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特許6998484物流器具及び物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】物流器具及び物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20220128BHJP
   B65D 19/12 20060101ALI20220128BHJP
   B65D 19/18 20060101ALI20220128BHJP
   B65G 61/00 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
B65D25/20 P
B65D19/12
B65D19/18
B65G61/00 526
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021088580
(22)【出願日】2021-05-26
(62)【分割の表示】P 2019571652の分割
【原出願日】2018-05-31
(65)【公開番号】P2021143021
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2021-05-28
(31)【優先権主張番号】201710496583.5
(32)【優先日】2017-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516190770
【氏名又は名称】上海箱箱智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HOREN CORTP Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】28th Floor, Building A, NO.1520 Gumei Road, Caohejing High-Tech Park, Xuhui District, Shanghai, 200233, China
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】リー,ポー
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,チンシン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,イーウェン
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】カナダ国特許出願公開第02982515(CA,A1)
【文献】中国実用新案第204024235(CN,U)
【文献】特開平11-020864(JP,A)
【文献】特開2015-147607(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0075479(US,A1)
【文献】特開2006-341983(JP,A)
【文献】特開2013-234800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/20
B65D 19/12
B65D 19/18
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物流器具であって、
前記物流器具をエンプティステートで積み重ねることができる積み重ねるための物理的構造と、
器具のベースまたは側壁または上部カバーに設置され、所定の無線信号を送受信するための無線送受信モジュールと、
前記無線送受信モジュールが現在他の物流器具からの前記所定の無線信号を受信できるかどうかを検出し、受信できる場合、エンプティステートを示す電気信号を出力し、そうでない場合、フルステートを示す電気信号を出力する決定装置とを含み、
前記決定装置はマイクロプロセッサであり、
前記無線送受信モジュールの最大有効通信距離は、Sであり、前記無線送受信モジュールの設置位置は、
複数の物流器具のエンプティステートで積み重ねた状態で、2つの隣接する物流器具の無線送受信モジュールの間の直線距離が、Sより小さく、
フルステートで、2つの隣接する物流器具の無線送受信モジュールの間の直線距離が、Sより大きいとの条件を満たすことを特徴とする前記物流器具。
【請求項2】
前記物流器具は、非ネスト類パレットであり、前記無線送受信モジュールは、パレット底部の中央部位領域に設置されることを特徴とする
請求項1に記載の物流器具。
【請求項3】
前記物流器具は、蓋なしの逆ネストボックス、またはリング付きコンテナ、またはネスト類パレットであり、前記積み重ねるための物理的構造により、前記物流器具はネスティングされることができることを特徴とする
請求項1に記載の物流器具。
【請求項4】
前記決定装置と電気的に接続され、前記物流器具の識別子と前記決定装置によって出力されるエンプティステートまたはフルステート信号をクラウドサーバーに送信するように構成される無線送信モジュールをさらに含むことを特徴とする
請求項1に記載の物流器具。
【請求項5】
物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法であって、
前記物流器具は、請求項1に記載されており、前記物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法は、
前記無線送受信モジュールにより、所定の無線信号を送信するステップと、
マイクロプロセッサが、前記無線送受信モジュールが現在他の無線送受信モジュールにより送信される前記所定の無線信号を受信できるかどうかを判断し、受信できる場合、物流器具がエンプティステートであると判断し、そうでない場合、物流器具がフルステートであると判断するステップとを含むことを特徴とする物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法。
【請求項6】
前記物流器具は、無線送信モジュールをさらに含み、
前記無線送信モジュールによって、物流器具の識別子と前記決定装置によって出力されるエンプティステートまたはフルステート信号をクラウドサーバーに送信するステップをさらに含むことを特徴とする
