(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】検出機器間で標本容器を運搬するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20220111BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
G01N35/02 G
C12M1/34 B
(21)【出願番号】P 2018560642
(86)(22)【出願日】2017-05-26
(86)【国際出願番号】 US2017034718
(87)【国際公開番号】W WO2017205763
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-04-09
(32)【優先日】2016-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502073946
【氏名又は名称】ビオメリュー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヴェ, ティエリー
(72)【発明者】
【氏名】ベルゲリ, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クラインズ, ウォルター
【審査官】岩永 寛道
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-526559(JP,A)
【文献】特表2007-527011(JP,A)
【文献】特開2016-050934(JP,A)
【文献】特表2007-524842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/02
C12M 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動細菌検出装置間で標本容器を運搬するための方法であって、
ロケータウェルにおける標本容器を第1の自動
細菌検出装置における容器運搬ステーションへと輸送することと、
第1のセンサを使用して、前記容器運搬ステーションにおける前記標本容器を感知することと、
前記容器運搬ステーションにおいて前記標本容器を持ち上げるシステム運搬機構を使用して、前記第1の自動細菌検出装置の前記容器運搬ステーションから第2の自動細菌検出装置の自動装着機構へと前記標本容器を運搬することと、
第2のセンサを使用して、前記標本容器が前記第2の自動細菌検出装置の前記自動装着機構に位置決めされ
ていることを検出することと、
前記標本容器を前記第2の自動細菌検出装置の前記自動装着機構へと解放することと
を含む方法。
【請求項2】
前記システム運搬機
構は把持機構をさらに備え、前記方法は、前記標本容器を持ち上げることの前に前記標本容器を把持することを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記標本容器が前記システム運搬機構を離れたことを前記第2のセンサが検出するとき、前記システム運搬機構を前記容器運搬ステーションにおける取上位置へと引き込むことをさらに含む、請求項
1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のセンサが前記標本容器を検出した後で前記第2のセンサが前記標本容器を検出しないときに警告を発することをさらに含む、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記標本容器を前記自動装着機構へと解放する前に前記第2の自動細菌検出装置の前記自動装着機構を作動させることをさらに含む、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第3のセンサが、前記第1の自動細菌検出装置の前記容器運搬ステーションと前記第2の自動細菌検出装置の前記自動装着機構との間のゲートが定位置から離れていることを
検出するとき、前記自動装着機構が作動させられる、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記標本容器が前記第2の自動細菌検出装置の前記自動装着機構へ解放された後に前記標本容器の逆行する運動を防止することをさらに含む、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の自動細菌検出装置の入口ロケーションに近接して位置決めされる第4のセンサが所定の時間の期間にわたって標本容器を検出しないとき、前記第2の自動細菌検出装置の前記自動装着機構の移動を停止させることをさらに含む、請求項1から
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
第1の自動細菌検出装置から第2の自動細菌検出装置へと標本容器を運搬するためのシステムであって、
前記システムは第1の自動細菌検出装置を備え、前記第1の自動細菌検出装置は、
内部室を包囲する筐体と、
前記標本容器を受け入れるために、および、前記標本容器を前記内部室内の1つまたは複数の作業ステーションへと移動させるために、1つまたは複数のロケータウェルを備える標本容器ロケータデバイスであって、前記作業ステーションのうちの1つは容器運搬ステーションである、標本容器ロケータデバイスと、
前記容器運搬ステーションに近接する
とともに、前記容器運搬ステーションにおいて前記標本容器を持ち上げるように構成されたシステム運搬機構と、
前記容器運搬ステーションにおいて標本容器を検出するように構成される第1のセンサと、
前記システム運搬機構が前記標本容器を前記第2の自動細菌検出装置へと運搬したとき
を検出するように構成される第2のセンサと
を備え、
前記システムは前記第2の自動細菌検出装置を備え、前記第2の自動細菌検出装置は、
自動装着機構と、
前記第1の自動細菌検出装置の前記容器運搬ステーションと前記第2の自動細菌検出装置の前記自動装着機構との間のゲートと、
前記ゲートが定位置から離れていることを
検出するように構成される第3のセンサと
を備える、システム。
【請求項10】
前記システム運搬機構と関連付けられ、前記標本容器を持ち上げることの前に前記標本容器を把持するように構成される把持機構をさらに備える、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のセンサが前記標本容器を検出した後で前記第2のセンサが前記標本容器を検出しないときにユーザに警告するように構成される警報器をさらに備える、請求項
9または
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の自動細菌検出装置の入口ロケーションに近接して位置決めされ、前記自動装着機構における標本容器を検出するように構成される第4のセンサをさらに備える、請求項
9から
11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記標本容器のための取上位置において前記システム運搬機構を位置決めするように構成される硬い停止部を前記容器運搬ステーションにおいてさらに備える、請求項
9から
12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記システム運搬機構が定位置にあるときを
検出するように位置決めされる第5のセンサをさらに備える、請求項
9から
13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
プロセッサによって実行されるとき、
ロケータウェルにおける標本容器を第1の自動
細菌検出装置における容器運搬ステーションへと輸送するステップと、
第1のセンサを使用して、前記容器運搬ステーションにおける前記標本容器を感知するステップと、
前記容器運搬ステーションにおいて前記標本容器を持ち上げるシステム運搬機構を使用して、前記第1の自動細菌検出装置の前記容器運搬ステーションから第2の自動細菌検出装置の自動装着機構へと前記標本容器を運搬するステップと、
第2のセンサを使用して、前記標本容器が前記第2の自動細菌検出装置の前記自動装着機構に位置決めされ
ていることを検出するステップと、
前記標本容器を前記第2の自動細菌検出装置の前記自動装着機構へと解放するステップと
を
システムに実施
させる、それ自体に保存された命令で、前記第1の自動細菌検出装置から前記第2の自動細菌検出装置へと前記標本容器を運搬するための非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項16】
前記第1の自動細菌検出装置の前記容器運搬ステーションから第2の自動細菌検出装置の自動装着機構へ前記標本容器を前記運搬することは、システム運搬機構の使用を含み、任意選択で前記システム運搬機構は運搬アームである、請求項
15に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項17】
前記命令は、プロセッサによって実行されるとき、前記標本容器が前記システム運搬機構を離れたことを前記第2のセンサが検出するときに前記システム運搬機
構を前記容器運搬ステーションにおける取上位置まで引き込むステップを
システムに実施
させる、請求項
16に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項18】
前記命令は、プロセッサによって実行されるとき、前記第1のセンサが前記標本容器を検出した後で前記第2のセンサが前記標本容器を検出しないときに警告を発するステップを
システムに実施
させる、請求項
15から
17のいずれか一項に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項19】
前記命令は、プロセッサによって実行されるとき、前記標本容器を前記自動装着機構へと解放する前に前記第2の自動細菌検出装置の前記自動装着機構を作動させるステップを
システムに実施
させる、請求項
15から
18のいずれか一項に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出機器間で標本容器を運搬するためのシステムおよび方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
生物流体における病原性微生物の検出は、具体的には、医師にとって利用可能である幅広い抗生物質にも拘わらず死亡が高いままである敗血症の場合に、最も短い可能な時間で実施されるべきである。特には血液である患者の体液における、微生物などの生物学的に活性のある因子の存在は、概して血液培養瓶を使用して決定される。少量の血液が、包囲するゴム隔膜を貫いて、培地を含む滅菌瓶へと注入され、次に瓶は37℃で培養され、微生物の成長について監視される。
【0003】
生物試料における微生物の成長を検出する機器が、米国における市場に現在存在する。このような機器は、ここでの譲受人であるbioMerieux,Inc.のBacT/ALERT(登録商標)3Dの機器である。この機器は、例えば人の患者からの血液試料を含む血液培養瓶を受け入れる。機器は瓶を培養し、培養の間に周期的に、培養装置における光学検出ユニットが、細菌(microbial)の成長が瓶内で起こったかどうかを検出するために、瓶へと組み込まれた比色センサを分析する。光学検出ユニット、瓶、およびセンサは、特許文献に記載されており、米国特許第4,945,060号、第5,094,955号、第5,162,229号、第5,164,796号、第5,217,876号、第5,795,773号、および第5,856,175号を参照されたい。それら特許の各々の全体の内容は、本明細書において参照により組み込まれる。生物試料における微生物の検出に概して関係する興味のある他の先行技術は、以下の特許、すなわち、米国特許第5,770,394号、米国特許第5,518,923号、米国特許第5,498,543号、米国特許第5,432,061号、米国特許第5,371,016号、米国特許第5,397,709号、米国特許第5,344,417号、およびその継続の米国特許第5,374,264号、米国特許第6,709,857号、および米国特許第7,211,430号を含み、それら特許の各々の全体の内容は、本明細書において参照により組み込まれる。
【発明の概要】
【0004】
標本容器内に含まれた試験試料における細菌因子(microbial agent)(例えば、微生物)の存在の自動検出を提供する自動システムおよび機器アーキテクチャが以下に記載される。一実施形態では、本発明の自動検出機器は、試験試料に含まれる細菌因子、または、試験試料に含まれると疑われる細菌因子の成長を検出するための自動培養機器であり、試験試料は、例えば血液培養瓶といった標本容器内で培養される。一部の実施形態では、標本容器を第1の検出装置から下流の検出装置へと運搬するためのシステムおよび方法が提供される。
【0005】
本発明の自動検出システムは、培地と、その中に微生物を含むと疑われる試験試料(例えば、血液試料)とを含む標本容器(例えば、血液培養瓶)を受け入れる。検出システムは、筐体と、標本容器内の微生物成長を促進または増進するために標本容器を保持および/または攪拌するための保持構造および/または攪拌手段とを備え、任意選択で、加熱された包囲体または培養室を提供するために1つまたは複数の加熱手段をさらに含んでもよい。自動検出システムは、容器が試験試料における細菌因子の存在について陽性であるかどうかを決定する1つまたは複数の検出ユニットも備える。検出ユニットは、米国特許第4,945,060号、第5,094,955号、第5,162,229号、第5,164,796号、第5,217,876号、第5,795,773号、および第5,856,175号の特徴を含み得る、または、試験試料における細菌因子の存在を検出するための他の技術を含み得る。細菌因子が存在する容器(例えば、瓶)は、ここでは「陽性」と呼ばれる。
【0006】
第1の態様では、自動細菌検出装置間で標本容器を運搬するための方法が提供される。一部の実施形態では、前記方法は、ロケータウェルにおける標本容器を第1の自動検出装置における容器運搬ステーションへと輸送することと、第1のセンサを使用して容器運搬ステーションにおいて標本容器を感知することと、第1の自動細菌検出装置の容器運搬ステーションから第2の自動細菌検出装置の自動装着機構へと標本容器を運搬することと、第2のセンサを使用して標本容器が第2の自動細菌検出装置の自動装着機構に位置決めされることを検出することと、標本容器を第2の自動細菌検出装置の自動装着機構へと解放することとを含む。
【0007】
一部の実施形態では、方法は、例えば運搬アームといったシステム運搬機構を使用して標本容器を容器運搬ステーションにおいて持ち上げることも含む。例えば、一実施形態では、例えば運搬アームといったシステム運搬機構は把持機構を備え、方法は、標本容器を持ち上げることの前に標本容器を把持することを含む。
【0008】
一実施形態では、方法は、標本容器が運搬アームを離れたことを第2のセンサが検出するとき、例えば運搬アームといったシステム運搬機構を容器運搬ステーションにおける取上位置へと引き込むことも含む。さらなる実施形態では、方法は、第1のセンサが標本容器を検出した後で第2のセンサが標本容器を検出しないときに警告を発することを含む。なおもさらなる実施形態では、方法は、標本容器を自動装着機構へと解放する前に、第2の自動細菌検出装置の自動装着機構を作動させることを含む。
【0009】
一実施形態では、第3のセンサが、第1の自動細菌検出装置の容器運搬ステーションと第2の自動細菌検出装置の自動装着機構との間のゲートが定位置から離れていることを決定するとき、自動装着機構が作動させられる。さらなる実施形態では、方法は、標本容器が第2の自動細菌検出装置の自動装着機構へ解放された後に標本容器の逆行する運動を防止することを含む。なおもさらなる実施形態では、方法は、第2の自動細菌検出装置の入口ロケーションに近接して位置決めされる第4のセンサが所定の時間の期間にわたって標本容器を検出しないとき、第2の自動細菌検出装置の自動装着機構の移動を停止させることを含む。
【0010】
第2の態様では、第1の自動細菌検出装置から第2の自動細菌検出装置へと標本容器を運搬するためのシステムが提供される。一部の実施形態では、システムは第1の自動細菌検出装置を備え、第1の自動細菌検出装置は、内部室を包囲する筐体と、前記標本容器を受け入れるために、および、前記標本容器を前記内部室内の1つまたは複数の作業ステーションへと移動させるために、1つまたは複数のロケータウェルを備える標本容器ロケータデバイスであって、作業ステーションのうちの1つは容器運搬ステーションである、標本容器ロケータデバイスと、容器運搬ステーションに近接する、例えば運搬アームといったシステム運搬機構と、容器運搬ステーションにおいて標本容器を検出するように構成される第1のセンサと、例えば運搬アームといったシステム運搬機構が標本容器を第2の自動細菌検出装置へと運搬したときに検出するように構成される第2のセンサとを備え、システムは第2の自動細菌検出装置を備え、第2の自動細菌検出装置は、自動装着機構と、第1の自動細菌検出装置の容器運搬ステーションと第2の自動細菌検出装置の自動装着機構との間のゲートと、ゲートが定位置から離れていることを決定するように構成される第3のセンサとを備える。
【0011】
一部の実施形態では、システムは、運搬機構(例えば、アーム)と関連付けられ、標本容器を持ち上げることの前に標本容器を把持するように構成される把持機構を備える。
【0012】
さらなる実施形態では、システムは、第1のセンサが標本容器を検出した後で第2のセンサが標本容器を検出しないときにユーザに警告するように構成される警報器を備える。
【0013】
なおもさらなる実施形態では、システムは、第2の自動細菌検出装置の入口ロケーションに近接して位置決めされ、自動装着機構における標本容器を検出するように構成される第4のセンサを備える。
【0014】
一実施形態では、システムは、標本容器のための取上位置において運搬機構(例えば、アーム)を位置決めするように構成される硬い停止部を容器運搬ステーションにおいて備える。
【0015】
さらなる実施形態では、システムは、運搬機構(例えば、アーム)が定位置にあるときを決定するように位置決めされる第5のセンサを備える。
【0016】
第3の態様では、第1の自動細菌検出装置から第2の自動細菌検出装置へと標本容器を運搬するための非一時的なコンピュータ読取可能媒体が提供される。一部の実施形態では、コンピュータ読取可能媒体は、プロセッサによって実行されるとき、ロケータウェルにおける標本容器を第1の自動検出装置における容器運搬ステーションへと輸送するステップと、第1のセンサを使用して、容器運搬ステーションにおける標本容器を感知するステップと、第1の自動細菌検出装置の容器運搬ステーションから第2の自動細菌検出装置の自動装着機構へと標本容器を運搬するステップと、第2のセンサを使用して、標本容器が第2の自動細菌検出装置の自動装着機構に位置決めされることを検出するステップと、標本容器を第2の自動細菌検出装置の自動装着機構へと解放するステップとを実施するそれ自体に保存された命令を含む。
【0017】
一部の実施形態では、コンピュータ読取可能媒体は、プロセッサによって実行されるとき、例えば運搬アームといったシステム運搬機構を使用して標本容器を容器運搬ステーションにおいて持ち上げるステップをさらに実施する命令を含む。
【0018】
一実施形態では、コンピュータ読取可能媒体は、プロセッサによって実行されるとき、標本容器が運搬機構(例えば、アーム)を離れたことを第2のセンサが検出するときに運搬機構(例えば、アーム)を容器運搬ステーションにおける取上位置まで引き込むステップをさらに実施する命令も含む。
【0019】
さらなる実施形態では、コンピュータ読取可能媒体は、プロセッサによって実行されるとき、第1のセンサが標本容器を検出した後で第2のセンサが標本容器を検出しないときに警告を発するステップをさらに実施する命令も含む。
【0020】
なおもさらなる実施形態では、コンピュータ読取可能媒体は、プロセッサによって実行されるとき、標本容器を自動装着機構へと解放する前に第2の自動細菌検出装置の自動装着機構を作動させるステップをさらに実施する命令も含む。
【0021】
様々な本発明の態様は、添付の図面と共に様々な実施形態の以下の詳細な記載を読むことでより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】試験試料における細菌因子の迅速な非侵襲的な検出のための自動システムの斜視図である。図示するように、システムは自動装着機構を備える。
【
図2】自動装着機構の近接図を示す、
図1の検出システムの斜視図である。
【
図3】自動装着機構と、細菌因子の存在について陰性であると試験された容器のための、廃棄容器を明らかにするために開いる下方引き出しとを示す、
図1の検出システムの斜視図である。
【
図4】
図1~
図3の検出システムで処理された標本容器のうちの1つの側面図である。検出容器は様々な形態を取り得るが、一実施形態では、検出容器は血液培養瓶として構成される。
【
図5A】
図1の検出システムの1つの構成の側方からの立面図である。
【
図5B】上方扉および下方扉が開けられ、
図4に示した種類の複数の容器を保持するための内部室およびラックを示す、
図5Aに示した検出システムの斜視図である。
【
図6】水平支持レールと鉛直支持レールとを示す、
図5Aおよび
図5Bに示した運搬機構の斜視図である。同じく図示されるのは、運搬機構を1つまたは複数の軸周りに回転させるように動作可能である第1の機構および第2の回転機構である。
【
図7A】
図5Aおよび
