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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】ガスコンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20220111BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20220111BHJP
   F23N 5/26 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
F24C3/12 V
F24C15/00 S
F23N5/26 T
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017164930
(22)【出願日】2017-08-30
(65)【公開番号】P2019044993
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩之
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 浩也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 匠
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-041526(JP,A)
【文献】特開2017-009242(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
F24C 15/00
F23N 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と
押し込み操作が可能であり押し込み方向回りの回動が自在な操作つまみを有し、前記操作つまみが前記筐体の内部から前面に突出した状態で配設される燃料供給装置と、
開口部を有し、前記操作つまみが前記開口部に挿入された状態で前記筐体の前記前面に固定されるパネル装置と
前記操作つまみの回動方向の断面形状と同形状の貫通孔を有し、前記操作つまみが前記貫通孔に挿入された状態で前記パネル装置の前記前面に装着される化粧パネルと、
を備えるガスコンロであって、
前記ガスコンロは、前記燃料供給装置と前記パネル装置とを連結する固定具を有し、
前記筐体の前面上部に前フレームが固定されており、
前記パネル装置と前記燃料供給装置は、前記前フレームを手前奥手から挟み込んだ状態で前記固定具により連結されており、
前記固定具は、前記前フレームに平行且つ前記操作つまみの押し込み方向に対して垂直な前端部に差し込み片とネジを挿入する第一ネジ孔を有し、
前記前フレームは、前記差し込み片を差し込むスリットと前記ネジを挿入する第二ネジ孔を有し、
前記パネル装置は、第三ネジ孔を有し、
前記固定具の前記差し込み片を前記スリットに差し込み、前記パネル装置、前記前フレーム、前記前端部の前記第一ネジ孔、前記第二ネジ孔、前記第三ネジ孔に前記ネジを挿入して固定することで前記燃料供給装置の前記固定具を固定することを特徴とするガスコンロ。
【請求項2】
前記固定具は、前記前フレームに平行且つ前記操作つまみの押し込み方向に対して垂直な後端部に挿入孔とネジを挿入する第四ネジ孔を有し、ガス燃料の流量を調節する流量調節部の前記前面に設けた突起部と第五ネジ孔の前記突起部を前記挿入孔に挿入し、前記第四ネジ孔と前記第五ネジ孔に前記ネジを挿入して固定することを特徴とする請求項に記載のガスコンロ。
【請求項3】
前記ネジは、共締め用のネジであることを特徴とする請求項又はに記載のガスコンロ。
【請求項4】
筐体と
押し込み操作が可能であり押し込み方向回りの回動が自在な操作つまみを有し、前記操作つまみが前記筐体の内部から前面に突出した状態で配設される燃料供給装置と、
開口部を有し、前記操作つまみが前記開口部に挿入された状態で前記筐体の前記前面に固定されるパネル装置と
前記操作つまみの回動方向の断面形状と同形状の貫通孔を有し、前記操作つまみが前記貫通孔に挿入された状態で前記パネル装置の前記前面に装着される化粧パネルと、
を備えるガスコンロであって、
前記ガスコンロは、前記燃料供給装置と前記パネル装置とを連結する固定具を有し、
