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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】地下水往還装置
(51)【国際特許分類】
   E21B 43/00 20060101AFI20220111BHJP
   E03B 3/08 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
E21B43/00 B
E03B3/08 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018037470
(22)【出願日】2018-03-02
(65)【公開番号】P2019152019
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】500575972
【氏名又は名称】株式会社リビエラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今 喜代美
(72)【発明者】
【氏名】今 修一郎
(72)【発明者】
【氏名】今 祐治郎
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-177434(JP,A)
【文献】実開昭56-168557(JP,U)
【文献】特開2012-172488(JP,A)
【文献】特開2001-329578(JP,A)
【文献】特開2005-249413(JP,A)
【文献】特開2008-178789(JP,A)
【文献】特開2014-141802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 43/00
E03B 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直状のケーシングと、このケーシング内に位置する開口から上方のケーシング外へ延設された第一の管と、ケーシング外からケーシング内へ入り下方へ延設されて第一の管よりも下方側に開口を有する第二の管と、第一の管の前記開口と第二の管の前記開口の間の高さ位置でケーシング内の空間を上下に分断する遮水部とを備え、第一の管と第二の管のうち、その一方を、ケーシング内からケーシング外へ水を搬送する往管とし、他方をケーシング外からケーシング内へ水を戻す還管とした地下水往還装置において、
前記ケーシングの周壁には、前記遮水部よりも上側と下側に水を通過可能なストレーナ部が設けられ、
前記還管は、下方へ延設された下向き管と、前記下向き管の周壁から横向きに突出してその突端に吐出口としての開口を有する突出管とを具備していることを特徴とする地下水往還装置。
【請求項2】
前記突出管が、前記下向き管の周壁に周方向にわたって複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の地下水往還装置。
【請求項3】
前記突出管が、前記下向き管の上下方向にわたって複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の地下水往還装置。
【請求項4】
前記突出管の吐出口の内径を、前記下向き管の内径よりも小さくしたことを特徴とする請求項1~3何れか1項記載の地下水往還装置。
【請求項5】
前記還管内に気泡を混入する気泡混入装置が設けられていることを特徴とする請求項1~4何れか1項記載の地下水往還装置。
【請求項6】
前記突出管は、前記下向き管を中心にして回転するように設けられていることを特徴とする請求項1~5何れか1項記載の地下水往還装置。
【請求項7】
前記突出管は、前記下向き管に対し、周方向の一方へ傾いて設けられていることを特徴とする請求項6記載の地下水往還装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融雪や空調機、冷凍機等の熱源(温熱源及び冷熱源を含む)として用いられる地下水を、地下水脈と地上の間で往還させるようにした地下水往還装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるように、周壁の所定高さ位置にストレーナ部(スリット)を有する鉛直状のケーシングと、このケーシング内に吸入口を有し上方へ延設され地上設備に接続された往管と、地上設備からケーシング内へ戻り往管の吸入口よりも下方に吐出口を有する還管と、往管よりも下側で還管の途中に設けられケーシング内の空間を上下に分断する遮水管とを備え、前記ケーシングが地中の帯水層まで埋め込まれるようにした発明がある。
この従来技術は、ケーシング周壁のスリットから流入する地下水を往管により地上設備に送り、地上設備から還管によりケーシング内へ戻される水を、遮水管下側の還管の吐出口からケーシング内へ吐出して、このケーシング内の水が、遮水管周壁のストレーナ部を介して帯水層へ戻されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-228928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術によれば、遮水管の下側で、ストレーナ部に帯水層の土砂等が詰まったり、ケーシング内の空間に帯水層の細かい土砂が入り込んだりして、還管の出口から吐出される水が、ケーシング外へスムーズに排出されないおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