請求項5に記載の物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流領域に関し、特に、物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の資源を節約し、物流のコストを削減するために、共有する必要のあるビジネス向けにリサイクル可能な物流器具が登場した。物流器具のスケジューリングをよりよく実現するためには、各物流器具の居場所とエンプティステート及びフルステートを知る必要がある。現在、ポジショニングを実現する技術は比較的成熟しているが、各物流器具がエンプティステートであるかフルステートであるかを簡単かつ確実に判断する方法は今のところまだ課題であり、一般的な方法は、手動での登録と調査であるが、これは費用がかかり、効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、エンプティステート及びフルステートの自動識別を高効率且つ正確に実現する物流器具及び物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術的問題を解決するために、本発明は、フルステートとエンプティステートの2つの構造ステートを有し、前記フルステートで荷物を積み込むためのスペースに組み合わされ、前記エンプティステートでスペースを節約する方法で折りたたまれる複数のプレートと、前記複数のプレートは、第1の無線送信モジュールが設置された第1のプレートと、無線受信モジュールが設置された第2のプレートとを含むので、前記フルステートで前記第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの直線距離は、Dより大きく、前記エンプティステートで前記第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの直線距離は、Dより小さく、Dは、前記第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの間の最大有効通信距離であり、前記第1の無線送信モジュールは、前記物流器具の識別子を表す無線信号を送信するように構成され、前記無線受信モジュールが現在前記無線信号を受信できるかどうかを検出し、受信できる場合、エンプティステートを示す電気信号を出力し、そうでない場合、フルステートを示す電気信号を出力する決定装置とを含む前記物流器具を開示する。
【0005】
一好ましい例において、前記物流器具は、4つのサイドプレートのみを有し、前記複数のプレートは、物流器具の複数のサイドプレートの間に通信するために構成される。
【0006】
一好ましい例において、前記複数のプレートは、複数のサイドプレートと通信するための物流器具のベースを含み、前記第1のプレートは、物流器具のサイドプレートであり、前記第2のプレートは、物流器具のベースである。
【0007】
一好ましい例において、前記複数のプレートは、カバープレートと通信するための物流器具のベースを含み、前記第1のプレートは、物流器具のカバープレートであり、前記第2のプレートは、物流器具のベースであり、または、前記第1のプレートは、物流器具のベースであり、前記第2のプレートは、物流器具のカバープレートである。
【0008】
一好ましい例において、前記複数のプレートは、複数のサイドプレートと通信するための物流器具のカバープレートを含み、前記第1のプレートは、物流器具のサイドプレートであり、前記第2のプレートは、物流器具のカバープレートである。
【0009】
一好ましい例において、前記決定装置に電気的に接続され、前記物流器具の識別子と前記決定装置によって出力されるエンプティステートまたはフルステート信号をクラウドサーバーに送信するように構成される第2の無線送信モジュールをさらに含む。
【0010】
一好ましい例において、前記第1の無線送信モジュールは、パッシブRFIDタグ、またはNFCタグ、またはアクティブRFIDタグ、またはibeaconタグである。
【0011】
一好ましい例において、センサモジュールをさらに含み、前記センサモジュールの出力端は、前記第2の無線送信モジュールの入力端に電気的に接続され、前記センサモジュールによって出力される情報は、前記第2の無線送信モジュールを介して前記クラウドサーバーに送信される。
【0012】
本発明は、物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法を開示し、前記物流器具は、フルステートとエンプティステートの2つの構造ステートを有し、前記物流器具は、前記フルステートで荷物を積み込むためのスペースに組み合わされ、前記エンプティステートでスペースを節約する方法で折りたたまれる複数のプレートを含み、前記複数のプレートは、第1の無線送信モジュールが設置された第1のプレートと、無線受信モジュールが設置された第2のプレートとを含むので、前記フルステートで前記第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの直線距離は、Dより大きく、前記エンプティステートで前記第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの直線距離は、Dより小さく、Dは、前記第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの間の最大有効通信距離であり、前記物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法は、前記第1の無線送信モジュールにより、前記物流器具の識別子を送信するステップと、前記無線受信モジュールが現在前記第1の無線送信モジュールによって送信された識別子を受信できるかどうかを判断し、受信できる場合、エンプティステートであると判断し、そうでない場合、フルステートであると判断するステップとを含む。
【0013】
一好ましい例において、前記物流器具は、第2の無線送信モジュールをさらに含み、前記第2の無線送信モジュールによって、前記物流器具の識別子と前記決定装置によって出力されるエンプティステートまたはフルステート信号をクラウドサーバーに送信するステップをさらに含む。
【0014】
本発明は、前記物流器具をエンプティステートで積み重ねることができる積み重ねるための物理的構造と、器具のベースまたは側壁または上部カバーに設置され、所定の無線信号を送受信するための無線送受信モジュールと、前記無線送受信モジュールが現在他の物流器具からの前記所定の無線信号を受信できるかどうかを検出し、受信できる場合、エンプティステートを示す電気信号を出力し、そうでない場合、フルステートを示す電気信号を出力する決定装置とを含み、前記無線送受信モジュールの最大有効通信距離は、Sであり、前記無線送受信モジュールの設置位置は、複数の物流器具のエンプティステートを積み重ねた状態で、2つの隣接する物流器具の無線送受信モジュールの間の直線距離は、Sより小さく、フルステートで、2つの隣接する物流器具の無線送受信モジュールの間の直線距離は、Sより大きいとの条件を満たす物流器具を開示する。
【0015】
一好ましい例において、前記物流器具は、通常のパレットであり、前記無線送受信モジュールは、パレット底部の中央部位領域に設置される。
【0016】
一好ましい例において、前記物流器具は、蓋なしの逆ネストボックス、またはリング付きコンテナ、またはネスト類パレットであり、前記積み重ねるための物理的構造により、前記物流器具はネスティングされることができる
【0017】
一好ましい例において、前記決定装置と電気的に接続され、前記物流器具の識別子と前記決定装置によって出力されるエンプティステートまたはフルステート信号をクラウドサーバーに送信するように構成される第3の無線送信モジュールをさらに含む。
【0018】
本発明は、物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法を開示し、前記物流器具は、上記の通りであり、前記物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法は、前記無線送受信モジュールにより、所定の無線信号を送信するステップと、前記無線送受信モジュールが現在他の無線送受信モジュールにより送信される前記所定の無線信号を受信できるかどうかを判断し、受信できる場合、物流器具がエンプティステートであると判断し、そうでない場合、物流器具がフルステートであると判断するステップとを含む。