前記化粧パネルの前記貫通孔の内部に、前記化粧パネルの裏面に沿って摺動可能に挿入されている筒部材が設けられ、前記筒部材に前記操作つまみが挿入されることを特徴とするガスコンロ。
【請求項5】
前記筒部材は、前記筒部材の前記化粧パネル側の端部に前記筒部材本体の外側方向に延設された第二フランジ部を有し、
前記第二フランジ部は、前記化粧パネルと前記パネル装置との間の空間に挿入されていることを特徴とする請求項に記載のガスコンロ。
【請求項6】
前記固定具は、略コの字形状に形成されており、前記化粧パネル側の前端部に平行な後端部の一部と前記前端部と前記後端部を繋ぐ繋ぎ部の上下側に夫々前記固定具の内側方向に延設している第一フランジ部を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか一に記載のガスコンロ。
【請求項7】
前記固定具は、前記燃料供給装置と前記パネル装置とを脱着可能に連結していることを特徴とする請求項1乃至の何れか一に記載のガスコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスコンロは、コンロバーナにガスを供給する燃料供給装置を備える。押し込み操作が可能で押し込み方向に回動自在な操作具(操作つまみ)を備えた燃料供給装置を、グリル庫の左右に配したガスコンロが知られている(例えば、特許文献1を参照)。この種のガスコンロは、筐体前面に取り付けられるパネル装置と、パネル装置に装着される化粧パネルを有している。化粧パネルは、パネルに設けた貫通孔に操作具を挿入させるようにしてパネル装置に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-3164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の燃料供給装置は押し込み方向に長手に形成られている為、つり合いが取れた状態で固定するのが難しい。その為、操作具の中心が貫通孔の中心から位置ズレし、ガスコンロの操作部分の見た目を損ねる恐れがある。
【0005】
本発明の目的は、操作つまみの中心と化粧パネルの貫通孔の中心との位置ズレを軽減できるガスコンロを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係るガスコンロは、筐体と押し込み操作が可能であり押し込み方向回りの回動が自在な操作つまみを有し、前記操作つまみが前記筐体の内部から前面に突出した状態で配設される燃料供給装置と、開口部を有し、前記操作つまみが前記開口部に挿入された状態で前記筐体の前記前面に固定されるパネル装置と前記操作つまみの回動方向の断面形状と同形状の貫通孔を有し、前記操作つまみが前記貫通孔に挿入された状態で前記パネル装置の前記前面に装着される化粧パネルと、を備えるガスコンロであって、前記ガスコンロは、前記燃料供給装置と前記パネル装置とを連結する固定具を有し、前記筐体の前面上部に前フレームが固定されており、前記パネル装置と前記燃料供給装置は、前記前フレームを手前奥手から挟み込んだ状態で前記固定具により連結されており、前記固定具は、前記前フレームに平行且つ前記操作つまみの押し込み方向に対して垂直な前端部に差し込み片とネジを挿入する第一ネジ孔を有し、前記前フレームは、前記差し込み片を差し込むスリットと前記ネジを挿入する第二ネジ孔を有し、前記パネル装置は、第三ネジ孔を有し、前記固定具の前記差し込み片を前記スリットに差し込み、前記パネル装置、前記前フレーム、前記前端部の前記第一ネジ孔、前記第二ネジ孔、前記第三ネジ孔に前記ネジを挿入して固定することで前記燃料供給装置の前記固定具を固定することを特徴とする。
【0007】
【0008】
請求項に係るガスコンロは、請求項に記載の構成に加え、前記固定具は、前記前フレームに平行且つ前記操作つまみの押し込み方向に対して垂直な後端部に挿入孔とネジを挿入する第四ネジ孔を有し、ガス燃料の流量を調節する流量調節部の前記前面に設けた突起部と第五ネジ孔の前記突起部を前記挿入孔に挿入し、前記第四ネジ孔と前記第五ネジ孔に前記ネジを挿入して固定することを特徴とする。
【0009】
請求項に係るガスコンロは、請求項又はに記載の構成に加え、前記ネジは、共締め用のネジであることを特徴とする。
【0010】
【0011】
