求項6に記載のトルク装置。
【請求項10】
血管内システムであって、
血管内装置であって、
近位部分及び遠位部分を有する可撓性の細長い部材と、
前記可撓性の細長い部材の前記遠位部分に固定される少なくとも1つの検出要素と、
前記少なくとも1つの検出要素から前記可撓性の細長い部材の前記近位部分まで延在する少なくとも1つの通信線と
を有する、血管内装置と、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のトルク装置と
を有する、血管内システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの検出要素は、圧力センサ、流量センサ、又は血管内撮像構成要素のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血管内装置、システム、及び方法と共に使用するためのトルク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓病は非常に深刻であり、しばしば人命を救うために緊急手術を必要とする。心臓病の主な原因は、血管内のプラークの蓄積であり、最終的には血管を閉塞させる。閉塞した血管を開放するために利用可能な一般的な治療オプションには、バルーン血管形成、回転アテレクトミー、及び血管内ステントが含まれる。従来、外科医は、治療を導くために血管の管腔のシルエットの外形を示す平面画像であるX線透視画像に依存してきた。残念なことに、X線透視画像では、閉塞の原因となる狭窄の正確な程度及び方向については不確実性が高く、狭窄の正確な位置を見つけることは困難になる。更に、再狭窄は同じ場所で起こることが知られているが、X線による手術後の血管内の状態を確認することは困難である。
【0003】
虚血を引き起こす病変を含む、血管における狭窄の重篤度を評価するために現在受け入れられている技術は、冠血流予備量比(FFR)である。 FFRは、(狭窄部の近位側で取られた)近位圧力測定値に対する(狭窄部の遠位側で取られた)遠位圧力測定値の比の計算である。 FFRは狭窄の重症度の指標を提供し、治療が必要な程度に閉塞は血管内の血流を制限するかを決定することができる。健康な血管におけるFFRの正常値は1.00であり、約0.80未満の値は一般的に有意であると考えられ、治療を必要とする。
【0004】
血管内カテーテル及びガイドワイヤは、しばしば、血管内の圧力を測定するために利用される。今日まで、圧力センサ又は他の電子部品を含むガイドワイヤは、電子部品を含まない標準的なガイドワイヤに比べて性能特性が低下していた。例えば、電子部品を含む以前のガイドワイヤのハンドリング性能は、場合によっては、電子部品の導体又は通信線に必要なスペースを考慮した後に、コアワイヤに利用可能な限られたスペース、電子部品を含む剛性ハウジングの剛性、及び/又はガイドワイヤ内で利用可能な限られた空間内で電子部品の機能を提供することに関連する他の制限によって妨げられていた。
【0005】
さらに、多くの場合、トルク装置は、血管系を通る血管内装置のステアリングを容易にするために、血管内装置の近位部分の上に配置される。トルク装置は、外科医が血管内装置を操作するためのインタフェースを提供するために血管内装置の外面に機械的に係合する。既存のトルク装置は以前の血管内装置設計には十分であったが、改善されたハンドリング特性を有する最近の血管内装置のいくつかに対して、十分な機械的及び人間工学的機能を提供していない。例えば、いくつかの最近の血管内装置は、電気的接続を提供するためにポリマーチューブ内の埋め込まれた電気リードを利用している。いくつかの既存のトルク装置は、トルク装置の締め付け及び/又はトルク伝達中に、これらのタイプの電気的接続を損傷(例えば、破損、ねじれ、短絡など)させる可能性がある。さらに、いくつかの既存のトルク装置は、十分な保持力を提供せず、外科医の人間工学的要求を満たさない。さらに、いくつかの既存のトルク装置は、血管内装置を潜在的に損傷することなく、血管内装置を挿入及び/又は除去することを困難にする複雑な挿入/除去技術を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、血管内装置とともに使用するための改善されたトルク装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態は、血管内装置、システム、及び方法と共に使用されるトルク装置に関する。
【0008】
いくつかの実施形態では、血管内装置とともに使用するためのトルク装置が提供される。トルク装置は、血管内装置の近位部分を受けるための先細開口部を規定する本体、本体から延在する第1のアーム、及び本体から延在する第2のアームを含む第1の構成要素と、第1の構成要素に可動的に結合される第2の構成要素とを含むことができ、第2の構成要素は、トルク装置が、第1の構成要素の第1のアームと第2のアームとの間で可撓性の細長い部材の近位部分を摺動可能に受けるように構成される開放位置と、トルク装置が、第1の構成要素の第1のアームと第2のアームとの間で可撓性の細長い部材の近位部分に固定的に係合する閉鎖位置との間で第1の構成要素に対して移動可能である。
