(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】タスク指向に基づくデジタル語言学習方法
(51)【国際特許分類】
G09B 19/06 20060101AFI20220128BHJP
G09B 5/06 20060101ALI20220128BHJP
G09B 7/04 20060101ALI20220128BHJP
G09B 5/08 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
G09B19/06
G09B5/06
G09B7/04
G09B5/08
(21)【出願番号】P 2020074359
(22)【出願日】2020-04-17
【審査請求日】2020-04-17
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】503116202
【氏名又は名称】艾爾科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】林宜敬
(72)【発明者】
【氏名】張怡芸
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0170629(US,A1)
【文献】特開平07-295466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
教授内容提供端末は、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバー、スマートフォン、又はデジタル仮想言語学習ソフトウェアを実行できる任意の電子機器を利用し、前記教授内容提供端末は、デジタルバーチャル学習環境を提供し、デジタル言語学習ソフトウェアを実行し、前記デジタルバーチャル学習環境には複数のタスクノードが含まれ、各前記タスクノードは1つのタスク問題と該タスク問題に対応する複数のタスク答えが含まれ、各前記タスク答えは、次の関連するタスクノードに接続され、且つ前記タスク答えのそれぞれは、文字、写真、
映像、動画及び音声のうちの1つ又は任意の2つ以上の組み合わせであるステップと、
前記デジタルバーチャル学習環境において、前記教授内容提供端末が学習タスクを言語学習端末に提供し、前記言語学習端末は複数のタスク目標が付与された前記学習タスクを作成し、各前記タスク目標は前記タスクノードに対応するタスク答えの1つに関連付けられるステップと、
前記言語学習端末が前記学習タスクにより設定された開始ノードから学習を始め、一つの前記タスクノードを開始ノードに接続し、前記教授内容提供端末が前記言語学習端末から学習者の回答を受信し、前記言語学習端末は、キーボード、マウス、タッチ又は音声入力のうちの1つ又は任意の2つ以上の組み合わせによって前記回答を前記教授内容提供端末に出力し、且つ前記回答が前記タスク答えの1つに一致するまで、前記回答を繰り返して前記教授内容提供端末に出力する
ステップであって、前記タスク答えの1つに一致する場合
に、接続された関連の次の前記タスクノードの学習に続き、前記学習タスクを完成すれば、前記学習タスクにより設定された終了ノードに達するステップと、
前記教授内容提供端末は、学習中の各前記回答が前記タスク目標に一致するか否かを決定する方式で、前記言語学習端末が前記学習タスクにより要求されるすべての前記タスク目標を完了したか否かを判定するステップと、を含む、タスク指向に基づくデジタル言語学習方法。
【請求項2】
前記学習タスクには、さらに奨励品送りの
ステップが含まれ、前記教授内容提供端末により言語学習端末が前記学習タスクを完了したと判定されると、お金、実物交換券、バーゲンチケット、得点又は仮想通貨のうちの1つを少なくとも含む奨励品が前記言語学習端末に伝送される、請求項1に記載のタスク指向に基づくデジタル言語学習方法。
【請求項3】
前記教授内容提供端末が前記タスクノードを前記言語学習端末に表示させると、前記タスクノードに関連する前記タスク問題及び対応する前記タスク答えのプロンプトが提供される、請求項1に記載のタスク指向に基づくデジタル言語学習方法。
【請求項4】
