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特許6998738電気接続用端子及びこれを備えたコネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】電気接続用端子及びこれを備えたコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/11 20060101AFI20220111BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20220111BHJP
【FI】
H01R13/11 302P
H01R12/71
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017219000
(22)【出願日】2017-11-14
(65)【公開番号】P2019091592
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小黒 純
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 仁
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-214089(JP,A)
【文献】特開2002-175847(JP,A)
【文献】特開2014-035795(JP,A)
【文献】特開2016-181495(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0067237(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/11
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象物に固定される固定部と、
弾性変形可能とされ、接続対象物と摺接すると共に当該接続対象物と導通可能とされた摺接部と、
前記固定部と前記摺接部とを前記接続対象物が接近してくる側で繋ぐと共に弾性変形可能とされた弾性変形部と、
を備え、
前記摺接部は、第1接触部が設けられた第1当接片部と、第2接触部が設けられた第2当接片部と、を含んで構成されており、
前記第1接触部は、前記摺接部が前記接続対象物に摺接されて弾性変形した状態で当該接続対象物が当該摺接部に対して前記弾性変形部と反対側に摺動するときに当該接続対象物における当該摺接部との接触面の一部をワイピング可能とされ、
前記第2接触部は、前記第2当接片部から突出された突起部とされ、前記第1接触部でワイピングされた前記接触面の一部に接触可能とされている、
電気接続用端子。
【請求項2】
取付対象物に固定される固定部と、
弾性変形可能とされ、板状の接続対象物と摺接すると共に当該接続対象物と導通可能とされた摺接部と、
前記固定部と前記摺接部とを前記接続対象物が接近してくる側で繋ぐと共に弾性変形可能とされた弾性変形部と、
を備え、
前記摺接部は、第1接触部が設けられた第1当接片部と、第2接触部が設けられた第2当接片部と、を含んで構成されており、
前記第1接触部は、前記摺接部が前記接続対象物に摺接されて弾性変形した状態で当該接続対象物における当該摺接部との接触面に接触可能とされ、
前記第2接触部は、前記第2当接片部から突出された突起部とされ、前記接続対象物の板厚方向から見て前記第1接触部に対して前記弾性変形部と反対側に位置すると共に、当該接続対象物が前記摺接部に対して前記弾性変形部と反対側に摺動したときに前記接触面に接触可能とされ、当該板厚方向から見て当該第1接触部を通りかつ当該接続対象物の摺動方向に延びる直線上に位置している、
電気接続用端子。
【請求項3】
前記第1当接片部は、前記弾性変形部から前記接続対象物が接近してくる側と反対側に延びかつ直線状の又は当該接続対象物が接近してくる側に膨らむ板状とされていると共に、当該弾性変形部と反対側の先端側に前記第1接触部が設けられており、
前記第2当接片部は、前記弾性変形部から前記接続対象物が接近してくる側と反対側に延びかつ直線状の又は当該接続対象物が接近してくる側に膨らむ板状とされていると共に、当該弾性変形部と反対側の先端側に前記第2接触部が設けられている、
請求項1又は請求項2に記載の電気接続用端子。
【請求項4】
前記第1接触部の先端部には、係止部が設けられており、
前記第2当接片部には、前記係止部を係止可能な被係止部が設けられている、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の電気接続用端子。
【請求項5】
前記被係止部は、前記接続対象物に摺接可能とされており、
前記係止部は、前記被係止部における前記接続対象物と摺接される面と反対側の面に係止可能とされている、
請求項4に記載の電気接続用端子。
【請求項6】
取付対象物に固定される固定部と、
弾性変形可能とされ、板状の接続対象物と摺接すると共に当該接続対象物と導通可能とされた摺接部と、
前記固定部と前記摺接部とを前記接続対象物が接近してくる側で繋ぐと共に弾性変形可能とされた弾性変形部と、
を備え、
前記摺接部は、第1接触部と、第2接触部と、を含んで構成されており、
前記第1接触部は、前記摺接部が前記接続対象物に摺接されて弾性変形した状態で当該接続対象物における当該摺接部との接触面に接触可能とされ、
前記第2接触部は、前記接続対象物の板厚方向から見て前記第1接触部に対して前記弾性変形部と反対側に位置すると共に、当該接続対象物が前記摺接部に対して前記弾性変形部と反対側に摺動したときに前記接触面に接触可能とされ、当該板厚方向から見て当該第1接触部を通りかつ当該接続対象物の摺動方向に延びる直線上に位置しており、
前記摺接部は、第1当接片部と、第2当接片部と、を含んで構成されており、
前記第1当接片部は、前記弾性変形部と反対側の先端側に前記第1接触部が設けられており、
