(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】油圧ショベルの除雪用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
E02F 3/36 20060101AFI20220111BHJP
E01H 5/00 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
E02F3/36 A
E01H5/00 Z
(21)【出願番号】P 2021033210
(22)【出願日】2021-03-03
【審査請求日】2021-08-26
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399049855
【氏名又は名称】湯田 秋夫
(72)【発明者】
【氏名】湯田 秋夫
【審査官】皆藤 彰吾
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-106610(JP,A)
【文献】実公昭48-019735(JP,Y1)
【文献】特開2007-239351(JP,A)
【文献】特許第6807967(JP,B2)
【文献】特開2016-125196(JP,A)
【文献】登録実用新案第3112029(JP,U)
【文献】中国実用新案第205712240(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/36
E01H 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雪をつかみ収納する除雪収納容器と、前記除雪収納容器の下部が開閉する為に上下に動作する支持部材と、除雪収納された雪の滑り落ちを防ぐ為の部材であって、前記除雪収納容器を取り付け支える支柱間の除雪収納容器内中央に設けた、雪の滑り落ちを防ぎ雪を付着する仕切り板部材と、前記除雪収納容器を閉じる圧力を保持するバネと、から成り、前記除雪収納容器は、鋼板、又はステンレス板から成る、前記支柱それぞれに一点で取り付けられた一対のコの字型形状部材を有しており、前記支持部材は、前記一対のコの字型形状部材上部一端に取り付けられ、前記支柱内に設けた溝部に沿って上下に動作することで前記一対のコの字型形状部材が前記支柱に取り付けられた部分を軸として開閉する、油圧ショベルのアームに取り付け使用する、油圧ショベルの除雪用アタッチメント。
【請求項2】
前記溝部は、前記支柱の上部上下方向に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の油圧ショベルの除雪用アタッチメント。
【請求項3】
前記仕切り板部材は鋼材又は、ステンレス材質の板材両面に鋼材又は、ステンレス材のエキスパンドメタルを貼り付けてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の油圧ショベルの除雪用アタッチメント。
【請求項4】
前記バネは、ステンレスの押しバネ、又は引きバネであり、前記支持部材が上下方向動作時に閉じる圧力を蓄え、つかんだ雪が壊れ、つかむ圧力が緩んだ時に、バネに蓄えた力で更に容器を閉じる事で雪をつかみ続け、雪の収納容器からの落下を防止することを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の油圧ショベルの除雪用アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベルで除雪を行う除雪、排雪作業をするバケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルで除排雪の作業をする場合は、雪をバケットですくい、かき集めバケットに入った雪を、運搬車、ダンプカー等に積み込んで除排雪をしている。
【0003】
近年、果樹リンゴ農家では、一度に降る雪が多く、雪に埋もれた果樹の側枝が雪の重みで枝の破損被害が発生し防ぐ為に枝を掘り起こすが、枝を巻き込むために既存の除雪機械は使用できず、側枝の上に積もった雪を油圧ショベルで除雪し取り除いているが、ショベルのバケットの爪が埋もれた枝を引っかけ傷つけ破損する事が多く発生する。埋もれた枝の場所や深さ位置等が把握できない為に引っかけるもので、気苦労する除雪効率の悪い除雪作業と成って居る。
