IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 台達電子工業股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図1
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図2
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図3
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図4
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図5
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図6
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図7
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図8
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図9
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図10
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図11
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図12
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図13
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図14
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図15
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図16
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図17
  • 特許-モジュール式モータアセンブリ構造 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】モジュール式モータアセンブリ構造
(51)【国際特許分類】
   F16D 1/08 20060101AFI20220111BHJP
   F16B 3/00 20060101ALI20220111BHJP
   H02K 7/00 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
F16D1/08 110
F16B3/00 A
H02K7/00 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019136769
(22)【出願日】2019-07-25
(65)【公開番号】P2020112265
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2019-07-25
(31)【優先権主張番号】62/791,624
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】201910300202.0
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502330713
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS, INC.
【住所又は居所原語表記】No.252,ShanYing Rd.,Guishan Dist.,Taoyuan City 333,Taiwan, R.O.C.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】黄子軒
【審査官】西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-313460(JP,A)
【文献】実開昭51-074674(JP,U)
【文献】特公昭26-001415(JP,B1)
【文献】実開昭59-047107(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 1/08
F16B 3/00-3/06
H02K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
応用装置の駆動軸に接続され、かつ、前記駆動軸に収容溝を有する、モジュール式モータアセンブリ構造であって、前記モジュール式モータアセンブリ構造は、本体とコンビネーションキーとを備え、
前記本体は、軸孔とキー溝とを備え、
前記軸孔は、前記応用装置の前記駆動軸に対応し、かつ、開口と中心軸とを有し、前記応用装置の前記駆動軸の一端が、前記軸孔の前記開口から前記軸孔の前記中心軸に沿って前記軸孔に挿入され、
前記キー溝は、前記軸孔の外周縁部に設置され、前記軸孔と連通し、かつ前記中心軸と平行な方向に延伸し、
