(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】RF送信アセンブリを構成する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20220111BHJP
G01N 24/08 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A61B5/055 351
A61B5/055 370
G01N24/08 510D
G01N24/08 510Y
(21)【出願番号】P 2020568562
(86)(22)【出願日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 EP2019064742
(87)【国際公開番号】W WO2019238514
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-10-12
(32)【優先日】2018-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】リュースラ クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】バーニッケル ペーター
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/210225(WO,A1)
【文献】特表2017-526513(JP,A)
【文献】特開2002-191577(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0190962(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
G01N 24/00 -24/14
G01R 33/20 -33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数(RF)パルスシーケンスを使用して撮像ゾーン内の被験者から磁気共鳴撮像データを取得する磁気共鳴撮像システム用のRF送信アセンブリを構成する方法であって、前記RF送信アセンブリは、RF増幅器と、送信コイルと、を含み、前記RF送信アセンブリは、構成パラメータのセットで構成可能であり、前記方法は、
前記RF送信アセンブリの動作条件を提供するステップであって、前記動作条件は、少なくとも、前記RFパルスシーケンスの特性と、前記RFパルスシーケンスを使用して前記RF送信アセンブリを動作させるときに前記RFパルスシーケンス特性に影響を及ぼす測定可能なパラメータと、を示し、前記測定可能なパラメータは、周囲温度、前記RF送信アセンブリの冷却水の温度、前記RF増幅器の構成要素の接合部温度、前記送信コイルのコイル負荷
、前記RF送信アセンブリの電源の電源電圧のうちの少なくとも1つを含み、前記動作条件はさらに、被験者の体重、被験者の身長、撮像位置、走査される解剖学的構造を示す、提供するステップと、
前記動作条件に対して、前記構成パラメータのセットの少なくとも一部及び関連する値を決定するために所定の機械学習モデルを使用するステップと、
決定された前記構成パラメータ及び前記関連する値に従って前記RF送信アセンブリを構成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記
RFパルスシーケンスの前記特性は、パルスのピーク電力、平均電力、パルス形状、全持続時間、及び周波数分布のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構成パラメータのセットは、前記RFパルスシーケンスのプリディストーションの指標、前記RF送信アセンブリの所定の点におけるバイアス電圧、ドレイン電圧、前記RF送信アセンブリの整合ネットワークを同調させるための整合パラメータ、前記RF増幅器のトグルスイッチのスイッチ閾値のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記RF送信アセンブリのそれぞれの動作条件に関連して前記構成パラメータのセットを示すトレーニングセットを受信するステップと、
前記トレーニングセットを使用して前記所定の機械学習アルゴリズムをトレーニングし、それによって前記機械学習モデルを生成するステップと、
をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのデータソースから
の収集データを含む前記トレーニングセットを生成するステップと、
それぞれの動作条件に関連して前記構成パラメータのセットを決定するために前記収集データを処理するステップと、
をさらに含み、
前記少なくとも1つのデータソースは、MRIシステムのログファイル、前記RF送信アセンブリの動作を示すユーザレポートのうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
他の提供された動作条件に対して、前記構成パラメータのセットを決定するステップを繰り返すステップと、
決定された前記構成パラメータ及びすべての提供された動作条件を使用して前記トレーニングセットを更新するステップと、
更新された前記トレーニングセットを使用して前記機械学習アルゴリズムの前記トレーニングを繰り返すステップと、
をさらに含み、
前記決定された構成パラメータは、前記RF送信アセンブリの動作に使用される、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記構成パラメータのセットの少なくとも一部を決定するために前記所定の機械学習モデルを使用するステップは、前記提供された動作条件が以前に提供された動作条件とは異なることを検出したことに応答して行われる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記測定可能なパラメータは、前記RF送信アセンブリの第1の構成要素の物理的特性であり、
前記方法は、
各々が前記RF送信アセンブリの構成要素に関連する複数の機械学習モデルを提供するステップと、
前記複数の機械学習モデルから、前記第1の構成要素に関連する前記所定の機械学習モデルを選択するステップと、
をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記動作条件はさらに、前記RF送信アセンブリの第2の構成要素の別の測定可能なパラメータを含み、
前記構成パラメータのセットを決定するステップは、前記動作条件に対して、前記構成パラメータのセットの前記少なくとも一部及び関連する値を決定するために、前記所定の機械学習モデル及び前記複数の機械学習モデルのうちの前記第2の構成要素について選択された別の機械学習モデルを使用するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
無線周波数(RF)パルスシーケンスを使用して撮像ゾーン内の被験者から磁気共鳴撮像データを取得する磁気共鳴撮像システム用のRF送信アセンブリを構成する医用分析システムであって、
前記RF送信アセンブリは、RF増幅器と、送信コイルと、を含み、前記RF送信アセンブリは、構成パラメータのセットで構成可能であり、前記医用分析システムは、機械実行可能命令を含むメモリと、前記医用分析システムを制御するプロセッサと、を含み、前記機械実行可能命令の実行は、前記医用分析システムに、