【0009】
いくつかの実施形態では、血管内システムであって、近位部分及び遠位部分を有する可撓性の細長い部材と、可撓性の細長い部材の遠位部分に固定される少なくとも1つの検出要素と、前記少なくとも1つの検出要素から前記可撓性の細長い部材の前記近位部分まで延在する少なくとも1つの通信ラインとを有する血管内装置と、可撓性の細長い部材の近位部分と選択的にインタフェースするように構成されるトルク装置とを含み、トルク装置は、可撓性の細長い部材の近位端を受けるための先細開口部を規定する本体、本体から延在する第1のアーム、及び本体から延在する第2のアームを有する第1の構成要素と、第1の構成要素に可動的に結合される第2の構成要素とを含み、第2の構成要素は、トルク装置が、第1の構成要素の第1のアームと第2のアームとの間で可撓性の細長い部材の近位部分を摺動可能に受けるように構成される開放位置と、トルク装置が、第1の構成要素の第1のアームと第2のアームとの間で可撓性の細長い部材の近位部分に固定的に係合する閉鎖位置との間で第1の構成要素に対して移動可能である、血管内システムが提供される。
【0010】
本開示のさらなる態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0011】
本開示の例示的な実施形態が、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態による血管内装置の概略側面図である。
【
図2】本開示の一実施形態による血管内システムの概略図である。
【
図3】本開示の一実施形態によるトルク装置の構成要素の側面図である。
【
図4】本開示の一実施形態による
図3のトルク装置の構成要素の透視近位図である。
【
図7】
図4乃至6の構成要素の側面の部分的な透視図である。
【
図10】本開示の一実施形態による
図3のトルク装置の他の構成要素の透視近位図である。
【
図13】
図10乃至12の構成要素の側面、部分的な透視図である。
【
図16】本開示の実施形態による開放位置における
図3のトルク装置の側面図である。
【
図17】本開示の一実施形態による閉鎖位置における
図3及び
図16のトルク装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の原理の理解を促進する目的で、図面に示された実施形態を参照し、特定の言語を使用してこれを説明する。それにもかかわらず、開示の範囲を限定するものではないことが理解される。記載された装置、システム、及び方法に対する随意の変更及びさらなる変更、ならびに本開示の原理のさらなる適用は、本開示が完全に企図され、本開示が開示される当業者に通常起こるであろう。特に、一実施形態に関して説明した特徴、構成要素、及び/又はステップを、本開示の他の実施形態に関して説明した特徴、構成要素及び/又はステップと組み合わせることができると完全に考えられる。しかしながら、簡潔にするために、これらの組み合わせの多数の反復は別々に説明されない。
【0014】
本明細書で使用される場合、「可撓性の細長い部材」又は「細長い可撓性部材」は、患者の脈管内に挿入され得る少なくとも何れかの細長い可撓性構造を含む。本開示の「可撓性の細長い部材」の図示された実施形態は、可撓性の細長い部材の外径を規定する円形断面プロファイルを有する円筒形プロファイルを有するが、他の場合には、可撓性の細長い部材の全部又は一部は、他の幾何学的断面プロファイル(例えば、楕円形、長方形、正方形、楕円形など)又は非幾何学的断面プロファイルを有することができる。可撓性の細長い部材には、例えば、血管内カテーテル及び血管内ガイドワイヤが含まれる。その点で、血管内カテーテルは、他の器具を受け入れ及び/又はガイドするために、その長さに沿って延在する管腔を含んでも、含まなくてもよい。血管内カテーテルが管腔を含む場合、管腔は、装置の横断面プロファイルに対して中心合わせされていてもよいしオフセットされていてもよい。
【0015】
