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特許6998421包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置
(51)【国際特許分類】
   A23P 20/25 20160101AFI20220128BHJP
   A21C 9/06 20060101ALI20220128BHJP
   A23L 35/00 20160101ALN20220128BHJP
【FI】
A23P20/25
A21C9/06 A
A23L35/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020076990
(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公開番号】P2020178687
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2020-04-24
(31)【優先権主張番号】10-2019-0048773
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520145919
【氏名又は名称】蔡炯元
【氏名又は名称原語表記】CHAE, HYUNG WON
【住所又は居所原語表記】101-102(Bondong Raemian Twin Park),23,Noryangjin-ro 23ga-gil,Dongjak-gu,Seoul,06902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】蔡炯元
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-135045(JP,A)
【文献】国際公開第2013/015234(WO,A1)
【文献】特開2002-254249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23P 10/00-30/40
A21C 1/00-15/04
A23L 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包被食品製造機(10)に設けられた具材詰め込み装置(20)の下側に配設され、外皮供給装置から外皮(2)を供給された後に作動するものであって、
包被食品製造機(10)を構成する本体フレームに水平に設けられるシャッタ支持板(11)の上側に固設されて具材詰め込み装置(20)により外皮(2)内に具材を詰め込んだ後、モータ又は油空圧シリンダと連動自在に設けられたリンクバー(110)を前進させてシャッタ作動リング(120)を回転させてシャッタ(130)のシャッタ刃(131)の部分が縮小しながら外皮(2)の周縁部を突起状の封着部が形成されるように封着した包被食品を製造するようにシャッタ装置(100)を構成し、
前記シャッタ装置(100)の下側に具材を詰め込むときには、エアシリンダ(210)の作動によるリンクバー(220)の前進によりシャッタ作動リング(230)を回転させて外皮の伸び止め用シャッタ(240)の先端部(241)が所定の幅(D)まで縮まって外皮(2)が伸びないように受け止め、
外皮(2)内に具材(1)を詰め込み終え、且つ、突起状の封着部を形成し終えると、エアシリンダ(210)の作動によるリンクバー(220)の後退により外皮の伸び止め用シャッタ(240)の先端部(241)が拡がって外皮(2)内に具材(1)が詰め込まれて出来上がった包被食品の排出を行いやすくした包被食品の伸び止め装置(200)を一体形にさらに設けられ、
前記包被食品の伸び止め装置(200)は、
エアシリンダ(210)の作動によりリンクバー(220)を前進させて外皮の伸び止め用シャッタ(240)の先端部(241)が所定の幅(D)まで縮まって外皮(2)が伸びないように受け止め、
エアシリンダ(210)とリンクバー(220)とを幅調節手段(300)と連動自在に設けて幅調節手段(300)の操作により外皮の伸び止め用シャッタ(240)の先端部(241)が縮まりながら形成される幅(D)が調節可能になっており、
前記幅調節手段(300)は、
サポートブラケット(310)にノブ(321)により回転するスクリュ(320)を軸設し、このスクリュ(320)の後端には、スクリュ(320)の回転の際に前後に搬送されるように搬送ブロック(330)を螺着し、
前記エアシリンダ(210)のロッド(211)の先端には、搬送ブロック(330)を貫通するリンクバー(220)の後端を連結し、後端部の外縁にストッパ(225)を固設して、
エアシリンダ(210)の作動によりリンクバー(220)の前進の際にストッパ(225)が搬送ブロック(330)に押し当てられると、リンクバー(220)の前進が止まるようになっていて、