請求項に係るガスコンロは、筐体と押し込み操作が可能であり押し込み方向回りの回動が自在な操作つまみを有し、前記操作つまみが前記筐体の内部から前面に突出した状態で配設される燃料供給装置と、開口部を有し、前記操作つまみが前記開口部に挿入された状態で前記筐体の前記前面に固定されるパネル装置と前記操作つまみの回動方向の断面形状と同形状の貫通孔を有し、前記操作つまみが前記貫通孔に挿入された状態で前記パネル装置の前記前面に装着される化粧パネルと、を備えるガスコンロであって、前記ガスコンロは、前記燃料供給装置と前記パネル装置とを連結する固定具を有し、前記化粧パネルの前記貫通孔の内部に、前記化粧パネルの裏面に沿って摺動可能に挿入されている筒部材が設けられ、前記筒部材に前記操作つまみが挿入されることを特徴とする。
【0012】
請求項に係るガスコンロは、請求項に記載の構成に加え、前記筒部材は、前記筒部材の前記化粧パネル側の端部に前記筒部材本体の外側方向に延設された第二フランジ部を有し、前記第二フランジ部は、前記化粧パネルと前記パネル装置との間の空間に挿入されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係るガスコンロは、請求項1乃至5の何れか一に記載の構成に加え、前記固定具は、略コの字形状に形成されており、前記化粧パネル側の前端部に平行な後端部の一部と前記前端部と前記後端部を繋ぐ繋ぎ部の上下側に夫々前記固定具の内側方向に延設している第一フランジ部を有することを特徴とする。
請求項に係るガスコンロは、請求項1乃至の何れか一に記載の構成に加え、前記固定具は、前記燃料供給装置と前記パネル装置とを脱着可能に連結していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係るガスコンロによれば、化粧パネルが取り付けられるパネル装置に固定具で燃料供給装置を固定するので、操作つまみの位置ずれを防ぐことができる。故に、美観を損ねないガスコンロを提供することができる。
【0015】
さらに、前フレームに設けたスリットに、固定具の差し込み片を差し込むので、固定具の位置合わせが容易にできる。従って、固定具と固定具に連結されている燃料供給装置に位置ズレが生じるのを防ぐことができる。
【0016】
請求項に係るガスコンロによれば、請求項に記載の発明の効果に加え、燃料供給装置と固定具を位置決めして固定することができる。従って、パネル装置の開口部、化粧パネルの貫通孔に操作つまみを挿入して固定する際に、操作つまみの中心と貫通孔の中心の位置ズレを防ぐことができる。
【0017】
請求項に係るガスコンロによれば、請求項又はに記載の発明の効果に加え、ネジの緩みが生じるのを防ぐことができる。
【0018】
【0019】
請求項に係るガスコンロによれば、化粧パネルが取り付けられるパネル装置に固定具で燃料供給装置を固定するので、操作つまみの位置ずれを防ぐことができる。故に、美観を損ねないガスコンロを提供することができる。さらに、化粧パネルの貫通孔の中心と、操作つまみの中心がズレたとしても、筒部材によりそのズレを目立たなくすることができる。故に、美観を損ねない。
【0020】
請求項に係るガスコンロによれば、請求項に記載の発明の効果に加え、操作つまみの中心と化粧パネルの中心がズレたとしても、フランジ部が隙間を埋めてくれるので、美観を損ねない。
【0021】
請求項6に係るガスコンロによれば、請求項1乃至5の何れか一に記載の発明の効果に加え、固定具の強度を強化することができる。
請求項に係るガスコンロによれば、請求項1乃至の何れか一に記載の発明の効果に加え、各部品を製造する為のキャストを大幅に変更する必要がないため、製造コストを軽減することができる。
【0022】
なお、本発明は、請求項1乃至の夫々の発明特定事項を任意に組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ガスコンロ1の斜視図である。
図2】燃料供給装置20の斜視図である。
図3】固定具42の斜視図である。
図4】固定具42を燃料供給装置20に装着している状態の斜視図である。
図5】筐体2に燃料供給装置20(左側のみ)を取り付けた状態の斜視図である。
図6】筐体2にパネル装置51(左側のみ)を装着した状態の斜視図である。
図7】化粧パネル52の前面図である。
図8】化粧パネル52、筒部材52B、パネル装置51の分解図である。
