(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】データ管理装置及びコンテンツデータの提供方法
(51)【国際特許分類】
G16H 30/20 20180101AFI20220203BHJP
G06F 16/182 20190101ALI20220203BHJP
G06F 16/27 20190101ALI20220203BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20220203BHJP
【FI】
G16H30/20
G06F16/182
G06F16/27
G06F21/62 345
(21)【出願番号】P 2017236441
(22)【出願日】2017-12-08
(62)【分割の表示】P 2017028344の分割
【原出願日】2017-02-17
【審査請求日】2020-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000214272
【氏名又は名称】長瀬産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 遼平
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-210108(JP,A)
【文献】特開2010-056627(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106230851(CN,A)
【文献】国際公開第2016/164496(WO,A1)
【文献】大橋盛徳 他,デジタルコンテンツのスマートプロパティ化に向けた情報登録方法の提案と実装,電子情報通信学会技術研究報告,一般社団法人電子情報通信学会,2016年05月05日,Vol.116,No.23,p.13~18
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 99/00
G06F 16/00 - 16/958
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して
複数の情報処理装置に接続されたデータ管理装置であって、
ユーザIDに対応付けて一又は複数のコンテンツデータとその識別情報を表すコンテンツデータIDとが格納されたコンテンツデータベースと、
特定の
情報処理装置から前記ユーザIDを含む要求信号を受け付けた場合に、前記コンテンツデータベースに格納された前記コンテンツデータ
及び前記コンテンツデータIDのうち、前記
ユーザIDを含む要求信号に対応する前記コンテンツデータ
及び前記コンテンツデータIDを
全て取得する
取得部と、
前記取得部によって取得した前記コンテンツデータ及び前記コンテンツデータIDを前記特定の情報処理装置へ送信する通信部と、を備え、
前記コンテンツデータIDは、生成対象のコンテンツデータの識別情報を表すコンテンツデータIDを生成する際に、前回生成された前記コンテンツデータIDと、前記生成対象のコンテンツデータとそのメタデータの少なくとも一方とに基づいて、前記情報処理装置により生成されたものであ
り、
前記特定の情報処理装置において、前記データ管理装置の前記通信部から送信された前記コンテンツデータが、その識別情報を表す前記コンテンツデータIDに対応するメタデータに対応付けられる
データ管理装置。
【請求項2】
ネットワークを介して複数の情報処理装置に接続されたデータ管理装置
から、特定の情報処理装置に対してコンテンツデータを
提供する方法であって、
前記データ管理装置は、
ユーザIDに対応付けて一又は複数のコンテンツデータとその識別情報を表すコンテンツデータIDと格納されたコンテンツデータベースを備え、
前記コンテンツデータIDは、生成対象のコンテンツデータの識別情報を表すコンテンツデータIDを生成する際に、前回生成された前記コンテンツデータIDと、前記生成対象のコンテンツデータとそのメタデータの少なくとも一方とに基づいて
、前記情報処理装置により生成されたものであり、
前記データ管理装置は、
前記特定の
情報処理装置から前記ユーザIDを含む要求信号を受け付けた場合に、前記コンテンツデータベースに格納された前記コンテンツデータ
及びコンテンツデータIDのうち、前記
ユーザIDを含む要求信号に対応する前記コンテンツデータ
及び前記コンテンツデータIDを全て取得して、取得した前記コンテンツデータ及び前記コンテンツデータIDを前記特定の情報処理装置へ送信し、
前記特定の情報処理装置において、前記データ管理装置の前記通信部から送信された前記コンテンツデータが、その識別情報を表す前記コンテンツデータIDに対応するメタデータに対応付けられる
コンテンツデータの
提供方法。
【請求項3】
ネットワークを介して複数の情報処理装置と接続されたデータ管理装置であって、
前記複数の情報処理装置の各々は、
コンテンツデータとそのメタデータの少なくとも一方に基づいて、前記コンテンツデータの識別情報を表すコンテンツデータIDを生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記コンテンツデータID
とそれに対応するコンテンツデータのメタデータが
対応付けて格納されたIDデータベースと、を備え、
前記IDデータベースには、前記コンテンツデータID
とそれに対応するコンテンツデータのメタデータを含むブロックの系列を表すブロックチェーンが格納され、
前記生成部は、前記コンテンツデータID
とそれに対応するコンテンツデータのメタデータを含む前記ブロックを前記ブロックチェーンへ追加するものであり、
前記データ管理装置は、
ユーザIDに対応付けて、前記
複数の情報処理装置によって生成された前記コンテンツデータIDの各々と、前記コンテンツデータIDの各々に対応する前記コンテンツデータとが格納されたコンテンツデータベースと、
特定の
情報処理装置から前記ユーザIDを含む要求信号を受け付けた場合に、前記コンテンツデータベースに格納された前記コンテンツデータ
及び前記コンテンツデータIDのうち、前記
前記ユーザIDを含む要求信号に対応する前記コンテンツデータ
及び前記コンテンツデータIDを
全て取得する
取得部と、
前記取得部によって取得した前記コンテンツデータ及び前記コンテンツデータIDを前記特定の情報処理装置へ送信する通信部と、を備え、
前記特定の情報処理装置において、前記データ管理装置の前記通信部から送信された前記コンテンツデータが、前記IDデータベースにて当該コンテンツデータの前記コンテンツデータIDに対応付けられているメタデータに対応付けられる
データ管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ管理システム、プログラム、及びデータ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からデータを管理する方法が提案されている。例えば、医療分野で用いられる医用画像については、医用画像と付帯情報とに応じたDICOM規格という標準規格が用いられており、DICOM規格に基づき患者の医用画像が各医療機関内で管理されている。DICOMとは、Digital Imaging and Communication in Medicineの略称であり、医用画像の保存、通信方法を定めた国際標準規格である。