前記回答が、回答対象となる前記タスクノードのうちのいずれの前記タスク答えにも一致しない場合、前記教授内容提供端末は、前記言語学習端末が回答する前記回答が回答対象となる前記タスクノードの前記タスク答えの1つに一致するまで、前記タスクノードを前記言語学習端末に繰り返し伝送する、請求項1に記載のタスク指向に基づくデジタル言語学習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル言語学習方法に関し、特にタスクベースの言語学習及びコミュニケーションアプローチ言語学習に基づくデジタル言語学習方法である。
【背景技術】
【0002】
従来の言語学習評価方法では、読解テスト又は聴解テスト過程に、学生は読んだ文章又は聞いた会話に基づいて1つ又は複数の選択問題に答え、各々の選択問題は単一解答問題又は複数の解答問題であるが、いずれも学生が答えるために複数のタスク答えを提供し、このタイプの選択問題の目的は、理解力、スペル、発音、文法など、特定の言語使用の正確さを学生にトレーニング又はテストする。ただし、学生のスピーキング(コミュニケーション)能力のトレーニング又はテストをすることができない。
【0003】
また、コンピュータ適応型テスト(Computerized Adaptive Testing、略語CAT)に関して、学生が問題に対する回答能力、特徴及び応答によ
る、最も適切な問題が提供される。言い換えれば、コンピュータ適応型テストは、学生の能力のレベルに適した問題項目を生成し、学生に回答させ、回答能力、特徴及び応答から学生のテスト結果を取得することである。ただし、このようなテスト方法でも、学生のスピーキング(コミュニケーション)能力を評価することができない。
【0004】
上記の理由から、学生のスピーキング(コミュニケーション)能力をトレーニング・テストするために、タスクベースの言語学習(task-based language learning、略語TBLL)又はコミュニカティブアプローチ言語学習(Communicative Approach Language Learning)は提出
され、タスクベースの言語学習は、スピーキング能力を重視しており、学生は学習した言語を使用して、ファーストフードレストランでいくつかのアイテムを購入したり、旅程を手配したりするなど、意味のあるタスクを完了する必要がある。教師は、タスク中に学生の言語表現の正確さに基づいて学生の成績を評価するのではなく、特定の製品を実際に注文したかどうかなど、学生が実際にタスクを完了したかどうかを重点とする。したがって、タスクベースの言語学習は、学生のスピーキング能力をトレーニングし、外国語を話す自信をつけるのに特に適している。
【0005】
さらに、コミュニカティブアプローチ言語学習方法では、学生が学習中の言語を使用して意味のあるコミュニケーションを行うようにし、正確な文法構造又はネイティブスピーカーのアクセントを把握するのではなく、さまざまな状況でターゲット言語を使用し、使用する言語の機能や作用を理解するのに焦点を当てており、つまり、外国語学習の成功は、学習者のコミュニケーション能力(communicative competence)のレベルにより決められる。
【0006】
ただし、現在、言語教授機関では、スピーキング(コミュニケーション)能力を実践するための教授方法のほとんどは、教師が生活の実際のシーンをシミュレートするか、学生が外国語が使用される国又は環境に実際に入り、生活や仕事で学習するようにすることである。デジタル言語学習システムでも、ほとんどは、複数の選択問題、真偽問題の方式で教授及びテストを行い、たとえば、発明の名称が「仮想シーンによる多言語学習システム及び学習方法」(特許文献1)である台湾の特許発明では、「イベントユニット111は、主題で発生した少なくとも1つのイベントタスクを保存する」、「言語学習者がイベントタスク中に問題に答える方式で実施し、言語を効果的且つ段階的に学習することができる」、「言語学習者がイベントタスクにおいて問題回答方式でバリアーを突破し、ここで、作動装置1には複数の回答オプションが表示され、言語学習者は回答オプションのいずれかを選択して回答する」、及び「各主題モードには少なくとも1つのイベントタスクが含まれ、言語学習者は、話すか入力することで仮想キャラクター3と直接対話することによって、聴解や会話の能力を向上させる。」との記載があり、先行特許で開示された内容から、イベントタスクが言及されているが、それは、複数の選択問題のように、言語学習者が回答オプションの1つを選択して回答するものであり、いわゆるイベントタスクでは、関連性があるかどうかについての記載がない。