搬送ブロック(330)の前後に搬送された距離に見合う分だけリンクバー(220)の前進が制限されて外皮の伸び止め用シャッタ(240)の先端部(241)が縮まりながら形成される幅(D)が調節可能になっており、
前記幅調節手段(300)には、
搬送ブロック(330)を前後に搬送可能なスクリュ(320)の回転を拘束するロックノブ(340)をさらに設けて、
ロックノブ(340)を緩めた状態でスクリュ(320)を回転させて搬送ブロック(330)を前後に搬送した後、ロックノブ(340)を締めてスクリュ(320)が回転しないようにすることで、搬送ブロック(330)が搬送された位置に固定されるようになっていることを特徴とする包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置。
【請求項2】
前記搬送ブロック(330)の表面に指示線(330a)を形成し、
前記サポートブラケット(310)に配備されるガイドブロック(311)には、搬送ブロック(330)の移動距離を確認可能な移動距離表示用目盛付き定規(311a)を形成して、
搬送ブロック(330)の移動の際に指示線(330a)を移動距離表示用目盛付き定規(311a)のどの位置に一致させるかによって、外皮の伸び止め用シャッタ(240)の先端部(241)が縮まりながら形成される幅(D)を把握できるように構成して、
幅(D)を調節しやすいようになっていることを特徴とする請求項1に記載の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置。
【請求項3】
前記外皮の伸び止め用シャッタ(240)は、
シャッタ支持板(11)に穿設された孔(11a)の外側にシャッタ(240)の中間部分がヒンジ(242)で結合され、
シャッタ(240)の後端は、エアシリンダ210により前後進するリンクバー(220)の先端が連結されたシャッタ作動リング(230)の上面に後端がヒンジ(243)で結合されて、
エアシリンダ(210)の作動によるシャッタ作動リング(230)の正逆転により外皮の伸び止め用シャッタ(240)の先端部(241)が所定の幅まで縮まったり、あるいは、先端部(241)が拡がったりするようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置に係り、さらに詳しくは、包被食品の製造装置の具材詰め込み装置の下側に配設されて外皮供給装置から外皮を供給されて具材詰め込み装置により具材を詰め込んだ後に外皮の周縁部を突起状の封着部が形成されるように封着するように設けられるシャッタ装置の底面に一体形に形成されて、具材を詰め込むときに包被食品の外皮材が外方に伸びることを完璧に防ぐことにより、外皮の伸び無しに常に一様な大きさの包被食品を製造することのできる包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
包被食品とは、典型的には小豆餡(bean jam)や挽き肉(miced meat)のような具材(中身、filling)を、パンの外皮(パン生地:bread dough)やパイの外皮(パイ生地:pie dough)のような外皮で覆った食品であって、中華饅頭、あんパン、具入りドーナツ(filled doughnuts)、あるいはミートパイ(meat pie)等を例示することができる。
【0003】
このような包被食品を大量で製造するために、例えば、下記の特許文献1及び2に示すように、いまや多くの包被食品の製造が自動化されている。
【0004】
これらの文献は、包被食品の製造装置および製造方法を開示している。かかる技術によれば、一旦包被食品の製造装置に配備された外皮供給装置を用いて、所定の厚さに平らに延ばされた外皮を具材詰め装置の下側のシャッタ装置に供給し、具材詰め装置を用いて具材を詰めた後、外皮の周縁部をシャッタ装置に配備されたシャッタ刃により集約することによって、具材が生地で覆われる。
【0005】
しかしながら、前述のような先行技術に開示されたシャッタ装置を用いて包被食品の外皮内に具材を詰めるとき、外皮の外面を受け止める別途の装置がないため、具材を詰めるときに外皮が外方に伸びてしまう現象が頻繁に生じていた。
【0006】
このため、具材を詰めにくいことはもとより、具材を詰め終えた包被食品をよく見ると、大きさが一様ではなく、見た目もでこぼこしている他、中の具材が片側に偏っているなど見栄えが悪く、包被食品の種類によって蒸したり焼いたりするときに、外皮がひきちぎれ易いなどの色々な問題が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】日本国公開特許第2008-259520号公報
【文献】日本国公開特許第2008-178391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような諸問題に鑑みて案出されたものであり、包被食品製造機の具材詰め込み装置の下側に配設されるシャッタ装置の下側に具材を詰め込むときに、包被食品の外皮が外方に伸びることを完璧に防ぐことのできる包被食品の伸び止め装置を一体形にさらに付設するなどその構成を特殊化させて、包被食品の外皮内に具材を詰め込むとき、外皮の伸びが全く生じないようにすることで、不良品の発生なしに常に見栄えがよく、大きさが一様な包被食品を製造できるようにするところにその目的がある。