前記コンビネーションキーは、前記応用装置の前記収容溝に対応し、前端部と後端部とを有し、前記駆動軸が前記軸孔に挿入される時、前記コンビネーションキーの少なく一部が前記収容溝に収容され、かつ前記前端部が前記キー溝に面し、前記コンビネーションキーの高さ方向及び幅方向の厚さは、前記前端部から前記後端部に向かうにつれて厚くなり、
前記コンビネーションキーは、頂面と底面と第1側面と第2側面とを備え、前記第1側面と前記第2側面とが互いに対向し、かつ、それぞれ前記頂面と前記底面との間に連結され、前記底面は、前記駆動軸の前記収容溝の底部に接触する平面である、ことを特徴とするモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項2】
前記キー溝は、前記軸孔の外周縁部の頂部に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項3】
前記第1側面と前記第2側面とは、斜面を備え、前記前端部から前記後端部に向かうにつれて厚くなり、かつ、第2角度と第3角度とを形成し、前記第2角度と前記第3角度とが同じ角度である、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項4】
前記コンビネーションキーは、第1横溝を備え、前記第1横溝は、前記前端部から前記後端部に向かって延伸し、かつ、前記頂面と前記底面との間を貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項5】
前記第1横溝の長さは、前記コンビネーションキーの長さの1/2よりも長い、ことを特徴とする請求項4に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項6】
前記コンビネーションキーは、第2横溝を備え、前記第2横溝は、前記後端部から前記前端部に向かって延伸し、かつ前記第1側面と前記第2側面との間を貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項7】
前記第2横溝の長さは、前記コンビネーションキーの長さの1/2よりも長い、ことを特徴とする請求項6に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項8】
前記コンビネーションキーは第1横溝を備え、前記第1横溝は、前記後端部から前記前端部に向かって延伸し、かつ前記頂面を貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項9】
前記コンビネーションキーは、第1横溝と第2横溝とを備え、前記第1横溝は、前記前端部から前記後端部に向かって延伸し、かつ前記頂面と前記底面との間を貫通し、前記第2横溝は、前記後端部から前記前端部に向かって延伸し、かつ前記第1側面と前記第2側面との間を貫通し、前記第1横溝と前記第2横溝とが互いに連通される、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項10】
前記コンビネーションキーは、第1横溝と第2横溝とを備え、前記第1横溝は、前記後端部から前記前端部に向かって延伸し、かつ前記頂面を貫通し、前記第2横溝は、前記後端部から前記前端部に向かって延伸し、かつ前記第1側面と前記第2側面との間を貫通し、前記第1横溝と前記第2横溝とが互いに連通される、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項11】
前記キー溝は、頂壁と第1側壁と第2側壁とを備え、前記頂壁が、前記第1側壁と前記第2側壁との間に連結され、前記コンビネーションキーが部分的に前記収容溝に収容され、かつ前記駆動軸の前記一端が軸孔に挿入される時、前記コンビネーションキーの前記頂面が前記キー溝の前記頂壁に当接し、前記コンビネーションキーの前記第1側面と前記第2側面は、それぞれ、前記キー溝の前記第1側壁と前記第2側壁とに当接する、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項12】
前記コンビネーションキーの前記第1側面と前記第2側面との間の最短距離の位置は、前記前端部に隣接し、かつ、前記コンビネーションキーの前記第1側面と前記第2側面との間の最短距離は、前記キー溝の第1側壁と前記第2側壁との間の距離よりも小さい、ことを特徴とする請求項11に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項13】
前記コンビネーションキーの前記第1側面と前記第2側面との間の最長距離の位置は、前記後端部に隣接し、かつ、前記コンビネーションキーの前記第1側面と前記第2側面との間の最長距離は、前記キー溝の前記第1側壁と前記第2側壁との間の距離よりも大きい、ことを特徴とする請求項11に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項14】
前記コンビネーションキーの少なく一部が前記収容溝に収容される時、前記駆動軸の中心軸から前記コンビネーションキーの前記前端部の前記頂面までの距離は、前記軸孔の前記中心軸から前記キー溝の前記頂壁までの距離よりも小さい、ことを特徴とする請求項11に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【請求項15】