【0019】
一好ましい例において、前記物流器具は、第3の無線送信モジュールをさらに含み、前記第3の無線送信モジュールによって、物流器具の識別子と前記決定装置によって出力されるエンプティステートまたはフルステート信号をクラウドサーバーに送信するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0020】
従来技術と比較して、本発明の実施形態は、少なくとも以下の相違点及び効果を有する。
【0021】
物流器具をサイドプレートがベースプレートに向かって折りたたまれる構造に制作することにより、物流器具のサイドプレートとベースにそれぞれ短距離無線送信モジュールと短距離無線受信モジュールを設置し、物流器具のエンプティステート及びフルステートを簡単に判断することができる。リサイクル可能な物流器具のエンプティステート及びフルステートを手動的に確認する必要なく、無線受信モジュールは、ボックスが折り畳まれたことを検出した後、バックグラウンドのクラウドサーバーに主動にデータを送信し、バックグラウンドは、リサイクル可能な物流器具のエンプティステート及びフルステートに基づいて、リモートディスパッチを実行するより、リサイクル可能な物流器具の有効利用率が向上させる。
【0022】
本発明の範囲内において、本発明の上記各技術的特徴および以下(実施形態および例など)に具体的に記載される各技術的特徴を互いに組み合わせて、新規または好ましい技術的解決策を形成できることが理解できる。スペースの制限のため、ここでは繰り返しない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1の実施形態における物流器具の折りたたみ方法の模式図である。
図2】本発明の第1の実施形態における折りたたむ前と折りたたむ後の構造模式図である。
図3】本発明の第2の実施形態における物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法の模式的フローチャートである。
図4】本発明の第3の実施形態における物流器具のエンプティステートで積み重ねた状態とフルステートの模式図である。
図5】本発明の第3の実施形態における非ネスト類パレットのエンプティステート及びフルステートで積み重ねた状態の模式図である。
図6】本発明の第3の実施形態におけるリング付きコンテナの構造及びそのエンプティステートでの積み重ね方法の模式図である。
図7】本発明の第3の実施形態にける4種類のスロットを有する逆ネストボックスの模式図である。
図8】本発明の第3の実施形態における逆ネストボックスのエンプティステート及びフルステートで積み重ねる模式図である。
図9】本発明の第3の実施形態におけるネスティング可能な蓋付き物流ボックスの斜視図である。
図10】本発明の第3の実施形態におけるネスティング可能な蓋付き物流ボックスのエンプティステート及びフルステートで積み重ねた状態の模式図である。
図11】本発明の第2の実施形態における無線送信及び受信装置がカバープレートとベースにそれぞれ設置された折りたたみ可能なボックスのエンプティステート及びフルステートの模式図である。
図12】本発明の第2の実施形態における無線送信及び受信装置がカバープレートとサイドプレートにそれぞれ設置された折りたたみ可能なボックスのエンプティステート及びフルステートの模式図である。
図13】本発明の第2の実施形態における折りたたみ可能なボードボックスのエンプティステート及びフルステートの模式図である。
図14】本発明の第3の実施形態におけるネスティング可能なパレットのエンプティステート及びフルステートで積み重ねた状態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明では、読者が本発明をよりよく理解できるようにするために、多くの技術的な詳細を提案する。しかし、当業者は、これらの技術的詳細および以下の各実施形態に基づく様々な変更および修正がなくても、本発明で請求される技術的解決策を実施できることを理解することができる。
【0025】
以下は、本発明の出願ドキュメントのいくつかの概念の説明である。
【0026】
有効な通信距離とは、情報を効果的に転送できる無線通信距離のことである。送信モジュールと受信モジュールの間の距離が長すぎるため、受信モジュールは送信モジュールによって送信された無線信号を検知できるが、信号が弱すぎてその中の情報を効果的に分析できない場合があるが、この場合では効果的な通信とは見なされない。
【0027】
RFIDとは、無線周波数識別(Radio Frequency IDentification)を指す。
NFCとは、近距離無線通信(Near Field Communication)を指す。
【0028】
電気的接続とは、2つのモジュールを回路の方法で接続して信号を送信することを指し、2つのモジュールは、直接に接続することもでき、他のモジュールを介して間接的に接続することもできる。例えば、2つの電気的に接続されたモジュールの間に、信号増幅モジュールまたはノイズフィルタリングモジュールなどの中間モジュールが存在することができる。
【0029】
積み重ねとは、複数の物流器具を垂直方向に積むことを指す。
ネスティングとは、ネストされる方法で積み重ねることを指す。
【0030】
エンプティステートでの積み重ねとは、物流器具がエンプティステートで積み重ねることを指し、つまりエンプティステート状況で、スペースを圧縮する方法で積み重ねることを指す。エンプティステートでの積み重ねは、ネスティングを含む。一般に、物流器具は、フルステートで積み重ねられ、エンプティステートでも積み重ねられるが、積み重ねの方法は異なる。例えば、側壁と上部カバーを有する物流器具の場合、スペースを節約するために、エンプティステートで上部カバーを取り外してネスティング方法で積み重ねることができ、フルステートでは、上部カバーが存在するため、単に積み重ねる(図4に示したとおりである)。別の例として、パレットの場合、エンプティステートで、直接に積み重ねることができ、隣接する2つのパレットの間の距離が比較的に近く、フルステートで、隣接する2つのパレットの間には他の物品があることができ、積み重ねても、隣接する2つのパレットの間の距離は比較的に遠い。
【0031】
エンプティステートとは、物流器具に物品がロードされていない状態を指し、フルステートとは、物流器具に物品がロードされた状態を指す。これらの2つの状態は、さまざまな物流器具に適用可能であり、特にボックス形態の物流器具の状態のみを指すものではない。
【0032】
IBC:中型バルク容器(IntermediateBulkContainer)。コンテナバケット、複合媒体バルクコンテナとも呼ばれる。これは、現代、液体製品の保管と輸送に不可欠なツールである。コンテナバケットは、内部容器と金属フレームで構成され、内部容器は、高強度、耐腐食性、良好な衛生性を備えた高分子量高密度ポリエチレンでブロー成形された。
【0033】
以下、本発明の革新的な一部を紹介する。
【0034】
