(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】太陽光パネル用支持装置及び太陽光パネル用支持装置の設置方法
(51)【国際特許分類】
H02S 20/10 20140101AFI20220111BHJP
H02S 20/20 20140101ALI20220111BHJP
E02D 27/12 20060101ALI20220111BHJP
E02D 27/32 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
H02S20/10 C
H02S20/20 100
E02D27/12 Z
E02D27/32 Z
H02S20/10 M
(21)【出願番号】P 2018104226
(22)【出願日】2018-05-31
【審査請求日】2021-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】390040073
【氏名又は名称】岡本 俊仁
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【氏名又は名称】三浦 光康
(72)【発明者】
【氏名】岡本 俊仁
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-208049(JP,A)
【文献】特開2014-37722(JP,A)
【文献】特開2014-163136(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/34575(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/00-20/32
E02D 27/12
E02D 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光パネルを直接又は間接的に取り付けることができる複数個のベース体と、該ベース体にそれぞれ1対の接続手段を介して接続されるとともに、斜面に挿入されて前記ベース体を支持する複数個の杭部材とからなる太陽光パネル用支持装置であって、
前記ベース体は、長手方向に所定間隔を有して複数個の透孔が形成され、また、前記接続手段は、前記杭部材の上端部側に取付けられる取付部材と、該取付部材に回転可能に接続される接続部材とで構成され、
前記取付部材が前記杭部材の上下方向の任意の位置に取付けることができ、一方、前記接続部材は、前記複数個の透孔の任意の透孔に取り付けることができる太陽光パネル用支持装置。
【請求項2】
前記ベース体は、さらに該ベース体の上部に架け渡すように設けられ、かつ、太陽光パネルを支持する太陽光パネル支持部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の太陽光パネル用支持装置。
【請求項3】
前記杭部材は、パイプ状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の太陽光パネル用支持装置。
【請求項4】
斜面に複数個の杭部材を設置する杭部材設置工程と、該杭部材設置工程で設置した前記杭部材に1対の接続手段を介してベース体を接続するベース体設置工程とからなり、
前記ベース体は、長手方向に所定間隔を有して複数個の透孔が形成され、前記接続手段は、前記杭部材の上端部側に取付けられる取付部材と、該取付部材に接続する接続部材とで構成され、
ベース体設置工程では、前記取付部材は前記杭部材の上下方向の任意の位置に取付けられ、一方、前記接続部材は前記複数個の透孔の任意の透孔に取り付けられることにより、前記ベース体を前記杭部材に接続する太陽光パネル用支持装置の設置方法。
【請求項5】
前記ベース体設置工程後に、さらに前記複数個のベース体の上部に架け渡すように太陽光パネル支持部材を設置する支持部材設置工程が加味されていることを特徴とする請求項4に記載の太陽光パネル用支持装置の設置方法。
【請求項6】
前記ベース体設置工程では、斜面に対して上下方向にベース体を設置することを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかに記載の太陽光パネル用支持装置の設置方法。
【請求項7】
前記ベース体設置工程では、斜面に対して左右方向にベース体を設置することを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかに記載の太陽光パネル用支持装置の設置方法。
【請求項8】
杭部材設置工程は、ウインチを有する法面作業車を用いて、ウインチのワイヤーを斜面上部のアンカーに固定して杭部材を斜面に打ち込んで設置することを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の太陽光パネル用支持装置の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、山の斜面等に太陽光パネルを設置する際の土台となる太陽光パネル用支持装置及び太陽光パネル用支持装置の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、太陽光パネルは平地に設置されるが、平地に太陽光パネルを設置する場合、前後方向に隣接する太陽光パネルによって日陰になる部分には太陽光パネルを設置することができず、デッドスペースが発生するという問題があった。
この問題を解決するために、比較的デッドスペースが少なく、土地価格も安価な山の斜面地等に太陽光パネルを設置する方法がある。