大部分の実施形態では、本開示の可撓性の細長い部材は、1つ以上の電子、光学、又は電気光学的構成要素を含む。例えば、これに限定されないが、可撓性の細長い部材は、一つ又はそれより多くの以下のタイプのコンポーネント、すなわち、圧力センサ、温度センサ、撮像素子、光ファイバ、超音波トランスデューサ、反射器、ミラー、プリズム、アブレーション要素、電極、導体、及び/又はそれらの組み合わせを含むことができる。概して、これらの構成要素は、可撓性の細長い部材が配置される血管又は解剖学的構造の他の部分に関連するデータを取得するように構成される。しばしば、構成要素は、処理及び/又は表示のためにデータを外部装置に通信するように構成されている。いくつかの態様では、本開示の実施形態は、医療用途及び非医療用途の両方を含む、血管の管腔内にイメージングするための撮像装置を含む。しかしながら、本開示のいくつかの実施形態は、ヒトの脈管との関連での使用に特に適している。血管内空間、特にヒト脈管の内壁のイメージングは、超音波(血管内超音波(「IVUS」)及び心臓内心エコー(「ICE」)と呼ばれることが多い)及び光コヒーレント断層撮影法(「OCT」)を含む、いくつかの異なる技術によって実現され得る。他の例では、赤外線、熱又は他のイメージングモダリティが使用される。さらに、ある場合には、可撓性の細長い部材は、複数の電子、光学及び/又は電気光学的構成要素(例えば、圧力センサ、温度センサ、撮像素子、光ファイバ、超音波トランスデューサ、反射器、ミラー、プリズム、電極、導体など)を含む。
【0016】
本開示の電子、光学及び/又は電気光学的構成要素は、可撓性の細長い部材の遠位部分内に配置されることが多い。本明細書で使用されるように、可撓性の細長い部材の「遠位部分」は、中間点から遠位先端部までの可撓性の細長い部材の何れかの部分を含む。可撓性の細長い部材は固い場合があり得るので、本開示のいくつかの実施形態は、電子部品を受け入れるための遠位部分にハウジング部分を含む。そのようなハウジング部分は、細長い部材の遠位部分に取り付けられた管状構造とすることができる。 いくつかの可撓性の細長い部材は、管状であり、電子部品が遠位部分内に配置され得る1つ以上の管腔を有する。
【0017】
電子、光学及び/又は電気光学的構成要素及び関連する通信線は、可撓性の細長い部材の直径を非常に小さくすることができるようにサイジングされ、形成される。例えば、本明細書に記載されるような1つ以上の電子、光学及び/又は電気光学的構成要素を含むガイドワイヤ又はカテーテルのような細長い部材の外径は、約0.0007 "(0.0178mm)及び約0.118"(3.0mm)の間であり、いくつかの特定の実施形態の場合、約0.014インチ(0.3556mm)及び約0.018インチ(0.4572mm)の外径である。そのようなものとして、本出願の電子、光学及び/又は電気光学的構成要素を組み込んだ可撓性の細長い部材は、四肢の静脈及び動脈、腎動脈、脳の中及び周囲の血管、及び他の管腔を含む部分又は心臓を直接囲むもののほか、ヒトの患者内の多種多様な管腔での使用に適している。
【0018】
本明細書で使用される「接続される」及びその変形形態は、接着されるか又は他の要素に直接的に、その上、その範囲内などに接続されるような直接接続、ならびに接続要素間に1つ以上の要素が配置される間接接続を含む。
【0019】
本明細書で使用される「固定される」及びその変形形態は、例えば接着又は他の要素に直接的に、その上、その範囲内などに固定されるような、要素が他の要素に直接的に固定される方法を含み、1つ又は複数の要素が固定される要素の間に配置される場合、2つの要素を一緒に固定する間接技術も含まれる。
【0020】
ここで
図1を参照すると、本開示の一実施形態による血管内装置100の一部が示されている。その点において、血管内装置100は、遠位端105に隣接する遠位部分104と、近位端107に隣接する近位部分106とを有する可撓性の細長い部材102を含む。構成要素108は、遠位先端部105の近位に可撓性の細長い部材102の遠位部分104内に配置される。一般的に、構成要素108は、1つ以上の電子、光学、又は電気光学的構成要素を表す。これに関して、構成要素108は、圧力センサ、温度センサ、撮像素子、光ファイバ、超音波トランスデューサ、反射器、ミラー、プリズム、アブレーション要素、RF電極、導体、及び/又はそれらの組み合わせである。特定のタイプの構成要素又は構成要素の組み合わせは、血管内装置の意図される用途に基づいて選択することができる。場合によっては、構成要素108は、遠位先端部105から10cm未満、5未満、又は3cm未満の位置に配置される。場合によっては、構成要素108は、可撓性の細長い部材102のハウジング内に配置される。ハウジングは、ある場合には、可撓性の細長い部材102に固定される別個の構成要素である。他の例では、ハウジングは、可撓性の細長い部材102の一部として一体的に形成される。
【0021】
血管内装置100はまた、装置の近位部分106に隣接するコネクタ110を含む。その点に関して、コネクタ110は、可撓性の細長い部材102の近位端107から距離112だけ離間されている。概して、距離112は、可撓性の細長い部材102の全長の0%及び50%の間にある。可撓性の細長い部材の全長は何れかの長さとすることができ、いくつかの実施形態では、全長は約1300mm及び約4000mmの間にあり、いくつかの特定の実施形態は1400mm、1900mm、及び3000mmの長さを有する。例えば、いくつかの例では、コネクタ110は、近位端107に配置される。他の例では、コネクタ110は、近位端107から離間される。例えば、コネクタ110は、近位端107から約0 mm及び約1400mmの間で間隔を空けられている。いくつかの特定の実施形態では、コネクタ110は、近位端から、0mm、300mm、及び1400mmの距離だけ離間されている。