元の固定形状の物流器具を折り畳み可能な形式に変換し、即ち、各サイドプレートとベースの間に回転機構を設定し、4つのサイドプレートは、ベースに向かって折り畳むことができ、これにより、物品をロードしていない場合、物流器具を折りたたむことができ、占有スペースを削減することができる。折りたたみ可能なことに、1つのサイドプレートに低電力の短距離無線送信モジュールを設置し、それに対応してベースに低電力の短距離無線受信モジュールを設置し、ここで送信モジュールは物流器具の識別情報を送信する。受信モジュールがこの識別子を受信することができる場合、現在の物流器具が折り畳まれた状態またはエンプティステートにあることを意味し、受信モジュールがこの識別子を受信することができない場合、物流器具が折り畳まれていない状態またはフルステートにあると判断できる(物品をアンロードした後、スペースを節約するために物流器具を折りたたむと設定する)。ここで、無線送信モジュールと無線受信モジュールとの間の有効通信距離は、フルステートでの無線送信モジュールと無線受信モジュールとの間の直線距離より小さく、且つエンプティステートでの無線送信モジュールと無線受信モジュールとの間の直線距離より大きく、慎重に設定する必要がある。物流器具におけるベースとサイドプレートに設置される低電力の短距離送信モジュール及び低電力の短距離受信モジュールは、一対一にペアリングされて、リサイクル可能な物流器具の積み重ねによってお互いに干渉しない。
【0035】
別の解決策は、物流器具をエンプティステートで積み重ね可能な形態に変換し、各物流器具に、エンプティステートで積み重ねることができる物理的な構造が設置することである。特定の無線信号を送信または受信するために、各物流器具には低電力の短距離無線送受信モジュールを設置し、1つの物流器具の無線送受信モジュールが他の物流器具によって送信された特定の無線信号を受信することができる場合、エンプティステートであるとみなすことができ、いずれかの他の物流器具によって送信された特定の無線信号を受信することができない場合、フルステートであるとみなすことができる。この物理構造の設計と低電力の短距離無線送受信モジュールの位置には特定の要件があり、即ち、エンプティステートで積み重ねた状態で、2つの隣接する物流器具の無線送受信モジュールの間の直線距離は、無線送受信モジュールの有効通信距離より小さくなければならなく、フルステートで、2つの隣接する物流器具の無線送受信モジュールの間の直線距離は、無線送受信モジュールの有効通信距離より大きくなければならない。1つの物流器具がエンプティステートで積み重ね状態である場合、エンプティステートであると見なすことができ、1つのフルステートの物流器具は、一般にエンプティステートで積み重ねることができない。1つの物流器具がフルステートである場合、フルステートであるとみなすことができ、これは、物流器具自体がエンプティステートで積み重ねられる物理構造を有するので、操作員は、占用スペースを減少するために、空いた物流器具をエンプティステートで積み重ねることを自然に考えられる。従って、本発明は、エンプティステートで積み重ねられる物理構造によって、低電力の短距離無線送受信モジュールの有効な通信距離と設置位置を設定し、物流器具のエンプティステート及びフルステートを巧みに決定した。100%正確に決定することはできないかもしれないが、通常の条件下では精度は非常に高く、通常の物流スケジューリングのニーズをすでに満たすことができる。
【0036】
低電力の短距離無線送信モジュールは、パッシブRFIDタグまたはNFCタグなどのパッシブにすることができるが、この場合、低電力の短距離受信モジュールは実際にタグを読み取るリーダーであり、読み取るリーダーが読み取る時に、無線電波を送信し、パッシブタグはこの無線電波の誘導下で物流器具の識別情報を送信する。パッシブタグを使用する利点は、サイドプレートに追加の電源を設置する必要ないことである。もちろん、低電力の短距離無線送信モジュールもアクティブであることもできる。
【0037】
本発明の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、本発明の実施形態を添付の図面を参照して以下でさらに詳細に説明する。
【0038】
本発明の第1の実施形態は、物流器具に関する。前記物流器具は、折りたたみ可能な複数のプレート(サイドプレート、ベース、カバープレートなどを含む)を有し、フルステートとエンプティステートの2つの構造ステートを有し、複数のプレートは、フルステートで荷物を積み込むためのスペースに組み合わされ、エンプティステートでスペースを節約するために折りたたまれる。少なくとも二つのプレート(以下、第1のプレート及び第2のプレートと呼ぶ)には、第1の無線送信モジュール及び無線受信モジュールがそれぞれ設置され、フルステートで第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの間の直線距離は、Dより大きく、エンプティステートで第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの直線距離は、Dより小さく、ここで、Dは、前記第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの間の最大有効通信距離である。
【0039】
前記第1の無線送信モジュールは、前記物流器具の識別子を表す無線信号を送信するように構成される。
【0040】
前記物流器具は、前記無線受信モジュールが現在前記無線信号を受信できるかどうかを検出し、受信できる場合、エンプティステートを示す電気信号を出力し、そうでない場合、フルステートを示す電気信号を出力する決定装置をさらに含む。
【0041】
選択可能な第2の無線送信モジュールは、前記決定装置に電気的に接続され、前記物流器具の識別子と前記決定装置によって出力されるエンプティステートまたはフルステート信号をクラウドサーバーに送信するように構成される。
【0042】
このような折りたたみ可能な物流器具は、様々な実装形態を有することができ、以下に4つの例を示す。
【0043】
例1、折りたたみ可能な物流器具--折りたたみ式コンテナ:
図1に示したように、当該物流器具は、以下の部材を含む。
ベース3と4つのサイドプレート4。
ベースと各サイドプレートとの間には折りたたみ機構が設置されて、各サイドプレートがベースに向かって折りたたまれるようにする。サイドプレートは、折りたたまれた状態及び折りたたまれていない状態の2つの状態を有する。図1は、サイドプレートの折りたたみ方法を理解しやすくするために、一部のサイドプレートが折りたたまれ、一部のサイドプレートが折りたたまれていない状態の模式図を示した。一実施例において、物流器具は、上部カバーを有する。一実施例において、物流器具の上部カバーは、サイドプレートに対して折りたたむことができる。一実施例において、物流器具の上部カバーは、取り外し可能である。一実施例において、物流器具は、上部カバーを有さない。
【0044】
