(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】活性分子を送達するためのマイクロセルシステム
(51)【国際特許分類】
A61K 9/00 20060101AFI20220128BHJP
A61M 37/00 20060101ALI20220128BHJP
A61K 31/465 20060101ALN20220128BHJP
A61K 9/70 20060101ALN20220128BHJP
A61K 9/10 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
A61K9/00
A61M37/00 512
A61M37/00 514
A61M37/00 516
A61K31/465
A61K9/70 401
A61K9/70 405
A61K9/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020175953
(22)【出願日】2020-10-20
(62)【分割の表示】P 2019570357の分割
【原出願日】2018-03-23
【審査請求日】2020-10-20
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516101190
【氏名又は名称】イー インク カリフォルニア, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】レイ リウ
(72)【発明者】
【氏名】レンフー チェン
(72)【発明者】
【氏名】イー-ミン カン
(72)【発明者】
【氏名】リン シャオ
(72)【発明者】
【氏名】フイ ドゥ
(72)【発明者】
【氏名】ミン ワン
【審査官】福山 則明
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-510086(JP,A)
【文献】特表2009-544060(JP,A)
【文献】特表2007-535346(JP,A)
【文献】特開2015-151380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 37/00
A61K 9/00-9/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性分子送達システムであって、前記活性分子送達システムは、
複数のマイクロセルであって、各マイクロセルは、活性分子を含む混合物を含み、各マイクロセルは、シール層でシールされている、複数のマイクロセルと、
複数のマイクロニードルを備えているマイクロニードルアレイと、
前記マイクロニードルアレイと前記複数のマイクロセルとの間に配置された圧縮性層とを備え、
前記マイクロニードルは、マイクロセルを貫通し、それによって、前記シール層を穿刺し、前記マイクロセルから前記活性分子を放出するように構成されている、活性分子送達システム。
【請求項2】
前記複数のマイクロニードルは、ポリマー、金属、
または半導
体から形成される、請求項1に記載の活性分子送達システム。
【請求項3】
前記複数のマイクロニードルは、中実である、請求項1に記載の活性分子送達システム。
【請求項4】
前記複数のマイクロニードルは、中空である、請求項1に記載の活性分子送達システム。
【請求項5】
前記複数のマイクロニードルは、
前記マイクロニードルの側面に開口部を備える、請求項1に記載の活性分子送達システム。
【請求項6】
前記開口部は、前記活性分子が前記マイクロニードルの側面から前記
マイクロニードルの管腔の中に通り、そして先端から外に、前記送達システムが取り付けられている表面の中に入ることを可能にする、請求項
5に記載の活性分子送達システム。
【請求項7】
前記圧縮性層は、ゲルまたは泡を含む圧縮性材料を含む、請求項1に記載の活性分子送達システム。
【請求項8】
前記ゲルまたは泡がポリマーを含む、請求項
7に記載の活性分子送達システム。
【請求項9】
ポリマーがポリエチレンである、請求項
8に記載の活性分子送達システム。
【請求項10】
前記圧縮性層は、ガスが充填されたブラダを含む圧縮性材料を含む、請求項1に記載の活性分子送達システム。
【請求項11】
圧力が前記
送達システムの
カプセル化基材に対して加えられるにつれて前記ガスが充填されたブラダが変形するかまたは折れ曲がる、請求項
10に記載の活性分子送達システム。
【請求項12】
前記マイクロニードルアレイ、前記圧縮性層および前記複数のマイクロセルがカプセル化基材によって被覆されている、請求項1に記載の活性分子送達システム。
【請求項13】
前記カプセル化基材が、エラストマ材料
からなる、請求項
12に記載の活性分子送達シス
テム。
【請求項14】
前記シール層が多孔性である、請求項1に記載の活性分子送達システム。
【請求項15】
前記シール層は、アクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、非結晶性ナイロン、配向ポリエステル、テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、
またはヒドロキシメチルセルロー
スを含む、請求項1に記載の活性分子送達システム。
【請求項16】
前記複数のマイクロセルは、第1のマイクロセルおよび第2のマイクロセルを含み、ここで、前記第1のマイクロセルは、第1の活性分子を含み、そして前記第2のマイクロセルは、前記第1の活性分子と異なる第2の活性分子を含む、請求項1に記載の活性分子送達システム。
【請求項17】
前記活性分子は、生体適合性非極性液体中にまたは水性液体中に分散させられている、請求項1に記載の活性分子送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国仮出願第62/475,924号(2017年3月24日出願)に対する優先権を主張し、上記出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
医薬品の経皮送達は、皮膚障壁を横断して移動することが可能である薬物のために効果的であることが証明されている。例えば、少量のニコチンが、エチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体中にニコチンを懸濁させる経皮パッチを用いて、長期間にわたって送達されることができる。例えば、GlaxoSmithKline(Brentford,UK)によるNicoderm-CQ(登録商標)を参照されたい。商業的に利用可能な経皮パッチの大部分のものは、わずか1つの薬物、またはオキシコドンおよびトコフェロール等の貯蔵に適合する薬物の組み合わせを伴うマトリクスを含む。例えば、Phosphagenics,Ltd.(Melbourne,AU)からのTPM/オキシコドンパッチを参照されたい。それにもかかわらず、多成分パッチの有効性は、成分が相互作用するので、時間に伴って低下し得る。例えば、ロチゴチン経皮パッチ(Nuepro(登録商標),UCB,Inc.,Smyrna,GA)における結晶化の報告書を参照されたい。
【0003】