前記第2当接片部は、前記弾性変形部と反対側の先端側に前記第2接触部が設けられており、
前記第1接触部の先端部には、係止部が設けられており、
前記第2当接片部には、前記係止部を係止可能な被係止部が設けられており、
前記被係止部は、前記接続対象物に摺接可能とされており、
前記係止部は、前記被係止部における前記接続対象物と摺接される面と反対側の面に係止可能とされている、
電気接続用端子。
【請求項7】
前記摺接部と前記弾性変形部との境界部から前記第1接触部までの距離は、当該境界部から前記第2接触部までの距離よりも短い距離に設定されていると共に、
前記摺接部が前記接続対象物に摺接された状態において、前記第1当接片部が弾性変形して前記第1接触部が当該接続対象物を押圧するときの接触圧は、前記第2当接片部が弾性変形して前記第2接触部が当該接続対象物を押圧するときの接触圧よりも大きい値に設定されている、
請求項1~請求項6の何れか1項に記載の電気接続用端子。
【請求項8】
前記第1当接片部及び前記第2当接片部の少なくとも一方は、前記接続対象物が接近してくる側に凸となって湾曲されている、
請求項1~請求項7の何れか1項に記載の電気接続用端子。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1項に記載の電気接続用端子と、
前記固定部が固定されたハウジングと、
を有するコネクタ。
【請求項10】
電気接続用端子と、ハウジングとを備え、
前記電気接続用端子は、
固定部と、
弾性変形可能とされ、接続対象物と第1方向において摺接すると共に当該接続対象物と導通可能とされた摺接部と、
前記固定部と前記摺接部とを前記第1方向において前記接続対象物が接近してくる側で繋ぐと共に弾性変形可能とされた弾性変形部と、
を備えると共に、
前記摺接部は、第1接触部と、第2接触部と、を含んで構成されており、
前記第1接触部は、前記摺接部が前記接続対象物に摺接されて弾性変形した状態で当該接続対象物が当該摺接部に対して前記弾性変形部と反対側に摺動するときに当該接続対象物における当該摺接部との接触面の一部をワイピング可能とされ、
前記第2接触部は、前記第1接触部でワイピングされた前記接触面の一部に接触可能とされており、
前記ハウジングには、
前記固定部が固定されると共に前記電気接続用端子が前記第1方向と直交する第2方向に延出されている、
ネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続用端子及びこれを備えたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、コネクタに関する発明が開示されている。このコネクタは、第1基板と導通されるコンタクトと、このコンタクトを保持するインシュレータとを含んで構成されている。また、コンタクトは、インシュレータに圧入されて固定される圧入部と、コネクタ上方側に突出されると共に第2基板との接点が設けられた接触部と、圧入部と接触部とを繋ぐバネ部と、第1基板に半田付けされた半田付部とを含んで構成されている。そして、第2基板を第1基板に平行な状態でコンタクトに接近させると、第2基板が接触部を押圧することでコンタクトが弾性変形するようになっている。このため、コンタクトに第2基板を第1基板に平行な状態で接近させることで、コンタクトによって第2基板が押圧された状態で第1基板と第2基板とを導通接続させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-056916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記先行技術では、第2基板におけるコンタクトとの接触面に異物が付着している場合、この異物によって、第2基板とコンタクトとの導通不良が発生することが考えられる。つまり、上記先行技術は、異物の付着による導通不良を抑制するという点において改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、異物の付着による導通不良を抑制することができる電気接続用端子及びこれを備えたコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の態様に係る電気接続用端子は、取付対象物に固定される固定部と、弾性変形可能とされ、接続対象物と摺接すると共に当該接続対象物と導通可能とされた摺接部と、前記固定部と前記摺接部とを前記接続対象物が接近してくる側で繋ぐと共に弾性変形可能とされた弾性変形部と、を備え、前記摺接部は、第1接触部と、第2接触部と、を含んで構成されており、前記第1接触部は、前記摺接部が前記接続対象物に摺接されて弾性変形した状態で当該接続対象物が当該摺接部に対して前記弾性変形部と反対側に摺動するときに当該接続対象物における当該摺接部との接触面の一部をワイピング可能とされ、前記第2接触部は、前記第1接触部でワイピングされた前記接触面の一部に接触可能とされている。
【0007】
第一の態様に係る電気接続用端子によれば、固定部、摺接部及び弾性変形部を備えており、固定部によって取付対象物に固定されている。また、摺接部は、弾性変形しつつ接続対象物と摺接されて、当該接続対象物と導通されるようになっている。さらに、固定部と摺接部とは、接続対象物が接近してくる側において弾性変形部で繋がれており、当該弾性変形部は、摺接部の弾性変形に追従して弾性変形することができる。このため、本態様では、スライド移動して接近してくる接続対象物と摺接部とを安定した状態で導通接続させることができる。
【0008】
ところで、接続対象物における摺接部との接触面に異物が付着している場合、この異物によって、摺接部と接続対象物との導通不良が発生することが考えられる。
【0009】