ベースと少なくとも1つのサイドプレートに第1の無線送信モジュール1と無線受信モジュール2をそれぞれ設置し、前記第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの間の最大有効通信距離は、Dであり、サイドプレートの折りたたまれていない状態で、前記第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールの直線距離Xは、Dより大きく、サイドプレートの折りたたまれた状態で、前記第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールの直線距離Yは、Dより小さい。一実施例において、無線送信モジュールは、サイドプレートに設置され、無線受信モジュールは、ベースに設置される。他の一実施例において、無線送信モジュールは、ベースに設置され、無線受信モジュールは、サイドプレートに設置される。本発明の各実施形態において、ベースの内部、ベースの表面(例えば、ペーストによって無線モジュールをベースの内部表面または外部表面に固定する)を含むベースに設置されることができ、類似的に、サイドプレートの内部、サイドプレートの表面(例えば、ペーストによって無線モジュールをサイドプレートの内部表面または外部表面に固定する)を含むサイドプレートに設置されることができる。類似的に、上部カバーの内部、上部カバーの表面(例えば、ペーストによって無線モジュールを上部カバーの内部表面または外部表面に固定する)を含む上部カバーに設置されることができる。
【0045】
第1の無線送信モジュールは、物流器具の識別子を表す無線信号を送信するように構成される。一実施例において、第1の無線送信モジュールは、パッシブRFIDタグまたはNFCタグである。他の一実施例において、第1の無線送信モジュールは、アクティブRFIDタグまたはibeaconタグである。
【0046】
決定装置であって、無線受信モジュールが現在第1の無線送信モジュールによって送信された識別子を受信できるかどうかを検出し、受信できる場合、エンプティステートを示す電気信号を出力し、そうでない場合、フルステートを示す電気信号を出力する。一実施形態において、電気信号は、簡単な高レベルと低レベルであることができ、一方のレベルは、エンプティステートを示し、他方のレベルは、フルステートを示す。一実施形態において、電気信号は、プリセットレベルを超えるとエンプティステートを示し、プリセットレベルより低いとフルステートを示すアナログ信号であってもよい。一実施形態において、電気信号は、符号化されたデジタル信号シーケンスであってもよく、異なるコードでエンプティステートまたはフルステートをそれぞれ示すために使用される。
【0047】
第2の無線送信モジュールであって、決定装置に電気的に接続され、物流器具の識別子と決定装置によって出力されるエンプティステートまたはフルステート信号をクラウドサーバーに送信するように構成される。一実施形態において、第2の無線送信モジュールは、セルラーモバイルシステム(例えば、3G、4G、5G通信システム)に基づく通信モジュールであり、第2の無線送信モジュールは、情報を基地局に送信し、基地局を介してクラウドサーバーに転送する。一実施形態において、第2の無線送信モジュールは、ブルートゥースモジュールであり、第2の無線送信モジュールは近くの携帯電話との接続を確立し、情報を近くの携帯電話に送信し、携帯電話を介してクラウドサーバーに転送する。一実施形態において、第2の無線送信モジュールは、wifiモジュールであり、第2の無線送信モジュールは情報をwifiアクセスポイントに送信し、アクセスポイントを介してクラウドサーバーに転送する。
【0048】
センサモジュールであって、前記センサモジュールの出力端は、第2の無線送信モジュールの入力端に電気的に接続され、前記センサモジュールによって出力される情報は、第2の無線送信モジュールを介してクラウドサーバーに送信される。センサモジュールは、温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、加速度センサー、ジャイロスコープなどであることができる。一物流器具において、センサモジュールは、1つであってもよく、複数であってもよく、もちろんなくてもよい。
【0049】
位置決めモジュールであって、第2の無線送信モジュールに電気的に接続され、物流器具の現在の位置決め情報を獲得するように構成され、第2の無線送信モジュールを介して位置決め情報をクラウドサーバーに送信する。このようにして、クラウドサーバーは、各物流器具の現在の位置を知ることができ、スケジューリングに便利である。一実施例において、位置決めモジュールはなくてもよく、第2の無線送信モジュールは、ブルートゥース(登録商標)またはwifiなどの通信方法を介してスマートモバイル端末(例えば、スマートフォン)に接続され、スマートモバイル端末は、第2の無線送信モジュールによって送信された情報を受信した後、クラウドサーバーに受信された情報を報告し、同時に自体の位置決め情報(GPS位置決めまたはwifi位置決めなどの方法によって獲得することができ)を添付するが、これはスマートモバイル端末が情報を転送する時に物流器具の近くにあるため、前記スマートモバイル端末によって報告される自体の位置決め情報は近似され、物流器具の位置決め情報と見なされる。
【0050】
物流器具をサイドプレートがベースに向かって折りたたまれる構造に制作することにより、物流器具のサイドプレートとベースにそれぞれ短距離無線送信モジュールと無線受信モジュールを設置して、物流器具のエンプティステート及びフルステートを簡単に判断することができる。
【0051】
一実施例において、第1の無線送信モジュールは、コイン電池により電力供給される。無線受信モジュールは、リチウム電池により電力供給される。もちろん、無線送信モジュールと無線受信モジュールに十分な電力を供給でき、十分な作業時間を確保できる限り、電力を供給する方法は多数ある。
【0052】
例2、折りたたみ可能な物流器具--蓋付きIBC:
前記物流器具は、図11に示したように、図11の上半分は、折りたたまれた状態(エンプティステート)であり、下半分は、折りたたまれていない状態(フルステート)である。例2の基本原理は、基本的に例1と同じであり(ここでは主に相違点を説明し、多くの詳細はここでは繰り返さない)、主な相違点は、例2において、第1の無線送信モジュールは、カバープレートに設置され、無線受信モジュールは、ベースに設置されたが、例1において、第1の無線送信モジュールは、サイドプレートに設置され、無線受信モジュールは、ベースに設置されたことである。他の一実施例において、第1の無線送信モジュールは、ベースに設置され、無線受信モジュールは、カバープレートに設置された。
【0053】
図11から分かるように、エンプティステートで、カバープレートに設置された第1の無線送信モジュールとベースに設置された無線受信モジュールの距離は比較的に近く(距離をXに設定)、フルステートで、カバープレートに設置された第1の無線送信モジュールとベースに設置された無線受信モジュールの距離は比較的に遠く(距離をYに設定)、且つX<D<Yを満たし、Dは、第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの間の最大有効通信距離である。
【0054】
例3、折りたたみ可能な物流器具--蓋付きIBC:
前記物流器具は、図12に示したように、図12の上半分は、折りたたまれた状態(エンプティステート)であり、下半分は、折りたたまれていない状態(フルステート)である。例3の基本原理は、基本的に例1と同じであり(ここでは主に相違点を説明し、多くの詳細はここでは繰り返さない)、主な相違点は、例3において、第1の無線送信モジュールは、サイドプレートに設置され、無線受信モジュールは、カバープレートに設置されたが、例1において、第1の無線送信モジュールは、サイドプレートに設置され、無線受信モジュールは、ベースに設置されたことである。他の一実施例において、第1の無線送信モジュールは、カバープレートに設置され、無線受信モジュールは、サイドプレートに設置された。