【0003】
医用画像と付帯情報との管理方法としては、例えば、複数の検査装置によって得られた画像データを、同一検査の画像データとして識別できるようにする診断システムが知られている(例えば、特許文献1)。この診断システムでは、RIS(放射線部門管理システム)から検査識別情報を付加した検査オーダ情報を検査装置に送り、各検査装置において検査オーダ情報に基づいて検査を行う。そして、診断システムは、画像データを作成し、作成されたそれぞれ画像データと検査識別情報とを記憶する。
【0004】
また、データベースに関連付けられて登録された医用画像及び属性情報の変更をする医用画像管理装置が知られている(例えば、特許文献2)。この医用画像管理装置は、患者を撮影した医用画像に付帯された付帯情報に基づいて当該医用画像を記憶し管理する。具体的には、医用画像管理装置は、付帯情報に含まれる情報の関係を分析して階層別に分別し、階層別に分別された情報に上位層と関連付ける関連情報を付加して階層構造のグループを患者単位で生成し、管理情報データベースに記憶させる。そして、医用画像管理装置は、グループに含まれる情報を他のグループに移動させる場合、移動元となるグループに含まれる情報に付加された関連情報を、当該情報と同一層の移動先となるグループの関連情報に書き換える。
【0005】
また、サーバから取得した付帯情報に含まれなかった項目に関する情報についても利用者に提供する処理装置が知られている(例えば、特許文献3)。この処理装置は、DICOM画像サーバから送信される付帯情報に含まれた項目の情報に関連し、且つ取得した付帯情報に含まれなかった項目に関連した情報を記憶部から抽出する。そして、処理装置は、取得した付帯情報に含まれた情報と抽出した情報とを表した表示画像を生成する。
【0006】
また、多くの画像データの中から選択された画像データによって構成される画像集合を簡単かつ正確に設定する医用画像集合処理システムが知られている(例えば、特許文献4)。この医用画像集合処理システムは、診断対象患者の画像データ及びその付帯情報を保管する。そして、医用画像集合処理システムは、付帯情報を階層的に分類して付帯情報管理リストを生成する。一方、医用画像集合処理システムは、付帯情報管理リストの付帯情報に基づいて所望の画像集合を設定するための画像集合条件式を作成する。次いで、医用画像集合処理システムは、画像集合条件式に基づいて画像集合を構成する画像データを画像データ記憶部から読み出し、得られた画像データで構成された画像集合を供給して所望の画像データ処理を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2007-7190号公報
【文献】特開2007-313219号公報
【文献】特開2008-206687号公報
【文献】特開2005-110974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、コンテンツデータとメタデータとが対応付けられて管理されている場合、複数の利用者によるデータの共有がしにくいという課題がある。
【0009】
例えば、DICOM規格の医用画像では、コンテンツデータの一例としての医用画像の画素情報とメタデータの一例としての付帯情報とが組み合わされた形式で管理される。このため、例えば、医療機関Aにおいて撮像された患者の医用画像を、医療機関Bにおいても利用したい場合には、医療機関Aで撮像されたDICOM規格の医用画像を医療機関Bへ任意の通信手段等を用いて送信する必要がある。
【0010】
しかし、DICOM規格の医用画像に付与されている付帯情報には、患者の個人情報等が含まれているため、機密性の高い通信手段を用いる必要がある。そのため、DICOM規格の医用画像のように、コンテンツデータとメタデータとが対応付けられて管理されている場合には、複数の利用者によってコンテンツデータを共有しにくいという課題がある。
【0011】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたもので、コンテンツデータとメタデータとが対応付けられて管理されている場合であっても、コンテンツデータにアクセスするためのコンテンツデータIDを複数の情報処理装置によって共有することができるデータ管理システム、プログラム、及びデータ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために本発明に係るデータ管理システムは複数の情報処理装置とデータ管理装置とを含むデータ管理システムであって、複数の前記情報処理装置の各々は、コンテンツデータと前記コンテンツデータのメタデータとを含むデータのうちの前記メタデータ及び前記コンテンツデータの少なくとも一方に基づいて、前記コンテンツデータの識別情報を表すコンテンツデータIDを生成する生成部と、複数の前記情報処理装置の各々の前記生成部によって生成された前記コンテンツデータIDが格納されたIDデータベースと、を備え、前記データ管理装置は、複数の前記情報処理装置によって生成された前記コンテンツデータIDの各々と、前記コンテンツデータIDの各々に対応する前記コンテンツデータとが対応付けられて格納されたコンテンツデータベースと、特定の前記コンテンツデータに関する要求信号を受け付けた場合に、前記コンテンツデータベースに格納された前記コンテンツデータのうち、前記要求信号に対応する前記コンテンツデータを出力する出力部と、を備える。
【0013】
また、本発明の第1のプログラムは、コンピュータを、コンテンツデータと前記コンテンツデータのメタデータとを含むデータのうちの前記メタデータ及び前記コンテンツデータの少なくとも一方に基づいて、前記コンテンツデータの識別情報を表すコンテンツデータIDを生成する生成部として機能させるためのプログラムである。
【0014】
また、本発明の第2のプログラムは、コンピュータを、特定のコンテンツデータの識別情報を表すコンテンツデータIDに関する要求信号を受け付けた場合に、複数の情報処理装置によって生成されたコンテンツデータIDの各々と、前記コンテンツデータIDの各々に対応するコンテンツデータとが対応付けられて格納されたコンテンツデータベースに格納された前記コンテンツデータIDから、前記要求信号に対応する前記コンテンツデータを出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
【0015】
また、本発明の第1のデータ構造は、コンテンツデータと前記コンテンツデータのメタデータとを含むデータのうちの前記メタデータ及び前記コンテンツデータの少なくとも一方に基づき生成された、前記コンテンツデータの識別情報を表すコンテンツデータIDと、前記コンテンツデータIDに対応する前記コンテンツデータとが対応付けられたデータ構造である。
【0016】
また、本発明の第2のデータ構造は、コンテンツデータと前記コンテンツデータのメタデータとを含むデータのうちの前記メタデータ及び前記コンテンツデータの少なくとも一方に基づき生成された、前記コンテンツデータの識別情報を表すコンテンツデータIDを含むブロックの系列を表すデータ構造である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、コンテンツデータとメタデータとが対応付けられて管理されている場合であっても、コンテンツデータにアクセスするためのコンテンツデータIDを複数の情報処理装置によって共有することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施の形態のデータ管理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施の形態のデータ管理システムの詳細な構成例を示す図である。