前記RF送信アセンブリの動作条件を提供させ、
前記動作条件に対して、前記構成パラメータのセットの少なくとも一部及び関連する値を決定するために所定の機械学習モデルを使用させ、
決定された前記構成パラメータに従って前記RF送信アセンブリを構成させ、
前記動作条件は、少なくとも、前記RFパルスシーケンスの特性と、前記RFパルスシーケンスを使用して前記RF送信アセンブリを動作させるときに前記RFパルスシーケンス特性に影響を及ぼす測定可能なパラメータと、を示し、前記測定可能なパラメータは、周囲温度、前記RF送信アセンブリの冷却水の温度、前記RF増幅器の構成要素の接合部温度、前記送信コイルのコイル負荷
、前記RF送信アセンブリの電源の電源電圧のうちの少なくとも1つを含み、前記動作条件はさらに、被験者の体重、被験者の身長、撮像位置、走査される解剖学的構造を示す、医用分析システム。
【請求項11】
複数のRFアセンブリに接続され、前記複数のRFアセンブリから、
前記RF送信アセンブリのそれぞれの動作条件に関連して構成パラメータのセットを示すトレーニングセットのデータを受信する、請求項
10に記載の医用分析システム。
【請求項12】
前記RF送信アセンブリをさらに含む、請求項
10又は
11に記載の医用分析システム。
【請求項13】
請求項
10から
12のいずれか一項に記載の医用分析システムを含み、画像データを取得する、MRIシステム。
【請求項14】
請求項10に記載の医用分析システムのプロセッサによる実行のための機械実行可能命令を含み、
前記プロセッサによる前記機械実行可能命令の実行は、前記
医用分析システムに、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を行わせる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査撮像システムに関し、特に、無線周波数(RF)送信アセンブリを構成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
送信RFチェーンは、技術的及び生物学的限界に適合しながら、最小期間内に所望のスピン励起を生成する。磁気共鳴撮像(MRI)システムの送信RFチェーンは、MRIコイルを駆動する1つ以上のRF増幅器を含む。RFチェーンは、デジタルRFパルス発生器、RF増幅器、アナログT/Rスイッチ、及びMRIアンテナで構成され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、RFチェーンの動作制御を改善することが絶えず必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な実施形態は、独立請求項の主題によって説明されるように、RF送信アセンブリを構成する方法、医用分析システム、及びコンピュータプログラム製品を提供する。有利な実施形態は、従属請求項に説明される。
【0005】
本開示は、最適化されたRF送信チェーン又はアセンブリを有するMRIシステムを実現するために必要なハードウェア及びソフトウェアに関する。MRIのRF送信アセンブリは、機械学習を特徴とする機械学習モジュールを具備している。モジュールは、パルス発生、デジタルプリディストーション、RF増幅器のパラメータ設定、インピーダンス整合オプション及びRFスイッチトグル、並びにマルチチャネルTXシステム内で設定されたシムの選択など、異なるRFアセンブリ最適化のために異なる機械学習アルゴリズムを使用することができる。異なる機械学習アルゴリズムは、RF送信アセンブリの現在の動作条件を入力とすることができる。完全なRFアセンブリでは、機械学習のための学習アルゴリズムのセットを適用することができる。学習方法及び戦略は、クラウドベースの実装又はローカル実装に基づいていてよい。機械学習モジュールは、利用可能なデータ及びトレーニング時間の量によって、異なるシナリオに適している。
【0006】
一態様では、本発明は、無線周波数(RF)パルスシーケンスを使用して、撮像ゾーン内の被験者から磁気共鳴撮像データを取得する磁気共鳴撮像システム用のRF送信アセンブリを構成する方法に関する。RF送信アセンブリは、RF増幅器と、送信コイルとを含み、RF送信アセンブリは、構成パラメータのセットで構成可能である。方法は、RF送信アセンブリの動作条件を提供するステップを含む。動作条件は、少なくとも、RFパルスシーケンスの特性と、RFパルスシーケンスを使用してRF送信アセンブリを動作させるときに、RFパルスシーケンスの特性に影響を及ぼす測定可能なパラメータとを示す。動作条件に対して、構成パラメータのセットの少なくとも一部と、関連する値とを決定するために、所定の機械学習モデルを使用することができる。RF送信アセンブリを、決定された構成パラメータに従って構成することができる。
【0007】
提供される動作条件は、RF送信アセンブリがRFパルスシーケンスを使用して動作している間の現在測定されている動作条件であってもよい。別の例では、提供される動作条件は、所望の動作条件であってもよく、これに対して、RF送信アセンブリは、適切に機能するように構成される。
【0008】
「機械学習」という用語は、確率モデル(機械学習(又は学習済み)モデルと呼ばれる)を自動化されたやり方で構築することによって、トレーニングデータから有用な情報を抽出するために使用されるコンピュータアルゴリズムを指す。機械学習は、線形回帰、K平均、分類アルゴリズム、強化アルゴリズムなどの1つ以上の学習アルゴリズムを使用して行うことができる。「モデル」は、例えば、他の既知の値から未測定値(例えば、どの構成が所与の動作条件に対応するか)を予測し、及び/又は、将来の報酬を最大化するか若しくは将来のペナルティを最小化するためにアクションを予測又は選択することを可能にする式又は規則のセットである。一実施形態によれば、機械学習モデルは、深層学習モデルである。
【0009】
パラメータの量及びそれらの非線形の(例えば、増幅器利得、固定パラメータ限界)相互依存性を考慮すると、所与の時間フレーム内での数十の入力及び出力パラメータの、例えばユーザによるアドホック解析最適化は不可能である。本方法は、複数の入力パラメータを含む多次元アプローチに基づいて、RF送信アセンブリのための最適な構成セットを見つけることを可能にし、パラメータは、相互依存していてよい。
【0010】
本開示は、RF送信アセンブリの動作を自動化することを可能にする。これは、RF送信アセンブリの構成のためのオペレータ介入の必要性を低減することができる。
【0011】
本開示はさらに、事前に正確に規定された適切な構成を使用するという利点を有し、したがって、位相及び振幅に関して、歪みの少ないクリーンなRF送信信号及び安定した送信信号を提供し、RF増幅器を内部安定化回路から解放し、コストを低減することができる。一実施形態によれば、パルスシーケンスの特性は、ピーク電力、平均電力、パルス形状、全持続時間及び周波数分布、線形性のうちの少なくとも1つを含む。パルスシーケンスの特性は、MRデータ取得のためのRFパルスシーケンスを制御することを可能にする。多くの特性に基づくこのような制御は、手動で最適化することは事実上不可能である。
【0012】