ここで、本態様では、摺接部が第1接触部及び第2接触部を含んで構成されている。そして、第1接触部は、摺接部が接続対象物に摺接されて弾性変形した状態において、当該接続対象物が当該摺接部に対して弾性変形部と反対側に摺動するときに、当該接続対象物における当該摺接部との接触面の一部をワイピングすることができる。一方、第2接触部は、第1接触部でワイピングされた接続対象物の接触面の一部に接触可能とされている。このため、摺接部との接触前において接続対象物の接触面に異物が付着している状態であっても、第2接触部は、第1接触部で異物が除去された状態の当該接触面の一部に接触して当該接続対象物に導通される。
【0010】
第二の態様に係る電気接続用端子は、取付対象物に固定される固定部と、弾性変形可能とされ、板状の接続対象物と摺接すると共に当該接続対象物と導通可能とされた摺接部と、前記固定部と前記摺接部とを前記接続対象物が接近してくる側で繋ぐと共に弾性変形可能とされた弾性変形部と、を備え、前記摺接部は、第1接触部と、第2接触部と、を含んで構成されており、前記第1接触部は、前記摺接部が前記接続対象物に摺接されて弾性変形した状態で当該接続対象物における当該摺接部との接触面に接触可能とされ、前記第2接触部は、前記接続対象物の板厚方向から見て前記第1接触部に対して前記弾性変形部と反対側に位置すると共に、当該接続対象物が前記摺接部に対して前記弾性変形部と反対側に摺動したときに前記接触面に接触可能とされ、当該板厚方向から見て当該第1接触部を通りかつ当該接続対象物の摺動方向に延びる直線上に位置している。
【0011】
第二の態様に係る電気接続用端子によれば、第一の態様に係る電気接続用端子と同様に、スライド移動して接近してくる接続対象物と摺接部とを安定した状態で導通接続させることができるものの、接続対象物の接触面に付着した異物によって、摺接部と接続対象物との導通不良が発生することが考えられる。
【0012】
ここで、本態様では、摺接部が第1接触部及び第2接触部を含んで構成されており、第1接触部は、摺接部が板状の接続対象物に摺接されて弾性変形した状態において、当該接続対象物における当該摺接部との接触面に接触することができる。一方、第2接触部は、接続対象物の板厚方向から見て第1接触部に対して弾性変形部と反対側に位置している。また、第2接触部は、接続対象物が摺接部に対して弾性変形部と反対側に摺動したときに、当該接続対象物の接触面に接触することができると共に、接続対象物の板厚方向から見て第1接触部を通りかつ接続対象物の摺動方向に延びる直線上に位置している。
【0013】
このため、本態様では、摺接部との接触前において接続対象物の接触面に異物が付着している状態であっても、まず、第1接触部が当該接触面に接触されて当該異物の一部が除去される。そして、第2接触部は、第1接触部で異物が除去された状態の接続対象物の接触面の一部に接触して当該接続対象物に導通される。
【0014】
第三の態様に係る電気接続用端子は、第一の態様又は第二の態様において、前記摺接部は、第1当接片部と、第2当接片部と、を含んで構成されており、前記第1当接片部は、前記弾性変形部から前記接続対象物が接近してくる側と反対側に延びかつ直線状の又は当該接続対象物が接近してくる側に膨らむ板状とされていると共に、当該弾性変形部と反対側の先端側に前記第1接触部が設けられており、前記第2当接片部は、前記弾性変形部から前記接続対象物が接近してくる側と反対側に延びかつ直線状の又は当該接続対象物が接近してくる側に膨らむ板状とされていると共に、当該弾性変形部と反対側の先端側に前記第2接触部が設けられている。
【0015】
第三の態様に係る電気接続用端子によれば、摺接部が第1当接片部及び第2当接片部を含んで構成されている。そして、第1当接片部及び第2当接片部は、それぞれ弾性変形部から接続対象物が接近してくる側と反対側に延びかつ直線状の又は当該接続対象物が接近してくる側に膨らむ板状とされている。また、第1当接片部における弾性変形部と反対側の先端側には、第1接触部が設けられており、第2当接片部における弾性変形部と反対側の先端側には、第2接触部が設けられている。このため、接続対象物が摺接部に対して弾性変形部と反対側に摺動したときに、接続対象物は、摺接部に沿って滑らかに摺動しつつ、第1接触部及び第2接触部に接触することができる。その結果、接続対象物が第1当接片部及び第2当接片部から受ける抵抗に大きな変動が生じることを抑制することができる。
【0016】
第四の態様に係る電気接続用端子は、第三の態様において、前記摺接部と前記弾性変形部との境界部から前記第1接触部までの距離は、当該境界部から前記第2接触部までの距離よりも短い距離に設定されていると共に、前記摺接部が前記接続対象物に摺接された状態において、前記第1当接片部が弾性変形して前記第1接触部が当該接続対象物を押圧するときの接触圧は、前記第2当接片部が弾性変形して前記第2接触部が当該接続対象物を押圧するときの接触圧よりも大きい値に設定されている。
【0017】
第四の態様に係る電気接続用端子によれば、摺接部と弾性変形部との境界部から第1接触部までの距離が、当該境界部から第2接触部までの距離よりも短い距離に設定されている。このため、第1当接片部と第2当接片部とで板厚や幅が同様の値とされている場合には、第1当接片部が所定の変形量となるまで弾性変形させるのに必要な力が、第2当接片部が当該所定の変形量となるまで弾性変形させるのに必要な力よりも大きくなる。
【0018】
また、本態様では、摺接部が接続対象物に摺接された状態において、第1当接片部が弾性変形して第1接触部が当該接続対象物を押圧するときの接触圧が、第2当接片部が弾性変形して第2接触部が当該接続対象物を押圧するときの接触圧よりも大きい値に設定されている。なお、ここでいう接触圧とは、第1接触部や第2接触部が接続対象物を押圧する力を意味しており、当該接触圧の単位は、[g重]や[N]である。
【0019】
したがって、本態様では、接続対象物が摺接部に対して弾性変形部と反対側に摺動したときに、第2接触部よりも第1接触部の方が強く接続対象物の接触面に押し当てられ、当該第1接触部によって当該接触面に付着した異物が除去される確度を高めることができる。