【
図3】ユーザ情報データベースの構成例を示す図である。
【
図5】初めての医用画像群の撮像の際に実行される処理を説明するための説明図である。
【
図8】各医療機関の付帯情報管理サーバに格納されるブロックチェーンを説明するための説明図である。
【
図9】ブロック情報テーブルの一例を示す図である。
【
図11】2回目以降の医用画像群の撮像の際に実行される処理を説明するための説明図である。
【
図12】医療機関情報が格納される医療機関データベースとブロック情報が格納されるブロック情報データベースとの一例を示す図である。
【
図13】ブロック情報データベースに格納されるブロックチェーンを説明するための図である。
【
図14】医用画像の画素情報の取得の際に実行される処理を説明するための説明図である。
【
図15】データ管理システムの各装置として機能するコンピュータの概略ブロック図である。
【
図16】ユーザ及び医療機関の登録処理の内容を示すシーケンス図である。
【
図17】医用画像取得処理の内容を示すシーケンス図である。
【
図18】ブロック情報生成処理の内容を示すシーケンス図である。
【
図19】画素情報取得処理の内容を示すシーケンス図である。
【
図20】本実施形態のブロックチェーンのデータ構造を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態では、DICOM規格に応じた医用画像の画素情報と付帯情報とを含む情報を表すDICOM画像を対象とし、コンテンツデータが画素情報であり、メタデータが付帯情報である場合を例に説明する。
【0020】
<データ管理システムのシステム構成>
【0021】
図1は、実施形態のデータ管理システム1を示すブロック図である。
図1に示されるように、データ管理システム1は、複数の医療機関システム2A~2Dと、データ管理サーバ3と、ユーザ端末4とを備える。複数の医療機関システム2A~2Dと、データ管理サーバ3と、ユーザ端末4とは、例えばインターネット等のネットワーク5によって接続されている。データ管理サーバ3はデータ管理装置の一例である。
【0022】
なお、医療機関Aは医療機関システム2Aを備え、医療機関Bは医療機関システム2Bを備え、医療機関Cは医療機関システム2Cに備え、医療機関Dは医療機関システム2Dを備える場合を例に説明する。
【0023】
図2に、データ管理システム1の詳細な構成例を示す。
図2に示される例では、医療機関Aが備える医療機関システム2Aの具体的な構成とデータ管理サーバ3の具体的な構成例とが示されている。
【0024】
医療機関システム2Aは、病院端末19Aと、RIS(Radiology Information System)サーバ20Aと、画像診断装置21Aと、処理サーバ22Aと、付帯情報管理サーバ25Aとを含む。また、データ管理サーバ3は、通信部30と、制御部31と、医療機関データベース32と、ユーザ情報データベース33とを備える。付帯情報管理サーバ25Aは、情報処理装置の一例である。また、ユーザ情報データベース33は、コンテンツデータベースの一例である。また、処理サーバ22Aは分割装置の一例である。また、制御部31は、出力部の一例である。
【0025】
医療機関を利用する予定のユーザは、ユーザ端末4を操作しデータ管理サーバ3との間でユーザ登録を行う。以下では、まず、ユーザ登録の場面について説明する。
【0026】
ユーザは、所定の医療機関において画像診断を受けたい場合、ユーザ端末4を操作して、データ管理サーバ3との間で情報の送受信を行う。具体的には、ユーザはユーザ端末4を操作し、データ管理サーバ3に対してユーザ登録をしたい旨の制御信号を送信する。制御信号には、例えば、ユーザ名等が含まれる。
【0027】
データ管理サーバ3の通信部30は、ユーザ端末4から送信された制御信号を受信し制御部31へ出力する。次に、データ管理サーバ3の制御部31は、通信部30から出力された制御信号に応じてユーザIDを生成する。そして、制御部31は、ユーザIDと制御信号に含まれるユーザ名等とを対応付けて、ユーザ情報データベース33へ格納する。
【0028】
図3に示されるように、ユーザ情報データベース33には、ユーザテーブルと画像テーブルとが格納される。ユーザテーブルには、ユーザIDとユーザ名等とが対応付けられて格納される。また、画像テーブルには、後述する複数の付帯情報管理サーバ25A~25Dによって生成された画像IDの各々と、画像IDの各々に対応する医用画像の画素情報とが対応付けられて格納される。
図4に、ユーザテーブルの一例を示す。画像テーブルについては後述する。
【0029】
また、データ管理サーバ3の制御部31は、ユーザIDをユーザ端末4へ通信部30を介して送信する。そして、ユーザIDはユーザ端末4の所定の記憶部(図示省略)へ格納される。
【0030】
次に、医療機関システム2Aとデータ管理サーバ3との間で行われる医療機関登録の場面について説明する。なお、医療機関登録の処理は、医療機関システム2B~2Dについても同様に行われる。
【0031】
医療機関システム2Aの病院端末19Aは、医療機関の担当者からの操作情報を受け付け、データ管理サーバ3に対して医療機関の登録をしたい旨の制御信号を送信する。制御信号には、例えば、医療機関名等が含まれる。
【0032】
データ管理サーバ3の通信部30は、医療機関システム2Aの病院端末19Aから送信された制御信号を受信し制御部31へ出力する。データ管理サーバ3の制御部31は、通信部30から出力された制御信号に応じて医療機関IDを生成する。そして、制御部31は、医療機関IDと制御信号に含まれる医療機関名等とを対応付けて、医療機関データベース32へ格納する。
【0033】
また、データ管理サーバ3の制御部31は、医療機関IDを病院端末19Aへ通信部30を介して送信する。そして、医療機関IDは病院端末19Aの所定の記憶部(図示省略)へ格納される。
【0034】
次に、医療機関Aにおいてユーザが画像診断を受ける場面について説明する。
【0035】
ユーザが医療機関Aを訪問し、ユーザの個人情報等を含む患者の情報とユーザ端末4の記憶部(図示省略)に格納されたユーザIDとを医療機関Aへ提示する。医療機関Aの担当者は、患者の情報とユーザIDとを取得する。そして、医療機関Aの担当者は、患者の情報をRISサーバ20Aへ入力する。また、医療機関Aの担当者は、ユーザIDを処理サーバ22Aへ入力する。
【0036】
RISサーバ20Aは、担当者によって入力された患者の情報を受け付ける。そして、RISサーバ20Aは、患者の情報に基づき、患者情報、予約情報、及び診断結果情報等を表す登録情報を記憶部(図示省略)へ登録する。
【0037】
以下、
図5を参照して、ユーザが画像診断を受ける場面について説明する。
【0038】
画像診断装置21Aは、
図5の(A-1)において、ユーザ10の医用画像を撮像する。