一実施形態によれば、測定可能なパラメータは、周囲温度、RF送信アセンブリの冷却水の温度、RF増幅器の構成要素の接合部温度(例えば、RF LDMOSの温度又はヒートシンクの温度)、送信コイルのコイル負荷、電源電圧、RF送信アセンブリの電源のうちの少なくとも1つを含む。動作条件はさらに、被験者(例えば、患者)の体重、被験者の身長、撮像位置、走査される解剖学的構造を示すことができる。測定可能なパラメータはさらに、B1マップ、B1要求、コンデンサバンクのステータス、又はピックアップループ信号を示すことができる。RF送信アセンブリの送信コイルは、電磁波をサンプルに送信し、それによって、核スピンを励起するために必要な振動B1磁場を生成することができる。B1マップ及びB1要求は、測定可能なパラメータとして定量化することができる。測定可能なパラメータは、例えば、他の1つ以上の測定可能なパラメータから導出されるか、又は決定される。
【0013】
動作条件の決定に使用される特性及び測定可能なパラメータが多いほど、決定された構成パラメータから選択されるセットはより正確になる。特性及び測定可能なパラメータの数及び組み合わせによって、また、本方法とは対照的に、システムのアドホック構成は、不可能であるか、又は少なくとも、不正確さの原因であり得る。
【0014】
一実施形態によれば、構成パラメータのセットは、RFパルスシーケンスのプリディストーションの指標、RF送信アセンブリの所定の点におけるバイアス電圧、ドレイン電圧、RF送信アセンブリの整合ネットワークを同調させるための整合パラメータ、RF増幅器のトグルスイッチのためのスイッチ閾値、例えばRFアセンブリの構成要素を冷却するために使用される冷却水の温度を含む。構成パラメータのセットはさらに、例えば、RF送信アセンブリを複数のチャネルのうちの1つのチャネルとして含むマルチチャネルTXシステム内に設定されるシムの選択を示す。例えば、RF送信アセンブリの動作条件は、使用されるべきマルチチャネルTXシステムの別のRFアセンブリの必要性があることを示す。一例では、動作条件は、必要な均質性を達成するために、例えば追加の局所コイルを追加することを示す。
【0015】
整合ネットワークは、例えば、最大電力転送を可能にするために、所与のシステム入力インピーダンスを、RF増幅器のRFトランジスタのインピーダンスと整合させる。プリディストーションは、出力信号の線形性を向上させるために使用され得る。プリディストーションは、コスト節約及び電力効率的な技術である。プリディストーション技術は、RF増幅器内の電力電子部品をより単純にし、また、RF増幅器からより多くの使用可能な電力及び信号線形性を得ることを可能にする。これは、RF増幅器を非線形レジームにおいても駆動することを可能にし得る。トグルスイッチは、RF/TRスイッチであってもよい。
【0016】
一実施形態によれば、本方法はさらに、RF送信アセンブリのそれぞれの動作条件に関連して構成パラメータのセットを示すトレーニングセットを受信するステップと、トレーニングセットを使用して、所定の機械学習アルゴリズムをトレーニングすることで、機械学習モデルを生成するステップとを含む。トレーニング又は学習は、クラウドベースのアルゴリズムを使用することによって、又はRF送信アセンブリの近くの若しくはその中のローカルプロセッサを使用することによって実現され得る。例えば、トレーニングセットの利用可能なデータ量及び利用可能な処理リソースに基づいて、異なる機械学習アルゴリズムが適用される。トレーニングセットは、例えば、複数のMRIシステムから収集されてもよく、各MRIシステムは、本明細書に説明されるようなRFアセンブリを含む。これは、生成されるモデルの精度を高めることができる。例えば、トレーニングは定期的に行われる。これにより、RF送信アセンブリの設定の正確な予測のための最新モデルが可能になる。
【0017】
一実施形態によれば、本方法はさらに、少なくとも1つのデータソースから収集されたデータを含むトレーニングセットを生成するステップと、それぞれの動作条件に関連して構成パラメータのセットを決定するために、収集されたデータを処理するステップとを含み、データソースは、MRIシステムのログファイル、RF送信アセンブリの動作を示すユーザレポート、例えば、個別に又は連続して取得された、工場からの増幅器のロードプルデータ(ロードデータは、走査データを使用して更新され得る)のうちの少なくとも1つを含む。この実施形態は、信頼性のある正確な予測モデルを提供するために使用することができる豊富なトレーニングセットを可能にする。
【0018】
一実施形態によれば、この方法はさらに、他の提供された動作条件に対して、決定するステップを繰り返すステップと、決定された構成パラメータ及び提供された動作条件を使用してトレーニングセットを更新するステップと、更新されたトレーニングセットを使用して、機械学習アルゴリズムのトレーニングを繰り返すステップとを含み、決定された構成パラメータは、RF送信アセンブリの動作のために使用される。本開示は、成功した係数及びパラメータ設定を記憶し、再使用する学習モジュールを追加することによって、RFチェーンのパラメータ制御を拡張することができる。これは、生成されたモデルによって行われる予測の精度をさらに高めることができる。
【0019】
一実施形態によれば、構成パラメータのセットの少なくとも一部を決定するために所定の機械学習モデルを使用することは、提供された動作条件とは異なる現在の動作条件を検出することに応答して行われる。機械学習モジュールを有するRFチェーンは、動作条件の変化に対して、自動的に、かつ従来のRFチェーンデバイスよりも速く、応答することができる。
【0020】
一実施形態によれば、測定可能なパラメータは、RF送信アセンブリの第1の構成要素の物理的特性である。方法はさらに、RF送信アセンブリの構成要素に各々が関連付けられている複数の機械学習モデルを提供するステップと、複数の機械学習モデルから、第1の構成要素に関連付けられている所定の機械学習モデルを選択するステップとを含む。
【0021】
本方法は、パルス発生、ディジタルプリディストーション、RF増幅器のパラメータ設定、インピーダンス整合オプション及びRFスイッチトグル、並びにマルチチャネルTXシステム内で設定されるシムの選択などの異なるRFアセンブリ最適化のために異なる機械学習アルゴリズムを使用することができる。完全なRFアセンブリでは、機械学習のための学習アルゴリズムのセットを適用することができる。例えば、深層学習アルゴリズムを、RF増幅器の構成パラメータの値を決定する深層学習モデルを生成するために使用することができ、また、決定木学習を、送信コイルの構成パラメータの値を決定する決定木モデルを生成するために使用することができる。例えば、第2の構成要素(例えば、LDMOS又は冷却水温度の偏り)よりも多くの構成パラメータを必要とする(例えば、RFシミング又は個々のチャネルのマッチングのための)構成要素は、第1の学習方法(深層学習モデル)に関連付けられる一方で、第2の学習方法(例えば、線形学習モデル)は、第2の構成要素には十分である。RF送信アセンブリの構成要素に依存する異なるアルゴリズムがあることによって、RF送信アセンブリの決定された設定又は構成パラメータの精度をさらに高めることができる。
【0022】
一実施形態によれば、動作条件はさらに、RF送信アセンブリの第2の構成要素の別の測定可能なパラメータを含む。決定するステップは、動作条件に対して、構成パラメータのセットの少なくとも一部及び関連する値を決定するために、所定の機械学習モデル及び第2の構成要素の別の機械学習モデルを使用するステップを含む。
