(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】血管内撮像デバイス用の内側部材並びに関連のデバイス、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
A61B8/12
(21)【出願番号】P 2019522477
(86)(22)【出願日】2017-10-19
(86)【国際出願番号】 EP2017076657
(87)【国際公開番号】W WO2018077706
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-14
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ミナス マリテス
(72)【発明者】
【氏名】スティガル ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】サロハ プリンストン
(72)【発明者】
【氏名】ウォルスタッド デイビッド ケネス
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-520281(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0215942(US,A1)
【文献】特表平06-509453(JP,A)
【文献】米国特許第05456259(US,A)
【文献】特表2017-500932(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0157215(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0007962(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の血管内に挿入するためのサイズ及び形状にされ、遠位部及び近位部を有する可撓性伸長部材と、
前記遠位部に配置される生理学的センサアセンブリと、
を含み、
前記可撓性伸長部材の前記遠位部は、前記生理学的センサアセンブリに結合される遠位内側部材を含み、前記遠位内側部材は、前記遠位内側部材に沿って長手方向に延在する第1の溝を含み、
前記可撓性伸長部材内で長手方向に延在する補剛ワイヤ又は前記生理学的センサアセンブリに結合される電気ケーブルのうちの一方は、前記遠位内側部材の前記第1の溝内に配置される、血管内デバイス。
【請求項2】
前記遠位内側部材は、管状であり、前記第1の溝は、前記遠位内側部材の外面に沿って長手方向に延在する、請求項1に記載の血管内デバイス。
【請求項3】
前記遠位内側部材は、前記外面に沿って長手方向に延在する第2の溝を含み、前記補剛ワイヤ又は前記電気ケーブルのうちの他方が、前記遠位内側部材の前記第2の溝内に配置される、請求項2に記載の血管内デバイス。
【請求項4】
前記第1の溝及び前記第2の溝は、互いから円周方向に離間されている、請求項3に記載の血管内デバイス。
【請求項5】
前記遠位内側部材は、
第1の遠位端、
第1の近位端、
前記第1の遠位端にあり、前記生理学的センサアセンブリに結合される第1の内側部材部分、及び、
前記第1の内側部材部分に隣接する第2の内側部材部分、
を含む、請求項1に記載の血管内デバイス。
【請求項6】
前記第1の溝は、前記第2の内側部材部分の外面の長さに沿って長手方向に延在する、請求項5に記載の血管内デバイス。
【請求項7】
前記可撓性伸長部材は、
前記可撓性伸長部材の前記近位部に配置される近位外側部材、及び、
前記可撓性伸長部材の前記遠位部に配置される遠位外側部材、
を含み、
前記遠位外側部材は、前記近位外側部材に結合される第2の近位端、及び、前記生理学的センサアセンブリに結合される第2の遠位端を含み、
前記遠位内側部材は、前記遠位外側部材を通って長手方向に延在し、
前記補剛ワイヤは、前記近位外側部材に結合される、請求項5に記載の血管内デバイス。
【請求項8】
前記近位外側部材は、管状であり、前記補剛ワイヤは、
前記遠位内側部材の内面に取り付けられる第3の近位端、及び、
前記遠位内側部材の前記第1の溝内に配置される第3の遠位端、
を含む、請求項7に記載の血管内デバイス。
【請求項9】
前記遠位内側部材は、前記第2の内側部材部分に隣接する第3の内側部材部分を含み、前記第3の内側部材部分は、前記近位外側部材と前記遠位外側部材との結合接合部に配置されるガイドワイヤ出口ポートを画定する、請求項7に記載の血管内デバイス。
【請求項10】
前記生理学的センサアセンブリは、支持部材の周囲に円周方向に配置されるフレックス回路上に配置される血管内超音波(IVUS)トランスデューサのアレイを含み、前記第1の内側部材部分は、前記支持部材のルーメンを通って、前記支持部材を越えて遠位方向に延在する、請求項5に記載の血管内デバイス。
【請求項11】
前記遠位内側部材は、管状であり、前記第2の内側部材部分は、前記第1の内側部材部分よりも大きい外径を有する、請求項5に記載の血管内デバイス。
【請求項12】
前記遠位内側部材の前記第1の遠位端に結合される遠位先端部材を更に含む、請求項5に記載の血管内デバイス。
【請求項13】
第1の可撓性伸長部材に沿って長手方向に延在する第1の溝及び第2の溝を含む前記第1の可撓性伸長部材を取得するステップと、
第2の可撓性伸長部材に結合される補剛ワイヤを前記第1の溝内に配置するステップと、
生理学的センサアセンブリに結合される電気ケーブルを前記第2の溝内に配置するステップと、
前記第1の可撓性伸長部材を前記生理学的センサアセンブリに結合するステップと、
を含む、血管内デバイスを組み立てる方法。
【請求項14】
前記第1の可撓性伸長部材は、管状であり、前記第1の溝及び前記第2の溝は、前記第1の可撓性伸長部材の外面に沿って長手方向に延在する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記取得するステップは、前記第1の可撓性伸長部材の前記外面に前記第1の溝及び前記第2の溝を一体形成するように、前記第1の可撓性伸長部材をモールド成形するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記取得するステップは、前記第1の可撓性伸長部材の前記外面に前記第1の溝及び前記第2の溝を形成するように、前記第1の可撓性伸長部材のブランクから材料を除去するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の可撓性伸長部材は、
第1の遠位端、
第1の近位端、
前記第1の遠位端における第1の内側部材部分、及び、
前記第1の内側部材部分に隣接する第2の内側部材部分、
を含み、
前記方法は更に、
患者の血管内に挿入するためのサイズ及び形状にされた第3の可撓性伸長部材の第1のルーメン内に、前記第1の可撓性伸長部材を配置するステップを含み、
前記第3の可撓性伸長部材は、第2の遠位端及び第2の近位端を含み、
前記第1の可撓性伸長部材は、前記第1の内側部材部分が前記第3の可撓性伸長部材の前記第2の遠位端を越えて延在するように前記第3の可撓性伸長部材の長手方向軸に沿って配置され、
前記第1の可撓性伸長部材は、遠位内側部材であり、前記第2の可撓性伸長部材は、近位外側部材であり、前記第3の可撓性伸長部材は、遠位外側部材である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記生理学的センサアセンブリの第2のルーメンの内径に基づいて、前記第1の内側部材部分の外径を縮小するステップ
を更に含み、
前記第1の可撓性伸長部材を前記生理学的センサアセンブリに結合するステップは、前記第1の内側部材部分が前記生理学的センサアセンブリの前記第2のルーメンを通って、前記生理学的センサアセンブリを超えて遠位方向に延在するように、前記第1の可撓性伸長部材を前記生理学的センサアセンブリ内に配置すること
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の可撓性伸長部材を前記生理学的センサアセンブリに結合した後に、遠位先端部材を前記第1の可撓性伸長部材の前記第1の遠位端に結合するステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の可撓性伸長部材は更に、前記第2の内側部材部分に隣接する第3の内側部材部分を含み、
前記方法は更に、
前記第2の可撓性伸長部材を前記第3の可撓性伸長部材の前記第2の近位端に結合するステップと、
前記第3の内側部材部分がガイドワイヤ出口ポートと連通するように、前記結合中に、前記第2の可撓性伸長部材と前記第3の可撓性伸長部材との結合接合部に、前記ガイドワイヤ出口ポートを形成するステップと、
を含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、概して血管内超音波(IVUS)撮像に関し、特に血管内撮像デバイスの構造に関する。例えば遠位部における構造は、撮像アセンブリに結合される遠位内側部材を含む。遠位内側部材は、血管内撮像デバイスが患者の体の血管内で容易に動かされかつ操作されることを可能にするように構成される。
【背景技術】
【0002】