【0020】
第五の態様に係る電気接続用端子は、第三の態様又は第四の態様において、前記第1当接片部及び前記第2当接片部の少なくとも一方は、前記接続対象物が接近してくる側に凸となって湾曲されている。
【0021】
第五の態様に係る電気接続用端子によれば、第1当接片部及び第2当接片部の少なくとも一方が接続対象物が接近してくる側に凸となって湾曲されている。このため、第1当接片部及び第2当接片部がそれぞれ直線状とされている構成と比し、第1当接片部及び第2当接片部のうち湾曲されている方の接続対象物との摺接面と当該接続対象物の接触面との成す角度を小さくすることができる。その結果、本態様では、接続対象物が所定の位置に配置されるまでに摺接部から受ける抵抗を小さくすることができる。
【0022】
第六の態様に係る電気接続用端子は、第三の態様~第五の態様の何れか一態様において、前記第1接触部の先端部には、係止部が設けられており、前記第2当接片部には、前記係止部を係止可能な被係止部が設けられている。
【0023】
第六の態様に係る電気接続用端子によれば、第1接触部の先端部に係止部が設けられている。一方、第2当接片部には、第1接触部に設けられた係止部を係止可能な被係止部が設けられており、当該係止部が当該被係止部に係止されることで、先端側に第1接触部が設けられた第1当接片部と第2当接片部との相対変位を規制することができる。このため、例えば、接続対象物が摺接部に対して摺動しているときに、当該接続対象物に付着した異物や作業者の指等が第1当接片部に引っ掛かる等して、当該第1当接片部が不要な変形をすることを抑制することができる。
【0024】
第七の態様に係る電気接続用端子は、第六の態様において、前記被係止部は、前記接続対象物に摺接可能とされており、前記係止部は、前記被係止部における前記接続対象物と摺接される面と反対側の面に係止可能とされている。
【0025】
第七の態様に係る電気接続用端子によれば、接続対象物が摺接部に対して弾性変形部と反対側に摺動するときに、当該接続対象物は、第2当接片部に設けられた被係止部に摺接される。一方、第1当接片部に設けられた係止部は、被係止部における接続対象物と摺接される面と反対側の面に係止可能とされている。このため、第1接触部が接続対象物に接触するときに、被係止部が当該接続対象物の障害となることを抑制することができる。
【0026】
第八の態様に係るコネクタは、第一の態様~第七の態様の何れか一態様に係る電気接続用端子と、前記固定部が固定されたハウジングと、を有している。
【0027】
第八の態様に係るコネクタによれば、電気接続用端子の固定部がハウジングに固定されており、当該電気接続用端子を安定した状態で保持することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明に係る電気接続用端子及びこれを備えたコネクタは、異物の付着による導通不良を抑制することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】第1実施形態に係る電気接続用端子の構成を示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係る電気接続用端子の構成を示す側面図(図1の2方向矢視図)である。
図3】第1実施形態に係る電気接続用端子の構成を示す平面図(図2の3方向矢視図)である。
図4】第1実施形態に係るコネクタの構成を示す断面図(図5の4-4線に沿って切断した状態を示す断面)である。
図5】第1実施形態に係るコネクタの構成を示す斜視図である。
図6】第2実施形態に係る電気接続用端子の構成を示す斜視図である。
図7】第2実施形態に係る電気接続用端子の構成を示す断面図(図6の7-7線に沿って切断した状態を示す断面)である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
<第1実施形態>
以下、図1図5を用いて、本発明の第1実施形態に係る「電気接続用端子10」(以下、端子10と称する)の説明を主としつつ、端子10を備えた「コネクタ12」の構成について説明する。なお、各図に適宜示される矢印Xはコネクタ前方側を示しており、矢印Yはコネクタ幅方向一方側(左側)を示しており、矢印Zはコネクタ上方側を示している。なお、これらの方向は説明の便宜上用いられるものであり、実装時等におけるコネクタ12の姿勢を絶対的に規定するものではない。
【0031】
図5に示されるように、コネクタ12は、一例として、4つの端子10が取り付けられた取付対象物としての樹脂製の「ハウジング14」を備えている。このハウジング14は、コネクタ幅方向及びコネクタ前後方向に延在する板状のベース部14Aと、当該ベース部14Aからコネクタ上方側に突出されると共に外形が直方体状とされた本体部14Bとを含んで構成されている。そして、本体部14Bには、それぞれ端子10が納まると共に隔壁部14B1で仕切られた収容凹部16がコネクタ幅方向に4つ設けられており、当該収容凹部16は、コネクタ上方側及びコネクタ前方側に開放されている。なお、収容凹部16の底面16Aは、ベース部14Aの上面によって構成されている。
【0032】
また、ベース部14Aのコネクタ下方側の下面には、二つの突起部14Cが設けられており、図4にも示されるように、基板18に設けられた図示しない貫通部に突起部14Cが嵌合されることで、コネクタ12は基板18に仮止めされている。
【0033】
一方、端子10は、ハウジング14に固定される「固定部20」と、「摺接部22」と、当該固定部20と当該摺接部22とを繋ぐ「弾性変形部24」とを含んで構成されている。なお、端子10は、弾性変形可能でかつ板厚が一定とされた金属製の板材が打ち抜き加工された後に曲げ加工されることで形成されている。
【0034】
ここで、本実施形態では、端子10における摺接部22の構成に大きな特徴がある。以下、摺接部22の構成を中心に、本実施形態の要部を構成する端子10の構成について詳細に説明することとする。