図5Bに示したロボットヘッドおよび鉛直支持レールの斜視図である。ロボットヘッドは鉛直配向における位置にあり、そのためロボットヘッド内に保持された標本容器も鉛直配向にある。
【
図7B】
図5Aおよび
図5Bに示したロボットヘッドおよび鉛直支持レールの別の斜視図である。ロボットヘッドは水平配向において位置決めされており、そのためロボットヘッド内に保持された容器も水平配向にある。
【
図8A】
図5Aおよび
図5Bに示したロボットヘッドの保持室への標本容器の装着の時間経過を示す図である。把持機構が容器の上部またはキャップを把持する。
【
図8B】
図5Aおよび
図5Bに示したロボットヘッドの保持室への標本容器の装着の時間経過を示す図である。装着過程における中間位置にある容器を示す。
【
図8C】
図5Aおよび
図5Bに示したロボットヘッドの保持室への標本容器の装着の時間経過を示す図である。ロボットヘッドへと装着された後の容器を示す。
【
図9A】上方扉および下方扉が開けられ、容器保持構造の代替の構成を示す、
図1~
図3および
図5A~
図5Bの検出システムの代替の構成のそれぞれ斜視図および側面図である。この実施形態では、ラックはドラムまたは円筒の種類の構成で配置される。
【
図9B】上方扉および下方扉が開けられ、容器保持構造の代替の構成を示す、
図1~
図3および
図5A~
図5Bの検出システムの代替の構成のそれぞれ斜視図および側面図である。この実施形態では、ラックはドラムまたは円筒の種類の構成で配置される。
【
図10】水平平面で動作可能な第1のコンベヤベルトと、鉛直平面において動作可能な第2のコンベヤベルトとを示す、自動装着機構の別の構成の斜視図である。
【
図11】水平平面で動作可能な第1のコンベヤベルトと、複数のペダルを有し、鉛直平面において動作可能な第2のコンベヤベルトとを示す、自動装着機構のなおも別の構成の斜視図である。
【
図12】自動装着機構が設けられたケーシングおよびカバーの斜視図である。
【
図13】検出システムから分離されて示された自動装着機構の一実施形態の斜視図である。この実施形態によれば、自動装着機構は、装着ステーションまたは装着エリアと、輸送機構と、標本容器の完全に自動装着のための入口ロケーションとを備える。装着エリアの一方の側の一部分が、この実施形態の自動装着機構の追加の詳細を示すために取り外される。
【
図14】
図13に示した自動装着機構の別の斜視図である。容器装着エリアは、本明細書で記載するような自動装着機構の他の特徴を明らかにするために、透けて見える特徴として示される。
【
図15】
図14におけるドラム状の装着機構、鉛直シュート、位置付けデバイス、およびシステム運搬デバイスの近接での斜視図である。ドラム状の装着機構、鉛直シュート、位置付けデバイス、およびシステム運搬デバイスは、検出システムから分離されて示される。
【
図16】
図14~
図15に示した自動装着機構の断面図である。より具体的には、
図16はドラム状の装着機構および鉛直シュートの断面図であり、標本容器がシュートを通って降下するところを示す。
図16に示すように、標本容器の上部またはキャップは、容器の下部がシュートを通って降下するときにテーパー加工された出っ張りによって簡潔に所定位置で保持され、それによって標本容器を直立させる。
【
図17】
図14に示した自動装着機構を備える自動検出装置の斜視図である。自動装着機構の容器装着エリアは、細菌因子の迅速な非侵襲的な検出のために自動システムの前面におけるユーザアクセス可能ロケーションに示される。自動検出システムおよび容器装着エリアは、本明細書で記載するように、側面パネルが取り外されて示される、および/または、他の特徴を明らかにするために透けて見える特徴として示される。
【
図18】代替の装着機構を備える自動検出装置の斜視図である。自動装着機構の容器装着エリアは、細菌因子の迅速な非侵襲的な検出のために自動システムの前面におけるユーザアクセス可能ロケーションに示される。自動検出システムおよび容器装着エリアは、本明細書で記載するように、側面パネルが取り外されて示される、および/または、他の特徴を明らかにするために透けて見える特徴として示される。
【
図19】
図17に示した細菌因子の迅速な非侵襲的な検出のための自動システムの下方部分の側面図である。自動検出システムは、本明細書で記載するように、システムの他の特徴を明らかにするために側面パネルが取り外された状態で示される。
【
図20】
図17~
図19に示した保持構造および自動運搬機構の斜視図である。図示するように、この実施形態では、自動運搬機構は、下方水平支持部と、鉛直支持部と、旋回板と、検出装置内の標本容器を運搬するためのロボットヘッドとを備える。明確にするために、保持構造および自動運搬機構は検出装置から分離されて示される。
【
図21A】
図20に示した自動運搬機構の旋回板およびロボットヘッドの斜視図である。ロボットヘッドは、把持機構の特徴を明らかにするために、把持機構および標本容器の断面図で示される。ロボットヘッドは旋回板の第1の端に水平配向で位置付けられており、そのため標本容器も水平配向で配向される。
【
図21B】
図20に示した自動運搬機構の旋回板およびロボットヘッドの斜視図である。ロボットヘッドは、把持機構の特徴を明らかにするために、把持機構および標本容器の断面図で示される。ロボットヘッドは旋回板の第2の端に鉛直配向で位置付けられて示されており、そのため標本容器も鉛直配向で配向される。
【
図22】ユーザインターフェース、ステータス画面、ロケータデバイスカバー、および2つの陽性容器ポートを示す自動検出装置の代替の構成の斜視図である。
【
図23】検出装置の別の設計構成を示す斜視図である。
図23に示すように、検出システムは第1の検出装置と第2の検出機器とを備える。
【
図24】自動検出システムのなおも別の実施形態の斜視図である。図示するように、自動検出システムは、本明細書で記載するように、自動装着機構を有する第1の検出装置と、第1の検出装置に繋げられるかまたは「デイジーチェーン」される第2または下流の検出装置とを備える。
【
図25A】標本容器を第1の検出装置から第2または下流の検出装置まで押すための押し具アーム機構の時間経過を示す。
【
図25B】標本容器を第1の検出装置から第2または下流の検出装置まで押すための押し具アーム機構の時間経過を示す。
【
図25C】標本容器を第1の検出装置から第2または下流の検出装置まで押すための押し具アーム機構の時間経過を示す。
【
図25D】標本容器を第1の検出装置から第2または下流の検出装置まで運搬するためのシステムの図である。
【
図25E】標本容器を第1の検出装置から第2または下流の検出装置まで運搬するためのシステムの図である。
【
図26】検出システムから分離されて示された保持構造および攪拌組立体の斜視図である。
【
図27A】ラック保持構造と、標本容器をラック保持構造内でしっかりと保持するための保留特徴部との斜視図である。
【
図27C】傾斜コイルばねを概略的な描写を示す、
図27Aのラック保持構造および保留特徴部の上からの断面図である。
【
図28A】複数の標本容器を検出装置へと搬送するためのキャリアの第1および第2の斜視図である。図示するように、キャリアは、複数の標本容器を保持するための複数の保持ウェルを備える。本明細書で記載するように、2つの相対する把持特徴部または取っ手と、装着ステーションにおいて複数の標本容器を解放するための解放機構とを示してもいる。
【
図28B】複数の標本容器を検出装置へと搬送するためのキャリアの第1および第2の斜視図である。図示するように、キャリアは、複数の標本容器を保持するための複数の保持ウェルを備える。
【
図29】検出システムについての別の可能な構成の斜視図である。
図29に示すように、検出システムは、1つまたは複数の標本容器を
図28A~
図28Bに示したキャリアから解放するための解放機構を備える。
【
図30】検出システムの動作において実施されるステップを示す流れ図である。
【
図31】自動細菌検出装置間で標本容器を運搬するための方法の動作において実施されるステップを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、本発明は、本発明の一部の実施形態が示される添付の図面を参照して以後においてより完全に記載される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化させることができ、本明細書で説明される実施形態に限定されるとして解釈されるべきではなく、むしろこれらの実施形態は、この開示が徹底した完全なものとなり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。同様の符号は全体を通じて同様の要素に言及する。特定の実施形態に関して詳述されるが、一実施形態の特徴または動作は他の実施形態に適用できることは、認識されるものである。
【0024】
図面では、線、層、特徴、構成要素、および/または領域の厚さは、明確にするために誇張される可能性がある。また、動作(または、ステップ)の順序は、他に明確に指示されていない場合、請求項において提示された順番に限定されることはない。
【0025】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態だけを記載する目的のためのものであり、本発明の限定となるように意図されていない。本明細書で使用されるように、単数形の「1つ(a、an)」および「その(the)」は、文脈が明確に他に指示していない場合、複数の形態も含むように意図される。「備える(comprises)」および/または「備える(comprising)」という用語は、本明細書で使用されるとき、述べられた特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明示するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を除外することがないことは、さらに理解されるものである。「備える」という用語が本明細書で使用され得るが、「備える」要素として言及される物体は、その要素から「成る」または「本質的に成る」という可能性があることは、理解されるべきである。本明細書で使用されるように、「および/または」という用語は、関連する列記された項目のうちの1つまたは複数の任意の組み合わせおよびすべての組み合わせを含む。同様の符号は全体を通じて同様の要素に言及する。本明細書で使用されるように、「XとYとの間」および「約XとYとの間」などの文言は、XおよびYを含むように解釈されるべきである。本明細書で使用されるように、「約XとYとの間」などの文言は、「約Xと約Yとの間」を意味する。本明細書で使用されるように、「約XからYまで」などの文言は、「約Xから約Yまで」を意味する。
【0026】
他に定められない場合、本明細書で使用されるすべての用語(技術的な用語および科学的な用語を含む)は、本発明が属する技術において当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定められたものなどの用語は、明細書の文脈および関連技術におけるそれらの意味と一致する意味を有するとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定められていない場合、理想的または過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことは、さらに理解されるものである。良く知られている機能または構造は、簡潔性および/または明確性のために詳細に記載されなくてもよい。
【0027】
「自動的に」という用語は、動作が、実質的に、および、典型的には全体的に、人または手の入力なしで実行でき、典型的にはプログラムで指図または実行されることを意味する。「電子的に」という用語は、構成要素同士の間の無線と有線との両方の接続を含む。「約」という用語は、挙げられたパラメータまたは値が約±20%の間で変化し得ることを意味する。
【0028】
例えば培養瓶といった試料容器内に含まれる試験試料における細菌因子(例えば、微生物)の存在の非侵襲的な検出の自動システムまたは機器が、本明細書において記載される。さらに、検出機器間で標本容器を効率的で安全に運搬するためのシステムおよび方法が提供される。自動システムまたは機器の一実施形態が、
図1~
図8Cと併せて本明細書で記載される。他の可能な実施形態および設計の代替は、
図9A~
図30と併せて示され、本明細書に記載される。自動システムは、以下の特徴、すなわち、(1)内部室を包囲する筐体、(2)1つもしくは複数の容器を入口ロケーションおよび/もしくはシステムの内部室へと装着するための自動装着機構、(3)システム内の様々な作業フローステーションの間で容器を移動または位置付けするための自動容器管理機構またはロケータデバイス、(4)システム内での容器の運搬のための自動運搬機構、(5)任意選択で攪拌組立体が設けられた複数の標本容器を保持するための1つまたは複数の容器保持構造、(6)細菌の成長の検出のための検出ユニット、ならびに/または、(7)システムからの標本容器の自動装着取外しのための機構のうちの1つまたは複数を備え得る。検出システムの例示された実施形態がどのように動作するかをより良く認識するために、この明細書は、具体的な検出機器(血液培養機器)および標本容器(血液培養瓶)の文脈において自動検出装置を記載し得る。しかしながら、当業者は、検出装置が他の実施形態で実践され得ることと、本明細書で開示される特定の実施形態からの変形が、具体的な実施に合うように到達され得ることと、そのため、本発明を実践するための好ましい実施形態および最良のモードのここでの記載が例示として提供されており、限定ではないこととを容易に認識するものである。
【0029】
システム概要
試験試料または標本試料に存在し得る細菌因子(例えば、微生物)の自動検出のための新たなアーキテクチャおよび方法を提供する自動検出システム100(例えば、
図1~
図3および
図5A~
図5Bに例示される)が、ここで記載される。概して、任意の既知の試験試料(例えば、生物試料)が使用され得る。例えば、試験試料は、1つまたは複数の細菌因子を含むことが疑われる臨床または非臨床の試料であり得る。体液などの臨床試料は、限定されることはないが、血液、血清、血漿、血液分画、関節液、尿、精液、唾液、糞便、脳脊髄液、胃内容物、膣分泌物、組織ホモジネート、骨髄穿刺液、骨ホモジネート、痰、吸引物、スワブ、スワブすすぎ液、他の体液などを含む。試験され得る非臨床試料は、限定されることはないが、食品、飲料品、医薬品、化粧品、水(例えば、飲料水、飲用不可能な水、および廃水)、海水バラスト、空気、土壌、下水、植物材料(例えば、種子、葉、茎、根、花、果実など)、血液製剤(例えば、血小板、血清、血漿、白血球画分など)、ドナー臓器または組織試料、生物兵器試料などを含む。一実施形態では、試験される生物試料は血液試料である。
【0030】
ここで図を参照すると、いくつかの構成が検出システム100について可能である。例えば
図1~
図3および
図5A~
図5Bで示すように、自動検出システム100は、筐体102と、検出システム100内での、または、検出システム100からの、標本容器500の装着(例えば、
図1の符号200)、移動もしくは位置付け(図示せず)、運搬(例えば、
図5A~
図5Bの符号650)、攪拌(図示せず)、および/または装着取外しのための1つまたは複数の自動機構とを備える。筐体102は、前面および後面のパネル104Aおよび104Bと、相対する側面パネル(例えば、左側および右側のパネル)106Aおよび106Bと、上面または天面のパネル108Aと、底面または床面のパネル108Bとを備え、それらのパネルは、検出システム100の内部室620(例えば、
図5A~
図5B参照)を包囲する包囲体を形成する。一実施形態では、検出システム100の内部室620は、細菌の成長を促進または増進するための気候制御された室(例えば、温度がおおよそ37℃で維持される温度制御された培養室)である。
図1~
図3に示すように、筐体は、第1のポートもしくは容器入口ロケーション110、第2のポートもしくは読み間違い/誤りロケーション120、第3のポートもしくは陽性容器出口ロケーション130、下方アクセスパネル140(
図1)もしくは引き出し142(
図3)、および/またはユーザインターフェース表示装置150も備え得る。下方アクセスパネル140または引き出し142は取っ手144を備え得る。同じく
図1に示すように、筐体102は、動作可能な扉(つまり、上方扉および下方扉)162および172(例えば、
図5B参照)を任意選択で各々備える上方区域160および下方区域170も備え得る。上方扉162および下方扉172は、検出システム100の内部室620へのアクセスを許容するために動作可能である。しかしながら、当業者が認識するように、他の設計の構成が可能である。例えば、他の可能な実施形態では、前面パネル全体が単一の動作可能な扉(図示せず)を備えてもよい。
【0031】
1つの設計の可能性において、例えば
図1~
図3に示すように、下方区域170は上方区域160より大きい輪郭または設置面積を有してもよい。この実施形態によれば、より大きい下方区域170の筐体は、上方区域160に隣接して、または、上方区域160の前に、下方区域170の上面に棚180を形成する。棚180は、検出システム100へのユーザワークステーションおよび/または作業フローアクセスポイントを提供できる。さらに、棚180は、自動装着手段または機構200を備え得る。棚180は、第1のポートまたは容器入口ロケーション110と、第2のポートまたは読み間違い/誤りロケーション120と、第3のポートまたは陽性容器出口ロケーション130とのためのアクセスロケーションをさらに提供できる。
【0032】
一実施形態では、例えば
図1~
図3および
図5A~
図5Bに示すように、検出システム100は、検出システム100への標本容器500の自動装着のための自動装着機構200を備え得る。自動装着機構200は、容器装着ステーションまたはエリア202と、輸送機構204と、第1のポートまたは容器入口ロケーション110とを備え得る。動作において、ユーザまたは技術者は、1つまたは複数の標本容器500(例えば
図4参照)を、容器装着ステーションまたはエリア202に置くことができる。例えばコンベヤベルト206といった輸送機構204は、標本容器を第1のポートまたは容器入口ロケーション110へと輸送し、一部の設計では、続いて入口ロケーション110を通じて検出システム100へと輸送し、それによって容器をシステムに装着する。自動装着機構200は、本明細書においてより詳細に記載される。
【0033】
当業者が認識するように、他の設計が自動装着機構のために採用されてもよく、本明細書における他のところに記載される。例えば、代替の自動装着機構が
図10~
図16に示される。一実施形態において、
図13~
図16に示すように、および、本明細書でより詳細に記載するように、検出システム100は、容器装着エリアまたは貯留部302と、検出システム100への標本容器の自動装着のためのドラム状の装着デバイス308とを採用できる。
【0034】
別の実施形態では、例えば
図14~
図15および
図18に示すように、自動検出システム100は、標本容器の1つまたは複数の測定、読取、走査、および/または画像を得るための1つまたは複数の作業フローステーション404を含むことができ、それによって、容器の種類、容器のロット番号、容器の有効期限、患者の情報、試料の種類、試験の種類、充填高さ、重量測定などの情報を提供できる。さらに、1つまたは複数の作業フローステーション404は、容器取上ステーションまたは容器運搬ステーションなどの1つまたは複数の容器管理ステーションを備え得る。例えば、自動検出システムは、以下の作業フローステーション、すなわち、(1)バーコード読取ステーション、(2)容器走査ステーション、(3)容器撮像ステーション、(4)容器計量ステーション、(5)容器取上ステーション、および/または(6)容器運搬ステーションのうちの1つまたは複数を含み得る。この実施形態によれば、検出システム100は、例えば
図13~
図15、
図18、および
図24で示すように、容器管理手段または容器ロケータデバイス400をさらに有し得る。動作において、容器管理デバイスまたはロケータデバイス400は、標本容器500を1つもしくは複数の作業フローステーション404へとおよび/または1つもしくは複数の作業フローステーション404の間で移動させるために、または、位置付けるために、動作する。1つの設計構成において、作業フローステーションのうちの1つまたは複数は、検出システム100の筐体102内に含まれる。一実施形態では、
図14~
図15において最良に示されるように、ドラムまたはドラム状の装着デバイス308と、自動装着機構300の鉛直に配向されたシュート332とが、本明細書における他のところに記載されるように、標本容器をロケータウェル402へと預けるように、または、置くように動作させられ得る。別の実施形態では、
図18および
図24において最良に示されるように、自動装着機構200の輸送機構204またはコンベヤベルト206は、本明細書における他のところに記載されるように、標本容器をロケータウェル402へと預けるように、または、置くように動作できる。検出システム100は、標本容器をロケータウェル402へと案内するために1つまたは複数の案内レール(図示せず)をさらに備え得る。これらの実施形態の両方によれば、容器管理装置または位置付け装置400は、次に、例えばバーコード読取ステーション、容器走査ステーション、容器撮像ステーション、容器計量ステーション、容器取上ステーション、および/または容器運搬ステーションなど、システム内の様々な作業フローステーション404の間で、標本容器を移動または位置付けするために回転できる。容器管理デバイスまたは位置付けデバイス400は、本明細書においてより詳細に記載される。