【0003】
ところで、太陽光パネルを設置する部材としては、例えば、太陽光パネルを所定の角度で設置する傾斜したパネル受材と、このパネル受材に固定され、傾斜上部側を支持する鉛直な上部側の支柱と、前記パネル受材に固定され、傾斜下部側を支持する鉛直な下部側の支柱とで鉛直な面状フレーム等からなる太陽光パネル架台が知られている(特許文献1)。
【0004】
斜面地に太陽光パネルを設置するためには、山の斜面等に切土、盛土等の工事を施し、法面や平坦面を造成し、太陽光パネルを設置する、または、切土や盛土を行わず、樹木等を伐採し、山の斜面の形状をそのまま活かして太陽光パネルを設置する工法等が一般的に知られている。
【0005】
しかしながら、斜面に切土、盛土等の工事を施し、法面や平坦面を造成するためには、多大な時間と工費が必要となるという問題があった。
【0006】
また、山の斜面の形状をそのまま活かす場合、山の斜面には多くの場合樹木が生えており、樹木を伐採する等して架台を設置するが、特許文献1のような複数の支柱でパネル受け材を支持する架台を用いる際に、樹木の根が杭部材を打ち込むべき位置に存在する場合、樹木の根を伐根しなければ杭部材を斜面に挿入することができず、樹木の根を伐根する場合には、斜面の保護工事や補強工事を行う必要があり、コストが高くなるという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、法面を造成する工事や木材の根を抜根する工事を行うことなく、確実に設置できる太陽光パネル用支持装置及び太陽光パネル用支持装置の設置方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の太陽光パネル用支持装置は、太陽光パネルを直接又は間接的に取り付けることができる複数個のベース体と、該ベース体にそれぞれ1対の接続手段を介して接続されるとともに、斜面に挿入されて前記ベース体を支持する複数個の杭部材とからなる太陽光パネル用支持装置であって、前記ベース体は、長手方向に所定間隔を有して複数個の透孔が形成され、また、前記接続手段は、前記杭部材の上端部側に取付けられる取付部材と、該取付部材に回転可能に接続される接続部材とで構成され、前記取付部材が前記杭部材の上下方向の任意の位置に取付けることができ、一方、前記接続部材は、前記複数個の透孔の任意の透孔に取り付けることができることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の太陽光パネル用支持装置は、前記ベース体は、さらに該ベース体の上部に架け渡すように設けられ、かつ、太陽光パネルを支持する太陽光パネル支持部材を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の太陽光パネル用支持装置の杭部材は、パイプ状に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の太陽光パネル用支持装置の設置方法は、斜面に複数個の杭部材を設置する杭部材設置工程と、該杭部材設置工程で設置した前記杭部材に1対の接続手段を介してベース体を接続するベース体設置工程とからなり、前記ベース体は、長手方向に所定間隔を有して複数個の透孔が形成され、前記接続手段は、前記杭部材の上端部側に取付けられる取付部材と、該取付部材に接続する接続部材とで構成され、ベース体設置工程では、前記取付部材は前記杭部材の上下方向の任意の位置に取付けられ、一方、前記接続部材は前記複数個の透孔の任意の透孔に取り付けられることにより、前記ベース体を前記杭部材に接続することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の太陽光パネル用支持装置の設置方法は、前記ベース体設置工程後に、さらに前記複数個のベース体の上部に架け渡すように太陽光パネル支持部材を設置する支持部材設置工程が加味されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の太陽光パネル用支持装置の設置方法の前記ベース体設置工程では、斜面に対して上下方向にベース体を設置することを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の太陽光パネル用支持装置の設置方法の前記ベース体設置工程では、斜面に対して左右方向にベース体を設置することを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の太陽光パネル用支持装置の設置方法の杭部材設置工程は、ウインチを有する法面作業車を用いて、ウインチのワイヤーを斜面上部のアンカーに固定して杭部材を斜面に打ち込んで設置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1又は請求項4に記載の各発明においては、取付部材の取り付け位置と連結具の取り付け位置を任意に決定できるので、杭部材をベース体の長手方向にずらして打ち込むことができ、樹木の根が残っていても、根を避けて杭部材を打ち込むことができる。
【0018】
したがって、伐根する必要がなく杭部材を打ち込むことができる。
(2)伐根する必要がないため、斜面の補強工事を等を行う必要がなく、コストを抑えることができる。
(3)また、ベース体の角度を任意に変更できるので、最適な角度で太陽光パネルを設置することができる。
(4)請求項2、請求項3、請求項5乃至請求項8に記載の各発明においても前記(1)~(2)と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1乃至