[0002] 血管内超音波(IVUS)撮像は、治療の必要性を判断し、介入を誘導し、及び/又は、その有効性を評価するために、人体内の動脈といった罹患血管を評価する診断手段として、介入心臓学において広く使用されている。1つ以上の超音波トランスデューサを含むIVUSデバイスが血管内を通され、撮像されるべき領域に誘導される。トランスデューサは、関心血管の画像を作成するために、超音波エネルギーを放出する。超音波は、組織構造(血管壁の様々な層等)、赤血球及びその他の関心特徴から生じる不連続性によって部分的に反射される。反射波からのエコーは、トランスデューサによって受信され、IVUS撮像システムに送られる。撮像システムは、受信した超音波エコーを処理して、デバイスが置かれている血管の断面画像を生成する。
【0003】
[0003] 今日、一般的に使用されているIVUSカテーテルには、2つのタイプ、即ち、回転式カテーテル及び固体カテーテルがある。典型的な回転式IVUSカテーテルでは、単一の超音波トランスデューサ素子が、関心血管に挿入されたプラスチックシース内で回転する可撓性駆動シャフトの先端に置かれる。トランスデューサ素子は、超音波ビームが、デバイスの軸にほぼ垂直に伝搬するように向けられている。流体で満たされたシースは、超音波信号がトランスデューサから組織内へ及びその逆方向に伝搬することを可能にしながら、血管組織を回転するトランスデューサ及び駆動シャフトから保護する。駆動シャフトが回転すると、トランスデューサは、高電圧パルスで周期的に励起され、超音波の短いバーストを放出する。次に、同じトランスデューサが、様々な組織構造から反射して戻るエコーを聞く。IVUS撮像システムは、トランスデューサの一回転の間に生じる一連のパルス/取得サイクルから、血管断面の二次元表示を組み立てる。
【0004】
[0004] 固体IVUSカテーテルは、その周囲に分布した超音波トランスデューサのアレイを、トランスデューサアレイに隣接して取り付けられる1つ以上の集積回路コントローラチップと共に含む感知アセンブリ又はスキャナアセンブリを担持する。固体IVUSカテーテルは、フェーズドアレイIVUSトランスデューサとも呼ばれる。コントローラは、超音波パルスを送信するため及び超音波エコー信号を受信するために個々のトランスデューサ素子(又は素子群)を選択する。一連の送受信対をステップスルーすることによって、固体IVUSシステムは、可動部品なしで機械的にスキャンされた超音波トランスデューサの効果を合成することができる(したがって、固体と示される)。回転する機械的要素がないので、トランスデューサアレイは、血管の外傷の危険性を最小限に抑えて、血液及び血管組織と直接接触して配置することができる。更に、回転要素がないので、電気的インターフェースが単純化される。固体スキャナは、回転式IVUSデバイスに必要とされる複雑な回転式電気インターフェースではなく、単純な電気ケーブル及び標準的な取り外し可能な電気コネクタを用いて、撮像システムに直接配線することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005] 人体内の冠状解剖学的構造及び蛇行性血管領域に効率的にアクセスすることができる血管内撮像デバイスを製造することは難しい。例えば幾つかのフェーズドアレイIVUSトランスデューサは、ねじり強度及びトルク品質が低い。これは、医師が、血管内デバイスを、患者の血管内で容易に動かし、必要に応じて血管内撮像デバイスの位置及び/又は向きを調整することを妨げる。したがって、血管内撮像デバイスのねじり強度及びトルク品質を向上させる必要がある。血管内撮像デバイスの外形又は直径/サイズを縮小することによっても、デバイスが血管系をより効率的に横断することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006] 本開示の実施形態は、血管内画像、フローデータ、圧力データ等といった患者の体内の血管内の1つ以上のタイプの生理学的データを取得するための改良された血管内感知デバイスを提供する。複数の可撓性の管状構成要素を互いに接合してデバイスを形成することができる。例えば血管内感知デバイスの遠位部は、生理学的センサに結合される遠位内側部材を含んでよい。遠位内側部材は、遠位部の長さに沿って延在する。遠位内側部材は、長さの少なくとも一部に沿って延在する1つ以上の表面溝を含む。表面溝は、補剛ワイヤが一方の表面溝に固定される又は収まり、電気ケーブルが他方の表面溝に固定される又は収まることを可能にするようなサイズ及び形状にされる。補剛ワイヤは、医師が血管内感知デバイスを動かして回転させて、デバイスを患者の血管を通して操縦する際の血管内デバイスの応答性を向上させる。補剛ワイヤ及び電気ケーブルを表面溝に収めることによって、患者の血管をより効率的に進むことができる薄型又は小型の血管内感知デバイスが可能になる。
【0007】
[0007] 一実施形態では、血管内撮像デバイスが提供される。血管内デバイスは、患者の血管内に挿入するためのサイズ及び形状にされ、遠位部及び近位部を有する可撓性伸長部材と、遠位部に配置される生理学的センサアセンブリとを含む。可撓性伸長部材の遠位部は、生理学的センサアセンブリに結合される遠位内側部材を含む。遠位内側部材は、遠位内側部材に沿って長手方向に延在する第1の溝を含む。可撓性伸長部材内で長手方向に延在する補剛ワイヤ又は生理学的センサアセンブリに結合される電気ケーブルのうちの一方が、遠位内側部材の第1の溝内に配置される。
【0008】
[0008] 幾つかの実施形態では、遠位内側部材は、管状である。第1の溝は、遠位内側部材の外面に沿って長手方向に延在し、及び/又は、遠位内側部材は、外面に沿って長手方向に延在する第2の溝を含む。補剛ワイヤ又は電気ケーブルのうちの他方が、遠位内側部材の第2の溝内に配置され、及び/又は、第1の溝及び第2の溝は、互いから円周方向に離間され、及び/又は、遠位内側部材は、第1の遠位端、第1の近位端、第1の遠位端にあり、生理学的センサアセンブリに結合される第1の内側部材部分、及び、第1の内側部材部分に隣接する第2の内側部材部分を含み、及び/又は、第1の溝は、第2の内側部材部分の外面の長さに沿って長手方向に延在し、及び/又は、可撓性伸長部材は、可撓性伸長部材の近位部に配置される近位外側部材、及び、可撓性伸長部材の遠位部に配置される遠位外側部材を含む。遠位外側部材は、近位外側部材に結合される第2の近位端、及び、生理学的センサアセンブリに結合される第2の遠位端を含む。遠位内側部材は、遠位外側部材を通って長手方向に延在する。補剛ワイヤは、近位外側部材に結合され、及び/又は、近位外側部材は、管状である。補剛ワイヤは、近位外側部材の内面に取り付けられる第3の近位端、及び、遠位内側部材の第1溝内に配置される第3の遠位端を含み、及び/又は、遠位内側部材は、第2の内側部材部分に隣接する第3の内側部材部分を含む。第3の内側部材部分は、近位外側部材と遠位外側部材との結合接合部に配置されるガイドワイヤ出口を画定し、及び/又は、生理学的センサアセンブリは、支持部材の周りに円周方向に配置されるフレックス回路上に配置された血管内超音波(IVUS)トランスデューサのアレイを含む。第1の内側部材部分は、支持部材のルーメンを通って、支持部材を越えて遠位方向に延在し、及び/又は、遠位内側部材は、管状である。第2の内側部材部分は、第1の内側部材部分よりも大きい外径を有し、及び/又は、遠位内側部材の第1の遠位端に結合される遠位先端部材を更に含む。
【0009】
[0009] 一実施形態では、血管内デバイスを組み立てる方法が提供される。本方法は、第1の可撓性伸長部材に沿って長手方向に延在する第1の溝及び第2の溝を含む第1の可撓性伸長部材を取得するステップと、第2の可撓性伸長部材に結合される補剛ワイヤを第1の溝内に配置するステップと、生理学的センサアセンブリに結合される電気ケーブルを第2の溝内に配置するステップとを含む。
【0010】
[0010] 幾つかの実施形態では、第1の可撓性伸長部材は、管状である。第1の溝及び第2の溝は、第1の可撓性伸長部材の外面に沿って長手方向に延在し、及び/又は、上記取得するステップは、第1の可撓性伸長部材の外面に第1の溝及び第2の溝を一体形成するように、第1の可撓性伸長部材をモールド成形するステップを含み、及び/又は、上記取得するステップは、第1の可撓性伸長部材の外面に第1の溝及び第2の溝を形成するように、第1の可撓性伸長部材のブランクから材料を除去するステップを含み、及び/又は、第1の可撓性伸長部材は、第1の遠位端、第1の近位端、第1の遠位端にある第1の内側部材部分、及び、第1の内側部材部分に隣接する第2の内側部材部分を含む。本方法は更に、患者の血管内に挿入するためのサイズ及び形状にされた第3の可撓性伸長部材の第1のルーメン内に、第1の可撓性伸長部材を配置するステップを含む。第3の可撓性伸長部材は、第2の遠位端及び第2の近位端を含む。第1の可撓性伸長部材は、第1の内側部材部分が第3の可撓性伸長部材の第2の遠位端を越えて延在するように、第3の可撓性伸長部材の長手方向軸に沿って配置される。第1の可撓性伸長部材は、遠位内側部材であり、第2の可撓性伸長部材は、近位外側部材であり、第3の可撓性伸長部材は、遠位外側部材であり、及び/又は、本方法は更に、生理学的センサアセンブリの第2のルーメンの内径に基づいて、第1の可撓性伸長部材の外径を縮小するステップと、第1の内側部材部分が生理学的センサアセンブリの第2のルーメンを通って、生理学的センサアセンブリを越えて遠位方向に延在するように、第1の可撓性伸長部材を生理学的センサアセンブリ内に配置することによって、第1の可撓性伸長部材を生理学的センサアセンブリに結合するステップとを含み、及び/又は、本方法は更に、第1の可撓性伸長部材を生理学的センサアセンブリに結合した後に、遠位先端部材を第1の可撓性伸長部材の第1の遠位端に結合するステップを含み、及び/又は、第1の可撓性伸長部材は更に、第2の内側部材部分に隣接する第3の内側部材部分を含む。本方法は更に、第2の可撓性伸長部材を第3の可撓性伸長部材の第2の近位端に結合するステップと、第3の内側部材部分がガイドワイヤ出口ポートと連通するように、結合中に、第2の可撓性伸長部材と第3の可撓性伸長部材との結合接合部にガイドワイヤ出口ポートを形成するステップとを含む。