【0035】
図1に示されるように、固定部20は、板厚方向をコネクタ上下方向とされてコネクタ前後方向に延びる板状とされており、そのコネクタ前後方向に延びる周縁部には、それぞれ複数の係止部20Aが設けられている。一方、図4に示されるように、隔壁部14B1、本体部14Bのコネクタ幅方向一方側の部分を構成する側壁部14B2及び本体部14Bのコネクタ幅方向他方側の部分を構成する側壁部14B3のそれぞれにおける端子10側の面には、底面16Aとの境界部分に溝部26が形成されている。そして、固定部20が溝部26に圧入されて係止部20Aが溝部26に係止されることで端子10がハウジング14に固定されている。
【0036】
また、固定部20のコネクタ前方側の端部には、コネクタ下方側に延びるリード部28が設けられており、当該リード部28は、基板18に設けられた図示しないスルーホールに挿通されて基板18に半田付けされている。
【0037】
弾性変形部24は、固定部20のコネクタ後方側の周縁部から延出されてコネクタ前方側に折り返されると共に、コネクタ幅方向から見て、コネクタ後方側に凸となって湾曲した板状とされている。そして、弾性変形部24のコネクタ前方側の周縁部からは、摺接部22が延出されている。
【0038】
図1に戻り、摺接部22は、「第1接触部22A」、「第2接触部22B」、「第1当接片部22C」、「第2当接片部22D」、規制部22E及び連結部22Fを含んで構成されている。そして、摺接部22は、後述するように、接続対象物としての板状の「基板30」(図4参照)が、その板厚方向をコネクタ上下方向とされた状態でコネクタ後方側から接近してくると、当該基板30に摺接されるようになっている。つまり、上述した弾性変形部24は、摺接部22と固定部20とを基板30が接近してくる側で繋ぐと共に、基板30が接近してくる側に凸となって湾曲されていると見なすこともできる。
【0039】
より詳しくは、摺接部22は、その主な部分が第1当接片部22C及び第2当接片部22Dによって構成されている。第1当接片部22Cは、コネクタ幅方向から見て、弾性変形部24からコネクタ前方上側(基板30が接近してくる側と反対側)に直線状に延びる板状とされている。また、第1当接片部22Cは、その長手方向中央部から弾性変形部24までの部分において、その幅(コネクタ幅方向の長さ)が一定とされており、その長手方向中央部から先端側の部分において、その幅が先端側に向かうに従って縮幅されている。そして、第1当接片部22Cの先端側の周縁部からは、第1接触部22Aが延出されている。なお、第1当接片部22Cの上面は、後述するように、基板30に摺接されるようになっているため、以下では、当該上面を摺接面22C1と称することとする。
【0040】
図2に示されるように、第1接触部22Aは、コネクタ幅方向から見て、コネクタ上方側に凸となって湾曲しつつ、第1当接片部22Cからコネクタ前方下側に延びる鉤状とされている。この第1接触部22Aにおけるコネクタ上方側の周縁部は、図1にも示されるように、それぞれ当該第1接触部22Aの延在方向に沿う面取部とされている。そして、これらの面取部に挟まれた第1接触部22Aの上面の幅(コネクタ幅方向の長さ)は、第1接触部22A全体の幅(コネクタ幅方向の長さ)よりも短い長さとされている。なお、第1接触部22Aの上面は、後述するように、基板30に摺接されるようになっているため、以下では、当該上面を摺接面22A1と称することとする。
【0041】
一方、第2当接片部22Dは、図1及び図2に示されるように、全体では、コネクタ幅方向から見て、コネクタ後方上側に凸となって緩やかに湾曲しつつ、弾性変形部24からコネクタ前方上側に延びている。換言すれば、第2当接片部22Dは、弾性変形部24から基板30が接近してくる側と反対側に延びかつ基板30が接近してくる側に膨らむ板状とされている。
【0042】
この第2当接片部22Dは、そのコネクタ幅方向一方側の部分を構成する長辺部22D1と、そのコネクタ幅方向他方側の部分を構成する長辺部22D2と、そのコネクタ前方側の部分を構成する短辺部22D3とを含んで、コネクタ上下方向から見て、第1接触部22A及び第1当接片部22Cを囲む枠状に構成されている。
【0043】
より詳しくは、図3にも示されるように、長辺部22D1、22D2は、コネクタ上下方向から見て、コネクタ前後方向に延びており、短辺部22D3は、コネクタ上下方向から見て、長辺部22D1と長辺部22D2とをコネクタ前方側で繋ぐと共にコネクタ後方側に向かうに従って拡幅されたU字状とされている。なお、第2当接片部22Dの上面は、後述するように、基板30に摺接されるようになっているため、以下では、当該上面を摺接面22D4と称することとする。
【0044】
また、長辺部22D1、22D2は、コネクタ幅方向から見て、その弾性変形部24側の部分が第1当接片部22Cと重なっているものの、コネクタ前方側に向かうに従って第1当接片部22Cに対してコネクタ前方側に離間された状態となっている。換言すれば、長辺部22D1、22D2及び第1当接片部22Cは、コネクタ幅方向から見て、弾性変形部24に向かうに従って縮幅されたV字状となるように構成されている。
【0045】
規制部22Eは、摺接部22の先端部を構成しており、コネクタ前後方向を板厚方向とされてコネクタ上下方向に延びる板状の縦板部22E1と、当該縦板部22E1のコネクタ下方側の周縁部からコネクタ上下方向を板厚方向とされてコネクタ後方側に延びる板状の下板部22E2とを含んで構成されている。この規制部22Eは、後述するように、固定部20に当接されることで摺接部22の弾性変形を規制可能とされている。
【0046】