図5の(A-1)では、データ管理システム1が稼動した後、初めて医用画像が撮像されるものとする。医用画像は、X線CT(Computed Tomography)やMRI(Magnetic Resonance Imager)などの画像診断機器によって撮像される。画像診断装置21Aによる一度の撮像で複数の医用画像が撮像される。そして、画像診断装置21Aは、RISサーバ20Aによって登録された登録情報に基づいて、一度の撮像により得られた複数の医用画像を表す画像群の付帯情報を生成する。そして、画像診断装置21Aは、画像群の画素情報と付帯情報とが組み合わされた形式の情報を表すDICOM画像を生成する。
【0039】
図6に、DICOM画像の一例を示す。
図6に示されるように、DICOM画像には、医用画像の付帯情報Xと画素情報Yとが含まれる。付帯情報は、RISサーバ20A又はHIS(Hospital Information System)等の他システムと通信及び連携していくための情報である。付帯情報は規定のフォーマットにより符号化される。また、付帯情報は、患者情報、予約情報、及び診断結果情報等を表す登録情報に基づき生成された情報であるため、秘匿性の高い個人情報等が含まれている。なお、画素情報は、コンテンツデータの一例である。また、付帯情報はメタデータの一例である。
【0040】
処理サーバ22Aは、処理制御部23Aと、通信部24Aとを備える。
【0041】
処理制御部23Aは、医療機関Aの担当者によって入力されたユーザIDを受け付ける。処理制御部23Aは、
図5の(A-2)において、画像診断装置21Aによって生成されたDICOM画像を、付帯情報と画素情報とに分割する。
【0042】
そして、処理制御部23Aは、
図5の(A-3)において、付帯情報及びユーザIDを付帯情報管理サーバ25Aへ出力する。また、処理サーバ22Aは、
図5の(A-4)において、画素情報及びユーザIDをデータ管理サーバ3へ通信部24Aを介して送信する。
【0043】
データ管理サーバ3の通信部30は、処理サーバ22Aから送信された画素情報及びユーザIDを受信する。データ管理サーバ3の制御部31は、通信部30により受信された画素情報及びユーザIDをユーザ情報データベース33の画像テーブルに格納する。
【0044】
付帯情報管理サーバ25Aは、
図5の(A-5)において、処理サーバ22Aによって得られた付帯情報から画像IDを生成する。付帯情報管理サーバ25Aは、付帯情報制御部26Aと、付帯情報データベース27Aと、ブロック情報データベース28Aと、通信部29Aとを備える。なお、画像IDは、コンテンツデータIDの一例である。また、付帯情報制御部26Aは生成部の一例である。また、ブロック情報データベース28Aは、IDデータベースの一例である。
【0045】
付帯情報制御部26Aは、処理サーバ22Aから出力された付帯情報及びユーザIDを取得する。そして、付帯情報制御部26Aは、付帯情報及びユーザIDを付帯情報データベース27Aの付帯情報テーブルへ格納する。
【0046】
付帯情報データベース27Aには、処理サーバ22Aから出力された付帯情報及びユーザIDが格納される。付帯情報データベース27Aに格納される付帯情報テーブルには、
図7に示されるように、ユーザIDと付帯情報等とが対応付けられて格納される。
【0047】
付帯情報制御部26Aは、付帯情報データベース27Aに格納された付帯情報及びユーザIDを取得する。そして、付帯情報制御部26Aは、
図5の(A-5)において、付帯情報をハッシュ化することにより、画像診断装置21Aによって撮像された画像群の画素情報の識別情報を表す画像IDを生成する。
図5の(A-5)における画像ID1の生成は、データ管理システム1が初めて稼動した後、初めて生成される画像IDである。そのため、付帯情報制御部26Aは、データ管理サーバ3によって予め生成されたダミーデータである画像ID0を含むブロック0を取得し、画像ID0及び付帯情報をハッシュ化することにより、画像ID1を生成する。画像IDは、画像群の画素情報の管理に用いられる。
【0048】
ここで、医療機関におけるDICOM画像の管理方法について説明する。
【0049】
患者が医療機関において診察を受ける場合、他の医療機関において既に撮像された医用画像は、患者のカルテと同等の役割を担うことがあるため、重要な情報資産であるといえる。また、医用画像撮像のための費用、時間、患者の身体的負担軽減、又は患者の経過観察の観点からも、他の医療機関において既に撮像された医用画像が活用されることが望ましい。
【0050】
実際の医療現場においては、一度撮像された医用画像を他の医療機関で活用する場合には、医用画像を撮像した医療機関に紹介状を作成してもらい、一部の医用画像を他の医療機関に持ち込む場合がほとんどである。しかし、紹介状の取得の手間から、特定の医療機関において撮像された医用画像が別の医療機関で活用されるケースは少なく、過去に撮像された医用画像は効率的に活用されていない。
【0051】
このようなことから、各医療機関共有の外部データベースを用意し、患者の医用画像を一元管理する方法が考えられる。この方法を用いることにより、医療機関は患者の全ての医用画像を参照することができる。しかし、医用画像には秘匿性の高い個人情報が含まれているため、外部データベースに医用画像を格納することは適切でないという理由から、外部データベースを活用する方法は普及していない。また、個人情報が削除された医用画像を外部データベースに格納したとしても、患者を特定することができないため診断に用いることができない。
【0052】
そこで、本実施形態では、ブロックチェーン(例えば、参考文献(Satoshi Nakamoto,"Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System")を参照)により、各医療機関が医用画像の付帯情報を管理する。本実施形態では、医用画像の付帯情報は各医療機関で管理され、医用画像の画素情報は外部データベースに格納される。各医療機関が患者の個人情報を含む付帯情報を管理することにより、患者の個人情報が安全に管理され、かつ医用画像が効率的に活用される。
【0053】
具体的には、
図8に示されるように、複数の医療機関A~Dが有する付帯情報管理サーバ25A~25Dによって、医用画像の付帯情報及び画像IDを含むブロックの系列を表すブロックチェーンが管理される。ブロックチェーンにおける分散台帳技術により、システムの参加者である医療機関A~Dのブロック情報データベース28A~27Dに同一の情報が格納される。
【0054】
例えば、付帯情報管理サーバ25A~25Dの各ブロック情報データベース28A~27Dには、
図8に示されるように、付帯情報と画像IDとを含むブロックの系列がブロックチェーンとして格納される。付帯情報及び画像IDがブロックチェーンとして管理されることにより、個人情報を含む付帯情報を医用画像の画素情報と分けて管理することができる。これにより、医用画像の画素情報にアクセスするための画像IDを複数の医療機関によって共有することができる。また、付帯情報及び画像IDをブロックチェーンを用いて管理することにより、データの改竄が困難となり、付帯情報及び画像IDのデータの完全性が確保される。
【0055】
具体的には、特定の医療機関において医用画像の撮像が行われると、画像ID及び付帯情報がすべての医療機関へ広められる。例えば、医療機関Aにおいて医用画像の撮像が行われた場合、付帯情報管理サーバ25Aの付帯情報制御部26Aは、
