(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】電気機器取付ユニット及び電気機器ユニット
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220111BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20220111BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H01M50/20
(21)【出願番号】P 2017242568
(22)【出願日】2017-12-19
【審査請求日】2020-09-08
(31)【優先権主張番号】P 2017023266
(32)【優先日】2017-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小口 和紀
(72)【発明者】
【氏名】久保 真奈美
(72)【発明者】
【氏名】田中 剛
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0243833(US,A1)
【文献】特開平08-178655(JP,A)
【文献】特開2014-102203(JP,A)
【文献】特開2017-015687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器取付ユニットであって、
鉛直方向に立設された取付対象面に対して吸着させることが可能に構成された少なくとも1つの吸着部材と、
電気機器を着脱可能に構成された機器支持部と、
バッテリを有するバッテリパックを着脱可能に構成されたバッテリ装着部と、
前記電気機器に対して電気的に接離可能に構成され、前記電気機器に電気的に接続されている場合に、前記バッテリ装着部に装着された前記バッテリパック内の前記バッテリの電力を前記電気機器へ供給可能に構成された機器給電部と、
を備え
、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリパックが装着された状態であって、且つ当該電気機器取付ユニットが前記取付対象面に取り付けられた状態において、前記バッテリパックが前記取付対象面側に直接露出するように設けられている、
電気機器取付ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の電気機器取付ユニットであって、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリパックが装着された状態であって、且つ当該電気機器取付ユニットが前記取付対象面に取り付けられた状態において、前記バッテリパックにおける前記取付対象面側に直接露出する露出面の少なくとも一部が前記取付対象面と略同一面となるように設けられている、
電気機器取付ユニット。
【請求項3】
鉛直方向に立設された取付対象面に対して吸着させることが可能に構成された少なくとも1つの吸着部材と、
電気機器を着脱可能に構成された機器支持部と、
バッテリを有するバッテリパックを着脱可能に構成されたバッテリ装着部と、
前記電気機器に対して電気的に接離可能に構成され、前記電気機器に電気的に接続されている場合に、前記バッテリ装着部に装着された前記バッテリパック内の前記バッテリの電力を前記電気機器へ供給可能に構成された機器給電部と、
前記バッテリ装着部に対して前記電気機器の高さ方向における上部に設けられ、前記バッテリ装着部、及び前記バッテリ装着部に前記バッテリパックが装着された状態における前記バッテリパックの少なくとも一部を、前記高さ方向の上側から覆うように設けられた、上覆部と、
を備える電気機器取付ユニット。
【請求項4】
鉛直方向に立設された取付対象面に対して吸着させることが可能に構成された少なくとも1つの吸着部材と、
電気機器を着脱可能に構成された機器支持部と、
バッテリを有するバッテリパックを着脱可能に構成されたバッテリ装着部と、
前記電気機器に対して電気的に接離可能に構成され、前記電気機器に電気的に接続されている場合に、前記バッテリ装着部に装着された前記バッテリパック内の前記バッテリの電力を前記電気機器へ供給可能に構成された機器給電部と、
底壁部、及び前記底壁部から垂直且つ互いに対向するように立設された2つの側壁部、を有する溝形状の取付部材と、
を備え、
前記バッテリ装着部は、前記取付部材における溝内の面側に設けられ、前記バッテリパックが装着された場合に前記バッテリパックが前記溝内に配置されるよう構成されており、
前記少なくとも1つの吸着部材は、前記2つの側壁部の少なくとも一方における、前記底壁部側とは反対側の端部に設けられている、
電気機器取付ユニット。
【請求項5】
電気機器取付ユニットであって、
鉛直方向に立設された取付対象面に対して吸着させることが可能に構成された少なくとも1つの吸着部材と、
電気機器を着脱可能に構成された機器支持部と、
バッテリを有するバッテリパックを着脱可能に構成されたバッテリ装着部と、
前記電気機器に対して電気的に接離可能に構成され、前記電気機器に電気的に接続されている場合に、前記バッテリ装着部に装着された前記バッテリパック内の前記バッテリの電力を前記電気機器へ供給可能に構成された機器給電部と、
少なくとも1つの前記吸着部材が設けられた吸着面を含む吸着ハウジングと、
前記吸着ハウジングが収容される収容ハウジングであって、前記吸着ハウジングが突出される開口部を備え、前記吸着面が前記開口部を介して前記収容ハウジングの外部に露出した状態で前記吸着ハウジングが収容されるように構成された収容ハウジングと、
前記電気機器取付ユニットの使用者による操作に応じて前記吸着ハウジングを初期位置と最大突出位置との間で移動させるように構成された移動部であって、前記初期位置は、前記吸着ハウジングの一部又は全てが前記収容ハウジング内に収容された位置であり、前記最大突出位置は、前記吸着ハウジングが前記初期位置よりも前記開口部から突出する突出方向へ一定長移動された位置である、移動部と、
を備える電気機器取付ユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の電気機器取付ユニットであって、
前記移動部は、
前記収容ハウジングの側面に設けられたスライド操作部であって、前記使用者により前記突出方向と非平行な方向にスライド操作されるように構成されたスライド操作部と、
前記吸着ハウジングに設けられた移動作用部であって、前記スライド操作部が前記スライド操作されることに応じて前記吸着ハウジングを前記突出方向又はその逆の収容方向へ移動させるように構成された移動作用部と、
を備える、電気機器取付ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の電気機器取付ユニットであって、
前記スライド操作部は、前記収容ハウジングの内部へ延設された柱状部材であって、前記スライド操作に応じて前記スライド操作される方向へ移動されるように構成された柱状部材を備え、
前記移動作用部は、前記柱状部材が挿入される挿入溝であって、前記突出方向及び前記スライド操作される方向の双方に非平行な方向に沿って設けられ、前記スライド操作部が前記スライド操作されると、前記柱状部材によって前記挿入溝の内壁に前記スライド操作される方向の荷重が加えられることにより前記吸着ハウジングが前記突出方向又は前記収容方向へ移動されるように構成された挿入溝を備える、
電気機器取付ユニット。
【請求項8】
請求項7に記載の電気機器取付ユニットであって、
前記移動作用部は、前記挿入溝の端部から前記スライド操作される方向へ屈曲して延設され、前記柱状部材が嵌入されるように構成された、溝端部を備える、電気機器取付ユニット。
【請求項9】
請求項8に記載の電気機器取付ユニットであって、
前記移動作用部は、前記溝端部に嵌入された前記柱状部材が前記溝端部から前記挿入溝へ移動するのを規制するように構成された規制部材を備える、電気機器取付ユニット。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の電気機器取付ユニットであって、
前記少なくとも1つの吸着部材のうち少なくとも1つは、磁石である、電気機器取付ユニット。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか1項に記載の電気機器取付ユニットであって、
当該電気機器取付ユニットに対し、当該電気機器取付ユニットが前記取付対象面に取り付けられた状態で前記取付対象面と平行になる面を対向面と規定した場合に、
前記バッテリ装着部は、当該バッテリ装着部に対して前記バッテリパックを前記対向面と平行な方向へスライドさせることによって前記バッテリパックを着脱できるよう構成されている、
電気機器取付ユニット。
【請求項12】
請求項11に記載の電気機器取付ユニットであって、
前記電気機器取付ユニットに対し、当該電気機器取付ユニットが前記取付対象面に取り付けられた状態で前記取付対象面と垂直になる面であって且つ前記電気機器が前記機器支持部に装着された状態で前記電気機器の高さ方向と垂直になる面を水平面と規定した場合に、
前記バッテリ装着部は、当該バッテリ装着部に対して前記バッテリパックを前記水平面と平行な方向へスライドさせることによって前記バッテリパックを着脱できるよう構成されている、
電気機器取付ユニット。
【請求項13】
請求項1~請求項12の何れか1項に記載の電気機器取付ユニットであって、
前記機器給電部は、
当該電気機器取付ユニットの外部へ引き出されるように設けられた可撓性の電源コードと、
前記電源コードの先端側に設けられ、前記電気機器が備えるDCジャックに挿抜可能に構成されたDCプラグと、
を備え、前記DCプラグが前記電気機器の前記DCジャックに挿入されることにより、前記バッテリの電力が前記電源コード、前記DCプラグ及び前記DCジャックを介して前記電気機器内へ供給されるよう構成されている、
電気機器取付ユニット。
【請求項14】
電気機器と、
電気機器取付ユニットと、
を備える電気機器ユニットであって、
前記電気機器取付ユニットは、
鉛直方向に立設された取付対象面に対して吸着させることが可能に構成された少なくとも1つの吸着部材と、
前記電気機器を着脱可能に構成された機器支持部と、
バッテリを有するバッテリパックを着脱可能に構成されたバッテリ装着部と、
前記電気機器に対して電気的に接離可能に構成され、前記電気機器に電気的に接続されている場合に、前記バッテリ装着部に装着された前記バッテリパック内の前記バッテリの電力を前記電気機器へ供給可能に構成された機器給電部と、
を備え、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリパックが装着された状態であって、且つ前記電気機器取付ユニットが前記取付対象面に取り付けられた状態において、前記バッテリパックが前記取付対象面側に直接露出するように設けられている、
電気機器ユニット。
【請求項15】
バッテリを有するバッテリパックと、
前記バッテリの電力により動作可能に構成された電気機器と、
電気機器取付ユニットと、
を備える電気機器ユニットであって、
前記電気機器取付ユニットは、
鉛直方向に立設された取付対象面に対して吸着させることが可能に構成された少なくとも1つの吸着部材と、
前記電気機器を着脱可能に構成された機器支持部と、
前記バッテリパックを着脱可能に構成されたバッテリ装着部と、
前記電気機器に対して電気的に接離可能に構成され、前記電気機器に電気的に接続されている場合に、前記バッテリ装着部に装着された前記バッテリパック内の前記バッテリの電力を前記電気機器へ供給可能に構成された機器給電部と、
を備え、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリパックが装着された状態であって、且つ前記電気機器取付ユニットが前記取付対象面に取り付けられた状態において、前記バッテリパックが前記取付対象面側に直接露出するように設けられている、
電気機器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリパックから電力供給を受けて動作可能な電気機器を壁面等の取付対象面に取り付けて使用するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