【0004】
ハウス農家では、ハウスとハウスの軒先下に溜まるハウスから滑り落ちた雪を、小型油圧ショベルのバケットで、雪をすくいとっては、油圧ショベル後方に控えている、運搬車に積み込んで、ビニールハウス間に積もった雪の除排雪を行っていた。
【0005】
又、果樹園では、雪に埋もれた枝を掘り起こす場合は、枝を傷つけないように枝の上層部の積もった雪を、スコップ等で、枝に傷つけないように丁寧に取り除き除雪をしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
今年、果樹園に積もる雪が例年と異なり、一度に降る雪の量が多く、果樹の枝が埋もれ側枝の破損被害が多く発生している。
【0008】
果樹園の果樹の側枝に雪が積もり埋もれ、埋もれたまま放置すると、積もった雪が日に日に溶け出し雪の密度が増し重くなり沈下する。
【0009】
雪に埋もれた枝は、雪が解け次第雪が重くなり、重みに耐えられず、側枝の根元から亀裂が入り破損につながる。
【0010】
果樹の側枝の亀裂破損が発生すると、その後の収穫は、絶望的で、回復するまで四、五年はかかると言われている。
【0011】
この為、埋もれた枝を掘り起こす除雪作業が欠かせなく、広大な果樹の周りの除雪には、除雪スコップを用いて人力だけでの除雪は不可能であった。
【0012】
多く積もる前に、融雪剤を散布するなどの対策をしているが、散布後降雪する為、長期間雪が降らない場合は、融雪剤もそれなりの効果があるが、一時しのぎの除雪の作業と成って居る。
【0013】
除雪するために、小型油圧ショベルを用い、埋もれた枝の上の除雪を行っていた。
【0014】
埋もれた枝の上の雪に油圧ショベルのバケットを差し込んで雪を掘りながら、除雪をしていた。
【0015】
枝が、どれくらいの深さに埋もれているのかは、バケットを差し込んでみないと解らず、雪を取り除く際、バケットの爪が枝を巻き込みながら雪をすくい取る為、枝もバケット先端の爪に引っ掛かり、枝を巻き込み、枝の破損が避けられない作業と成っていた。
【0016】
バケットによる枝の巻き込みを避けるように、除雪掘削作業をするが、埋もれた枝の深さは、果樹事に埋もれた深さや枝の長さが異なるため、埋もれた枝を回避しながらの除雪作業は掘削時の枝の有無をオペレータの感を頼りにバケット操作で行っている。
【0017】
本来、油圧ショベルは、地面にバケットの爪を差し込んで掘削しバケットに掘削した土砂をシャクリ、抱きかかえるもので、このシャクリ抱きかかえる動作が、果樹の枝を引っ掛け、傷つけ巻き込むものであった。
【0018】
バケットがシャクル時、枝を巻き込むのを避けるため、アームに取り付けるバケットを反転して取付して、枝の上の雪を掬いとる等をしてもいるが、油圧ショベルの操作上、ブームとアームを操作する上で、バケットが前後に大きく振れての操作の作業と成って居る為に、除雪効率が悪く一長一短の有る作業であった。
【0019】
上記した既存のバケットを活用しないで、油圧ショベルのアーム先端に取付しているバケットを取り外し、外したアーム先端に、角型を有した除雪収納容器下部が開閉する容器を取付し、埋もれた枝の上に差し込む。
【0020】
除雪収納容器を雪に差し込み沈下させると、埋もれた枝に触れ当たると、枝が抵抗と成って容器がそれ以上沈下しない事が判る。
【0021】
この時、開閉する容器の下部を狭めると、雪をつまむ事が出来る。
【0022】
角型除雪収納容器の幅が狭い容器にすると、中央に仕切り板を設けずとも雪をつまんだ状態で容器ごと引き抜きする事で、雪をつかんで除雪が出来たが、収納容器の幅が広い大きい除雪容器とした場合、開口部を閉じて狭くし雪をつまんでも、引き抜きする時つまんだ雪が引き抜きされず、容器のみ空に引き抜きされて雪をつかむ事が出来ず、容器幅を広くした大きな除雪収納容器の製作は出来ずにいた。
【0023】
又、積雪した雪には、積雪した層で凍りついた層や緩んでいる雪質の層が混在し、容器を差し込み雪をつまんだ状態で引き揚げ中、雪質で、つまんだ雪が壊れ容器の閉じて狭めた下部から、滑り落ちる事が有った。