組み合わせられた状態で最良に投与されるいくつかの薬剤が存在するので、同一の経皮システムからの複数の活性成分の同時送達を可能にする単純(かつ安価)な送達システムの必要性が、存在する。加えて、経皮パッチが皮膚にはり付けられた後しばらくして、送達が要求に応じて遂行され得る場合、それは、有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、活性分子の組み合わせが同一のデバイスを用いて投与されることができる経皮送達システムを提供することによって、これらの必要性に対処する。加えて、本発明のシステムは、異なる濃度および/または異なる体積の活性分子の同一の送達システムからの送達を可能にする。
【0005】
したがって、ある側面では、本発明は、複数のマイクロセルを含む活性分子送達システムである。マイクロセルは、正方形、円形、またはハニカム構造等の多角形であり得る。各マイクロセルは、多孔性拡散層によって覆われた開口部を含む。多孔性拡散層は、アクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、非結晶性ナイロン、配向ポリエステル、テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、またはポリスチレン等の種々の材料から構成され得る。典型的には、各マイクロセルは、100nLを上回る容積を有し、多孔性拡散層は、1nm~100nmの平均細孔サイズを有する。
【0006】
一実施形態では、システムは、少なくとも第1のマイクロセルと、第2のマイクロセルとを含み、第1のマイクロセルは、第1の活性分子を含み、第2のマイクロセルは、第1の活性分子と異なる第2の活性分子を含む。別の実施形態では、システムは、少なくとも第1のマイクロセルと、第2のマイクロセルとを含み、第1のマイクロセルは、第1の濃度の活性分子を含み、第2のマイクロセルは、第1の濃度と異なる第2の濃度の活性分子
を含む。別の実施形態では、システムは、少なくとも第1のマイクロセルと、第2のマイクロセルとを含み、第1のマイクロセルは、活性分子を含む第1の体積の溶液を含み、第2のマイクロセルは、活性分子を含む第2の体積の溶液を含み、2つの体積は、異なる。別の実施形態では、システムは、少なくとも第1のマイクロセルと、第2のマイクロセルとを含み、第1のマイクロセルは、第1のマイクロセルの開口部を覆う多孔性拡散層の一部における第1の厚さを含み、第2のマイクロセルは、第2のマイクロセルの開口部を覆う多孔性拡散層の一部における第2の厚さを含み、2つの厚さは、異なる。別の実施形態では、システムは、少なくとも第1のマイクロセルと、第2のマイクロセルとを含み、第1のマイクロセルの開口部を覆う多孔性拡散層の平均細孔サイズは、第2のマイクロセルの開口部を覆う多孔性拡散層の平均細孔サイズと異なる。種々のタイプおよび濃度の活性分子に加え、活性分子と、ビタミン、補助薬等の別の有用な化合物とを含むシステムを調製することも、可能である。活性分子、薬品、および濃度の他の組み合わせも、当業者に明白であろう。
【0007】
いくつかの実施形態では、活性分子は、植物油、果実油、または堅果油等の生体適合性非極性液体中に分散させられる。他の実施形態では、活性分子は、水または水性緩衝液等の水性液体中に分散させられる。混合物は、電荷制御剤、界面活性剤、栄養剤、および補助薬も含み得る。典型的には、活性分子は、医薬化合物であるが、しかしながら、本発明のシステムは、ホルモン、栄養補助食品、タンパク質、核酸、抗体、またはワクチンを送達するために使用されることができる。
【0008】
別の側面では、システムは、シール層でシールされた複数のマイクロセルと、マイクロセルを貫通し、それによって、シール層を穿刺し、マイクロセルから活性分子を放出するように構成されたマイクロニードルを含むマイクロニードルアレイとを含むように説明される。そのようなシステムは、加えて、マイクロニードルアレイと複数のマイクロセルとの間に配置された圧縮性層を含む。いくつかの実施形態では、送達システムは、加えて、シール層に隣接した接着層を含む。シール層は、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、非結晶性ナイロン、配向ポリエステル、テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、またはポリスチレンであり得る。いくつかの実施形態では、マイクロニードルは、マイクロセルを通して全体を横断するために十分な長さを提供するように、長さが少なくとも10μm、例えば、長さが少なくとも20μm、長さが少なくとも50μm、長さが少なくとも70μmである。加えて、マイクロニードルは、中空であり、送達システムに隣接する表面の中へのマイクロニードルを通した活性分子の通路を提供し得る。いくつかの実施形態では、圧縮性層は、ブラダ、泡、またはヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、活性分子送達システムは、物理的破壊からシステムを保護し、送達システムを表面に対して固定された状態に保つためのカプセル化基材も含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、多孔性拡散層を含む複数のマイクロセルを含む活性分子送達システムのある実施形態を図示し、異なる活性分子が、異なるマイクロセルの中に含まれる。
【0010】
【
図2】
図2は、多孔性拡散層を含む複数のマイクロセルを含む活性分子送達システムのある実施形態を図示し、異なるマイクロセルが、異なる容積を有する。
【0011】
【
図3】
図3は、多孔性拡散層を含む複数のマイクロセルを含む活性分子送達システムのある実施形態を図示し、異なるマイクロセルへの開口部が、異なる平均細孔サイズを有する多孔性拡散層によって覆われる。
【0012】
【
図4】
図4は、ロールツーロールプロセスを使用して本発明のマイクロセルを作製するための方法を示す。
【0013】
【
図5-1】
図5Aおよび5Bは、熱硬化性前駆体でコーティングされた導体膜のフォトマスクを通したフォトリソグラフィ露光を使用した活性分子送達システムのためのマイクロセルの生産を詳述する。
【0014】
【
図5-2】
図5Cおよび5Dは、活性分子送達システムのためのマイクロセルがフォトリソグラフィを使用して製作される代替実施形態を詳述する。
図5Cおよび5Dでは、上部露光ならびに底部露光の組み合わせが、使用され、不透過性のベース導体膜を通して、1つの横方向の壁が上部フォトマスク露光によって硬化させられ、別の横方向壁が底部露光によって硬化させられることを可能にする。
【0015】
【
図6】
図6A-6Dは、活性分子送達システム内で使用されるべきマイクロセルのアレイを充填かつシールするステップを図示する。
【0016】
【
図7】
図7Aおよび7Bは、マイクロセルと、圧縮性層と、マイクロニードルのアレイとを含む活性分子を送達するためのシステムの使用を図示する。マイクロセル、圧縮性層、およびマイクロニードルの比率は、明確化のために誇張される。
図7Aは、マイクロニードルがマイクロセルを穿刺し、活性分子を放出する前のシステムを示す。
図7Bは、マイクロニードルがマイクロセルの中に、それを通して駆動され、それによって、下方の表面の中に活性分子を放出した後のシステムを示す。