各種電気機器の使用態様として、壁面や柱などに取り付けて使用する態様が考えられる。特許文献1には、レーザー墨出し器を、磁石を有する取付部を介して、その磁石の磁力により梁や天井などに取り付けて使用可能な技術が記載されている。特許文献1に記載の技術は、各種電気機器を壁面や柱などに取り付けるための具体的手段としても利用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2015/0292886号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電気機器の電源電力として、電気機器とは別体のバッテリパックの電力を利用できると便利である。バッテリパックの電力を電気機器へ供給するための具体的構成としては、バッテリパックを電気機器に対して着脱可能とし、バッテリパックが電気機器に装着されている場合にバッテリパックの電力を電気機器へ供給可能とする構成が考えられる。
【0005】
しかし、電気機器にバッテリパックが装着されると、電気機器単体の場合に比べて当然ながら重量が増加する。そのため、バッテリパックが装着された電気機器を、特許文献1に記載の技術を利用して、取付部を介して磁力により壁面等に取り付けた場合、バッテリパックが装着されていない場合に比べて全体としての重心が壁面から遠くなり、落下しやすくなる。特に、壁面等とバッテリパックの距離が長くなるほど、落下のしやすさが増す。
【0006】
本開示の一局面は、バッテリパックから電力供給を受けて動作可能な電気機器を、磁力などの吸着力により壁面等の取付対象面に取り付けて使用するにあたり、取付対象面に取り付けられた状態が良好に維持されるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一局面の電気機器取付ユニットは、少なくとも1つの吸着部材と、機器支持部と、バッテリ装着部と、機器給電部とを備える。
吸着部材は、鉛直方向に立設された取付対象面に対して吸着させることが可能に構成されている。機器支持部は、電気機器を着脱可能に構成されている。バッテリ装着部は、バッテリを有するバッテリパックを着脱可能に構成されている。機器給電部は、電気機器に対して電気的に接離可能に構成され、電気機器に電気的に接続されている場合に、バッテリ装着部に装着されたバッテリパック内のバッテリの電力を電気機器へ供給可能に構成されている。
【0008】
このような構成により、電気機器及びバッテリパックを、電気機器取付ユニットを介して、吸着部材の吸着力によって取付対象面に取り付けることができる。特に、バッテリパックについては、電気機器に直接装着する必要はなく、電気機器取付ユニットに対して装着するように構成されている。そして、バッテリパック内のバッテリの電力は、電気機器取付ユニットが有する機器給電部によって、電気機器へ供給される。
【0009】
このように、バッテリパックを電気機器に直接装着するのではなく電気機器取付ユニットに装着するよう構成されていることで、電気機器及びバッテリパックが装着された状態(以下、「フル装着状態」ともいう)の電気機器取付ユニットが取付対象面に取り付けられた状態におけるそのフル装着状態の電気機器取付ユニット全体の重心を、取付対象面側に近付けることが可能となる。
【0010】
したがって、このような構成の電気機器取付ユニットによれば、フル装着状態の電気機器取付ユニットを取付対象面に取り付けた場合に、その取付対象面に取り付けられた状態を良好に維持させることが可能となる。
【0011】
なお、取付対象面について「鉛直方向に立設された」とは、取付対象面が鉛直方向と平行になるように立設されていることのみを意味するものではない。取付対象面に平行なベクトルを鉛直方向成分と鉛直方向に垂直な方向の成分とに分解した場合に鉛直方向成分が存在する(つまり0ではない)ようなあらゆる形態を含むものである。
【0012】
また、吸着部材について、取付対象面に対して「吸着」とは、取付対象面に対する機械的な係合状態を生じさせることなく、取付対象面に対して密着させる作用を働かせることによって密着させることであって、その密着位置から離間する方向の外力が密着状態を維持し得る上限を超えない限りにおいてはその密着位置に対する密着状態が維持され、上記外力が上記上限を超えるとその密着位置に対する密着状態が解除されて密着位置から離間するような態様を意味する。
【0013】
また、機器給電部について、電気機器に対して「接離」とは、接続及び離間を意味する。即ち、電気的に接離可能とは、電気的に接続された状態、及び電気的な接続状態が解除されて電気的には非接続となった状態、のうち何れか一方を選択的にとり得ることを意味する。
【0014】
前記少なくとも1つの吸着部材のうち、少なくとも1つは、磁石であってもよい。このような構成によれば、取付対象面が、当該磁石との間で相互に引きつけ合う方向の磁力が発生するような磁性体、或いは当該磁石の磁極とは反対の極性の磁極の磁石を有している場合、磁石の磁力によって容易に取付対象面に取り付けることができる。
【0015】
バッテリ装着部は、当該バッテリ装着部にバッテリパックが装着された状態であって、且つ電気機器取付ユニットが取付対象面に取り付けられた状態において、バッテリパックが取付対象面側に直接露出するように設けられていてもよい。
【0016】
このような構成によれば、フル装着状態の電気機器取付ユニットを取付対象面に取り付けたとき、そのフル装着状態の電気機器取付ユニット全体の重心を、取付対象面側により近付けることができる。そのため、フル装着状態の電気機器取付ユニットを取付対象面に取り付けた場合に、その取付対象面に取り付けられた状態をより良好に維持させることが可能となる。
【0017】
バッテリ装着部は、さらに、当該バッテリ装着部にバッテリパックが装着された状態であって、且つ電気機器取付ユニットが取付対象面に取り付けられた状態において、バッテリパックにおける、取付対象面側に直接露出する露出面の少なくとも一部が、取付対象面と略同一面となるように設けられていてもよい。
【0018】
このような構成によれば、バッテリパックが装着された電気機器取付ユニットを取付対象面に取り付けたとき、バッテリパックにおける上記露出面の少なくとも一部が、取付対象面に接触するか、若しくは接触しないとしても取付対象面に非常に近い位置関係となる。そのため、フル装着状態の電気機器取付ユニットを取付対象面に取り付けたとき、そのフル装着状態の電気機器取付ユニット全体の重心を、取付対象面側にさらに近付けることができる。これにより、フル装着状態の電気機器取付ユニットを取付対象面に取り付けた場合に、その取付対象面に取り付けられた状態をさらに良好に維持させることが可能となる。
【0019】
ここで、電気機器取付ユニットに対して対向面を規定する。対向面とは、電気機器取付ユニットが取付対象面に取り付けられた状態において取付対象面と平行になる面である。そして、バッテリ装着部は、当該バッテリ装着部に対してバッテリパックを対向面と平行な方向へスライドさせることによってバッテリパックを着脱できるよう構成されていてもよい。
【0020】
このような構成によれば、電気機器取付ユニットが取付対象面に取り付けられていない状態及び取り付けられている状態のいずれにおいても、電気機器取付ユニットに対するバッテリパックの着脱を容易に行うことができる。また、バッテリパックにおける上記スライド方向の両端面のいずれかに、所定の情報を出力する出力部あるいは使用者による操作を受け付ける操作部が設けられている場合は、そのバッテリパックが電気機器取付ユニットに装着された状態での出力部の視認あるいは操作部の操作を実現することが可能となる。
【0021】
なお、ここでいう「平行」とは、厳密な意味での平行に限るものではなく、上記と同様の効果を奏するのであれば厳密に平行でなくてもよい。
ここで、さらに、電気機器取付ユニットに対して水平面を規定する。水平面とは、電気機器取付ユニットが取付対象面に取り付けられた状態において取付対象面と垂直になる面であって、且つ、電気機器が機器支持部に装着された状態において電気機器の高さ方向と垂直になる面である。そして、バッテリ装着部は、当該バッテリ装着部に対してバッテリパックを水平面と平行な方向へスライドさせることによってバッテリパックを着脱できるよう構成されていてもよい。
【0022】
このような構成によれば、バッテリ装着部に対するバッテリパックの着脱は、バッテリパックを対向面と平行且つ水平面と平行な方向へスライドさせることにより行われる。そのため、バッテリパックの着脱をより容易に且つ安定的に行うことができる。また、バッテリパックが前述のように出力部あるいは操作部が設けられた構成の場合、バッテリパックが装着された状態での、出力部の視認性あるいは操作部の操作性をより高めることができる。
【0023】
なお、ここでいう「平行」についても、前述同様、厳密な意味での平行に限るものではなく、上記と同様の効果を奏するのであれば厳密に平行でなくてもよい。
上記のように、バッテリ装着部に対してバッテリパックを水平面と平行な方向ヘスライドさせて着脱させる構成の場合、電気機器取付ユニットは、さらに、上覆部を備えていてもよい。上覆部は、バッテリ装着部に対して前記高さ方向における上部に設けられ、バッテリ装着部、及びバッテリ装着部にバッテリパックが装着された状態における当該バッテリパックの少なくとも一部を、前記高さ方向の上側から覆うように設けられた部材である。
【0024】
このような構成によれば、フル装着状態の電気機器取付ユニットを取付対象面に取り付けて電気機器を使用する際、電気機器取付ユニットの上方から粉塵や水滴などの異物が落ちてきたとしても、バッテリパックにおける少なくとも上覆部で覆われた領域をその異物から保護することができる。
【0025】
また、バッテリパックが取り外された状態で電気機器取付ユニットが取付対象面に取り付けられている場合、バッテリ装着部の構成によっては、バッテリパックと機器給電部との電気的接続箇所が外部に露出する可能性がある。しかし、そのような構成であっても、上覆部が設けられていることによって、その電気的接続箇所を、上方から落ちてくる異物から保護することができる。
【0026】
上述した各構成の電気機器取付ユニットは、溝形状の取付部材を備えていてもよい。この取付部材は、底壁部、及び2つの側壁部を有する溝形状の部材である。2つの側壁部は、それぞれ、底壁部から垂直且つ互いに対向するように立設されている。そして、バッテリ装着部は、取付部材における溝内の面側に設けられ、バッテリパックが装着された場合にバッテリパックが溝内に配置されるよう構成されていてもよい。さらに、上記少なくとも1つの吸着部材は、2つの側壁部の少なくとも一方における、底壁部側とは反対側の端部に設けられていてもよい。
【0027】
このような構成によれば、電気機器ユニットを取付対象面に取り付けた場合、取付部材における溝内の領域が取付対象面に対向することとなり、取付部材における2つの側壁部のうち少なくとも一方の端部が(詳しくはその端部に設けられた吸着部材が)取付対象面に接触することとなる。
【0028】
そのため、溝形状の取付部材を備えるという簡素な構成ながら、バッテリパックの着脱性を向上させることができ、且つ、フル装着状態で取付対象面に取り付けられた状態における電気機器取付ユニット全体の重心を取付対象面側により近づけることができる。また、前述の、電気機器取付ユニットが取付対象面に取り付けられた状態でバッテリパックが取付対象面側に直接露出するような構成、さらにその直接露出する露出面の少なくとも一部が取付対象面と略同一面となるような構成は、溝形状の取付部材によって容易に実現することができる。
【0029】
なお、底壁部に対する各側壁部の立設方向について「垂直」とは、厳密な意味での垂直に限るものではなく、上記と同様の効果を奏するのであれば厳密に垂直でなくてもよい。
電気機器取付ユニットは、さらに、吸着ハウジングと、収容ハウジングと、移動部とを備えていてもよい。
【0030】
吸着ハウジングは、少なくとも1つの吸着部材が設けられた吸着面を含む。
収容ハウジングは、吸着ハウジングが収容される。収容ハウジングは、収容ハウジングに収容された吸着ハウジングが収容ハウジングの外部へ突出される開口部を備える。吸着ハウジングは、収容ハウジングにおいて、吸着面が開口部を介して収容ハウジングの外部に露出した状態で収容される。
【0031】
移動部は、電気機器取付ユニットの使用者による操作に応じて、吸着ハウジングを初期位置と最大突出位置との間で移動させる。初期位置は、吸着ハウジングの一部又は全てが収容ハウジング内に収容された位置である。最大突出位置は、吸着ハウジングが初期位置よりも開口部から突出する突出方向へ一定長移動された位置である。
【0032】