また、図4に示されるように、ハウジング14の隔壁部14B1及び側壁部14B2、14B3の端子10側の面には、それぞれコネクタ幅方向に凹んだ凹部32が設けられている。そして、コネクタ12がハウジング14に圧入された状態において、下板部22E2のコネクタ幅方向一方側の端部及びコネクタ幅方向他方側の端部は、凹部32のコネクタ上方側の縁部に係止された状態とされており、規制部22Eのコネクタ上方側への変位が規制されるようになっている。
【0047】
連結部22Fは、図1及び図2に示されるように、規制部22Eのコネクタ上方側の周縁部と第2当接片部22Dのコネクタ上方側を繋ぐと共に、コネクタ上方前側に凸となって湾曲された板状とされている。この連結部22Fの上面22F1は、第2当接片部22Dの摺接面22D4と連続しており、当該上面22F1には、当該上面22F1に沿って第2接触部22Bが設けられている。
【0048】
第2接触部22Bは、図3にも示されるように、連結部22Fの上面22F1から突出されると共にコネクタ上下方向から見てコネクタ前後方向に延びる突起部とされており、その延在方向から見た断面形状は、そのコネクタ上方側の外周部が連結部22F側に開放されたU字状とされた略矩形状とされている。この第2接触部22Bは、コネクタ上下方向(基板30の板厚方向)から見て、上述した第1接触部22Aを通りかつコネクタ前後方向に延びる「直線L」上に位置している。また、第1接触部22Aにおけるコネクタ幅方向の長さ(第1当接片部22Cの幅方向の長さ)D1は、第2接触部22Bにおけるコネクタ幅方向の長さD2よりも長い長さに設定されている。なお、第2接触部22Bは、第2当接片部22Dの短辺部22D3にもその一部が設けられている。
【0049】
また、第2接触部22Bの上面は、後述するように、基板30に摺接されるようになっているため、以下では、当該上面を摺接面22B1と称することとする。そして、第1接触部22Aの摺接面22A1におけるコネクタ幅方向の長さd1は、摺接面22B1のコネクタ幅方向の長さd2よりも長い長さに設定されている。
【0050】
上記のように構成された摺接部22では、当該摺接部22に基板30が接近してくると、まず、基板30が第1当接片部22Cの摺接面22C1に摺接し、当該第1当接片部22Cが弾性変形するようになっている。そして、第1接触部22Aは、第1当接片部22Cが基板30に摺接されて弾性変形された状態で、基板30が第1当接片部22Cに対してコネクタ前方側に摺動するときに、その摺接面22A1によって基板30における摺接部22との「接触面30A」の一部をワイピング可能とされている。
【0051】
また、第2当接片部22Dは、基板30がコネクタ前方側に変位されて第1当接片部22Cの弾性変形量が大きくなると、その摺接面22D4に基板30が摺接されて弾性変形するようになっている。そして、基板30が第2当接片部22Dに対してコネクタ前方側に摺動していくと、第2接触部22Bの摺接面22B1が、第1接触部22Aでワイピングされた接触面30Aの一部に接触されるようになっている。つまり、上述した直線Lは、コネクタ上下方向から見て、第1接触部22Aを通りかつ基板30の摺動方向に延びる直線と見なすこともできる。
【0052】
さらに、図1に示されるように、摺接部22と弾性変形部24との境界部から第1接触部22Aの中央部までの「距離S1」は、当該境界部から第2接触部22Bの中央部までの「距離S2」よりも短い距離に設定されている。
【0053】
加えて、摺接部22が基板30に摺接された状態において、第1当接片部22Cが弾性変形して第1接触部22Aが基板30を押圧するときの接触圧は、第2当接片部22Dが弾性変形して第2接触部22Bが基板30を押圧するときの接触圧よりも大きい値に設定されている。なお、ここでいう接触圧とは、第1接触部22Aや第2接触部22Bが基板30を押圧する力を意味しており、当該接触圧の単位は、[g重]や[N]である。
【0054】
さらに加えて、摺接部22の弾性変形量が所定量を超えると、規制部22Eの下板部22E2が、固定部20に当接されることで、摺接部22の弾性変形が規制されるようになっている。
【0055】
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果を説明する。
【0056】
本実施形態では、図1に示されるように、固定部20、摺接部22及び弾性変形部24を備えており、固定部20によってハウジング14に固定されている。また、摺接部22は、弾性変形しつつ基板30と摺接されて、当該基板30と導通されるようになっている。さらに、固定部20と摺接部22とは、基板30が接近してくる側において弾性変形部24で繋がれており、当該弾性変形部24は、摺接部22の弾性変形に追従して弾性変形することができる。このため、本実施形態では、スライド移動して接近してくる基板30と摺接部22とを安定した状態で導通接続させることができる。
【0057】
ところで、基板30における摺接部22との接触面30Aに異物が付着している場合、この異物によって、摺接部22と基板30との導通不良が発生することが考えられる。
【0058】
ここで、本実施形態では、摺接部22が第1接触部22A及び第2接触部22Bを含んで構成されている。そして、第1接触部22Aは、摺接部22が基板30に摺接されて弾性変形した状態において、当該基板30が当該摺接部22に対して弾性変形部24と反対側に摺動するときに、当該基板30における当該摺接部22との接触面30Aの一部をワイピングすることができる。一方、第2接触部22Bは、第1接触部22Aでワイピングされた接触面30Aの一部に接触可能とされている。
【0059】
より具体的に説明すると、第1接触部22Aは、摺接部22が板状の基板30に摺接されて弾性変形した状態において、基板30における摺接部22との接触面30Aに接触することができる。一方、第2接触部22Bは、図3にも示されるように、基板30の板厚方向から見て第1接触部22Aに対して弾性変形部24と反対側に位置している。また、第2接触部22Bは、基板30が摺接部22に対して弾性変形部24と反対側に摺動したときに、基板30の接触面30Aに接触することができると共に、基板30の板厚方向から見て第1接触部22Aを通りかつ基板30の摺動方向に延びる直線L上に位置している。このため、本実施形態では、摺接部22との接触前において基板30の接触面30Aに異物が付着している状態であっても、まず、第1接触部22Aが接触面30Aに接触されて当該異物の一部が除去される。そして、第2接触部22Bは、第1接触部22Aで異物が除去された状態の接触面30Aの一部に接触して基板30に導通される。