【0035】
例えば
図5A~
図8Cで示すように、検出システム100は、検出システム100の筐体102内で標本容器500を運搬するための標本容器500自動運搬手段または機構650も備え得る。例えば、運搬機構650は、標本容器500を入口ロケーションまたはポート110(例えば、
図1~
図3参照)から検出システム100の内部室620へと運搬でき、容器500を、複数の保持構造またはラック600のうちの1つに含まれた受入構造またはウェル602のうちの1つへと置くことができる。別の実施形態では、運搬機構650は、標本容器500をシステム内で再配置、運搬、または管理するために使用され得る。例えば、一実施形態では、運搬機構650は、細菌の成長について陽性であるとして検出された標本容器500(本明細書では「陽性」容器として言及される)を、保持構造またはラック600から、陽性容器出口ロケーションまたはポート130(例えば、
図1参照)などの陽性容器ロケーションへと運搬するために使用でき、陽性容器出口ロケーションまたはポート130では、ユーザまたは技術者が陽性容器500を検出システム100から容易に取り外しできる。別の実施形態では、運搬機構650は、指定された時間が経過した後に細菌の成長について陰性として決定された容器500(本明細書では「陰性」容器として言及される)を、保持構造またはラック600から、システム内の陰性容器ロケーション(例えば、陰性容器廃棄箱146(例えば、
図1参照))へと運搬するために使用でき、陰性容器ロケーションでは、ユーザまたは技術者は、容器500の取外しおよび処分のために、廃棄箱146に容易にアクセスできる。当業者が認識するように、他の設計が自動運搬機構のために採用されてもよく、本明細書における他のところに記載される。例えば、別の設計構成が、
図17~
図21Bと併せて本明細書で記載される。
【0036】
検出システム100は、標本容器500(例えば、
図27参照)における成長を検出するための手段(例えば、検出ユニット)も備えることになる。概して、容器内の細菌の成長を検出するための当技術分野における任意の既知の手段が使用できる。例えば、各々の保持ステーションまたはラック600が、各々の標本容器500における微生物の成長の非侵襲的な監視の能力を有する線形の走査光学システムを含む。一実施形態では、光学システムは、容器500においてセンサ(例えば、液体乳濁センサ(LES:Liquid Emulsion Sensor)センサ)514(例えば、
図4参照)に問い合わせでき、それによって容器内での微生物の成長を検出する。
【0037】
検出システム100は、「陽性」および/または「陰性」の標本容器500の装着取外しのための自動装着取外し機構も備え得る。この自動装着取外し機構は、「陽性」または「陰性」の読取が各々の標本容器500について行われると、容器500が容器受入構造またはウェル602(例えば、
図5Aおよび
図5B参照)から取り外され、検出システム100へと装着される別の容器のための空間を作り、それによってシステムの処理量を増加させることを確保するように動作できる。
【0038】
標本容器
例えば
図4および
図27Bと、他の図とに示した標本容器500は、標準的な培養瓶(例えば、血液培養瓶)の形態で示される。しかしながら、培養瓶(例えば、血液培養瓶)の記載は、例として提案されており、限定ではない。
図4に示すように、標本容器500は、上部分502と、本体504と、基部506とを備える。容器500は、検出システムまたはオフライン装備のいずれかの中での容器500の自動読取のためのバーコードラベル508を備え得る。
図4および
図27Bに示すように、容器500の上部分502は、開口516が容器の内部室518との連通を提供するために貫いて延びる細い部分または首部510を典型的には備える。
図27Bに示すように、容器は、穿孔可能な隔膜を任意選択で有する閉止デバイス512(例えば、栓)も備え、容器500における細菌の成長の存在の比色検出の目的のために容器500の下部に形成または置かれたセンサ514(例えば、LESセンサ)も有し得る。容器500の構成は特に重要ということはなく、本発明のシステムおよび方法は、試験試料(例えば、生物試験試料)を培養するために設計された様々な容器に適合され得る。
図4および
図27Bに示した種類の容器500は、当技術分野おいてに良く知られており、本文献の背景技術の部分において引用した特許文献に記載される。
【0039】
一実施形態では、標本容器500は、試験試料(例えば、臨床または非臨床の生物試料)で植え付けられ、検出システム100へと装着される/検出システム100から装着取り外しされる。容器500は、菌または微生物の成長を促進および/または増進するための成長媒体または培地(図示せず)をさらに備え得る。微生物の培養のための成長媒体または培地の使用は良く知られている。適切な成長媒体または培地は、微生物の成長に適切な栄養条件および環境条件を提供し、標本容器500において培養される微生物によって必要とされるすべての栄養を当然ながら含んでいる。微生物の自然な増幅を可能にするための十分な時間間隔の後(この時間間隔は種ごとに異なる)、容器500は、菌または微生物の成長の存在について検出システム100内で試験される。試験は、容器ができるだけすぐに微生物の成長について陽性であるとして決定され得るように、連続的に、または、周期的な基準で、行われてもよい。
【0040】
一実施形態では、容器500が検出システム100において陽性として検出されると、システムは、指示器190(例えば、視覚的プロンプト)を通じて、および/または、ユーザインターフェース表示装置150における通知を介して、または、他の手段によって、操作者に通知する。
【0041】
自動装着手段または機構
検出システム100は、検出システム100への標本容器500の自動装着のための手段または機構を備え得る。一実施形態では、例えば
図1~
図3および
図5A~
図5Bに示したように、自動装着機構200は、容器装着ステーションまたはエリア202と、輸送機構204と、入口ロケーションまたはポート110とを備え得る。しかしながら、当業者によって認識されるように、自動装着機構は多くの異なる構成を取ることができる。例えば、自動装着機構300の別の設計構成が、
図13~
図16と併せて本明細書で記載される。本明細書に記載された様々な設計構成は、例示としてであり、限定ではない。本明細書で示した自動装着機構(例えば、
図1~
図3、
図5A~
図5B、および
図13~
図16)は概略的に示されており、部品は一定の縮尺ではない。
【0042】
ユーザまたは技術者は、1つまたは複数の標本容器500を検出システム100へと任意の既知の手段で輸送でき、容器装着ステーションまたはエリア202において容器500を置ける。例えば、一実施形態では、ユーザまたは技術者は、複数の標本容器を検出システム100の装着ステーションまたはエリア202へと輸送するように設計されたキャリアを使用できる。
【0043】
1つの可能な運搬装置の設計が
図28Aおよび
図28Bに示される。
図28Aおよび
図28Bに示されるように、キャリア350は、上面352Aおよび下面352Bと、前面354Aおよび後面354Bと、相対する側面356Aおよび356B(例えば、右側面および左側面)と、前記相対する側面356A、356Bに取り付けられた一対の相対するユーザ取っ手358Aおよび358Bとを有する本体351を備える。本体は、単一の標本容器500を中で保持するように各々構成された複数の貫通孔360をさらに備える。本体351は、キャリア350内に装着された標本容器500を保留するための「閉」位置と、標本容器500をキャリア350から解放し、標本容器500を自動装着機構の上または中へと預けるための「開」位置との間で前後(例えば、
図28Aにおける矢印366)にスライドするために、スライド接合部364内で動作可能なスライド板362も備え得る。スライド接合部364は、ユーザによる検出システムへの輸送の間にスライド板362を「閉」位置において係止するためのばねまたは同様の手段をさらに備え得る。
【0044】
図28A~
図29に示すように、キャリア350は、一対の位置合わせアーム368Aおよび368Bと、検出システム100の自動装着機構200において標本容器500を解放するための解放機構372と動作可能な解放タブ370をさらに備えてもよい。解放機構372は、キャリア350が標本容器500を預けるために装着ステーションまたはエリア202において適切に位置合わせされることを確保するために、一対の位置合わせアーム368Aおよび368Bに対応する一対のスロット374と、解放バー376とを備える。動作において、技術者は、1つまたは複数の標本容器500を含むキャリア350を自動装着機構200へと輸送し、位置合わせアーム368Aおよび368Bが解放機構372の対応するスロット374と位置合わせされる状態でキャリア350を解放バー376に押し付ける。キャリア350を解放バー376に押し付けることで、解放タブ370は押し込まれ、または、押し下げられ、それによってスライド板362を「開」位置へと移動させ、標本容器500を貫通孔360から装着ステーションまたはエリア202上へと降下させる。次に、技術者は、キャリア本体351および複数の貫通孔360が標本容器500を通過させるまでキャリア350を上向きに持ち上げ、それによって、検出システム100への自動装着に向けて容器を自動装着機構200に預けることができる。当業者が認識するように、他の設計の構成が可能である。
【0045】
図1~
図3に示すように、装着ステーションまたはエリア202は、典型的には、自動装着機構200の容易にアクセス可能なロケーションまたはエリアであり、そこではユーザまたは技術者は、1つまたは複数の標本容器500を、検出システム100への装着に向けて置くことができる。装着ステーション202において、容器500は、輸送機構204を使用して、装着ステーションまたはエリア202から入口ロケーションまたはポート110へと輸送され、一部の設計では、続いて入口ロケーションまたはポート110を通って検出システム100へと輸送される。したがって、ユーザまたは技術者は、1つまたは複数の標本容器500を装着ステーションまたはエリア202に置いて立ち去るだけでよく、一方で容器500は検出システム100へと自動的に装着される。標本容器500は、システムへと輸送されると、本明細書における他のところに記載されるように、容器管理デバイスまたはロケータデバイスを使用して1つまたは複数の作業フローステーションへと移動され得る、および/または、保持構造またはラックへと運搬され得る。
【0046】
一実施形態では、
図1~
図3、
図5Aおよび
図5Bに示すように、輸送機構204は、容器500を、入口ロケーションまたはポート110へと、続いて入口ロケーションまたはポート110を通じて検出システム100へと、輸送する(例えば、運ぶ)ように動作可能なコンベヤベルト206である。しかしながら、標本容器500を装着ステーションまたはエリア202から入口ロケーションまたはポート110へと輸送するための他の手段または機構が考えられ、限定されることはないが、送りネジ、溝および成形板を有するタイミングベルトなどを含み得る。他の実施形態では、検出システム100への標本容器500の自動装着の過程は、後で記載するように、運搬機構650を使用して容器を保持構造またはラックへと運搬すること、または、容器ロケータデバイス(例えば、
図24の符号400A)を使用して容器を1つまたは複数の作業フローステーションへと移動することをさらに含み得る。
【0047】
図1~
図3、
図5A、および
図5Bに示すように、装着ステーションまたはエリア202と輸送機構204とはコンベヤベルト206を備える。この実施形態によれば、ユーザまたは技術者は、1つまたは複数の標本容器500を、容器500の検出システム100への自動装着のためのコンベヤベルト206の特定の位置またはエリア(つまり、装着ステーションまたはエリア202)に置くことができる。コンベヤベルト206は、連続的に走行できる、または、装着ステーションまたはエリア202における容器500の物理的な存在によって作動させられ得る。例えば、システム制御装置が、装着ステーション202における1つまたは複数の標本容器の存在または不在を指示する信号(例えば、光センサ)に基づいて、コンベヤベルト206を動作させる(つまり、電源オン/オフする)ために使用されてもよい。同様に、1つまたは複数のセンサは、容器が不適切に装着され、および/または、容器が倒れ、詰まりを引き起こし得るかどうかを指示するために、入口ロケーションまたはポート110において使用されてもよい。コンベヤベルト206は、容器500を装着ステーションまたはエリア202(例えば、
図1に示すように、コンベヤベルト206の左部分)から入口ロケーションまたはポート110へと移動または輸送するように動作し、それによって、検出システム100へと装着される1つまたは複数の容器500を入口ロケーションまたはポート110において蓄積する。典型的には、
図1~
図3および
図5A~
図5Bに示すように、装着ステーションまたはエリア202と、輸送機構204またはコンベヤベルト206と、入口ロケーションまたはポート110とは、検出システム100の筐体102の外側に、または、検出システム100の筐体102に位置付けられる。一実施形態では、自動装着機構200は、下方区域170の上部においてシステム100の上方区域160に隣接して位置付けられた棚180に位置付けられる。同じく図示するように、輸送機構またはコンベヤベルト206は、検出システム100への装着のために、標本容器500を鉛直または直立の配向で(つまり、容器500の上部分506が上になるように)維持するために、水平平面において典型的には動作する(例えば、
図1~
図3および
図5A~
図5B参照)。
図1~
図3において示すように、輸送機構またはコンベヤベルト206は、1つまたは複数の自由に立つ容器500を輸送するために、例えば、左から右へと、または、装着ステーションまたはエリア202から入口ロケーションまたはポート110に向けて移動する(例えば、
図2における矢印208)。
【0048】
一実施形態では、例えば
図1~
図3および
図10~
図11で示すように、自動装着機構200は、輸送機構またはコンベヤベルト206の一方または両方の側に並列に位置付けられる1つまたは複数の案内レール210をさらに備えることになる。1つまたは複数の案内レール210は、輸送機構またはコンベヤベルト206の動作の間、標本容器500を入口ロケーションまたはポート110へと案内または方向付けるように機能する。一実施形態では、案内レールは、標本容器を自動装着機構200の後部において単一の縦列の線へと漏斗状に通すまたは案内するように動作し、その後部において、標本容器は、1回に1つの容器で、検出システム100へと装着されるために順番を待つ。別の設計の態様では、例えば
図22に示すように、検出システム100は、ロケータデバイス(本明細書における他のところに記載される)を覆い、中にある内部ロケータデバイス室(図示せず)を包囲するロケータデバイスカバー460をさらに備え得る。ロケータデバイスカバー460は、自動装着機構200から入口ロケーションまたはポート110へと輸送され、続いて内部室へと輸送されるときに標本容器500を案内するための1つまたは複数の容器案内レール462を備えてもよく、それによって標本容器をシステムへと自動的に装着する。この実施形態によれば、内部ロケータデバイス室(図示せず)は、本明細書における他のところに記載される内部室の一部であると考えられる。
【0049】
なおも別の実施形態では、自動装着機構200は、容器が検出システム100に入るときに標本容器500を読取または識別するための手段またはデバイスをさらに備え得る。例えば、容器500は、システム内での容器識別および追跡のために読み取られ得るバーコードラベル508を備えてもよい。この実施形態によれば、検出システム100は、システム内の1つまたは複数のロケーションにおいて1つまたは複数のバーコードリーダ(例えば、
図14~
図15における符号410参照)を備える。例えば、検出システム100は、個々の容器500がシステムへと入るときにその容器500を検出システム制御装置へと読み取る、識別する、および記録するために、入口ロケーションまたはポート110においてバーコードリーダを備え得る。別の実施形態では、入口ロケーションまたはポート110は、バーコードラベル508の読取を可能にするために入口ロケーションまたはポート110内で容器を回転させるための手段またはデバイス(例えば、本明細書における他のところに記載されるような容器回転装置または回転ターンテーブル)も備え得る。別の可能な実施形態では、運搬機構(例えば、
図5Bにおける符号650参照)は、バーコードラベル508の読取を可能にするために容器500を回転させることができる。バーコードが読み取られると、運搬機構は、典型的には、容器500を入口ロケーションまたはポート110から、複数の保持構造またはラック600のうちの1つにおける複数の受入構造またはウェル602のうちの1つへと容器500を運搬する。
【0050】
なおも別の実施形態では、バーコード508が適切に読み取りできない場合(例えば、ラベルが読み違えられる場合、または、読取エラーが起こる場合)、検出システム制御装置(図示せず)は、読取不可能または読み違えられた容器500へのユーザのアクセスのために、容器500を読み違え/エラーロケーションまたはポート120へと方向付けることができる。ユーザは、自動装着機構200を使用して、および/または、ユーザの裁量において、容器を再装着でき、任意選択で容器500を手作業で装着でき、容器500の情報をシステム制御装置へと手入力できる(例えば、ユーザインターフェース150を使用して)。別の実施形態では、検出システム100は、高い優先度の容器の装着のために、および/または、ラベルが読み違えられた、もしくは、読取エラーが起こった容器の手作業の装着のために、高い優先度の(またはSTATの)装着ロケーション(図示せず)を含んでもよい。
【0051】
自動装着機構の別の設計構成が
図10に示される。
図10に示すように、自動装着機構200は、装着ステーションまたはエリア202と、第1のコンベヤベルト206と、入口ロケーションまたはポート110とを備える。コンベヤベルト206は、標本容器500をシステム100の左縁(つまり、装着ステーション202のロケーション)から入口ロケーションまたはポート110へと輸送するように動作する。この例では、移動は左から右へであり、
図10において矢印220によって表される。自動装着機構200は、案内レール210と、一式のギヤまたは車輪214、216の周りで動作する第2のコンベヤベルト212とをさらに備え得る。この実施形態によれば、第2のコンベヤベルト212は、第1の水平なコンベヤベルト206の上方において鉛直平面において配向されて動作可能であり、時計回りまたは反時計回りの手法で動作できる(つまり、ベルトを、左から右へと、または、右から左へと移動するために)。第2の鉛直方向に配向されたコンベヤベルト212の時計回りまたは反時計回りの動作は、標本容器500に、容器の鉛直軸周りに反時計回りまたは時計回りの回転をそれぞれ与えることができる。出願者は、標本容器500に時計回りまたは反時計回りの回転を与えることで、複数の標本容器500が入口ロケーションまたはポート110において蓄積するときに自動装着機構200の詰まりまたは目詰まりを防止および/または低減できることを見出した。容器500は、入口ロケーションまたはポート110に到達すると、検出システム100へと移動され得る。
【0052】
なおも別の実施形態では、自動装着機構200は、第1のコンベヤベルト206の下において水平平面で位置付けられる支え板(図示せず)も含み得る。当業者が認識するように、コンベヤベルト206は、いくらかの弾力性や柔軟性を有してもよく、または、「ばねのようである」と考えられてもよい。コンベヤベルト206のこのばねのような性質は、容器がコンベヤベルト206にわたって装着ステーションまたはエリア202から第1のポートまたは入口ロケーション110へと輸送されるときに標本容器500の不安定をもたらす可能性があり、標本容器500が斜めになるかまたは倒れる結果になる可能性がある。出願者は、剛体または半剛体の支え板をコンベヤベルト206の下に備えることで、この問題が低減および/または完全に排除でき、それによって、装着機構200の詰まりまたは目詰まり(例えば、倒れた容器500によって)を低減および/または防止することを見出した。概して、任意の既知の支え板の材料が使用できる。例えば、支え板は、プラスチック、木、または金属から作られた剛体または半剛体の板であり得る。
【0053】
自動装着機構のなおも別の設計構成が
図11に示される。
図11に示すように、自動装着機構200は、装着ステーションまたはエリア202と、コンベヤベルト206と、入口ロケーションまたはポート110とを備え得る。同じく示すように、コンベヤベルト206は、標本容器500をシステム100の前縁(つまり、装着ステーション202)から入口ロケーションまたはポート110へと輸送するように動作できる。この例では、装着機構200の移動は、前から後へと(つまり、機器の前縁から装着ポート110へと)であり、
図11における矢印240によって表される。図示したように、自動装着機構200は、1つまたは複数の標本容器500がコンベヤベルト206によって輸送されるときにその標本容器500を入口ロケーションまたはポート110へと案内するために、1つまたは複数の案内レール210をさらに備え得る。
【0054】
任意選択で、