このように構成された電気機器取付ユニットでは、使用者は、移動部を操作することによって、取付対象面に対する、機器支持部及びバッテリ装着部の位置を、調整することができる。
【0033】
移動部は、スライド操作部と、移動作用部とを備えていてもよい。スライド操作部は、収容ハウジングの側面に設けられ、使用者により突出方向と非平行な方向にスライド操作される。移動作用部は、吸着ハウジングに設けられ、スライド操作部がスライド操作されることに応じて吸着ハウジングを突出方向又はその逆の収容方向へ移動させる。
【0034】
このように構成された電気機器取付ユニットでは、使用者は、スライド操作部をスライド操作させることによって吸着ハウジングの位置を調整することができる。
スライド操作部は、収容ハウジングの内部へ延設された柱状部材を備えていてもよい。柱状部材は、スライド操作部に対するスライド操作に応じて、そのスライド操作される方向へ移動される。
【0035】
また、移動作用部は、柱状部材が挿入される挿入溝を備えていてもよい。挿入溝は、突出方向及びスライド操作される方向の双方に非平行な方向に沿って設けられる。スライド操作部がスライド操作されると、柱状部材によって、挿入溝の内壁に、スライド操作される方向の荷重が加えられる。この荷重により、吸着ハウジングが突出方向又は収容方向へ移動される。
【0036】
このような構成の電気機器取付ユニットによれば、柱状部材によって挿入溝の内壁へ荷重をかけるという簡素な構成にて、吸着ハウジングを移動させることができる。
移動作用部は、さらに、挿入溝の端部から延設された溝端部を備えていてもよい。溝端部は、挿入溝の端部から、スライド操作部がスライド操作される方向へ屈曲して延設され、柱状部材が嵌入されるように構成されている。
【0037】
このような構成の電気機器取付ユニットによれば、吸着ハウジングが初期位置又は最大突出位置に移動された場合に、柱状部材が溝端部へ嵌入される。柱状部材が溝端部へ嵌入されることにより、吸着ハウジングに対して吸着ハウジングの外部から突出方向又は収容方向へ荷重が加えられても、吸着ハウジングの移動が抑制される。
【0038】
移動作用部は、さらに、規制部材を備えていてもよい。規制部材は、溝端部に嵌入された柱状部材が溝端部から挿入溝へ移動するのを規制する。
このような構成の電気機器取付ユニットによれば、溝端部に柱状部材が嵌入されている場合に、スライド操作部に対して意図せず外力が加わっても、スライド操作部が上記スライド操作される方向へ意図せずスライドされることが抑制される。
【0039】
機器給電部は、可撓性の電源コードと、DCプラグとを備えていてもよい。電源コードは、電気機器取付ユニットにおいて、当該電気機器取付ユニットの外部へ引き出されるように設けられたものである。DCプラグは、電源コードの先端側に設けられ、電気機器が備えるDCジャックに挿抜可能に構成されたものである。そして、電気機器取付ユニットは、DCプラグが電気機器のDCジャックに挿入されることによって、バッテリの電力が、電源コード、DCプラグ及びDCジャックを介して電気機器内へ供給されるよう構成されていてもよい。
【0040】
このような構成によれば、電気機器取付ユニットから電気機器へのバッテリ電力の供給を容易に行うことができる。
本開示の別の局面における電気機器ユニットは、電気機器と、電気機器取付ユニットとを備える。そして、電気機器取付ユニットは、吸着部材と、機器支持部と、バッテリ装着部と、機器給電部とを備える。吸着部材は、鉛直方向に立設された取付対象面に対して吸着させることが可能に構成されている。機器支持部は、電気機器を着脱可能に構成されている。バッテリ装着部は、バッテリを有するバッテリパックを着脱可能に構成されている。機器給電部は、電気機器に対して電気的に接離可能に構成され、電気機器に電気的に接続されている場合に、バッテリ装着部に装着されたバッテリパック内のバッテリの電力を電気機器へ供給可能に構成されている。
【0041】
なお、上記構成の電気機器ユニットは、さらに、バッテリパックを備えていてもよい。
このような構成の電気機器ユニットによれば、フル装着状態で取付対象面に取り付けた場合に、その取り付けられた状態を良好に維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】実施形態の電気機器ユニットの左側面図である。
【
図2】実施形態の電気機器ユニットの平面図である。
【
図3】実施形態の電気機器ユニットの背面図である。
【
図4】実施形態の電気機器取付ユニットの左側面図である。
【
図5】実施形態の電気機器取付ユニットの右側面図である。
【
図6】実施形態の電気機器取付ユニットの平面図である。
【
図7】実施形態の電気機器取付ユニットの背面図である。
【
図11】基板及び配線等が敷設された状態の第1半割ユニットの斜視図である。
【
図12】電気機器取付ユニット内の電気的構成を示す回路図である。
【
図13】電気機器内の電気的構成を示す回路図である。
【
図14】電気機器ユニットの他の例を示す説明図である。
【
図15】電気機器ユニットの他の例を示す説明図である。
【
図16】電気機器取付ユニットの他の例を示す斜視図である。
【
図17】
図16の電気機器取付ユニットを他の角度から見た斜視図である。
【
図18】
図16の電気機器取付ユニットから吸着ハウジングを省いた状態を示す斜視図である。
【
図19】
図16の電気機器取付ユニットにおける吸着ハウジングの移動過程を示す説明図である。
【
図20】
図16の電気機器取付ユニットにおける吸着ハウジングの斜視図である。
【
図21】
図16の電気機器取付ユニットにおける吸着ハウジングの平面図である。
【
図22】
図16の電気機器取付ユニットにおけるスライダの斜視図である。
【
図24】
図16の電気機器取付ユニットにおける、状態Aでの、上部収容ハウジングと吸着ハウジングとの位置関係を示す説明図である。
【
図25】
図16の電気機器取付ユニットにおける、状態Bでの、上部収容ハウジングと吸着ハウジングとの位置関係を示す説明図である。
【
図26】
図16の電気機器取付ユニットにおける、状態Cでの、上部収容ハウジングと吸着ハウジングとの位置関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
(1-1)電気機器ユニットの概要
図1~
図3を用いて、電気機器ユニット1の構成の概要を説明する。電気機器ユニット1は、電気機器取付ユニット(以下、「取付ユニット」と略称する)3と、電気機器5と、バッテリパック7とを備える。本実施形態の電気機器5は、土木、建築作業等で用いられるレーザー墨出し器として構成されている。
【0044】
電気機器ユニット1は、取付ユニット3によって、壁面や柱などの取付対象面2に吸着させて取り付けることが可能に構成されている。
図1及び
図2は、電気機器ユニット1が取付対象面2に取り付けられた状態を示している。取付対象面2は、本実施形態では、鉛直方向と平行となるように立設されている。また、取付対象面2は、本実施形態では、磁石との間で相互に引きつけ合う方向の磁力が発生するような磁性体である。取付ユニット3は、後述するように、磁力によって取付対象面2に取り付けられる。
【0045】
取付ユニット3は、電気機器5を取付対象面2の任意の位置に配置して使用するために用いられる。取付ユニット3は、取付部10と、機器支持部30とを備える。機器支持部30は、
図1及び
図2に示すように、機器載置面31を備える。電気機器5は、取付ユニット3に対し、機器載置面31上に載置された状態で支持される。
【0046】
バッテリパック7は、取付部10に対して着脱可能である。バッテリパック7は、内部にバッテリ71(
図8,
図12参照)を備える。また、バッテリパック7は、
図1に示すように、一端面に、内部のバッテリ71の残量を示す情報を表示するための残量表示部73が設けられている。バッテリパック7の残量表示部73は、バッテリパック7が取付ユニット3に装着された状態であっても視認可能である。
【0047】
なお、バッテリパック7は、取付ユニット3にのみ装着可能な専用のバッテリパックであってもよいし、取付ユニット3だけでなく他の各種の機器に着脱して使用可能に構成されたもの、即ち異なる複数種類の機器等で共通して仕様可能なものであってもよい。
【0048】
電気機器5は、本体部60を備える。本体部60の側面には、垂直射出部61及び水平射出部62が設けられている。垂直射出部61は、垂直方向基準線を示す垂直レーザー光を外部へ射出するように構成されている。水平射出部62は、水平方向基準線を示す水平レーザー光を外部へ射出するように構成されている。
【0049】
電気機器5の上面には、
図2に示すように、電源スイッチ66、モード切替スイッチ67、及び残量表示部68が設けられている。残量表示部68には、バッテリパック7内のバッテリ71の残量が表示される。
【0050】
電源スイッチ66が押下されると、電源が投入されて電気機器5が起動する。起動後、電源スイッチ66が長押し(例えば規定時間以上継続して押下)されると、電気機器5の動作が停止される。また、起動後、電源スイッチ66が短押し(例えば、押下後規定時間が経過する前に押下が解除)される度に、いわゆるループバックスイッチ方式にて、レーザー光の射出状態が複数種類の射出状態の何れかに順次切り替わる。
【0051】
モード切替スイッチ67は、レーザー光の点灯方式を、連続点灯方式及びパルス状点灯方式の何れかに切り替えるためのスイッチである。モード切替スイッチ67が短押しされる度に、レーザー光の点灯方式が上記二種類の点灯方式の何れかに交互に切り替わる。
【0052】
なお、パルス状点灯方式とは、レーザー光を連続的に生成させるのではなく、一定周期で間欠的に生成させる駆動方式である。具体的に、パルス状点灯方式では、設定されたデューティ比にてレーザー光の点灯及び消灯が交互に繰り返される。
【0053】
パルス状点灯方式のデューティ比は、一種類であってもよいし、複数種類の中から何れかを選択できる構成であってもよい。デューティ比を複数種類の中から選択可能な構成の具体例として、次のような例が挙げられる。例えば、デューティ比としてa%、b%およびc%(ただし、a>b>c)の3種類が設定されている場合、モード切替スイッチ67を短押しする度に、点灯方式が、連続点灯方式→デューティ比a%のパルス状点灯方式→デューティ比b%のパルス状点灯方式→デューティ比c%のパルス状点灯方式→連続点灯方式→・・・、という順にループバックスイッチ方式にて順次切り替わるような構成であってもよい。
【0054】
(1-2)取付ユニット3の構成
取付ユニット3の具体的な構成について、
図1~
図3に加えて
図4~
図7も用いて説明する。
【0055】
取付ユニット3を構成する取付部10は、全体として溝形状(換言すれば、U字状)に構成されている。即ち、取付部10は、溝形状を構成する、底壁部及びその底壁部から垂直且つ互いに対向するように立設される2つの側壁部のうち、底壁部に相当するバッテリ支持部11と、2つの側壁部に相当する上腕部12及び下腕部13を備える。
【0056】
バッテリパック7は、取付ユニット3における、取付部10を構成するバッテリ支持部11に対して着脱可能に構成されている。バッテリパック7が取付ユニット3に装着されると、
図1~
図3に示すように、バッテリパック7の大部分が、溝形状の取付部10における溝内の空間であるバッテリ収容空間14内に配置された状態となる。
【0057】
上腕部12の先端側(バッテリ支持部11側とは反対側)の端面である上腕端面25と、下腕部13の先端側の端面である下腕端面26とは、同一平面上に位置する関係にある。そして、
図3及び
図7に示すように、上腕端面25には吸着部材15が設けられ、下腕端面26には吸着部材16が設けられている。各吸着部材15,16はいずれも、磁石であり、より詳しくはいずれも永久磁石である。各吸着部材15,16は、略円板状の形状である。
【0058】
上腕部12の吸着部材15は、上腕部12の内部において、不図示の固定プレートによって支持されている。固定プレートは、例えば、金属製の略長方形状の板金である。固定プレートの寸法は、例えば、短辺が、吸着部材15における略円形の面の直径とほぼ同じであり、長辺が、吸着部材15における略円形の面の直径よりも長い。
【0059】
上腕部12には、吸着部材15が収容される略円筒状の吸着収容部27、及び固定プレートが収容される略直方体状のプレート収容部28が形成されている。なお、吸着収容部27及びプレート収容部28の具体的構成については、後で
図9~
図11を用いて補足説明する。
【0060】