【0007】
前記のように、デジタル言語学習システムを用いてタスクベース又はコミュニケーションアプローチ言語学習のトレーニング又はテストを行うことがまだなかったため、デジタル言語学習システムがタスクベース又はコミュニケーションアプローチ言語学習のトレーニング又はテストを実行することは急務となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
先行技術の問題に対して、本発明の目的は、タスクベース及びコミュニケーションアプローチ言語学習によるトレーニング又はテストを両立できるデジタル言語学習方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的を達成するために、タスク指向に基づくデジタル言語学習方法を提供し、該デジタル言語学習方法は、教授内容提供端末によりバーチャル学習環境を言語学習端末に提供する。バーチャル学習環境は、複数のタスクノードを含み、タスクノードのそれぞれは、1つのタスク問題及び複数のタスク答えを含み、タスク答えのそれぞれは、別のタスクノードに接続され且つタスク問題のタスク答えの1つに対応する。教授内容提供端末でバーチャル学習環境において言語学習端末のために学習タスクを作成し、学習タスクを言語学習端末に伝送する。学習タスクは、言語学習端末が複数のタスク目標を完了することを要求し、教授内容提供端末は、言語学習端末が学習タスクにより設定された開始ノードからその1つのタスクノードが始まり、教授内容提供端末が言語学習端末から学習者の回答を受信し、且つこの回答が現在のタスクノードのタスク答えの1つに一致する場合、タスク答えに対応する別のタスクノードに接続し、前記のように繰り返し、教授内容提供端末が、言語学習端末が終了ノードとして指定されたタスクノード達すると、教授内容提供端末は、言語学習端末がタスク目標の完成を判定する。
【0011】
各タスクノードのタスク問題、タスク答えは、文字、写真、映像、動画及び音声のうちの1つ又は任意の2つ以上の組み合わせであるようにしてもよい。
【0012】
言語学習端末は、入力装置を介して回答を言語学習端末に入力し、次に言語学習端末は、回答を教授内容提供端末に出力し、入力装置は、キーボード、マウス、タッチ又は音声入力のうちの1つ又は任意の2つ以上の組み合わせであるようにしてもよい。
【0013】
教授内容提供端末が学習タスクを作成する方法は、複数のタスク答えをランダムに選択することにより作成する、或いは言語教授端末が教授内容提供端末にアクセスし、デジタル仮想学習環境において複数のタスク答えを自ら選択することにより作成する、或いは言語教授端末が教授内容提供端末にアクセスし、教授内容提供端末が複数のタスク答えをランダムに選択することにより作成することである。
【0014】
教授内容提供端末が言語学習端末に提供される学習タスクには、さらに、奨励品送りの
スッテプが含まれ、教授内容提供端末により言語学習端末が学習タスクを完了したと判定されると、奨励品が言語学習端末に伝送される。奨励品はお金、実物兌換券、バーゲンチ
ケット、得点又は仮想通貨のうちの1つを少なくとも含む。
【0015】
また、教授内容提供端末がタスクノードを言語学習端末に提供し、タスクノードはタスク問題及びタスク答えが含まれる。
【0016】
言語学習端末が教授内容提供端末に応答した回答が対応タスクノードのタスク答えの1つに一致する場合にまで、繰り返して回答を応答し、タスク答えの1つに一致すると、関
連の次のタスクノードの学習に続き、全てのタスク目標を達成されたら、学習タスクを完
成となる。
【発明の効果】
【0017】
前記のとおり、本発明は、下記の特長を有する。
1.使用者は、学習タスクの学習プロセス中、タスクを正しく完了するには、学習タスクで指定されたタスク目標に対応するタスクノードに入り、必要なタスク答えに回答しなければならない。
2.各タスクノードのいずれのタスク答えも正解として設定されておらず、言語学習端末が各学習タスクに要求されるタスク目標に応じてタスク問題に答えるようにする。言い換えれば、言語学習端末は異なる学習タスクを実行し、応答を必要とするタスク目標が異なるため、各タスクノードでは異なる学習タスクに対する正しいタスク答えは異なる。