【0023】
別の態様では、本発明は、プロセッサによる実行のための機械実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品に関し、機械実行可能命令の実行は、プロセッサに、先行する実施形態のいずれかの方法を行わせる。
【0024】
別の態様では、本発明は、無線周波数(RF)送信アセンブリを構成するための医用分析システム(又は医用管理システム)に関する。医用分析システムは、機械実行可能命令を含むメモリと、医用分析システムを制御するプロセッサとを含み、機械実行可能命令の実行は、医用分析システムに、
RF送信アセンブリの動作条件を提供させ、
動作条件に対して、構成パラメータのセットの少なくとも一部及び関連する値を決定するために、所定の機械学習モデルを使用させ、
決定された構成パラメータに従ってRF送信アセンブリを構成させ、
動作条件は、少なくとも、RFパルスシーケンスの特性と、RFパルスシーケンスを使用してRF送信アセンブリを動作させるときにRFパルスシーケンス特性に影響を及ぼす測定可能なパラメータとを示す。
【0025】
組み合わされた実施形態が相互に排他的でない限り、本発明の前述の実施形態のうちの1つ以上を組み合わせることができることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下では、本発明の好ましい実施形態を、単なる例として、図面を参照して説明する。
【0027】
【
図2】
図2は、MRIシステムの例示的なRF送信アセンブリの概略図である。
【
図3】
図3は、無線周波数(RF)送信アセンブリを構成する方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は、MRIシステムの断面図及び機能図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、図中の同様の番号が付された要素は、同様の要素であるか又は同等の機能を実行する。前述した要素は、機能が同等である場合には必ずしも後の図では説明されない。
【0029】
さまざまな構造、システム、及びデバイスが、単に説明の目的のために、及び当業者によく知られている詳細で本発明を不明瞭にしないように、図面に概略的に示されている。それにもかかわらず、添付の図面は、開示された主題の例示的な例を記述し、説明するために含まれている。
【0030】
図1は、医用分析システム100の概略図である。医用分析システム100は、走査撮像システム(又は取得構成要素)101に接続される制御システム111を含む。制御システム111は、プロセッサ103と、メモリ107とを含み、それぞれ医用システム100の1つ以上の構成要素と通信可能である。例えば、制御システム111の構成要素は、双方向システムバス109に結合されている。
【0031】
本明細書で説明される方法は、少なくとも部分的に非対話式であり、コンピュータ化されたシステムによって自動化されることが理解されるであろう。例えば、これらの方法はさらに、ソフトウェア121(ファームウェアを含む)、ハードウェア、又はそれらの組合せで実装することができる。例示的な実施形態では、本明細書で説明される方法は、実行可能なプログラムとして、ソフトウェアで実装され、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ミニコンピュータ、又はメインフレームコンピュータなどの特殊又は汎用デジタルコンピュータによって実行される。
【0032】
プロセッサ103は、特にメモリ107に記憶されたソフトウェアを実行するハードウェアデバイスである。プロセッサ103は、任意のカスタムメイド又は市販のプロセッサ、中央処理装置、制御システム111に関連するいくつかのプロセッサのうちの補助プロセッサ、半導体ベースのマイクロプロセッサ(マイクロチップ又はチップセットの形態)、マクロプロセッサ、又は一般にソフトウェア命令を実行する任意のデバイスであってよい。プロセッサ103は、走査撮像システム101の動作を制御する。
【0033】
メモリ107は、揮発性メモリ要素(例えば、DRAM、SRAM、SDRAMなどのランダムアクセスメモリ(RAM))及び不揮発性メモリ要素(例えば、ROM、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電子的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM))の任意の1つ又は組み合わせを含み得る。メモリ107は、様々な構成要素が互いに離れた場所にあるが、プロセッサ103によってアクセス可能である分散アーキテクチャを有することができることに留意されたい。メモリ107は、医用システム100の少なくとも1つの他の構成要素に関連する命令又はデータを記憶し得る。
【0034】
制御システム111は、例えばユーザインターフェース129上に文字及び画像等を表示する表示デバイス125をさらに含んでもよい。表示デバイス125は、タッチスクリーン表示デバイスであってもよい。
【0035】
医用分析システム100は、医用分析システム100に給電する1つ以上の電源108をさらに含んでもよい。1つ以上の電源108のうちの電源は、例えば、バッテリ又は標準的なACコンセントによって供給される電気などの外部電源である。
【0036】
走査撮像システム101は、MRI、CT、及びPET-CTイメージャのうちの少なくとも1つを含み得る。制御システム111及び走査撮像システム101は、一体部であってもなくてもよい。換言すれば、制御システム111は、走査撮像システム101の外部にあってもなくてもよい。
【0037】
走査撮像システム101は、制御システム111に画像データを提供するように走査撮像システム101を構成するために、プロセッサ103によって制御される構成要素を含む。走査撮像システム101の構成は、走査撮像システム101の動作を可能にする。走査撮像システム101の動作は、例えば自動である。
図3は、MRIシステムである走査撮像システム101の構成要素の例を示す。
【0038】
制御システム111と走査撮像システム101との間の接続は、例えば、BUSイーサネット(登録商標)接続、WAN接続、インターネット接続などを含む。
【0039】
一例では、走査撮像システム101は、指定の測定値に応答して、画像などの出力データを提供する。制御システム111は、MRI走査撮像システム101から、調査画像データなどのデータを受け取る。例えば、プロセッサ103は、走査撮像システム101からの互換性のあるデジタル形式の情報を(自動的に、又は要求に応じて)受信し、これにより、このような情報が表示デバイス125に表示される。このような情報は、動作パラメータ、アラーム通知、及び走査撮像システム101の使用、動作及び機能に関連する他の情報を含み得る。
【0040】