鉛直状のケーシングと、このケーシング内に位置する開口から上方のケーシング外へ延設された第一の管と、ケーシング外からケーシング内へ入り下方へ延設されて第一の管よりも下方側に開口を有する第二の管と、第一の管の前記開口と第二の管の前記開口の間の高さ位置でケーシング内の空間を上下に分断する遮水部とを備え、第一の管と第二の管のうち、その一方を、ケーシング内からケーシング外へ水を搬送する往管とし、他方をケーシング外からケーシング内へ水を戻す還管とした地下水往還装置において、前記ケーシングの周壁には、前記遮水部よりも上側と下側に水を通過可能なストレーナ部が設けられ、前記還管は、下方へ延設された下向き管と、前記下向き管の周壁から横向きに突出してその突端に吐出口としての開口を有する突出管とを具備していることを特徴とする地下水往還装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、還管からの吐出水をスムーズに帯水層へ排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る地下水往還装置の一例を地中に埋めた状態の構造図であり、ケーシングの一部を切欠して内部構造を示すようにしている。
図2】同地下水往還装置を地中に埋めた状態の要部拡大断面図である。
図3】同地下水往還装置における還管を吐出口部分で切断した横断面図である。
図4】本発明に係る地下水往還装置の他例について、還管を吐出口部分で切断した横断面図である。
図5】本発明に係る地下水往還装置の他例を示す要部拡大図である。
図6】同地下水往還装置の他例について、還管を吐出口部分で切断した横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1図3は、本発明に係る地下水往還装置の一例を示している。
地下水往還装置1は、図1に示すように、不透水層及び帯水層を有する地中に埋め込まれる。帯水層は、上下の不透水層の間に形成される水を含んだ地層であり、例えば、砂層、礫層などの多孔質浸透性の未固結地層、または割れ目を有した砂岩、礫岩、稀に玄武岩、分散した溶岩が重なり合った火成岩層、あるいは多孔質、空洞のある石灰岩の層等によって構成される。
地下水往還装置1は、目的の温度や水量などを有する単一の帯水層に挿通され、例えば、図1に示すように、上下に離れた二つの帯水層のうち、その下側の帯水層Aに挿通される。
【0009】
この地下水往還装置1は、鉛直状のケーシング10と、このケーシング10内の開口(吸入口21)から上方のケーシング10外へ延設された第一の管20(往管)と、ケーシング10外からケーシング10内へ入り第一の管20よりも下方へ延設されて第一の管20よりも下方側に開口(吐出口34a)を有する第二の管30(還管)と、第一の管20の開口(吸入口21)と第二の管30の開口(吐出口34a)の間の高さ位置でケーシング10内の空間を上下に分断する遮水部40と、第二の管30(還管)内に気泡を混入する気泡混入装置50と、ケーシング10内の空気を外部へ排出する排気装置60とを備え、地中から汲み上げた地下水を地上側設備Xに循環させて地中に戻すように構成される。
【0010】
ケーシング10は、金属製パイプからなる長尺円筒状の部材であり、複数の円筒状部材をその上下方向へ連結することで構成される。
このケーシング10の上端部は、円盤状の蓋部材13によって閉鎖されている。また、ケーシング10の下端部は閉鎖しており、図2に例示するように、地中内の層(図示例によれば不透水層)に接する。
このケーシング10の口径は、必要循環量に応じて、例えば100mm、125mm、150mm、200mm、300mm等から適宜に選択される。
このケーシング10の下端側には、目標とする帯水層Aに対応する位置に、ストレーナ部11,12が設けられる。
【0011】
ストレーナ部11,12は、ケーシング10の周壁を径方向へ貫通するとともに上下方向へ延設された縦長スリット状の貫通孔であり、遮水部40を境にした上側と下側に位置し、周方向に間隔をおいて複数設けられる。
各ストレーナ部11(又は12)の幅寸法(周方向寸法)は、帯水層Aの礫(小石)等を通過させ難いように適宜に設定される。
なお、このストレーナ部11,12の他例としては、多数の小孔からなる態様や、水を通過可能な繊維状物からなる態様とすることも可能である。
【0012】
上側のストレーナ部11は、遮水部40よりも上側に位置するとともに、目標とする帯水層Aの上寄りに対応して配設される。
また、下側のストレーナ部12は、遮水部40よりも下側に位置するとともに、目標とする帯水層Aの下寄りに対応して配設される。
【0013】
第一の管20は、円筒状のパイプ等によって構成され、図示例によれば、ケーシング10内の水を吸い上げる往管として用いられる。
この第一の管20は、下端側に吸入口21としての開口を有し、この吸入口21から上方のケーシング10外へ延設され、地上側設備Xの配管入口に接続されている。
図中、符号M1,M2は、管路中の水流量を測定する流量計、符号P1は、管路中に水を強制循環させる循環ポンプである。
【0014】
地上側設備Xは、第一の管20によって汲み上げられた地下水を熱交換器に通過させて熱利用し、その利用後の水を第二の管30へ戻すように構成されている。