図11に示すように、自動装着機構200は、この実施形態によれば、第2の輸送機構230を備え得る。一実施形態では、第2の輸送機構230は、第1のコンベヤベルト206の上方の鉛直平面において位置付けられて動作可能である第2のコンベヤベルト232を備え得る。図示するように、第2の輸送機構230は、第2のコンベヤベルト232に取り付けられた複数のパドルまたは板236をさらに備え得る。この実施形態によれば、第1のコンベヤベルト206は、1つまたは複数の標本容器500を装着ステーションまたはエリア202から第2の輸送機構230へと移動または輸送するために動作し、第2の輸送機構230で容器500はパドルまたは板236同士の間でウェルまたは空間234へと個々に移動または輸送される。第2のコンベヤベルト232は、一式のギヤまたは駆動輪(図示せず)の周りで動作し、例えば、自動装着機構200の後縁にわたって左から右へと走行または移動し、それによって容器500を、装着機構200の後部に沿って左から右へと入口ロケーションまたはポート110まで輸送する(例えば、矢印250参照)。容器500は、入口ロケーションまたはポート110に到達すると、検出システム100へと移動され得る。
【0055】
なおも別の実施形態では、自動装着機構200は、例えば
図12に示すように、保護筐体またはケーシング260において包囲され得る、または、包み込まれ得る。この実施形態によれば、自動装着機構200またはその1つまたは複数の構成要素(つまり、装着エリア、輸送手段(例えば、コンベヤベルト206)、および/または入口ロケーションもしくはポート(図示せず)のうちの1つまたは複数)は、保護筐体またはケーシング260に含まれ得る、または、包み込まれ得る。保護筐体またはケーシング260は、標本容器500に自動装着機構200へのアクセスを提供し、保護筐体またはケーシング260に含まれた自動装着機構200の中/上に標本容器500を装着するための開口262を有する。任意選択で、保護筐体またはケーシング260は、自動装着機構200、および/または、中に含まれる容器500を保護するために閉じられ得る、または、遮断され得るカバー手段264をさらに備えることができる。カバーは、図示するように、閉じることができる蓋266、または、筐体もしくはケーシング260を閉じるための他の構造もしくは手段であり得る。例えば、別の実施形態では、カバー264は、開口262にわたって遮断されるように引っ張られ得る軽量なカーテン(図示せず)であり得る。保護筐体またはケーシング260は、装着もしくは高い優先度の容器(つまり、STAT容器)および/または読み違えられた容器のための優先容器装着ポート270も提供できる。一実施形態では、容器500が優先ポート270へと手作業で装着できる。
【0056】
自動装着機構の別の実施形態が
図13~
図15に示される。先に記載した自動装着機構と同様に、
図13~
図15に示した自動装着機構300は、容器装着ステーションまたはエリア302と、輸送機構304と、検出システム100への1つまたは複数の標本容器500の完全に自動装着のための容器入口ロケーション306とを備える。
【0057】
容器装着エリア302は、例えば
図17に示すように、ユーザが容器装着エリア302に1つまたは複数の標本容器500を容易に置くことができるように、検出システム100において容易にアクセス可能なロケーションにある。この実施形態によれば、標本容器500は、例えば
図13に示すように、標本容器500の側面において横たわるように水平配向で装着される。容器装着エリア302において、標本容器500は輸送機構304によって容器装着エリア302から入口ロケーション306へと輸送でき、入口ロケーション306から、容器500は、本明細書でより詳細に記載するように、検出システム100に入ることになる。驚いたことには、装着エリア302における標本容器500の配向に拘わらず(つまり、容器500の上部分506が検出システム100を向いているか、検出システム100から離れる方を向いているか(例えば、
図14において示す)に拘わらず)、この実施形態の自動装着機構300は、標本容器500を検出システム100へと装着できる。
【0058】
一実施形態では、容器装着ステーションまたはエリア302は、例えば
図13に示すように、1つまたは複数の標本容器500を保持することができる装着貯留部303を備える。装着貯留部303は、1個から100個までの標本容器、1個から80個までの標本容器、または、1個から50個までの標本容器を保持するように設計できる。別の設計の概念では、装着貯留部は100個以上の標本容器500を保持してもよい。この実施形態の自動装着機構300は、ユーザまたは技術者が装着貯留部303および装着エリア302を覆うために任意選択で閉じることができる蓋またはカバー(図示せず)をさらに備えてもよい。様々な設計が、蓋またはカバーについて可能であり考えられる。
【0059】
図13~
図14に示すように、装着貯留部303は、例えば、標本容器500を装着エリア302から入口ロケーション306まで輸送するように入口ロケーション306の方へと下向きに傾斜する傾斜面といった、輸送機構304を含んでいる。この実施形態によれば、傾斜面は、標本容器を入口ロケーション306へと斜面において転がり落とすかまたは下へスライドすることができる。傾斜面が図において例示されるが、他の設計が、標本容器を入口ロケーション306へと輸送するための輸送手段または機構304について可能であり考えられる。例えば、代替の設計概念では、輸送機構304はコンベヤベルト(図示せず)を備えてもよい。この設計概念によれば、コンベヤベルトは、1つまたは複数の標本容器を保持するように設計でき、任意選択で、コンベヤベルトが入口ロケーション306の方へと下向きに傾斜するように設計されてもよい。
【0060】
入口ロケーション306において、ドラムまたはドラム状の装着デバイス308が、標本容器500を検出システム100へと装着するために使用される。図示するように、ドラム状の装着デバイス308は、1つまたは複数の標本容器を中に保持するための水平に配向された1つまたは複数のスロット310を有する。各々の個々のスロット310は、単一の標本容器500を保持することができる。一実施形態では、ドラム状の装着デバイス308は、例えば、中に標本容器500を保持するための、1個から10個までのスロット、1個から8個までのスロット、1個から6個までのスロット、1個から5個までのスロット、1個から4個までのスロット、または、1個から3個までのスロットといった、複数のスロットを有する。別の実施形態では、ドラム状の装着デバイス308は、単一の標本容器500を中で保持することができる単一のスロットを有するように設計され得る。
【0061】
ドラム状の装着デバイス308は、水平の軸周りに回転でき(時計回り方向または反時計回り方向のいずれかで)、個々の標本容器500を取り上げて検出システム100へと装着することができる。動作において、ドラムまたはドラム状の装着デバイス308の回転は、水平に配向された標本容器500を、複数の水平に配向されたスロット310のうちの1つにおいて取り上げ、容器500を、ドラムまたはドラム状の装着デバイスの回転によってタンブラーデバイス330(例えば、
図16参照)へと移動する。当技術分野の任意の既知の手段が、ドラムまたはドラム状の装着デバイス308の回転のために使用できる。例えば、システムは、ドラム状の装着デバイス308の回転のためにモータ(図示せず)および駆動ベルト316の使用を採用できる。
【0062】
別の実施形態では、
図13に示すように、この実施形態の自動装着機構300は、単一の容器装着ポート312をさらに備え得る。動作において、ユーザまたは技術者は、単一の標本容器を、例えばSTAT標本容器などの迅速または緊急の装着のために、単一の容器装着ポート312へと置くことができる。単一の容器装着ポート312に置かれると、容器は、例えば、検出システム100への標本容器の迅速または緊急の自動装着のためのドラム状の装着デバイス308の方へと下向きに傾斜する傾斜面といった第2の輸送機構314へと、重力を介して落下または降下する。
【0063】
図13~
図16に示すように、ドラムまたはドラム状の装着デバイス308は、標本容器500を入口ロケーション306からタンブラーデバイス330へと移動するために、鉛直平面において(つまり、水平の軸の周りで、または、水平の軸を中心として)回転する。タンブラーデバイスは、鉛直に配向されたシュート332の上部において開放スロットを備える。タンブラーデバイス330に移動されると、標本容器は、カム機構および鉛直に配向されたシュート332によって直立させられる(つまり、標本容器は、水平の容器配向から直立した鉛直の容器配向へと再位置決めされる)。動作において、カム機構(図示せず)は、標本容器の上部および/または下部を感知でき、標本容器500を標本容器の基部から水平方向において押し、それによって、鉛直に配向されたシュート332の開口を通じて基部を落下または降下させることができる。したがって、タンブラーデバイス330は、容器500に、下部を先にして鉛直シュート332を通じて容器ロケータデバイス400(本明細書における他のところに記載される)の第1のロケータウェルへと(重力を介して)落下させるように動作し、それによって、容器500を鉛直な直立した配向で再配向する。
【0064】
例えば
図16で示すように、タンブラーデバイス330は、ドラムの各々の側において1つで2つのテーパー加工された出っ張り334を有し、各々の出っ張りは、前縁においてより細く、後縁においてより厚い。出っ張り334は、ドラムが回転するときに容器500のキャップ部分502が出っ張りによって捕獲または保持される(つまり、キャップが出っ張り334の上部に圧し掛かるようにキャップは出っ張りの上側へ移動する)ように位置合わせされる。出っ張り334は、容器の下部が鉛直シュート332を通って降下するとき、容器500のキャップ部分502を所定位置で短時間保持するだけである。さらに、容器の下部または基部506は出っ張りによって捕獲または保持されない。代わりに、テーパー加工された出っ張り334は、ドラムまたはドラム状の装着デバイス308が回転するとき、容器500の下部または基部506を水平方向で容器500の下部506から容器の上部またはキャップ部分502に向けて押すかまたはスライドさせるように作用する(
図4参照)。この作用は、容器のキャップ端502が出っ張り334の上縁によって保持され、それによって容器500の下部506を、鉛直シュート332を通じて容器ロケータデバイス400へと自由に降下させることを確保するのを助ける。出っ張り334をドラムまたはドラム状の装着デバイス308の各々の側において有することで、回転するドラムにおける容器500の配向は必須ではない。容器500は、容器のキャップ端502がドラム状の装着デバイス308の右側にあるか左側にあるかに拘わらず(例えば、
図16参照)、下部506が鉛直シュート332を通じて降下するときに、対応する出っ張り334が容器のキャップまたは上部502を保持するように機能するため、タンブラーデバイス330によって直立とされる。別の実施形態では、鉛直シュート332は、容器位置付けデバイス400へと降下する容器500を方向付けるのを助ける狭小区域333をさらに備え得る。動作において、ドラムまたはドラム状の装着デバイス308が、鉛直に配向されたシュート332の上部において開放スロットの上で回転するとき、容器500のキャップまたは上部分502は1つまたは複数の出っ張り334によってドラムの外側縁において保持される(例えば、
図16参照)。出っ張り334が容器500のキャップまたは上部分502を所定位置で保持する一方で、容器の下部506をドラムまたはドラム状の装着デバイス308から鉛直に配向されたシュート332へ旋回または自由に降下させることができ、それによって、前述したように、容器500が鉛直に配向されたシュート332を通じて下部を先にして重力を介して落下または降下するため、容器500を直立させるかまたは鉛直に配向させる。
【0065】
容器管理手段またはロケータデバイス
例えば
図13~
図15、
図18、および
図25A~
図25Cで示すように、検出システム100は容器管理デバイスまたはロケータデバイス400をさらに備え得る。容器管理デバイスまたはロケータデバイス400は、検出システム100の筐体102の内部に入ると、様々な作業フローステーション404の間で容器500を管理、移動、または位置付けるために使用できる。一実施形態では、容器管理デバイスまたはロケータデバイス400は、図示するように、
図13~
図15に示した自動装着機構300との組み合わせで使用できる。別の実施形態では、容器管理デバイスまたはロケータデバイス400は、例えば
図18に示した自動装着機構200との組み合わせで使用できる。
図13~
図15および
図18における容器管理デバイスまたはロケータデバイス400は、概略的に示されており、部品は一定の縮尺ではない。
【0066】
容器管理デバイスまたはロケータデバイス400は、例えば、1個から10個までのロケータウェル、1個から8個までのロケータウェル、1個から5個までのロケータウェル、1個から4個までのロケータウェル、または1個から3個までのロケータウェル402といった、1つまたは複数のロケータウェル402を含む回転可能な車輪状のデバイスまたは回転可能な円板を備える。一実施形態では、ロケータデバイスは、対置可能な平行な板または円板を備える(例えば、
図25A~
図25C参照)。各々の個々のロケータウェル402は、単一の標本容器500を保持することができる。動作において、ロケータデバイス400は、様々な作業フローステーション404へと、または、様々な作業フローステーション404の間で(つまり、ステーションからステーションへ)、個々の容器500を移動するために、(鉛直軸の周りで、または、鉛直軸を中心として)水平平面において(時計回り方向または反時計回り方向のいずれかで)回転する。一実施形態では、作業フローステーション404は、標本容器の1つまたは複数の測定または読取を得るように動作可能であり、それによって、容器のロット番号、容器の有効期限、患者の情報、試料の種類、充填高さなど、容器についての情報を提供する。別の実施形態では、1つまたは複数の作業フローステーション404は、容器取上ステーションまたは容器運搬ステーションなどの1つまたは複数の容器管理ステーションを備えてもよい。例えば、ロケータデバイス400は、(1)バーコード読取ステーション、(2)容器走査ステーション、(3)容器撮像ステーション、(4)容器計量ステーション、(5)容器取上ステーション、および/または(6)容器運搬ステーションなどの、1つまたは複数の作業フローステーション404へと、および/または、1つまたは複数の作業フローステーション404の間で、個々の標本容器500を移動することができる。別の実施形態では、これらの測定および/または読取のうちの1つまたは複数は同じステーションで行うことができる。例えば、容器の計量、走査、撮像、および/または取上は単一のステーションロケーションで行ってもよい。なおも別の実施形態では、検出システムは別々の取上ステーションを含んでもよい。容器が、取上ロケーションにおいて運搬機構(本明細書に記載するようなもの)によって取り上げられ、検出システム100内の他のロケーション(例えば、保持構造および/または攪拌組立体)へと運搬させることができる。なおも別の実施形態では、検出システム100は、例えば第2の自動検出機器といった別の機器への標本容器500の運搬のための運搬ステーションを含んでもよい。この実施形態によれば、運搬ステーションはシステム運搬デバイス440と連通できる。例えば、図示するように、システム運搬デバイス440は、標本容器を、検出システム100内の別のロケーションへと、または、別の実施形態では別の機器(例えば、第2の検出システム(例えば、
図24に示すようなもの))へと運搬させることができるコンベヤベルトであり得る。
図14~
図15に示すように、ロケータデバイス400は、(1)入口ステーション412、(2)バーコード読取および/または走査ステーション414、(3)容器撮像ステーション416、(4)容器取上ステーション418、ならびに(5)別の機器への容器の運搬のためのシステム運搬ステーション420を備える。ロケータデバイスは、任意の作業フローステーションに位置決めされた回転可能ターンテーブルデバイス406をさらに備えてもよい。典型的には、このような回転可能ターンテーブルデバイスは、バーコードの読取および/もしくは容器の走査、ならびに/または、容器を計量するための秤もしくは計量デバイス408を容易にするために、容器を回転させるために使用され得る。
【0067】
前述したように、動作において、容器管理デバイスまたはロケータデバイス400は、所与の標本容器500を所与の作業フローステーション404へと移動するために、または、位置付けるために、動作する。一実施形態では、これらの作業フローステーション404は、検出システム100の筐体102内に含まれる。例えば、
図13~
図15および
図18に示したように、自動装着機構は、本明細書における他のところに記載されるように、標本容器500をロケータウェル402へと預けるかまたは置くことができる。容器管理手段または位置付けデバイス400は、次に、例えばバーコード読取ステーション、容器走査ステーション、容器撮像ステーション、容器計量ステーション、容器取上ステーション、および/または容器運搬ステーションなど、システム内の様々な作業フローステーションの間で、標本容器を移動または位置付けするために回転できる。
【0068】
一部の実施形態では、容器運搬ステーションは、標本容器を第1の自動細菌検出装置から第2の自動細菌検出装置へと運搬するためのシステムの一部である。一実施形態では、システムは、内部室を包囲する筐体と、前記標本容器を受け入れるために、および、前記標本容器を前記内部室内の1つまたは複数の作業ステーションへと移動させるために、1つまたは複数のロケータウェルを備える標本容器ロケータデバイスであって、作業ステーションのうちの1つは容器運搬ステーションである、標本容器ロケータデバイスと、容器運搬ステーションに近接する、例えば運搬アームといったシステム運搬機構と、容器運搬ステーションにおいて標本容器を検出するように構成される第1のセンサと、運搬機構(例えば、アーム)が標本容器を第2の自動細菌検出装置へと運搬したときに検出するように構成される第2のセンサとを備える第1の自動細菌検出装置を備える。この実施形態では、第2の自動細菌検出装置は、自動装着機構と、第1の自動細菌検出装置の容器運搬ステーションと第2の自動細菌検出装置の自動装着機構との間のゲートと、ゲートが定位置から離れていることを決定するように構成される第3のセンサとを備える。
【0069】
標本容器を第1の自動細菌検出装置から第2の自動細菌検出装置へと運搬するためのシステムは、筐体、標本容器ロケータデバイス、および自動装着機構など、本明細書ですでに開示された構造のうちの多くを備える。システムは、容器運搬ステーション、運搬を容易にするための様々なセンサ、および、標本容器を第1の検出機器から第2の検出機器へと運搬するための、例えば運搬アームといったシステム運搬機構などの新たな要素も含み得る。
【0070】
本明細書で使用されるように、容器運搬ステーションは、標本容器が第2(または、第3など)の下流の自動細菌検出装置へと運搬され得る自動細菌検出装置における定められたステーションである。容器運搬ステーションの構造は、自動細菌検出装置へと装着された標本容器を受け入れるように構成される。装着すると、標本容器は標本容器ロケータデバイスに入る。一部の実施形態では、システム制御装置は、標本容器が試験のための下流の機器へと運搬されるべきであることを決定する。これは、本検出装置が一杯であること、機能不全であること、または、他の装着を調和させる理由のためであり得る。一実施形態では、標本容器ロケータデバイスは、標本容器ロケータデバイスのロケータウェルに位置決めされる標本容器を容器運搬ステーションへと輸送するために回転する。
【0071】
図25Dおよび
図25Eを見ると、容器運搬ステーションの実施形態の斜視図が提供される。この実施形態では、標本容器ロケータデバイス400が時計回り方向で回転するとき、運搬機構(例えば、アーム)454は標本容器500をロケータウェル402から受け入れる。一実施形態では、運搬機構(例えば、アーム)454は、標本容器ロケータデバイス400が回転するときに標本容器を受け入れるために自動的に開くように構成される。さらなる実施形態では、運搬機構(例えば、アーム)454は、標本容器ロケータデバイスがロケータウェルにおける標本容器と共に反時計回りに回転する場合、運搬機構(例えば、アーム)が標本容器の進む経路から外れて移動するように、軸支構造で位置決めされる。例えば、一部の実施形態では、標本容器は培養室から取り外され、バーコード走査ステーションにおいて再走査される。この実施形態では、標本容器は取上ロケーションから走査ロケーションまで移動する。
【0072】
一実施形態では、運搬機構(例えば、アーム)454は、運搬機構(例えば、アーム)454と関連付けられ、標本容器を把持するように構成される把持機構456を備える。例えば、標本容器を把持するように構成される相対するパドルが運搬機構(例えば、アーム)454の一部を形成してもよい。一部の実施形態では、相対するパドルは、標本容器を把持するとき、標本容器の周囲の少なくとも一部分を取り囲むように湾曲される。相対するパドルは、標本容器を把持するための1つまたは複数の隆条部を有してもよい。一部の実施形態では、パドルのうちの1つは固定され、第2のパドルは、標本容器を受け入れる開位置から、標本容器を保持するための閉位置まで移動可能である。
【0073】