【0060】
また、本実施形態では、摺接部22が第1当接片部22C及び第2当接片部22Dを含んで構成されている。そして、第1当接片部22Cは、弾性変形部24から基板30が接近してくる側と反対側に延びかつ直線状の板状とされており、第2当接片部22Dは、弾性変形部24から基板30が接近してくる側と反対側に延びかつ基板30が接近してくる側に膨らむ板状とされている。また、第1当接片部22Cにおける弾性変形部24と反対側の先端側には、第1接触部22Aが設けられており、第2当接片部22Dにおける弾性変形部24と反対側の先端側には、第2接触部22Bが設けられている。このため、基板30が摺接部22に対して弾性変形部24と反対側に摺動したときに、基板30は、摺接部22に沿って滑らかに摺動しつつ、第1接触部22A及び第2接触部22Bに接触することができる。その結果、基板30が第1当接片部22C及び第2当接片部22Dから受ける抵抗に大きな変動が生じることを抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、摺接部22と弾性変形部24との境界部から第1接触部22Aまでの距離S1が、当該境界部から第2接触部22Bまでの距離S2よりも短い距離に設定されている。このため、第1当接片部22Cと第2当接片部22Dとで板厚や幅が同様の値とされている場合には、第1当接片部22Cが所定の変形量となるまで弾性変形させるのに必要な力が、第2当接片部22Dが当該所定の変形量となるまで弾性変形させるのに必要な力よりも大きくなる。
【0062】
さらに、本実施形態では、摺接部22が基板30に摺接された状態において、第1当接片部22Cが弾性変形して第1接触部22Aが基板30を押圧するときの接触圧が、第2当接片部22Dが弾性変形して第2接触部22Bが基板30を押圧するときの接触圧よりも大きい値に設定されている。したがって、本実施形態では、基板30が摺接部22に対して弾性変形部24と反対側に摺動したときに、第2接触部22Bよりも第1接触部22Aの方が強く基板30の接触面30Aに押し当てられ、第1接触部22Aによって接触面30Aに付着した異物が除去される確度を高めることができる。
【0063】
また、本実施形態では、第2当接片部22Dが、基板30が接近してくる側に凸となって湾曲されている。このため、第2当接片部22Dが直線状とされている構成と比し、第2当接片部22Dの基板30との摺接面22D4と基板30の接触面30Aとの成す角度を小さくすることができる。その結果、本実施形態では、基板30が所定の位置に配置されるまでに摺接部22から受ける抵抗を小さくすることができる。
【0064】
また、本実施形態では、弾性変形部24が、板状とされていると共に、基板30が接近してくる側に凸となって湾曲されている。このため、弾性変形部24が、当該弾性変形部24の幅方向から見て複数の屈曲部を有するコ字状に曲げられているような構成と比し、弾性変形部24の板厚方向に作用する同じ大きさの力に対する弾性変形部24の変形量を大きくすることができる。その結果、本実施形態では、基板30が所定の位置に配置されるまでに基板30が摺接部22を介して弾性変形部24から受ける抵抗を小さくすることができる。
【0065】
加えて、本実施形態では、摺接部22は、その先端部を構成する規制部22Eと規制部22Eと第2当接片部22Dとを繋ぐ連結部22Fとを備えている。そして、規制部22Eは、摺接部22が基板30に摺接されて弾性変形した状態において、基板30と反対側で固定部20に当接されて当該弾性変形を規制可能とされている。このため、摺接部22が基板30に摺接されて必要以上に弾性変形することを抑制することができる。
【0066】
ところで、規制部22Eが摺接部22の弾性変形を規制するときに、規制部22Eのみでなく規制部22Eと第2当接片部22Dとを繋ぐ連結部22Fにも負荷がかかることが考えられるため、連結部22Fの幅は十分に確保されていることが好ましい。一方で、連結部22Fを第2接触部22Bとして用いる場合を考えると、連結部22Fの幅が大きすぎると、第2接触部22Bは、第1接触部22Aで異物が除去されていない状態の基板30の接触面30Aにも接触することが考えられる。
【0067】
ここで、本実施形態では、第2接触部22Bが連結部22Fにおける第2当接片部22Dの摺接面22D4と連続する上面22F1から突出された突起部とされていると共に、第1接触部22Aにおける第1当接片部22Cの幅方向の長さD1は、第2接触部22Bにおける当該幅方向の長さD2よりも長い長さに設定されている。このため、本実施形態では、連結部22Fの幅を確保しつつ、第2接触部22Bが第1接触部22Aで異物が除去された状態の基板30の接触面30Aに接触する確度を高めることができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態に係る端子10は、異物の付着による導通不良を抑制することができる。また、本実施形態に係るコネクタ12では、端子10の固定部20がハウジング14に固定されており、当該端子10を安定した状態で保持することができるため、基板18と基板30とを安定した状態で導通接続することができる。
【0069】
<第2実施形態>
以下、図6及び図7を用いて、本発明に係る電気接続用端子の第2実施形態について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一構成部分については同一番号を付してその説明を省略する。