図5の(A-5)において、画像ID0及び付帯情報をハッシュ化することにより、画像ID1を生成する。そして、付帯情報管理サーバ25Aの付帯情報制御部26Aは、付帯情報及び画像ID1を含むブロックを他の医療機関システム2B~2Dへ送信する。
【0056】
医療機関B~Dの各付帯情報管理サーバ25B~25Dは、医療機関Aにおいて撮像された医用画像の画像群の付帯情報及び画像ID1を含むブロックを取得し、取得したブロックをブロック情報データベース28A~27Dのブロック情報テーブルへ格納する。また、付帯情報制御部26Aは、生成したブロックをブロック情報データベース28Aのブロック情報テーブルへ格納する。これにより、画素情報の画像IDに対応するブロックの系列を表すブロックチェーンの生成が開始される。
【0057】
ブロック情報データベース28Aのブロック情報テーブルには、複数の付帯情報管理サーバ25A~25Dによって生成された画像IDを含むブロックの系列を表すブロックチェーンが格納される。具体的には、例えば、医療機関Aとは異なる医療機関B~Cにおいてユーザの医用画像が撮像された場合、ブロック情報データベース28Aのブロック情報テーブルには、付帯情報制御部26Aによって生成された画像IDを含むブロックと、他の付帯情報処理サーバ25B~25Dによって生成された画像IDを含むブロックの系列を表すブロックチェーンが格納される。
【0058】
図9にブロック情報テーブルの一例を示す。
図9に示されるように、ブロック情報テーブルには、画像ID及び付帯情報等を表すブロック情報と、ブロック情報を識別するためのブロックIDとが対応付けられて格納される。
【0059】
次に、付帯情報制御部26Aは、
図5の(A-6)において、生成された画像ID1とユーザIDとを対応付けて、画像ID1及びユーザIDをデータ管理サーバ3へ通信部29Aを介して送信する。
【0060】
データ管理サーバ3の通信部30は、付帯情報管理サーバ25Aから送信された画像ID及びユーザIDを受信する。データ管理サーバ3の制御部31は、通信部30によって受信した画像ID及びユーザIDを取得する。そして、制御部31は、付帯情報管理サーバ25Aから送信された画像ID及びユーザIDと、処理サーバ22Aから送信された画素情報及びユーザIDとに基づき、画像IDと画素情報とを対応付ける。具体的には、ユーザIDが対応する、画像IDと画素情報とを対応付ける。そして、制御部31は、対応付けられた画像ID及び画素情報を、ユーザ情報データベース33の画像テーブルへ格納する。
【0061】
図5に示されるように、画像テーブルに格納された、画像IDと画素情報とユーザIDのうち、ユーザIDは外部キー(FK)として格納される。従って、ユーザテーブルに格納されたユーザIDと画像IDとは1対Nの関係となる。
図10に、画像テーブルの一例を示す。
【0062】
医療機関Aとは異なる医療機関B~Cにおいてユーザの医用画像が撮像された場合、ユーザ情報データベース33の画像テーブルに格納される画像IDの各々は、複数の付帯情報管理サーバ25A~25Dによって生成されたものである。また、画像IDの各々に対応付けられた医用画像の画素情報は、複数の医療機関A~Dにおいて撮像されたものである。
【0063】
次に、画像診断装置21Aは、
図11の(B-1)において、データ管理システム1が稼動した後、2回目の医用画像の画像群を撮像する。そして、画像診断装置21Aは、RISサーバ20Aによって登録された登録情報に基づいて、医用画像の画像群の付帯情報を生成する。そして、画像診断装置21Aは、2回目の撮像によって得られた医用画像の画像群のDICOM画像を生成する。
【0064】
処理サーバ22Aの処理制御部23Aは、
図11の(B-2)において、画像診断装置21Aによって生成された2回目の撮像によって得られた画像群のDICOM画像を、付帯情報と画素情報とに分割する。処理制御部23Aは、
図11の(B-3)において、付帯情報を付帯情報管理サーバ25Aへ出力する。また、処理サーバ22Aは、
図11の(B-4)において、画素情報及びユーザIDをデータ管理サーバ3へ送信する。
【0065】
付帯情報管理サーバ25Aの付帯情報制御部26Aは、
図11の(B-5)において、生成対象の医用画像の画素情報の画像IDを生成する際に、前回生成された画像ID1と、生成対象の医用画像の付帯情報とに基づいて、画像ID2を生成する。具体的には、付帯情報制御部26Aは、処理サーバ22Aによって出力された付帯情報と前回の画像群の画像ID1とをハッシュ化することにより、2回目の撮像によって得られた画像群の画像ID2を生成する。
【0066】
そして、付帯情報管理サーバ25Aの付帯情報制御部26Aは、付帯情報及び画像ID2を含むブロックを医療機関システム2B~2Dへ送信する。
【0067】
医療機関B~Dの各付帯情報管理サーバ25B~25Dは、医療機関Aにおいて撮像された医用画像の画像群の付帯情報及び画像ID2を含むブロックを取得し、取得したブロックをブロック情報データベース28B~27Dのブロック情報テーブルのブロックチェーンへ追加する。また、付帯情報制御部26Aは、生成したブロックを、ブロック情報データベース28Aのブロック情報テーブルのブロックチェーンへ追加する。
【0068】
これにより、例えば
図12に示されるように、医療機関Aに関する情報はデータ管理サーバ3の医療機関データベース32へ登録され、医療機関Aの医療機関システム2Aの付帯情報管理サーバ25Aが備えるブロック情報データベース28Aのブロック情報テーブルにブロック情報が格納される。
【0069】
なお、ブロック情報データベース28Aのブロック情報テーブルに格納される情報は、
図13に示されるように、画像ID及び付帯情報を含む複数のブロックの系列を表すブロックチェーンとして格納される。
【0070】
次に、
図14を参照して、医療機関Aとは異なる医療機関Bが、医療機関Aで撮像されたユーザ10の医用画像の画素情報を取得する場面について説明する。
【0071】
図14の(C-1)において、ユーザ10が医療機関Bを訪問し、ユーザ10の個人情報等を含む患者の情報とユーザIDとを医療機関Bへ提示する。医療機関Bの担当者は、ユーザ10の患者の情報とユーザIDとを取得する。そして、医療機関Bの担当者は、ユーザIDを付帯情報管理サーバ25Bへ入力する。
【0072】
付帯情報管理サーバ25Bの付帯情報制御部26Bは、ユーザIDを取得する。そして、付帯情報制御部26Bは、(C-2)において、ユーザIDを含む特定の要求信号を、データ管理サーバ3へ送信する。ユーザIDを含む特定の要求信号は、特定のコンテンツデータに関する要求信号の一例である。
【0073】
データ管理サーバ3の制御部31は、通信部30により受信した要求信号を受信する。次に、制御部31は、ユーザ情報データベース33の画像テーブルを参照し、要求信号に含まれるユーザIDに対応する全ての画像ID及び画素情報を取得する。そして、制御部31は、取得した全ての画像ID及び画素情報を医療機関システム2Bの付帯情報管理サーバ25Bへ通信部30を介して送信する。
【0074】