プレート収容部28に収容される固定プレートは、板面が、吸着部材15における円形の両面のうち外部に露出する面とは反対側の上腕部12内部側の面と対向するように配置されている。そして、吸着部材15におけるその内部側の面が固定プレートに固定されている。固定プレートに対する吸着部材15の固定方法は種々考えられ、例えば接着剤によって接着固定してもよい。
【0061】
下腕部13の吸着部材16も、上腕部12の吸着部材15と全く同じように、不図示の固定プレートによって支持されている。即ち、下腕部13にも、吸着部材16が収容される吸着収容部27、及び固定プレートが収容されるプレート収容部28が形成されている。
【0062】
上腕端面25に設けられる吸着部材15は、円板状の形状における一方の板面が、上腕端面25と同一平面上に位置するよう、且つ外部に露出した状態となるように設けられている。下腕端面26に設けられる吸着部材16も、円板状の形状における一方の板面が、下腕端面26と同一平面上に位置するよう、且つ外部に露出した状態となるように設けられている。
【0063】
このような構成により、取付ユニット3は、
図1及び
図2に示すように、取付対象面2に対し、各吸着部材15,16の磁力によって吸着させて取り付けることができる。
溝形状の取付部10を構成するバッテリ支持部11における、溝内のバッテリ収容空間14側に面する面側には、
図5及び
図7に示すように、バッテリ装着部17及び端子台20が設けられている。
【0064】
ここで、取付ユニット3に対し、対向面及び水平面を規定する。対向面は、取付ユニット3が
図1に示すように取付対象面2に取り付けられた状態のときに取付対象面2と平行になる面である。換言すれば、上腕部12の上腕端面25及び下腕部13の下腕端面26と平行な面が、対向面である。水平面は、取付ユニット3が取付対象面2に取り付けられた状態のときに取付対象面2と垂直になる面であって、且つ電気機器5が機器支持部30に装着された状態で電気機器5の高さ方向と垂直になる面である。よって、機器支持部30の上面、即ち電気機器5が載置される機器載置面31と平行な面が、水平面である。
【0065】
このように対向面及び水平面を規定したとき、バッテリパック7は、取付ユニット3に対し、対向面及び水平面の双方に平行な方向へスライドさせることによって、バッテリ装着部17に着脱可能である。換言すれば、バッテリパック7は、溝形状の取付部10における溝内において、溝に沿うようにスライドさせることによって、バッテリ装着部17に着脱可能である。
【0066】
また、取付ユニット3のうち特に取付部10は、
図1及び
図2に示すように、バッテリ装着部17にバッテリパック7が装着された状態であって且つ取付ユニット3が取付対象面2に取り付けられた状態において、バッテリパック7が取付対象面2側に直接露出し、且つその直接露出する露出面の少なくとも一部が取付対象面2と略同一面となるように構成されている。
【0067】
図1及び
図2は、バッテリパック7における取付対象面2側に露出している(即ち取付対象面2と対向している)対向面の大部分が、取付対象面2と面接触するか、若しくは取付対象面2との面間隔が非常に近くなっている状態を示している。
【0068】
なお、取付ユニット3を取付対象面2に取り付ける場合、取付ユニット3の上腕端面25及び下腕端面26はそれぞれ取付対象面2における任意の位置に配置できる。ただし、電気機器5及びバッテリパック7が装着された状態で取付対象面2に取り付けて電気機器5を使用する際は、基本的には、
図1及び
図2に示すように、水平面が鉛直方向と垂直になるよう、即ち電気機器5の高さ方向が鉛直方向と平行になるように取り付ける。以下、このように取り付けられている状態を、「標準取付状態」とも称する。
【0069】
取付ユニット3が取付対象面2に対して標準取付状態で取り付けられている場合、取付部10の上腕部12と下腕部13は、互いに上下方向(鉛直方向)に対向した状態となり、上腕部12が下腕部13の真上に配置された状態となる。つまり、標準取付状態においては、バッテリ収容空間14、バッテリ装着部17及び端子台20は、上腕部12によって上部から覆われた状態となる。
【0070】
端子台20は、バッテリパック7内のバッテリ71の電力(以下、「バッテリ電力」)を受電するために設けられている。端子台20は、
図5及び
図7に示すように、正極接続端子21と、負極接続端子22とを備える。端子台20は、バッテリパック7がバッテリ装着部17に装着されたときに、バッテリパック7と電気的に接続されてバッテリ電力を受電可能な状態となる。
【0071】
ここで、バッテリパック7の具体的構成について、
図8を用いて説明する。
図8に示すように、バッテリパック7は、箱型のパック筐体70を備えている。このパック筐体70の内部には、バッテリ71が収容されている。バッテリ71の定格電圧は、本実施形態では例えば10.8Vである。また、パック筐体70の一側面には、残量表示部73が設けられている。
【0072】
ここで、本実施形態のバッテリ71の具体的構成等について説明する。バッテリ71は、定格電圧が10.8V、定格容量が4Ahである。より具体的に、バッテリ71は、定格電圧3.6Vで定格容量2Ahのバッテリセルが3つ直列されてなる直列接続体が、2つ並列に接続されて構成されている。なお、本実施形態の各バッテリセルは、例えばリチウムイオンバッテリである。
【0073】
尚、パック筐体70の内部には、バッテリ71の他に、バッテリ71の温度を検出する温度検出素子、バッテリ71に対する充放電を制御するマイクロコンピュータ等が収容されている。マイクロコンピュータは、バッテリ71の残量を検出し、その検出結果に応じて残量表示部73を動作させることが可能に構成されている。バッテリパック7の使用者は、残量表示部73の表示状態を確認することで、バッテリ71の残量がどの程度であるかを知ることができる。
【0074】
パック筐体70の一面には、一方向に長さを有する2つのスライダ片72が間隔を空けて平行に配置されている。バッテリパック7を取付ユニット3のバッテリ装着部17に装着する際には、この2つのスライダ片72を、バッテリ装着部17が有するスライドレール上をスライドさせることで、バッテリパック7をスライドさせる。これにより、バッテリパック7が、
図1及び
図2に示すように所定の装着完了位置まで案内される。
【0075】
2つのスライダ片72の間には、正極用スリット74、負極用スリット75及び信号用スリット76が形成されている。各スリット74,75,76は、2つのスライダ片72の長手方向と同じ方向に長さを有し、バッテリパック7をバッテリ装着部17に装着する際におけるバッテリパック7のスライド方向の先端側が開いた形状となっている。
【0076】
正極用スリット74の内部には、正極端子77が配置されている。正極端子77は、バッテリパック7内においてバッテリ71の正極と接続される。負極用スリット75の内部には、負極端子78が配置されている。負極端子78は、バッテリパック7内においてバッテリ71の負極と接続される。信号用スリット76の内部には、不図示の温度信号端子が配置されている。なお、信号用スリット76および温度信号端子は備えられていなくてもよい。
【0077】
このように構成されたバッテリパック7を、取付ユニット3のバッテリ装着部17に対して装着完了位置までスライドさせることによって装着すると、バッテリパック7と端子台20とが電気的に接続された状態となる。即ち、端子台20の正極接続端子21が、バッテリパック7の正極用スリット74内に挿入して、バッテリパック7の正極端子77と接続された状態となる。また、端子台20の負極接続端子22が、バッテリパック7の負極用スリット75内に挿入して、バッテリパック7の負極端子78と接続された状態となる。
【0078】
なお、バッテリパック7のバッテリ71は、繰り返し充電可能な二次電池である。バッテリパック7を不図示の充電装置に装着することで、バッテリ71を充電することができる。
【0079】
取付ユニット3には、
図1~
図7に示すように、給電コード56が設けられている。給電コード56は、可撓性の電気コードであり、
図1、
図4、
図6に示すように、取付ユニット3のうち機器支持部30の側面に形成された第2挿通孔45から引き出されるように設けられている。給電コード56の先端には、DCプラグ55が接続されている。
【0080】
端子台20から入力されるバッテリ電力は、取付ユニット3の内部に収容された内部給電回路及び給電コード56を経てDCプラグ55へ通電されるよう構成されている。本実施形態の電気機器5は、DCプラグ55を挿抜可能なDCジャック64(
図13参照)を備えている。
【0081】
図1~
図3は、電気機器5のDCジャック64にDCプラグ55が挿入されて両者が電気的に接続された状態を示している。取付ユニット3のバッテリ装着部17にバッテリパック7を装着し、DCプラグ55を電気機器5のDCジャック64に挿入することで、バッテリ電力を、端子台20、取付ユニット3内の内部給電回路、給電コード56、及びDCプラグ55を介して、電気機器5へ供給可能となり、これにより電気機器5をバッテリ電力にて動作させることが可能となる。
【0082】
次に、取付ユニット3に対する電気機器5の着脱について、具体的に説明する。
図1、
図4~
図6に示すように、取付ユニット3の機器支持部30には、支持ネジ取付部32が設けられている。この支持ネジ取付部32の上面は、機器載置面31の一部を構成する。支持ネジ取付部32は、つまみネジ35を配置するためのつまみネジ配置空間33を有する。このつまみネジ配置空間33に、つまみネジ35が配置される。
【0083】
つまみネジ35は、
図4~
図6に示すように、ネジ部36を備える。ネジ部36は、つまみネジ35がつまみネジ配置空間33に配置された状態において、支持ネジ取付部32の上面(即ち、機器載置面31の一部)に形成されたネジ貫通穴34を介して、機器載置面31の上方へ突出している。
【0084】
一方、電気機器5の底面には、つまみネジ35のネジ部36を螺入させることが可能なネジ穴63(
図1参照)が設けられている。取付ユニット3の機器載置面31に対し、電気機器5を、つまみネジ35のネジ部36と電気機器5のネジ穴63とが同軸となるような位置関係で載置し、つまみネジ35を回転させることで、つまみネジ35のネジ部36を電気機器5のネジ穴63に螺入させていくことができる。ネジ部36の螺入が進むと、電気機器5の底面が機器載置面31に近付いていき、やがて両者が面接触する。
【0085】
取付ユニット3に対する電気機器5の装着は、つまみネジ35のネジ部36を電気機器5のネジ穴63に螺入させることによって実現される。つまみネジ35のネジ部36が電気機器5のネジ穴63に一定量以上螺入されて電気機器5が取付ユニット3から容易には脱落しないような状態になっている場合は、電気機器5が取付ユニット3に装着された状態とみなせる。
【0086】
ネジ部36を深く螺入させて電気機器5の底面と機器載置面31とを接触させることで、機器載置面31に対して電気機器5を容易に回転しないよう固定することができる。一方、電気機器5の底面と機器載置面31との接触圧力を弱めるか若しくは両者を離間させることで、機器載置面31に対して電気機器5を手動で任意の回転位置に回転させることができる。
【0087】
(1-3)取付ユニット3の内部構成
次に、取付ユニット3の内部構成のうち、特に前述の内部給電回路を構成する部分について、
図9~
図11を用いて説明する。取付ユニット3は、主に、
図9に示す第1半割ユニット3aと
図10に示す第2半割ユニット3bとの2つのパーツに分かれて構成されている。
【0088】
第1半割ユニット3aは、取付部10を構成する第1半割取付部10aと、機器支持部30を構成する第1半割支持部30aとを備える。第1半割取付部10aには、バッテリ装着部17を構成する第1半割装着部17aが形成されている。また、第1半割取付部10aには、各吸着収容部27を構成する各第1半割吸着収容部27aと、各プレート収容部28を構成する各第1半割プレート収容部28aとが形成されている。第1半割支持部30aには、支持ネジ取付部32を構成する第1半割ネジ取付部32aと、ネジ貫通穴34を構成する第1半割貫通穴34aとが形成されている。
【0089】
第2半割ユニット3bも同様に、取付部10を構成する第2半割取付部10bと、機器支持部30を構成する第2半割支持部30bとを備える。第2半割取付部10bには、バッテリ装着部17を構成する第2半割装着部17bが形成されている。また、第2半割取付部10bには、各吸着収容部27を構成する各第2半割吸着収容部27bと、各プレート収容部28を構成する各第2半割プレート収容部28bとが形成されている。第2半割支持部30bには、支持ネジ取付部32を構成する第2半割ネジ取付部32bと、ネジ貫通穴34を構成する第2半割貫通穴34bとが形成されている。