3.言語学習端末がそのタスクノードの1つで応答するタスク答えが、学習タスクに要求されるタスク目標と異なる場合、言語学習端末は、タスク目標に関連する一部のタスクノードに入らないことがあり、つまり、タスク答えの問題には答えない。
4.デジタル仮想言語学習環境では、タスク問題に答えるときの発音や文法などの「統語論」(Syntax)の正確さだけにより決定するのではなく、言語学習端末がタスク答えに応答する「セマンティクス」(Semantics)により次に入るタスクノードを決定し、それは、各タスク問題には固定正解がないためである。次に表示されるタスク問題は、前のタスク答えに続くものであり、難易度を、次の問題を選択する基準とするわけではない。
5.デジタル仮想言語学習環境では、言語学習端末が特定の言語を用いてスピーキング(コミュニケーション)する能力をトレーニング又はテストすることによって学習タスクを完了し、それによって、タスクベース及びコミュニケーションアプローチ言語学習によるトレーニング又はテストを両立させるデジタル言語学習方法の目的を達成させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】本発明のタスクノード
答えの一例の模式図である。
【
図3】本発明の学習タスクのタスク問題、タスク答え
の一例の模式図である。
【
図4】本発明の別の学習タスクのタスク問題、タスク答えの別の
模式図である。
【
図5】本発明の、ファーストフードレストランでショッピングする学習タスクのタスク問題、タスク答え
の模式図である。
【
図6】本発明の言語学習端末の出力装置の、学習タスクを表示した映像画面の模式図である。
【
図7】本発明の言語学習端末の出力装置の、奨励品画面を表示した映像画面の模式図である。
【
図8】本発明の言語学習端末の出力装置の、タスク問題を表示した映像画面の模式図である。
【
図9】本発明の言語学習端末の出力装置の、タスク答えを表示した映像画面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の発明特徴、内容、利点及び達成可能な効果を通常の知識を有する者に容易に理解できるように、以下、添付の図面と併せて実施例の形で本発明を詳細に説明するが、本明細書に使用される図面は、明細書を例示又は補助するために過ぎず、それにより本発明を実際に実施するときの特許の範囲を制限するものではない。
【0020】
図1に示されるように、本発明は、教授内容提供端末に適用されるタスク
指向に基づくデジタル言語学習方法であり、この教授内容提供端末は、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバー、スマートフォン、又はデジタル仮想言語学習ソフトウェア(アプリケーションプログラム)を実行できる任意の電子機器であり得、教授内容提供端末は、デジタル仮想言語学習ソフトウェアを実行するときに、次のステップを実行する。
(S101)デジタル
バーチャル学習環境を提供し、デジタル
バーチャル学習環境は、
複数のタスクノード
を含み、各タスクノードは、それぞれ1つのタスク問題と複数のタスク
答えとを含み、各タスク
答えは、それぞれ別のタスクノードに接続され
る。
(S102)デジタル
バーチャル学習環境において、
教授内容提供端末が学習タスクを
言語学習端末に提供され、言語学習端末は複数タスク目標付与された学習タスクを作成し、各
タスク目標はタスクノードのタスク答えの1つに関連付けられ
る。
(S103)学習タスクは、言語学習端末が学習タスクにより設定された開始ノードからタスクノードの1つ
が始まり、教授内容提供端末が言語学習端末から
学習者の回答を受信し、且つ回答が現在のタスクノードのタスク答えの1つに一致する場合、タスク答えに対応する
関連の次のタスクノードに
接続し、教授内容提供端末が、言語学習端
末が終了ノードとして指定されるタスクノードに
達するまで、前記のように繰り返す。
(S104)教授内容提供端末は、回答が該タスク目標に一致するか否かを決定する方式で、言語学習端末が学習タスクにより要求されるすべてのタスク目標を完了したか否かを判定する。
【0021】