付帯情報管理サーバ25Bの付帯情報制御部26Bは、データ管理サーバ3から送信された画像ID及び画素情報を取得する。付帯情報制御部26Bは、付帯情報データベース27Bのブロック情報テーブルを参照し、データ管理サーバ3から送信された画像IDと対応する付帯情報を取得する。そして、付帯情報制御部26Bは、付帯情報とデータ管理サーバ3から送信された画素情報とを対応付けて、ユーザ10のDICOM画像を復元する。これにより、医療機関Bは、他の医療機関Aにおいて撮像されたユーザ10の医用画像を取得することができる。なお、DICOM画像を復元せずに、付帯情報と画素情報とを単に対応付けてもよい。
【0075】
データ管理システム1のデータ管理サーバ3、病院端末19A、RISサーバ20A、画像診断装置21A、処理サーバ22A、及び付帯情報管理サーバ25Aは、例えば、
図15に示すコンピュータ50で実現することができる。コンピュータ50はCPU51、一時記憶領域としてのメモリ52、及び不揮発性の記憶部53を備える。また、コンピュータ50は、入出力装置等(図示省略)が接続される入出力interface(I/F)54、及び記録媒体59に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するread/write(R/W)部55を備える。また、コンピュータ50は、インターネット等のネットワークに接続されるネットワークI/F56を備える。CPU51、メモリ52、記憶部53、入出力I/F54、R/W部55、及びネットワークI/F56は、バス57を介して互いに接続される。
【0076】
記憶部53は、Hard Disk Drive(HDD)、solid state drive(SSD)、フラッシュメモリ等によって実現できる。記憶媒体としての記憶部53には、コンピュータ50を機能させるためのプログラムが記憶されている。CPU51は、プログラムを記憶部53から読み出してメモリ52に展開し、プログラムが有するプロセスを順次実行する。ソフトウェアであるプログラムを実行するプロセッサはハードウェアである。
【0077】
<データ管理システム1の作用>
次に、
図16~
図19を参照して、本実施の形態のデータ管理システム1の作用について説明する。データ管理システム1のデータ管理サーバ3、ユーザ端末4、病院端末19A~19D、画像診断装置21A、処理サーバ22A、付帯情報管理サーバ25A~25Bは、以下の処理に対応する各プログラムを実行する。
【0078】
<ユーザ及び医療機関登録処理>
まず、
図16を参照して、ユーザ登録と医療機関登録との処理について説明する。
【0079】
ステップS100において、ユーザはユーザ端末4を操作し、データ管理サーバ3に対してユーザ名等のユーザ情報を含む制御信号を送信する。
【0080】
ステップS102において、データ管理サーバ3の通信部30は、上記ステップS100でユーザ端末4から送信された制御信号を受信する。次に、データ管理サーバ3の制御部31は、通信部30により受信した制御信号に含まれるユーザ情報に応じてユーザIDを生成する。そして、制御部31は、ユーザIDとユーザ情報に含まれるユーザ名等とを対応付けて、ユーザ情報データベース33へ登録する。
【0081】
ステップS104において、データ管理サーバ3の制御部31は、上記ステップS102で生成されたユーザIDをユーザ端末4へ送信する。
【0082】
ステップS106において、ユーザ端末4は、ステップS104でデータ管理サーバ3から送信されたユーザIDを取得し、ユーザ端末4の所定の記憶部(図示省略)へ格納する。
【0083】
ステップS108において、医療機関システム2Aの病院端末19Aは、医療機関の担当者からの操作情報を受け付け、データ管理サーバ3に対して医療機関名等の医療機関情報を含む制御信号を送信する。
【0084】
ステップS110において、データ管理サーバ3の通信部30は、ステップS108で病院端末19Aから送信された制御信号を受信する。データ管理サーバ3の制御部31は、通信部30から出力された制御信号に含まれる医療機関情報に応じて医療機関IDを生成する。そして、制御部31は、医療機関IDと医療機関情報に含まれる医療機関名等とを対応付けて、医療機関データベース32へ登録する。
【0085】
ステップS112において、データ管理サーバ3の制御部31は、上記ステップS110で生成された医療機関IDを病院端末19Aへ送信する。
【0086】
ステップS114において、病院端末19Aは、ステップS112で病院端末19Aから送信された医療機関IDを取得し、病院端末19Aの所定の記憶部(図示省略)へ格納する。
【0087】
次に、医療機関Aにおける医用画像取得処理とブロック情報生成処理とについて説明する。なお、本実施形態では、医用画像取得処理とブロック情報生成処理とが異なるタイミングで行われる場合を例に説明する。具体的には、ブロック情報生成処理が行われる時間帯を予め設定する。例えば、ブロック情報生成処理が行われる時間帯をAM00:00~AM8:00として予め設定し、付帯情報管理サーバ25A~25Dは、AM00:00~AM8:00の間でブロック情報生成処理を実行する。そのため、予め設定された時間帯と異なる時間帯AM8:00~PM12:00の間は、ブロックチェーンは更新されない。
【0088】
<医用画像取得処理>
まず、
図17を参照して、医療機関Aにおいて医用画像が撮像される場面において行われる処理を説明する。
【0089】
ユーザが医療機関Aを訪問し、ユーザの個人情報等を含む患者の情報とユーザ端末4の記憶部(図示省略)に格納されたユーザIDとを医療機関Aへ提示する。医療機関Aの担当者は、患者の情報とユーザIDとを取得する。そして、医療機関Aの担当者は、患者の情報をRISサーバ20Aへ入力する。また、医療機関Aの担当者は、ユーザIDを処理サーバ22Aへ入力する。
【0090】
RISサーバ20Aは、担当者によって入力された患者の情報を受け付ける。そして、RISサーバ20Aは、患者の情報に基づき、患者情報、予約情報、及び診断結果情報等を表す登録情報を記憶部(図示省略)へ登録する。
【0091】
ステップS200において、画像診断装置21Aは、ユーザに対しての複数の医用画像を撮像する。そして、画像診断装置21Aは、RISサーバ20Aによって登録された登録情報に基づいて、複数の医用画像を表す画像群の付帯情報を生成する。そして、画像診断装置21Aは、画像群の画素情報と付帯情報とが組み合わされた形式の情報を表すDICOM画像を生成する。そして、画像診断装置21Aは、DICOM画像を処理サーバ22Aへ出力する。
【0092】
ステップS202において、処理サーバ22Aの処理制御部23Aは、上記ステップS200で画像診断装置21Aから出力されたDICOM画像を、付帯情報と画素情報とに分割する。
【0093】
ステップS204において、処理制御部23Aは、上記ステップS202で得られた付帯情報と、医療機関Aの担当者により入力されたユーザIDとを付帯情報管理サーバ25Aへ出力する。また、処理制御部23Aは、上記ステップS202で得られた画素情報と、医療機関Aの担当者により入力されたユーザIDとをデータ管理サーバ3へ通信部24Aを介して送信する。
【0094】
ステップS206において、データ管理サーバ3の通信部30は、上記ステップS204で処理サーバ22Aから送信された画素情報及びユーザIDを受信する。
【0095】
ステップS208において、データ管理サーバ3の制御部31は、上記ステップS206で通信部30により受信された画素情報及びユーザIDをユーザ情報データベース33の画像テーブルに格納する。
【0096】