図9図7のラインASでの、筒部材52Bを有する化粧パネル52が装着され、筒部材52Bと貫通孔52Aに燃料供給装置20が挿入されている状態で固定されている場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載される装置の構造などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
【0025】
図1を参照し、ガスコンロ1について説明する。ガスコンロ1は、ビルトインコンロである。ガスコンロ1は筐体2と天板3を備える。筐体2は上部が開口し、開口部分に天板3が設置される。天板3において、右手前には右バーナ4、左手前には左バーナ5、中央奥側には奥バーナ6が設けられる。天板3の後方部には、筐体2内に設置されたグリル装置(図示略)の排気口7が設けられる。
【0026】
ガスコンロ1の前面の略中央には、グリル扉8が設けられる。グリル扉8は、グリル装置に設けられるグリル庫(図示略)の前側開口部分を開閉する。グリル扉8の右側の領域には、正面視円形状の2つの操作つまみ11、12が横方向に並んで設けられる。グリル扉8の左側の領域には、操作つまみ11、12と同じ高さ位置に、同一形状の2つの操作つまみ13、14が横方向に並んで設けられる。操作つまみ11~14の夫々は、右バーナ4、グリル庫内のグリルバーナ(図示略)、奥バーナ6、左バーナ5の点火、消火及び火力調節を行う為に操作される。操作つまみ11~14は、夫々、燃料供給装置20(図2参照)の前端部に取り付けられる。
【0027】
図2を参照し、燃料供給装置20について説明する。ガスコンロ1は、右バーナ4、左バーナ5、奥バーナ6、及びグリル装置にガスを供給する4つの燃料供給装置を備える。そのうち、右バーナ4、左バーナ5、奥バーナ6にガスを供給する燃料供給装置20は公知のプッシュ・プッシュ機構を備えた同一構成の装置である。また、グリル装置にガスを供給する燃料供給装置(図示略)は、燃料供給装置20と同様のプッシュ・プッシュ機構を備えるが、ガス流量の調節を電磁弁によって行うため、流量調節部(図示略)を別体に設ける。以下では、奥バーナ6にガスを供給する燃料供給装置20を一例として説明し、右バーナ4、左バーナ5、グリル装置にガスを供給する燃料供給装置については説明を省略する。
【0028】
図2に示す様に、燃料供給装置20は、操作つまみ13の押し込み操作と回動操作により、奥バーナ6の点火と消火、及び奥バーナ6に供給するガス量の調節を行う装置である。押し込み操作は、操作つまみ13の前面を後方へ押圧し、ガスコンロ1の前面よりも奥側に押し込む操作である。回動操作は、操作つまみ13の側面を把持し、前後方向の軸(軸心AX)を中心に回動する操作である。燃料供給装置20は、操作つまみ13とプッシュ・プッシュ機構等を有する操作部、ガス流路部、火力調節カム、流量調節部31等を備える。
【0029】
操作つまみ14は略円柱状に形成される。操作つまみ14は、ガスコンロ1の後方へ向けて押し込み移動させることにより、待機位置、押込位置、操作位置の各位置に移動する。待機位置は、操作つまみ14の先端面が、ガスコンロ1の前面とほぼ面一となる位置である。待機位置において、操作つまみ14の先端面は、ガスコンロ1の前面よりも僅かに後側に位置してもよいし、僅かに前側に位置してもよい。押込位置は、操作つまみ14の先端面が、ガスコンロ1の前面よりも後方に押し込まれた位置である。操作つまみ14は、押込位置にて待機位置よりも後方に位置する。操作位置は、操作つまみ14の先端面が、ガスコンロ1の前面に対して突出する位置である。操作つまみ14は、操作位置にて待機位置よりも前方に位置する。操作位置にあるとき、操作つまみ14は、前後方向に沿う軸心AXを中心に回動可能(回動操作可能)である。
【0030】
流量調節部31は、プッシュ・プッシュ機構とガス流路部の上部に設けられる。ガス燃料の流量を調節する流量調節部31の内部には第二ガス通路(図示略)が形成される。流量調節部31は、図2に示す様に、流量調節部31の前面に左右に並んで前方に突出する2つの突起部31Aとネジ50を挿入する2つのネジ孔31Bが形成されている。ネジ孔31Bは、軸心AXから左右方向に突起部31Aより離れた位置に夫々形成されている。流量調節部31は、公知であるので詳しい説明は省略する。また、プッシュ・プッシュ機構とガス流路部は、公知であるので説明は省略する。