【0055】
図12から分かるように、エンプティステートで、サイドプレートに設置された第1の無線送信モジュールとカバープレートに設置された無線受信モジュールの距離は比較的に近く(距離をXに設定)、フルステートで、サイドプレートに設置された第1の無線送信モジュールとカバープレートに設置された無線受信モジュールの距離は比較的に遠く(距離をYに設定)、且つX<D<Yを満たし、Dは、第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの間の最大有効通信距離である。
【0056】
例4、折りたたみ可能な物流器具--ボードボックス:
前記物流器具は、図13に示したように、図13の上半分は、折りたたまれていない状態(フルステート)であり、下半分は、折りたたまれた状態(エンプティステート)である。例4の基本原理は、基本的に例1と同じであり(ここでは主に相違点を説明し、多くの詳細はここでは繰り返さない)、主な相違点は、例4において、第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールは、2つの異なるサイドプレート中(図面では、2つの対向するサイドプレートにそれぞれ設置され、他の実施例においても、2つの隣接するサイドプレートにそれぞれ設置される)にそれぞれ設置されたが、例1において、第1の無線送信モジュールは、サイドプレートに設置され、無線受信モジュールは、ベースに設置される。
【0057】
図13から分かるように、エンプティステートで、カバープレートに設置された第1の無線送信モジュールとベースに設置された無線受信モジュールの距離は比較的に近く(距離をXに設定)、フルステートで、カバープレートに設置された第1の無線送信モジュールとベースに設置された無線受信モジュールの距離は比較的に遠く(距離をYに設定)、且つX<D<Yを満たし、Dは、第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの間の最大有効通信距離である。
【0058】
本発明の第2の実施形態は、物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法に関する。図2は、前記物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法の模式的フローチャートである。前記物流器具は、フルステート及びエンプティステートの2つの構造状態を有し、前記物流器具は、前記フルステートで荷物を積み込むためのスペースに組み合わされ、前記エンプティステートでスペースを節約する方法で折りたたまれる複数のプレートを含み、前記複数のプレートは、第1の無線送信モジュールが設置された第1のプレートと、無線受信モジュールが設置された第2のプレートとを含むので、前記フルステートで前記第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの直線距離は、Dより大きく、前記エンプティステートで前記第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの直線距離は、Dより小さく、Dは、前記第1の無線送信モジュールと無線受信モジュールとの間の最大有効通信距離であり、なお、第2の無線送信モジュールをさらに含む。
【0059】
前記識別方法は、以下のステップを含む。
【0060】
第1の無線送信モジュールにより、物流器具の識別子を送信するステップ301。
【0061】
無線受信モジュールが現在第1の無線送信モジュールによって送信された識別子を受信できるかどうかを判断し、受信できる場合、エンプティステートであると判断し、そうでない場合、フルステートであると判断するステップ302。
【0062】
その後、第2の無線送信モジュールによって、物流器具の識別子と決定装置によって出力されるエンプティステートまたはフルステート信号をクラウドサーバーに送信するステップ303に進む。好ましくは、物流器具は、様々なセンサーと位置決め装置をさらに含むことができ、第2の無線送信モジュールを介して前記物流器具の様々なセンサーによって出力されるデータと位置決め装置によって獲得された位置決め情報と、物流器具の識別子及び空白ボックス状態と共にクラウドサーバーに送信する。クラウドサーバーは、各物流器具によって報告された識別子とエンプティステート及びフルステートを受信した後、全部の物流器具の分布及び状態を獲得することができ、これにより更なるスケジューリングを便利に進行することができる。
【0063】
本実施形態は、第1の実施形態に対応する方法実施形態であり、第1の実施形態におけるさまざまな物流器具はすべて、本実施形態に説明される方法を使用することができる。第1の実施形態で言及した関連技術の詳細は、本実施形態でも依然として有効であり、繰り返しを減らすために、ここでは繰り返さない。対応的に、本実施形態で言及した関連技術の詳細は、第1の実施形態にも適用することができる。
【0064】
本発明の各方法実施形態はすべて、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアなどの方法で実施することができる。本発明がソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアのいずれかの方法で実施されるかに関係なく、命令コードは任意のタイプのコンピューターアクセス可能なメモリ(例えば、永続的または変更可能な、揮発性または不揮発性、固体または非固体、固定または交換可能なメディアなど)に保存できる。同様に、メモリは、例えば、プログラマブルアレイロジック(Programmable Array Logic、「PAL」と略称)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、「RAM」と略称)、プログラマブルリードオンリーメモリ(Programmable Read Only Memory、「PROM」と略称)、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、「ROM」と略称)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(Electrically Erasable Programmable ROM、「EEPROM」と略称)、ディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc、「DVD」と略称)であることができる。
【0065】