【0024】
積雪層の固い層等をつまみ、適度の強さで雪に圧力を加えつかみ、引き抜きするが、時には引き抜き時途中で、つまんで固まった雪が壊れ容器下部の開閉部が緩み、緩んだ為に、雪が収納容器より滑り落ちをする現象があった。
【0025】
掘削し容器下部を狭くして除雪をするものであったが、上記した、除雪する欠点があって、雪をつまみ、つかみ取る為には、いくら油圧ショベルに持ち上げる力はあっても、大きな除雪容器の除雪器を造る事が出来ずにいた。
【課題を解決するための手段】
【0026】
下部開閉する角型除雪収納容器を大きくすると雪をつかみきれず、たとえ掴んだとしても容器開閉開口部中央より滑り落ちてあったが、除雪収納容中央に仕切り板を設け、この仕切り板の両面に滑り止めの加工し、又滑り止め部材等を設けた事で、雪に容器差し込み容器下部を閉じると、閉じる時雪を中央仕切り板に押し付けられる事に成り、引き抜き時の容器中央からつまみ掴んだ雪の滑り落ちしていた現象が解消する。
【0027】
容器が閉じる事で、積雪層の固い層等をつまみ、適度の強さで雪に圧力を加え掴み、引き抜きするが、時には引き抜き時途中で、つまんで固まった雪が壊れ容器下部の閉じる力が雪が壊れた為に抜け、雪を押さえている閉じる保持力が緩み、緩んだ為に、雪が容器より滑り落ちをする現象も生じていたが、雪の落下を防ぐ保持部材を、ステンレス材等の押しバネ、又は引きバネを用い、雪をつかみ閉じた容器の緩みを防止する保持部材として用いる。
【0028】
保持部材は、つかんだ雪が崩れ閉じる力がぬけた時、バネに蓄えた力で容器を更に閉じるようにしたもので、押しバネ、又は、引きバネを容器開閉時の閉じる動作内に設ける事で、閉じる力が緩んだ時、緩みを防ぎ保持する部材としてバネに蓄えた力を活用するものである。
【発明の効果】
【0029】
今までは、差し込み引き抜きする除雪収納容器は、油圧ショベル用のアタッチメントとして製作し用いるには、大型の収納容器となると、容器中央よりつかんだ雪が、崩壊し容器より滑り落ちして、雪をつかめず、造ることが出来ずにいたが、収納容器中央に仕切り板や保持部材を設けた事で、果樹の埋もれた枝の上の除雪が、埋もれた枝を傷付けることなく、一度に多くの雪をつかみ油圧ショベルで除雪が出来るように成り、除雪作業が早く又、本除除雪収納容器は、雪同士がくっ付く性質を活用した物で仕切り板部材内のエキスパンドメタルの網の目の裏表の雪同士くっ付く事で滑り落ちを防ぎ又、雪に埋もれている障害物から雪のみをくっ付けて取り除く事等が出来、埋もれた枝や、地面から雪だけを取り除き綺麗に除雪が出来る特徴も有している。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】は、本発明の油圧ショベルの除雪用アタッチメントを縦に取り付けて使用する時の全体斜視図。
【
図2】は、本発明の油圧ショベルの除雪用アタッチメントを横に取り付けて使用する時の全体斜視図。
【
図3】は、本発明の油圧ショベルの除雪用アタッチメントを正面から見た斜視図。
【
図4】は、本発明の油圧ショベルの除雪用アタッチメントを側面から見た斜視図。
【
図5】は、油圧ショベルの除雪用アタッチメントを積雪した雪に差し込む時の除雪収納容器の状況斜図。
【
図6】は差し込み、雪をつかむ除雪収納容器下端が閉じた状況斜視図。
【
図8】は、雪に差し込み時の上下に可動する支持部材、及び支持部材のボルトの位置を表した側面図。
【
図9】は、雪をつまむ、つかむ状態を表した側面斜視図で支持部材のボルトの位置を表した側面図。
【
図10】は、雪に差し込み時の上下に可動する支持部材、及び支持部材のボルトの位置を表した側面図。
【
図11】は、除雪収納容器下端が開いた状況側面斜視図で 溝部下端の支持部材のボルトの位置を表した図である。
【
図12】は、油圧ショベルのアームとバケットシリンダーを表わした斜視図で、これらの下端に丸棒のシャフトを用いて本油圧ショベルの除雪用アタッチメントを取付する。
【
図13】は、容器内中央に設けた仕切り板の滑り止め部材。
【
図14】は、切り板の下部がエキスパンドメタル、上部が不織布のフェルトを貼り付けした仕切り板部材。
【
図15】は、切り板部材の上部までエキスパンドメタルを雪の附着保持の為に設けた図。