前記コンビネーションキーの少なく一部が前記収容溝に収容される時、前記駆動軸の中心軸から前記コンビネーションキーの前記後端部の前記頂面までの距離は、前記軸孔の前記中心軸から前記キー溝の前記頂壁までの距離よりも大きい、ことを特徴とする請求項11に記載のモジュール式モータアセンブリ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータアセンブリ構造に関し、特に、モジュール式モータアセンブリ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモータアセンブリ構造の応用装置では、クライアントエンドと接続するためにストレートスルーモジュールを使用することが一般である。ストレートスルーモジュールは、全体長さの短縮および継手用部品のコストを低減することを主な目的としているが、ストレートスルー方式による剛性及びモータとの高速応答性を向上させ、使用精度を向上させることもできる。しかしながら、運転の円滑と精度を確保するため、このストレートスルーモジュールの接続は、寸法誤差調整と設置手順に従う必要があり、一般の使用者にとって困難であり、モジュール化の目的を達成しにくいことがある。
【0003】
したがって、従来技術の欠点を改善するために、組立およびモジュール化の問題を解決できるモジュール式モータアセンブリ構造を提供し、モジュール式モータアセンブリ構造の使い勝手を向上させることが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、モジュール式モータアセンブリ構造を提供することである。当該モジュール式モータアセンブリ構造は、モータ本体を収容する構造の変化は少なく、モータ組立構造の標準サイズである取り付け軸孔をモジュール化することによって、使用者が、市販のモータ組立構造を装置または設備に直接に使用し、市販の部品に適用できるため、迅速に市販の部品に対応すると同時に、一般的な取り付け付属品(カップリング、モーターフランジなど)の削減、アセンブリ全体のサイズの小型化、または組立手順の簡素化という目的を達成することができる。
【0005】
本発明のもう一つの目的は、モジュール式モータアセンブリ構造を提供することである。特殊に設計されたコンビネーションキーの幾何学的な構造により、寸法誤差の解消、補助取り付けおよび回転力の剛性伝達の機能を達成することができ、かつ、組立構造および組立方法を簡単化し、モジュール式モータアセンブリ構造と使用端にある応用装置との間での回転力伝達剛性を得られる。また、特殊に設計されたコンビネーションキーは、横溝および斜面角度により、弾性緩衝および寸法調整機能を果たすことができ、組立と案内の利便性を効果的に向上させるとともに、剛性連結を高精度、高レスポンスに維持することができ、かつ弾性により誤差解消、緊密に接触させる機能を果たせる。これにより、本発明のモジュール式モータアセンブリ構造は、各種の回転駆動部材(例えば、ねじ、プーリ、ギア、減速機など)に適している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は、応用装置の駆動軸と連結するように設けられ、かつ駆動軸は収容溝を有する、モジュール式モータアセンブリ構造を提供する。前記モジュール式モータアセンブリ構造は、本体とコンビネーションキーとを備える。本体は、軸孔とキー溝とを備える。軸孔は応用装置の駆動軸に対応しており、かつ開口と中心軸とを有し、応用装置の駆動軸の一端が、軸孔の開口から軸孔の中心軸に沿って軸孔に挿入される。キー溝が軸孔の外周縁部に設けられ、かつ、軸孔と連通し、中心軸と平行な方向に沿って延伸する。コンビネーションキーは、応用装置の収容溝に対応しており、前端部と後端部とを有する。駆動軸が軸孔に挿入される時、コンビネーションキーの少なく一部が収容溝に収容され、かつ前端部がキー溝に面し、コンビネーションキーは、前端部から後端部に向かうにつれて厚くなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造およびそれを適用した装置の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造それを適用した装置を他の角度から見た斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造の本体とコンビネーションキーとの相対関係を示す図である。
図4】本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造の本体の正面図である。
図5】本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造のコンビネーションキーの斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造のコンビネーションキーを他の角度から見た斜視図である。
図7】本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造のコンビネーションキーの側面図である。
図8】本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造のコンビネーションキーの平面図である。
図9】本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造およびそれを応用装置に取り付けた状態の水平断面構造図である。