なお、前記実施形態に基づいて、さらに改善することができる。例えば、物流器具の最上部と底部に最上部または底部に他の器具があるかどうかを検出するように構成される位置状態検出装置をそれぞれ設置し、例えば、スイッチ素子を使用して、物流器具の対応構造によって前記スイッチ素子を接続または切断状態にする。物流器具の最上部と底部に伝送インターフェイスを設置し、2つの器具が上下に積み重ねたときに、伝送インターフェイスを介して電気的に接続されるようにし、複数の物流器具が積み重ねたときに、各物流器具が最上部と底部の位置状態検出装置を介して自体の相対位置を分かるようにし、例えば、最も下の物流器具の底部の位置状態検出装置が検出した状態は、他の物流器具(例えば、スイッチ素子がオープン状態になっている)を検出し、且つその最上部の位置状態検出装置の状態が他の物流器具(例えば、スイッチ素子がクローズ状態になっている)を検出した。最も下の物流器具は、上部物流器具に接続された伝送インターフェイスを介して上部の睡眠中の物流器具(電力を節約するために、通常、定期的に起動されるか伝送インターフェイスを介して起動されるまで、物流器具はスリープ状態になる)を定期的に起動し、且つ本物流器具の情報を送信し、その上部物流器具は、起動された後下部物流器具によって送信された情報を受信し、受信された情報をバッファリングする。前記上部物流器具は、伝送インターフェイスを介してその上部の物流器具を起動し、且つ自体の情報とバッファリングされた情報を送信する。これにより、最も下部物流器具から、伝送インターフェイスを介して起動し、情報をアップロードし、最後に積み重ねられた複数の物流器具の情報を最上層の物流器具に収集し、最上層の物流器具は、自体及び下部に積み重ねたすべての物流器具の情報をクラウドサーバーに送信する。各物流器具の間の情報の伝送は、低電力の短距離通信システム(例えば、ブルートゥース、Zigbeeなど)を使用することができ、最上層の物流器具とクラウドサーバーの伝送は、高電力の長距離通信システム(例えば、3G、4G、5Gなど)を使用することができる。それは、最上層の物流器具が受けるロードされた液体物質による影響が最も少ないため、クラウドサーバーに情報を送信する効果が最も優れる。また、好ましくは、物流器具の最上部に太陽電池を設置して、エネルギーを高電力の遠距離の通信システム専用のコンデンサーまたは充電式バッテリーの方法で保存し、低電力の短距離通信システムは独立して内蔵バッテリー使用することにより、内蔵バッテリーを長年使用でき、メンテナンスコストを大幅に削減できる。最上層物流器具は、下部の各物流器具の情報を受信した後、すぐクラウドサーバーにこれらの情報を送信する必要なく、太陽電池がコンデンサーまたは充電式バッテリーの充電を充電して特定のしきい値に達するのを待ってから送信できる。
【0066】
本発明の第3の実施形態は、物流器具に関し、本実施形態で言及される物流器具は、側壁と上部カバーを有する物流器具、または基本的に単に1つのベースを有する物流パレットなど、さまざまであってもよい。
【0067】
前記物流器具は、以下の部材を含む。
物流器具をエンプティステートで積み重ねることができる積み重ねるための物理的構造。本実施形態で言及される積み重ねるための物理的構造は、複数の物流器具を上下に積み重ねることができる限り、さまざまであってもよい。積み重ねるための物理的構造は、無負荷時にスペースを圧縮する方法で積み重ねられる限り、さまざまの実装がある。いくつかの特定の実施例に戻ると、さまざまな積み重ねモードを確認することができる。
【0068】
所定の無線信号を送信及び受信するための無線送受信モジュールであって、本実施形態で使用される無線送受信モジュールは、例えば、RFID、ブルートゥースなどの低電力の短距離無線送受信モジュールである。無線送受信モジュールの最大有効通信距離は、Sであり、Sは、無線送受信モジュールの送信電力を調整することにより調整することができる。
【0069】
決定装置であって、無線送受信モジュールが現在他の物流器具からの所定の無線信号を受信できるかどうかを検出し、受信できる場合、エンプティステートを示す電気信号を出力し、そうでない場合、フルステートを示す電気信号を出力するように構成される。一実施例において、決定装置は、マイクロプロセッサである。他の一実施例において、決定装置は、複数のゲート回路を組み合わせることにより形成される論理回路であり、ゲート回路は、ANDゲート、ORゲート、NOTゲートなどを含み、論理回路によって特定の電気信号の識別を実現するが、これは当技術分野の先行技術であり、ここでは繰り返さない。
【0070】
第3の無線送信モジュールであって、決定装置と電気的に接続され、物流器具の識別子と決定装置によって出力されるエンプティステートまたはフルステート信号をクラウドサーバーに送信するように構成される。第3の無線送信モジュールは、単にエンプティステートまたはフルステートの信号をクラウドサーバーに送信し、エンプティステートまたはフルステートの判断に関わらない。一実施形態において、第3の無線送信モジュールは、基于セルラーモバイルシステム(例えば、3G、4G、5G通信システム)に基づく通信モジュールであり、第3の無線送信モジュールは、情報を基地局に送信し、基地局を介してクラウドサーバーに転送する。一実施形態において、第3の無線送信モジュールは、ブルートゥースモジュールであり、第3の無線送信モジュールは近くの携帯電話との接続を確立し、情報を近くの携帯電話に送信し、携帯電話を介してクラウドサーバーに転送する。一実施形態において、第3の無線送信モジュールは、wifiモジュールであり、第3の無線送信モジュールは情報をwifiアクセスポイントに送信し、アクセスポイントを介してクラウドサーバーに転送する。
【0071】
本実施形態の物流器具において、前記モジュールに加えて、温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、加速度センサーなどのさまざまなセンサモジュールをさらに含むことができ、物流器具の現在の位置決め情報を獲得するための位置決めモジュールをさらに含むことができる。さまざまなセンサモジュールと位置決めモジュールによって出力される情報は、第3の無線送信モジュールを介してクラウドサーバーに送信されることができる。
【0072】
無線送受信モジュールは、物流器具のベース、または側壁、または上部カバーに設置されることができる。物流器具ベース、側壁上部カバーの内部に設置されてもよく、表面に取り付けられる方法でベース、側壁または上部カバーの内部及び外部表面に設置されてもよい。本実施形態における無線送受信モジュールの位置は、以下のような特定の条件がある。
【0073】
複数の物流器具のエンプティステートを積み重ねた状態で、2つの隣接する物流器具の無線送受信モジュールの間の直線距離は、Sより小さく、フルステートで、2つの隣接する物流器具の無線送受信モジュールの間の直線距離は、Sより大きい。
【0074】
前記条件は、主に無線送受信モジュールが積み重ねた状態及び積み重ねられていない状態での直線距離とSの関係である。上記条件を満たすために、物流器具での無線送受信モジュールの設置位置を調整することにより、積み重ねた状態及び積み重ねられていない状態での直線距離を調整することができ、無線モジュールの通信システム及び無線モジュールの送信電力を選択することによりSを調整することもできる。
【0075】
以下では、積み重ねる物流器具の具体例を示す。
【0076】
例5、蓋なしのネスティングボックス--逆ネストボックス
図7は、4種類のスロットを有する逆ネストボックスを示した。これらの4種類のスロットは、積み重ねることができ、それぞれ広い浅いスロットA、狭い深いスロットB、狭い浅いスロットC、広い深いスロットDである。上層ボックスが順方向に積み重ねると、上層Bが下層Bに入り、上層Dが下層Dに入る。この場合は、エンプティステート積み重ねであり、積み重ね密度が高い。上層ボックスが逆方向に積み重ねると、上層Bが下層Cに入り、上層Dが下層Aに入る。この場合は、フルステート積み重ねであり、2つの隣接するボックスの間に保管スペースがある。
【0077】