【0090】
各半割ユニット3a,3bを組み付けることによって、取付ユニット3の筐体が形成される。
第1半割吸着収容部27aと第2半割吸着収容部27bとが組み合わさることによって、略円筒状の吸着収容部27が形成される。また、第1半割プレート収容部28aと第2半割プレート収容部28bとが組み合わさることによって、略直方体状のプレート収容部28が形成される。各吸着収容部27の、各端面25,26に垂直な方向の長さDmは、各吸着部材15,16の厚さと略同じ長さになるように構成されている。つまり、各吸着収容部27には、厚さが略Dmの吸着部材15,16が収容される。
【0091】
各吸着部材15,16を固定する不図示の各固定プレートは、例えば、各半割ユニット3a,3bを組み付ける前の段階で、第1半割プレート収容部28a及び第2半割プレート収容部28bのうちいずれか一方に差し込まれる。その際、固定プレートは長辺方向に差し込まれる。つまり、固定プレートは、長辺が、電気機器5の高さ方向に垂直となるように配置される。そして、固定プレートが差し込まれた状態で各半割ユニット3a,3bを組み付けることで、固定プレートは、各半割ユニット3a,3bによって長辺方向に挟み込まれた状態で固定される。
【0092】
なお、
図9に示す第1半割ユニット3aは、端子台20が取り付けられているもののそれ以外の電気的構成はまだ取り付けられていない状態を示している。一方、
図11に示す第1半割ユニット3aは、端子台20に加え、端子台20で受電したバッテリ電力をDCプラグ55から他の機器へ供給するための、当該DCプラグ55を含む電気的構成が搭載されている状態を示している。
【0093】
図9に示すように、第1半割ユニット3aには、第1半割収容空間40aが設けられている。一方、第2半割ユニット3bには、第1半割収容空間40aと対向する位置に、第2半割収容空間40bが設けられている。
【0094】
第1半割ユニット3aと第2半割ユニット3bを組み付けると、第1半割ユニット3aの第1合わせ面41aと第2半割ユニット3bの第2合わせ面41bとが面接触あるいはそれに近い状態となる。これにより、第1半割収容空間40aと第2半割収容空間40bとが繋がった1つの収容空間が形成される。
【0095】
この収容空間は、取付ユニット3において、機器支持部30の内部に位置する空間である。この収容空間は、
図11に示すように、内部給電回路を構成する回路基板である支持部基板51を収容するための空間である。
【0096】
第1半割ユニット3aの第1合わせ面41aには、
図9に示すように、第1半割収容空間40aの開口を囲むようにOリング溝42が形成されている。このOリング溝42には、
図11に示すようにOリング43が嵌め込まれる。このOリング43により、第1半割ユニット3aと第2半割ユニット3bとが組み付けられた場合に、両者の合わせ面41a,41bから各収容空間40a、40bに水や埃等の異物が浸入することが抑制される。
【0097】
第1半割ユニット3aの第1半割収容空間40aを構成する内壁には、第1半割収容空間40aと取付部10の内部空間とが連通するように設けられた第1挿通孔44が形成されている。さらに、第1半割ユニット3aの第1半割収容空間40aを構成する内壁には、第1半割収容空間40aと取付ユニット3の外部とが連通するように設けられた第2挿通孔45が形成されている。
【0098】
また、第1半割収容空間40aを構成する内壁には、第1仕切部46及び第2仕切部47が立設されている。第1仕切部46は、第1挿通孔44の近傍において、第1挿通孔44を含む小空間を形成するように設けられている。第2仕切部47は、第2挿通孔45の近傍において、第2挿通孔45を含む小空間を形成するように設けられている。
【0099】
このように構成された第1半割ユニット3aに対し、
図11に示すように、支持部基板51と、各リード線23,24と、各電線57,58とが敷設される。支持部基板51は、前述の通り、第1半割収容空間40aに配置される。
【0100】
各リード線23,24は、端子台20の正極接続端子21及び負極接続端子22を支持部基板51に電気的に接続する。即ち、各リード線23、24のうち、正極リード線23は、第一端が端子台20の正極接続端子21に接続され、第二端が支持部基板51に接続されている。また、各リード線23、24のうち、負極リード線24は、第一端が端子台20の負極接続端子22に接続され、第二端が支持部基板51に接続されている。各リード線23,24は、第1挿通孔44に挿通されて敷設される。
【0101】
各電線57,58は、DCプラグ55を支持部基板51に電気的に接続する。即ち、各電線57、58のうち、正極電線57は、第一端がDCプラグ55のプラグ正極端子55a(
図12参照)に接続され、第二端が支持部基板51に接続されている。また、負極電線58は、第一端がDCプラグ55のプラグ負極端子55b(
図12参照)に接続され、第二端が支持部基板51に接続されている。各電線57,58は、第2挿通孔45に挿通されて敷設される。
【0102】
各電線57,58は、取付ユニット3の内部空間においては、各々が露出された状態で敷設されるが、第2挿通孔45から外部においては、両者がまとめて被覆された1つの給電コード56として引き出される。
【0103】
第1挿通孔44へ各リード線23,24が挿通されて各リード線23,24が所定の状態に敷設されると、第1仕切部46によって形成される、第1挿通孔44を含む小空間には、
図11に示すように、シール材48が充填される。このシール材48によるシール処理により、第1挿通孔44から収容空間内への異物の浸入が抑制される。
【0104】
また、第2挿通孔45へ各電線57,58が挿通されて各電線57,58が所定の状態に敷設されると、第2仕切部47によって形成される、第2挿通孔45を含む小空間には、
図11に示すように、シール材49が充填される。このシール材49によるシール処理により、第2挿通孔45から収容空間内への異物の浸入が抑制される。
【0105】
このような構成により、バッテリ装着部17にバッテリパック7が装着されると、バッテリ電力は、端子台20,各リード線23,24、支持部基板51、各電線57,58(即ち給電コード56)、及びDCプラグ55を介して、DCプラグ55を接続可能な他の電気機器へ供給可能となる。
【0106】
各電線57,58は、取付ユニット3の内部において、機器支持部30の機器載置面31の直下まで敷設されている。そして、機器支持部30の側面に形成された第2挿通孔45から、給電コード56として外部へ引き出されている。つまり、給電コード56は、電気機器5が機器載置面31に載置された場合に、電気機器5の直下から引き出された状態となるように敷設されている。しかも、給電コード56が引き出される第2挿通孔45は、機器載置面31に電気機器5が標準取付状態で載置されている状態において、電気機器5のDCジャック64が配置される側面側と同じ側面側に形成されている。
【0107】
図12に、取付ユニット3に搭載されている、端子台20から支持部基板51及び給電コード56を経てDCプラグ55に至る回路を、概略的に示す。なお、
図12の回路図は、バッテリ装着部17にバッテリパック7が装着された状態、即ち、バッテリ71の正極端子77及び負極端子78と端子台20の各接続端子21,22とが電気的に接続されている状態を示している。
【0108】
支持部基板51は、給電遮断スイッチ52と、過放電保護部53とを備える。給電遮断スイッチ52は、端子台20の正極接続端子21とDCプラグ55のプラグ正極端子55aとの間の通電経路上に設けられ、この通電経路を導通、遮断可能に構成されている。給電遮断スイッチ52は、例えば、MOSFETである。
【0109】
過放電保護部53は、端子台20から入力されるバッテリ71の電圧値(以下、「バッテリ電圧値」と称する)を検出する。そして、検出したバッテリ電圧値が過放電閾値以上の場合は給電遮断スイッチ52をオンさせて通電経路を導通させる。一方、検出したバッテリ電圧値が過放電閾値より低い場合は、給電遮断スイッチ52をオフさせて通電経路を遮断させることにより、バッテリ電力がDCプラグ55から外部へ供給されるのを抑制する。
【0110】
なお、過放電閾値は適宜決めることができる。本実施形態では、バッテリ電圧の定格値が例えば10.8Vであるため、過放電閾値は、例えば7.5Vに設定されている。よって、本実施形態では、バッテリ電圧が7.5V以上であればバッテリ電力をDCプラグ55から外部へ供給可能であるが、バッテリ電圧が7.5Vより低い場合は、バッテリ電力がDCプラグ55から供給されなくなる。
【0111】
(1-4)電気機器5の電気的構成
次に、電気機器5の電気的構成のうち、特に、電気機器5の内部に設けられている回路基板である本体基板81の特徴的構成について、
図13を用いて説明する。
【0112】
電気機器5は、
図13に示すように、DCジャック64と、本体基板81と、電源スイッチ66と、モード切替スイッチ67と、残量表示部68と、レーザーユニット87とを備える。
【0113】
レーザーユニット87は、
図1に示した垂直射出部61及び水平射出部62を含む。即ち、レーザーユニット87は、垂直レーザー光を生成するレーザー光源と、水平レーザー光を生成するレーザー光源とを含む。電源スイッチ66、モード切替スイッチ67及び残量表示部68は、
図2にも示されたものである。
【0114】
本体基板81は、第1電源部82と、第2電源部83と、制御部86とを備える。制御部86は、電源スイッチ66及びモード切替スイッチ67の操作状態に応じて電気機器5の動作を制御する。制御部86の主な制御対象の1つは、レーザーユニット87である。
【0115】
また、制御部86は、DCジャック64から入力される電圧に基づき、DCジャック64から入力される電力の電力源の電力残量を検出する。そして、その電力残量の検出結果に応じて、残量表示部68を制御する。
【0116】
第1電源部82は、DCジャック64から入力される入力電圧に基づいて直流の所定電圧値の第1電源電圧VDDを生成し出力する。第1電源部82は、第1電源電圧VDDの値を、異なる複数種類の値の何れかに設定できるよう構成されている。本実施形態では、第1電源部82は、例えば、第1電源電圧VDDの電圧値を、3V又は8Vの何れかに設定できる。
【0117】
第2電源部83は、入力電圧に基づいて直流の所定電圧値の第2電源電圧VCCを生成し出力する。本実施形態の第2電源部83は、第2電源電圧VCCの電圧値が例えば3Vに設定されている。
【0118】
本体基板81は、第1電源部82の出力端子と第2電源部83の入力端子とを接続する第1通電経路88に対し、第1抵抗84を接続可能に構成されている。また、本体基板81は、第1電源部82の出力端子と第2電源部83の出力端子とを接続する第2通電経路89に対し、第2抵抗85を接続可能に構成されている。
【0119】
本体基板81は、各抵抗84,85のうち何れか一方を選択的に実装することができるよう構成されている。第1抵抗84が実装されていない場合は、第1通電経路88が遮断された状態となり、第2電源部83には第1電源部82からの第1電源電圧VDDは入力されず、第2電源部83からは第2電源電圧VCCは出力されない。ただしこの場合、第2抵抗85を実装することで、第1電源部82からの第1電源電圧VDDを、第2抵抗85を介して、第2電源電圧VCCとしても用いることができる。
【0120】
ここで、本実施形態の電気機器5においては、レーザーユニット87の電源、即ちレーザー光源を動作させて各レーザー光を生成させるための電源として、第1電源電圧VDDが用いられる。一方、制御部86の動作用電源としては、第2電源電圧VCCが用いられる。
【0121】
制御部86は、本実施形態では、3Vの電源電圧にて動作するよう構成されている。一方、レーザーユニット87については、どのような色のレーザー光を生成するよう構成されているかによって、必要な電源電圧の値が異なる。
【0122】
例えば、レーザーユニット87が、赤色のレーザー光を生成するよう構成されている場合(以下、「赤色仕様」とも称する)は、例えば3Vの電源電圧が必要である。一方、レーザーユニット87が、例えば緑色のレーザー光を生成するよう構成されている場合(以下、「緑色仕様」と称する)は、例えば8Vの電源電圧が必要である。
【0123】