一部の実施形態では、運搬機構(例えば、アーム)454は、標本容器500を把持し、次に標本容器を容器運搬ステーションの表面から所定距離で持ち上げる。この実施形態では、標本容器は、下流の検出機器へと運搬されるときに潜在的な隙間を通過できるように持ち上げられる。2つの検出ユニットが隣り合って配置されるとき、ユニットは、第1のユニットからの出口が下流のユニットの自動装着機構200(例えば、コンベヤベルト)と実質的に同じ高さとなるようにある高さに置かれ得る。それでもなお、隙間が存在する可能性があることに加えて、第1のユニットから下流のユニットへとスライドされる場合に標本容器を転倒させる可能性のある小さい高さの違いが存在する可能性がある。この理由のため、システムは、標本容器を下流のユニットへと運搬する前に標本容器を持ち上げ得る。
【0074】
一部の実施形態では、運搬機構(例えば、アーム)は、運搬機構(例えば、アーム)および標本容器を持ち上げるように構成されるばねを備える。さらなる実施形態では、運搬機構(例えば、アーム)および標本容器を単独で持ち上げる、または、ばねの助けと共に持ち上げるモータが、運搬機構(例えば、アーム)と関連付けられてもよい。一部の実施形態では、モータは、相対するパドルに標本容器を把持させること、および/または、運搬機構(例えば、アーム)を定位置、取上位置、および解放位置の間で移動させることにおいて、助けとなり得る。
【0075】
運搬機構(例えば、アーム)についての定位置は、アームが標本容器ロケータデバイスの回転と干渉しないように位置決めされ、標本容器を下流の機器の自動装着機構へと解放するために下流の機器に向けて伸ばされてもいない中立位置である。取上位置は、運搬機構(例えば、アーム)が標本容器ロケータデバイスのロケータウェルから標本容器を受け入れるように構成されるときの運搬機構(例えば、アーム)の位置である。解放位置は、運搬機構(例えば、アーム)が標本容器を下流の機器の自動装着機構において解放するときの運搬機構(例えば、アーム)の伸ばされた位置である。
【0076】
一部の実施形態では、システムは、標本容器のための取上位置において運搬機構(例えば、アーム)を位置決めするように構成される硬い停止部を容器運搬ステーションにおいて備える。一実施形態では、把持機構は、標本容器がロケータウェルから受け入れられるときに不具合をもたらす可能性のある運動の範囲を導入する。この実施形態では、硬い停止部が、相対するパドルのうちの一方が標本容器を受け入れるために適切な位置となることを確保するために、システムにおいて使用されてもよい。一部の実施形態では、硬い停止部は、標本容器が受け入れられるときに相対するパドルのうちの一方が硬い停止部に圧し掛かるように、位置決めされる。この手法では、運動の範囲は一方向において制限され、把持機構の位置は、把持機構の配置と干渉することなく標本容器を受け入れるように一貫して位置決めされる。システムは、運搬機構(例えば、アーム)が解放位置へと伸ばされるとき、運搬アームの移動を停止するように構成される硬い停止部を備えてもよい。
【0077】
一部の実施形態では、システムは、容器運搬ステーションにおいて標本容器を検出するように構成される第1のセンサ(図示せず)も備える。センサは、システム制御装置に動作可能に接続され得る。一部の実施形態では、センサは、標本容器などの物体が特定の領域に入ったときに検出するように構成される光学センサである。一実施形態では、第1のセンサは、SunX(商標)による収束反射型マイクロ光電子センサである(例えば、型番PM2-LH10-C1)。
【0078】
一部の実施形態では、システムは、運搬機構(例えば、アーム)が標本容器を第2の自動細菌検出装置へと運搬したときに検出するように構成される第2のセンサ458を備える。例えば、Sick(商標)光電子近接センサが使用され得る(例えば、型番WTB4-3N1164)。一実施形態では、第2のセンサは、標本容器が解放位置における運搬機構(例えば、アーム)にあるときに検出するように位置決めされる。別の言い方をすれば、第2のセンサは、標本容器が下流の機器の自動装着機構における位置へと運搬されたときに検出する。一実施形態では、第2のセンサは標本容器のキャップを検出する。
【0079】
一実施形態では、システムは、第1のセンサが標本容器を検出した後で第2のセンサが標本容器を検出しないときにユーザに警告するように構成される警報器を備える。例えば、第1のセンサは、標本容器が容器運搬ステーションに入ったが、何らかの理由のため、この標本容器が倒れるかまたは詰まったことを検出できる。この状況において、第2のセンサは標本容器を検出しない。一実施形態では、第2のセンサは、警告が発せられる前に標本容器を検出するための時間制限を有する。警告は、文書による通知、明かりなどの視覚の警告、および/または、発信音などの聴覚の警告であり得る。
【0080】
さらなる実施形態では、システムは、第1の自動細菌検出装置の容器運搬ステーションと第2の自動細菌検出装置の自動装着機構との間にゲート464を備える。
図25Dに示すように、ゲート464は、下流の機器の自動装着機構への入口に位置決めされる。一部の実施形態では、一部の実施形態では、ゲート464は、ヒンジで搭載され、運搬機構(例えば、アーム)が標本容器を容器運搬ステーションから下流の機器へと運搬するときに一方向において開くように旋回する。一実施形態では、ゲート464は、標本容器が下流の機器へと運搬されるときの道筋から外れるように旋回するが、標本容器の逆行する移動を防止するために所定位置へと戻るように引き込む大きさとされる。
【0081】
さらなる実施形態では、システムは、ゲートが定位置から離れていることを決定するように構成される第3のセンサ(図示せず)を備える。例えば、OPTEK TechnologyによるPhotologic(登録商標) Slotted Optical Switch 「Wide Gap」 Series sensorが使用されてもよい(例えば、型番CPB910W55Z)。この実施形態では、センサが、ゲートが
図25Dに示すような定位置から
図25Eに示すような開位置まで移動し始めたときを決定するように構成される。一部の実施形態では、センサは、自動装着機構が作動させられ得るように、移動の開始を検出するように位置決めされる。標本容器が到着する直前に自動装着機構を開始させることは、標本容器を自動装着機構に装着する助けとなることが見出されている。一部の実施形態では、自動装着機構は、ゲートが定位置から離れるように移動するのを第3のセンサが検出してから約500msec内に始動する。解放された標本容器の位置における変化は、標本容器が解放されるときに自動装着機構が走行しているとき、低減される。自動装着機構が走行していないとき、運搬機構(例えば、アーム)は標本容器を前方に押し、自動装着機構におけるその位置において変化を引き起こすことができる。しかしながら、自動装着機構が走行しているとき、標本容器は、自動装着機構の移動のため、運搬機構(例えば、アーム)の把持機構の外へ移動する。これは、自動装着機構において解放されるときに標本容器が転倒または落下する可能性を低減する。第3のセンサの位置は、下流の機器の壁の中であり得るか、または、ゲートの取付点から下流の機器への自動装着機構の反対であり得る。例示の実施形態では、第3のセンサはシステム制御装置に動作可能に接続される。
【0082】
一部の実施形態では、システムは、第2の自動細菌検出装置の入口ロケーションに近接して位置決めされる第4のセンサ(図示せず)も備える。例えば、Sick(商標)小型電子センサが使用され得る(例えば、型番WLG4S-3E1134)。この実施形態では、入口ロケーションは、下流の機器の標本容器ロケータデバイスへの入口である。一部の実施形態では、第4のセンサは、下流の機器の自動装着機構における標本容器を検出するように構成される。第4のセンサは、下流の機器の自動装着機構が停止し得るときを決定するために使用される。一部の実施形態では、第4のセンサは、自動装着機構がトリガされた後に自動装着機構における標本容器を監視する。第4のセンサが、例えば約10秒間といった設定された時間の期間にわたって標本容器を検出しないとき、システムは自動装着機構を停止させる。時間の長さは、自動装着機構の速度および/または長さに基づいて異なってもよいことは理解されるべきである。
【0083】
一部の実施形態では、システムは、自動装着機構を覆うためのコンベヤカバーも備える。一実施形態では、システムは、コンベヤカバーが下流の機器において取り外されることを決定するとき、標本容器を下流の機器へと運搬しない。この実施形態では、システムは、標本容器を各々の機器のそれぞれの自動装着機構へと個々に装着することで、上流および下流の機器において瓶を装着することがなおも可能であり得る。
【0084】
さらなる実施形態では、システムは、システム運搬機構(例えば、アーム)が定位置にあるときを決定するように位置決めされる第5のセンサ(図示せず)を備える。例えば、OPTEK TechnologyによるPhotologic(登録商標) Slotted Optical Switch 「Wide Gap」 Series sensorが使用されてもよい(例えば、型番CPB910W55Z)。一実施形態では、第5のセンサは、運搬機構(例えば、アーム)が定位置にあるときに検出するように位置決めされる。第5のセンサは、運搬アームが標本容器ロケータデバイスの反時計回りの移動と干渉するかどうかを決定するために使用できる。同様に、第5のセンサは、例えば、運搬アームが標本容器を下流の機器へと運搬しているときに詰まりが起こる場合といった、運搬アームが標本容器によって干渉させられているかどうかを決定するために使用できる。
【0085】
光学センサが本明細書では開示されるが、他の種類のセンサが第1から第5までのセンサのうちの1つまたは複数を作り上げてもよいことは、理解されるべきである。例えば、誘導センサ、容量センサ、および/または磁気センサが、標本容器などの物体の存在、または、ゲートおよび運搬アームなどの物体の位置を検出するために使用されてもよい。
【0086】
運搬手段または機構
例えば
図5~
図9Bおよび
図17~
図21で示すように、自動検出システム100は、システム内で、標本容器500の運搬のため、および/または、容器管理のために動作可能な自動運搬手段または機構をさらに備え得る。すでに記載したように、入口ロケーションまたはポート110は、例えば、
図1~
図3において最良に示されるコンベヤシステム206から、容器を受け入れる。容器が入口ロケーションまたはポート110において蓄積するにつれて、容器は検出システム100内で移動させられ、それによって、本明細書においてより詳細に記載するように、運搬機構(例えば、容器把持手段を伴うロボット運搬アーム)が個々の標本容器500を取り上げまたは受け入れでき、その容器を検出システム100内の保持構造またはラック600へと運搬または置くことができる。運搬機構は、標本容器を保持構造またはラック600へと運搬するために、および、標本容器を保持構造またはラック600へと装着するために、視覚システム(例えば、カメラ)、あらかじめプログラムされた寸法座標、および/または精密運動制御を使用できる。
【0087】
図1~
図3および
図13~
図15に示すように、標本容器500は、自動装着機構200(
図1~
図3)または300(
図13~
図15)を使用する検出システム100内へと装着される、および/または、その検出システム100内で輸送される。図示するように、容器500は、典型的には、鉛直配向において(つまり、容器500の上部またはキャップ部分502が直立するように)検出システム100へと装着される。一実施形態によれば、容器500は、複数の保持構造またはラック600に置かれまたは保持され、その中の微生物の成長を増進させるために任意選択で攪拌される。例えば
図5Aおよび
図5Bに示すように、保持構造またはラック600の受入構造またはウェル602は、水平軸で配向され得る。したがって、この実施形態によれば、自動運搬機構(例えば、
図5Bの符号650参照)が、自動装着機構200、300から受入構造またはウェル602への容器500の運搬の間、容器500を鉛直配向から水平配向へと再配向しなければならない。
【0088】
動作において、自動運搬機構(例えば、
図5Bにおける符号650、または、
図20における符号700)は、検出システム100の内部室620内で標本容器500を運搬もしくは移動または再位置付けするように動作できる。例えば、一実施形態では、運搬機構は標本容器500を入口ロケーションまたはポート110から複数の保持構造またはラック600のうちの1つへと運搬できる。別の実施形態では、運搬機構は、標本容器500を容器ロケータデバイス400のウェル402から取り上げ、容器を保持構造またはラック600の受入構造またはウェル602へと運搬できる。運搬機構は、複数の保持構造またはラック600のうちの1つに位置付けられる複数の容器受入構造またはウェル602のうちの1つに容器500を置くように動作できる。別の実施形態では、運搬機構は、「陽性」および「陰性」の容器を保持構造またはラック600から取り外しまたは装着取り外しするように動作できる。この自動装着取外し機構は、「陽性」または「陰性」の読取が各々の標本容器500について行われると、標本容器500が容器受入構造またはウェル602から取り外され、検出システム100へと装着される別の容器のための空間を作り、それによってシステムの処理量を増加させることを確保するように動作できる。
【0089】
一実施形態では、運搬機構はロボット運搬アームであり得る。概して、任意の種類のロボット運搬アームが使用できる。例えば、ロボット運搬アームは多軸ロボットアーム(例えば、2軸、3軸、4軸、5軸、または6軸のロボットアーム)であり得る。ロボット運搬アームは、標本容器500(例えば、血液培養瓶)を取り上げて、その標本容器500を、入口ロケーションまたはポート110から、複数の保持構造またはラック600(任意選択で攪拌組立体を有する)のうちの1つに位置付けられる複数の容器受入構造またはウェル602の1つまで運搬するように動作できる。さらに、運搬機構またはロボット運搬アームの必要な移動を容易にするために、検出システム100の内部室620は、ロボット運搬アームのための1つまたは複数の支持部を備え得る。例えば、1つまたは複数の鉛直支持部および/または1つまたは複数の水平支持部が提供され得る。運搬機構またはロボット運搬アームは、保持構造またはラック600の受入構造またはウェル602のいずれかへのアクセスへの必要に応じて、支持体にわたって上下にスライドすることになる。前述したように、ロボット運搬アームは、例えば、装着ステーションまたはロケーションからの容器運搬において、および、保持構造および/または攪拌組立体の中での配置を容易とするために、標本容器の配向を鉛直配向(つまり、容器500の上部502が上となるような直立配向)から水平配向(つまり、容器500がその側面において横たわるような配向)まで、標本容器の配向を変化させるように動作できる。
【0090】
一実施形態では、ロボット運搬アームは、2軸または3軸のロボットアームであり、容器500を、本明細書で記載する容器受入構造またはウェル602などの特定の位置へと、1つまたは複数の水平軸(例えば、x軸および/またはz軸)において運搬でき、任意選択で鉛直軸(y軸)において運搬できる。この実施形態によれば、2軸ロボットアームは2軸(例えば、x軸およびz軸)での移動を可能とし、3軸ロボットアームは3軸(例えば、x軸、y軸、およびz軸)での移動を可能とする。
【0091】
別の実施形態では、2軸または3軸のロボットアームは、標本容器500を1つまたは複数の軸を中心として回転によって運搬または移動することができる1つまたは複数の回転移動をさらに採用してもよい。この回転移動は、ロボット運搬アームに標本容器500を鉛直装着配向から水平配向へと運搬させることができる。例えば、ロボット運搬アームは、標本容器を、水平軸を中心として、または、水平軸の周りで回転によって移動するために、回転移動を採用できる。この種類のロボット運搬アームは、3軸または4軸のロボットアームとして定められる。例えば、1つの水平軸(x軸)、1つの鉛直軸(例えば、y軸)、および1つの回転軸における移動を可能とするロボットアームは、3軸ロボットアームと考えられる。一方、2つの水平軸(例えば、x軸およびz軸)、鉛直軸(y軸)、および1つの回転軸における移動を可能とするロボットアームは、4軸ロボットアームと考えられる。同様に、単一の水平軸(例えば、x軸)、鉛直軸(y軸)、および2つの回転軸における移動を可能とするロボットアームも、4軸ロボットアームと考えられる。なおも別の実施形態では、ロボット運搬アーム700は、4軸、5軸、または6軸のロボットアームとでき、それによって、x軸、y軸、およびz軸における移動に加えて、1つの軸(つまり、4軸ロボットアーム)、2つの軸(つまり、5軸ロボットアーム)、またはすべての3つの水平軸(x軸およびz軸)および鉛直軸(y軸)(つまり、6軸ロボットアーム)を中心としての、または、それらの軸の周りでの回転移動を可能にする。
【0092】
なおも別の実施形態では、ロボット運搬アームは、標本容器500の測定、走査、および/または読取を得るための1つまたは複数のデバイスを備え得る。例えば、ロボット運搬アームは1つまたは複数のビデオカメラ、センサ、スキャナ、および/またはバーコードリーダを備えてもよい。この実施形態によれば、ビデオカメラ、センサ、スキャナ、および/またはバーコードリーダは、容器ロケーション、容器ラベル(例えば、バーコード)の読取、容器の走査、システムの遠隔現場サービス、および/または、システム内のあらゆる可能な容器の漏れの検出において支援できる。なおも別の設計の可能性において、ロボット運搬アームは、必要な場合、自動汚染除去を支援するために紫外光線発生源を備えてもよい。
【0093】
運搬機構の1つの設計の可能性が
図6~
図8Cに示される。
図6に示すように、運搬機構はロボット運搬アーム650を備え、ロボット運搬アーム650は、上方水平支持レール652Aと、下方水平支持レール652Bと、単一の鉛直支持レール654と、標本容器500を取上、把持、または保持するための把持機構(図示せず)を備えるロボットヘッド656とを備える。
図6~
図8Cに示した運搬機構は概略的に示されており、部品は一定の縮尺ではなく、例えば、図示した水平支持部652A、652B、鉛直支持部、およびロボットヘッド656は一定の縮尺ではない。当業者は容易に認識するように、水平支持部652A、652Bおよび鉛直支持部が必要に応じて長さが延長または短縮され得る。図示するように、ロボットヘッド656は鉛直支持レール654に支持、連結、および/または取り付けされ、鉛直支持レール654はさらに水平支持レール652Aおよび652Bによって支持される。同じく
図6に示すように、運搬機構は、検出システムにおいて運搬機構を搭載するために使用され得る1つまたは複数の搭載支持部696を備えてもよい。
【0094】
動作において、鉛直支持レール654は水平支持レール652Aおよび652Bに沿って移動でき、それによって鉛直支持レール654およびロボットヘッド656を水平軸(例えば、x軸)に沿って移動する。概して、当技術分野における任意の既知の手段が鉛直支持レール654を水平支持レール652Aおよび652Bに沿って移動するために使用できる。
図6に示すように、上方および下方の支持レール652Aおよび652Bは、上方および下方の水平スライドブロック659Aおよび659Bをそれぞれ駆動するように動作可能な上方および下方のネジ付きシャフト(図示せず)を備え得る。また、
図6に示したように、上方および下方のシャフト652Aおよび652Bは、上方および下方の支持レール652A、652Bの長さで延びることで上方および下方のネジを取り囲む中空の細長い補強スリーブ653A、653Bを備え得る(例えば、米国特許第6,467,362号参照)。スリーブ653A、653Bは、上方および下方の支持レール652A、652Bの長さで延びるスリーブ653A、653Bにおいてスロット(例えば、符号653C参照)を各々さらに備える。スロット(例えば、符号653C参照)を通じて延び、補強スリーブ653A、653Bにおいて包み込まれるネジ付きシャフト(図示せず)と係合可能なネジ山を有するネジ付き突片(図示せず)が設けられる。上方および下方の支持レール652A、652Bのネジ付きシャフト(図示せず)が第1のモータ657によって回されると、ネジ付き突片(図示せず)が上方および下方の支持レール652A、652Bの長手方向長さに沿って水平スライドブロック659A、659Bを移動し、それによってロボットヘッド656を水平軸(例えば、x軸)に沿って移動する(ここでも、米国特許第6,467,362号参照)。第1のモータ657は、上方および下方のネジ付きシャフト(図示せず)を回すことで上方および下方の水平スライドブロック659Aおよび659B(ネジ付きシャフトとそれぞれ係合する雌ネジを各々有する)を上方および下方のネジ付きシャフトに沿って水平方向で駆動するように動作できる。1つの設計の可能性において、第1のモータ657は、第1のネジ付きシャフトがモータ657によって回されるときにネジ付きシャフトのうちの1つ(例えば、下方ネジ付きシャフト)を第1のネジ付きシャフトと平行に回すために、駆動ベルトとプーリ662のセットとを備えることで、上方および下方の両方のネジ付きシャフトを回すために使用できる。
【0095】
図6に示すように、鉛直支持レール654は、鉛直スライドブロック655を駆動することでロボットヘッド656を鉛直軸(例えば、y軸)に沿って移動させるように動作可能な鉛直ネジ付き駆動シャフト(図示せず)をさらに備え得る。動作において、第2のモータ658が、鉛直ネジ付きシャフト(図示せず)を回すことで鉛直スライドブロック655を鉛直ネジ付きシャフトに沿って鉛直方向で駆動するように動作できる。別の実施形態では、
図6~