【0017】
【
図8】
図8は、プロトタイプのマイクロセル送達システムと、ポリイソブチレンの層と、アクリル/メタクリル酸共重合体(EUDRAGIT(登録商標),Evonik,Essen,DE)の層とを含む、多孔性拡散層の顕微鏡画像とを示す。
【0018】
【
図9】
図9は、透析膜の二重層(対照)と、本発明のマイクロセルアセンブリとを通した拡散率を測定するためのフランツセルの使用を図示する。
【0019】
【
図10】
図10は、透析膜の二重層(対照)と、本発明のマイクロセルアセンブリとを通したニコチン放出プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、活性分子送達システムを提供し、それによって、活性分子が要求に応じて放出されることができ、および/または、種々の異なる活性分子が同一のシステムから送達されることができ、および/または、異なる濃度の活性分子が同一のシステムから送達されることができる。本発明は、患者に医薬品を経皮的に送達することに非常に好適であるが、しかしながら、本発明は、概して、活性成分を送達するために使用され得る。例えば、本発明は、輸送中、ウマに鎮静薬を送達することができる。活性分子送達システムは、複数のマイクロセルを含み、マイクロセルは、活性分子を含む媒体で充填される。マイクロセルは、開口部を含み、開口部は、多孔性拡散層によって覆われる。マイクロセルアレイは、異なる活性成分が装填され、それによって、要求に応じて、異なるまたは相補的な活性成分を送達するための機構を提供し得る。
【0021】
医薬化合物の経皮送達等のさらなる従来の用途に加えて、活性分子送達システムは、農産用栄養剤を送達するための基礎であり得る。例えば、マイクロセルアレイは、水耕栽培システムと併せて使用され得る大きいシートに製作されることができるか、または、マイ
クロセルアレイは、ヒドロゲルフィルム農法の中に統合されることができる。例えば、Mebiol,Inc.(Kanagawa,Japan)を参照されたい。活性分子送達システムは、スマートパッケージの構造壁の中に組み込まれることもできる。そのような送達システムは、新鮮な野菜を含むパッケージの中への抗酸化剤の長時間放出を行うことを可能にする。この「スマート」パッケージングは、ある食品の貯蔵寿命を劇的に改善し、それは、パッケージが開放されるまで、鮮度を維持するために必要な量の抗酸化剤のみを要求するであろう。したがって、同一のパッケージングが、地域で、国を横断して、または全世界に流通させられる食品のために使用されることができる。
【0022】
本発明は、要求に応じた、活性分子の「カクテル」の単純かつ低コストの送達のためのシステムも提供する。そのような送達システムは、例えば、アレルギー反応を経験している人のための緊急送達システムとして使用され得る。システムは、エピネフリンおよび抗ヒスタミン剤を含み得る。デバイスは、適用され、次いで、活性分子が皮膚に迅速に通されるように始動させられることができる。システムは、特に、遠足等の間に命に関わるアレルゲンにさらされ得る幼児のための予備システムとして効果的であり得る。例えば、蜂刺傷の場合、保護者が、取扱説明書を用いて送達システムを子供にはり付け、デバイスを作動させることができる。デバイスは、比較的に単純であるので、適切な送達プロトコルへの準拠は、例えば、エピペンを上回るであろう。
【0023】
活性分子送達システムの概要が、
図1に示される。システムは、複数のマイクロセル11を含み、各マイクロセルは、活性分子12a/b/cを含む媒体(すなわち、内相)を含む。
図1に示されるように、第1のマイクロセルは、第1の活性分子12aを含み得、第2のマイクロセルは、第2の活性分子12bを含む一方、第3のマイクロセルは、第3の活性分子12cを含む。各マイクロセル11は、下でより詳細に説明されるポリマーマトリクスから形成されるアレイの一部である。活性分子送達システムは、典型的には、基材障壁13を含み、湿気の進入および物理的な相互作用に対する構造的支持および保護を提供するであろう。マイクロセルは、少なくとも1μmの高さである壁14によって画定されるが、それらは、マイクロセルの所望される深度に応じてはるかにより高くあり得る。マイクロセルは、正方形、ハニカム、円形等として配列され得る。マイクロセル11は、アクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、非結晶性ナイロン、配向ポリエステル、テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、またはポリスチレン等の種々の天然もしくは非天然ポリマーから構成され得る多孔性拡散層15によって覆われる開口部を有するであろう。多くの場合、システムは、加えて、活性分子に対して多孔性である接着層16を含むであろう。接着層16は、活性分子送達システムを表面に隣接して保つことを補助する。インクジェットまたは他の流体システムを用いたピコリットル注入法を使用して、個々のマイクロセルは、種々の異なる活性分子が活性分子送達システム中に含まれることを可能にするために充填されることができる。
【0024】
図2は、活性分子送達システムの代替構成を示す。
図2の構成では、マイクロセル27、28、29の異なる深度が、マイクロセルの基部のポリマー量を増加させることによって変動させられる。これは、所望される深度を伴う金型と、下で説明されるエンボス技法とを使用することによって容易に遂行される。他の実施形態では、マイクロセルの幅は、所与のマイクロセル中に含まれることを所望される活性分子を含む溶液の体積に応じて、より大きく、またはより小さくあり得る。
【0025】
図3は、拡散層の多孔性が異なるマイクロセルのために変動させられる活性分子送達システムのさらに別の実施形態を示す。これは、異なるポリマー材料と、微量注入法(例え
ば、シールプロセス(下で説明される)中にインクジェットを使用して)とを使用することによって遂行されることができる。そのようなシステムは、単一の送達システムが、ある期間にわたって種々の濃度の同一または異なる活性分子を投与することを可能にする。例えば、本発明のシステムは、3つの異なる濃度のニコチンを伴う、3つのマイクロセル37、38、39を含み得る。しかしながら、投与時間は、拡散層の多孔性によって制御されるであろう。例えば、起床直後は、最も濃縮された投与量が、最も多孔性である拡散層34を介した第1のマイクロセル37を介して送達され得、その後、第2のマイクロセル38から送達される維持投与量が続き得、次いで、夜間、最も濃縮されていない投与量が、最も多孔性ではない拡散層36を介した第3のマイクロセル39を介して送達されるであろう。
【0026】
当然ながら、種々の組み合わせも、可能であり、種々のマイクロセルが、医薬品、栄養補助食品、補助薬、ビタミン、またはワクチンを含み得る。さらに、マイクロセルの配列は、分散させられないもともある。むしろ、マイクロセルは、まとめて充填され得、それは、充填およびシールをより容易にする。他の実施形態では、より小さいマイクロセルアレイが、同一の媒体、すなわち、同一の濃度の同一の活性分子を有するもので充填され得、次いで、より小さいアレイは、より大きいアレイにまとめられ、本発明の送達システムを作製し得る。