【
図16】は、切り板部材の下部に積雪した固い雪を切断する板部材を設けた図である。
【
図17】は、支柱に設けた溝部と支持部材を表わした側面拡大図で支持部材のボルトの位置を記した図である。
【
図18】は、支柱に設けた溝部と支持部材を表わし、支持部材のボルトの位置を記した図である。
【
図19】は、容器下端を広げた図で、支柱に設けた溝部と支持部材を表わし支持部材のボルトの位置を記した図である。
【
図20】は、支持部材をワイヤーを用い可動させる図でワイヤーの緩みを引きバネに蓄えた力で補い防止する保持部材を表わした図である。
【
図21】は、支持部材をワイヤーを用いワイヤーの緩みを引きバネに蓄えた力で補い、ワイヤーの弛みを吸収し再度下部を閉じる図で溝部を表わしている図である。
【
図22】は、支持部材の可動部に油圧シリンダーを用い、シリンダー先端に押しバネを設け溝部を表わした図である。
【
図23】は、支持部材の可動部に油圧シリンダーを用い、シリンダー先端の押しバネが縮んだ状況と溝部を表わした図である。
【
図24】は、容器下部の閉じる力で雪を押さえていたが雪が壊れ押さえ圧力が緩みこれを押さえバネが伸びる事で更に下部が閉じる事を表わした図である。
【
図25】は、本油圧ショベルの除雪用アタッチメントを下部から見た斜視図で、中央に仕切り板を設け、表わした図である。
【
図26】は、除雪収納容器を構成する部品側面斜視図。
【
図27】は、除雪収納容器部品図と容器支持部材の部品側面斜視図。
【
図28】は、除雪収納容器に容器支持部材の位置を表わした斜視図。
【
図29】は、支柱間の仕切り板とエキスパンドメタルを表わした正面斜視図。
【
図30】は、支柱内溝と仕切り板を表わした斜視図。
【
図31】は、積雪している雪に除雪収納容器を差し込んでいる状況斜視図。
【
図32】は、雪をつかみ引き上げした、除雪収納容器下部が閉じている状況斜視図。
【
図33】除雪収納容器内側に、雪の滑り部材のエキスパンドメタルを取付した斜視図。
【
図34】支柱間に設けた仕切り板に滑り止め部材のエキスパンドメタルを設けた正面図。
【
図35】支柱間に設けた仕切り板に角形の穴を設けた正面図。
【
図36】容器開放や閉じる前の油圧シリンダーと押しバネの状況側面図。
【
図37】容器を閉じた時の油圧シリンダーで、押しバネも縮んでいる側面図。
【
図38】容器が閉じていたがつかんだ雪が壊れバネが伸びて更に容器下部が閉じる時のバネの伸びを表わした図。
【
図39】ワイヤーが張られ容器が閉じた状態の引きバネが伸びた状態の図。
【
図40】閉じた容器で雪を押さえていたが雪が壊れ、ワイヤーが緩み引きバネがワイヤーを引いて容器を更に閉じさせた時の引きバネを表わした図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1、
図2は、本発明の除雪器を油圧ショベルのアーム先端とバケットシリンダーに取り付けて使用する全体斜視図で、
図12は油圧ショベルのバケットを取り外したアーム先端とバケットシリンダー先端を表わした図である。
【0032】
図12は、バケットを取り外した油圧ショベルアーム先端で、本発明の油圧ショベルの除雪用アタッチメントをバケット取付固定シャフトを、活用して本油圧ショベルの除雪用アタッチメントを取付する。
【0033】
除雪収納容器1は角型の収納容器で、鋼板、又はステンレス板のコの字型左右一対の角型容器で、容器同士重ね合わせ部上部一点を支点3とし、支柱2に取付し支点を軸に容器下部が開閉する容器としたものである収納容器の部品図、
図26.27.28.33。
【0034】
収納容器上部一端を容器支持部材5を用い上下に可動する事で、収納容器1下部の開閉を可動する。
【0035】
本除雪器収納容器下部は、容器固定支柱2に設けて有る溝部7を容器支持部材5が上下可動する事で、収納容器1上部一端を上下させることで、収納容器下部が開閉する仕組みの雪をツマミ、つかみ等をして、収納容器1に雪を収納する
図6~11。
【0036】
除雪収納容器の下部を開閉する容器支持部材5を可動する駆動部は、油圧シリンダー、エア―スリンダ、ワイヤー等を上下する油圧モータ、エアーコンプレッサー、ワイヤーを巻き取りウインチ等を用いる。