医用分析システム100は、ネットワーク130を介して、他の走査撮像システム131及び/又はデータベース133と通信する。ネットワーク130は、例えば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)接続、WAN(ワイドエリアネットワーク)接続、LAN(ローカルエリアネットワーク)接続、又はそれらの組み合わせを含む。データベース133は、患者、走査撮像システム、解剖学的構造、走査幾何学的配置、走査パラメータ、走査などに関する情報を含み得る。データベース133は、例えば、患者のEMRを含むEMRデータベース、放射線医学情報システムデータベース、医用画像データベース、PACS、病院情報システムデータベース、及び/又は走査幾何学的配置を計画するために使用することができるデータを比較する他のデータベースを含む。データベース133は、例えば、機械学習モデルを生成するために使用されるトレーニングセットを含む。さらに又はあるいは、トレーニングセットは、制御システム111のローカル記憶装置(例えば、ディスク記憶装置又はメモリ)に記憶されていてもよい。
【0041】
メモリ107はさらに、人工知能(AI)構成要素150(機械学習モジュールとも呼ばれる)を含んでもよい。AI構成要素150は、ソフトウェア構成要素121の一部であってもなくてもよい。AI構成要素150は、走査撮像システム101のRF送信アセンブリの所定の動作条件に基づいて、RF送信アセンブリの設定又は構成パラメータを自動的に決定する。
【0042】
AI構成要素150は、トレーニングセットに機械学習を行って、RF送信アセンブリの構成パラメータ及びそれらの値を予測するための1つ以上の機械学習モデルを生成する。AI構成要素150は、パルス発生、デジタルプリディストーション、RF増幅器のパラメータ設定、インピーダンス整合オプション及びRFスイッチトグル、及びマルチチャネルTXシステム内に設定されたシムの選択など、異なるRFアセンブリ最適化又は構成のために異なる機械学習アルゴリズムを使用する。生成された機械学習モデルは、制御システム111のメモリ107などの記憶装置に記憶され得る。
【0043】
AI構成要素150は、例えば、機械学習モデルによって決定された又は予測された構成パラメータに従ってRF送信アセンブリを構成するための制御信号を生成する。
【0044】
AI構成要素150は、RF送信アセンブリの制御がいつ収束したのかを認識し、RF送信アセンブリの係数設定をRF送信アセンブリの測定された動作条件と相関させ、両方をメモリに記憶する。例えば、収束は、走査撮像システム101(例えばMRIシステム)を、再現可能な条件で、例えば、収束を示すものとして、複数の取得について同様の結果を提供すべき無負荷ボディコイルを用いたテスト走査を使用して、画像データを取得するように構成することによって決定される。収束は、例えば、アンテナ素子内にある局所分布RFセンサを観察することによって、又はk空間データ若しくは再構成されたMR画像を直接モニタリングすることによって検出される。AI構成要素150はさらに、現在の動作条件をモニタリングし、急な変化に応答して、同様の条件下で成功した過去の係数を復元する。
【0045】
図2は、MRIシステム用の例示的なRF送信アセンブリ200の概略図であり、例えば、RF送信アセンブリ200は、走査撮像システム101の一部である。
図2のRFアセンブリは、例示及び明確化の目的で示されている。本方法に従って他のRFアセンブリを構成することもできる。信号リード線211、例えば、同軸ケーブルが、RF電源215をRF送信要素213に結合する。RF電源215は、調整可能なRF増幅器として実装され得る。RF送信要素213は、同調コイルループとして実装され得る。RF送信要素213は、UHF用途に使用されるように、双極子コイル要素であってもよい。ループは、電流が最大となる双極子の中心に置かれる。別の例では、RF送信要素213は、TEMコイル要素又はボディコイルである。RF増幅器215は、信号リード線211を介して、T/Rスイッチ210及び整合ネットワーク209に接続される。整合ネットワーク209は、コイルループ213に接続されている。デジタル制御される送信器であってよいパルス発生器207が、規定されたタイミング、位相及び振幅変調を有するパルス交流信号をRF増幅器215に供給する。例えば、パルス発生器207は、励起パルスを発生させ、これらのパルスを、RF増幅器215、スイッチ210及び整合ネットワーク209を通してRFコイル213に提供する。RF送信アセンブリ200はさらに、電源218を含む。電源218は、ACライン電圧を、RF増幅器215を動作させるのに適したDC電圧に変換するDC電源であってもよい。
【0046】
RF送信アセンブリ200にはさらに、局所磁場モニタリングユニット201が設けられている。局所磁場モニタリングユニット201は、同調コイルループ213から送信されたRF(B1)磁場の少量のエネルギーをピックアップする。局所磁場モニタリングユニット201は、小型ピックアップコイルとして実装され得る。弱電圧又は電流信号である低puc信号がピックアップコイルにより生成される。低puc信号は、プリディストーションユニット204に供給される。プリディストーションユニット204は、受信したピックアップコイル又は方向性結合器を使用して、パルス発生のための位相及び大きさを制御するための信号係数設定を生成する。次に、信号は、例えばコントローラ220を介してパルス発生器207に提供される。コントローラ220は、パルス発生器207を制御して選択されたRF波形を発生させる。このRF波形を使用してRF増幅器215が制御されて、選択されたRF波形に従った駆動信号が生成され、これにより、同調コイルループ213によって所望のB1磁場が送信される。
【0047】
コントローラ220はさらに、RFパルスのDC電圧、電流、パルス幅、デューティファクタ、RF出力電力、RF増幅器215の温度、ピーク電力、平均電力、パルス形状(線形性要求)、全持続時間、周波数拡散(MR帯域幅内)など、RF送信アセンブリ200のいくつかの動作パラメータをモニタリングする。動作パラメータはさらに、周囲温度又は冷却水の温度、RF増幅器215のMOSFETの測定又は予測される接合部温度、コイル負荷(患者の体重及び位置)、電源電圧、バイアス電圧などを含み得る。
【0048】
RF送信アセンブリ200は、制御システム111に接続されてもよい。アクティブデジタルコントローラであってもよいコントローラ220はさらに、制御システム111から、例えばAI構成要素150から信号を受信する。一例では、コントローラ220及び/又はパルス発生器207は、制御システム111の一部である。
【0049】
RF送信アセンブリ200は、複数の構成パラメータを使用して構成される。例えば、構成要素204、207、209、215、及び218のそれぞれは、それぞれの構成パラメータに関連付けられている。特定の構成パラメータに対して、RF増幅器215の最大ピーク電力やコイル213の最大コイル電流など、固定の絶対限界がある。他の構成パラメータは、パルス形状や近い過去に印加されたRF電力に依存する利用可能な最大短期平均RF電力など、RF波形の時間的進化に依存してもよい。
【0050】
RF送信アセンブリ200は、マルチチャネル送信システムに使用されてもよい。例えば、複数の送信システムがマルチチャネル送信システムの一部であり、各送信システムは、RF送信アセンブリ200のコイル213以外の構成要素を含む。複数の送信システムは、コイル213に接続されている。この場合、各送信システムのコントローラ220は、例えば、線形化や個々の送信システム間の結合の制御/検知のために、他の送信システムから入力データを受信する。RFアセンブリ200の構成要素、例えばRF増幅器は、水冷器によって冷却される。