例えば、図示の地上側設備Xは、融雪装置であり、地面に埋め込まれたコイル式熱交換器に、地下水を通過させるように構成される。
この地上側設備Xの他例としては、空調装置や、コールドチェーン機器、その他の冷凍装置における熱交換器部分とすることも可能である。
【0015】
第二の管30は、図示例によれば、第一の管20(往管)によって搬送され、地上側設備Xにより利用した水を、ケーシング10内へ戻して吐出する還管として用いられる。
この第二の管30(還管)は、ケーシング10外からケーシング10内へ挿通された円筒パイプ状の搬送管31と、この搬送管31の下方側で拡径された拡径管32と、この拡径管32の下方側で縮径されてさらに下方へ延設された下向き管33(図2参照)と、下向き管33の周壁から横向きに突出してその突端に吐出口34aとしての開口を有する突出管34とを具備して構成される。
【0016】
搬送管31は、地上側設備Xの排出口から地上に沿って延設され、蓋部材13を貫通して、ケーシング10内にて下方へ延設されている。
この搬送管31の地上側には、気泡混入装置50の配管が接続される。搬送管31内には、気泡混入装置50によって気泡が混入される。
【0017】
気泡混入装置50は、水中に微細な気泡を発生する周知の装置(バブル発生装置と呼称される場合がある。)であり、発生した気泡を第二の管30(詳細には搬送管31)内の水に混入するように配管接続されている。
【0018】
拡径管32は、搬送管31よりも外径の大きい円筒タンク状の管体である。
この拡径管32の外周部には、遮水部40が設けられる。
【0019】
遮水部40は、合成ゴム等の弾性材料から無端環状に形成される。この遮水部40は、拡径管32の外周部に、上下方向に間隔を置いて複数(図示例によれば三つ)配設され、それぞれ拡径管32に対し移動不能に固定されている。
そして、この遮水部40は、ケーシング10の内面に対しては摺接して移動可能である。したがって、例えば、上下方向において、特にケーシング10内の下端寄りに土砂等の堆積物が蓄積したり、部分的にストレーナ部12の目詰まりを生じたりした場合に、ケーシング10を上下方向へ移動させれば、これら蓄積や目詰まりによる水の排出障害を軽減することができる。
なお、ケーシング10の下方向への移動をよりスムーズにするためには、拡径管32の外周面とケーシング10の内周面の間で複数のボールを転動させるようにしたボールベアリング構造を具備することも可能である。この態様では、必要に応じて、弾性部材等の水密部材を適宜に組み合わせて、隣接するボール間の水密性を向上する。
この遮水部40の一例としては、Oリングを用いた態様とすることが可能である。
【0020】
また、下向き管33は、拡径管32の下端側を縮径して下方へ延設され管体であり、上下方向に間隔を置いた複数の突出管34を具備している。
下向き管33の下端部は、閉鎖されてケーシング10の下端壁の内面に接しており、この接触により、複数の突出管34の高さを、帯水層Aに対応するように保持している。
【0021】
突出管34は、下向き管33の外周面から径方向外側へ突出する管体であり、その突端を開口して吐出口34aとしている。
突出管34及び吐出口34aの内径D2は、下向き管33の内径D1よりも小さく設定される(図3参照)。
この突出管34は、下向き管33の上下方向に間隔(図示例によれば略等間隔)を置くとともに、下向き管33の周方向にも間隔(図示例によれば略等間隔)を置いて複数設けられる(図2及び図3参照)。
【0022】
また、排気装置60は、蓋部材13を貫通する配管や、この配管に接続された真空ポンプ等によって構成され、ケーシング10内の空気を地上外部へ排出する。したがって、この排気装置60によれば、地下水が、ケーシング10内に残存する空気によって劣化するのを防ぐことができる。
【0023】
上記構成の地下水往還装置1は、例えば、特許第4485465号に記載される手順によって地中に埋設され、上下のストレーナ部11,12が帯水層A内に位置する。
この埋設過程において、地中に挿入されたケーシング10はその下端部が不透水層に接し、この後で、ケーシング10の内部に第二の管30が挿通され、この第二の管30の下端が地中内の層(図示例によれば不透水層)に当接する。そして、吸入口21及び複数の突出管34は、帯水層Aの上下幅内に位置する。
【0024】
次に上記構成の地下水往還装置1について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
帯水層Aの上側領域の水は、ストレーナ部11を介してケーシング10内に侵入する。
この状態で、循環ポンプP1を駆動すると、ケーシング10内の水が、吸入口21に吸い込まれて、第一の管20、地上側設備X及び第二の管30内を循環する。
この循環中、第二の管30内の水には、気泡混入装置50によって気泡が混入される。
そして、第二の管30内の水及び気泡は、下向き管33内を流れ、複数の突出管34先端の吐出口34aからケーシング10内に吐出され、さらに下側のストレーナ部12を通過して、帯水層Aの下側領域に戻される。
前述した水の流れに起因して、ケーシング10におけるストレーナ部11,12の周囲には、帯水層Aの土砂等が比較的少なく、水で満たされた部分C(水中ドームと呼称される場合がある。)が形成される。
【0025】