【0070】
本実施形態に係る「電気接続用端子40」は、基本的に第1実施形態に係る端子10と同様の構成とされており、固定部20、弾性変形部24及びリード部28を含んで構成されているものの、「摺接部42」の構成が端子10と異なっている。
【0071】
摺接部42は、「第1接触部42A」、「第2接触部42B」、「第1当接片部42C」、「第2当接片部42D」、規制部42E及び連結部42Fを含んで構成されている。なお、第2接触部42Bは、第2接触部22Bと、規制部42Eは、規制部22Eと、連結部42Fは、連結部22Fと、それぞれ同様の構成とされている。そして、本実施形態では、第1接触部42Aの先端部に「係止部42G」が設けられていると共に、第2当接片部42Dに「被係止部42H」設けられている点に特徴がある。
【0072】
具体的には、第1接触部42Aは、第1接触部22Aと基本的に同様の構成とされているものの、第2当接片部22Dと基本的に同様の構成とされた第2当接片部42Dの摺接面42D1と反対側の裏面42D2よりもコネクタ下方側に延びている。一方、第1当接片部42Cは、第1当接片部22Cと基本的に同様の構成とされているものの、その延在方向の長さが、第1当接片部22Cの延在方向の長さよりも短い長さに設定されている。
【0073】
そして、係止部42Gは、第1接触部42Aの先端部と連続しかつその板厚方向を第1接触部42Aの板厚方向と同じ方向とされてコネクタ幅方向に延びる板状とされている。つまり、係止部42Gと第1接触部42Aとを含む部分は、係止部42Gの板厚方向から見てT字状とされている。
【0074】
一方、被係止部42Hは、第2当接片部42Dの長辺部42D3、42D4のそれぞれに設けられている。そして、被係止部42Hは、第2当接片部42Dの板厚方向から見て、短辺部42D5側の部分のコネクタ幅方向の幅が一定とされていると共に、弾性変形部24側の部分のコネクタ幅方向の幅が弾性変形部24に向かうに従って縮幅された台形の板状とされている。また、被係止部42Hの上面は、第2当接片部42Dの摺接面42D1と連続しており、基板30に摺接されるため、以下では、当該上面を「摺接面42H1」と称することとする。
【0075】
また、係止部42Gは、第1当接片部42Cの自然状態において、被係止部42Hにおける摺接面42H1と反対側の「裏面42H2」と所定の間隔をあけられた状態とされている。なお、裏面42H2は、第2当接片部42Dの裏面42D2と連続している。そして、係止部42Gは、第1当接片部42Cがコネクタ上方側に所定量弾性変形すると、被係止部42Hの裏面42H2に係止されるようになっている。
【0076】
このような構成によれば、係止部42Gが被係止部42Hに係止されることで、先端側に第1接触部42Aが設けられた第1当接片部42Cと第2当接片部42Dとの相対変位を規制することができる。このため、例えば、基板30が摺接部42に対して摺動しているときに、基板30に付着した異物や作業者の指等が第1当接片部42Cに引っ掛かる等して、第1当接片部42Cが不要な変形をすることを抑制することができる。
【0077】
また、基板30が摺接部42に対して弾性変形部24と反対側に摺動するときに、基板30は、第2当接片部42Dに設けられた被係止部42Hに摺接される。一方、第1当接片部42Cに設けられた係止部42Gは、被係止部42Hにおける裏面42H2に係止可能とされている。このため、第1接触部42Aが基板30に接触するときに、被係止部42Hが基板30の障害となることを抑制することができる。
【0078】
<上記実施形態の補足説明>
(1) 上述した第1実施形態では、第1当接片部22C及び第2当接片部22Dが、基板30に摺接される構成とされていたが、第1当接片部22Cのみが基板30に摺接される構成としてもよい。また、第1当接片部22C及び第2当接片部22Dの形状も上記のものに限らず、第1当接片部22C及び第2当接片部22Dをコネクタ下方側に凸となって曲がった板状としてもよい。
【0079】
(2) また、上述した第1実施形態では、摺接部22が第1当接片部22C及び第2当接片部22Dを含んで構成されていたが、これに限らず、摺接部22の主な部分を一様な板状に構成し、この部分に突起状の第1接触部及び第2接触部22Bを設ける構成としてもよい。
【0080】
(3) さらに、上述した第2実施形態では、係止部42Gが被係止部42Hの裏面42H2に係止されるようになっていたが、これに限らず、第2当接片部42D及び被係止部42Hを基板30に摺接されない構成として、被係止部42Hの上面に係止部42Gを係止するようにしてもよい。
【0081】
(4) 加えて、上述した実施形態では、電気接続用端子10、40がハウジング14に取り付けられていたが、これに限らず、電気接続用端子10、40が直接基板18に取り付けられていてもよい。例えば、電気接続用端子10、40にリード部28を設けない構成とすると共に、基板18にランドを設けて当該ランドに固定部20が固定されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 電気接続用端子
12 コネクタ
14 ハウジング(取付対象物)
20 固定部
22 摺接部
22A 第1接触部
22B 第2接触部
22C 第1当接片部
22D 第2当接片部
24 弾性変形部
30 基板(接続対象物)
30A 接触面
40 電気接続用端子
42 摺接部
42A 第1接触部
42B 第2接触部
42C 第1当接片部
42D 第2当接片部
42G 係止部
42H 被係止部
42H1 摺接面(接続対象物と摺接される面)
42H2 裏面(接続対象物と摺接される面と反対側の面)
L 直線(接続対象物の摺動方向に延びる直線)
S1 距離(境界部から第1接触部までの距離)
S2 距離(境界部から第2接触部までの距離)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7