図10】本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造およびそれを応用装置に取り付けた状態の縦断面構造図である。
図11】本発明の第2実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造および使用端の応用装置の斜視図である。
図12】本発明の第2実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造の本体とコンビネーションキーとの相対関係を示す図である。
図13】本発明の第2実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造のコンビネーションキーの斜視図である。
図14】本発明の第2実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造のコンビネーションキーを他の角度から見た斜視図である。
図15】本発明の第2実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造のコンビネーションキーの斜視図である。
図16】本発明の第2実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造のコンビネーションキーの平面図である。
図17】本発明の第2実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造と使用端の応用装置との組立構造の水平断面を示す構造図である。
図18】本発明の第2実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造と使用端の応用装置との組立構造の縦断面を示す構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特徴および利点を具体化するいくつかの例示的な実施形態は、以下の説明において詳細に説明される。本発明は、本発明の範囲を逸脱することなく様々な態様で変更することができ、また、説明および図面は、本発明を説明するためのものであり、限定するものではない。
【0009】
図1および図2は、本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造およびそれを適用した装置の斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造の本体とコンビネーションキーとの相対位置関係を示す図である。図4は、本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造の本体の正面図である。図5および図6は、本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造のコンビネーションキーの斜視図である。図7および図8は、本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造のコンビネーションキーの側面図である。図9および図10は、本発明の第1実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造およびそれを応用装置に取り付けた状態において、異なる角度から見た断面を示す構造図である。
【0010】
図1図3に示す実施形態において、モジュール式モータアセンブリ構造1は、本体10とコンビネーションキー20とを備える。本体10は、軸孔11とキー溝12とをさらに備える。軸孔11は、例えば、モータの動力伝達軸孔であり、応用装置90の駆動軸91と空間的に対応している。軸孔11は、開口11aと中心軸Cとをさらに備え、応用装置90の駆動軸91の一端が、軸孔11の開口11aより軸孔11の中心軸Cに沿って軸孔11に挿入される。すなわち、軸孔11と使用端の応用装置90の駆動軸91とが互いに対応し、本体10の回転力が駆動軸91を介して応用装置90に伝達されるように設けられる。本実施形態において、軸孔11の断面は、駆動軸91の断面と類似な形状を有する。駆動軸91の軸孔11への挿入を容易にするために、駆動軸91の断面積が軸孔11の断面積よりわずかに小さくてもよいが、本発明はこれに限定されない。キー溝12は、軸孔11の外周縁部に配置され、且つ軸孔11とキー溝12とが互いに連通されて軸孔11の中心軸Cと平行な方向に延伸する。本実施形態では、キー溝12は、例えば、軸孔11の外周縁部の頂部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態においては、軸孔11とキー溝12との相対位置は、実際の用途の要求に従って調整することができ、ここでは詳細を省略する。
【0011】
本実施形態において、応用装置90の駆動軸91には、コンビネーションキー20の一部を収容する収容溝92が設けられている。モジュール式モータアセンブリ構造1が応用装置90に取り付けられると、コンビネーションキー20の一部が、応用装置90の駆動軸91における収容溝92に収容され、駆動軸91とコンビネーションキー20とが本体10の軸孔11とキー溝12とに挿入される。駆動軸91とコンビネーションキー20とが結合して形成された構造の断面形状は、軸孔11とキー溝12との結合の断面形状と類似している。軸孔11と駆動軸91とが結合すると、コンビネーションキー20とキー溝12とのペアリングは、組み立てを容易になる。また、軸孔11と駆動軸91とコンビネーションキー20とが結合されると回転力伝達剛性を得ることができる。なお、本発明では、軸孔11と駆動軸91のコンビネーションキー20とを組み合わせ、弾性により、軸孔11と駆動軸91との寸法誤差の問題をなくすことができる。