【0051】
図3は、例えば
図4を参照して説明されるようなMRIシステムにおけるRF送信アセンブリ200を動作させる方法のフローチャートである。
【0052】
ステップ3001において、RF送信アセンブリ200の動作条件が提供又は決定される。動作条件は、少なくとも、RFパルスシーケンスの特性、及び、RFパルスシーケンスを使用してRF送信アセンブリ200を動作させるときのRFパルスシーケンスの特性に影響を及ぼす測定可能なパラメータを示す。例えば、動作条件は、ユーザが事前に定義した所望の動作条件である。動作条件は、現在測定されている動作条件であってもよい。
【0053】
例えば、RF増幅器215からのピーク電力要求(要件)の値が、患者データ及び/又はRFパルスから決定される。また、冷却水の温度を測定してもよい。2つの測定値は、AI構成要素150への入力として提供される。この2つの測定値は、RF送信アセンブリ200の現在の動作条件の一例を示す。
【0054】
ステップ3003において、入力された動作条件を使用して、例えばAI構成要素150が所定の機械学習モデルを使用して、構成パラメータのセットの少なくとも一部及び関連する値が決定される。上記の例に倣って、ピーク電力の要求値及び冷却水温度が、AI構成要素150によって生成された深層学習モデルへの入力として提供される。深層学習モデルは、入力値を使用して、現在の入力された動作条件に合わせるために設定又は変更されなければならない、RF送信アセンブリ200の構成パラメータのセットのサブセットを識別する。例えば、ピーク電力が前回の反復でのピーク電力要求よりも小さい場合、又は初期設定のとおりである場合、RF増幅器の電源は、ピーク電力の電流値のための電流レベルを可能にするための便利なDC供給値を提供する。また、冷却水温度が所定の最大温度閾値よりも高い場合、温度を所定のレベルに保つように、DC供給などの電力散逸源が減少される。しかしながら、選択された構成パラメータ、例えば、DC供給の値は、上記2つの動作条件に影響を及ぼす(例えば、選択されたDC供給によってRFパルスの許容平均電力が下がることによって、走査時間などの他の動作条件に影響を及ぼす)可能性があるので、DC供給値は、ユーザが設定することが困難である。深層学習モデルは、両方の現在の動作条件を満たすために使用可能な最適なDC供給値を決定できる。
【0055】
深層学習モデルは、例えば、AI構成要素150を使用して生成される。AI構成要素150は、例えば、RF送信アセンブリ200のそれぞれの動作条件に関連して構成パラメータのセットを含むトレーニングセットを受信する。例えば、AI構成要素150は、複数のMRIシステムからログファイルを受信する。ログファイルは、動作条件及び関連する構成パラメータのセットを示す。例えば、成功した係数設定又は構成パラメータのセットが、測定された動作条件から導出された多次元属性ベクトルを使用してインデックス付けされたリストに記憶される。リストのサイズは動的であり、より多くの動作条件が経験されると増大し、隣接する要素が冗長として認識されると縮小する。次の表に、構成パラメータのセット及び関連する動作条件の例を提供する(構成は、set1及びset2と呼ばれ、それぞれの動作条件はOC1及びOC2と呼ばれる)。この例では、動作条件は、電圧定在波比(VSWR)、コイル負荷率、及びB1ピーク値の値で決定される。関連する構成パラメータは、Vdd、バイアス電流Ibias(例えばMOSFETにおける)、及び使用されるMOSFETの数である。
【表1】
【0056】
AI構成要素150は、トレーニングセットを使用して、深層学習アルゴリズムなどの所定の機械学習アルゴリズムを実行して、機械学習モデルを生成する。トレーニングは、例えば、クラウドプラットフォーム、例えばAlgorithms.io上で実行される。これは、接続されたシステム、例えば、AI構成要素150にトレーニングセットのデータを提供している複数のMRIシステムからストリーミングデータを分類するために、機械学習アルゴリズムには特に有利である。
【0057】
ステップ3005において、RF送信アセンブリ200は、決定された構成パラメータに従って構成される。上記の例に倣って、DC供給は、深層学習モデルによって決定された値を使用して構成される。構成されたRF送信アセンブリは、MRIシステムにおいて使用されて、MRIシステムの撮像ゾーンにおける被験者から画像データを取得する。
【0058】
ステップ3001~3005は、例えば定期的に、例えば毎日又は動作条件の変化に応答して繰り返される。例えば、現在の動作条件が最後の反復の動作条件と異なる場合に、ステップ3001~3005は繰り返される。例えば、コントローラ220は、継続的にプリディストーション係数設定を、また、動作条件が変化するにつれて、バイアス、Vドレイン、整合、スイッチトグルなどの他のパラメータを修正する。
【0059】
図4は、医用システム100の一例としての磁気共鳴撮像システム300を示す。磁気共鳴撮像システム300は、磁石304を含む。磁石304は、その中にボア306を有する円筒型の超伝導磁石である。異なる種類の磁石の使用も可能である。例えば、分割円筒形磁石やいわゆるオープン磁石の両方を使用することも可能である。分割円筒形磁石は、クライオスタットが磁石のアイソプレーンへのアクセスを可能にするために2つのセクションに分割されていることを除いて、標準的な円筒形磁石と同様である。このような磁石は、例えば、荷電粒子ビーム治療と併用される。オープン磁石は、撮像被験者318を受け入れるのに十分な大きさの空間を間に有して、上下の2つの磁石セクションを有し、この2つのセクションの配置はヘルムホルツコイルの場合と同様である。円筒形磁石のクライオスタットの内部には、超伝導コイルの集合体がある。円筒形磁石304のボア306内には、磁気共鳴撮像を行うのに磁場が十分に強力かつ均一である撮像ゾーン、ボリューム、又は解剖学的構造308がある。
【0060】
磁石のボア306内には、磁場勾配コイル310のセットもあり、これは、磁気共鳴データの取得中に使用されて、磁石304の撮像ボリューム又は検査ボリューム308内のターゲット領域の磁気スピンが空間的に符号化される。磁場勾配コイル310は、磁場勾配コイル電源312に接続されている。磁場勾配コイル310は、代表的なものであることが意図されている。典型的には、磁場勾配コイル310は、3つの直交する空間方向における符号化のための3つの別個のコイルセットを含む。磁場勾配電源は、磁場勾配コイルに電流を供給する。磁場勾配コイル310に供給される電流は、時間の関数として制御され、ランプ状にされてもパルス状にされてもよい。
【0061】
MRIシステム300はさらに、被験者318のところにあり、検査ボリューム308に隣接して、RF励起パルスを生成するRFコイル314を含む。RFコイル314は、例えば、表面コイル又は他の特殊化されたRFコイルのセットを含む。RFコイル314は、RFパルスの送信及び磁気共鳴信号の受信のために交互に使用されてもよく、例えば、RFコイル314は、複数のRF送信コイルを含む送信アレイコイルとして実装される。RFコイル314は、1つ以上のRF増幅器315に接続される。要素314~315は、MRIシステム300の例示的なRF送信アセンブリを形成する。
【0062】