【0022】
コネクタ110は、血管内装置100と他の装置との間の通信を容易にするように構成される。より具体的には、いくつかの実施形態では、コネクタ110は、構成要素108によって得られたデータの、計算装置又はプロセッサなどの他の装置への通信を容易にするように構成される。したがって、いくつかの実施形態では、コネクタ110は電気コネクタである。そのような場合、コネクタ110は、可撓性の細長い部材102の長さに沿って延在し、構成要素108に電気的に結合される1つ以上の電気導体への電気的接続を提供する。そのような場合、コネクタ110は、可撓性の細長い部材102の長さに沿って延在し、構成要素108に光学的に結合される1つ以上の光通信経路(例えば、光ファイバケーブル)への光接続を提供する。さらに、いくつかの実施形態では、コネクタ110は、電気導体及び構成要素108に結合される光通信経路の両方に電気的及び光学的接続の両方を提供する。その点に関して、構成要素108は、いくつかの例では、複数の要素から構成されることがここでも注目されるべきである。コネクタ110は、直接的又は間接的のいずれかで、他の装置への物理的接続を提供するように構成される。他の例では、コネクタ110は、血管内装置100と他の装置との間の無線通信を容易にするように構成される。概して、現在又は将来開発される何れかの無線プロトコルを利用することができる。さらに他の例では、コネクタ110は、他の装置への物理的接続及び無線接続の両方を容易にする。
【0023】
上述のように、場合によっては、コネクタ110は、血管内装置100の構成要素108と外部装置との間の接続を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、1つ以上の電気導体、1つ以上の光路及び/又はそれらの組み合わせは、コネクタ110と構成要素108との間の通信を容易化するために、コネクタ110と構成要素108との間の可撓性の細長い部材102の長さに沿って延在する。概して、何れかの数の導電体、光路、及び/又はそれらの組み合わせは、コネクタ110と構成要素108との間に可撓性の細長い部材102の長さに沿って延在することができる。1及び10個の間の導電体及び/又は光学経路は、コネクタ110と構成要素108との間で可撓性の細長い部材102の長さに沿って延在する。簡略化のために、以下で説明される本開示の実施形態は、3つの電気導体を含む。しかしながら、他の実施形態では、通信経路の総数及び/又は電気導体及び/又は光路の数が異なることは理解される。より具体的には、可撓性の細長い部材102の長さに沿って延在する導電体の数及び光路の数は、構成要素108の所望の機能及びこのような機能を提供するように構成要素108を規定する、対応する要素によって決定される。
【0024】
いくつかの例では、血管内装置100は、2013年12月30日に出願された「血管内装置、システム及び方法」と題される米国特許出願公開第2014/0187874号、 2015年2月2日に出願された「埋め込まれた導体を有するコアワイヤを有する血管内装置、システム、及び方法」と題される米国特許出願公開第2015/0217090号、2015年3月19日に出願された「複数の材料で形成されるコアワイヤを有する血管内装置、システム及び方法」と題される米国特許出願公開第2015/0273187号、2015年8月27日に出願された「接着剤を充填した遠位端要素を有する血管内装置、システム及び方法」と題される米国特許出願公開第2016/0058977号、2015年9月3日に出願された「圧力ガイドワイヤープルバックカテーテル」と題される米国特許出願公開第2016/0067456号、2015年9月10日に出願された「接着剤に埋め込まれた検出素子を有する血管内装置、システム及び方法」と題される米国特許出願公開第2016/0073957号の1つ以上に記載されているような1つ又は複数の特徴を含み、その各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0025】
ここで
図2を参照すると、本開示の一実施形態によるシステム150が示されている。示されるように、システム150は、器具152を含む。これに関して、いくつかの例では、器具152は、