【0011】
[0011] 本開示の更なる態様、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
[0012] 本開示の例示的な実施形態は、添付図面を参照して説明される。
【0013】
【
図1】[0013]
図1は、本開示の態様による生理学的感知システムの概略図である。
【
図2】[0014]
図2は、本開示の態様による平坦構成にある生理学的センサアセンブリの一部の概略上面図である。
【
図3】[0015]
図3は、本開示の態様による支持部材の周りに巻かれた構成にあるフレックス回路を含む生理学的センサアセンブリの概略側面図である。
【
図4】[0016]
図4は、本開示の態様による血管内デバイスの概略断面側面図である。
【
図5】[0017]
図5は、本開示の態様による遠位内側部材の概略斜視図である。
【
図6】[0018]
図6は、本開示の態様による遠位内側部材の概略断面図である。
【
図7】[0019]
図7は、本開示の態様による遠位内側部材の概略斜視図であって、その少なくとも一部は、生理学的センサアセンブリの内径に収まるようにサイズ及び形状が決められている。
【
図8】[0020]
図8は、本開示の態様による遠位外側部材内に配置される遠位内側部材の概略斜視図である。
【
図9】[0021]
図9は、本開示の態様による遠位外側部材内に配置される遠位内側部材の概略斜視図である。
【
図10】[0022]
図10は、本開示の態様による生理学的センサアセンブリに接合される遠位内側部材の概略斜視図である。
【
図11】[0023]
図11は、本開示の態様による遠位内側部材の溝内に配置される生理学的センサアセンブリの電気ケーブルの概略斜視図である。
【
図12】[0024]
図12は、本開示の態様による遠位内側部材の溝内に整列のために配置される補剛ワイヤの概略斜視図である。
【
図13A】[0025]
図13Aは、本開示の態様による遠位外側部材と共に組み立てられた近位外側部材の概略斜視図である。
【
図13B】[0026]
図13Bは、本開示の態様による適切な位置に結合される遠位外側部材、遠位内側部材、電気ワイヤ及び補剛ワイヤの概略断面図である。
【
図14】[0027]
図14は、本開示の態様による遠位内側部材に接合される遠位先端部材の概略斜視図である。
【
図15】[0028]
図15は、本開示の態様による血管内感知デバイスを組み立てる方法のフロー図である。
【
図16】[0029]
図16は、本開示の態様による血管内感知デバイスを組み立てる方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0030] 本開示の原理の理解を促進するために、ここで、図面に示される実施形態を参照し、特定の用語を用いてそれを説明する。しかし、当然ながら、本開示の範囲に対する限定は意図されていない。説明されるデバイス、システム及び方法に対する任意の変更及び更なる修正、並びに、本開示の原理の任意の更なる応用は、本開示が関連する分野の当業者に通常想起されるように、十分に検討され本開示内に含まれる。特に、一実施形態に関して説明される特徴、構成要素及び/又はステップは、本開示の他の実施形態に関して説明される特徴、構成要素及び/又はステップと組み合わせることができると十分に考えられる。しかし、簡潔さのために、これらの組み合わせの多数の反復は、個別には説明しない。
【0015】
[0031] 血管内デバイスのサイズ及びトルク品質は、カテーテル挿入処置用の血管内デバイスの送達性に影響を及ぼす。例えば薄型、即ち、小型の血管内デバイスは、小径血管及び/又は蛇行性解剖学的構造を有する血管といった制限された血管領域へのアクセスを可能にする。高いトルク品質は、回転能力、ナビゲーション能力及び/又は方向性能力を向上させる。本明細書には、改良された血管内デバイスを提供するための様々な実施形態が開示される。開示される血管内デバイスは、血管内デバイスを通じて延在するケーブル及び/又はワイヤを収めるための表面溝を含む遠位内側部材を含む。遠位内側部材は、血管内デバイスの遠位部に配置される。血管内デバイスの遠位部は、患者の体内の奥に配置される。表面溝内にケーブル及び/又はワイヤを収めることによって、血管内デバイス内の空間が最大限に活用され、したがって、より小型又はより薄型の血管内デバイスが可能になる。開示される血管内デバイスは更に、表面溝の1つに補剛ワイヤを収め、遠位内側部材を血管内デバイスの最遠位先端まで延在させて、トルク性能を向上させることを含む。例えば患者の体内の血管内デバイスの遠位部は、医師によって、対応する動きが患者の体外のデバイスの近位部に加えられたときに、反応する、即ち、回転する、並進する及び/又はそうでなければよりよく動くことができる。開示される実施形態は、血管内超音波(IVUS)撮像デバイスのコンテキストにおいて説明されているが、任意のタイプの生理学的感知デバイスにおける使用に適している。
【0016】
[0032]
図1は、本開示の態様による生理学的検知システム100の概略図である。システム100は、カテーテル、ガイドワイヤ又はガイドカテーテルといった血管内デバイス102、患者インターフェースモジュール(PIM)104、コンソール及び/又はコンピュータといった処理システム106並びにモニタ108を含んでよい。
【0017】
[0033] 幾つかの実施形態では、血管内デバイス102は、IVUS撮像デバイスといった撮像デバイスである。血管内デバイス102は、血管内デバイス102の遠位端付近の遠位部131に取り付けられる生理学的センサアセンブリ110を含んでよい。血管内デバイス102がIVUSデバイスである場合、生理学的センサアセンブリ110は、IVUS撮像アセンブリといった撮像アセンブリである。高レベルでは、血管内デバイス102は、生理学的センサアセンブリ110に含まれるトランスデューサアレイから超音波エネルギーを放出する。超音波エネルギーは、生理学的センサアセンブリ110を囲む血管120といった媒体内の組織構造によって反射され、超音波エコー信号は、生理学的センサアセンブリ110内のトランスデューサアレイによって受信される。生理学的センサアセンブリ110は、トランスデューサアレイ用の構成で示されているが、生理学的センサアセンブリ110は、代替的に、同様の機能を達成する回転式トランスデューサを含むように構成されてもよい。PIM104は、受信したエコー信号を処理システム106に転送し、そこで超音波画像(フロー情報を含む)が再構成されて、モニタ108に表示される。処理システム106は、プロセッサ及びメモリを含んでよい。処理システム106は、本明細書において説明するシステム100の特徴を容易にするように動作可能である。例えばプロセッサは、非一時的有形コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータ可読命令を実行することができる。
【0018】
[0034] 他の実施形態では、血管内デバイス102は、スキャナアセンブリ、撮像アセンブリ、又は、圧力、流れ、温度、前方視IVUS(FL-IVUS)、血管内光音響(IVPA)撮像、部分冠血流予備量比(FFR)測定、機能的測定、冠血流予備量(CFR)測定、光コヒーレンス断層撮影(OCT)、コンピュータ断層撮影、心腔内心エコー検査(ICE)、前方視ICE(FLICE)、血管内パルポグラフィ、経食道超音波に関連する生理学的データ及び/又は他の適切なタイプの生理学的データを取得するように構成された任意の適切なタイプの生理学的感知アセンブリを含んでよい。
【0019】
[0035] PIM104は、処理システム106と、血管内デバイス102に含まれる生理学的センサアセンブリ110との間の信号通信を容易にする。この通信は、(1)送受信に使用される特定のトランスデューサアレイ素子を選択するために、生理学的センサアセンブリ110に含まれる、
図2に示す集積回路コントローラチップ206A、206Bにコマンドを提供するステップ、(2)選択されたトランスデューサアレイ素子を励起するための電気パルスを発生させるように、送信回路を起動させるように、生理学的センサアセンブリ110に含まれる集積回路コントローラチップ206A、206Bに送信トリガ信号を提供するステップ、及び/又は、(3)生理学的センサアセンブリ110の集積回路コントローラチップ206に含まれる増幅器を介して、選択されたトランスデューサアレイ素子から受信される増幅エコー信号を受け取るステップを含む。幾つかの実施形態では、PIM104は、データを処理システム106に中継する前に、エコーデータの予備処理を行う。当該実施形態の実施例では、PIM104は、データの増幅、フィルタリング及び/又は集約を行う。一実施形態では、PIM104はまた、生理学的センサアセンブリ110内の回路を含むデバイス102の動作をサポートするために、高電圧及び低電圧の直流(DC)電力を供給する。