【0012】
図5図8に示すように、本実施形態において、コンビネーションキー20は、金属材質で構成され、前端部21と後端部22と頂面23と底面24と第1側面25と第2側面26とを備える。前端部21と後端部22は互いに対向しており、前端部21は、コンビネーションキー20が軸孔11とともに駆動軸91に連結されたとき、キー溝12に対向する。頂面23と底面24は互いに対向しており、底面24は、駆動軸91における収容溝92の底部に接続する平面である。第1側面25と第2側面26は互いに対向しており、それぞれ、頂面23と底面24との間に接続されている。本実施形態において、頂面23は、斜面を備え、前端部21から後端部22に向かうにつれて厚くなり、前端部21と後端部22の頂面23とに第1角度A1を形成している。また、第1側面25と第2側面26とは、例えば斜面を備え、前端部21から後端部22にむかうにつれて厚くなり、前端部21と、後端部22の第1側面25と第2側面26とのそれぞれに第2角度A2と第3角度A3を形成する。本実施形態において、第1角度A1、第2角度A2および第3角度A3は、同じ角度であってもよく、例えば、1゜である。本発明はこれに限定されない。他の実施形態においては、第1角度A1、第2角度A2および第3角度A3は、それぞれ局在部において設けられても良いが、本発明はこれに限定されず、ここでは詳細を省略する。コンビネーションキー20は、第1横溝27および第2横溝28をさらに備える。第1横溝27は、前端部21から後端部22に向かって延伸し、かつ頂面23と底面24との一部、例えば、頂面23および底面24の半分以上(すなわち、第1横溝27の長さがコンビネーションキー20の長さの1/2よりも長い)を貫通している。第1横溝27を設けることによって、第1側面25と第2側面26との間に弾性緩衝機能を果たすことができる。第2横溝28は、後端部22から前端部21に向かって延伸し、かつ第1側面25と第2側面26との一部、例えば、第1側面25および第2側面26の半分以上(すなわち、第2横溝28の長さがコンビネーションキー20の長さの1/2よりも長い)を貫通している。第2横溝28を設けることによって、頂面23と底面24との間に弾性緩衝機能を果たすことができる。本実施形態において、第1横溝27と第2横溝28とが互いに連通しているが、本発明はこれに限定されない。
【0013】
図4図9および図10に示すように、本実施形態において、キー溝12は、頂壁12cと第1側壁12aと第2側壁12bとを備える。頂壁12cは、第1側壁12aと第2側壁12bとの間に接続されている。コンビネーションキー20が部分的に収容溝92に収容され、かつ駆動軸91の一端が軸孔11に挿入されると、コンビネーションキー20の頂面23がキー溝12の頂壁12cに当接する。コンビネーションキー20における第1側面25と第2側面26とが、それぞれ、キー溝12の第1側壁12aと第2側壁12bとに当接する。本実施形態において、コンビネーションキー20の第1側面25と第2側面26との最短距離の位置は、前端部21に近く、かつその最短距離は、キー溝12の第1側壁12aと第2側壁12bとの間の距離よりも小さい。コンビネーションキー20の第1側面25と第2側面26との最長距離の位置は、後端部22に近く、かつキー溝12の第1側壁12aと第2側壁12bとの間の距離よりも大きい。また、コンビネーションキー20が駆動軸91と連結されるとき、駆動軸91の中心軸Cからコンビネーションキー20の前端部21の頂面23までの距離が軸孔11の中心軸Cからキー溝12の頂壁12cまでの距離よりも小さい。駆動軸91の中心軸C(すなわち、軸孔11の中心軸C)からコンビネーションキー20の後端部22の頂面23までの距離が軸孔11の中心軸Cからキー溝12の頂壁12cまでの距離よりも大きい。
【0014】
モジュール式モータアセンブリ構造1を使用端の応用装置90に取り付ける時、まず、コンビネーションキー20が応用装置90の駆動軸91における収容溝92に部分的に収容され、駆動軸91が軸孔11に合わせられ、コンビネーションキー20の前端部21がキー溝12に合わせられ、駆動軸91がコンビネーションキー20とともに軸孔11およびキー溝12内部に挿入される。コンビネーションキー20の前端部21がキー溝12内部に入ると、コンビネーションキー20の頂面23とキー溝12の頂壁12cとの間、またはコンビネーションキー20の第1側面25と第2側面26のそれぞれと、キー溝12の第1側壁12aと第2側壁12bとの間には、依然として隙間があるので、コンビネーションキー20を収容した駆動軸91を円滑に軸孔11およびキー溝12内に挿入することができる。そして、コンビネーションキー20がキー溝12に徐々に挿入されるとともに、コンビネーションキー20の頂面23がキー溝12の頂壁12cに当接し始める。同時に、コンビネーションキー20の第1側面25と第2側面26とが、それぞれ、第1側壁12aと第2側壁12bとに当接し始める。駆動軸91およびコンビネーションキー20が完全に軸孔11およびキー溝12の内部に挿入されると、コンビネーションキー20がキー溝12にさらに緊密に噛み合う。