【0027】
(マイクロセルを構成するための技法):マイクロセルは、米国特許第6,933,098号に開示されているようなバッチ式プロセスまたは連続的ロールツーロールプロセスのいずれか一方で形成され得る。後者は、活性分子送達および電気泳動ディスプレイを含む種々の用途における使用のためのコンパートメントの生産のための連続的、低コスト、高処理能力の製造技術を提供する。本発明との使用に好適であるマイクロセルアレイは、
図4に図示されるように、マイクロエンボスを用いて作成されることができる。雄金型20が、
図4に示されるように、ウェブ24の上方か、またはウェブ24の下方(図示せず)のいずれか一方に設置され得るが、しかしながら、代替の配列も、可能である。米国特許第7,715,088号(参照することによって全体として本明細書に組み込まれる)を参照されたい。伝導性基質が、デバイスのための基材となるポリマー基質上に導体膜21を形成することによって、構成され得る。熱可塑性物質、熱硬化性物質、またはその前駆体から成る組成物22が、次いで、導体膜上にコーティングされる。熱可塑性または熱硬化性前駆体層が、ローラ、プレート、もしくはベルトの形態の雄金型によって、熱可塑性または熱硬化性前駆体層のガラス遷移温度より高温でエンボス処理される。
【0028】
マイクロセルの調製のための熱可塑性または熱硬化性前駆体は、多官能アクリレートもしくはメタクリレート、ビニルエーテル、エポキシドおよびオリゴマーまたはそのポリマー等であり得る。多官能性エポキシドおよび多官能アクリレートの組み合わせは、望ましい物理的機械的性質を達成するためにも非常に有用である。ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレート等の可撓性を付与する架橋性オリゴマーが、エンボス処理されたマイクロセルの曲げ抵抗を改善するために追加され得る。組成物は、ポリマーと、オリゴマーと、モノマーと、添加剤とを含み得るか、または、オリゴマーと、モノマーと、添加剤とのみを含み得る。このクラスの材料のためのガラス遷移温度(すなわち、Tg)は、通常、約-70℃~約150℃、好ましくは、約-20℃~約50℃の範囲に及ぶ。マイクロエンボスプロセスは、典型的には、Tgより高温で実行される。加熱された雄金型または金型が押し付けられる加熱された筐体基質が、マイクロエンボスの温度および圧力を制御するために使用され得る。
【0029】
図4に示されるように、マイクロセルのアレイ23をあらわにするために、前駆体層が硬化させられている間またはその後、金型が、取り外される。前駆体層の硬化は、冷却、溶媒蒸発、放射による架橋結合、加熱、または加湿によって遂行され得る。熱硬化性前駆
体の硬化がUV照射によって遂行される場合、UVは、2つの図に示されるように、ウェブの底部または上部から透過性の導体膜上に放射され得る。代替として、UVランプが、金型の内側に設置され得る。この場合、金型は、UV光が、事前にパターン化された雄金型を通して熱硬化性前駆体層上に放射することを可能にするように透過性でなければならない。雄金型は、後にエッチングまたは電気鍍着のいずれか一方が続く、ダイヤモンド旋削プロセスもしくはフォトレジストプロセス等の任意の適切な方法によって調製され得る。雄金型のためのマスタテンプレートが、電気鍍着等の任意の適切な方法によって製造され得る。電気鍍着を用いて、ガラス基部が、クロムインコネル等のシード金属の薄層(典型的には、3,000Å)でスパッタリング処理される。金型は、次いで、フォトレジスト層でコーティングされ、UVに露光される。マスクが、UVとフォトレジスト層との間に設置される。フォトレジストの露光エリアが、硬化させられる。非露光エリアが、次いで、適切な溶媒を用いてそれらを洗浄することによって除去される。残っている硬化フォトレジストが、乾燥させられ、再び、シード金属の薄層でスパッタリング処理される。マスタテンプレートは、次いで、電鋳できる状態になる。電鋳のために使用される典型的材料は、ニッケルコバルトである。代替として、マスタテンプレートは、電鋳または無電解ニッケル析出によって、ニッケルから作製されることができる。金型の床は、典型的には、約50~400ミクロンである。マスタテンプレートは、1997年のSPIE Proc.のVol.3099の76-82ページの「Replication techniques for micro-optics」に説明されるような、電子ビーム描画、乾式エッチング、化学エッチング、レーザ描画、またはレーザ干渉を含む他のマイクロエンジニアリング技法を使用して作製されることもできる。代替として、金型は、プラスチック、セラミック、または金属を使用して、光機械加工によって作製されることができる。
【0030】
UV硬化性樹脂組成物を適用することに先立って、金型は、離型プロセスを補助するための離型剤を用いて処置され得る。UV硬化性樹脂は、分注されることに先立って、脱気され得、随意に、溶媒を含み得る。溶媒は、存在する場合、容易に蒸発する。UV硬化性樹脂は、コーティング、浸漬、注入等の任意の適切な手段によって分注される。ディスペンサは、移動式または固定式であり得る。導体膜が、UV硬化性樹脂上に重ねられる。必要である場合、圧力が、樹脂とプラスチックとの間の適切な接合を確実にするために、かつマイクロセルの床の厚さを制御するために加えられ得る。圧力は、ラミネートローラ、真空成型、プレス加工デバイス、または任意の他の同様の手段を使用して加えられ得る。雄金型が、金属であり、不透過性である場合、プラスチック基質は、典型的には、樹脂を硬化させるために使用される化学線に対して透過性である。逆に、雄金型が、透過性であり得る場合、プラスチック基質は、化学線に対して不透過性であり得る。成型された特徴の移送シート上への良好な転写を得るために、導体膜は、金型表面に対する良好な離型性質を有するべきUV硬化性樹脂への良好な粘着力を有する必要がある。
【0031】
(フォトリソグラフィ):マイクロセルは、フォトリソグラフィを使用して生産されることもできる。マイクロセルアレイを製作するためのフォトリソグラフィプロセスが、
図5Aおよび5Bに図示される。
図5Aおよび5Bに示されるように、マイクロセルアレイ40は、公知の方法によって導体電極フィルム42上にコーティングされた放射線硬化性材料41aのマスク46を通したUV光(または代替として、他の形態の放射線、電子ビーム等)への露光によって調製され、マスク46を通して投影された画像に対応する壁41bを形成し得る。ベース導体膜42は、好ましくは、塑性材料を備え得る支持基質ベースウェブ43上に搭載される。
【0032】
図5Aのフォトマスク46において、暗色の正方形部44が、不透過性エリアを表し、暗色の正方形部の間の空間が、マスク46の透過性エリア45を表す。UVは、透過性エリア45を通して放射線硬化性材料41a上に放射する。露光が、好ましくは、直接、放
射線硬化性材料41a上に実施され、すなわち、UVは、基質43またはベース導体42を通過しない(上部露光)。この理由のために、基質43または導体42のいずれも、UVまたは他の採用される放射線波長に対して透過性である必要はない。
【0033】