このように、電気機器5が赤色仕様か緑色仕様かによって、レーザーユニット87へ供給すべき第1電源電圧VDDの値が異なる。この場合、異なる仕様毎に、当該仕様専用の本体基板81を提供することは可能である。しかし、仕様毎に本体基板81を専用設計するようにすると、本体基板81のコストアップを招き、延いては電気機器5のコストアップを招く可能性がある。
【0124】
これに対し、本実施形態の本体基板81は、第1抵抗84及び第2抵抗85を選択的に実装可能であって、しかも第1電源部82が生成する第1電源電圧VDDの値を異なる複数の値(本実施形態では例えば3V及び8V)の何れかに設定可能に構成されている。これにより、本実施形態の本体基板81は、赤色仕様及び緑色仕様のいずれに対しても共通して用いることができる。
【0125】
具体的に、例えば緑色仕様の電気機器5に本体基板81を搭載する場合は、第1電源部82に対し、生成する第1電源電圧VDDの値を8Vに設定する。さらに、第1抵抗84及び第2抵抗85のうち第1抵抗84のみ実装して第2抵抗85は実装しない。これにより、第1電源部82によってレーザーユニット87駆動用の8Vの第1電源電圧VDDが生成され、且つ第2電源部83によって3Vの第2電源電圧VCCが生成される構成の本体基板81を実現できる。
【0126】
一方、例えば赤色仕様の電気機器5に本体基板81を搭載する場合は、第1電源部82に対し、生成する第1電源電圧VDDの値を3Vに設定する。さらに、第1抵抗84及び第2抵抗85のうち第2抵抗85のみ実装して第1抵抗84は実装しない。これにより、第1電源部82によってレーザーユニット87駆動用の3Vの第1電源電圧VDDが生成され、且つ第1電源電圧VDDが第2抵抗85を経て第2電源電圧VCCとしても用いられる構成の本体基板81を実現できる。
【0127】
また、電気機器5のDCジャック64は、取付ユニット3のDCプラグ55を接続可能であるのに加え、取付ユニット3以外の他の電源が有するDCプラグを接続することもできる。
【0128】
本実施形態では、一例として、乾電池アダプタとUSBアダプタとを、電気機器5の電源として用いることができる。乾電池アダプタは、複数の乾電池の電力をDCプラグを介して供給できるように構成されている。USBアダプタは、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠した各種機器のUSB端子から出力されるUSBバス電力をDCプラグを介して供給できるように構成されている。
【0129】
乾電池アダプタは、例えば、前述の過放電閾値よりも低い値の電圧を出力可能に構成されたものである。過放電閾値は、本実施形態では例えば7.5Vである。そのため、乾電池アダプタは、7.5Vより低い電圧を出力するように構成されている。本実施形態では、乾電池アダプタは、一例として、4本の乾電池が直列接続された構成であり、定格6Vの電圧をDCプラグから出力可能に構成されているものとする。また、USBアダプタについては、本実施形態では、一例として、5Vの電圧をDCプラグから出力可能に構成されているものとする。
【0130】
DCジャック64に入力される電源がバッテリパック7又は乾電池アダプタの場合は、電池容量の変化に応じて入力電圧が変動する。DCジャック64に入力される電源がUSBアダプタの場合は、いわゆる蓄電池から電力が供給されるわけではないため、供給元のUSB機器が正常である限り、入力電圧は基本的には定格値(本実施形態では5V)一定となる。
【0131】
よって、DCジャック64にバッテリパック7からバッテリ71のバッテリ電圧が入力されている場合は、入力電圧の値は、例えば7.5V~約12Vの範囲内で変動し得る。一方、DCジャック64に乾電池アダプタから電圧が入力されている場合は、入力電圧の値は、例えば6V以下の範囲内で変動し得る。
【0132】
そこで、電気機器5の制御部86は、バッテリパック7及び乾電池アダプタのどちらが接続されていても、その接続されている電源に応じて残量を適切に検出し、その検出結果を残量表示部68に表示させるよう構成されている。
【0133】
具体的に、電気機器5の制御部86は、DCジャック64から電力が入力されて起動すると、その入力電圧の値に基づいて、バッテリパック7或いはそれ同等の出力電圧値の電源から電圧が入力されているのか、それとも、乾電池アダプタあるいはそれ同等の出力電圧値の電源から電圧が入力されているのかを判断する。
【0134】
本実施形態では、一例として、バッテリパック7から供給される電圧は7.5V以上であり、乾電池アダプタから供給される電圧は6V以下である。そのため、制御部86においては、例えば、6Vより大きく且つ7.5Vより低い範囲内で閾値が設定されている。そして、制御部86は、入力電圧と閾値とを比較することによって、バッテリパック7から電力供給されているのかそれとも乾電池アダプタから電力供給されているのかを判断する。
【0135】
そして、バッテリパック7から電力供給されていると判断した場合は、入力電圧が例えば7.5V~約12Vの範囲内で変動し得ることに基づき、入力電圧の値に基づいてバッテリパック7のバッテリ71の残量を判断する。そして、その判断結果に応じて残量表示部68を動作させる。具体例として、例えば、10V以上の場合はバッテリ71の残量が十分あるものとして、残量表示部68が有する複数の表示灯を全て点灯させ、9V以上10V未満の場合は残量が中程度であるとして点灯させる表示灯を一つ減らし、9V未満の場合は残量が少ないものとして点灯させる表示灯をさらに一つ減らす、という動作例が挙げられる。
【0136】
なお、残量用表示部68が複数の表示灯を備えている場合、各表示灯の色は全て同じでもよいし、一部が他と異なる色であってもよいし、全てがそれぞれ異なる色であってもよい。例えば、赤色の表示灯と緑色の表示灯を備え、残量が中程度以上ある場合は緑色の表示灯を点灯させ、残量が少ない場合は赤色の表示灯を点灯させるようにしてもよい。また、例えば、複数色を切り替えて点灯可能な1つの表示等を備え、例えば残量が中程度以上の場合は緑色で点灯させて残量が少ない場合は赤色で点灯させるなど、残量に応じて異なる色を点灯させるようにしてもよい。
【0137】
一方、乾電池アダプタから電力供給されていると判断した場合は、入力電圧が例えば6V以下の範囲内で変動し得ることに基づき、入力電圧の値に基づいて乾電池の残量を判断する。そして、その判断結果に応じて残量表示部68を動作させる。具体例として、例えば、5V以上の場合は乾電池の残量が十分あるものとして、残量表示部68が有する複数の表示灯を全て点灯させ、4V以上5V未満の場合は残量が中程度であるとして点灯させる表示灯を一つ減らし、4V未満の場合は残量が少ないものとして点灯させる表示灯をさらに一つ減らす、という動作例が挙げられる。なお、前述同様、残量に応じて異なる色が点灯されるような構成であってもよい。
【0138】
なお、USBアダプタから電力が入力されている場合は、本実施形態では5Vの電圧値が入力されることになる。そのため、制御部86は、乾電池アダプタ或いはそれ同等の出力電圧値の電源から電圧が入力されているものと判断し、乾電池アダプタの場合と同様に、入力電圧の値に基づいて残量表示部68を動作させる。
【0139】
(1-5)実施形態の効果
以上説明した実施形態によれば、以下の(1a)~(1g)の効果を奏する。
(1a)本実施形態では、電気機器5及びバッテリパック7を、取付ユニット3を介して、吸着部材15,16の吸着力によって取付対象面2に取り付けることができる。特に、バッテリパック7については、電気機器5に直接装着する必要はなく、取付ユニット3に対して装着するように構成されている。そして、バッテリパック7のバッテリ電力は、取付ユニット3が有するDCプラグ55から、電気機器5へ供給される。
【0140】
このように、バッテリパック7を電気機器5に直接装着するのではなく取付ユニット3に装着するよう構成されていることで、電気機器5及びバッテリパック7が装着されたフル装着状態の取付ユニット3が取付対象面2に取り付けられた状態における、そのフル装着状態の取付ユニット3全体の重心を、取付対象面2側に近付けることが可能となる。
【0141】
したがって、本実施形態によれば、フル装着状態の取付ユニット3を取付対象面2に取り付けた場合に、その取付対象面2に取り付けられた状態を良好に維持させることが可能となる。
【0142】
(1b)本実施形態では、各吸着部材15,16として、磁石が用いられている。一方、取付対象面2は、磁石との間で相互に引きつけ合う方向の磁力が発生するような磁性体を有する。そのため、取付対象面2に対して取付ユニット3を容易に取り付けることができる。
【0143】
(1c)バッテリ装着部17にバッテリパック7が装着された状態で取付ユニット3を取付対象面2に取り付けた場合、バッテリパック7は、取付対象面2側に直接露出し、且つその直接露出する露出面の少なくとも一部が取付対象面2と略同一面となる。
【0144】
そのため、フル装着状態の取付ユニット3を取付対象面2に取り付けたとき、そのフル装着状態の取付ユニット3全体の重心を、取付対象面2側により近付けることができる。
(1d)バッテリパック7は、バッテリ装着部17に対し、対向面及び水平面の双方と平行な方向、換言すれば溝形状の取付部10における溝方向へ、スライドさせることによって着脱可能である。
【0145】
そのため、取付ユニット3が取付対象面2に取り付けられていない状態及び取り付けられている状態のいずれにおいても、取付ユニット3に対するバッテリパック7の着脱を安定的且つ容易に行うことができる。
【0146】
(1e)また、本実施形態のバッテリパック7は、上記スライド方向の一端面に、残量表示部73が設けられている。そのため、バッテリパック7がバッテリ装着部17に装着された状態で、バッテリパック7の残量表示部73を良好に視認することができる。
【0147】
(1f)取付ユニット3は、取付対象面2に対して標準取付状態で取り付けた場合、
図1に示すように、バッテリ収容空間14が上腕部12によって覆われた状態となる。そのため、フル装着状態の取付ユニット3を取付対象面2に取り付けて電気機器5を使用する際、取付ユニット3の上方から粉塵や水滴などの異物が落ちてきたとしても、バッテリパック7における少なくとも上腕部12で覆われた領域をその異物から保護することができる。
【0148】
また、バッテリパック7が取り外された状態で取付ユニット3が取付対象面2に取り付けられている場合、バッテリ装着部17及び端子台20が外部に露出した状態となるが、この場合も、上腕部12によって、上方から落ちてくる異物からバッテリ装着部17及び端子台20を保護することができる。
【0149】
(1g)取付ユニット3は、可撓性の給電コード56と、DCプラグ55とを備えており、DCプラグ55を電気機器5のDCジャック64に挿入することで、バッテリパック7のバッテリ電力を電気機器5へ供給することができる。そのため、電気機器5に対する、取付ユニット3を介したバッテリ電力の供給を、容易に実現することができる。
【0150】
なお、本実施形態では、バッテリ電力を電気機器5へ供給するための、端子台20から各リード線23,24、支持部基板51、給電コード56を経てDCプラグ55に至る構成が、機器給電部の一例に相当する。また、上腕部12は上覆部の一例に相当する。また、取付ユニット3を構成する取付部10は、溝形状の取付部材の一例に相当し、取付部10のうち特にバッテリ支持部11が底壁部の一例に相当し、取付部10のうち特に上腕部12及び下腕部13が側壁部の一例に相当する。また、給電コード56は電源コードに相当する。
【0151】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0152】
(2-1)上記実施形態では、取付ユニット3を構成する溝形状の取付部10が、その溝内の空間が取付対象面2と対向するように構成されていたが、逆に、
図14に例示するように、溝内の空間が電気機器5と対向するように構成さていてもよい。なお、
図14に示す電気機器ユニット100において、上記実施形態と同じ符号は、上記実施形態と同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。後述する
図15の電気機器ユニット120についても同様である。
【0153】
図14に示す電気機器ユニット100は、取付ユニット101と、機器支持部110とを備える。機器支持部110については、基本的には第1実施形態の機器支持部30と同様の構成である。
【0154】