【0037】
収納容器1の下部を閉じて雪をツマミ、つかむの動作時、下部が閉じた時、雪を容器中央に押し付け、中央に設けている雪の滑り止めの仕切り板4に雪が押され付着する。
【0038】
仕切り板4は支柱2間に設けたもので、容器中央に設けられ、仕切り板裏表両面に雪の滑りを防止する穴部や突起のある部材や、エキスパンドメタル、不織布のフェルト等が設けられ雪の付着や雪の滑りを止める部材を設けたものとする
図13~16
図29.30。
【0039】
閉じた時、容器内の雪が押され中央の仕切り板に密着、付着する事で、雪が閉じた容器開口部から落下する事無く収納されながら、容器を引き上げが出来、雪をつかみ除雪が出来る。
【0040】
又、容器1内側に、適度に滑りを止める突起部や穴部、エキスパンドメタル10等の雪の滑りを防止するものを設ける
図33。
【0041】
除雪収納容器1下部の閉じる時、収納容器内の雪が押された状態で引き抜きされるが、時には引き抜きする時に、押され加圧されている雪が壊れ容器下部からこぼれ落ちそうになるが、この状態のとき保持部材の引きバネや押しバネに蓄えられているバネの力で容器開閉部の下部を更に閉じる事で雪に加圧が加わり落下を防止する
図20~25。
【0042】
雪を押さえている容器下部の閉じた力が雪の塊りが壊れために緩み雪の落下を防ぐ保持部材は、ステンレス材の押しバネ、又は引きバネを用いる。
【実施例】
【0043】
本発明の油圧ショベルの除雪用アタッチメントは、雪をつかみ除雪が出来る物で、油圧ショベルの既存のバケットを取り外し、本油圧ショベルの除雪用アタッチメントを取付して用いるもので、積もった雪に差し込んでつかみ引き抜きし、運搬車やダンプカーの荷台の上に除雪収納容器内の雪を容器下部を開放して積み込みが出来る。
【0044】
一般の小型油圧ショベルに用いるもので、バケット容量が0.3立米前後の小型の油圧ショベルに用いるように以下記載するが大きさや形状は異なっても雪をつかみ引き剥きが出来る形状や大きさであれば多少異なっても良い。
【0045】
油圧ショベルの除雪用アタッチメントの各部材材質などは、主に鋼板を用いているが、ステンレス材などを用いても良い。
【実施例1】
【0046】
厚さ2.3mm幅120mm長さ長さ1060mm両端から230mm位置を90度直角に曲げたコノ字型形状の一対の重ね合わせた400mm×600mm深さの120mm角型の除雪収納容器である。
【0047】
容器同士重ね合わせ部上部一点を支点とし固定するボルト12mmの穴を設け、12mmボルトを用いボルトを支点軸として、容器下部が開閉する容器である
図33。
【0048】
収納容器1上部一端を支持部材5を用い上下に可動する事で、容器下部の開閉をする
図26.27.28。
【0049】
容器支持部材5は、収納容器1と支柱部材2の溝部7と収納容器1の間に設けたものである。
【0050】
収納容器1を取付している支柱2は角柱の鋼材の部材で、鋼材支柱部材2の一端に縦に溝7を設けたものである。
【0051】
鋼材支柱部材2の一端に縦に設けた溝7の幅は支持部材5固定ボルト6が上下に可動する溝で、ボルトの太さ12mmより若干幅が広い溝幅である。
【0052】
又、溝の縦の長さは、支持部材固定ボルト6が上下に可動できる長さで、約105mmの長さの溝と成って居る。
【0053】
溝の長さは、用いる除雪収納容器1の大きさにより変わる。
【0054】
支持部材5の溝部に用いている上下に可動する固定ボルト6の太さは、12mmの太さの物を用いている。
【0055】
支持部材5は、溝部7と除雪収納容器1上部一端間に設けたもので、支持部材5の固定ボルト6が溝部を上下に可動する時、除雪容器1の上部一端を押し下げ、収納容器1の固定ボルト3を支点として容器下部を閉じる為の支持部材5である。
【0056】
支持部材5の長さは約210mm、厚さ5mm幅30mmで固定ボルト6と除雪容器上部一端間の長さは185mmとしている。
【0057】
角型収納容器1内中央に設けた仕切り板4は、収納された雪の滑り落ちを防ぎ雪付着する部材を裏表両面に設けた仕切り板4である
図12~16、34、35。
【0058】