【0020】
[0036] 処理システム106は、PIM104を介して生理学的センサアセンブリ110からエコーデータを受信し、そのデータを処理して、生理学的センサアセンブリ110を囲む媒体内の組織構造の画像を再構成する。処理システム106は、血管120の断面画像といった血管の画像がモニタ108に表示されるように画像データを出力する。血管120は、天然及び人工の両方の流体で満たされた又は囲まれた構造を表してよい。血管120は、患者の体内にあってよい。血管120は、心臓血管系、末梢血管系、神経血管系、腎臓血管系及び/又は体内の任意の他の適切な管腔を含む患者の血管系の動脈又は静脈といった血管であってよい。例えば血管内デバイス102は、肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺を含む臓器や、管や、腸や、脳、硬膜嚢、脊髄及び末梢神経を含む神経系構造や、尿路だけでなく、血液内の弁、心腔又は心臓の他の部分、及び/又は、身体の他の器官を含むがこれらに限定されない任意の数の解剖学的位置及び組織型を検査するために使用される。血管内デバイス102は、天然の構造に加えて、次に限定しないが、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ及び他のデバイスといった人工構造を検査するために使用されてもよい。
【0021】
[0037] 幾つかの実施形態では、血管内デバイス102は、ボルケーノ社から入手可能なEagleEye(登録商標)カテーテル及び参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,846,101号に開示されるカテーテルといった従来の固体IVUSカテーテルと同様の特徴を幾つか含む。例えば血管内デバイス102は、血管内デバイス102の遠位端付近の生理学的センサアセンブリ110と、血管内デバイス102の長手方向本体に沿って延在する電気ケーブル112とを含む。ケーブル112は、1本、2本、3本、4本、5本、6本、7本又はそれ以上の導体218(
図2)を含む複数の導体を含む伝送線束である。当然ながら、導体218には、任意の適切なゲージワイヤを使用してよい。一実施形態では、ケーブル112は、例えば41アメリカンワイヤゲージ(AWG)ワイヤを有する4導体伝送線構成を含む。一実施形態では、ケーブル112は、例えば44AWGワイヤを利用する7導体伝送線構成を含む。幾つかの実施形態では、43AWGワイヤを使用してもよい。
【0022】
[0038] ケーブル112は、血管内デバイス102の近位端のPIMコネクタ114内で終端する。PIMコネクタ114は、ケーブル112をPIM104に電気的に結合し、血管内デバイス102をPIM104に物理的に結合する。一実施形態では、血管内デバイス102は更に、遠位部131が近位部132に結合される接合部130付近に配置されたガイドワイヤ出口ポート116を含む。したがって、場合によっては、IVUSデバイスは、迅速交換式カテーテルである。ガイドワイヤ出口ポート116は、血管120内で血管内デバイス102を通すために、ガイドワイヤ118を遠位端に向かって挿入することを可能にする。
【0023】
[0039]
図2は、本開示の態様による生理学的センサアセンブリ110の一部の概略上面図である。生理学的センサアセンブリ110は、トランスデューサ領域204に形成されたトランスデューサアレイ124と、制御領域208に形成されたトランスデューサ制御論理ダイ206(ダイ206A及び206Bを含む)とを含み、これらの間に遷移領域210が配置される。トランスデューサアレイ124は、IVUSトランスデューサ212のアレイを含む。トランスデューサ制御論理ダイ206及びトランスデューサ212は、
図2では平坦構成で示すフレックス回路214に取り付けられる。
図2に示す生理学的センサアセンブリ110は、IVUS撮像アセンブリであるが、当然ながら、生理学的センサアセンブリ110は、任意のタイプの生理学的データを取得するように構成されてよい。
図3は、フレックス回路214の巻かれた構成を示す。トランスデューサアレイ124は、医用センサ素子及び/又は医用センサ素子アレイの非限定的な例である。トランスデューサ制御論理ダイ206は、制御回路の非限定的な例である。トランスデューサ領域204は、フレックス回路214の遠位部228に隣接して配置される。制御領域208は、フレックス回路214の近位部222に隣接して配置される。遷移領域210は、制御領域208とトランスデューサ領域204との間に配置される。トランスデューサ領域204、制御領域208及び遷移領域210の寸法(例えば長さ225、227、229)は、様々な実施形態において異なっていてよい。幾つかの実施形態では、長さ225、227、229は実質的に同様であるか、又は、遷移領域210の長さ227が、トランスデューサ領域及びコントローラ領域の長さ225、229よりそれぞれ大きくてもよい。生理学的センサアセンブリ110は、フレックス回路を含むものとして説明されているが、当然ながら、トランスデューサ及び/又はコントローラは、フレックス回路を省略したものを含む他の構成で生理学的センサアセンブリ110を形成するように配置されてもよい。
【0024】
[0040] トランスデューサアレイ124は、任意の数及びタイプの超音波トランスデューサ212を含んでよいが、明確にするために、
図2には、有限数の超音波トランスデューサのみを示す。一実施形態では、トランスデューサアレイ124は、64個の個々の超音波トランスデューサ212を含む。更なる実施形態では、トランスデューサアレイ124は、32個の超音波トランスデューサ212を含む。他の数も想到され提供され得る。トランスデューサのタイプに関して、一実施形態では、超音波トランスデューサ212は、例えば参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,641,540号に開示されているように、ポリマー圧電材料を使用して微小電気機械システム(MEMS)基板上に作製される圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(PMUT)である。代替実施形態では、トランスデューサアレイは、バルクPZTトランスデューサ、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(cMUT)、単結晶圧電材料、他の適切な超音波送信器及び受信器、並びに/又は、これらの組み合わせといった圧電ジルコネートトランスデューサ(PZT)トランスデューサを含む。
【0025】
[0041] 生理学的センサアセンブリ110は、図示する実施形態では、個別の制御論理ダイ206に分割されている様々なトランスデューサ制御論理回路を含む。様々な実施例では、生理学的センサアセンブリ110の制御論理回路は、ケーブル112を介してPIM104によって送信された制御信号を復号化し、超音波信号を放出するように1つ以上のトランスデューサ212を駆動し、超音波信号の反射エコーを受信するように1つ以上のトランスデューサ212を選択し、受信したエコーを表す信号を増幅し、及び/又は、ケーブル112を介して信号をPIMに送信する。図示する実施形態では、64個の超音波トランスデューサ212を有する生理学的センサアセンブリ110は、制御論理回路を、9個の制御論理ダイ206に分割し、そのうちの5個を
図2に示す。他の実施形態では、8、9、16、17個以上を含む他の数の制御論理ダイ206を組み込んだ設計が利用される。一般に、制御論理ダイ206は、それらが駆動することができるトランスデューサの数によって特徴付けられ、例示的な制御論理ダイ206は、4、8及び/又は16個のトランスデューサを駆動する。
【0026】
[0042] 制御論理ダイは必ずしも同種である必要はない。幾つかの実施形態では、単一のコントローラがマスタ制御論理ダイ206Aとされ、ケーブル112用の通信インターフェースを含む。したがって、マスタ制御回路は、ケーブル112を介して受信した制御信号を復号化し、ケーブル112を介して制御応答を送信し、エコー信号を増幅し、及び/又は、ケーブル112を介してエコー信号を送信する制御論理回路を含んでよい。残りのコントローラは、スレーブコントローラ206Bである。スレーブコントローラ206Bは、超音波信号を放出するようにトランスデューサ212を駆動し、エコーを受信するようにトランスデューサ212を選択する制御論理回路を含んでよい。図示する実施形態では、マスタコントローラ206Aは、トランスデューサ212を直接制御しない。他の実施形態では、マスタコントローラ206Aは、スレーブコントローラ206Bと同数のトランスデューサ212を駆動するか、又は、スレーブコントローラ206Bに比べて少ないセットのトランスデューサ212を駆動する。例示的な実施形態では、単一のマスタコントローラ206A及び8個のスレーブコントローラ206Bが設けられ、各スレーブコントローラ206Bに、8個のトランスデューサが割り当てられている。