図1の文脈で上述した血管内装置である。従って、器具152は、上述したものと同様の特徴を含む。図示の実施形態では、器具152は、遠位部分に隣接して配置されるハウジング156及び遠位部分154を有するガイドワイヤである。これに関して、ハウジング156は、器具152の遠位先端部から約3cm離間されている。ハウジング156は、1つ以上のセンサ、トランスデューサ、及び/又は血管に関する診断情報を得るように構成される他のモニタリング要素を収容するように構成される。図示の実施形態では、ハウジング156は、器具152が配置されている管腔内の圧力を監視するように構成される少なくとも一つの圧力センサを含む。シャフト158がハウジング156から近位に延在する。トルク装置160は、シャフト158の近位部分の上に配置され、シャフト158の近位部分に結合される。器具152の近位端部分162はコネクタ164に結合される。コネクタ164は、少なくとも
図3乃至10を参照して以下により詳細に説明される。ケーブル166は、コネクタ164からコネクタ168まで延在する。場合によっては、コネクタ168は、インタフェース170に差し込まれるように構成される。その点に関して、インタフェース170は、場合によっては、患者インタフェースモジュール(PIM)である。場合によっては、ケーブル166は、無線接続に置き換えられる。これに関して、(電気的、光学的、及び/又は流体接続を含む)物理的接続、無線接続、及び/又はそれらの組み合わせを含む、器具152とインタフェース170との間の様々な通信経路が利用され得ることは理解される。
【0026】
インタフェース170は、接続部174を介して計算装置172に通信可能に接続される。計算装置172は、概して、本開示内で論じられた処理及び分析技術、特に
図1の文脈で説明される血管内装置のための処理及び分析技術を実行するのに適した何れかの装置を表す。いくつかの実施形態では、計算装置172は、プロセッサ、ランダムアクセスメモリ、及び記憶媒体を含む。これに関して、いくつかの特定の例では、計算装置172は、本明細書で説明されるデータ取得及び分析に関連するステップを実行するようにプログラムされる。したがって、本開示のデータ取得、データ処理、器具制御、及び/又は他の処理又は制御の態様に関連する何れのステップも、計算装置によってアクセス可能な非一時的コンピュータ可読媒体上又は内に記憶される、対応する命令を使用する計算装置によって実行され得ることが理解される。場合によっては、計算装置172はコンソール装置である。いくつかの特定の例では、計算装置172は、それぞれVolcano Corporationから入手可能なs5(登録商標)イメージングシステム又はs5i(登録商標)イメージングシステムに類似する。いくつかの例では、計算装置172は、ポータブル(例えば、ハンドヘルド、ローリングカートなど)である。さらに、いくつかの例では、計算装置172は、複数の計算装置を含むことが理解される。これに関して、本開示の異なる処理及び/又は制御の態様は、複数の計算装置を使用して別々に又は所定のグループ内で実施されてもよいことが特に理解される。複数の計算装置にわたる処理及び/又は制御の態様の何れの部分及び/又は組み合わせも本開示の範囲内である。
【0027】
コネクタ164、ケーブル166、コネクタ168、インタフェース170、及び接続部174は、1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、及び/又は器具152及び計算装置172の他のモニタリング要素の間の通信を容易にする。しかしながら、この通信経路は本質的に例示的なものであり、決して限定的とみなされるべきではない。これに関して、(電気的、光学的及び/又は流体接続を含む)物理的接続、無線接続、及び/又はそれらの組み合わせを含む、器具152と計算装置172との間の何れの通信経路も利用され得ることが理解される。これに関して、接続部174は、場合によっては、無線であることが理解される。場合によっては、接続部174は、ネットワーク(例えば、イントラネット、インターネット、電気通信ネットワーク、及び/又は他のネットワーク)を介した通信リンクを含む。これに関して、計算装置172は、ある場合には、器具152が使用されている操作領域から離れて配置されることが理解される。接続部174にネットワークを介した接続を持たせることにより、計算装置が、隣接する部屋、隣接する建物、又は異なる州/国にあるかにかかわらず、器具152と遠隔計算装置172との間の通信は容易にされることができる。さらに、器具152と計算装置172との間の通信経路は、場合によっては、安全な接続であることが理解される。さらに、いくつかの例では、器具152と計算装置172との間の通信経路の1つ又は複数の部分にわたって通信されるデータは暗号化されることが理解される。
【0028】