図7Bに示し、先に記載するように、鉛直ネジ付きシャフトは、鉛直支持レール654の長さで延びることで鉛直ネジ付きシャフト(図示せず)を取り囲む中空の細長い補強スリーブ654Aをさらに備え得る。スリーブ654Aは、鉛直支持レール654の長さで延びるスロット654Bをさらに備える。スロット(図示せず)を通じて延び、ネジ付きシャフト(図示せず)と係合可能なネジ山を有するネジ付き突片(図示せず)が設けられる。ネジ付きシャフト(図示せず)がモータ658によって回されるときネジ付き突片(図示せず)は、鉛直スライドブロック655を移動し、それによってロボットヘッド656を鉛直軸(例えば、y軸)に沿って移動する(ここでも、米国特許第6,467,362号参照)。鉛直スライドブロック655は、ロボットヘッド656に直接的に取り付けられ得る、または、
図6に示すように、第1の回転機構664に取り付けられ得る。鉛直スライドブロック655は、ネジ付き鉛直シャフトと係合し、鉛直スライドブロックを駆動し、延いてはロボットヘッド656をネジ付き鉛直シャフトに沿って鉛直方向で駆動するように動作される雌ネジ(図示せず)を有する。
【0096】
運搬機構650は、1つまたは複数の軸を中心としての、または、その軸の周りでの回転移動を提供するために動作可能である1つまたは複数の回転機構をさらに備え得る。例えば、
図6に示したように、ロボットヘッドは、y軸を中心としての、または、y軸の周りでの回転移動を提供するための第1の回転機構664と、x軸を中心としての、または、x軸の周りでの回転移動を提供するための第2の回転機構665とを備え得る。第1の回転機構664は、ロボットヘッド656に取り付けられ得る第1の回転板667を備える。第1の回転機構664は、鉛直軸を中心として(例えば、y軸を中心として)、第1の回転板667を回転させ、延いてはロボットヘッド656を回転させるように動作する第1の回転モータ668と、第1のピニオンギヤ670と、対置可能な第1のリングギヤ672とをさらに備える。一実施形態では、第1のピニオンギヤ670および第1のリングギヤ672には、掴み歯(図示せず)または他の掴む特徴部(図示せず)が設けられ得る。第1の回転板667は、ロボットヘッド656に直接的に取り付けられ得る、または、
図6に示すように、第2の回転機構665に取り付けられ得る。同じく
図6に示すように、第1の回転板667は、第2の回転機構665への取り付けを容易にするために曲げ板を備えてもよい。第2の回転機構665は、第1の回転機構664のように、第2の回転板674を備える。
図6に示すように、第2の回転板674はロボットヘッド656に取り付けられる。第2の回転機構665は、水平軸(例えば、x軸)を中心として、第2の回転板674を回転させ、延いてはロボットヘッド656を回転させるように動作する第2の回転モータ678と、第2のピニオンギヤ680と、対置可能な第2のリングギヤ682とをさらに備える。一実施形態では、第2のピニオンギヤ680および第2のリングギヤ682には、掴み歯(図示せず)または他の掴む特徴部(図示せず)が設けられ得る。
【0097】
図7Bにおいて最良に示されるロボットヘッド656は、単一の標本容器500を中で保持するための保持室685を包囲する筐体684を備える。ロボットヘッドは把持機構686および駆動機構688をさらに備えることで、把持機構686を移動し、それによって単一の標本容器500を、筐体684および保持室685の中へと、ならびに、筐体684および保持室685から外へと移動させる。把持機構686は、
図7Bに示すように、標本容器500のリップにわたってスナップ留めするように動作可能なばねクリップ687を備え得る。標本容器500を保持構造600に運搬した後、本明細書における他のところに記載されるように、ロボットヘッド656と、延いては把持機構686とは、標本容器500を解放するために保持構造600に対して上昇または下降させることができる。駆動機構688は、
図7Bに示すように、モータ690と、案内レール692と、ネジ付き把持シャフト694と、把持駆動ブロック696とをさらに備える。動作において、モータ690は、ネジ付き把持シャフト694を回して把持駆動ブロック696と、延いては把持機構686とを、案内レール692に沿って移動する。
【0098】
運搬機構の別の設計の可能性が
図9A~
図9Bに示される。
図9A~
図9Bに示すように、入口ロケーションまたはポート110から容器500を把持または取り上げ、容器500を上方または下方のドラム保持構造800(本明細書における他のところに記載される)の弾力性受入構造またはウェル802へと移動または運搬させるために、自動運搬機構820が
図9A~
図9Bに示した検出システム100に組み込まれる。この実施形態における自動運搬機構820は、陰性容器500を廃棄ロケーションへと移動し、続いて容器500を廃棄箱146へと落下させる、または、預けるように動作可能でもある、または、陽性容器を陽性容器ロケーションへと移動するように動作可能でもある(例えば、
図1参照)。このような移動を提供するために、運搬機構820は、容器500を取り上げて保持するための把持機構826を備え得るロボットヘッド824と、システム100の内部室850にわたって延びる回転可能支持ロッド828とを備える。図示するように、ロボットヘッド824は、回転可能支持ロッド828に支持、連結、および/または取り付けられる。概して、把持機構は、当技術分野における任意の既知の把持機構であり得る。一実施形態では、把持機構は、
図6~
図8Cと併せて先に記載した把持機構および駆動機構であり得る。ロボットヘッド824は、回転可能支持ロッド828に沿う任意の位置へと移動可能である。動作において、支持ロッド828は、ロボットヘッド824を上方または下方の円筒またはドラムの保持構造800A、800Bのいずれかに向けて配向するように、支持ロッド828の長手方向軸を中心として回転できる。
【0099】
一実施形態では、ロボットヘッド820は、容器500を入口ロケーションまたはポート110から取り上げ、頭部を先にして(つまり、上部分502を先にして)容器500をドラム保持構造800A、800Bの受入構造またはウェル802へと装着するように動作可能である。この配向は、容器内の菌または微生物の成長を検出するために容器500の下部または基部506を、容器500の下部に位置付けられたセンサ514を読み取ることができる検出ユニット810へと曝す。
【0100】
運搬機構についてのなおも別の設計の可能性が
図17~
図21Bに示される。
図17~
図21Bに示すように、ロボット運搬アーム700は、1つまたは複数の水平支持構造702と、1つまたは複数の鉛直支持構造704と、標本容器500を取り上げる、把持する、および/または保持するために1つまたは複数の特徴部またはデバイス(例えば、把持機構)を備えるロボットヘッド710とを備える。ロボットヘッド710は、水平支持部および/または鉛直支持部のうちの1つに支持、連結、および/または取り付けされ得る。例えば、一実施形態では、
図17~
図21Bに示すように、ロボット運搬アーム700は、下方水平支持構造702Bと、単一の鉛直支持構造704とを備える。図示していないが、当業者は、上方水平支持構造(図示せず)または他の同様の手段が、鉛直支持構造をさらに支持または案内するために使用できることを認識するものである。概して、当技術分野における任意の既知の手段が、ロボットヘッド710を鉛直支持レール704に沿って上下に移動するために(矢印726によって表される(
図18参照))、および、鉛直支持レール704を水平支持構造702Bに沿って前後に移動するために(矢印736によって表される(
図20参照))使用できる。例えば、
図20に示すように、ロボット運搬アーム700は、容器500を鉛直軸(つまり、y軸)に沿って(つまり、上下に)運搬または移動するために、ロボットヘッド710を鉛直支持レール704に沿って上下に運搬または移動する(矢印726)ように動作する鉛直駆動モータ720および鉛直駆動ベルト722をさらに備える。鉛直支持構造704は、
図20に示すように、鉛直案内レール728とロボットヘッド支持ブロック708とをさらに備え得る。したがって、鉛直支持構造704、鉛直案内レール728、鉛直駆動モータ720、および鉛直駆動ベルト722は、ロボット運搬アーム700に、ロボットヘッド支持ブロック708を移動または運搬させ、延いてはロボットヘッド710および標本容器500をy軸に沿って移動または運搬させることができる。同様に、
図20に示すように、ロボット運搬アーム700は、鉛直支持構造704を、検出システム100の筐体102内で、水平案内レール738に沿って、延いては、第1の水平軸(つまり、x軸)に沿って、前後に(つまり、左から右へと、および/または、右から左へと)移動する(矢印736参照)ように動作する第1の水平駆動モータ730、第1の水平駆動ベルト732、および水平案内レール738をさらに備え得る。したがって、水平支持構造702B、第1の水平駆動モータ730、第1の水平駆動ベルト732、および水平案内レール738は、ロボット運搬アーム700に標本容器500をx軸に沿って移動または運搬させることができる。出願者は、ロボット運搬アームが機器内の増加したエリアにわたって移動可能であるため、水平軸に沿って移動可能である鉛直支持部を備えることで検出システム内の容量を増大することを可能にすることを見出した。さらに、出願者は、移動可能な鉛直支持部を有するロボット運搬アームがより信頼できるロボット運搬アームを提供できると考える。
【0101】
図17~
図21Bにおいて最良に示されるように、自動運搬機構またはロボット運搬アーム700は、線形または水平のスライド部706と、旋回板750とをさらに備える。図示するように、例えば
図17~
図20では、線形または水平のスライド部706はロボットヘッド710と把持機構712とを支持する。線形または水平のスライド部706とロボットヘッド710とは、(前述したように)ロボットヘッド支持ブロック708および鉛直案内レール728に支持、連結、および/または取り付けられ得る。この実施形態によれば、線形または水平のスライド部706は、検出システム100の筐体102内でロボットヘッド710および/または標本容器500を上下に(つまり、鉛直軸(y軸)に沿って)移動または運搬するために、ロボットヘッド支持ブロック708および鉛直案内レール728を介して鉛直軸(つまり、y軸)に沿って上下に移動できる(
図18の矢印726参照)。
図21A~
図21Bに示すように、線形または水平のスライド部706は、容器500を第2の水平軸(つまり、z軸)に沿って運搬または移動させるために、ロボットヘッド710に線形または水平のスライド部706に沿って前から後へと、または、後から前へとスライドまたは移動させる(
図18の矢印746参照)ように動作可能である旋回板案内レール752と、旋回スロット754と、旋回スロットカム従動子756とを備える旋回板750をさらに備える。この実施形態によれば、第2の水平駆動モータまたは水平スライドモータ760とスライドベルト(図示せず)とは、ロボットヘッド710をz軸に沿って移動するために使用できる。したがって、線形または水平のスライド部706、水平スライドモータ、およびスライドベルトは、ロボットヘッド710に標本容器500をz軸に沿って移動または運搬させることができる。1つまたは複数のセンサ(例えば、
図21Aにおける符号764参照)が、線形または水平のスライド部706上のロボットヘッド710の位置を指示するために使用できる。
【0102】
図21A~
図21Bに示すように、ロボットヘッド710が線形または水平のスライド部706、旋回板750、および旋回板案内レール752に沿って移動されるとき、旋回スロット754および旋回スロットカム従動子756は、旋回キャリッジ758を、水平軸(つまり、z軸)を中心として、または、水平軸(つまり、z軸)の周りに回転させ、したがって、ロボットヘッド710を水平配向(
図21Aに示すような配向)から鉛直配向(
図21Bに示すような配向)へと回転させ、逆もまた然りである。本明細書における他のところに記載されるように、鉛直入口配向から水平配向への容器500の運搬は、保持構造またはラック600の水平に配向された受入構造またはウェル602において容器を預けるかまたは置くために必要であり得る。したがって、旋回板750、旋回スロット754、および旋回キャリッジ758は、ロボットヘッド710に、標本容器500を、装着されるときの鉛直配向(例えば、
図18参照)から水平配向(例えば、
図21Aにおいて見られるような配向)へと再配向させることができ、それによって標本容器500を自動装着機構(例えば、
図18における符号200参照)から保持構造におけるウェル(例えば、
図18における符号602および600)へと運搬させることができる。
図20に示すように、自動運搬機構は、検出システム100内でのケーブル管理のための1つまたは複数のケーブル管理チェーン782と、ロボット運搬機構を制御するための回路基板784とを備えてもよい。なおも別の実施形態では、ロボット運搬アーム700は、鉛直駆動ベルト722を遮断するように動作でき、それによって、(例えば、停電のため)機器の下部へと万が一降下するのを防止する遮断機構786をさらに備えてもよい。
【0103】
ロボット運搬アーム700は、標本容器500を取上、把持、または保持するために、把持機構712をさらに備え得る。例えば
図21Aおよび
図21Bに示すように、把持機構は、2つ以上の把持指部714を備え得る。さらに、把持機構712は、線形アクチュエータ716と、把持指部714を開閉させるために線形アクチュエータを移動するように動作できる線形アクチュエータモータ718とをさらに備え得る。動作において、アクチュエータモータ718は、把持機構712の線形アクチュエータ716を移動し、それによって把持指部714を移動するために使用することができる。例えば、線形アクチュエータは、指部を閉じて容器500を把持するために第1の方向で(例えば、モータに向けて)移動できる。反対に、線形アクチュエータは、把持指部を開いて容器500を解放するために第2の方向で(例えば、モータから離すように)移動できる。出願者は、1つまたは複数の把持指部714の使用が把持機構712に様々な異なる標本容器500を含ませる(つまり、取上および/または保持)ことができることを、思いがけなく見出した。さらに、出願者は、標本容器500の長さの約4分の1(1/4)から約2分の1(1/2)までで延びる把持指部714を使用して、把持指部が当技術分野において良く知られている多くの容器(例えば、長い首部の血液培養瓶)を含む(つまり、取上および/または保持)ことを見出した。
【0104】
本明細書においてさらに記載するように、自動運搬機構またはロボット運搬アーム700は、システム制御装置(図示せず)の制御下に置くことができ、検出システム100内の標本容器500の管理(例えば、取上、運搬、配置、および/または容器取り出し)のためにプログラムされ得る。
【0105】
なおも別の実施形態では、以下においてさらに詳述するように、運搬機構700は、「陽性」および「陰性」の標本容器500の自動装着取外しのために使用できる。
【0106】
任意選択の攪拌手段を伴う保持手段または構造
検出システム100の保持手段または構造は、数多くの容器(例えば、使用される特定の保持構造に依存して、200個または400個の容器)が同時に処理され得るように、複数の個々の標本容器500を取り扱うための様々な物理的構成を取ることができる。保持手段または構造は、標本容器500の保管、攪拌、および/または培養のために使用され得る。1つの可能な構成が
図5A~
図5Bに示されており、別の可能な構成が
図9Aおよび
図9Bに示される。これらの構成は、図示として提供されており、限定ではない。当業者が認識するように、他の設計が可能であり考えられる。
【0107】
図5A~
図5Bおよび
図17~
図20に示すように、1つの可能な構成は、各々が個々の標本容器500を保持するための多数の標本容器受入構造またはウェル602を各々有する複数の鉛直方向で重ねられた容器保持構造またはラック600を使用する。この実施形態によれば、2つ以上の鉛直方向で重ねられた保持構造またはラック600が使用され得る。例えば、約2個から約40個まで、約2個から約30個まで、約2個から約20個まで、または約2個から約15個までの鉛直方向で重ねられた保持構造またはラックが使用され得る。
図5A~
図5Bおよび
図17~
図20を参照すると、この構成では、検出システム100は、上方内部室622および下方内部室624を備える気候制御された内部室620と、複数の個々の容器受入構造またはウェル602を中に各々有する複数の鉛直方向で配置された保持構造またはラック600(例えば、
図5A~
図5Bに示したように、15個の鉛直方向で重ねられた保持構造またはラック600)とを備える。各々の個々の保持構造またはラック600は、ウェル602の2つ以上の容器受入構造を備え得る。例えば、各々の保持構造またはラック600は、その中にウェル602の約2個から約40個まで、約2個から約30個まで、または約2個から約20個までの受入構造を備え得る。
図5A~
図5Bに示したような一実施形態では、受入構造またはウェル602は、2列の鉛直方向に位置合わせされた受入構造またはウェル602を備え得る。代替の実施形態では、受入構造またはウェル602は千鳥に配置でき、したがって各々個々の保持構造またはラック600(例えば、
図20参照)の鉛直方向の高さを低減し、それによって、より多くの数の全体での保持構造またはラック600を培養室620内の所与の鉛直方向高さにおいて許容する。例えば
図5A~
図5Bにおいて示すように、検出システムは、2列で10個の個々の容器受入構造またはウェル602を各々備える15個の保持構造またはラック600を備え、それによって、
図5A~
図5Bにおいて例示されたシステムに全体で300個の容器の容量を与える。別の可能な設計構成では、検出装置は、25個の受入構造またはウェルを各々含む16個の鉛直方向で重ねられたラックを備えることができ、それによって全体で400個の容器の容量を与える。
【0108】
さらに、個々の容器受入構造またはウェル602の各々は、特定のXおよびYの座標位置またはアドレスを有し、ここで、Xは各々の容器受入構造またはウェル602の水平の位置であり、Yは各々の容器受入構造またはウェル602の鉛直の位置である。個々のウェル602は、例えば
図17~
図21と併せて先に記載したようなロボット運搬アームなどの運搬機構によってアクセスされる。
図17~
図21に示すように、自動運搬機構700は、ラック600における特定のX、Y位置へとロボットヘッド710を移動し、延いては標本容器500を移動し、容器500をその位置に預けるように動作できる。動作において、自動運搬機構700は、容器ロケータデバイス400の入口ステーション110または取上ステーション418において標本容器500を取り上げ、その中の細菌の成長について陽性と決定された容器500を陽性容器または出口ロケーション130へと移動するように、および/または、細菌の成長について陰性と決定された容器500を陰性容器ロケーションまたは廃棄箱146へと移動するように、動作できる。
【0109】
一実施形態では、保持構造またはラック600全体が、微生物の成長を促進または増進させるために、攪拌組立体(図示せず)によって攪拌され得る。攪拌組立体は、攪拌(例えば、前後に揺らす運動)を保持構造またはラック600へと提供するための任意の既知の手段または機構であり得る。別の実施形態では、保持構造またはラック600は、容器内に含まれる流体の攪拌のために前後運動で揺らされ得る。例えば、保持構造またはラック600は、実質的に鉛直の位置から実質的に水平の位置まで前後に揺らされ、容器内に含まれる流体の攪拌を提供するために繰り返され得る。なおも別の実施形態では、保持構造またはラック600は、実質的に水平の位置から、水平から10度、15度、30度、45度、または60度の鉛直の位置まで前後に揺らされ、容器内の流体の攪拌を提供するために繰り返され得る。一実施形態では、実質的に水平の位置から、水平から約10度から約15度までの鉛直の位置までの揺らす運動が、好まれ得る。なおも別の実施形態では、保持構造またはラック600は、容器内に含まれた流体の攪拌を提供するために、線形または水平方向の運動で前後に揺らされ得る。この実施形態では、保持構造またはラック600と受入構造またはウェル602とは、鉛直の位置または代替で水平の位置で配向され得る。出願者は、水平配向における、保持構造600、延いては、受入構造またはウェル602および標本容器500を伴っての線形または水平方向の攪拌運動が比較的最小のエネルギーの入力で実質的な攪拌を提供できることを、見出だした。したがって、一部の実施形態では、水平の保持構造またはラック600の配向と、線形または水平方向の攪拌運動とが好ましいとされ得る。保持構造またはラック600、延いては、標本容器500内の流体を攪拌する他の手段が考えられ、当業者によって良く理解される。これらの前後、線形、および/または水平方向の揺れ運動は、容器内の流体の攪拌を提供するために、望むように(例えば、様々な周期および/または速度で)繰り返され得る。
【0110】
攪拌組立体のための1つの可能な設計が
図26と併せて示される。
図26に示すように、攪拌組立体626は、複数の標本容器500を保持するための複数の保持ウェル602を備える1つまたは複数の保持構造600を備える。攪拌組立体626は、攪拌モータ628と、偏心カップリング630と、第1の回転アーム632と、第2の回転アームまたはリンクアーム634と、ラック攪拌軸受組立体636とをさらに備える。動作において、攪拌モータ628は、偏心カップリング630を中心の外れた運動で回転させ、それによって第1の回転アーム632を、中心の外れた円または中心の外れた回転運動で移動する。第1の回転アーム632の中心の外れた回転移動は、第2の回転アームまたはリンクアーム634を線形運動で(矢印635によって表されるように)移動させる。第2の回転アームまたはリンクアーム634の線形運動は、ラック攪拌軸受組立体636を前後に揺らす運動で揺らし、それによって前後に揺らす攪拌運動(