【0027】
[0043] トランスデューサ制御論理ダイ206及びトランスデューサ212がその上に取り付けられているフレックス回路214は、構造的支持及び電気的結合のための相互接続を提供する。フレックス回路214は、KAPTON(商標)(デュポン社の商標)といった可撓性ポリイミド材料のフィルム層を含むように構成することができる。他の適切な材料としては、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム又はポリエーテルイミドフィルム、他の可撓性プリント半導体基板、並びに、Upilex(登録商標)(宇部興産株式会社の登録商標)及びTEFLON(登録商標)(イー.アイ.デュポン社の登録商標)といった製品が挙げられる。
図2に示す平坦構成では、フレックス回路214はほぼ長方形である。本明細書において示し且つ説明するように、フレックス回路214は、場合によっては、円筒形トロイドを形成するように、支持部材230(
図3)の周りに巻き付けられるように構成される。したがって、フレックス回路214のフィルム層の厚さは、通常、最終的に組み立てられた生理学的センサアセンブリ110における曲率の程度に関係する。幾つかの実施形態では、フィルム層は、5μm
から100μmであり、幾つかの特定の実施形態では、12.7μm
から25.1μmである。
【0028】
[0044] 一実施形態では、制御論理ダイ206とトランスデューサ212とを電気的に相互接続するために、フレックス回路214は更に、フィルム層上に形成され、制御論理ダイ206とトランスデューサ212との間で信号を搬送する導電性トレース216を含む。具体的には、制御論理ダイ206とトランスデューサ212との間の通信を提供する導電性トレース216は、遷移領域210内でフレックス回路214に沿って延在する。場合によっては、導電性トレース216はまた、マスタコントローラ206Aとスレーブコントローラ206Bとの間の電気通信を容易にすることができる。導電性トレース216はまた、ケーブル112の導体218がフレックス回路214に機械的及び電気的に結合されたときに、ケーブル112の導体218に接触する一組の導電性パッドを提供することができる。導電性トレース216に適した材料には、銅、金、アルミニウム、銀、タンタル、ニッケル及び錫が含まれ、スパッタリング、メッキ及びエッチングといったプロセスによってフレックス回路214上に堆積させることができる。一実施形態では、フレックス回路214は、クロム接着層を含む。導電性トレース216の幅及び厚さは、フレックス回路214が丸められたときに、適切な導電性及び弾力性を提供するように選択される。この点に関して、導電性トレース216及び/又は導電性パッドの厚さの例示的な範囲は、10から50μmである。例えば一実施形態では、20μmの導電性トレース216が、20μmの間隔で隔てられる。フレックス回路214上の導電性トレース216の幅は、トレース/パッドに結合される導体218の幅によって更に決定されてよい。
【0029】
[0045] フレックス回路214は、幾つかの実施形態では、導体インターフェース220を含んでよい。導体インターフェース220は、ケーブル112の導体218が、フレックス回路214に結合されるフレックス回路214の場所であってよい。例えばケーブル112の裸導体が、導体インターフェース220において、フレックス回路214に電気的に結合される。導体インターフェース220は、フレックス回路214の本体から延在するタブであってよい。この点で、フレックス回路214の本体は、トランスデューサ領域204、コントローラ領域208及び遷移領域210をまとめて指すことができる。図示する実施形態では、導体インターフェース220は、フレックス回路214の近位部222から延在する。他の実施形態では、導体インターフェース220は、遠位部228といったフレックス回路214の他の部分に配置されても、又は、フレックス回路214は、導体インターフェース220を省略してもよい。幅224といったタブ又は導体インターフェース220の寸法の値は、幅226といったフレックス回路214の本体の寸法の値よりも小さくてよい。幾つかの実施形態では、導体インターフェース220を形成する基板は、フレックス回路214と同じ材料で作られ、及び/又は、フレックス回路214と同様に可撓性である。他の実施形態では、導体インターフェース220は、フレックス回路214とは異なる材料で作られ、及び/又は、フレックス回路214よりも比較的剛性が高い。例えば導体インターフェース220は、ポリオキシメチレン(例えばDELRIN(登録商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン及び/又は他の適切な材料を含むプラスチック、熱可塑性物質、ポリマー、硬質ポリマー等で作ることができる。本明細書において更に詳細に説明するように、支持部材230、フレックス回路214、導体インターフェース220及び/又は導体218は、生理学的センサアセンブリ110の効率的な製造及び動作を容易にするために様々に構成することができる。
【0030】
[0046] 場合によっては、生理学的センサアセンブリ110は、平坦構成(
図2)から、巻かれた構成、即ち、より円筒形の構成(
図3及び
図4)に移行する。例えば幾つかの実施形態では、「ULTRASONIC TRANSDUCER ARRAY AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME」なる名称の米国特許第6,776,763号及び「HIGH RESOLUTION INTRAVASCULAR ULTRASOUND SENSING ASSEMBLY HAVING A FLEXIBLE SUBSTRATE」なる名称の米国特許第7,226,417号の何れか又は両方に開示されている技術が利用される。これらの特許それぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0031】
[0047]
図3及び
図4に示すように、フレックス回路214は、丸められた構成で支持部材230の周りに配置される。
図3は、本開示の態様によるフレックス回路214が支持部材230の周りに巻かれた構成にある概略側面図である。
図4は、本開示の態様による血管内デバイス102の概略断面側面図である。
図3及び
図4は、IVUSデバイスのコンテキストで血管内デバイス102を示すが、血管内デバイス102及び/又は生理学的センサアセンブリ110は、様々な異なるタイプの血管内データを取得することができる。
【0032】
[0048] 場合によっては、支持部材230は、ユニボディとも呼ばれる。支持部材230は、2014年4月28日に出願され、「Pre-doped Solid Substrate for Intravascular Devices」なる名称の米国仮特許出願第61/985,220号(第’220号出願)に説明されているように、ステンレス鋼といった金属材料、又は、プラスチック若しくはポリマーといった非金属材料から構成することができる。当該出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。支持部材230は、遠位部262及び近位部264を有するフェルールであってよい。支持部材230は、遠位部262及び近位部264を有するフェルールであってよい。支持部材230は、管状で、その中を長手方向に延在するルーメン236を画定する。ルーメン236は、遠位内側部材256(
図4)を受容するようなサイズ及び形状にされてよい。支持部材230は、任意の適切なプロセスに従って製造されてよい。例えば支持部材230は、ブランクから材料を除去して支持部材230を成形すること等によって機械加工されても、射出成形プロセス等によってモールド成形されてもよい。支持部材230が、単一構造として一体形成される実施形態もあれば、支持部材230が、互いに固定的に結合されるフェルール及びスタンド242、244といった様々な構成要素で形成される実施形態もある。
【0033】
[0049] 幾つかの実施形態では、垂直に延在するスタンド242、244が、支持部材230の遠位部262及び近位部264にそれぞれ設けられる。例えばスタンド242、244は、フレックス回路214の遠位部及び近位部を持ち上げて支持する。この点に関して、トランスデューサ領域204といったフレックス回路214の部分は、スタンド242、244の間に延在する支持部材230の中央本体部分から離間される。音響性能を向上させるために、フレックス回路214と支持部材230の表面との間の任意の空洞は、バッキング材246で充填される。液体バッキング材料246を、スタンド242、244内の通路235を介して、フレックス回路214と支持部材230との間に導入することができる。
【0034】
[0050]