図8の上部は、側面からエンプティステートで逆ネストボックスがネスティングされた状態を示し、中部は、フルステートで逆ネストボックスが積み重ねた状態を示し、下部は、逆ネストボックスの斜視図を示した。
【0078】
一好ましい例において、低電力の短距離の無線送受信モジュールは、各逆ネストボックスの底板の中央部位(底板中または底板の表面に取り付けられる)に設置される。図8の上部と中部から分かるように、エンプティステート及びフルステートで積み重なた2つの逆ネストボックスの底板の距離は著しく異なる。エンプティステートで2つの逆ネストボックスの底板距離がK(底板距離は、底板上の無線送受信モジュールの距離に等しい)であり、フルステートで2つの逆ネストボックスの底板距離がMである場合、K<S<Mを満たさなければならない。
【0079】
例6、リング付き構造--リング付きコンテナ
図6は、リング付きコンテナの積み重ね(ネスティング)方法を示した。ここで、図6の上部は、リング付きコンテナの斜視図であり、図6の中部は、2つのリング付きコンテナの積み重ね方向の模式図であり、図6の下部は、2つのリング付きコンテナのエンプティステートで積み重ねた後の状況である。無線送受信モジュールは、リング付きコンテナの底板(底板の中部での周辺機器による干渉を防止する効果が良い)に設置されることができ、リング付きコンテナのサイドプレートに設置されてもよい。
【0080】
通常の場合、リング付きコンテナは、エンプティステートで図6の方法で積み重ねることができ、この場合、2つのリング付きコンテナの無線送受信モジュールの間の距離(K)は、比較的に短く、リング付きコンテナは、物品を保持する時に積み重ね方法に配置されず(例えば、スーパーマーケットのシェルフに配置)、この場合、2つのリング付きコンテナの無線送受信モジュールの間の距離(M)は、比較的に長く、K<S<Mを満たさなければならない。
【0081】
例7、ネスティング可能な蓋付き物流ボックス
図9は、ネスティング可能な蓋付き物流ボックスを斜視図を示した。図10の上部は、フルステートでの前記物流ボックスの積み重ね方法であり、図10の下部は、エンプティステートで前記物流ボックスがネスティング方法で積み重ねた状態である。積み重ねる場合、各物流ボックスの蓋は別途に積み重ねることができる。
【0082】
好ましくは、無線送受信モジュールは、各物流ボックスのベースの中央部位に設置される。図10の上部と下部から分かるように、エンプティステート及びフルステートで積み重ねた2つの物流ボックスの底板の距離は著しく異なる。エンプティステートで2つの物流ボックスの底板距離がK(底板距離は、底板上の無線送受信モジュールの距離に等しい)であり、フルステートで2つの逆ネストボックスの底板距離がMである場合、K<S<Mを満たさなければならない。
【0083】
他の一実施例において、ネスティング可能な蓋付き物流ボックスの無線送受信モジュールは、サイドプレート(例えば、図10中の101位置)に設置されてもよい。
【0084】
例8、非ネスト類パレット(正確に配置されていない)--標準型パレット
図5は、エンプティステート及びフルステートで正確に配置されていない標準型パレットの異なる積み重ね方法を示した。ここで、図5の左側は、エンプティステートでの積み重ね方法であり、図5の右側は、フルステートでの積み重ね方法である。これにより分かるように、フルステートで、各パレットの間に荷物が積み上げられ、エンプティステートで、各パレットは直接に積み重なっていて、真ん中に荷物がない。ロカールパレットにシャーシが1つしかないため、無線送受信モジュールは、シャーシ(好ましくは、シャーシ中央に設置される)に設置される。図5から明らかに分かるように、エンプティステートでそれぞれのパレットが直接に積み重ねたため、それぞれのパレットの無線送受信モジュールの間の距離(K)は、比較的に短く、フルステートでそれぞれのパレットの間に荷物が挟まれているため、それぞれのパレットの無線送受信モジュールの間の距離(M)は、比較的に長く、K<S<Mを満たさなければならない。
【0085】
例9、ネスト類パレット(正確に配置された)
図14の上部は、エンプティステートでの正確に配置されたネスト類パレットの積み重ねた状況を示し、パレット上の積み重ね構造を利用して、エンプティステートでのパレットは、正確に上下重ねられる。正確とは、積み重ねらた各パレットの配置方法がほぼ同じであることを指す。
【0086】
図14の下部は、フルステートでのネスト類パレットの積み重ね方法を示し、各パレットの間には荷物が配置されている(例えば、他のタイプの物流ボックス)。
【0087】
図14から明らかに分かるように、エンプティステートでそれぞれのパレットが直接に積み重ねたため、それぞれのパレットの無線送受信モジュールの間の距離(K)は、比較的に短く、フルステートでそれぞれのパレットの間に荷物が挟まれているため、それぞれのパレットの無線送受信モジュールの間の距離(M)は、比較的に長く、K<S<Mを満たさなければならない。
【0088】
本発明の第4の実施形態は、物流器具のエンプティステート及びフルステートの識別方法に関し、前記実施形態に使用される物流器具は、第3の実施形態で説明した物流器具であり、前記方法は、以下のステップを含む。
【0089】
無線送受信モジュールにより、所定の無線信号を送信するステップと、無線送受信モジュールが現在他の無線送受信モジュールにより送信される所定の無線信号を受信できるかどうかを判断し、受信できる場合、物流器具がエンプティステートであると判断し、そうでない場合、物流器具がフルステートであると判断するステップ。ここで、本物流器具とは、本無線送信モジュールが位置される物流器具を指す。
【0090】
第3の無線送信モジュールは、本物流器具の識別子と決定装置によって出力されるエンプティステートまたはフルステート信号をクラウドサーバーに送信する。
【0091】
本特許の出願書類において、第1及び第2などの関係用語は、1つのエンティティまたは操作を別のエンティティまたは操作から区別するためにのみ使用され、これらのエンティティまたは操作の間の実際の関係または順序を必ずしも必要または暗示するわけではない。なお、一連の要素を含むプロセス、方法、物品、またはデバイスがそれらの要素だけでなく、明示的にリストされていない物品も含み、またはそのようなプロセス、方法、物品、またはデバイスに固有のその他の要素をさらに含むように、用語「含む」、またはその他の変形は、非排他的な包含を含むことを意図する。さらに制限がなければ、「1つの……を含む」で制限された要素は、その要素を含むプロセス、方法、物品、またはデバイスに他の同一の要素があることを除外しない。本特許の出願書類において、要素に従ってアクションを実行すると言及された場合、それは少なくとも要素に従ってアクションを実行することを意味し、ここでは2つの場合を含む:前記要素のみに基づいてアクションを実行し、前記要素と他の要素に従って前記アクションを実行する。
【0092】
本発明で言及されるすべての文書は、あたかも各文書が個々に参照により組み込まれたかのように、本出願に参照により組み込まれる。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの同等の形態も本出願によって請求される保護の範囲内にあることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14