磁場勾配コイル電源312及びRF増幅器315は、制御システム111のハードウェアインターフェースに接続される。制御システム111のメモリ107は、例えば、制御モジュールを含む。制御モジュールは、プロセッサ103が磁気共鳴撮像システム300の動作及び機能を制御することを可能にするコンピュータ実行可能コードを含む。また、磁気共鳴データの取得など、磁気共鳴撮像システム300の基本的な動作も可能にする。
【0063】
当業者には理解されるように、本発明の態様は、装置、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本発明の態様は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又はソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができ、本明細書ではすべて一般に「回路」、「モジュール」、又は「システム」と呼ぶことができる。さらに、本発明の態様は、コンピュータ実行可能コードが具現化された1つ以上のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
【0064】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組合せを利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。本明細書で使用される「コンピュータ可読記憶媒体」は、コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行可能な命令を記憶することができる任意の有形の記憶媒体を包含する。コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体と呼ばれることもある。コンピュータ可読記憶媒体はまた、有形コンピュータ可読媒体と呼ばれることもある。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体はまた、コンピューティングデバイスのプロセッサによってアクセス可能なデータを記憶することもできる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ハードディスクドライブ、ソリッドステートハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、磁気光ディスク、及びプロセッサのレジスタファイルが挙げられるが、これらに限定されない。光ディスクの例としては、CD-ROM、CD-RW、CD-R、DVD-ROM、DVD-RW、又はDVD-Rディスクなどのコンパクトディスク(CD)及びデジタル汎用ディスク(DVD)がある。コンピュータ可読記憶媒体という用語はまた、ネットワーク又は通信リンクを介してコンピュータデバイスによってアクセス可能な様々なタイプの記録媒体を指す。例えば、データは、モデムを介して、インターネットを介して、又はローカルエリアネットワークを介して取得される。コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータ実行可能コードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなどや、前述のものの任意の適切な組合せを含むがこれらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して送信され得る。
【0065】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドで、又は搬送波の一部として、コンピュータ実行可能コードがその中に具現化された伝搬データ信号を含み得る。このような伝播信号は、電磁、光学、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含むが、それらに限定されない、様々な形態のいずれかをとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、又はデバイスによる、又はそれらに関連する使用のためのプログラムを通信、伝播、又は搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0066】
「コンピュータメモリ」又は「メモリ」は、コンピュータ可読記憶媒体の一例である。コンピュータメモリは、プロセッサに直接アクセス可能な任意のメモリである。「コンピュータ記憶装置」又は「記憶装置」は、コンピュータ可読記憶媒体のさらなる例である。コンピュータ記憶装置は、任意の不揮発性コンピュータ可読記憶媒体である。いくつかの実施形態では、コンピュータ記憶装置がコンピュータメモリであってもよく、又はその逆であってもよい。
【0067】
本明細書で使用される「プロセッサ」は、プログラム、機械実行可能命令又はコンピュータ実行可能コードを実行することができる電子構成要素を包含する。「プロセッサ」を含むコンピューティングデバイスへの参照は、おそらく2つ以上のプロセッサ又は処理コアを含むものと解釈されるべきである。プロセッサは、例えば、マルチコアプロセッサである。プロセッサはまた、単一のコンピュータシステム内の、又は複数のコンピュータシステム間で分散されたプロセッサの集合体を指すこともある。コンピューティングデバイスという用語はまた、1つ以上のプロセッサをそれぞれが含むコンピューティングデバイスの集合体又はネットワークを指すことがあると解釈されるべきである。コンピュータ実行可能コードは、同一のコンピューティングデバイス内にあるか、又は複数のコンピューティングデバイスに分散されていてもよい複数のプロセッサによって実行され得る。
【0068】
コンピュータ実行可能コードは、機械実行可能命令や、プロセッサに本発明の態様を行わせるプログラムを含み得る。本発明の態様のための動作を実行するためのコンピュータ実行可能コードは、Java(登録商標)、Smalltalk(登録商標)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語及び「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含み、機械実行可能命令にコンパイルされた1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書くことができる。場合によっては、コンピュータ実行可能コードは、高水準言語の形態であっても、事前にコンパイルされた形態であってもよく、その場で機械実行可能命令を生成するインタプリタと共に使用されてもよい。
【0069】
コンピュータ実行可能コードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上かつ部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されても、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよい。