なお、コンビネーションキー20における第1側面25と第2側面26とが、それぞれ、第1側壁12aと第2側壁12bとに当接すると、コンビネーションキー20の第1横溝27が弾性緩衝機能を発揮することができ、キー溝12の第1側壁12aおよび第2側壁12bに対するコンビネーションキー20の第1側面25と第2側面26との間の寸法誤差による問題を回避でき、コンビネーションキー20とキー溝12とが緊密に噛み合うことができる。コンビネーションキー20の頂面23がキー溝12の頂壁12cと当接すると、コンビネーションキー20の第2横溝28が弾性緩衝機能を発揮することができるので、キー溝12の頂壁12cに対するコンビネーションキー20の頂面23の寸法誤差による問題を回避でき、コンビネーションキー20とキー溝12とが緊密に噛み合うことができる。したがって、駆動軸91がコンビネーションキー20との組合せは、取付の利便性を向上させるとともに、駆動軸91およびコンビネーションキー20を軸孔11およびキー溝12に緊密に係合させるので、使用端の応用装置90とモータアセンブリ構造1との間にある回転力伝達剛性が得られ、弾性により寸法誤差の問題をなくすことができる。
【0015】
本実施形態において、上記の機能を果たすために、コンビネーションキー20が完全にキー溝12に収容されているが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態では、コンビネーションキー20の後端部22は、例えば、キー溝12に露出しており、使用者が後端部22に隣接する頂面23を押すことによって第2横溝28の弾性緩衝力を抵抗し、コンビネーションキー20の頂面23をキー溝12の頂壁12cより分離させ、両者が噛み合うことができなくなる。これによって、軸孔11に対して、駆動軸91の挿入、または、抜け出しの滑動に有利である。同様に、第1横溝27の弾性緩衝力も同様の特性を有するが、本発明はこれに限定されず、ここでは詳細を省略する。
【0016】
また、本実施形態において、モータアセンブリ構造1は、例えば、本体10に接続して電源または信号を転送するための第1接続部13および第2接続部14を備えている。なお、本発明はこれに限定されず、ここでは詳細を省略する。
【0017】
図11は、本発明の第2実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造および使用端の応用装置を示す図である。図12は、本発明の第2実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造の本体とコンビネーションキーとの相対関係を示す図である。図13および図14は、本発明の第2実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造のコンビネーションキーの斜視図である。図15および図16は、本発明の第2実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造のコンビネーションキーの斜視図および平面図である。図17および図18は、本発明の第2実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造および使用端の応用装置が取り付けられた状態を異なる角度から見た断面図である。
【0018】
図に示すように、本実施形態において、モジュール式モータアセンブリ構造1と使用端の応用装置90は、図1図10に示した(すなわち、本発明の第1実施形態)モジュール式モータアセンブリ構造1および使用端の応用装置90に類似しており、かつ同様な構造に同じ符号を付与し、その構造および機能についての詳細を省略する。図1図10に示したモジュール式モータアセンブリ構造1との相違点は、本実施形態におけるモジュール式モータアセンブリ構造1では、前述した実施形態のコンビネーションキー20の代わりに、コンビネーションキー30を備える。
【0019】
図13図16に示すように、本実施形態において、コンビネーションキー30は、前端部31と、後端部32と頂面33と底面34と第1側面35と第2側面36とを備えている。前端部31と後端部32とが互いに対向しており、前端部31は、コンビネーションキー30と軸孔11とが駆動軸91に結合された場合、キー溝12に面する。頂面33と底面34とが互いに対向しており、底面34は、例えば、駆動軸91における収容溝92の底部に接続する平面である。第1側面35と第2側面36とが互いに対向しており、それぞれ、頂面33と底面34との間に接続している。本実施形態において、頂面33は、例えば、斜面であり、前端部31から後端部32にむかうにつれて厚くなり、かつ頂面33に対して2°の第4角度A4を形成する。なお、第1側面35と第2側面36は、例えば、斜面であっても良く、かつ、前端部31から後端部32にむかうにつれて厚くなり、第1側面35と第2側面36とのそれぞれに対して、1°の第5角度A5および第6角度A6を形成する。本実施形態において、第4角度A4の大きさは、第5角度A5と第6角度A6との和に等しいが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態においては、第4角度A4、第5角度A5、および第6角度A6は、実際の需要に応じて調整、または、それぞれ局在部において設けられても良いが、ここでは詳細を省略する。また、コンビネーションキー30は、第1横溝37および第2横溝38を更に備えている。第1横溝37は、後端部32から前端部31に向かって延伸し、かつ頂面33の一部、例えば、頂面33の半分を貫通する。第1横溝37を設けることによって、第1側面35と第2側面36との間に弾性緩衝機能を提供することができる。第2横溝38は、同様に、後端部32から前端部に向かって延伸し、かつ第1側面35と第2側面36との一部、好ましくは、第1側面35と第2側面36との半分を貫通する。第2横溝38を設けることによって、頂面33と底面34との間に弾性緩衝機能を提供することができる。第1横溝37と第2横溝38とが互いに連通される。