一方、取付部102は、全体的な形状自体は上記実施形態の取付部10と同じ溝形状であるが、取付対象面2に対する取り付け方向が上記実施形態とは逆である。即ち、
図14の取付部102は、バッテリ支持部103と、上腕部104と、下腕部105とを備える。一方、上記実施形態の取付部10は、バッテリ支持部11の背面(即ち、バッテリ装着部17が装着される面とは反対側の面)が電気機器5と対向するように構成されていたのに対し、
図14の取付部102は、上記実施形態とは逆に、取付対象面2に取り付けた場合にバッテリ支持部103の背面が取付対象面2に対向し接触するように構成されている。
【0155】
このような構成により、取付ユニット101を取付対象面2に吸着させるための吸着部材108は、
図14に示すように、バッテリ支持部103の背面に複数設けられている。
(2-2)別の例として、
図15に示すように、上腕部の上に電気機器を搭載可能に構成されていてもよい。
図15に示す電気機器ユニット120において、取付ユニット121は、取付支持部122を備える。この取付支持部122は、取付対象面2に吸着させて取り付ける機能に加えて、電気機器5を装着する機能をも兼ね備えている。
【0156】
取付支持部122は、全体として、
図14に示した取付部102と同様、溝形状の構成である。即ち、取付支持部122は、バッテリ支持部123と、上腕部124と、下腕部125とを備える。そして、
図14と同様、バッテリ支持部123の背面が取付対象面2に対向し接触するように構成されている。
【0157】
このような構成により、取付ユニット121を取付対象面2に吸着させるための吸着部材108は、
図14と同様、バッテリ支持部123の背面に複数設けられている。
そして、上腕部124は、その上面に電気機器5を装着できるよう、機器支持部としての構成も兼ね備えている。このような構成において、第1実施形態と同様に取付ユニット内に支持部基板51を備えるようにする場合は、例えば、上腕部124の内部空間に支持部基板51を収容するようにしてもよい。
【0158】
(2-3)上腕部12及び下腕部13に設ける各吸着部材15,16形状が略円板状の形状であることはあくまでも一例である。各吸着部材15,16として、種々の形状のものを用いてよい。
【0159】
また、上記実施形態では、上腕部12及び下腕部13にそれぞれ1つずつ吸着部材を設けた例を示したが、上腕部12及び下腕部13それぞれ、吸着部材をいくつ、どこに設けるかについては、適宜決めてよい。例えば、上腕部12及び下腕部13の少なくとも一方に対して2つ以上の吸着部材を設けてもよい。その場合、上腕部12及び下腕部13の吸着部材の数が異なってもよい。
【0160】
また、吸着部材の固定方法として、上記実施形態のように固定プレートを用いて固定することはあくまでも一例であり、固定プレートを用いる方法以外の他の方法で吸着部材を固定してもよい。
【0161】
(2-4)上記実施形態では、各吸着部材15,16が各端面25,26から外部に露出した状態で設けられる例を示したが、吸着部材を端面から露出した状態にすることは必須ではい。取付対象面に対する必要な吸着力が確保できれば、吸着部材を露出させず、吸着部材が取付部内に完全に埋め込まれた構成としてもよい。
【0162】
例えば上記実施形態の場合、各吸着部材15,16が外部に露出するよう、各吸着収容部27は、各端面25,26の一部を開口させた形状となっているが、各端面25,26を開口させずに閉じて、各吸着部材15,16が各端面25,26よりも内部側に位置するように構成してもよい。
【0163】
このように吸着部材を外部に露出させずに取付部内に完全に埋め込む構成とすることで、吸着部材を固定する固定プレートは不要となる。また、防塵、防水等の観点でも、吸着部材を露出させる場合に比べて有利となる。
【0164】
(2-5)吸着部材として磁石を用いることはあくまでも一例であり、磁石以外の他の吸着部材を用いてもよい。例えば、吸着部材として、吸盤を採用してもよい。
(2-6)複数の吸着部材を用いて取付ユニットを取付対象面に吸着可能な構成の場合、必ずしも、複数の吸着部材全てを同じ種類に統一しなくてもよい。例えば、複数の吸着部材のうちいくつかを磁石とし、他を磁石以外としてもよい。
【0165】
(2-7)標準取付状態で取り付けた場合に溝形状の取付部における上腕部及び下腕部が上下方向に対向するように構成することはあくまでも一例である。例えば、標準取付状態で取り付けた場合に、上腕部及び下腕部が、電気機器5の高さ方向と垂直な方向に対向するような構成として、バッテリパックを上下方向にスライドさせて着脱可能な構成としてもよい。
【0166】
(2-8)上記実施形態では、取付対象面2に取り付けた場合に、バッテリパック7と取付対象面2とが接触するか若しくは両者の距離が非常に近い位置関係になるよう構成されていたが、取付対象面2に取り付けた場合におけるバッテリパック7と取付対象面2との距離については適宜決めてもよい。
【0167】
(2-9)取付ユニットに対するバッテリパックの着脱方向は、適宜決めてよい。例えば、上下方向にスライドさせて着脱する構成であってもよいし、斜め上下方向にスライドさせて着脱する構成であってもよい。また、対向面と垂直な方向、即ち取付対象面2に取り付けた状態で取付対象面2と垂直になる方向へスライドさせて着脱する構成であってもよい。
【0168】
(2-10)取付ユニットにおける、給電コード56を引き出す位置は、適宜決めてもよい。また、機器給電部として、上記実施形態に示した構成、即ち、端子台20、各リード線23,24,支持部基板51、給電コード56及びDCプラグ55を有する構成は、あくまでも一例である。
【0169】
例えば、支持部基板51を設けなくてもよい。また、DCプラグ55とは別のインタフェースを用いて電気機器へ給電可能な構成としてもよい。具体的に、例えば取付ユニットと電気機器とを相互にUSB接続できるよう構成し、USB規格に従って取付ユニットから電気機器へ給電できるようにしてもよい。
【0170】
また例えば、機器載置面31の上面に給電端子を設け、電気機器5の底面に受電端子を設け、機器支持部30に電気機器5が装着されると給電端子と受電端子が電気的に接続されて、給電端子から受電端子を介して電気機器5へバッテリ電力を供給できるようにしてもよい。
【0171】
(2-11)上記実施形態において、上腕部12及び下腕部13は、取付対象面2に対してその法線方向へ伸縮可能であってもよい。つまり、バッテリ装着部17と取付対象面2との距離を変化させることが可能であってもよい。このように構成することで、バッテリ装着部17に対してサイズが異なる複数種類のバッテリパックを装着可能な場合に、バッテリパックのサイズが異なっても、バッテリパックを取付対象面2に近接或いは接触させることができる。
【0172】
取付対象面2に対して伸縮可能に構成された取付ユニットの一例を、
図16~
図26を用いて説明する。なお、
図16~
図19に示す取付ユニット131は、上記実施形態の取付ユニット3(
図1参照)と比較して、主に、上腕部12及び下腕部13に対応する部分の構成が異なる。そのため、
図16~
図19に示す取付ユニット131については、基本的に、上記実施形態の取付ユニット3における上腕部12及び下腕部13に対応する部分について説明する。
【0173】
上記実施形態の取付ユニット3では、取付部10が上腕部12及び下腕部13を備えていたのに対し、
図16~
図19に示す電気機器取付ユニット131では、取付部132が、上記実施形態の取付部10における上腕部12に代えて、上部収容ハウジング134、吸着ハウジング150及びスライダ140を備える。
【0174】
上部収容ハウジング134は、バッテリ支持部133における上方向の端部から水平面と平行な方向に延設された略直方体の形状の部材である。上部収容ハウジング134は、開口部134aと、収容空間134bと、スライダ装着部134cとを備える。
【0175】
また、
図16~
図19に示す電気機器取付ユニット131では、取付部132が、上記実施形態の取付部10における下腕部13に代えて、下部収容ハウジング135、吸着ハウジング150及びスライダ140を備える。下部収容ハウジング135は、バッテリ支持部133における下方向の端部から水平面と平行な方向に延設された略直方体の形状の部材である。下部収容ハウジング135は、開口部135aと、収容空間135bと、スライダ装着部135cとを備える。
【0176】
なお、下部収容ハウジング135は、上部収容ハウジング134と基本的に同じ構成であって、バッテリ装着部133に対して上部収容ハウジング134と対称に配置されている。そのため、以下の説明では、上部収容ハウジング134の構成について詳しく説明し、下部収容ハウジング135については説明を省略する。
【0177】
開口部134aは、上部収容ハウジング134における取付対象面2と対向する面のほぼ全体が開口されて形成されている。開口部134aの開口面は対向面と平行である。
収容空間134bは、吸着ハウジング150が収容される。吸着ハウジング150は、収容空間134bに収容されつつ、取付ユニット131の使用者によるスライダ140のスライド操作に応じて、開口部134aから収容空間134bの外部へ突出される。
【0178】
図16,
図17は、上部収容ハウジング134の収容空間134bに吸着ハウジング150の全体が収容された状態、即ち吸着ハウジング150が初期位置に位置している状態を示している。
【0179】
吸着ハウジング150は、
図16、
図17、
図19~
図21に示すように、略直方体の形状の部材であり、一側面に吸着部材151が設けられている。なお、吸着部材151が設けられている側面を、吸着面と称する。吸着部材151は、例えば、上記実施形態の吸着部材15と同じである。また、吸着面に対する吸着部材151の取付構造についても、上記実施形態における、上腕端面25に対する吸着部材15の取付構造と基本的に同じである。
【0180】
吸着ハウジング150は、吸着面が上部収容ハウジング134の開口部134aを介して上部収容ハウジング134の外部に露出した状態で、収容空間134bに収容される。吸着ハウジング150は、上部収容ハウジング134に対し、
図19において状態Aで示される初期位置から、
図19において状態Cで示される最大突出位置まで、移動され得る。
【0181】
初期位置に位置している吸着ハウジング150の吸着面は、開口部134aから突出しておらず、開口部134aの開口面と略同一面に位置している。吸着ハウジング150が最大突出位置まで移動されると、吸着ハウジング150の半分弱が開口部134aから突出する。
【0182】
スライダ装着部134cは、上部収容ハウジング134における上面の略中央部に設けられている。スライダ装着部134cは、収容空間134bに連通する略矩形状の開口部を含む。スライダ装着部134cには、その開口部を覆うようにスライダ140が設けられる。
【0183】
スライダ140は、
図16~
図18、
図22~
図23に示すように、スライドプレート141と、操作突部142と、ピン143とを備える。スライドプレート141は、略長方形の板面を有する板状の形状を備えている。操作突部142は、スライドプレート141における第1の面に突設されている。ピン143は、スライドプレート141における、第1の面とは反対側の第2の面に突設された、柱状(例えば円柱状)の部材である。
【0184】
ピン143は、スライドプレート141の第2の面において、第2の面の中心部には突設されておらず、第2の面の端部に突設されている。より具体的に、ピン143は、スライドプレート141の第2の面における、中心部から長辺側へシフトされた位置において、第2の面の長辺を含み且つ第2の面に垂直な面にピン143の側面が接するように、立設されている。
【0185】
スライダ140は、スライダ装着部134cに対し、操作突部142が外部に露出し、ピン143が収容空間134b内に延設された状態になるように設けられる。
また、スライダ140は、スライダ装着部134cに対し、スライドプレート141における長辺が対向面と平行(即ち開口部134aの開口面と平行)になるよう、且つスライドプレート141における短辺が対向面に垂直になるように設けられる。
【0186】
また、スライダ140は、スライダ装着部134cに対し、スライドプレート141の2つの長辺のうちピン143が立設されている側の長辺が開口部134aに近い位置に配置されるように設けられる。そのため、ピン143は、スライダ装着部134cの中心部よりも開口部134a側にシフトされた位置に配置される。
【0187】