図4に示すように、血管内デバイス102は、遠位部131及び近位部132を含む。遠位部131は、遠位シャフトと呼ぶことができる。近位部132は、近位シャフトと呼ぶことができる。遠位シャフト及び近位シャフトは一緒に、血管内デバイス102の可撓性の伸長部材を形成する。場合によっては、近位部132は、中間シャフト及び近位シャフトを含んでよい。遠位シャフトは、遠位外側部材254及び遠位内側部材256を含んでよい。近位シャフトは、近位外側部材258を含んでよい。例えば遠位外側部材254、遠位内側部材256及び近位外側部材258は、可撓性の伸長部材で、管状であってよい。遠位外側部材254は、遠位端271及び近位端272を含む。近位外側部材258は、遠位端281及びPIMコネクタ114に接続することができる近位端(図示せず)を含む。遠位外側部材254の近位端272は、結合接合部130において近位外側部材258の遠位端281と当接して接触する。遠位外側部材254の遠位端271は、生理学的センサアセンブリ110に結合される。例えば遠位端271は、フレックス回路214に当接して接触することができる。
【0035】
[0051] 遠位内側部材256は、遠位端291及び近位端292を含む。遠位内側部材256は、遠位外側部材254を通って長手方向に延在し、生理学的センサアセンブリ110に結合する。例えば遠位内側部材256は、支持部材230に結合することができる。例えば遠位内側部材256は、遠位内側部材256の遠位端291が支持部材230から突出するように、支持部材230のルーメン236を通ってルーメン236を越えて長手方向に延在する。遠位内側部材256は、その中を通って長手方向に延在するルーメン238を画定することができる。遠位内側部材256は、支持部材230及び/又は遠位先端部材252に結合することができる。幾つかの実施形態では、遠位内側部材256は、遠位内側部材256のルーメン238が出口ポート116と連通するように出口ポート116に向かって延在する部分293を含んでよい。このような実施形態では、遠位内側部材256のルーメン238は、ガイドワイヤ118(
図1)を受容するようにサイズ及び形状が決められる。
【0036】
[0052] 遠位外側部材254、遠位内側部材256及び近位外側部材258は、プラスチック、ポリマー、金属、他の適切な材料及び/又はこれらの組み合わせといった材料で構成することができる。本明細書において説明するように、遠位外側部材254、遠位内側部材256及び近位外側部材258の寸法は、様々なる実施形態において異なっていてよい。
【0037】
[0053] 遠位先端部材252は、遠位内側部材256の遠位端291及び支持部材230の遠位部262に結合される。遠位先端部材252は、血管内デバイス102の最遠位部を画定する可撓性構成要素であってよい。遠位先端部材252は、フレックス回路214、スタンド242、支持部材230及び/又は遠位内側部材256に結合することができる。遠位先端部材252は、フレックス回路214及びスタンド242に当接して接触することができる。遠位先端部材252は、血管内デバイス102の最遠位構成要素であってよい。
【0038】
[0054] 1つ以上の接着剤を血管内デバイス102の様々な構成要素間に配置することができる。例えばフレックス回路214、支持部材230、遠位先端部材252、遠位内側部材256、遠位外側部材254及び/又は近位外側部材258のうちの1つ以上を、接着剤を介して互いに結合することができる。
【0039】
[0055]
図5は、本開示の態様による遠位内側部材500の概略斜視図である。遠位内側部材500は、幾つかの点で遠位内側部材256と同様であり、血管内デバイス102によって、遠位外側部材254内の遠位内側部材256の代わりに使用することができる。遠位内側部材500は、遠位内側部材256と同様の材料で構成することができる。遠位内側部材500は、管状で、遠位端591及び近位端592を含む。幾つかの実施形態では、遠位内側部材500は、遠位外側部材254が約0.032インチ
から0.035インチの内径、及び/又は、他の適切な値を有するとき、約0.03インチ
から約0.033インチの外径521を有する。遠位内側部材500は、約0.017インチの内径522及び約30cmの長さ523、及び/又は、他の適切な値を有することができる。場合によっては、遠位内側部材500の長さ523は、遠位外側部材254の長さ275(
図8)より大きくてもよい。
【0040】
[0056] 遠位内側部材500の外面510には、溝511及び512が形成される。溝511及び512は、チャネルとも呼ばれる。溝511及び512は、遠位内側部材500の長手方向の長さに沿って延在する。溝511及び512は、近位端592から遠位端591まで全長にわたって延在するものとして示すが、溝511又は512は、遠位内側部材500に沿って任意の適切な長さに延在することができる。溝511及び512は、互いから円周方向に離間され、外面510上で任意の適切な距離だけ離されている。溝511及び512は、同じ寸法又は異なる寸法を有することができる。溝511及び512は、溝511及び512内のケーブル及び/又はワイヤの設置に適応するように形状及びサイズが決められる。以下で更に詳しく説明するように、例えば電気ケーブル112を溝511内に整列させて配置することができ、補剛ワイヤを溝512内に整列させて配置することができる。溝511又は512の長さは、補剛ワイヤの長さに基づくことができる。例えば溝511又は512は、補剛ワイヤの端部で終端することができる。幾つかの実施形態では、遠位内側部材500は、2つ、3つ、4つ、5つ、又は、任意の適切な数の溝511及び512と同様の溝を含むことができる。溝511及び512は、任意の適切な量だけ外面510から遠位内側部材500内に半径方向に延在することができる。例えば溝512の寸法515は、約0.012インチ及び/又は他の適切な値である。溝512の幅517は、約0.5ミリメートル(mm)から約0.75mm及び/又は他の適切な値であってよい。溝511及び512は、概して長円形又は楕円形として図示するが、当然ながら、溝は、円形、多角形等を含む任意の適切な形状を有してよい。
【0041】
[0057] 遠位内側部材500は、任意の適切なプロセスに従って製造することができる。例えば遠位内側部材500は、ブランクから材料を除去して遠位内側部材500を成形すること等によって機械加工されても、射出成形プロセス等によってモールド成形されてもよい。遠位内側部材500が、単一構造として、溝511及び512と一体形成される実施形態もあれば、遠位内側部材500が、外面510から材料を除去して溝511及び511を形成することによって形成される実施形態もある。幾つかの実施形態では、遠位内側部材500は、
図4に示すように、ガイドワイヤ出口ポート116に結合するように延在することができる。
【0042】
[0058]
図6は、本開示の態様による遠位内側部材500の
図5の線502に沿った概略断面図である。図示するように、溝511及び512は、遠位内側部材500の外面510又は側壁から凹み、リブ513によって分離されている。
【0043】
[0059]
図7から図13は、遠位内側部材500を含む血管内デバイス102を組み立てる方法700をまとめて示す。方法700は、方法1500及び1600と同様のメカニズムを使用する。
図7は、本開示の態様による生理学的センサアセンブリ110の内径に収まるようなサイズ及び形状の遠位内側部材500の概略斜視図である。例えば遠位内側部材500は、生理学的センサアセンブリ110の内径111よりも大きい外径521を有することができる。幾つかの実施形態では、生理学的センサアセンブリ110の内径111は、約0.55mm及び/又は他の適切な値であってよい。例えば方法700は、遠位端591において遠位内側部材500に熱を加えるステップ、遠位端591をダイに通すステップ、及び/又は、そうでなければ遠位端591をモールド成形して、遠位端591における遠位内側部材500の外径521を縮小するステップを含む。幾つかの実施形態では、方法700は、加熱前に、マンドレルを遠位内側部材500のルーメン538内に挿入するステップを含むことができる。ルーメン538内にマンドレルを配置することによって、加熱中、遠位内側部材500の全長に沿ってルーメン538の内径522が維持される。したがって、加熱によって、ルーメン538の内径522を維持しつつ、遠位内側部材500の側壁の厚さが減少される。遠位内側部材500の側壁の厚さが減少された後、マンドレルが取り外される。図示するように、遠位端591における遠位内側部材500の部分520は、遠位内側部材500の残りの部分525よりも小さい外径及び薄い側壁を有する。例えば部分520の外径は、生理学的センサアセンブリ110の内径111と実質的に同じである。幾つかの実施形態では、減少した部分520は、約2センチメートル(cm)
から約3cmの長さ524及び/又は適切な値を有することができる。幾つかの実施形態では、残りの部分525は、約25cm
から約30cmの長さ527を有することができる。場合によっては、減少した部分520は、溝511及び512を含む。他の例では、遠位端591を加熱してダイに通すことによって、部分520内の溝511及び512がなくなり、一方、部分525では溝511及び512は残る。
【0044】
[0060]
図8は、本開示の態様による、遠位外側部材254内に移動するように配置された遠位内側部材500の概略斜視図である。