システム150の1つ又は複数の構成要素は、本開示の他の実施形態には含まれず、異なる配置/順序で実装され、及び/又は代替の装置/メカニズムで置き換えられることが理解される。このような場合、例えばシステム150は、インタフェース170を含まない。このような場合、コネクタ168(又は器具152と通信する他の同様のコネクタ)は、計算装置172に関連するポートに差し込まれることができる。代わりに、器具152は、計算装置172と無線通信することができる。概して、器具152と計算装置172との間の通信経路は、中間ノード(すなわち、直接接続)を有さず、機器と計算装置との間の1つの中間ノード、又は機器と計算装置との間の複数の中間ノードを有する。
【0029】
ここで
図3を参照すると、本開示の一実施形態によるトルク装置160の側面図が示されている。トルク装置160は、構成要素182及び構成要素184を含むことができる。トルク装置160の構成要素182及び184は、スナップ機構を介して互いに係合することができる。スナップ機構は、トルク装置160が血管内装置100に沿って自由に動くことを可能にしながら、構成要素182及び184が互いに接続されたままであることを可能にすることができ、フロントラインガイドワイヤ、センシングガイドワイヤ、周辺ガイドワイヤ、及び/又は他のタイプの上記の血管内装置を含み得る。構成要素182及び184上のねじ機構を噛み合わせることによって、ユーザは、トルク装置を血管内装置100上に手動で締め付けることができる。これに関して、構成要素182及び/又は184の外面上の突起部、隆起部、及び他の特徴は、構成要素182及び184を互いに対して回転させる際に支援し、トルク装置160が血管内装置100に締め付けられることを可能にする。さらに、場合によっては、構成要素182及び184は異なるグリップ直径を有する。これに関して、二重又は複数のグリップ直径は、ユーザによって使用されるトルク装置160のグリップ直径に基づいて、血管内装置100の選択的な粗微回転を可能にすることができる。構成要素182は、血管内装置100の容易な挿入を可能にする先細の孔/開口部を含むことができる。これに関して、構成要素182の端部のより大きな開口部は、トルク装置160への脈管内装置100の端部のより容易な挿入を容易にすることができる。いくつかの例では、孔は、血管内装置100と係合するために、増加される表面領域を提供するように、複数の先細適合延在部によって少なくとも部分的に規定されることができ、より大きな保持グリップを可能にし、埋め込み電気リード線又は血管内装置の他の構成要素への損傷を防止することを可能にする。これに関して、長さが1/8 "乃至1/2"(例えば、いくつかの実施例では3/16 "の平均係合長さ)又はそれより長い範囲内になり得る、トルク装置160の細長い接触領域は、現在のトルク装置設計に使用されている点接触設計と比較して、グリップ強度における大幅な改善をもたらすことができる。構成要素182及び184の特徴を含む、トルク装置160のさらなる詳細については、以下に説明する。
【0030】
図4乃至9を参照すると、構成要素182の詳細が示される。この点に関して、
図4は、構成要素182の透視近位図であり、
図5は、構成要素182の透視遠位図であり、
図6は、構成要素182の側面図であり、
図7は、構成要素182の側面の部分的な透視図であり、
図8は、構成要素182の近位端図であり、
図9は、構成要素182の遠位端図である。図示のように、構成要素182は、本体186を含む。グリップ機構188は、本体186から延在する。グリップ機構188は、突出部、隆起部、テクスチャ(例えば、刻み付けられた面)、その他の特徴、及び/又はそれらの組み合わせを含む。これに関して、グリップ機構188は、トルク装置160を血管内装置100上に締め付けられるか、及び/又はトルク装置160が血管内装置100に係合しているときに、トルク装置160で血管内装置100を操作するように、構成要素182を回転させる際にユーザを支援し得る。場合によっては、構成要素182のグリップ機構188は、構成要素184のグリップ機構とは異なる(例えば、より大きい又は小さい)直径を有する。この点に関して、二重又は複数のグリップ直径は、ユーザによって使用されるトルク装置160のグリップ直径に基づいて、血管内装置100の選択的な粗微回転を可能にすることができる。
【0031】
構成要素182は、先細管腔192を規定するテーパ面190を含むことができる。いくつかの実施例では、使用時に、構成要素182は、血管内装置100に沿って構成要素184の遠位に配置されるように構成され得る。したがって、そのような実施態様では、トルク装置160を血管内装置100に結合するときに、テーパ面190は構成要素182の遠位端に向かって延在するので、先細管腔192が血管内装置100の近位端を受けることができる。テーパ面190は、(