図5Bに示されるように、露光エリア41bが、硬化し、非露光エリア(マスク46の不透過性エリア44によって保護される)が、次いで、適切な溶媒または現像液によって除去され、マイクロセル47を形成する。溶媒または現像液は、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、アセトン、イソプロパノール等の放射線硬化性材料を分解またはその粘性を低減させるために一般的に使用されるものから選択される。マイクロセルの調製は、導体膜/基質支持ウェブの真下にフォトマスクを設置することによって同様に遂行され得、この場合、UV光は、フォトマスクを通して底部から放射し、基質は、放射に対して透過性である必要がある。
【0034】
(画像様露光):画像様露光による、本発明のマイクロセルアレイの調製のためのさらに別の代替方法が、
図5Cおよび5Dに図示される。不透過性の導体ラインが使用されるとき、導体ラインは、底部からの露光のためのフォトマスクとして使用されることができる。耐久性マイクロセル壁が、導体ラインに対して垂直である不透過性ラインを有する第2のフォトマスクを通した、上部からの追加の露光によって形成される。
図5Cは、本発明のマイクロセルアレイ50を生産するための上部および底部露光原理の両方の使用を図示する。ベース導体膜52は、不透過性であり、線状パターン化されている。ベース導体52および基質53上にコーティングされた放射線硬化性材料51aが、第1のフォトマスクとしての役割を果たす導体の線状パターン52を通して、底部から露光される。第2の露光が、導体ライン52に対して垂直である線状パターンを有する第2のフォトマスク56を通して、「上」面から実施される。ライン54の間の空間55は、UV光に対して実質的に透過性である。このプロセスにおいて、壁材料51bが、底部から上に、1つの横向きに硬化させられ、かつ上部から下に、垂直方向に硬化させられ、接合して一体型のマイクロセル57を形成する。
図5Dに示されるように、非露光エリアが、次いで、上で説明されるように、溶媒または現像液によって除去され、マイクロセル57をあらわにする。
図5Cおよび5Dに説明される技法は、したがって、異なる壁が、
図3に図示される実施形態のために必要に応じて、異なる多孔性で構成されることを可能にする。
【0035】
マイクロセルは、マイクロセルとの良好な適合性を有し、かつ電気泳動媒体と相互作用しない、熱可塑性エラストマから構成され得る。有用である熱可塑性エラストマの実施例は、ABAおよび(AB)n型のジブロック、トリブロック、ならびにマルチブロック共重合体である(式中、Aは、スチレン、α‐メチルスチレン、エチレン、プロピレン、またはノルボルネンであり、Bは、ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ジメチルシロキサン、もしくはプロピレンスルフィドであり、AおよびBは、化学式において同一であることはできない。数nは、≧1であり、好ましくは1~10である)。特に有用であるものは、SB(ポリ(スチレン-b-ブタジエン))、SBS(ポリ(スチレン-b-ブタジエン-b-スチレン))、SIS(ポリ(スチレン-b-イソプレン-b-スチレン))、SEBS(ポリ(スチレン-b-エチレン/ブチレン-b-スチレン))ポリ(スチレン-b-ジメチルシロキサン-b-スチレン)、ポリ(α-メチルスチレン-b-イソプレン)、ポリ(α-メチルスチレン-b-イソプレン-b-α-メチルスチレン)、ポリ(α-メチルスチレン-b-プロピレンスルフィド-b-α-メチルスチレン)、ポリ(α-メチルスチレン-b-ジメチルシロキサン-b-α-メチルスチレン)等の、スチレンまたはox-メチルスチレンのジブロックもしくはトリブロック共重合体である。(Kraton Polymer,Houston,Tex.からの)Kraton D and G series等の商業的に利用可能なスチレンブロック共重合体は、特に、有用である。ポリ(エチレン-コ-プロピレン-コ-5-メチレン-2-ノルボルネン)等の結晶性ゴムまたは(Exxon Mobil,Houston
,Tex.からの)Vistalon 6505等のEPDM(エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー)ゴム、およびそれらのグラフト共重合体も、非常に有用であることが見出されている。
【0036】
熱可塑性エラストマは、マイクロセル中のディスプレイ流体と非混和性であり、かつディスプレイ流体のそれを下回る比重を示す溶媒または溶媒混合物の中に溶解され得る。低表面張力溶媒は、マイクロセル壁および電気泳動流体に優るそれらのより良好な濡れ性により、オーバーコーティング組成物として好ましい。35ダイン/cmより低い表面張力を有する溶媒または溶媒混合物が、好ましい。30ダイン/cmより低い表面張力が、より好ましい。好適な溶媒は、アルカン(好ましくは、ヘプタン、オクタン、またはExxon Chemical CompanyからのIsopar溶媒、ノナン、デカン等のC6-12シクロアルカンおよびそれらの異性体)、シクロアルカン(好ましくは、シクロヘキサンならびにデカリン等のC6-12シクロアルカンおよび同等物)、アルキルベンゼン(好ましくは、トルエン、キシレン等のモノ-もしくはジ-C1-6アルキルベンゼンならびに同等物)、アルキルエステル(好ましくは、酢酸エチル、酢酸イソブチル等のC2-5アルキルエステルおよび同等物)ならびにC3-5アルキルアルコール(イソプロパノールおよび同等物ならびにそれらの異性体等)を含む。アルキルベンゼンと、アルカンとの混合物は、特に、有用である。
【0037】
ポリマー添加剤に加えて、ポリマー混合物は、湿潤剤(界面活性剤)を含み得る。湿潤剤(3M CompanyからのFC界面活性剤、DuPontからのZonylフッ素系界面活性剤、フルオロアクリレート、フルオロメタクリレート、フルオロ置換長鎖アルコール、ペルフルオロ置換長鎖カルボン酸、およびそれらの誘導体、ならびにOsi(Greenwich,Conn.)からのSilwetシリコーン界面活性剤等)も、マイクロセルへのシーラントの粘着力を改善し、より柔軟なコーティングプロセスを提供するために、組成物中に含まれ得る。架橋剤(例えば、4,4’-ジアジドジフェニルメタンおよび2,6-ジ(4-アジドベンザール)-4-メチルシクロヘキサノン等のビスアジド)、加硫剤(例えば、2-ベンゾチアゾリルジスルフィドならびにテトラメチルチウラムジスルフィド)、多官能性モノマーまたはオリゴマー(例えば、ヘキサンジオール、ジアクリレート、トリメチロールプロパン、トリアクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート)、熱開始剤(例えば、過酸化ジラウロイル、過酸化ベンゾイル)、および光開始剤(例えば、Ciba-Geigyからのイソプロピルチオキサントン(ITX)、Irgacure 651、ならびにIrgacure 369)を含む他の材料も、オーバーコーティングプロセスの間もしくはその後の架橋結合または重合反応によって、シール層の物理的機械的性質を改善するために非常に有用である。
【0038】
マイクロセルは、生産された後、適切な活性分子の混合物で充填される。マイクロセルアレイ60は、上で説明されるような方法のうちの任意のものによって調製され得る。