前記過程において、下向き管33の水は、気泡Bを混入した状態で、比較的小径の吐出口34aから勢いよく噴出する(図2参照)。このため、帯水層Aの土砂等がストレーナ部12を介してケーシング10内へ侵入するのを抑制することができ、ひいては、ストレーナ部12が土砂等によって目詰まりしたり、ケーシング10内に土砂等が蓄積したりするのを防ぐことができる。
しかも、本実施の形態の好ましい一例によれば、突出管34を下向き管33の上下方向にわたって複数設けているため、仮に、ケーシング10内の下端寄りに土砂等が蓄積した場合であっても、その蓄積した土砂等を避けて、上側に位置する突出管34によって水の排出を継続することができる。
また、仮に、周方向において部分的にストレーナ部12の目詰まりを生じた場合でも、目詰まりしていないストレーナ部12に対し、何れかの突出管34の吐出口34aを向けることができ、ひいては、目詰まりによって水の排出が妨げられるようなことを軽減することができる。
よって、地下水往還装置1によれば、第二の管30(還管)からの吐出水をスムーズに帯水層Aへ戻して、地中と地上との間で地下水を効率的に循環させることができる。
【0026】
なお、上記実施形態によれば、複数の突出管34を上下方向に間隔を置き且つ周方向にも間隔を置くようにしたが、他例としては、突出管34が同じ高さ位置で周方向に複数配設された態様(図4参照)や、突出管34が同じ方向を向いて上下方向に複数配設された態様(図示せず)等とすることも可能である。
【0027】
また、上記実施の形態では、各突出管34を長さ方向に同径の円筒状に形成したが、他の好ましい態様としては、各突出管34をその内径が吐出口34aへ向かって徐々に小さくなるノズル状に形成してもよい。
【0028】
また、図2図4では、各突出管34を下向き管33と一体の部材として図示しているが、図示例以外の他例としては、下向き管33を複数の直管により構成し、上下に隣接する前記直管の間に突出管34を有するチーズ管を設けるようにしてもよい。
【0029】
さらに、より好ましい態様としては、図5及び図6に示すように、突出管34を下向き管33の軸心部を中心にして回転可能に設けるとともに、この突出管34を、下向き管33に対し、周方向の一方(図6の一例によれば時計方向)へ傾ける。以下、この態様について詳細に説明する。
この態様では、図5に示すように、下向き管33を、上下方向へ延設された下向き管本体33aと、この下向き管本体33aの途中部分で回転する回転管33bとから構成する。
回転管33bは、外周部に複数の突出管34をT字状に有し、上下に分断された下向き管本体33a,33aの間に回転可能に嵌り合っている。
回転管33bは、上下方向に延設された直管部33b1の外周面に、周方向の一方へ傾斜する複数(図示例によれば三つ)の突出管34を設けている。
直管部33b1は、下向き管本体33aに対し回転可能に支持されている。この支持構造は、例えば、直管部33b1を下向き管本体33aに対し回転可能に嵌め合わせればよく、また、他例としては、直管部33b1と下向き管本体33aをボールベアリングを介して接続するようにしてもよい。
【0030】
また、突出管34の傾斜状態について詳述すれば、図6に示すように、突出管34は、その中心線L1を、直管部33b1の中心から半径方向へ離れた位置(図示例によれば直管部33b1の外周面に沿う仮想円Q上の位置)を傾斜基点pにして、周方向の一方(図示例によれば時計方向)へ角度α傾けている。
角度αは、回転管33bに十分な回転力を付与するように適宜に設定され、好ましいくは45度以上に設定される。
【0031】
よって、図5及び図6に示す態様によれば、吐出口34aから吐出される水及び気泡の勢いにより、複数の突出管34が一方向へ連続回転する。
このため、突出管34内の水及び気泡が、周方向において比較的広い範囲に噴出し、土砂等がケーシング10内へ侵入するのを効果的に抑制する。しかも、ストレーナ部12に部分的な目詰まりを生じた場合や、ケーシング10内に土砂等が部分的に堆積した場合でも、これらの箇所を、回転する突出管34によって周方向に避けて、水の排出経路を確保することができる。
【0032】
なお、上記実施態様によれば、突出管3による流体の噴出力で回転管33bを回転させるようにしたが、他例としては、例えばモータを用いて回転管33bを回転させる構造など、図示例以外の原理により回転管33bを回転させる構造とすることも可能である。
【0033】
また、上記実施態様によれば、下向き管本体33a,33aに対し回転管33bを回転させる構造としたが、他例としては、図示の下向き管本体33a,33a及び回転管33bを一体化した下向き管33全体を、拡径管32に対し回転させる構造とすることも可能である。
【0034】
また、本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0035】
1:地下水往還装置
10:ケーシング
11,12:ストレーナ部
13:蓋部材
20:第一の管
21:吸入口(開口)
30:第二の管
31:搬送管
32:拡径管
33:下向き管
34:突出管
34a:吐出口(開口)
40:遮水部
50:気泡混入装置
60:排気装置
B:気泡
C:水中ドーム
M1:流量計(往き)
M2:流量計(戻り)
P1:循環ポンプ
X:地上側設備
D1:下向き管の内径
D2:吐出口の内径

図1
図2
図3
図4
図5
図6