【0009】
本発明の他の目的は、包被食品の種類及び大きさに見合うように包被食品の伸び止め装置の内径を調節自在にすることで、様々な種類及び大きさに対応する包被食品を手軽に製造できるようにするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記発明が解決しようとする課題の欄に記載の目的を達成するための本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置は、基本的に、包被食品製造機に設けられた具材詰め込み装置の下側に配設され、外皮供給装置から外皮を供給された後に作動するものであって、包被食品製造機を構成する本体フレームに水平に設けられるシャッタ支持板の上側に固設されて具材詰め込み装置により外皮内に具材を詰め込んだ後、モータ又は油空圧シリンダと連動自在に設けられたリンクバーを前進させてシャッタ作動リングを回転させてシャッタのシャッタ刃の部分が拡縮しながら外皮の周縁部を突起状の封着部が形成されるように封着した包被食品を製造するようにシャッタ装置を構成し、前記シャッタ装置の下側に具材を詰め込むときには、エアシリンダの作動によるリンクバーの前進によりシャッタ作動リングを回転させて外皮の伸び止め用シャッタの先端部が所定の幅Dまで縮まって外皮が伸びないように受け止め、外皮内に具材を詰め込み終え、且つ、突起状の封着部を形成し終えると、エアシリンダの作動によるリンクバーの後退により外皮の伸び止め用シャッタの先端部が拡がって外皮内に具材が詰め込まれて出来上がった包被食品の排出を行いやすくした包被食品の伸び止め装置を一体形にさらに設けて、常に見栄えがよく、大きさが一様である他、中身の具材がたっぷり入っている包被食品を製造できるようになっているところにその特徴がある。
【0011】
ここで、前記包被食品の伸び止め装置は、エアシリンダの作動によりリンクバーを前進させて外皮の伸び止め用シャッタの先端部が所定の幅まで縮まって外皮が伸びないように受け止め、エアシリンダとリンクバーとを幅調節手段と連動自在に設けて幅調節手段の操作により外皮の伸び止め用シャッタの先端部が縮まりながら形成される幅が調節可能になっているところにその特徴がある。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置が設けられた包被食品製造機を用いると、エアシリンダの作動によるリンクバーの前進により多数配備された外皮の伸び止め用シャッタの先端部が所定の幅に縮まることから、具材の詰め込みにつれて外側に膨らむ外皮の外側面がシャッタの先端部の内面に押し当てられながら受け止められるので、外皮が必要以上に膨らみながら伸びる現象による見栄えの不均衡と具材の片側への偏り及び外皮の引きちぎれ(破裂)などの不良の発生が全くなく、その結果、常に一様な大きさの包被食品を製造することができるというメリットがある。
【0013】
また、外皮内に具材を詰め込み終え、且つ、突起状の封着部を形成し終えると、エアシリンダの作動によるリンクバーの後退により外皮の伸び止め用シャッタの先端部が拡がって外皮の側面の受け止めが解除されるので、外皮内に具材が詰め込まれた包被食品の排出もまた非常に行いやすいというメリットがある。
【0014】
その一方で、本発明は、前記包被食品の伸び止め装置に配備される幅調節手段を操作して外皮の伸び止め用シャッタの先端部が縮まりながら形成される幅が非常に手軽に調節可能であるので、様々な種類及び大きさに対応する包被食品を手軽に製造することができるというメリットがある。
【0015】
したがって、本発明は、様々な種類及び大きさに対応する包被食品を製造することができ、製造に際して外皮の伸びに起因する色々な問題の発生なしに、見栄えがよく、大きさが一様な良質の包被食品を非常に手軽に量産することのできる極めて画期的な発明であるということはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置が設けられた包被食品製造機の一つの構成状態図である。
図2】本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置が設けられた包被食品製造機の一つの構成状態図である。
図3】本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置が設けられた包被食品製造機の一つの構成状態図である。
図4】本発明の一つの構成状態図であって、外皮の伸び止め用シャッタの先端部を所定の幅Dまで縮めた状態を示す平面斜視図である。
図5】本発明の一つの構成状態図であって、外皮の伸び止め用シャッタの先端部を所定の幅Dまで縮めた状態を示す底面斜視図である。