仕切り板4の材質は、鋼材又は、ステンレス材で支柱2間に設けたもので容器内の長さ600mm幅180mm厚さ5mmで両面に収納された雪が収納容器1下部から滑り落ちるのを防止する、角形穴部や突起部やエキスパンドメタルや雪を付着する部材の不織布、フェルト等を設けたものである
図29.30。
【0059】
仕切り板4は、容器に収納された雪が落下しないように、容器中央に設けたもので、仕切り板内を丸穴、又は角穴等適度の間隔に設けた仕切り板4としてもよい
図25、29、30、35。
【実施例2】
【0060】
図22の収納容器1の状態で、雪に埋もれた果樹側枝の積雪している雪に、差し込み収納容器1を雪に押し込むと角型に雪が切断されながら容器が沈下する。
【0061】
図22の仕切り板4が雪の下で埋もれている、枝に当たると、枝が抵抗と成って除雪収納容器1が沈下しなくなる。
【0062】
オペレータが油圧ショベルのブームを下げの操作を行い除雪収納容器1を刺して沈下させて沈めていくが、枝に収納容器仕切り板4下端が当たると、アーム先やブームに沈下時の抵抗が現れ雪の下に枝が有るのがオペレータが解る。
【0063】
この時、これ以上の沈下する油圧レバー操作を止め、
図23の除雪収納容器1の下部を閉じる操作をする。
【0064】
除雪収納容器1の下部を閉じることで容器内の雪をつまみ、つかむ事が出来る。
【0065】
収納容器内に雪をつかんだら油圧ショベルのブームを上げの操作を行い、収納容器1を引き上げる
図32。
【0066】
収納容器1でつかんだ雪を油圧ショベルを旋回し、運搬車やダンプカーの荷台の上に除雪収納容器下端を開き雪を積み込む容器開放時の
図19。
【0067】
時には、油圧ショベルのブームを持ち上げの操作を行い、収納容器1を引き上げている途中で、油圧ショベルの振動などで、つまんだ雪の下部が壊れ容器から雪が落下するように成る時がある。
【0068】
このような時、除雪収納容器1の下部を更に閉じる動作を、押しバネ、引きバネに蓄えていた力で、容器下部を更に閉じる動作をする雪収納保持部材である
図21.24。
【0069】
この雪収納保持部材として容器下部を閉じる力を蓄えたバネは、ステンレス材の押しバネ、引きバネを用いている。
【0070】
収納容器1の開閉可動の動作に用いるものとして、エアーシリンダ、油圧シリンダ、ワイヤーの巻き上げウイッチ等を用いる。
【0071】
容器開閉動作にシリンダーを用いた場合は、保持部材はシリンダー先端に押しバネを設ける
図24.36.37.38。
【0072】
収納容器内の雪をツマミつかむ為にシリンダーを伸ばし容器下部を閉じるが、この時シリンダー先端に設けている押しバネが縮み、容器下部が閉じられる
図24.37。
【0073】
引き抜き時や旋回時積み込み作業時等で容器下端閉じて押さえていた雪が壊れて下端開口部より収納した雪が滑り落ちそうになった時、押しバネの力が解放されバネが伸びる事で、容器開口部を更に閉じる事で、雪の容器からの落下を防ぐ事が出来る保持部材としたものである
図23、24、38の押しバネ。
【0074】
雪収納保持部材に引きバネを用いた
図20、21、39、40である。
【0075】
収納容器1の開閉可動の動作に用いたワイヤーに取り付ける保持部材の引きバネは
図19、39のように容器下部を閉じる時ワイヤーが引かれワイヤーと並列に設けられている引きバネも伸び、引っ張る力が引きバネ内に蓄えられ、容器下部の緩みが生じた場合、引きバネに蓄えられた力で支持部材を引き容器下部が閉じる時のワイヤーの緩みを表した
図21、40。
【実施例3】
【0076】
実施、例3では、収納容器1を固定取り付ける支柱2間に設けてある仕切り板4の部材に関して述べる。
【0077】
仕切り板4は、
図34に記載表しているように、仕切り板4のコの字形形状の部材にエキスパンドメタル10をスポット溶接や半自動溶接で溶接して貼り付けしたものである。
【0078】
図35は、仕切り板4に角形の穴4-1を設けたもので、仕切り板下部の仕切り板の雪削部4-3である。
【0079】
収納容器1が積もった雪に差し込み沈下させると、仕切り板4の下端の雪削部4-3で雪が分けられ収納容器1に収納されるが、容器を持ち上げる時、雪が収納容器1から滑り落ちるのを防ぐため、収納容器1下部の雪を押さえながら閉じる。
【0080】