ステップS210において、付帯情報管理サーバ25Aの付帯情報制御部26Aは、上記ステップS204で処理サーバ22Aから出力された付帯情報及びユーザIDを取得する。
【0097】
ステップS212において、付帯情報制御部26Aは、上記ステップS210で取得された付帯情報及びユーザIDを付帯情報データベース27Aの付帯情報テーブルへ格納する。
【0098】
<ブロック情報生成処理>
次に、
図18を参照して、医療機関Aにおけるブロック情報生成処理を説明する。例えば、ブロック情報生成処理が行われる時間帯において、付帯情報管理サーバ25Aは、
図18に示すブロック情報生成処理を実行する。
【0099】
なお、本実施形態では、各医療機関の付帯情報管理サーバ25A~25Dは、予め設定された順番に従って、ブロック情報の生成処理を行う場合を例に説明する。例えば、データ管理サーバ3は、医療機関A~Dの医療機関IDに対して、ブロック情報の生成処理の順番を表す番号を割り当てる(医療機関A:1、医療機関B:2、医療機関C:3、医療機関D:4)。
【0100】
そして、例えば、データ管理サーバ3は、ブロック情報生成処理の実行を指示する指示信号を、予め設定された順番に応じて、付帯情報管理サーバ25A~25Dへ送信する。そして、指示信号を受信した付帯情報管理サーバは、ブロック情報生成処理を実行する。
【0101】
例えば、番号1が割り当てられた医療機関Aの付帯情報管理サーバ25Aが指示信号を受信すると、ブロック情報テーブルの最後尾のブロックに含まれる画像IDを用いて、新しいブロックの生成を開始する。次に、番号2が割り当てられた医療機関Bの付帯情報管理サーバ25Bが指示信号を受信すると、医療機関Aの付帯情報管理サーバ25Aが生成した最後尾のブロックを用いて、新しいブロックの生成を開始する。
【0102】
以下、付帯情報管理サーバ25Aが実行するブロック情報生成処理について説明する。
【0103】
ステップS214において、データ管理サーバ3の制御部31は、予め設定された順番に従い、指示信号を付帯情報管理サーバ25Aへ通信部30を介して送信する。
【0104】
ステップS216において、付帯情報管理サーバ25Aの付帯情報制御部26Aは、データ管理サーバ3から送信された指示信号を受信する。そして、付帯情報制御部26Aは、通信部29Aにより受信された指示信号を取得すると、以下のステップS218~ステップS228の各処理を実行する。
【0105】
ステップS218において、付帯情報制御部26Aは、付帯情報データベース27Aに格納された付帯情報及びユーザIDのうち、1組の付帯情報及びユーザIDを取得する。
【0106】
ステップS220において、付帯情報制御部26Aは、ブロック情報データベース28Aのブロック情報テーブルから、最後尾のブロック情報を取得する。ブロック情報には画像IDが含まれる。
【0107】
ステップS222において、付帯情報制御部26Aは、上記ステップS214で取得された付帯情報及び上記ステップS216で取得されたブロック情報に含まれる画像IDをハッシュ化することにより、画像IDを生成する。
【0108】
なお、ステップS222において、データ管理システム1が初めて稼動した後、画像IDが初めて生成される場合には、付帯情報制御部26Aは、データ管理サーバ3により予め生成された画像ID0及び上記ステップS214で取得された付帯情報をハッシュ化することにより、画像ID1を生成する。
【0109】
ステップS224において、付帯情報制御部26Aは、上記ステップS214で取得された付帯情報及び上記ステップS218で生成された画像IDを含むブロックを、他の医療機関B~Dの医療機関システム2B~2Dへ通信部29Aを介して送信する。
【0110】
ステップS226において、医療機関B~Dの各付帯情報管理サーバ25B~25Dの通信部29B~29Dは、上記ステップS224で送信された付帯情報及び画像IDを含むブロックを受信する。
【0111】
ステップS228において、各付帯情報管理サーバ25B~25Dの付帯情報制御部26B~26Dは、上記ステップS226で受信したブロックを各ブロック情報データベース28A~27Dのブロック情報テーブルのブロックチェーンへ追加する。
【0112】
次に、ステップS230において、付帯情報制御部26Aは、上記ステップS218で取得された付帯情報及び上記ステップS222で生成された画像IDを含むブロックを、ブロック情報データベース28Aのブロック情報テーブルへ格納する。具体的には、ブロックをブロック情報テーブルのブロックチェーンへ追加する。
【0113】
ステップS232において、付帯情報制御部26Aは、上記ステップS222で生成された画像IDと上記ステップS218で取得されたユーザIDとを対応付けて、画像ID及びユーザIDをデータ管理サーバ3へ通信部29Aを介して送信する。
【0114】
ステップS234において、データ管理サーバ3の通信部30は、付帯情報管理サーバ25Aから送信された画像ID及びユーザIDを受信する。
【0115】
ステップS236において、データ管理サーバ3の制御部31は、上記ステップS234で受信された画像ID及びユーザIDと、医用画像取得処理の上記ステップS208でユーザ情報データベース33の画像テーブルに格納された画素情報及びユーザIDとに基づき、画像IDと画素情報とを対応付ける。具体的には、ユーザIDが対応する、画像IDと画素情報とを対応付けて、ユーザ情報データベース33の画像テーブルへ格納する。
【0116】
付帯情報制御部26Aは、付帯情報データベース27Aに格納された付帯情報及びユーザIDの全てについて、上記ステップS218~ステップS232の処理を繰り返す。これにより、医療機関Aにおいて撮像された医用画像の付帯情報及び画像IDを含むブロックチェーンが生成される。
【0117】
なお、医療機関Aの付帯情報管理サーバ25Aにおいて実行されるブロック情報生成処理について説明したが、他の医療機関の付帯情報管理サーバ25B~25Dにおいても同様にブロック情報生成処理が実行される。
【0118】
<画素情報取得処理>
次に、
図19を参照して、医療機関Bが、医療機関Aで撮像されたユーザの医用画像の画素情報を取得する処理について説明する。
【0119】
ユーザが医療機関Bを訪問し、ユーザの個人情報等を含む患者の情報とユーザIDとを医療機関Bへ提示する。医療機関Bの担当者は、ユーザ10の患者の情報とユーザIDとを取得する。そして、医療機関Bの担当者は、ユーザIDを付帯情報管理サーバ25Bへ入力する。
【0120】
ステップS400において、付帯情報管理サーバ25Bの付帯情報制御部26Bは、ユーザIDを取得する。
【0121】
ステップS402において、付帯情報制御部26Bは、上記ステップS400で取得したユーザIDを含む特定の要求信号を、データ管理サーバ3へ送信する。
【0122】
ステップS404において、データ管理サーバ3の制御部31は、上記ステップS402で送信された要求信号を取得する。制御部31は、ユーザ情報データベース33の画像テーブルを参照し、要求信号に含まれるユーザIDに対応する画像ID及び画素情報を取得する。そして、制御部31は、画像ID及び画素情報を医療機関システム2Bの付帯情報管理サーバ25Bへ通信部30を介して送信する。
【0123】
ステップS406において、付帯情報管理サーバ25Bの付帯情報制御部26Bは、上記ステップS404でデータ管理サーバ3から送信された画像ID及び画素情報を取得する。