図6】本発明の一つの構成状態図であって、外皮の伸び止め用シャッタの先端部を所定の幅Dまで拡げた状態を示す平面斜視図である。
図7】本発明の一つの構成状態図であって、外皮の伸び止め用シャッタの先端部を所定の幅Dまで拡げた状態を示す底面斜視図である。
図8】本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置の断面図である。
図9】本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置の底面図である。
図10】本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置の使用状態を説明するための図であって、具材の供給前の初期の状態図である。
図11】本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置の使用状態を説明するための図であって、具材を具材詰め込み筒に詰め込むときの状態図である。
図12】本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置の使用状態を説明するための図であって、具材を外皮内に供給するときの状態図である。
図13】本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置の使用状態を説明するための図であって、具材の詰め込み後に外皮の上端を寄せ集め、この寄せ集め部を突起状の封着部が形成されるように封着して包被食品を完成した状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面の図1から図13に基づいて、本発明の実施形態について詳しく説明する。後述する実施形態は、単に本発明の理解への一助となるために例示するものに過ぎず、本発明は、ここで説明される実施形態とは異なるように、種々に変形されて実施できるということが理解されるべきである。ただし、本発明について説明するにあたって、関連する公知の機能もしくは構成要素についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする虞があると認められる場合、その詳細な説明及び具体的な図示を省略する。なお、添付図面は、発明の理解への一助となるために実際の縮尺の通りに示されたものではなく、一部の構成要素の寸法が誇張されて示されてもよい。
【0018】
本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置は、包被食品製造機10に設けられた具材詰め込み装置20の下側に配設され、様々な形状に形成される外皮供給装置(図示せず)から円板状の外皮2を供給された後、同様に様々な形状に形成される具材詰め込み装置20を用いて具材1を詰め込んだ後、シャッタ130に配備されたシャッタ刃131を用いて円形状の外皮2の周縁部を突起状の封着部が形成されるように封着し、シャッタ装置100の下側に一体形に配備される包被食品の伸び止め装置200が、具材の詰め込みの際に包被食品の外皮2が外方に所定の幅Dに見合う分しか伸びないように拘束することで、外皮の伸び過ぎに起因して生じる色々な問題を完璧に防ぐことにより、外皮2の伸びなしに常に見栄えがよく、大きさが一様である他、中身の具材がたっぷり入っている包被食品を製造するうえで用いられるところにその特徴がある。
【0019】
すなわち、本発明は、包被食品製造機10を構成する本体フレームに水平に設けられるシャッタ支持板11の上側に固設されて具材詰め込み装置20により外皮2内に具材を詰め込んだ後、モータ又は油空圧シリンダと連動自在に設けられたリンクバー110を前進させてシャッタ作動リング120を回転させてシャッタ130のシャッタ刃131の部分が拡縮しながら外皮2の周縁部を突起状の封着部が形成されるように封着した包被食品を製造するようにシャッタ装置100を構成し、前記シャッタ装置100、さらに詳しくは、前記シャッタ支持板11の下側に具材を詰め込むときには、エアシリンダ210の作動によるリンクバー220の前進によりシャッタ作動リング230を回転させて外皮の伸び止め用シャッタ240の先端部241が所定の幅Dまで縮まって外皮2が伸びないように受け止め、外皮2内に具材1を詰め込み終え、且つ、突起状の封着部を形成し終えると、エアシリンダ210の作動によるリンクバー220の後退により外皮の伸び止め用シャッタ240の先端部241が拡がって外皮2内に具材1が詰め込まれて出来上がった包被食品の排出を行いやすくした包被食品の伸び止め装置200を一体形にさらに設けて、常に見栄えがよく、大きさが一様である他、中身の具材がたっぷり入っている包被食品を製造できるようになっているものである。
【0020】