図6A-6Dの断面図に示されるように、マイクロセル壁61が、基質63から上向きに延び、開放したセルを形成する。マイクロセルは、混合物を不動態化させ、かつマイクロセル材料が活性分子65を含む混合物と相互作用することを避けるためのプライマ層62を含み得る。充填することに先立って、マイクロセルアレイ60は、使用に先立って活性分子が損なわれないことを確実にするために、清掃かつ殺菌され得る。
【0039】
マイクロセルは、次いで、活性分子65を含む混合物64で充填される。
図6Bに示されるように、異なるマイクロセルが、異なる活性分子を含み得る。マイクロセル60は、好ましくは、越流および活性成分との意図しない混合を防止するために、部分的に充填される。疎水性活性分子を送達するためのシステムでは、混合物は、生体適合性油またはある他の生体適合性疎水性キャリアに基づき得る。例えば、混合物は、植物油、果実湯、または堅果油を備え得る。他の実施形態では、シリコーン油が、使用され得る。親水性活性
分子を送達するためのシステムでは、混合物は、水またはリン酸緩衝液等の別の水性媒体に基づき得る。混合物は、液体である必要はないが、しかしながら、ヒドロゲルおよび他の基質が、活性分子65を送達するために好適であり得る。
【0040】
マイクロセルは、種々の技法を使用して充填され得る。多数の隣接したマイクロセルが同じ混合物で充填されることになるいくつかの実施形態では、マイクロセルをマイクロセル壁61の深度まで充填するために、ブレードコーティングが、使用され得る。種々の異なる混合物が種々の近傍のマイクロセルの中に充填されることになる他の実施形態では、マイクロセルを充填するために、インクジェットタイプの微量注入法が、使用されることができる。さらに他の実施形態では、マイクロセルのアレイを正しい混合物で充填するために、マイクロニードルアレイが、使用され得る。充填は、一段階プロセスまたは多段階プロセスで行われ得る。例えば、セル全てが、ある量の溶媒で部分的に充填され得る。部分的に充填されたマイクロセルは、次いで、送達されるべき1つ以上の活性分子を含む、第2の混合物で充填される。
【0041】
図6Cに示されるように、充填の後、マイクロセルは、多孔性拡散層になるポリマー66を適用することによって、シールされる。いくつかの実施形態では、シールプロセスは、熱、乾燥した高温の空気、または紫外線への暴露を伴い得る。大部分の実施形態では、ポリマー66は、混合物64と適合性があるが、混合物64の溶媒によって溶解されない。ポリマー66は、生体適合性でもあり、マイクロセル壁61の側面または上部に接着されるように選択されるであろう。多孔性拡散層のための好適な生体適合性接着剤は、「Method for Sealing Microcell Containers with Phenethylamine Mixtures」と題された2016年10月30日に出願された米国特許出願第15/336,841号(参照することによって全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるもの等のフェネチルアミン混合物である。故に、最終マイクロセル構造は、大部分は、漏出に対して不浸透性であり、かつ多孔性拡散層の層間剥離なく曲がりに耐えることができる。
【0042】
代替実施形態では、種々の個々のマイクロセルが、反復的フォトリソグラフィを使用することによって、所望される混合物で充填され得る。このプロセスは、典型的には、空のマイクロセルのアレイをポジ型フォトレジストの層でコーティングすることと、ポジ型フォトレジストを画像様露光することによって、ある数のマイクロセルを選択的に開放させることとを含み、後に、フォトレジストを現像することと、開放されたマイクロセルを所望される混合物で充填することと、充填されたマイクロセルをシールプロセスによってシールすることとが、続く。これらのステップが、繰り返され、他の混合物で充填された、シールされたマイクロセルを作成し得る。この手技は、所望の比率または濃度の混合物を有するマイクロセルの大きいシートの形成を可能にする。
【0043】
マイクロセル60が充填された後、シールされたアレイは、活性分子に対して多孔性である仕上層68で、好ましくは、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、または熱、湿気、もしくは放射線硬化性接着剤であり得る接着層で仕上層68を事前コーティングすることによって、積層され得る。ラミネート接着剤は、後者のものが放射線に対して透過性である場合、上部導体膜を通したUV等の放射線によって後硬化させられ得る。いくつかの実施形態では、生体適合性接着剤67が、次いで、アセンブリに積層される。生体適合性接着剤67は、デバイスをユーザ上に移動可能な状態に保ちながら、活性分子が通過することを可能にするであろう。好適な生体適合性接着剤は、3M(Minneapolis,MN)から入手可能である。
【0044】
送達システムは、構成されると、物理的衝撃に対する保護を提供するために、カプセル化基材79で被覆され得る。そのようなカプセル化基材79が、
図7A-7Bに示されて
いるが、しかしながら、カプセル化基材79の厚さは、明確化のために誇張されている。カプセル化基材はまた、活性分子送達システムが、例えば、患者の背中にはり付けられた状態であることを確実にするために、接着剤を含み得る。カプセル化基材79はまた、子供向けの審美的着色または楽しい設計を含み得る。
【0045】
(マイクロニードルアレイ/マイクロセルアレイシステム):他の側面では、常温保存可能であり、かつ活性分子の要望に応じた送達を提供する安価な活性分子送達システムを提供することが、有益である。マイクロニードルアレイ71を含む活性分子送達システム70が、
図7Aおよび7Bに示される。マイクロニードルアレイ71は、アセンブリ内のマイクロセルの基質75を貫通し、マイクロセル77を通して移動し、最終的に、マイクロセル77中に活性分子を含む混合物を保持するシール層78を穿刺するように設計される、複数のマイクロニードル72を含む。マイクロニードルは、ポリマー、金属、または半導体から形成されることができ、マイクロニードルは、コンタクトプリンティングで形成されること、エピタキシを用いて成長させられること、フォトリソグラフィを用いて蓄積されること、もしくはイオンビーム蒸着を用いて堆積されることができる。マイクロニードルは、中実または中空であり得る。マイクロニードルは、活性分子がマイクロニードルの側面から、針の管腔の中に通り、先端から外に、送達デバイスが取り付けられる表面の中に入ることを可能にする開口部とともに形成されることができる。
【0046】
マイクロニードルアレイ71とマイクロセルの基質75との間に、圧縮性材料74が配置され(
図7Aおよび7Bを比較)、圧縮性材料74は、変形し、マイクロニードルアセンブリ71がマイクロセルの中に進行することを可能にするように設計される。圧縮性材料74は、ゲルまたは発泡体であり得る。ゲルまたは発泡体は、ポリエチレン等のポリマー材料を含み得る。代替として、圧縮性材料74は、ユーザによって圧力がマイクロセルアセンブリの背面に対して加えられるにつれて単に変形または折れ曲がるガスが充填されたブラダであり得る。マイクロニードルアレイ71、圧縮性材料74、およびマイクロセルは、エラストマ材料から形成され、活性分子送達システムが圧縮され、マイクロニードル72がマイクロセルを通して駆動されるにつれて曲がることを可能にし得るカプセル化基材79によって被覆される。