また、スライダ140は、使用者による第1のスライド方向へのスライド操作に応じて第1のスライド方向へ移動され、第1のスライド方向とは反対の第2のスライド方向へのスライド操作に応じて第2のスライド方向へ移動されるように設けられる。第1のスライド方向及び第2のスライド方向は、吸着ハウジング150が初期位置から最大突出位置まで移動される突出方向と非平行(例えば垂直)な方向である。
【0188】
使用者は、スライダ140における操作突部142を掴みながらスライダ140をスライド操作させることができる。スライド操作に応じてスライダ140が移動されると、スライダ140におけるピン143もその移動される方向と同じ方向へ移動される。
【0189】
吸着ハウジング150の、初期位置から最大突出位置までの突出方向への移動は、スライダ140が第1のスライド方向へスライド操作されることにより行われる。吸着ハウジング150の、最大突出位置から初期位置までの収容方向への移動は、スライダ140が、第1のスライド方向とは逆の第2のスライド方向へスライド操作されることにより行われる。突出方向及び収容方向は、水平面に平行であって対向面に垂直な方向である。
【0190】
図16,
図17,及び
図19における状態Aは、スライダ140が、スライド可能範囲のうち第2のスライド方向の端部に位置している状態を示している。この位置からスライダ140が第1のスライド方向へスライド操作されると、吸着ハウジング150が収容空間134bから突出方向へ移動される。
【0191】
図19における状態Bは、スライダ140が、状態Aの位置から第1のスライド方向へ移動されて、スライド可能範囲における略中間位置まで到達した状態を示している。この状態Bでは、吸着ハウジング150が開口部134aから突出方向へ突出されている。
【0192】
状態Bからさらにスライダ140が第1のスライド方向へ移動されて、スライド可能範囲における第1のスライド方向の端部に到達すると、状態Cに示すように、スライダ140が最大突出位置まで突出した状態となる。
【0193】
状態Cから、上記とは逆にスライダ140が第2のスライド方向へスライド操作されると、吸着ハウジング150は収容方向へ移動し、状態Bを経て最終的に状態Aに戻る。このように、使用者は、スライダ140をスライド操作することで、吸着ハウジング150を、初期位置から最大突出位置までの一定長の範囲内で移動させることができる。
【0194】
なお、収容空間134b内における、吸着ハウジング150の、突出方向及び収容方向以外の方向への移動は、上部収容ハウジング134の両側面によって規制される。
スライダ140がスライド操作されることによって吸着ハウジング150が移動されることについて、吸着ハウジング150の具体的構成と共により詳しく説明する。
【0195】
吸着ハウジング150は、
図20、
図21に示すように、溝部152を備える。溝部152は、吸着ハウジング150において、上面156から下面157まで貫通するように設けられている。なお、上面156及び下面157はいずれも水平面に平行である。
【0196】
溝部152には、スライダ140におけるピン143が挿入される。なお、
図16~
図19は、上部収容ハウジング134内の吸着ハウジング150においては上面156からピン143が挿入され、下部収容ハウジング135内の吸着ハウジング150においては下面157からピン143が挿入される。
【0197】
溝部152は、挿入溝152aと、2つの溝端部152b,152cとを備える。
挿入溝152aは、突出方向に非平行な方向であって、且つスライダ140がスライド操作される方向にも非平行な方向に沿って設けられる。挿入溝152aの幅は、ピン143の外径より若干大きい程度である。そのため、ピン143は、挿入溝152a内において、挿入溝152aの内壁に常に内接されるか、若しくは常には内接しないものの挿入溝152aの内壁のごく近くに位置される。
【0198】
2つの溝端部152b,152cは、挿入溝152aの第1端及び第2端からスライダ140のスライド方向へ屈曲するように延設された、略半円筒状の領域である。2つの溝端部152b,152cの内径は、挿入溝152aの幅とほぼ同じである。2つの溝端部152b,152cには、スライダ140のピン143が嵌入される。
【0199】
また、溝部152の内壁には、2つの規制部材153,154が設けられている。2つの規制部材153,154は、挿入溝152aと2つの溝端部152bとの境界部又はその近傍において、溝部152の内壁から突設されたリブ状の部材である。
【0200】
規制部材153は、溝端部152bに嵌入されたピン143が溝端部152bから挿入溝152aへ移動されるのを規制する。規制部材154は、溝端部152cに嵌入されたピン143が溝端部152cから挿入溝152aへ移動されるのを規制する。なお、規制部材153,154によるピン143の規制効果は限定的であり、溝端部152b又は152cに嵌入されたピン143が一定以上の力で挿入溝152aへ移動されようとすると、ピン143は、規制部材153,154を越えて挿入溝152aへ移動される。
【0201】
図19における状態Aでの、上部収容ハウジング134、スライダ140及び吸着ハウジング150の位置関係は、
図24に示す通りである。状態Aでは、既述の通り、吸着ハウジング150が初期位置に位置している。
【0202】
図24に示すように、状態Aでは、スライダ140のピン143が、吸着ハウジング150の溝部152における溝端部152bに嵌入された状態となっている。ピン143が溝端部152bに嵌入されていることにより、仮に、吸着ハウジング150に対して突出方向又は収容方向への外力が加わっても、溝端部152bの内壁がピン143に当接することによって、吸着ハウジング150が突出方向又は収容方向へ移動されるのが規制される。
【0203】
状態A(即ち初期位置)から、使用者によってスライダ140が第1のスライド方向へスライド操作されると、ピン143が溝端部152bから離れて挿入溝152aへ進入し、挿入溝152aの内壁に当接する。ピン143が挿入溝152aの内壁に当接した後、スライダ140がさらに第1のスライド方向へスライド操作されると、ピン143によって挿入溝152aの内壁に第1のスライド方向への荷重が加えられる。このピン143から加えられる荷重は、吸着ハウジング150に対して、吸着ハウジング150を突出方向へ移動させるように作用し、これにより吸着ハウジング150は突出方向へ移動される。吸着ハウジング150が突出方向へ移動されることに応じて、ピン143は、挿入溝152aに沿って相対的に溝端部152cに向けて移動する。
【0204】
スライダ140のスライド操作が進んで、吸着ハウジング150が初期位置と最大突出位置との略中間の位置まで移動されたとき、上部収容ハウジング134、スライダ140及び吸着ハウジング150の位置関係は、
図25に示すような位置関係となる。なお、
図25は、
図19における状態Bでの位置関係を示している。
【0205】
図25(即ち状態B)からさらにスライダ140の第1のスライド方向へのスライド操作が進むと、最終的に、
図26に示すように、ピン143が溝端部152cに嵌入する。
図26は、吸着ハウジング150が最大突出位置まで突出された状態、即ち、
図19における状態Cに対応した状態を示している。
【0206】
図26に示す状態では、ピン143が溝端部152cに嵌入されていることにより、仮に、吸着ハウジング150に対して突出方向又は収容方向への外力が加わっても、溝端部152cの内壁がピン143に当接することによって、吸着ハウジング150が突出方向又は収容方向へ移動されるのが規制される。
【0207】
図26に示す状態(即ち状態C)から、スライダ140が第2のスライド方向へスライド操作されると、第1のスライド方向へのスライド操作時と同様にピン143が挿入溝152aの内壁に作用することにより、吸着ハウジング150が収容方向へ移動される。つまり、スライダ140を第2のスライド方向へスライド操作させることで、状態Cから状態Bを経て状態Aに移行させることができる。
【0208】
なお、スライダ140において、ピン143は、スライドプレート141の第2の面におけるどの位置に立設されてもよく、例えば、第2の面の中心部に立設されてもよい。
ただし、
図24~
図26を参照して明らかなように、仮に、ピン143が第2の面の中心部に立設されると、スライドプレート141の位置が開口部134aにより近付く。スライドプレート141の位置が開口部134aに近くなると、取付ユニット131が取付対象面2に取り付けられた場合に、スライドプレート141が取付対象面2に近くなって、使用者によるスライダ140の操作性が低下する可能性がある。
【0209】
これに対し、
図22,
図23等に示すスライダ140は、ピン143がスライドプレート141における端部に立設されている。そして、スライダ140は、スライダ装着部134cに対し、ピン143が立設された端部が開口部134aに近くなるように設けられる。そのため、スライドプレート141の位置が開口部134aから遠ざけられ、使用者によるスライダ140のスライド操作の操作性が向上される。
【0210】
なお、スライダ140は本開示におけるスライド操作部の一例に相当する。ピン143は本開示における柱状部材の一例に相当する。挿入溝152aは本開示における移動作用部の一例に相当する。
【0211】
図16~
図26に示す例においても、吸着ハウジング150における吸着部材151に関しては上記の(2-3)~(2-6)の事項が適用され得る。また、スライダ140がスライド操作される第1のスライド方向及び第2のスライド方向は、対向面に非平行な方向、即ち突出方向に非垂直な方向であってもよい。第1のスライド方向及び第2のスライド方向は、突出方向に非垂直且つ非平行な方向であってもよい。
【0212】
また、上部収容ハウジング134及び下部収容ハウジング135における、スライダ140が設けられる側面は、
図16に示した側面とは異なる側面であってもよい。
また、吸着ハウジング150における挿入溝152aは、突出方向と平行な方向を除き、どのような方向に沿って設けられてもよい。例えば、挿入溝152aは、突出方向と垂直な方向に沿って設けられてもよい。この場合、スライダ140は、挿入溝152aが沿う方向と非平行且つ非垂直となる方向へスライド操作されるように設けられるとよい。
【0213】
また、吸着ハウジング150は、初期位置において、収容ハウジングの開口部から突出していてもよい。
また、使用者の操作によって吸着ハウジング150を移動させる具体的方法は、上記のスライダ140及び挿入溝152aを用いた方法とは異なる方法であってもよい。使用者の操作に応じて吸着ハウジング150を突出方向及び収容方向に移動させることが可能な他の様々な方法を採用してもよい。
【0214】
(2-12)取付対象面は、上記実施形態の取付対象面2のように鉛直方向と平行に立設されているものに限定されない。鉛直方向に対して一定の角度をなすような傾斜した取付対象面に対しても、本開示の取付ユニットを取り付け可能である。
【0215】
(2-13)取付ユニットに装着可能な電気機器は、レーザー墨出し器に限定されない。取付ユニットに装着可能なバッテリパックのバッテリ電力によって動作可能な各種の電気機器を、取付ユニットに装着できるようにしてもよい。
【0216】
(2-14)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0217】
1,100,120…電気機器ユニット、2…取付対象面、3,101,121,131…電気機器取付ユニット、5…電気機器、7…バッテリパック、10,102…取付部、11,103,123,133…バッテリ支持部、12,104,124…上腕部、13,105,125…下腕部、14…バッテリ収容空間、15,16,108,151…吸着部材、17…バッテリ装着部、20…端子台、21…正極接続端子、22…負極接続端子、25…上腕端面、26…下腕端面、30,110…機器支持部、31…機器載置面、32…支持ネジ取付部、33…ネジ配置空間、34…ネジ貫通穴、35…つまみネジ、36…ネジ部、55…DCプラグ、56…給電コード、64…DCジャック、71…バッテリ、122…取付支持部、134…上部収容ハウジング、134a,135a…開口部、134b,135b…収容空間、134c,135c…スライダ装着部、135…下部収容ハウジング、140…スライダ、141…スライドプレート、142…操作突部、143…ピン、150…吸着ハウジング、152…溝部、152a…挿入溝、152b,152c…溝端部、153,154…規制部材。