【0020】
同様に、本実施形態において、第1側面35と第2側面36との間の最短距離の位置は、前端部31に隣接し、かつキー溝12の第1側壁12aと第2側壁12bとの間の距離よりも小さい。第1側面35と第2側面36との間の最長距離の位置は、後端部32に隣接し、かつキー溝12の第1側壁12aと第2側壁12bとの間の距離よりも大きい。また、コンビネーションキー30が駆動軸91に結合される時、駆動軸91の中心軸Cからコンビネーションキー30の前端部21の頂面33までの距離は、軸孔11の中心軸Cからキー溝12の頂壁12cまでの距離よりも小さく、駆動軸91の中心軸C(すなわち、軸孔11の中心軸C)からコンビネーションキー30の後端部32の頂面33までの距離は、軸孔11の中心軸Cからキー溝12の頂壁12cまでの距離よりも大きい。
【0021】
モジュール式モータアセンブリ構造1を使用端の応用装置90に取り付ける時、まず、コンビネーションキー30の一部が応用装置90の駆動軸91における収容溝92に収容され、駆動軸91が軸孔11に合わせられ、コンビネーションキー30の前端部31がキー溝12に合わせられ、駆動軸91がコンビネーションキー30とともに軸孔11およびキー溝12内部に挿入される。コンビネーションキー30の前端部31がキー溝12内部に入ると、コンビネーションキー30の頂面33とキー溝12の頂壁12cとの間には、依然として隙間があるので、コンビネーションキー30を収容した駆動軸91を円滑に軸孔11およびキー溝12内に挿入することができる。そして、コンビネーションキー30がキー溝12内部に徐々に挿入されるとともに、コンビネーションキー30の頂面33がキー溝12の頂壁12cに当接し始まり、応力を受けて下方に押し付けられる。第2横溝38は、弾性緩衝機能を提供し、頂面33と頂壁12cとの接触を維持させる。コンビネーションキー30の第1側面35と第2側面36とのそれぞれが、第1側壁12aと第2側壁12bとに当接し、応力を受けて内部に押し付けられる。第1横溝37は、弾性緩衝機能を提供し、第1側面35と第1側壁12aとの接触、または第2側面36と第2側壁12bとの接触を維持させ、これによって、コンビネーションキー30を収容した駆動軸91が軸孔11およびキー溝12に挿入され、かつ緊密に噛み合われる。なお、コンビネーションキー30のサイズ、斜面角度、横溝の設置などは、実際の需要に応じて調整することができる。全体構造は、例えば対称的に設計することができるが、本発明はこれに限定されない。モジュール式モータアセンブリ構造1が使用端の応用装置90に適用される時、応用装置90の駆動軸91は、異なるコンビネーションキー20、30と組合せられ、いずれも案内組立の利便性を達成することができ、かつ応用装置90とモータ組立構造1との間にある回転力伝達剛性が得られ、弾性により寸法誤差の問題をなくすことができる。
【0022】
上述したように、本発明は、モジュール式モータアセンブリ構造を提供する。モータ本体に対する構造の変化が少なく、標準寸法のモータをモジュール化することができ、いわゆる、既存のモータおよび産業の需要に迅速対応できる。特殊な構造に設計されたコンビネーションキーは、組み立て構造および方法を簡単にし、そしてモジュール式モータアセンブリ構造および使用端の応用装置に対する高い回転力伝達剛性を得られる。また、特殊な構造に設計されたコンビネーションキーは、横溝および斜面角度を介して、弾性緩衝および寸法調整機能を提供することができ、組み立ておよび利便性を効率的に向上させる同時に、剛性連結、弾性により寸法誤差の解消およびゼロバックラッシュを維持することができるため、高精度および高レスボンスを得られる。これにより、本発明に係るモジュール式モータアセンブリ構造は、様々な回転部品(例えば、ねじ、プーリ、ギア、減速機など)に適している。
【0023】
本発明は、当業者による任意の変更、改良をすることができ、いずれも本願特許請求の範囲内であることを留意されたい。
【符号の説明】
【0024】
1:モジュール式モータアセンブリ構造
10:本体
11:軸孔
11a:開口
12:キー溝
12a:第1側壁
12b:第2側壁
12c:頂壁
13:第1接続部
14:第2接続部
20、30:コンビネーションキー
21、31:前端部
22、32:後端部
23、33:頂面
24、34:底面
25、35:第1側面
26、36:第2側面
27、37:第1横溝
28、38:第2横溝
90:応用装置
91:駆動軸
92:収容溝
A1:第1角度
A2:第2角度
A3:第3角度
A4:第4角度
A5:第5角度
A6:第6角度
C:中心軸

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18