図4乃至9の図示の実施形態のように)円錐形又は他の適切な先細形状を有してもよい。この点で、テーパ面190は、トルク装置160が血管内装置100を受け入れるための比較的大きな開口部を有することを可能にし、血管装置100をトルク装置内に挿入するのをはるかに容易にすることができる。例えば、構成要素182の遠位端に隣接して、管腔192の直径は、血管内装置の外径の3倍、4倍、5倍、6倍、又はそれ以上の大きさになり得る。テーパ面190は、その後の係合のためにトルク装置160の中心長軸に対して中心位置に血管内装置100を誘導することができる。
【0032】
構成要素182の本体186は、延在部196及び198に通じるセクション194を含む。延在部196はテーパフランジ200を含み、延在部198はテーパフランジ202を含む。テーパフランジ200及び202は、構成要素184と構成要素182とのスナップ嵌め係合を容易にするために利用されることができる。これに関連して、テーパフランジ200及び202を介した構成要素184との係合により、構成要素182及び184は互いに緩くではあるが接続態様で結合されたままになる。例えば、構成要素182及び184は、限定される範囲内で互いに対してまだ並進及び/又は回転することができるが、テーパフランジ200及び202は、構成要素182及び184の互いの完全な分離を防止するか、少なくとも抵抗し得る。
【0033】
延在部196及び198は、血管内装置100と選択的に係合するように構成されている。この点に関して、延在部196及び198は、(ギャップ210によって示される)開放位置又は中立位置で互いに分離され、血管内装置100と係合するように(矢印212及び214によって示されるように)互いに向かって移動され得る。例えば、いくつかの例では、構成要素184のテーパ構造を延在部196及び198と選択的に係合させることによって、血管内装置100と選択的に係合/係合解除するように使用されることができる。これに関連して、構成要素184のテーパ構造は、延在部196及び198を(矢印212及び214によって示されるように)互いに向かって移動させ、それによって延在部196及び198の間に配置される血管内装置100を締め付け及び/又はクランプすることができる。
【0034】
図示された実施形態では、延長部196はねじ機構204を含み、延長部198はねじ機構206を含む。
図7に最もよく示されているように、ねじ機構204及び206は、構成要素184の対応するねじ機構との係合のために単一の連続的なねじ機構を定義するように構成されることができる。これに関連して、構成要素182と構成要素184との間のねじ係合量は、延在部196及び198の変位量、それにより、トルク装置160が血管内装置100に及ぼすグリップ量を選択的に制御するように使用されることができる。例えば、構成要素182及び184をねじ機構204及び206の周りに互いに回転させると、構成要素182及び184は互いに並進し、構成要素184のテーパ構造(例えば、円錐形孔、テーパ状の平坦面など)のどの部分が延在部196及び198と係合するかを変化させる。
【0035】
延在部196及び198の一方又は両方は、血管内装置100とトルク装置との係合及び/又は位置合わせを容易にするために表面特徴を含むことができる。例えば、
図9に最もよく示されているように、延在部198に没入部208を形成することができる。没入部208は、血管内装置100を受けるようにサイジングされ、形成されることができるので、血管内装置100が延在部196と198との間に把持されるとき、血管内装置100は、没入部208内に維持される。これにより、延在部196と198との間からの血管内装置の排出を防止することができ、及び/又はトルク装置160内の血管内装置100の望ましくないねじれを防止することができる。
【0036】
図10乃至
図15を参照すると、構成要素184の詳細が示されている。
図10は、構成要素184の透視近位図であり、
図11は、構成要素184の透視遠位図であり、
図12は、構成要素184の側面図であり、
図13は、構成要素184の側面の部分的な透視図であり、
図14は、構成要素184の近位端図であり、
図15は、構成要素184の遠位端図である。また、図示のように、構成要素184は、本体220を含む。グリップ機構222は、本体220から延在する。グリップ機構222は、突出部、隆起部、テクスチャ(例えば、刻み付けられた面)、その他特徴、及び/又はそれらの組み合わせを含む。構成要素184は、本体220から近位に延在する延在部236を含むことができる。グリップ部238は、延在部236から延在することができる。グリップ部238は、突起、隆起部、テクスチャ(例えば、刻み付けられた表面)それらの組み合わせを含むことができる。これに関して、構成要素182及び184のグリップ機構188,222及び238は、トルク装置160が血管内装置100と係合しているとき、トルク装置160を血管内装置100上に締め付け、及び/又はトルク装置160で血管内装置100を操作するように、構成要素182及び184を回転させる際にユーザを支援し得る。いくつかの例では、1つ以上のグリップ機構188,222及び238は、グリップ機構188,222及び238の別のものとは異なる(例えば、より大きい又はより小さい)直径を有する。この点に関して、二重又は複数のグリップ直径は、ユーザによって使用されるトルク装置160のグリップ直径に基づいて血管内装置100の選択的な粗微回転を可能にすることができる。