図26の矢印638によって表される)を保持構造600に提供する。
【0111】
図9Aおよび
図9Bに示すような別の可能な設計構成では、検出システム100は、容器500のうちの1つを受け入れるための多数の個々の標本容器受入構造またはウェル802を含む円筒またはドラムの構造の形態で上方および下方の保持構造800Aおよび800Bを備え得る。この実施形態では、円筒またはドラムの保持構造800A、800Bは、水平の軸周りに各々回転し、それによって容器500の攪拌を提供する。この実施形態によれば、各々のドラムの保持構造は、約8列から約20列まで(例えば、約8列から約20列まで、約8列から約18列まで、または約10列から約16列まで)を備えることができ、各々の列は、約8個から約20個までの容器受入構造またはウェル802(例えば、約8個から約20個まで、約8個から約18個まで、または約10個から約16個までのウェル802の受入構造)を備える。
【0112】
前述したように、入口ロケーションまたはポート110から容器500を把持または取り上げ、容器500を上方または下方のいずれかのドラム保持構造800の弾力性受入構造またはウェル802へと移動または運搬させ、容器500をその弾力性受入構造またはウェル802に預けるために、自動運搬機構820が
図9A~
図9Bの検出システム100に組み込まれる。この実施形態における自動運搬機構820は、陰性容器500を廃棄箱146へと移動するようにさらに動作でき、または、例えば
図1において示す陽性容器ロケーション130へと陽性容器を移動するように動作できる。また、前述したように、
図9A~
図9Bのロボットヘッド820は、容器500を入口ロケーションまたはポート110から取り上げ、頭部を先にして(つまり、上部分502を先にして)容器500をドラム保持構造800A、800Bの受入構造またはウェル802へと装着することができる。この配向は、容器内の菌または微生物の成長を検出するために容器500の下部または基部806を、容器500の下部に位置付けられたセンサ514を読み取ることができる検出ユニット810へと曝す。
【0113】
本明細書における他のところに記載されるように、陽性および陰性容器は、ロボット運搬アームによって回収され、システム内の他のロケーションへと運搬され得る。例えば、細菌の成長について「陽性」と決定された容器は、回収され、運搬機構を介して、ユーザまたは技術者が陽性容器を容易に取り外しできる陽性容器ロケーションまたはポートへと運搬され得る。同様に、指定された時間が経過した後に細菌の成長について「陰性」と決定された容器は、運搬機構を介して陰性容器ロケーションまたは処分のための廃棄箱へと運搬され得る。
【0114】
一実施形態では、保持構造またはラック600は、ラック600の受入構造またはウェル602において標本容器500を保持または保留するように動作可能な保留特徴部をさらに備え得る。
図27A~
図27Cに示すように、保留デバイス860は、傾斜コイルばね864と、v字形の保持板862とを備える。この実施形態によれば、傾斜コイルばね864を使用して、コイルばねの複数の点が、瓶をラックウェル602において保留するために容器表面に接触する。傾斜ばね864のコイルは、
図27Cに示すように、容器の鉛直軸に対してある角度で設定されており、
図27Cは、容器の鉛直軸に対するコイル角度を明示するために誇張されたコイルを示す。しかしながら、典型的には、傾斜ばね864は密に巻かれたばねである。例えば、傾斜ばね864は、容器の鉛直軸に対して、約10度から約50度までの角度、約20度から約40度の角度、または、約30度の角度(
図27Cに示すような角度)であり得る。v字形の保持板862は、保持構造600に対して、または、保持構造600に隣接して、前記傾斜コイルばね864を保持および/または保留することができる。図示するように、保持板862は、傾斜コイルばね864を保留するためのv字溝保留板を備える。v字溝保留板は、容器500および/または保持構造600に対するばね864のあらゆる移動を防止する。したがって、典型的には容器と単一の点で接触する従来の引っ張りばね(例えば、平らな板ばね)と異なり、傾斜コイルばね864は、v字溝862によって固く保留できる一方で、コイルが圧力下で偏向する。傾斜ばね864の使用は荷重を散らすことができ、それによって均等な偏向を提供する。
【0115】
例えば
図27Aおよび
図27Cにおいて図示するように、受入構造またはウェル602は1つまたは複数の助材868をさらに備える。1つの設計の可能性において、
図27Cに示すように、これらの助材868のうちの2つは、傾斜コイルばね864の正反対に位置付けられる。これらの2つの助材868は、容器500をウェル602内で鉛直方向の中心線(図示せず)に沿って自立して心合わせするように機能する溝を形成する。動作において、傾斜コイルばね864は力を容器500の壁に加え、それによって容器をラック600の壁602内でしっかりと保持または保留する。一実施形態では、コイルばね864の反対に位置付けられる2つの助材868は、30度から約90度までで、または、約40度から約80度までで離間され得る。別の実施形態では、傾斜コイルばね864の反対に位置付けられる2つの助材868は、約60度で離間され得る。また、
図27Cに示すように、保持構造は、第1の列および第2の列の平行な保持壁を備えてもよく、平行な保持列は、そこに複数の容器を保持できる、または、保持するように動作可能であり、保持構造は、第1の列に隣接して位置付けられる第1の傾斜コイルばねと、第2の列に隣接して第2の傾斜コイルばねとをさらに備え、傾斜コイルばねの各々は、前記保持ウェルにおいて複数の容器を保留するように動作可能である。
【0116】
傾斜コイルばね864と、v字溝保留部862と、前記傾斜コイルばね864の反対に位置付けられた2つの助材868とを使用して、攪拌を通じて加えられる側方の荷重にも拘らず、または、ラック区画挿入の間にも拘らず、瓶はウェル602内の同じロケーションに常にしっかりと保持される。傾斜コイルばね864およびv字溝保留部862は、より短い深さの保持ウェル602および保持構造600の使用も可能にする。より短い保持ウェル602の深さは、多くの容器設計および容器長さを等しく良好に保留させることができることに加えて、容器表面のより多くをシステム内の培養空気流れに曝すことができる。
【0117】
当業者は、保持構造または構造600および/または攪拌組立についての他の可能な設計または構成が可能であり、本発明の考えられる部分であることを認識するものである。
【0118】
検出ユニット
図1~
図6、
図9A~
図9B、
図21A~
図21B、および
図27に示すような検出システム100の様々な可能な設計構成が、同様の検出手段の使用を含み得る。概して、細菌の成長の検出のために標本容器を監視および/または問い合わせすることについての当技術分野において既知の任意の手段が使用できる。前述したように、標本容器500は、細菌の成長の陽性の検出のために、検出システム100における容器500の培養の間、連続的または周期的に監視され得る。例えば、一実施形態では、検出ユニット(例えば、
図9Bの符号810)が、容器500の下部または基部506に組み込まれたセンサ514を読み取る。様々なセンサ技術が当技術分野において利用可能であり、適切であり得る。1つの可能な実施形態では、検出ユニットは、本明細書に組み込まれる米国特許第4,945,060号、第5,094,955号、第5,162,229号、第5,164,796号、第5,217,876号、第5,795,773号、および第5,856,175号に記載されるような比色測定を取る。陽性容器は、これらの特許で説明されるように、これらの比色測定に依存して指示される。代替で、検出は、微生物の内部蛍光、および/または、媒体の光学散乱における変化の検出(2009年7月22日に出願された「Method and System for Detection and/or Characterization of a Biological Particle in a Sample」という名称の米国特許出願第12/460,607号に開示されるような検出)を使用して遂行されてもよい。なおも別の実施形態では、検出は、容器の媒体または上部空間における揮発性有機化合物の生成を検出または感知することで遂行され得る。検出ユニットについての様々な設計構成が検出システム内で採用できる。例えば、1つの検出ユニットがラックまたはトレイ全体に提供されてもよく、または、複数の検出ユニットが、1つのラックあたり、または、1つのトレイあたりに提供されてもよい。
【0119】
気候制御された内部室
前述したように、検出システム100は、標本容器500に存在し得る任意の細菌因子(例えば、微生物)の成長を促進および/または増進するための環境を維持するために、気候制御された内部室(または、培養室)を備え得る。この実施形態によれば、検出システム100は、前記内部室内を一定の温度に維持するために、加熱要素または高温空気送風機を備え得る。例えば、一実施形態では、加熱要素または高温空気送風機は、上昇された温度(つまり、室温を上回って上昇された温度)において内部室を提供および/または維持する。別の実施形態では、検出システム100は、内部室を室温未満の温度で維持するために、冷却要素または低温空気送風機(図示せず)を備え得る。この実施形態によれば、内部室または培養室は、約18℃から約45℃までの温度となる。一実施形態では、内部室は培養室とでき、約35℃から約40℃までの温度で、好ましくは約37℃で維持され得る。別の実施形態では、内部室は、例えば約18℃から約25℃までの室温未満の温度で、好ましくは約22.5℃で維持され得る。提供される具体的に利点は、標本容器500内の細菌の成長の促進および/または増進するためのより一定の温度環境を提供する能力である。検出システム100は閉システムを提供することでこれを遂行し、その閉システムでは、標本容器500の自動装着、自動運搬、および自動装着取外しが、内部室620の培養温度(約30℃から約40℃まで、好ましくは約37℃から)を乱すことになるアクセスパネルを開けることを必要とせずに、行われる。
【0120】
概して、検出システム100は、細菌の成長を促進または増進するための気候制御された室を維持するための任意の当技術分野において既知の手段を採用できる。例えば、温度制御された室を維持するために、1つまたは複数の加熱要素または高温空気送風機、調節板、および/または、当技術分野において既知の他の適切な装備が、容器を培養し、細菌の成長を促進および/または増進するための適切な温度で検出システム100の内部を維持するために使用できる。
【0121】
典型的には、システム制御装置の制御下での1つまたは複数の加熱要素または高温空気送風機が、検出システム100の内部室620内の一定の温度を維持するために使用される。当技術分野において知られているように、加熱要素または高温空気送風機は内部室内のいくつかのロケーションで採用できる。例えば、
図5および
図6に示したように、1つまたは複数の加熱要素または高温空気送風機740は、暖温空気を複数の保持構造またはラック600にわたって方向付けるために、保持構造またはラック600の基部に位置決めできる。同様の配置は
図9Aおよび
図9Bの実施形態に提供され得る(例えば、符号840参照)。培養の特徴の詳細は特に関係があるわけではなく、当技術分野において知られており、そのため詳細な記載は省略する。
【0122】
制御装置およびユーザインターフェース
検出システム100は、システム制御装置(例えば、コンピュータ制御システム)(図示せず)と、システムの様々な動作および機構を制御するためのファームウェアとを備える。典型的には、システムの様々な機構の動作を制御するためのシステム制御装置およびファームウェアは、当業者に知られている任意の既知の従来の制御装置およびファームウェアであり得る。一実施形態では、制御装置およびファームウェアは、システム内での標本容器の自動装着、自動運搬、自動検出、および/または自動装着取外しを含むシステムの様々な機構を制御するのに必要なすべての動作を実施する。制御装置およびファームウェアは、システム内の標本容器の識別および追跡も提供する。
【0123】
検出システム100は、ユーザインターフェース150と、装着機構、運搬機構、ラック、攪拌装備、培養装置を動作させ、検出ユニットから測定を受信するための関連するコンピュータ制御システムとを備えてもよい。これらの詳細は、特に重要ということはなく、幅広く変更できる。容器が陽性であるとして検出されるとき、ユーザは、ユーザインターフェース150を介して、および/または、陽性指示器190(例えば、
図1参照)が作動する(つまり、指示ライトが点灯する)ことによって、警告されてもよい。本明細書で記載するように、陽性容器は、陽性と決定されるとユーザによる回収のために、例えば
図1~
図3、
図10~
図11、および
図22~
図24に示した陽性容器ロケーション130へと自動的に移動され得る。
【0124】
ユーザインターフェース150は、操作者または研究室の技術者に、検出システムへと装着される容器に関するステータス情報を提供することもできる。ユーザインターフェースは、以下の特徴、すなわち、(1)タッチスクリーン表示部、(2)タッチスクリーンにおけるキーボード、(3)システムステータス、(4)陽性の警告、(5)他のシステムへの通信(DMS、LIS、BCES、および他の検出または識別の機器)、(6)容器または瓶のステータス、(7)容器または瓶の回収、(8)視覚および聴覚の陽性指示器、(9)USBアクセス(バックアップおよび外部システムアクセス)、ならびに(10)陽性、システムステータス、およびエラーメッセージの遠隔通知のうちの1つまたは複数を含み得る。別の実施形態では、
図22~
図23に示すように、ステータス更新画面152も使用され得る。ステータス更新画面152は、例えば、(1)システム内の容器のロケーション、(2)患者の情報、試料の種類、入力時間などの容器の情報、(3)陽性容器または陰性容器の警告、(4)内部室の温度、および(5)廃棄箱が一杯で空にされる必要があることの指示など、検出システムへと装着される容器に関するステータス情報を提供するために使用できる。
【0125】
検出システム、ユーザインターフェース150、および/またはステータス更新画面152の具体的な外観または配置は、特に重要ということはなく、幅広く変更できる。
図1~
図2は、例示として提供された限定ではない1つの可能な実施形態を示す。
図22~
図23は、同じく例示として提供された限定ではない別の可能な実施形態を示す。
【0126】
自動装着取外し
検出システム100は、「陽性」および「陰性」の標本容器500の自動運搬または自動装着取外しも提供できる。前述したように、細菌因子が存在する容器は「陽性」容器と称され、微生物の成長が所与の時間期間の後に検出されない容器は「陰性」容器と称される。
【0127】
容器が陽性と検出されると、検出システムは、指示器(例えば、視覚的プロンプト190)を通じて、および/または、ユーザインターフェース150における通知を通じて、操作者に結果を通知する。ここで
図1~
図3および
図5A~
図5Bを参照すると、陽性瓶が、運搬機構650(例えば、ロボット運搬アーム)を介して自動的に回収され、陽性容器ロケーションまたは出口ポート130など、指定された陽性容器エリアに置かれ得る。この陽性容器エリアは、容器への容易なユーザのアクセスのために、機器筐体の外側に位置付けられる。一実施形態では、容器は陽性容器エリア内において鉛直配向で置かれる。1つの設計構成では、陽性容器の自動装着取外しは、陽性容器(例えば、陽性血液培養瓶)が指定された陽性容器ロケーションまたは出口ポート130へと再位置付けされるために通過して進行できる運搬管(図示せず)の使用を採用する。この設計の特徴によれば、運搬機構(例えば、ロボット運搬アーム)は、陽性標本容器を運搬管の上端へと落下させるかまたは預け、容器は陽性容器ロケーションまたはポート130へと重力を介して運搬管を通じて進行する。一実施形態では、運搬管(図示せず)は、1つまたは複数の「陽性」標本容器を中に保持できる。例えば、運搬管(図示せず)は、約1個から約5個まで、約1個から約4個まで、または約1個から約3個までの「陽性」標本容器を保持できる。別の実施形態では、例えば
図22~
図24に示すように、陽性容器ロケーションまたは出口ポート130は、例えば2つの「陽性」標本容器を別々に保持するための2つの保持ウェルといった、1つまたは複数の「陽性」標本容器のための保持ウェルを備えてもよい。
【0128】
検出システム100の別の実施形態では、陰性容器が運搬機構700(例えば、ロボット運搬アーム)によって保持構造またはラック600から廃棄箱146などの陰性容器ロケーションへと運搬され得る。典型的には、容器はロボット運搬アームから解放されて廃棄箱146へと落下させられるが、他の実施形態が考えられ、当然ながら当業者には明らかである。1つの設計構成では、陰性容器の自動装着取外しは、陰性容器(例えば、陰性血液培養瓶)が指定された廃棄箱146などの陰性容器ロケーションへと再位置付けされるために通過して進行できる運搬管(図示せず)の使用を採用する。この設計の特徴によれば、運搬機構(例えば、ロボット運搬アーム)は、陰性標本容器を運搬管の上端へと落下させるかまたは預け、容器は陰性容器ロケーションまたは廃棄箱146へと重力を介して運搬管を通じて進行する。検出システム100は、陰性容器廃棄箱146などの陰性容器ロケーションへのユーザのアクセスを提供するために開くアクセス扉140または引き出し142も備え得る。別の実施形態では、廃棄箱146は、廃棄箱146を計量するための秤を備え得る。当業者は、廃棄箱146の重量を監視することで、システム制御装置(図示せず)が、廃棄箱146がどれだけ一杯であるかを決定でき、廃棄箱146が一杯であるため空にされる必要があることをユーザまたは技術者に指示する信号を(例えば、ユーザインターフェース150において)任意選択で提供できることを認識する。
【0129】
自動研究室システム
前述したように、本開示の検出システム100は、様々な異なる可能な構成を取ることができる。大量の実施に特に適する1つのこのような構成が
図24に示される。
図24に示すように、検出システム100Aは自動微生物学研究室システムで採用され得る。例えば、検出機器100Aは自動研究室システムの1つの構成要素として含まれ得る。この実施形態では、検出機器100Aは、追加の試験のための1つまたは複数の追加の他の分析モジュールまたは機器に繋げられ得るかまたは「デイジーチェーン」され得る。例えば、
図24に示されるように、検出機器100Aは第2の検出ユニット100Bに繋げられ得るかまたは「デイジーチェーン」され得る。しかしながら、他の実施形態では、検出機器は1つまたは複数の他のシステムまたはモジュールに「デイジーチェーン」または繋げられ得る。これらの他のシステムまたはモジュールは、例えば、譲受人であるbioMerieux,Inc.のVITEKシステムまたはVIDASシステム、グラム染色器、質量分析ユニット、分子診断試験システム、プレートストリーカ、自動特性評価および/または識別システム(2009年5月15日に出願された「System for Rapid Non-invasive Detection of a Microbial Agent in a Biological Sample and Identifying and/or Characterizing the Microbial Agent」という名称の米国特許出願第60/216,339号に開示されるものなど)、または他の分析システムなどの識別試験システムを備え得る。
【0130】
ここで
図24を参照すると、自動研究室システムが第1の検出システム100Aと第2の検出システム100Bとを備え得る。他の実施形態では、自動研究室システムは、第1の検出システム100Aと、第2の検出システム100Bと、自動特性評価/識別システム(図示せず)とを備え得る。この実施形態によれば、陽性容器は、システム運搬デバイス440を使用して、第1の検出システム100Aから、第2の検出システム100Bへと、および/または、続いて自動特性評価/識別システムへと、移動または運搬され得る。他の実施形態では、第1の検出システム100Aは微生物識別モジュールまたは抗菌薬感受性モジュール(図示せず)に連結され得る。
【0131】