【0124】
ステップS408において、付帯情報制御部26Bは、ブロック情報データベース28Bのブロック情報テーブルを参照し、データ管理サーバ3から送信された画像IDと対応する付帯情報を取得する。そして、付帯情報制御部26Bは、付帯情報とデータ管理サーバ3から送信された画素情報とを対応付けて、ユーザ10のDICOM画像を復元する。これにより、医療機関Bは、他の医療機関Aにおいて撮像されたユーザ10の医用画像を取得することができる。
【0125】
以上説明したように、本実施の形態に係るデータ管理システムの付帯情報管理サーバ25A~25Dは、医用画像の画素情報と付帯情報とを含むDICOM画像のうちの付帯情報に基づいて、医用画像の画素情報の識別情報を表す画像IDを生成する。また、データ管理システムのデータ管理サーバ3は、複数の付帯情報管理サーバ25A~25Dによって生成された画像IDの各々と、画像IDの各々に対応する医用画像の画素情報とが対応付けられて格納されたユーザ情報データベースを備え、ユーザIDを含む特定の要求信号を受け付けた場合に、ユーザ情報データベースに格納された医用画像の画素情報のうち、要求信号に対応する画素情報を出力する。これにより、医用画像の画素情報と付帯情報とが対応付けられて管理されている場合であっても、医用画像の画素情報にアクセスするための画像IDを複数の医療機関によって共有することができる。また、医用画像の付帯情報を医療機関内で管理し、医用画像の画素情報を外部サーバで管理することにより、ユーザである患者の個人情報が含まれる付帯情報を医療機関内で管理しつつ、医用画像の画素情報を複数の医療機関によって共有することができる。
【0126】
また、本実施形態では、前回生成された画像ID及び付帯情報から生成された画像IDを含むブロックの系列がブロックチェーンとして管理される。これにより、データの改竄が困難となり、付帯情報及び画像IDのデータの完全性が確保される。
【0127】
また、本実施形態では、医用画像の画素情報と付帯情報とを含むDICOM画像を管理する場合に、医用画像の画素情報と付帯情報とを分けて、医用画像の画素情報を画像ID及びユーザIDと共にデータ管理サーバ3で管理する。また、付帯情報を画像IDと共に複数の付帯情報管理サーバ25A~25Dで共有するように管理する。そして、複数の付帯情報管理サーバ25A~25Dの何れかで、特定のユーザについての医用画像を参照する際には、特定のユーザのユーザIDで、データ管理サーバ3から、医用画像の画素情報及び画像IDを取得し、当該画像IDで紐付けられた付帯情報を用いてDICOM画像を復元することができる。
【0128】
また、本実施形態では、
図20に示されるように、DICOM画像のうちの付帯情報と画素情報とが画像IDを介して紐付けられる。画像ID及び付帯情報を含むブロックの系列がブロックチェーンとして管理され、付帯情報と画像IDと画素情報とが1対1に対応付けられる。これにより、ブロックチェーンの各ブロックに対応する画素情報を特定することができる。
【0129】
本実施形態のデータ管理システムを利用する医療機関は、他の医療機関で既に撮像された医用画像を取得することができるため、診断精度の向上が期待される。これにより、医用画像の撮像の機会が減り、医療費の削減、患者の被ばく線量の抑制、及び医師の業務負担の軽減につながる。
【0130】
また、医用画像をセキュアに共有することができ、過去に撮像された医用画像を複数の医療機関で診断に用いることができる。
【0131】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0132】
例えば、本実施形態では、複数の医療機関として医療機関A~Dを対象に説明したがこれに限定されるものではなく、より多く又はより少ない医療機関を対象としても良い。
【0133】
また、本実施形態では、コンテンツデータの一例が医用画像の画素情報であり、メタデータの一例が付帯情報である場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、コンテンツデータが画像であり、メタデータが画像に映っている内容を表す情報であってもよい。また、コンテンツデータが文書情報であり、メタデータが文書を作成したユーザ名等を表す情報であってもよい。
【0134】
また、本実施形態では、医療機関は他の医療機関によって撮像された医用画像を取得する場合に、画素情報取得処理において、ユーザIDを含む要求信号をデータ管理サーバ3へ送信し、データ管理サーバ3は要求信号に含まれるユーザIDに対応する画像ID及び画素情報を出力する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、医療機関の付帯情報管理サーバの付帯情報データベースには、ユーザIDが画像IDと予め対応付けられて格納されていてもよい。この場合、医療機関の担当者から入力されたユーザIDを付帯情報管理サーバが受け付けると、付帯情報管理サーバの付帯情報制御部は、ブロック情報データベースのブロック情報テーブルを参照して、ユーザIDと対応付けられた画像IDを取得し、画像IDを含む要求信号をデータ管理サーバ3へ送信する。そして、データ管理サーバ3は要求信号に含まれる画像IDに対応する画素情報を付帯情報管理サーバへ出力するようにしてもよい。また、要求信号には、ユーザIDと画像IDとの両方が含まれていても良い。
【0135】
また、本実施形態では、DICOM画像のうちの付帯情報に基づいて、画像IDを生成する場合を例に説明したがこれに限定されるものではない。例えば、DICOM画像のうちの画素情報に基づいて、画像IDを生成してもよい。また、付帯情報及び画素情報に基づいて画像IDを生成してもよい。
【0136】
また、本実施形態では、医用画像取得処理とブロック情報生成処理とが異なるタイミングで行われる場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、医用画像取得処理において医用画像が撮像される毎に、付帯情報及び画像IDを含むブロックをリアルタイムで生成してブロック情報を書き換え、ブロックチェーンを更新するようにしてもよい。この場合には、ブロックチェーンの最後尾のブロックの確保を所定の方式で予め設定しておく必要がある。例えば、特定のサーバがブロック情報を更新している間は他のサーバは更新することができないように設定するようにしてもよい。また、ブロックチェーン技術におけるコンセンサスアルゴリズムに基づき、ブロックチェーンの正しい分岐を決定していく等の処理を用いてもよい。
【0137】
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0138】
1 データ管理システム
2A~2D 医療機関システム
3 データ管理サーバ
4 ユーザ端末
5 ネットワーク
10 ユーザ
19A~19D 病院端末
20A~20D RISサーバ
21A~21D 画像診断装置
22A~22D 処理サーバ
23A~23D 処理制御部
24A~24D 通信部
25A~25D 付帯情報管理サーバ
26A~26D 付帯情報制御部
27A~27D 付帯情報データベース
28A~28D ブロック情報データベース
30 通信部
31 制御部
32 医療機関データベース
33 ユーザ情報データベース
50 コンピュータ