【0047】
シール層78は、いくつかの用途では、多孔性であり得るが、しかしながら、シール層78が、マイクロセル77内に含まれる任意の流体が、シール層78がマイクロニードル72によって穿刺されるまで逃散することを防止する障壁を形成することが、より一般的であるであろう。シール層78は、多孔性拡散層に関して上で列挙される材料のうちの任意のものから構成され得る。加えて、シール層78は、ポリビニルピロリドンおよびヒドロキシメチルセルロースから構成されることができる。
図7Aおよび7Bに描写されるように、マイクロセル77は、異なる活性分子を伴う混合物を含むが、しかしながら、異なるマイクロセルは、上で議論されるように、異なる濃度の同一の活性分子または他の組み合わせを含み得る。事実上、上で説明される活性分子送達システムのいずれかが、マイクロニードルアレイと結合され、活性分子送達システムの要望に応じた作動を可能にし得る。
【0048】
(実施例)マイクロセル送達システムからのニコチン放出
マイクロセルと、多孔性拡散層とを含む活性分子送達システムが、ニコチンの水溶液の送達を評価するために開発された。
図8は、試験のために使用される送達システムの設計を示す。システム80は、
図4を参照して上で説明されるようなエンボス処理を用いて形成された複数のマイクロセルを含む。マイクロセルは、5%のポリビニルアルコールを含んだ50mg/mlのニコチン水溶液で充填された。充填されたマイクロセルは、次いで、2つの別個のコーティングにおいて堆積された二部式の多孔性拡散層でシールされた。第1の層(すなわち、シール層)が、ポリイソブチレンが850kDの平均分子量を有す
るキシレン中のポリイソブチレンから形成される。ポリイソブチレンが硬化させられると、最終保護コーティングが、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルから導出される共重合体のメチルエチルケトン溶液(Eudragit E100;EVONIC)を発散させることによって適用される。結果として生じる二部式の拡散層が、顕微鏡下で検査され、ポリイソブチレンが厚さ約10μmであり、かつアクリル/メタクリル酸層が約15μmであったことが、決定された。(
図8に示される顕微鏡画像参照。)
【0049】
図8のマイクロセル送達システムの送達率が、フランツセルを使用して評価された。実験装置が、
図9に図示される。概略すると、パイレックス(登録商標)ガラスのフランツセル(PermeGear,Inc.,Hellertown,PA)が、示されるように組み立てられた。対照として、透析管類(Thermo-Fisher,Waltham,MA)の2つの層が、フランツセルの継手において開口部を横断して適合するように切断された。脱イオン水中の500μLの1.3mg/mLニコチン溶液が、セルの上部の中にピペットで移された。これは、フランツセルのドナー側上に、合計装填量約0.7mgのニコチンを提供した。レセプターセルが、5mLの脱イオン水で充填された。ニコチン溶液がドナーセルに導入された後、サンプルが、
図10のグラフに示されるような種々の時点において、レセプターセルから除去された。サンプルは、後に、二重の層障壁を通過し、それによって、
図10において正方形によって表されるデータ点をもたらしたニコチンの合計量を決定するために分析された。
【0050】
上で説明される(50mg/mlのニコチンで充填された)マイクロセル送達システムは、透析管類の二重層を除去し、フランツセルを清掃し、マイクロセルアセンブリを縮径継手に設置することによって評価された。マイクロセルアセンブリの合計面積は、約0.8cm
2であり、合計体積約1.4μLの50mg/mlニコチン溶液、すなわち、合計装填量約0.07mgのニコチンをもたらした。前述のように、レセプターセルが、5mLの脱イオン水で充填され、サンプルが、
図10のグラフに示されるような種々の時点において、レセプターセルから除去された。結果として生じたデータが、
図10に、円形によって表される。
【0051】
図10に見られ得るように、マイクロセルアセンブリは、そのニコチンを、透析管類(対照)よりはるかにより急速かつより効率的に放出した。
図10に関して、マイクロセル送達システムに関して、レセプターセルが、数時間またはそれを下回る時間内でニコチンの定常状態濃度を達成した一方、対照は、24時間を上回る時間より後になっても安定しなかったことが明確である。さらに、約10分の1の量の薬物装填量を有したにもかかわらず、マイクロアセンブリは、対照によって送達された総ニコチンのほぼ3分の1を送達した。すなわち、マイクロセルアセンブリは、レセプターセルの中へのニコチンの到達において、約90%の効率を達成した一方、対照は、24時間後に約30%の効率を達成したのみであった。マイクロセル送達システムの速度および有効性は、これが、ニコチンに類似する水溶性を伴う、モルヒネならびにオキシコドン等のアルカロイド系鎮痛剤を投与するために非常に効果的であり得ることを示唆する。
【0052】
したがって、本発明は、複数のマイクロセルを含む活性分子送達システムを提供する。マイクロセルは、異なる活性分子または異なる濃度の活性分子を含み得る。マイクロセルは、多孔性拡散層によって覆われた開口部を含む。活性分子の要求に応じた送達を有するために低コスト方法を提供するマイクロセル送達システムは、マイクロニードルアレイを用いて補完され得る。本開示は、限定するものではなく、説明されてはいないが、当業者に自明である本発明への他の修正も、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0053】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
活性分子送達システムであって、
前記活性分子送達システムは、第1のマイクロセルと第2のマイクロセルとを含む複数のマイクロセルを備え、各マイクロセルは、多孔性拡散層によって覆われた開口部を含み、
前記第1のマイクロセルは、第1の活性分子を含み、
前記第2のマイクロセルは、前記第1の活性分子と異なる第2の活性分子を含む、活性分子送達システム。
(項2)
前記多孔性拡散層に隣接した接着層をさらに備えている、請求項1に記載の活性分子送達システム。
(項3)
前記多孔性拡散層は、アクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、非結晶性ナイロン、配向ポリエステル、テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、またはポリスチレンを含む、上記項1に記載の活性分子送達システム。
(項4)
前記第1または前記第2の活性分子は、生体適合性非極性液体中に分散させられている、上記項1に記載の活性分子送達システム。
(項5)
前記第1または前記第2の活性分子は、水性液体中に分散させられている、上記項1に記載の活性分子送達システム。