【0031】
図1に示す様に、ガスコンロ1は、グリル扉8の右側の領域に、右バーナ4とグリル装置の火力表示を行うパネル装置51を備え、グリル扉8の左側の領域に、左バーナ5と奥バーナ6の火力表示を行うパネル装置51を備える。
【0032】
図3を参照し、流量調節部31の前面に固定される固定具42について説明する。固定具42は、図3に示す様に、略コの字状に形成されおり、第一部分42Aと第二部分42Bと第三部分42Cとから構成されている。第一部分42Aは、流量調節部31の前面に固定される部分であり、固定時に、左右に延設されて形成される。第一部分42Aは、図3に示す様に、流量調節部31の突起部31Aとネジ孔31Bに対向する位置に、夫々2つの挿入孔42Dと第一孔42Eが形成されている。第二部分42Bは、第一部分42Aの左側端部から前方に延設されて形成されている。第三部分42Cは、第二部分42Bの前側端部から右方向に延設されて形成されている。第三部分42Cは、図3に示す様に、右側先端部を前方に垂直に折り曲げて形成した突起部42Fと、第三部分42Cの左右方向の略中央に第二孔42Gが形成されている。固定具42は、図3に示す様に、第二部分42Bと第一部分42Aの一部の上下にフランジ部42Hが夫々形成されている。これにより、固定具42の強度を強化することができる。
【0033】
図4を参照し、固定具42の流量調節部31(燃料供給装置20)への固定方法について説明する。固定具42は、挿入孔42Dに流量調節部31の突起部31Aが挿入され、固定具の位置決めが行われる。そして、固定具42と流量調節部31は、固定具42の第一孔42Eと流量調節部31のネジ孔31Bに共締め用のネジ50が夫々挿入され、ネジ止めされ固定される。共締め用のネジでネジ止めするのは、ネジの緩みを防ぐ為である。
【0034】
図5を参照し、固定具42(燃料供給装置20)の筐体2への取り付けについて説明する。筐体2は、図5に示す様に、グリル装置の設置位置の左右の上部に前フレーム2Aを夫々有する。前フレーム2Aは、図5に示す様に、前面上部の両端部の固定具42の突起部42Fと第二孔42Gに対向する位置に、固定具42の突起部42Fを挿入するスリット2Bとネジ孔2Cが形成されている。各前フレーム2Aには、2つの燃料供給装置20が固定具42で夫々固定されるので、スリット2Bとネジ孔2Cは2つずつ形成されている。
【0035】
図6を参照し、パネル装置51について説明する。図6は、左側の前フレーム2Aにパネル装置51が装着されている図である。パネル装置51は、図6に示す様に、前面上部の両端部にネジ孔51Aが夫々形成されている。ネジ孔51Aは、左側の前フレーム2Aのネジ孔2Cに対向する位置に形成されている。また、パネル装置51は、図6に示す様に、操作つまみ13,14を挿入する為の2つの貫通孔51Bが形成されている。従って、操作つまみ13,14を貫通孔51Bに夫々挿入した状態で、パネル装置51と前フレーム2Aと固定具42を共締め用のネジでネジ止めすることで筐体2に固定することができる。共締め用のネジでネジ止めするのは、ネジの緩みを防ぐ為である。また、突起部42Fをスリット2Bに挿入して位置決めし、第二孔42Gと、ネジ孔2Cと、ネジ孔51Aをネジ止めして固定した状態で、操作つまみ13,14の軸心AXが貫通孔51Bの中心と一致するように、突起部42F、スリット2B、第二孔42G、ネジ孔2C、ネジ孔51Aの位置が決められている。
【0036】
図7を参照し、化粧パネル52について説明する。化粧パネル52は、図7に示す様に、操作つまみ13,14の前後方向に対して垂直断面の形状と同形状の貫通孔52Aが形成されている。
【0037】
図8図9を参照し、化粧パネル52の貫通孔52A内に設けられた筒部材52Bについて説明する。図8は、化粧パネル52、筒部材52B、パネル装置51の分解図である。貫通孔52Aは、図8図9に示す様に、貫通孔52A内の後端部において化粧パネル52の後面に沿って摺動自在な筒部材52Bを有する。筒部材52Bの外径は、パネル装置51の貫通孔51Bの径より小さく形成され、筒部材52Bの後端部分は貫通孔51Bに挿入される。筒部材52Bは、図8図9に示す様に、前端部の外周から離れる方向に延設された、外周の形状が円状のフランジ部52B1を有する。フランジ部52B1は先端部が前方に折れ曲がった形状、つまり、L字形状に形成されている。また、フランジ部52B1の外径は、貫通孔51Bの径より大きく形成されている。フランジ部52B1は、図9に示す様に、パネル装置51と化粧パネル52との間の空間に挿入されている。以上に説明したように、筒部材52Bの後端部分は貫通孔51Bに挿入され、筒部材52Bの外径が貫通孔51Bの径より小さく、フランジ部52B1の外径が貫通孔51Bの径より大きい。故に、筒部材52Bは、貫通孔52A内の後端部において化粧パネル52の面に沿って摺動自在になる。