容器を第1の機器から第2の機器へと運搬するためのシステム運搬デバイスまたは機構は、(a)第1の機器、第2の機器、および前記第1の機器内に位置付けられる容器を提供することと、(b)前記第1の機器に連結され、前記容器を1つまたは複数の作業フローステーションへと移動するように動作可能な第1のロケータデバイスと、(c)前記第2の機器に連結され、前記第1のロケータデバイスに並列に位置付けられる輸送機構またはコンベヤベルトと、(d)前記容器を前記第1のロケータデバイスから前記輸送機構へと移動するかまたは押すことで、前記容器を前記第1の機器から前記第2の機器へと運搬するように動作可能なシステム運搬機構、例えば押し具アームとを備え得る。別の実施形態では、第1および第2の機器は培養機器とでき、容器は標本容器とできる。なおも別の実施形態では、輸送機構は、前記第1の機器に連結される第1の輸送機構またはコンベヤベルトと、前記第1の機器に連結される第1のロケータデバイスと、前記第2の機器に連結される第2の輸送機構またはコンベヤベルトと、前記第2の機器に連結される第2のロケータデバイスと、容器を前記第1のロケータデバイスから前記第2の輸送機構またはコンベヤベルトへと運搬することで前記容器を前記第1の機器から前記第2の機器まで運搬するためのシステム運搬機構、例えば押し具アームとを備える。なおもさらなる実施形態では、運搬機構は、前記第1の機器および前記第2の機器に連結されることで前記第1の機器と前記第2の機器とを連結するかまたは繋げる運搬ブリッジを備え得る。運搬ブリッジは、前記第1のロケータデバイスに並列に位置付けられる第1の端と、前記第2の輸送機構またはコンベヤベルトに並列に位置付けられる第2の端とを備える。運搬ブリッジは、第1の機器と第2の機器とを繋げ、容器を第1の機器から第2の機器へと運搬するための機構または手段を提供する。したがって、この実施形態では、運搬機構は、前記第1の機器を前記第2の機器へと繋げる運搬ブリッジをさらに備えてもよく、前記運搬ブリッジは、前記第1のロケータデバイスに並列に位置付けられる第1の端と、前記第2の輸送機構に並列に位置付けられる第2の端とを備え、それによって前記第1のロケータデバイスと前記第2の輸送機構とを繋げ、前記押し具アームは、前記容器を前記運搬ブリッジにわたって押し、それによって前記容器を前記第1の機器から前記第2の機器まで運搬するように動作可能である。
【0132】
図24~
図25Cに示すように、2つの検出システム100Aおよび100Bは、システム運搬デバイス441によって一体に「デイジーチェーン」される。これは、容器を一方の検出システムから他方の検出システムへと、最初の一方が一杯の場合に運搬させることができる。同様のシステム運搬デバイスが、本明細書における他のところに記載されるように、第2の検出システム100Bから後に続くシステムまたはモジュールへの標本容器500の後に続く運搬のために提供されてもよい。システム運搬機構441は、容器を第2または下流の機器へと運搬するための運搬ステーション420を有する第1の容器ロケータデバイス400Aを備える。
図24~
図25Cに示すように、システム運搬機構441は、押し具モータ442と運搬ブリッジ446とによって動作可能に制御される押し具アーム444も備える。図示するように、押し具アーム444は一対の平行なアームを備え得る。動作において、運搬される容器が第1の容器ロケータデバイス400Aの運搬ステーション420によって移動されるとき、押し具アーム444は、容器を運搬ステーション420から運搬ブリッジ446にわたって下流の検出システム100Bへと押すかまたは移動させるように作動させられる。図示するように、押し具アーム444は、押し具アーム支持構造445を介して押し具モータ442へと接続される。
図25A~
図25Cは、第1の検出システム100Aの運搬ステーション420から第2の検出システム100Bのコンベヤベルト206B(
図24参照)までの容器の運搬を示し、(1)押し具アーム444が容器を運搬ブリッジ446にわたって押し始めるときの第1の位置(
図25A)と、(2)容器が運搬ブリッジ446を渡るときの第2または中間の位置(
図25B)と、(3)下流の検出システム100Bのコンベヤベルト(図示せず)に容器が到着するときの最終位置(
図25C)とにおける容器を示す。さらに、
図25A~
図25Cに示すように、システム運搬デバイス440は、容器を第1のロケータデバイス400Aからブリッジ446にわたって下流検出システム100Bの自動装着機構200Bのコンベヤベルト206B(
図24参照)まで案内するために、1つもしくは複数の案内レール支持部452および/またはブリッジ案内レール446、448を介して、ロケータデバイス404の基部板に取り付けられる1つまたは複数のロケータデバイス案内レール450をさらに備え得る。第1の容器ロケータデバイス400Aおよび押し具アーム444の動作を介しての第1の検出システム100Aから第2または下流の検出システム100Bまでの容器の運搬は、システム制御装置によって制御され得る。典型的には、
図24に示すように、第1の検出システム100Aだけはユーザインターフェース150を備える必要がある。第1の検出システム100Aおよび第2の検出システム100Bは、ステータス画面152A、152Bと、陽性容器ポート130A、130Bと、下方アクセスパネル140A、140Bと、自動装着機構200A、200Bと、コンベヤベルト206A、206Bとをさらに備え得る。
【0133】
さらに、この実施形態によれば、陽性容器は、自動研究室システムにおける他のシステムに運搬され得る。例えば、
図24に示すように、第1の検出システム100Aにおいて陽性と決定された容器は、第2の検出システム100Bへと、および/または、続いて、中の細菌の自動特性評価および/または識別のための自動特性評価/識別システム(図示せず)へと運搬され得る。
【0134】
当業者は、自動研究室システムについての他の可能な設計または構成が可能であり、本発明の考えられる部分であることを認識するものである。
【0135】
微生物の成長の検出のための方法
一実施形態では、自動検出システムにおける微生物の成長の検出のための方法が記載されており、その方法は、(a)前記微生物の成長を促進および/または増進するための培地を備える標本容器を提供することと、(b)微生物の存在のために試験される試験試料を前記標本容器に植え付けることと、(c)自動装着機構を使用して、前記植え付けられた標本容器を前記検出システムへと装着することと、(d)自動運搬機構を使用して、前記標本容器を、前記検出システム内に位置付けられる保持構造へと運搬することであって、前記保持構造は、前記標本容器のうちの1つまたは複数を保持するための複数のウェルを備え、前記保持構造は、中での微生物の成長を促進および/または増進するために前記標本容器の攪拌を任意選択で提供する、運搬することと、(e)前記容器内での微生物の成長の1つまたは複数の副産物を検出することで、前記標本容器内の微生物の成長を検出するための検出ユニットを提供することと、(f)前記検出ユニットを使用して微生物の成長を検出し、それによって前記容器を微生物の成長について陽性と決定することとを含む。
【0136】
ここで、検出システム100の動作の方法が
図30を参照して記載される。(例えば、研究室の技術者または医者による)試験される試料での標本容器500の植え付けの後、標本容器500は、検出システム100への標本容器500の自動装着のために、自動装着機構200へと送られる。
【0137】
ステップ540において、標本容器500は、例として
図1において示すように、例えば、容器を輸送機構204の装着ステーションまたはエリア202へと置くことで、検出システム100へと装着される。次に、標本容器500は輸送機構204(例えば、コンベヤベルト)によって入口ロケーションまたはポート110へと移動され、続いて前記入口ロケーションまたはポート110を通って検出システム100へと移動され、それによって、標本容器500を検出システム100へと自動的に装着する。
【0138】
次に、ステップ550において、例えば
図5A~
図5Bに示したようなロボット運搬アームなどの自動運搬機構700が、検出システム100の内部室620内に含まれた保持構造またはラック600へと容器500を運搬し、保持構造またはラック600に容器を預けることに使用されることができる。
【0139】
ステップ560において、標本容器500は検出システム100内で培養される。検出システム100は、標本容器500内での細菌の成長を促進および/もしくは増進するために、保持構造もしくはラック600の攪拌(例えば、攪拌組立体を使用する)、ならびに/または、温度制御された環境を提供するための1つまたは複数の暖温空気送風機(例えば、
図5A~
図5Bにおける符号740参照)を任意選択で提供する。
【0140】
ステップ570において、標本容器500が細菌の成長について陽性であるかどうかを決定するために、標本容器500は検出ユニット(例えば、
図9Aおよび
図9Bにおける符号810参照)によって読み取られる。
【0141】
ステップ580において、標本容器の読取は、容器が中の細菌因子(例えば、微生物)の成長について陽性であるかどうかを決定するために分析される。陽性でない場合、処理はNOの分岐582に沿って進み、タイマが切れたかどうかの確認が行われる(ステップ584)。タイマが切れた場合、容器は陰性と判断され、容器はステップ586において廃棄容器146(例えば、
図1参照)へと運搬される。タイマが切れていない場合、培養が継続し、標本容器500の読取(ステップ580)が周期的に継続する。
【0142】
ステップ580において、標本容器500が陽性であると決定される場合、処理はYESの分岐590へと進む。一実施形態では、標本容器500は、容器へのユーザのアクセスおよび/またはさらなる処理のために、ステップ594において陽性容器ロケーションまたはポート130(例えば
図1参照)へと、自動運搬機構を使用して移動または運搬され(例えば、容器は、本明細書における他のところに記載されるように、自動的に装着取り外しされる)。別の実施形態では、標本容器は、システム運搬デバイスを使用して、さらなる処理のために、別の検出機器および/または別の分析システムへと(例えば、自動特性評価および/または識別システムへと)運搬され得る。
【0143】
装置間で標本容器を運搬するための方法
一実施形態では、自動細菌検出装置間で標本容器を運搬するための方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、ロケータウェルにおける標本容器を第1の自動検出装置における容器運搬ステーションへと輸送することと、第1のセンサを使用して容器運搬ステーションにおいて標本容器を感知することと、第1の自動細菌検出装置の容器運搬ステーションから第2の自動細菌検出装置の自動装着機構へと標本容器を運搬することと、第2のセンサを使用して標本容器が第2の自動細菌検出装置の自動装着機構に位置決めされることを検出することと、標本容器を第2の自動細菌検出装置の自動装着機構へと解放することとを含む。
【0144】
ここで、標本容器を運搬するための方法900が
図31を参照して記載される。(例えば、研究室の技術者または医者による)試験される試料での標本容器の植え付けの後、一部の実施形態では、標本容器は、検出システムへの標本容器の自動装着のために、自動装着機構へと送られる。本明細書で詳述され、ブロック902で示されるように、自動装着機構は、容器ロケータデバイスのロケータウェルにおける標本容器を第1の自動検出装置における容器運搬ステーションへと輸送する。
【0145】
一部の実施形態では、標本容器は、標本容器ロケータデバイスに向けて前進するコンベヤベルトへと装着される。標本容器は標本容器ロケータデバイスに接近するにつれて、案内レールが標本容器を1つずつ標本容器ロケータデバイスのロケータウェルへと方向付ける。容器ロケータデバイスは回転し、この手法では、標本容器にとって利用可能な新たなロケータウェルを作る。
図25A~
図25Cに示すように、ロケータウェルは凹んでおり、ロケータウェルの側方における開口を通じて標本容器を受け入れる大きさとされる。
【0146】
一部の実施形態では、容器ロケータデバイスは、次に、ロケータウェルにおける標本容器が下流の機器へと運搬され得る容器運搬ステーションなどの作業ステーションへと回転する。例えば、容器ロケータデバイスは、例えば運搬アームといったシステム運搬機構および第1のセンサで構成される作業ステーションへと時計回りで回転し得る。一実施形態では、容器ロケータデバイスは標本容器を容器運搬ステーションへと前進させ、第1のセンサは標本容器の存在を検出する。本明細書に記載される別々の要素は、センサから入力を受信し、様々な移動する要素を制御するように構成される、プロセッサなどの1つまたは複数のシステム制御装置を介して、動作可能に接続され得る。
【0147】
一部の実施形態では、方法は、ブロック904に示すように、第1のセンサを使用して容器運搬ステーションにおける標本容器を感知することを含む。第1のセンサは、光学センサ、誘導センサ、容量センサ、または磁気センサであり得る。この手法では、感知の種類は、使用される標本容器、操作者への要求、および/またはセンサの種類に基づいて変化してよい。一部の実施形態では、センサは、物体の存在(または不在)を連続的に感知している。他の実施形態では、センサは、物体の存在(または不在)を間欠的または定期的に検出している。
【0148】
一部の実施形態では、センサは、標本容器が容器運搬ステーションによって受け入れられるとき、つまり、容器運搬ステーションにおいて完全に据えられていないとき、標本容器の存在を検出するように位置決めされる。この実施形態では、センサは、容器運搬ステーションに入るときに標本容器を検出する。さらなる実施形態では、センサは、標本容器が容器運搬ステーションへと完全に受け入れられるときだけ、標本容器の存在を検出するように位置決めされる。例えば、センサは、標本容器が容器運搬ステーションにおいて完全に据えられ、運搬アームによって運搬させることができるときだけ検出可能な標本容器の縁を検出できる。
【0149】
一実施形態では、方法は、ブロック908において示すように、第1の自動細菌検出装置の容器運搬ステーションから第2の自動細菌検出装置の自動装着機構へと標本容器を運搬することを含む。一部の実施形態では、標本容器は、
図25Dとの関連で記載するように、運搬アームなどのシステム運搬機構を使用して運搬される。この実施形態では、運搬アームは標本容器を把持し、標本容器が現在置かれている検出機器と、第2の下流の機器の自動装着機構との間で標本容器を移動する。
【0150】
一部の実施形態では、標本容器を運搬することは、ブロック906に示すように、例えば運搬アームといったシステム運搬機構を使用して容器運搬ステーションにおける標本容器を持ち上げることを含む。例えば、標本容器は、下流の機器へと運搬する前に、容器運搬ステーションの床から短い距離で持ち上げられ得る。この例では、上昇させられた標本容器は、ユニットが同じ高さにない可能性があるため、ユニット間での運搬において助けとなる。ユニットが同じ高さにない場合、運搬の間に標本容器を倒れさせ得る落差または隆起が第1のユニットと下流のユニットとの間にあり得る。この問題を解決するために、標本容器を所定の距離で持ち上げることは、標本容器の運搬の間の落下を低減できる。
【0151】
一実施形態では、例えば運搬アームといったシステム運搬機構は把持機構も備え、方法は、標本容器を持ち上げることの前に標本容器を把持することを含む。一実施形態では、標本容器は、標本容器の周囲の周りを少なくとも部分的にくるむ相対するパドルを使用して把持される。
【0152】
さらなる実施形態では、方法は、ブロック910に示すように、第2のセンサを使用して、標本容器が第2の自動細菌検出装置の自動装着機構に位置決めされることを検出することを含む。一部の実施形態では、第2のセンサは、第1のセンサが容器運搬ステーションにおいて標本容器の存在を検出した後に作動する。一実施形態では、方法は、標本容器のキャップを検出することを含む。この実施形態では、第2のセンサは、標本容器が転倒した場合、システムが警告を発することができるようにキャップを検出するように位置決めされる。別の言い方をすれば、標本容器は、第1の機器と下流の機器との間で運搬されたかもしれないが、何らかの理由のため、転倒してしまった、または、倒れてしまった。一実施形態では、方法は、第1のセンサが標本容器を検出した後で第2のセンサが標本容器を検出しないときに警告を発することを含む。警告は、通知、視覚の警告、および/または聴覚の警告であり得る。
【0153】
さらなる実施形態では、方法は、ブロック912に示すように、標本容器を第2の自動細菌検出装置の自動装着機構へと解放することを含む。一部の実施形態では、解放することは、把持機構を開き、標本容器を自動装着機構に接触させることを含む。一実施形態では、標本容器は、標本容器が自動装着機構へと下降するように、上昇させられる間に解放される。この実施形態では、相対するパドルと標本容器との間の摩擦が下降をゆっくりにすることができる。さらなる実施形態では、運搬アームは、標本容器を解放する前に標本容器を自動装着機構へと下げてもよい。
【0154】
一実施形態では、方法は、標本容器を自動装着機構へと解放する前に、第2の自動細菌検出装置の自動装着機構を作動させることを含む。解放された標本容器の位置における変化は、標本容器が解放されるときに自動装着機構が走行しているとき、低減される。自動装着機構が走行していないとき、例えば運搬アームといったシステム運搬機構は標本容器を前方に押し、自動装着機構におけるその位置において変化を引き起こすことができる。しかしながら、自動装着機構が走行しているとき、標本容器は、自動装着機構の移動のため、運搬アームの把持機構の外へ移動する。標本容器を解放する前に自動装着機構を移動させることで、標本容器が解放された後に転倒する可能性を小さくすることも見出されている。一部の実施形態では、自動装着機構は、ゲートが開いた後、例えば500msecの短い時間の期間内に作動させられる。
【0155】
さらなる実施形態では、方法は、標本容器が運搬アームを離れたことを第2のセンサが検出するとき、例えば運搬アームといったシステム運搬機構を容器運搬ステーションにおける取上位置へと引き込むことを含む。この実施形態では、方法は、第2のセンサを使用して標本容器のキャップを検出するステップと、第2のセンサを使用して標本容器の離れるのを検出するステップと、標本容器の離れるのを検出することに応じて運搬アームを引き込むステップとを含む。一部の実施形態では、運搬アームが自動装着機構において標本容器をひっくり返す可能性を低減させるために、運搬アームを引き込むのに遅れがある。
【0156】
一実施形態では、方法は、標本容器が第2の自動細菌検出装置の自動装着機構へ解放された後に標本容器の逆行する運動を防止することを含む。この実施形態では、ゲートが第1の機器と下流の機器との間に置かれ得る。標本容器が第1の機器から下流の機器へと運搬されるとき、ゲートは、能動的に開き得る、または、標本容器によって受動的に押し開けられ得る。一部の実施形態では、ゲートはヒンジに付いており、標本容器がゲートを通過した後に第1の機器と下流の機器との間の中立位置へと戻ることができるように大きさと位置との両方が定められる。この手法では、ゲートは、第1の機器に向かう標本容器の逆行する運動を妨げる。例えば、標本容器が調和させられない場合、ゲートが防止するため、標本容器は解放された後に第1の機器へと逆行するように倒れることはできない。さらに、一部の実施形態では、自動装着機構が、反対に走行でき、つまり、入口から離れるように走行でき、ゲートは、標本容器が自動装着機構で倒れるのを防止する、または、標本容器がこの状況において第1のユニットの容器運搬ステーションに詰まるのを防止する。
【0157】
一部の実施形態では、第3のセンサが、第1の自動細菌検出装置の容器運搬ステーションと第2の自動細菌検出装置の自動装着機構との間のゲートが定位置から離れていることを決定するとき、自動装着機構が作動させられる。この実施形態では、ゲートの移動が自動装着機構の移動をトリガする。
【0158】
さらなる実施形態では、方法は、第2の自動細菌検出装置の入口ロケーションに近接して位置決めされる第4のセンサが所定の時間の期間にわたって標本容器を検出しないとき、第2の自動細菌検出装置の自動装着機構の移動を停止させることを含む。方法におけるこのステップは、下流の機器における自動装着機構の不必要な使用を低減するために設計される。第4のセンサは標本容器についての監視を決定し、標本容器が所定の時間の期間にわたって検出されない場合、自動装着機構が停止される。この実施形態では、時間の期間は、自動装着機構の速度および/または長さに基づかれ得る。
【0159】
本発明は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図の図示および/またはブロック図を参照して一部で記載される。流れ図の図示および/またはブロック図の各々のブロックと、流れ図の図示および/またはブロック図におけるブロックの組み合わせとは、コンピュータプログラム命令によって実施され得ることは、理解されるものである。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、流れ図および/またはブロック図のブロックにおいて明示された機能/作用を実施するための手段を作り出すように、機械を生み出すために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供され得る。
【0160】
本明細書での図の特定の流れ図およびブロック図は、本発明の実施形態の可能な実施の例示のアーキテクチャ、機能性、および動作を図示する。一部の代替の実施では、ブロックで書かれたステップは、図において書かれた順番以外で起こり得ることは、留意されるべきである。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際、実質的に同時に実行されてもよく、または、ブロックは、逆の順番で実行される場合があってもよく、または、2つ以上のブロックは、伴われる機能に依存して、組み合わされてもよい。
【0161】
前述のことは、本発明の例示であり、本発明の限定として解釈されない。この発明のいくつかの例示の実施形態が記載されるが、当業者は、多くの変更が、この発明の新規の教示および利点から大いに逸脱することなく、例示の実施形態において可能であることを容易に理解するものである。したがって、すべてのこのような変更が、特許請求の範囲において定められるようなこの発明の範囲内に含まれるように意図される。本発明は、以下の特許請求の範囲によって、特許請求の範囲に含まれる特許請求の範囲の均等物を伴って定められる。