図7に示すように、外径521を縮小して遠位内側部材500に部分520を形成した後、方法700は、遠位内側部材500を遠位外側部材254のルーメン255内に並進又は摺動させるステップを含む。例えば部分520は、遠位外側部材254の近位端272からルーメン255に入り、部分520が遠位外側部材254の遠位端271を越えて延在するまで進み続ける。幾つかの実施形態では、遠位外側部材254は、生理学的センサアセンブリ110内の撮像スキャナの直径が、約0.04インチ
から約0.0455インチ及び/又は他の適切な値であるとき、約0.091cm
から約0.109cmの外径273と、約0.032mm
から約0.035mmの内径274とを有することができる。遠位外側部材254は、約0.091cm
から約0.109cmの外径273と、約25cm
から約30cmの長さ275とを有することができる。遠位外側部材254の長さ275は、遠位内側部材256の長さ526と実質的に同じであってよい。
【0045】
[0061]
図9は、本開示の態様による、
図8に示す移動が完了した後に遠位外側部材254内に配置される遠位内側部材500の概略斜視図である。図示するように、遠位内側部材500の部分520は、遠位外側部材254の遠位端271を越えて遠位方向に延在し、遠位内側部材500の近位端292は、遠位外側部材254の近位端272付近で終端している。
【0046】
[0062]
図10は、本開示の態様による生理学的センサアセンブリ110に接合された遠位内側部材500の概略斜視図である。
図9に示すように、遠位内側部材500を遠位外側部材254内に配置後、方法700は、遠位内側部材500の部分520を、当該部分520が生理学的センサアセンブリ110を越えて遠位方向に延在するように、生理学的センサ110内に滑らせる、回転させる、方向付ける又は並進させる等によって移動させるステップを含む。更に、方法700は、例えば接着剤を使用して、遠位内側部材500を生理学的センサアセンブリ110に接合するステップを含む。生理学的センサアセンブリ110は、
図2に示すように、電気ケーブル112と共に予め組み立てられていてよい。場合によっては、電気ケーブル112は、遠位内側部材256及び遠位外側部材254が生理学的センサアセンブリ110に接合される前に、溝511又は512と整列される。例えば遠位内側部材256、遠位外側部材254、生理学的センサアセンブリ110及び/又は電気ケーブル112を互いに対して移動させて、溝511又は512内での電気ケーブル112の整列を容易にすることができる。接合後、電気ケーブル112は、遠位外側部材254の内側側壁257と遠位内側部材500の外側側壁530との間の空間に浮かんでいてよい。
【0047】
[0063]
図11は、本開示の態様による遠位内側部材500の溝512内に配置された生理学的センサアセンブリ110の電気ケーブル112の概略斜視図である。
図10に示すように、生理学的センサアセンブリ110を遠位内側部材500に接合した後、方法700は、電気ケーブル112を溝512内に整列させるステップを含む。場合によっては、遠位内側部材500及び/又は遠位外側部材254を回転させて、溝512の向きをケーブル112と整列するように変えることができる。場合によっては、センサアセンブリ110を回転させて、ケーブル112の向きを溝512と整列するように変えることができる。ケーブル112が溝512と整列した後、ケーブル112を溝512内に配置することができる。例えばケーブル112は、溝512内に圧入されても、及び/又は、接着剤を使用して溝512に接合されてもよい。幾つかの実施形態では、電気ケーブル112は、溝512ではなく、溝511内に配置されてもよい。電気ケーブル112を溝512内に配置することによって、遠位外側部材254の内側側壁257と遠位内側部材500の外側側壁530との間の空間を減少させることができ、したがって、より小さいサイズ又はより薄型の血管内デバイス102が可能となる。
【0048】
[0064]
図12は、本開示の態様による遠位内側部材500の溝511内に整列するように配置された補剛ワイヤ540の概略斜視図である。補剛ワイヤ540は、近位端542及び遠位端541を含む。補剛ワイヤ540は、遠位端541付近にテーパ部分を含むことができる。例えば補剛ワイヤ540は、近位端542において、約0.02mm
から約0.15mmの厚さを有することができ、当該厚さは、遠位端541において、約0.015mm
から約0.2mmの厚さにテーパされてよい。補剛ワイヤ540は、近位外側部材258と共に予め組み立てられてよい。例えば補剛ワイヤ540の近位端542は、図示するように、近位外側部材258の遠位端281付近で近位外側部材258の内側側壁又は内面に取り付けられてよい。或いは、補剛ワイヤ540は、近位外側部材258の全長にわたって延在してもよい。上述のように、幾つかの実施形態では、電気ケーブル112は、溝512ではなく、溝511内に配置することができる。このような実施形態では、補剛ワイヤ540を、溝511ではなく、溝512と整列させてよい。
【0049】
[0065]
図13Aは、本開示の態様による遠位外側部材254と共に組み立てられた近位外側部材258の概略斜視図である。補剛ワイヤ540を溝511内に配置して収めた後、方法700は、例えば接着剤を使用して、近位外側部材258を遠位外側部材254に結合するステップを含む。更に、結合中に、方法700は、近位外側部材258と遠位外側部材254との結合接合部130に、ガイドワイヤ出口ポート116を形成するステップを含む。幾つかの実施形態では、近位端592付近の遠位内側部材500の一部は、遠位内側部材500のルーメン538が、
図4に示すように、ガイドワイヤ出口ポート116と連通するように配置されて、ガイドワイヤ118の受容が可能にされる。
【0050】
[0066]
図13Aに示すように、補剛ワイヤ540及び電気ケーブル112は、遠位内側部材500の溝511及び512内にそれぞれ配置される。近位外側部材258の遠位端281付近に補剛ワイヤ540を含め、例えば約3cmだけ遠位外側部材254の少なくとも一部の中に補剛ワイヤ540を延在させることによって、血管内デバイス102のトルク性能を向上させることができる。トルク性能は、血管内デバイス102の回転能力、方向性能力、誘導能力及び/又はナビゲーション能力を指す。例えばトルク性能の高い血管内デバイスは、医師又はユーザが、患者体内の血管の様々な血管領域内で血管内デバイスを容易かつ正確に誘導し、操作することを可能にする。補剛ワイヤ540は、遠位外側部材254の遠位端271に達する前に終端するように示されているが、補剛ワイヤ540は、遠位端271から任意の距離において終端することができる。補剛ワイヤ540の長さは、補剛ワイヤ540の厚さ又は直径に依存する。例えば大径の補剛ワイヤは、小径の補剛ワイヤよりも長さが短くてよいので、遠位外側部材254は、カテーテル挿入処置中に操作するのに十分な可撓性を維持することができる。
【0051】
[0067]
図13Bは、本開示の態様による適切な位置に結合された遠位外側部材254、遠位内側部材256、電気ケーブル112及び補剛ワイヤ540の
図13の線1301に沿った概略断面図である。図示するように、電気ケーブル112及び補剛ワイヤ540は、それぞれ溝511及び512内に収められている。したがって、遠位外側部材254と遠位内側部材256との間の空間1310を効率的に利用することができる。したがって、遠位外側部材254の内径274を縮小することができる。例えば遠位外側部材254の内径274は、生理学的センサアセンブリ110内の撮像スキャナの直径が約0.04インチ
から約0.0455インチであるときに、遠位内側部材256の外径521よりも約0.081mm
から約0.089mm大きいものとすることができる。したがって、血管内デバイス102の外径273及び全体のサイズ又は外形もまた縮小することができる。例えば開示される実施形態は、約3フレンチ(Fr)
から約3.5Frの範囲の直径を有する薄型の固体血管内デバイスを提供することができる。一方、従来の固体血管内デバイスは、約3Fr
から約3.5Frの範囲の直径を有する。
【0052】
[0068]
図14は、本開示の態様による遠位内側部材500に接合された遠位先端部材252の概略斜視図である。近位外側部材258を遠位外側部材254に結合した後、方法700は、例えば接着剤を使用して、遠位先端部材252を遠位内側部材500の部分520に結合及び接合するステップを含む。遠位先端部材252はまた、センサアセンブリ110及び/又はセンサアセンブリ110の支持部材230(
図4)に結合されてもよい。例えば遠位先端部材252は、遠位内側部材500の部分520の突出部を囲むことができる。遠位内側部材500の遠位先端部材252への延長及び結合は、血管内デバイス102の回転又はトルク品質を向上させることができる。
【0053】
[0069] 以上のように、開示される実施形態は、幾つかの利点を提供する。例えばワイヤ及び/又はケーブルは、通常、外側部材と内側部材との間で血管内デバイスの長さに沿って延在する。電気ケーブル112及び補剛ワイヤ540といったケーブル及び/又はワイヤを、遠位内側部材256の溝511及び512内に収めることによって、
図13A及び