【0038】
この様に、摺動自在なフランジ部52A1を有する筒部材52Bが貫通孔52A内に挿入されており、操作つまみ13を筒部材52Bに挿入させることで、化粧パネル52の前面から見た際に、操作つまみ13の位置ズレを目立たなくすることができる。この様な筒部材52Bを更に貫通孔52A内に挿入するのは、ガスコンロ1毎に、突起部42Fをスリット2Bに挿入して位置決めし、第二孔42Gと、ネジ孔2Cと、ネジ孔51Aをネジ止めして固定した状態で、操作つまみ13,14の軸心AXが貫通孔51Bの中心と一致するように、突起部42F、スリット2B、第二孔42G、ネジ孔2C、ネジ孔51Aの位置を決めるのは困難であるからである。つまり、ガスコンロ1によっては、突起部42Fをスリット2Bに挿入して位置決めし、第二孔42Gと、ネジ孔2Cと、ネジ孔51Aをネジ止めして固定した場合に、操作つまみ13の軸心AXと貫通孔52Aの中心にズレが生じる場合有る。ズレが生じた場合に、筒部材52Bが隙間を埋めて、ズレを目立たなくできるので、美観が損なわれるのを防ぐことができる。
【0039】
上記実施形態によれば、ガスコンロ1は、筐体2と押し込み操作が可能であり押し込み方向回りの回動が自在な操作つまみ13を有し、操作つまみ13が筐体の内部から前面に突出した状態で配設される燃料供給装置20を備える。ガスコンロ1は、貫通孔51Bを有し、操作つまみ13が貫通孔51Bに挿入された状態で筐体2の前面に固定されるパネル装置51を備える。ガスコンロ1は、操作つまみ13の回動方向の断面形状と同形状の貫通孔52Aを有し、操作つまみ13が貫通孔52Aに挿入された状態でパネル装置51の前面に装着される化粧パネル52を備える。ガスコンロ1は、燃料供給装置20とパネル装置51とを連結する固定具42を有する。化粧パネル52が取り付けられるパネル装置51に固定具42で燃料供給装置20を固定するので、操作つまみ13の位置ずれを防ぐことができる。故に、美観を損ねないガスコンロ1を提供することができる。
【0040】
上記説明において、ガスコンロ1は、「ガスコンロ」の一例である。筐体2は、「筐体」の一例である。前フレーム2Aは、「前フレーム」の一例である。スリット2Bは、「スリット」の一例である。ネジ孔2Cは、「第二ネジ孔」の一例である。操作つまみ13は、「操作つまみ」の一例である。燃料供給装置20は、「燃料供給装置」の一例である。流量調節部31は、「燃料調節部」の一例である。突起部31Aは、「突起部」の一例である。ネジ孔31Bは、「第五ネジ孔」の一例である。固定具42は、「固定具」の一例である。第一部分42Aは、「後端部」の一例である。第二部分42Bは、「繋ぎ部」の一例である。第三部分42Cは、「前端部」の一例である。挿入孔42Dは、「挿入孔」の一例である。第一孔42Eは、「第四ネジ孔」の一例である。突起部42Fは、「差し込み片」の一例である。第二孔42Gは、「第一ネジ孔」の一例である。フランジ部42Hは、「第一フランジ部」の一例である。パネル装置51は、「パネル装置」の一例である。貫通孔51Bは、「開口部」の一例である。ネジ孔51Aは、「第三ネジ孔」の一例である。筒部材52Bは、「筒部材」の一例である。フランジ部52B1は、「第二フランジ部」の一例である。
【符号の説明】
【0041】
1 ガスコンロ
2 筐体
2A 前フレーム
2B スリット
2C ネジ孔
13 操作つまみ
20 燃料供給装置
31 流量調節部
31A 突起部
31B ネジ孔
42 固定具
42A 第一部分
42B 第二部分
42C 第三部分
42D 挿入孔
42E 第一孔
42F 突起部
42G 第二孔
42H フランジ部
51 パネル装置
51A ネジ孔
51B 貫通孔
52 化粧パネル
52A 貫通孔
52B フランジ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9