容器が閉じて雪を押さえる時、容器両側から中央の仕切り板4に雪が押され、エキスパンドメタル網目を通して雪同士が密着する
図24、34。
【0081】
雪同士がエキスパンドメタル10を挟み込み密着する事で、雪収納容器1を引き抜きして持ち上げても容器中央から収納された雪が滑り抜け落ちしない。
【0082】
雪同士はくっつく特徴を活用し容器から掘削収納した雪の滑り落ちを防ぐ事に雪の性質を活用したものである。
【0083】
上記記述した雪の性質を活用した仕切り板4に角形の穴部を設けた
図35である。
【0084】
除雪に活用する油圧ショベルのパワーが有っても、今までは、容器幅の広い掘削収納容器1を造って雪に差し込んで持ち上げたとき容器中央からつかんだ雪が崩壊して雪が落下し、油圧ショベルのパワーいくら有っても、大きな掘削除雪容器は造る事が出来ずにいた。
【0085】
容器中央の仕切り板に雪同士はくっつく性質を活用した部材とする事で、容器中央からのつかんだ雪の崩壊、雪の滑り落ちの現象を解消し、一度に幅広く除雪掘削が可能となった。
【実施例4】
【0086】
実施例4では、収納容器1の下部を開閉する容器支持部材5を上下に稼動する伸び縮み運動する油圧シリンダー、ワイヤー等にバネを加え支持部材の可動運動時の力をバネに蓄え、容器が閉じる時雪を押さえる圧力が緩んだ場合、蓄えたバネの力を開放する事で、ゆるみを防止保持する部材とした事を記載する。
【0087】
図36~40シリンダーに押しバネ、ワイヤーに引きバネを加えた図である。
【0088】
押しバネや引きバネは、容器下部が閉じる雪を押さえる圧力をバネに蓄えた力で押さえ続ける力を維持、保持する物として用い、請求項5記載の保持部材としたものである。
【0089】
除雪収納容器1に収納された雪を容器下部が閉じる圧力で雪を押さえ続ける保持部材として図に記載しているが、押さえ続ける押しバネを支持部材5下端と収納容器1間に設けるようにしても良い。
【0090】
上記のように、既存の油圧ショベルに本発明の油圧ショベルの除雪用アタッチメントを取付し、雪に差し込み引き抜きする除雪方法で、既存の除雪方法とは異なり、埋もれている障害物を傷つけ破損を引き起こさない除雪方法の油圧ショベルの除雪用アタッチメントである。
【符号の説明】
【0091】
1開閉する除雪収納容器。
2除雪収納容器を支える支柱。
3除雪収納容器を取り付けるボルト。
3-1ボルト挿入穴
4雪の滑り落ちを防ぎ雪付着する仕切り板。
4-1仕切り板内に設けた穴部
4-2支柱に取付部
4-3仕切り板の雪切削部
5除雪収納容器を上下に可動する容器支持部材。
5-1支持部材挿ボルト入穴
6溝を上下に可動する支持部材のボルト。
6-1可動する支持部材のボルト挿入穴。
7支持部材のボルトが上下に可動する為の溝部。
8-1アーム取付部材。
8-2アームの油圧バケットシリンダーに取り付ける部材。
8-3油圧ショベルのアーム。
8-4バケットの油圧シリンダー。
8-5バケットシリンダーの支持部材。
9不織布繊維 フェルト。
10エキスパンドメタル。
11ワイヤー。
12引きバネ。
13押しバネ。
13-1押しバネを受けるL型の部材。
14油圧シリンダー。
15積雪している雪。
15-1掘削つかみ取った雪。
16角型に掘削された雪の穴。
17雪に差し込んでいる油圧ショベルの除雪用アタッチメント。
【要約】 (修正有)
【課題】果樹、リンゴ農家では、近年一度に降る雪が多く、雪に埋もれた果樹の側枝の掘り起こす作業に、枝を巻き込むために既存の除雪機は使用できず、側枝の上に積もった雪を油圧ショベルで除雪しているが、ショベルのバケットの爪が埋もれた枝を引っかけ破損する事が多く発生する。
埋もれた枝の深さ位置等が把握できない為に引っかけるもので、気苦労する、作業効率の悪い除雪作業と成っている。
【解決手段】本油圧ショベルの除雪用アタッチメントを埋もれた側枝の上から差し込むと、雪にスムーズに差し込まれ、埋もれている枝に当たると、枝が抵抗となって、差込むことが出来ず、埋もれている枝の位置が解る、枝の上の積もった雪を一度に多くつまみ、つかむ除雪が出来る。
除雪作業中、雪に埋もれた枝を傷つける事無く、除雪作業の早い、除雪をする油圧ショベルに取り付ける除雪用アタッチメントを提供する。
【選択図】
図5