図13Bに示すように、遠位外側部材254と遠位内側部材256との間の空間1310を効率的に利用することができ、したがって、薄型の血管内デバイスが可能になる。更に、補剛ワイヤ540を接合部130付近に挿入し、遠位内側部材256を遠位先端部材252まで延在させることによって、血管内デバイスの回転能力、誘導能力及び/又は方向性能力が向上される。更に、血管内撮像デバイスの外形又は直径/サイズを縮小するとまた、デバイスが血管系をより効率的に横断することが可能になる。
【0054】
[0070]
図15は、本開示の態様による、本明細書において説明される遠位内側部材を含むIVUSデバイスを組み立てる方法1500のフロー図である。当然ながら、方法1500のステップは、
図15に示す順序とは異なる順序で行われてもよく、また、他の実施形態では、ステップの前、最中及び後に追加のステップが提供されても、及び/又は、説明されるステップの幾つかが置き換えられても若しくは除外されてもよい。方法1500のステップは、IVUSデバイスの製造業者によって行われてよい。方法1500は、方法700及び1600と同様のメカニズムを使用してよい。方法1500は、
図7から図14に関して説明したステップに対応してよい。
【0055】
[0071] ステップ1505において、方法1500は、第1の溝及び第2の溝を含む遠位内側部材を取得するステップを含む。遠位内側部材は、遠位内側部材500と同様であってよい。第1の溝及び第2の溝は、溝511及び溝512と同様であってよい。例えば遠位内側部材は、管状で、遠位端及び近位端を含み、第1の溝及び第2の溝は、遠位内側部材の外面に沿って長手方向に延在する。
【0056】
[0072] ステップ1510において、方法1500は、遠位内側部材の遠位端の外径を縮小するステップを含む。例えば方法1500は、遠位内側部材のルーメン内にマンドレルを配置するステップと、生理学的センサアセンブリのルーメンの内径に基づいて、外径を縮小するために熱を加えるステップとを含む。生理学的センサアセンブリは、生理学的センサアセンブリ110と同様であってよい。マンドレルは、加熱中、遠位内側部材の全長に沿って内径を維持することができる。加熱を完了した後、方法1500は、遠位内側部材からマンドレルを取り外すステップを含む。加熱後、遠位内側部材は、
図7に示すように、第1の内側部材部分に隣接する第2の内側部材部分よりも小さい外径を有する当該第1の内側部材部分を遠位端に含む。
【0057】
[0073] ステップ1515において、方法1500は、遠位内側部材を、遠位外側部材のルーメン内に配置するステップを含む。遠位外側部材は、遠位外側部材254と同様であってよく、また、患者の血管内への挿入のためのサイズ及び形状であってよい。遠位外側部材は、遠位端及び近位端を含む。例えば方法1500は、
図9に示すように、第1の内側部材部分が遠位外側部材の遠位端を越えて延在するように、遠位内側部材を遠位外側部材の長手方向軸に沿って配置するステップを含む。
【0058】
[0074] ステップ1520において、方法1500は、遠位内側部材の遠位端を、生理学的センサアセンブリのルーメン内に配置するステップを含む。例えば方法1500は、
図10に示すように、第1の内側部材部分が生理学的センサアセンブリのルーメンを通り、生理学的センサアセンブリを越えて遠位方向に延在するように、遠位内側部材を生理学的センサアセンブリ内に配置するステップを含む。
【0059】
[0075] ステップ1525において、方法1500は、
図11に示すように、生理学的センサアセンブリの電気ケーブルを第2の溝内に配置するステップを含む。電気ケーブルは、電気ケーブル112と同様であってよく、また、生理学的センサアセンブリと共に予め組み立てられてよい。配置するステップは、電気ケーブル112の第2の溝への整列を容易にするために、電気ケーブル112を回転させて、その向きを変えるステップを含んでよい。ステップ1530において、方法1500は、例えば接着剤を使用して、遠位内側部材を生理学的センサアセンブリに結合するステップを含む。
【0060】
[0076] ステップ1535において、方法1500は、補剛ワイヤを第1の溝内に配置するステップを含む。補剛ワイヤは、補剛ワイヤ540と同様であってよく、近位外側部材に結合されてよい。近位外側部材は、近位外側部材258と同様であってよく、近位端及び遠位端を含む。例えば補剛ワイヤ540は、
図13に示すように、近位外側部材の内側側壁に取り付けられ、第1の溝内に配置される。
【0061】
[0077] ステップ1540において、方法1500は、例えば接着剤を使用して、近位外側部材を遠位外側部材の近位端に結合するステップを含む。更に、方法1500は、結合中に、遠位外側部材と近位外側部材との結合接合部にガイドワイヤ出口ポートを形成するステップを含み、これにより、
図4に示すように、第2の内側部材部分に隣接する遠位内側部材の第3の内側部材部分が、ガイドワイヤ出口ポートと連通する。
【0062】
[0078] ステップ1545において、方法1500は、例えば接着剤を使用して、遠位先端部材を遠位内側部材の遠位端に結合するステップを含む。遠位先端部材は、遠位先端部材252と同様であってよい。例えば遠位先端部材は、
図14に示すように、第1の内側部材部分の突出部分を囲むことができる。
【0063】
[0079]
図16は、本開示の態様による、本明細書において説明される遠位内側部材を含むIVUSデバイスを組み立てる方法1600のフロー図である。なお、方法1600のステップは、
図16に示す順序とは異なる順序で行われてもよく、また、他の実施形態では、ステップの前、最中及び後に追加のステップが提供されても、及び/又は、説明されるステップの幾つかが置き換えられても若しくは除外されてもよい。方法1600のステップは、IVUSデバイスの製造業者によって行われてよい。方法1600は、方法700及び1500と同様のメカニズムを使用してよい。方法1600は、方法700及び1600と同様のメカニズムを使用してよい。方法1600は、
図7から図14に関して説明したステップに対応してよい。
【0064】
[0080] ステップ1610において、方法1600は、第1の可撓性伸長部材に沿って長手方向に延在する第1の溝及び第2の溝を含む当該第1の可撓性伸長部材を取得するステップを含む。第1の可撓性伸長部材は、遠位内側部材500と同様であってよい。第1の溝及び第2の溝は、溝511及び溝512と同様である。幾つかの実施形態では、第1の可撓性伸長部材を取得するステップは、第1の可撓性伸長部材の外面に第1の溝及び第2の溝を一体形成する射出成形及び/又は他の適切な製造プロセス等によって、第1の可撓性伸長部材をモールド成形するステップ(ステップ1612)を含んでよい。幾つかの実施形態では、第1の可撓性伸長部材を取得するステップは、ブランクから第1の可撓性伸長部材を機械加工するステップを含んでよい。例えばステップ1610は、第1の可撓性伸長部材のブランクから材料を除去して第1の溝及び第2の溝を形成するステップ(ステップ1614)を含んでよい。
【0065】
[0081] ステップ1620において、方法1600は、補剛ワイヤを第1の溝内に配置するステップを含む。補剛ワイヤは、第2の可撓性伸長部材に結合される。補剛ワイヤは、補剛ワイヤ540と同様であってよい。第2の可撓性伸長部材は、近位外側部材258と同様であってよい。例えば補剛ワイヤは、
図12に示すように、第2の可撓性伸長部材の内側側壁に取り付けられるか又は固定される。
【0066】
[0082] ステップ1630において、方法1600は、電気ケーブルを第2の溝内に配置するステップを含み、電気ケーブルは、生理学的センサアセンブリに結合される。電気ケーブルは、電気ケーブル112と同様であってよい。生理学的センサアセンブリは、生理学的センサアセンブリ110と同様であってよい。補剛ワイヤの第1の溝内への配置及び電気ケーブルの第2の溝内への配置は、
図13に示す通りであってよい。方法1600は、方法700及び1500で説明したように、追加のステップを含んでもよい。例えば方法1600はまた、第1の可撓性伸長部材の遠位端の外径を縮小するステップを含んでよい。方法1600は、第1の可撓性伸長部材を、遠位外側部材254と同様の第3の可撓性伸長部材のルーメン内に配置するステップを含んでよい。方法1600は、第1の可撓性伸長部材の遠位端を生理学的センサアセンブリのルーメン内に配置するステップを含んでよい。方法1600は、第1の可撓性伸長部材を生理学的センサアセンブリに結合及び接合するステップを含んでよい。方法1600は、第3の可撓性伸長部材を第2の可撓性伸長部材に結合及び/又は接合するステップを含んでよい。方法1600は、遠位先端部材252と同様の遠位先端部材を、第1の可撓性伸長部材の遠位端に結合するステップを含んでよい。
【0067】
[0083] 当業者であれば、上記装置、システム及び方法が様々な方法で修正可能であることを認識するであろう。したがって、当業者であれば、本開示に包含される実施形態が、上記の特定の例示的実施形態に限定されないことを理解するであろう。この点に関して、例示的な実施形態を示し説明してきたが、前述の開示では、広範囲の修正、変更、及び置換が想定されている。当然ながら、本開示の範囲から逸脱することなく、このような変形を前述に対して行うことができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、広くそして本開示と一致するように解釈されることが適切である。