【0070】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート、図、及び/又はブロック図の各ブロック若しくはブロックの一部は、適用できる場合、コンピュータ実行可能コードの形態のコンピュータプログラム命令によって実装できることを理解されるであろう。さらに、相互に排他的でない場合、異なるフローチャート、図、及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせが組み合わされてもよいことが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令がフローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/動作を実施するための手段を作成するように、機械を生成することができる。
【0071】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、及び/又は他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、その結果、コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/動作を実装する命令を含む製造品を生成する。
【0072】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスにロードされて、一連の動作ステップがコンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイス上で行われて、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令がフローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/動作を実装するためのプロセスを提供するように、コンピュータ実装プロセスを生成することも可能である。
【0073】
本明細書で使用される「ユーザインターフェース」は、ユーザ又はオペレータがコンピュータ又はコンピュータシステムと対話することを可能にするインターフェースである。「ユーザインターフェース」は、「ヒューマンインターフェースデバイス」とも呼ばれる。ユーザインターフェースは、情報又はデータをオペレータに提供し、及び/又はオペレータから情報又はデータを受信する。ユーザインターフェースは、オペレータからの入力をコンピュータが受信することを可能にし、コンピュータからの出力をユーザに提供することができる。換言すれば、ユーザインターフェースは、オペレータがコンピュータを制御又は操作することを可能にし、インターフェースは、コンピュータがオペレータの制御又は操作の効果を示すことを可能にする。ディスプレイ又はグラフィカルユーザインターフェース上のデータ又は情報の表示は、オペレータに情報を提供する一例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティングスティック、グラフィックスタブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブカメラ、ヘッドセット、ギアスティック、ステアリングホイール、ペダル、ワイヤードグローブ、ダンスパッド、リモートコントロール、及び加速度計を介したデータの受信はすべて、オペレータからの情報又はデータの受信を可能にするユーザインターフェース構成要素の例である。
【0074】
本明細書で使用される「ハードウェアインターフェース」は、コンピュータシステムのプロセッサが外部のコンピューティングデバイス及び/又は装置と対話及び/又は制御することを可能にするインターフェースを包含する。ハードウェアインターフェースは、プロセッサが制御信号又は命令を外部のコンピューティングデバイス及び/又は装置に送信することを可能にする。ハードウェアインターフェースはまた、プロセッサが外部のコンピューティングデバイス及び/又は装置とデータを交換することも可能にする。ハードウェアインターフェースの例としては、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS-232ポート、IEEE-488ポート、Bluetooth接続、無線ローカルエリアネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット(登録商標)接続、制御電圧インターフェース、MIDIインターフェース、アナログ入力インターフェース、及びデジタル入力インターフェースが挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
本明細書で使用される「ディスプレイ」又は「表示デバイス」は、画像又はデータを表示する出力デバイス又はユーザインターフェースを包含する。ディスプレイは、視覚データ、聴覚データ、及び/又は触覚データを出力する。ディスプレイの例としては、コンピュータモニタ、テレビ画面、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、点字スクリーン、陰極線管(CRT)、蓄積管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクトルディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プロジェクタ、及びヘッドマウントディスプレイが挙げられるが、これらに限定されない。
【0076】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されてきたが、このような図示及び説明は例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。
【0077】
開示された実施形態に対する他の変形形態は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求された発明を実施する際に当業者によって理解され、実施されることができる。特許請求の範囲において、「含む」という語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、また、単数形は、複数を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に、又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体上に記憶/配布することができるが、インターネット又は他の有線もしくは無線電気通信システムを介するなど、他の形態で配布することもできる。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0078】
100 医用システム
101 走査撮像システム
103 プロセッサ
107 メモリ
108 医用分析システムの電源
109 バス
111 制御システム
121 ソフトウェア
125 ディスプレイ
129 ユーザインターフェース
150 AI構成要素
200 RFアセンブリ
201 ピックアップコイル
204 プリディストーションシステム
207 パルス発生器
209 整合ネットワーク
210 スイッチ
211 信号リード線
213 コイル
215 RF増幅器
218 RF送信アセンブリの電源
220 コントローラ
3001~3005 方法ステップ
300 磁気共鳴撮像システム
304 磁石
306 磁石のボア
308 撮像ゾーン
310 磁場勾配コイル
312 磁場勾配コイルの電源
314 無線周波数コイル
315 RF増幅器
318 被験者