さらに、デジタルバーチャル学習環境で学習タスクを作成する方法は、教授内容提供端末が複数のタスク目標をランダムに選択することにより作成する、又は言語教授端末が教授内容提供端末にアクセスし、デジタル仮想学習環境において複数のタスク目標を自ら選択することにより作成する、又は言語教授端末が教授内容提供端末にアクセスし、教授内容提供端末が複数のタスク目標をランダムに選択することにより作成することである。
【0022】
積極的に学習するように言語学習端末を励ます目的で、言語学習端末の学習タスクには、お金、実品実物兌換券、バーゲンチケット、得点又は仮想通貨の少なくとも1つを含む奨励品が含まれ、教授内容提供端末は、言語学習端末が学習タスクを完了したと確認すると、奨励情報を言語学習端末に送信する。
【0023】
本発明では、言語教授端末及び言語学習端末は、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバ、スマートフォン、又はデジタル仮想言語学習ソフトウェア(アプリケーションプログラム)を実行できる任意の電子機器であってもよく、教授内容提供端末、言語教授端末及び言語学習端末は、インターネットを介して接続することができ、又は教授内容提供端末、言語教授端末及び言語学習端末はイントラネット(intranet)を利用するか、又は教授内容提供端末、言語教授端末及び言語学習端末は、異なるIDアクセス許可でデジタルバーチャル学習環境にアクセスする同じ電子機器である。
【実施例】
【0024】
本発明をさらに理解するために、以下、例を挙げて説明する。
【0025】
図2に示されるように、デジタル
バーチャル学習環境には9つのタスクノードがあり、すなわち9つの問題があり、各タスクノードには、少なくとも1つのタスク答えがある。
図3に示されるように、デジタル仮想学習環境での学習タスクは、タスク答え1-A、2-C、7-B、及び10-Aを学習タスクにより要求されるタスク目標とし、或いは、
図4に示されるように、デジタル仮想学習環境での別の学習タスクは、タスク答え1-C、4-A、7-A、及び9-Aも学習タスクにより要求されるタスク目標とする。なお、開始ノードは必ずしもタスク問題1から開始する必要はなく、タスク問題2又は他のタスク問題から開始してもよい。
【0026】
図5に示されるように、さらに、
図2及び
図3の同じアーキテクチャのタスクノードでは、中国語のタスク問題及び対応するタスク答えを例として説明すると、デジタル
バーチ
ャル学習環境はファーストフードレストランであり、学習タスクにより要求されるタスク目標は、「ファーストフードレストランでレモンフリーでミルク入りの紅茶を注文する」ことであり、つまり、学習タスクを完了するには、言語学習端末が回答したタスク答えには、紅茶(タスク答え1-C)、レモンが要らない(タスク答え4-A)、及びミルクを添加する(タスク答え7-A)が含まれなければならない。一方、言語学習端末が答えたタスク答えには、ジュースが欲しい(タスク答え1-A)、パパイヤジュースが欲しい(タスク答え2-C)、ミルクを添加する(タスク答え7-A)などが含まれる場合は、ミルクを添加するタスク問題(タスクノード
7)に
接続する可能性があるものの、紅茶が欲しい(タスク答え1-C)及びレモンが要らない(タスク答え4-A)などのタスク答えには応答しなかったため
、学習タスクのタスク目標に対応するタスクノードに
実行することができず、学習タスクを完了できない。
【0027】
別の例としては、学習タスクで言語学習端末が「ファーストフードレストランでパパイヤミルクを注文する」ことが要求される場合、学習タスクはタスクノード1又はタスクノード2から開始できるが、他のタスクノードからは開始できない。つまり、学習タスクを作成する開始ノードは、作成された学習タスクが言語学習端末によって完了できないことを避けるために、学習タスクにより要求されるタスク目標に関連付けられている可能性があるタスクノードからしか開始できない。
【0028】
本発明では、さらに、教授内容提供端末がタスクノードを言語学習端末に表示するとき、文字、写真、映像、動画及び音声のうちの1つ又は任意の2つ以上の組み合わせでタスクノードのタスク問題、タスク答えなどを提供する。たとえば、