ここで、前記外皮の伸び止め用シャッタ240は、様々な形状に設けられてもよく、本発明においては、シャッタ支持板11に穿設された孔11aの外側にシャッタ240の中間部分がヒンジ242で結合され、シャッタ240の後端は、エアシリンダ210により前後進するリンクバー220の先端が連結されたシャッタ作動リング230の上面に後端をヒンジ243で結合して、エアシリンダ210の作動によるシャッタ作動リング230の正逆転により外皮の伸び止め用シャッタ240の先端部241が所定の幅まで縮まったり、あるいは、先端部241が拡がったりするようになっている。
【0021】
また、前記包被食品の伸び止め装置200は、エアシリンダ210の作動によりリンクバー220を前進させて外皮の伸び止め用シャッタ240の先端部241が所定の幅Dまで縮まって外皮2が伸びないように受け止め、エアシリンダ210とリンクバー220とを幅調節手段300と連動自在に設けて幅調節手段300の操作により外皮の伸び止め用シャッタ240の先端部241が縮まりながら形成される幅Dが調節可能になっていてもよく、前記幅調節手段300は、サポートブラケット310にノブ321により回転するスクリュ320を軸設するが、このスクリュ320の後端には、スクリュ320の回転の際に前後に搬送されるように搬送ブロック330を螺着し、前記エアシリンダ210のロッド211の先端には、搬送ブロック330を貫通するリンクバー220の後端を連結するが、後端部の外縁にストッパ225を固設して、エアシリンダ210の作動によりリンクバー220の前進の際にストッパ225が搬送ブロック330に押し当てられると、リンクバー220の前進が止まるようになっていて、搬送ブロック330の前後に搬送された距離に見合う分だけリンクバー220の前進が制限されて外皮の伸び止め用シャッタ240の先端部241が縮まりながら形成される幅Dが調節可能になっている。
【0022】
さらに、前記幅調節手段300には、搬送ブロック330を前後に搬送可能なスクリュ320の回転を拘束するロックノブ340をさらに設けて、ロックノブ340を緩めた状態でスクリュ320を回転させて搬送ブロック330を前後に搬送した後、ロックノブ340を締めてスクリュ320が回転しないようにすることで、搬送ブロック330が搬送された位置に固定されるようになっていてもよい。
【0023】
その一方で、本発明は、前記搬送ブロック330の表面に指示線330aを形成し、前記サポートブラケット310に配備されるガイドブロック311には、搬送ブロック330の移動距離を確認可能な移動距離表示用目盛付き定規311aを形成して、搬送ブロック330の移動の際に指示線330aを移動距離表示用目盛付き定規311aのどの位置に一致させるかによって、外皮の伸び止め用シャッタ240の先端部241が縮まりながら形成される幅Dを把握できるように構成して、幅Dを調節しやすいようになっていてもよい。
【0024】
以下、上記のような構成を有する本発明包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置の使用状態について詳しく説明する。
【0025】
本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置が設けられた包被食品製造機10を用いて包被食品を製造するためには、まず、製造される包被食品の大きさに応じて、包被食品の伸び止め装置200に配備される幅調節手段300を用いて外皮の伸び止め用シャッタ240の先端部241が縮まりながら外皮の外面を受け止められる幅Dを調節しなければならない。
【0026】
したがって、優先的に、搬送ブロック330を前後に搬送可能なスクリュ320の回転を拘束するロックノブ340を緩めた状態で、ノブ321を回してスクリュ320を回転させて搬送ブロック330を前後に搬送して幅Dを調節し終える。
【0027】
このとき、前記搬送ブロック330の表面に指示線330aを形成し、前記サポートブラケット310に配備されるガイドブロック311には搬送ブロック330の移動距離を確認できる移動距離表示用目盛付き定規311aを形成した場合には、搬送ブロック330の移動の際に指示線330aを移動距離表示用目盛付き定規311aの所定の個所に位置させて外皮の伸び止め用シャッタ240の先端部241が縮まりながら形成される幅Dを調節すればよいので、幅Dを非常に手軽に調節することができる。
【0028】
その後、ロックノブ340を再び締めてスクリュ320が回転しないようにすることで、搬送ブロック330が搬送された位置に強固に固定する。
【0029】
こうすれば、常に一定の幅Dを保つことになる。
【0030】
このように、幅Dを調節し終えると、包被食品製造機10を起動する。
【0031】
すると、様々な形状に形成された外皮供給装置(図示せず)を介して供給される、円板状に平らに延ばされた外皮2が下降して、図10から図11に示すように、シャッタ支持板11に穿設された孔11aの上面に載置される。
【0032】