(項6)
前記第1または前記第2の活性分子は、医薬化合物である、上記項1に記載の活性分子送達システム。
(項7)
前記複数のマイクロセルの各々は、100nLを上回る容積を有する、上記項1に記載の活性分子送達システム。
(項8)
前記多孔性拡散層は、10nm~100μmの平均細孔サイズを有する、上記項1に記載の活性分子送達システム。
(項9)
前記第1のマイクロセルの前記開口部を覆っている前記多孔性拡散層の一部は、前記第2のマイクロセルの前記開口部を覆っている前記多孔性拡散層の一部より厚い、上記項1に記載の活性分子送達システム。
(項10)
前記第1のマイクロセルの前記開口部を覆っている前記多孔性拡散層の一部は、前記第2のマイクロセルの前記開口部を覆っている前記多孔性拡散層の一部より小さい平均細孔サイズを有する、上記項1に記載の活性分子送達システム。
(項11)
前記第1のマイクロセルの容積は、前記第2のマイクロセルの容積より小さい、上記項1に記載の活性分子送達システム。
(項12)
活性分子送達システムであって、
前記活性分子送達システムは、第1のマイクロセルと第2のマイクロセルとを含む複数のマイクロセルを備え、各マイクロセルは、多孔性拡散層によって覆われた開口部を含み、
前記第1のマイクロセルは、第1の濃度の前記活性分子を含み、
前記第2のマイクロセルは、前記第1の濃度と異なる第2の濃度の前記活性分子を含む、活性分子送達システム。
(項13)
前記多孔性拡散層に隣接した接着層をさらに備えている、上記項12に記載の活性分子送達システム。
(項14)
前記多孔性拡散層は、アクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、非結晶性ナイロン、配向ポリエステル、テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、またはポリスチレンを含む、上記項12に記載の活性分子送達システム。
(項15)
前記活性分子は、生体適合性非極性液体中に分散させられている、上記項12に記載の活性分子送達システム。
(項16)
前記活性分子は、水性液体中に分散させられている、上記項12に記載の活性分子送達システム。
(項17)
前記活性分子は、医薬化合物である、上記項12に記載の活性分子送達システム。
(項18)
前記複数のマイクロセルの各々は、100nLを上回る容積を有する、上記項12に記載の活性分子送達システム。
(項19)
前記多孔性拡散層は、10nm~100μmの平均細孔サイズを有する、上記項12に記載の活性分子送達システム。
(項20)
前記第1のマイクロセルの前記開口部を覆っている前記多孔性拡散層の一部は、前記第2のマイクロセルの前記開口部を覆っている前記多孔性拡散層の一部より厚い、上記項12に記載の活性分子送達システム。
(項21)
前記第1のマイクロセルの前記開口部を覆っている前記多孔性拡散層の一部は、前記第2のマイクロセルの前記開口部を覆っている前記多孔性拡散層の一部より小さい平均細孔サイズを有する、上記項12に記載の活性分子送達システム。
(項22)
前記第1のマイクロセルの容積は、前記第2のマイクロセルの容積より小さい、上記項12に記載の活性分子送達システム。
(項23)
活性分子送達システムであって、
前記活性分子送達システムは、活性分子を含む第1および第2のマイクロセルを含む複数のマイクロセルを備え、
前記第1のマイクロセルは、第1の平均細孔サイズの第1の多孔性拡散層によって覆われた開口部を含み、
前記第2のマイクロセルは、前記第1の平均細孔サイズと異なる第2の平均細孔サイズの第2の多孔性拡散層によって覆われた開口部を含む、活性分子送達システム。
(項24)
前記第1および第2の多孔性拡散層に隣接した接着層をさらに備えている、上記項23に記載の活性分子送達システム。
(項25)
前記第1または前記第2の多孔性拡散層は、アクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、非結晶性ナイロン、配向ポリエステル、テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、またはポリスチレンを含む、上記項23に記載の活性分子送達システム。
(項26)
前記活性分子は、生体適合性非極性液体中に分散させられている、上記項23に記載の活性分子送達システム。
(項27)
前記活性分子は、水性液体中に分散させられている、上記項23に記載の活性分子送達システム。
(項28)
前記活性分子は、医薬化合物である、上記項23に記載の活性分子送達システム。
(項29)
前記複数のマイクロセルの各々は、100nLを上回る容積を有する、上記項23に記載の活性分子送達システム。
(項30)
前記第1または前記第2の多孔性拡散層は、10nm~100μmの平均細孔サイズを有する、上記項23に記載の活性分子送達システム。
(項31)
前記第1の多孔性拡散層は、前記第2の多孔性拡散層より厚い、上記項23に記載の活性分子送達システム。
(項32)
前記第1のマイクロセルの容積は、前記第2のマイクロセルの容積より小さい、上記項23に記載の活性分子送達システム。
(項33)
活性分子送達システムであって、前記活性分子送達システムは、
複数のマイクロセルであって、各マイクロセルは、活性分子を含む混合物を含み、各マイクロセルは、シール層でシールされている、複数のマイクロセルと、
複数のマイクロニードルを備えているマイクロニードルアレイと、
前記マイクロニードルアレイと前記複数のマイクロセルとの間に配置された圧縮性層と
を備え、
前記マイクロニードルは、マイクロセルを貫通し、それによって、前記シール層を穿刺し、前記マイクロセルから前記活性分子を放出するように構成されている、活性分子送達システム。
(項34)
前記シール層に隣接した接着層をさらに備えている、上記項33に記載の活性分子送達システム。
(項35)
前記シール層は、アクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、非結晶性ナイロン、配向ポリエステル、テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、またはポリスチレンを含む、上記項33に記載の活性分子送達システム。
(項36)
前記活性分子は、生体適合性非極性液体中に分散させられている、上記項33に記載の活性分子送達システム。
(項37)
前記活性分子は、水性液体中に分散させられている、上記項33に記載の活性分子送達システム。
(項38)
前記活性分子は、医薬化合物である、上記項33に記載の活性分子送達システム。
(項39)
前記複数のマイクロセルの各々は、100nLを上回る容積を有する、上記項33に記載の活性分子送達システム。
(項40)
前記マイクロニードルは、長さが少なくとも10μmである、上記項33に記載の活性分子送達システム。
(項41)
前記マイクロニードルは、中空であり、皮膚の中への前記活性分子の通路を提供する、上記項33に記載の活性分子送達システム。
(項42)
前記圧縮性層は、ブラダ、泡、またはヒドロゲルを含む、上記項33に記載の活性分子送達システム。
(項43)
カプセル化基材をさらに備えている、上記項33に記載の活性分子送達システム。