【0037】
構成要素184は、開口部226を規定する遠位端224を含むことができる。いくつかの実施態様において、構成要素184は、使用中に血管内装置100に沿って構成要素182の近位に配置されるように構成され得る。したがって、そのような実施形態では、遠位端224は、構成要素182の近位端を受け入れてインタフェースするように構成されることができる。例えば、図示の実施形態では、構成要素184は、開口226の周りに突出部228を含む。突出部228は、構成要素182のテーパフランジ200及び202とインタフェースするように構成される。例えば、構成要素182が構成要素184の開口部226に導入されるとき、突起部228は、フランジ200及び202のテーパ面の上を摺動することができる。テーパフランジ200及び202を過ぎると、テーパフランジ200及び202の平らな遠位側との突起部228の係合は、構成要素182及び184の完全な分離を防止するか、又は少なくとも抵抗することができる。
【0038】
構成要素184は、内部ショルダ230を含むことができる。表面232は、ショルダ230から近位方向に延在することができる。ショルダ230及び表面232は、ねじ機構234を含むことができる。
図13に示されるように、ねじ機構234は、構成要素182のねじ機構204及び206とインタフェースするように構成される雌ねじ機構とすることができる。他の実施例では、ねじ機構234は、雄ねじ機構であり、構成要素182は、1つ又は複数の雌ねじ機構を含むことができる。構成要素182と構成要素184との間のねじ係合の量は、延在部196及び198の変位の量、したがってトルク装置160が血管内装置100に及ぼすグリップ量を選択的に制御するために使用されることができる。例えばねじ機構204及び206の周りの互いに対する構成要素182及び184の回転は、構成要素182及び184を互いに並進させて、先細管腔240のどの部分が延在部196及び198に係合するかを変えることができる。この点に関して、
図13に示されるように、先細管腔240は、表面232,242、及び244によって規定することができる。この点に関して、テーパ面242は、面232から近位に延在する。テーパ面244は、面244から構成要素184の近位端に向かって近位に延在する。テーパ面244は、構成要素182の延長部196及び198とインタフェースして、延長部196及び198を互いに選択的に変位させるように構成されることができる。テーパ面242及び244は、(図示の実施形態のように)円錐形又は他の適切なテーパ形状(例えば、対向する平らな面)を有してもよい。延在部196及び198が管腔240内にさらに近位に前進するにつれて、延在部196及び198の互いの方への変位の量は、先細管腔240のより狭い寸法のために増加する。したがって、構成要素182及び184の互いに対する変位を制御することによって、血管内装置100のグリップの量はそれに対応して制御されることができる。
【0039】
ここで
図16及び
図17を参照すると、トルク装置160は、血管内装置100を受けてそれに沿って摺動し得る開放位置と、血管内装置100の外面と固定的に係合し得る閉鎖位置との間で移動することができる。この点に関して、
図16は、開放位置におけるトルク装置160の側面図であり、
図17は、閉鎖位置にあるトルク装置160の側面図である。
図16に示すように、構成要素184に対する経路250に沿った構成要素182の回転及び/又は構成要素182に対する経路252に沿った構成要素184の回転は、トルク装置を開放位置から閉鎖位置に移動させ得る。上述したように、構成要素182及び184の互いに対する回転量を制御することによって、構成要素182の延在部196及び198の相対変位を制御することができ、それによって、血管内装置100のグリップ量はそれに対応して制御されることができる。
【0040】
当業者であれば、上述した装置、システム、及び方法は様々な方法で変更することができることも認識するであろう。したがって、当業者は、本開示に包含される実施形態が上記の特定の例示的な実施形態に限定されないことを理解するであろう。これに関して、例示的な実施形態が示され、記載されているが、広範な修正、変更、及び置換が、前述の開示において企図される。そのような変更は、本開示の範囲から逸脱することなく上記になされ得ることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は、広範かつ本開示と一致する方法で解釈されることが妥当である。