すると、図12に示すように、前記シャッタ装置100の上側に位置付けられる様々な形状の具材詰め込み装置20が作動しながら、具材1を詰め込むが、このときには、具材詰め込み装置20が下降して外皮2の窪んだ空間に位置付けられるとともに、受け台31が上昇しながらベルト30を持ち上げて外皮2の底面を受け止める。
【0033】
さらに、エアシリンダ210の作動によりリンクバー220を前進させると、シャッタ作動リング230が回転するが、このとき、前記多数の外皮の伸び止め用シャッタ240は、シャッタ支持板11に穿設された孔11aの外側にシャッタ240の中間部分がヒンジ242で結合され、シャッタ240の後端は、エアシリンダ210により前後進するリンクバー220の先端が連結されたシャッタ作動リング230の上面に後端がヒンジ243で結合されているため、リンクバー220が前進するにつれて、シャッタ作動リング231が回転し、このシャッタ作動リング230に後端がヒンジ243で結合されたシャッタ240の先端部241がヒンジ242を中心としていっぺんに内側に回転しながら幅調節手段300により調節された幅Dに見合う分だけ縮まるとともに、外皮2内に具材1が詰め込まれる。
【0034】
したがって、具材1が詰め込まれることにつれて、外皮2は外側に膨らむが、このとき、シャッタ240の先端部の内面に外皮2の外測面が押し当てられながら受け止められるので、外皮2が必要以上に膨らみながら伸びる現象による見栄えの不均衡と具材の片側への偏り及び外皮の引きちぎれ(破裂)などの不良の発生が全くなくなる。
【0035】
さらにまた、既存の包被食品製造機よりも相対的に外皮2内に多い量の具材1を詰め込むことが可能である。
【0036】
したがって、常に見栄えがよく、大きさが一様であることはもとより、既存よりも具材1がさらに多く詰め込まれて、既存よりも風味のよい良質の包被食品を量産することが可能になる。
【0037】
その一方で、具材1を詰め込み終えると、下降していた具材詰め込み装置20が先に上昇し、内部に具材1が詰め込まれた外皮2は、シャッタ装置100に多数配備されたシャッタ130のシャッタ刃131が内側にいっぺんに移動しながら外皮2の上部を寄せ集め、この寄せ集め部を突起状の封着部が形成されるように封着する(図13参照)。
【0038】
その後、シャッタ装置100に配備された多数のシャッタ刃130が元の位置に移動しながら拡がるとともに、エアシリンダ210の作動によるリンクバー220の後退により外皮の伸び止め用シャッタ240の先端部241が拡がって外皮2の側面の受け止めが解除される。
【0039】
そして、次いで、前記受け台31が下降しながらベルト30が下降して、突起状の封着部の形成された包被食品が外部に分離排出される。
【0040】
このように、本発明の包被食品の伸び止め装置付きシャッタ装置が設けられた包被食品製造機10を用いると、前記シャッタ装置100の下側に具材を詰め込むときには、エアシリンダ210の作動によるリンクバー220の前進により多数配備された外皮の伸び止め用シャッタ240の先端部241が所定の幅Dまで縮まって外皮2が伸びないように受け止めるので、外皮2の損傷なしに既存の包被食品製造機よりも相対的に多量の具材1を詰め込むことが可能であり、具材を詰め込み終えると、エアシリンダ210の作動によるリンクバー220の後退により外皮の伸び止め用シャッタ240の先端部241が拡がって外皮2内に具材1が詰め込まれた包被食品が排出され易いので、常に見栄えがよく、大きさが一様であることはもとより、既存よりも具材1がさらに多く詰め込まれて既存よりも風味のよい良質の包被食品を量産してこれを消費者に提供することが可能になる。
【0041】
その一方で、本発明は、前記包被食品の伸び止め装置200に配備される幅調節手段300を操作して外皮の伸び止め用シャッタ240の先端部241が縮まりながら形成される幅Dを非常に手軽に調節することが可能であるので、様々な種類及び大きさに対応する包被食品を手軽に製造することができる。
【0042】
以上述べたように、本発明は、たとえ限定された実施形態と図面により説明されたが、これらの実施形態により何ら限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等な範囲内において種々の修正及び変形を行うことが可能であるということはいうまでもない。
【符号の説明】
【0043】
1 具材
2 外皮
10 包被食品製造機
11 シャッタ支持板
20 具材詰め込み装置
21 具材詰め込み筐体
100 シャッタ装置
110、220 リンクバー
120、230 シャッタ作動リング
130、240 シャッタ
131、241 シャッタ刃
200 伸び止め装置
210 エアシリンダ
211 ロッド
225 ストッパ
242、243 ヒンジ
300 幅調節手段
310 サポートブラケット
311 ガイドブロック
311a 移動距離表示用目盛付き定規
320 スクリュ
321 ノブ
330 搬送ブロック
330a 指示線
340 ロックノブ
図1
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図13