図6に示されるように、各学習タスクが開始ノードで学習タスクにより要求されるすべてのタスク目標を表示する場合、デジタル仮想学習環境は、映像の形で、ファーストフードレストランを背景としした写真を言語学習端末において表示して開始ノードとし、学習タスクにより要求されるタスクである「Buy a cheeseburger, a large hot coffee with milk and sugar. This is a take-out order.」を字幕及び音声で言語学習端末(たとえば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ)の出力装置(たとえば、ディスプレイ、スピーカー)に出力する。
図7に示されるように、言語学習端末が開始ノードの映画画面を出力した後、後続のタスクノードを表示する前に、学習タスクを完了するときに与えられる奨励情報を表示することができ、言語学習端末が学習タスクを完了したことを確認した後にのみ、奨励情報に対応する奨励品を与える。
【0029】
各タスクノードが言語学習端末に表示しようとする各タスク問題及びタスク答えは、文字、写真、映像、動画及び音声のうちの1つ又は任意の2つ以上の組み合わせで言語学習端末の出力装置により出力することもできる。
図8に示されるように、言語学習端末の出力装置にタスク問題を表示する方式としては、映像画面に様々なタイプのハンバーガーの写真を表示し、映像画面の下部にバナー字幕としてタスク問題の文字を表示するとともに、字幕文字に対応する音声を出力する。また、
図9に示されるように、言語学習端末の出力装置にタスク答えを表示する方式としては、映像画面の下部にバナー字幕としてすべてのタスク答えの文字を表示する。
【0030】
さらに、回答が応答対象となるタスクノードのタスク答えのいずれにも一致しない場合、教授内容提供端末は、言語学習端末の回答が応答対象となるタスクノードのタスク答えの1つに一致するまで、タスク答えのプロンプトを言語学習端末に繰り返し伝送し、タスク答えに対応するタスクノードを接続する。言語学習端末の出力装置に終了ノードを表示する方式に関しては、上述の開始タスク、タスク問題、及びタスク答えと同じか又は類似しているため、詳しく説明しない。
【0031】
さらに、上記例では、インタラクティブ映像を例にしているが、本発明は、実際の実装では、これに限定されず、仮想現実(Virtual Reality、略語VR)、拡張現実(Augmented Reality、略語AR)、代替現実(Substitutional Reality、略語SR)、複合現実(Mixed Reality、略語MR)などの方式で表現してもよく、インタラクティブ映像、VR、AR、SR、又はMRによるインタラクティブテクノロジーは、従来技術であるため、ここでは詳しく説明しておらず、ただし、本発明を出願する前に、インタラクティブ映像、VR、AR、SR、又はMRを使用してタスクベース又はコミュニケーションアプローチ言語学習のトレーニング又はテストを実施したことはなかった。
【産業上の利用可能性】
【0032】
上記によれば、本発明は、言語学習端末による回答がタスク目標の1つであるかどうかに基づいてタスクベースの言語学習のトレーニング又はテストの目的を達成すると同時に、音声入力を使用してタスク答えを入力することでコミュニケーションアプローチ言語学習のトレーニング又はテストの目的を達成する。また、学習タスクごとに学習目標が異なるため、言語学習端末は同じタスクノードに入っても、必ずしも同じタスク答えに答えるとは限らず、所定の標準答えを使用する従来の多肢選択式テストとは異なる。さらに、学習タスク全体に含まれるタスク目標は各タスクノードの異なるタスク答えに対応するため、言語学習端末が特定のタスクノードで構成されるタスク経路に入らないと、学習タスクは完了できないが、学習タスクは完了できなくても終了ノードに入り、現在の学習タスクを終了し、上記の例及び
図2~4から分かるように、学習タスクが完了されたかどうかの判定は、問題の難易度ではなく、タスク答えからなるタスク経路に応じて行われる。
【0033】
前記のように、本発明は、完全に新規なものであり、類似した開示又は先行出願がなく、且つ有効性が大幅に改善された産業上の利用価値があるため、法律に従って特許出願されているが、本明細書は、好適な実施例の説明に過ぎず、特許の範囲を限定するものではなく、本発明の原理及び技術に属する各構成要素について行われる修正及び変形は、すべて本発明の特許の範囲に含まれるべきである。