図8は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図9乃至
図13は本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
図14乃至
図16は本発明の第3の実施形態示す説明図である。
【
図1】第1の実施形態の太陽光パネル用支持装置の側面図。
【
図9】第2の実施形態の太陽光パネル用支持装置の正面図。
【
図14】第3の実施形態の太陽光パネル用支持装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1乃至
図8に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は法面等の斜面2に設置され、太陽光パネル3を支持する太陽光パネル用支持装置(以下、「支持装置」という)である。
【0021】
この支持装置1は、
図1に示すように、太陽光パネル3を直接又は間接的に取り付ける複数個のベース体4と、該ベース体4にそれぞれ1対の接続手段5を介して接続されるとともに、斜面に挿入されてベース体4を支持する複数個の杭部材6と、前記複数個のベース体4の上部に架け渡すように設けられ、太陽光パネル3を支持する太陽光パネル支持部材7とで構成されている。
【0022】
前記ベース体4は、本実施形態では、金属製で断面視コ字状、T字状、板状、アングル状等の金具で、レール状に形成されており、長手方向に所定間隔を有して複数個の透孔8が形成されている。
【0023】
このベース体4は、本実施形態では、2つの杭部材6によって支持されている。このベース体4と2つの杭部材6で構成される部材を、説明のため便宜上ベース体ユニット20という。例えば、本実施形態の支持装置1は、複数個のベース体ユニット20と、この複数個のベース体ユニット20のベース体4の上部に架け渡すように設けられ、太陽光パネル3を支持する太陽光パネル支持部材7とで構成される。
【0024】
前記杭部材6は、本実施形態では、金属製で円筒状(円パイプ状)に形成されており、下端部付近が斜面2に打ち込まれ、上部付近に接続される接続手段5を介してベース体4と接続され、ベース体4を支持する。
【0025】
このように杭部材6を金属製でパイプ状に形成することにより、あらかじめ斜面に下穴を削孔しなくても、杭部材6の上端部を叩くことで斜面の土を掘りながら斜面に杭部材6を挿入し、固定することができる。
【0026】
中実の杭部材6を使用する場合には、あらかじめ下穴を削孔し、杭部材6を挿入することが望ましい。
【0027】
前記接続手段5は、
図3に示すように杭部材6の外周部に取り付けられる取付部材9と、該取付部材9に一端部が回転可能に取り付けられ、他端部に連結具10を備える接続部材11とで構成されている。
【0028】
取付部材9は、いわゆるパイプクランプのような形状に形成されており、1対の突出部12に形成されたボルト通し孔13にボルト14を挿入し、ナット15で締め付けることにより、杭部材6に挟着状態で取り付けられる。
【0029】
このような取付部材9を用いて杭部材6に取り付ける接続手段5にすることにより、取付部材9を杭部材6の上下方向の任意の位置に固定することができる。そのため、杭部材6の突出長さ(斜面に打ち込んだ際に地表から突出する部位の長さ)にばらつきがあったとしても、取付部材9の取り付け位置を調節することにより、ベース体4の角度や高さ等を一定にすることができる。
【0030】
一般的な太陽光パネル用の架台等では、左右方向に位置する杭部材6突出長さを一定にしなければ、ベース体4に相当する部材の角度や高さを一定にすることができず、太陽光パネル3を取り付けることができない。山の斜面等は、一様な地層ではなく、礫や硬い岩盤等の地層が地表近くに存在することがあり、杭部材6が岩盤等に当たってしまうと、それ以上地中に打ち込むことができなくなり、杭部材6の突出長さを一定にすることができず、一般的な架台等では太陽光パネル3を設置することが困難となる。一方、本発明の支持装置1であれば、前述のように突出長さにばらつきがあってもベース体4の高さ等を一定にするように取り付けることができる。
【0031】
なお、岩盤等の硬い地層に杭部材6が当たった場合、地中に打ち込まれる長さ自体は短くなるが、岩盤に支持されることにより、支持強度は十分得ることができる。
接続部材11は、本実施形態では、板状の部材で、その一端部が前記ボルト14及びナット15により、取付部材9に回転可能に取り付けられ、他端部に連結具10を備えている。
【0032】
ここで、本実施形態では、接続部材11が回転可能に取り付けられているとは、前記ボルト14及びナット15を締め付ける前において接続部材11が回転可能であり、ボルト14及びナット15を締めつけた状態においては、接続部材11は回転不能となるが、この接続部材11が回転可能な状態であっても、1対の接続部材11をベース体4に接続することにより、お互いの接続部材11同士がベース体4によって拘束され、取付状態においては回転不能となる。
【0033】
連結具10は本実施形態では、ボルト10a及びナット10bを用いており、このボルト10aをベース体4の透孔8に貫通させ、ナット10bを締め付けることにより、ベース体4を杭部材6に対して任意の角度で取り付ける。
【0034】
すなわち、この透孔8はベース体4に所定間隔を有して複数個設けられているため、ボルト10aを貫通させる透孔8の位置及び杭部材6に取付部材9を挟着させる位置(高さ)を適宜変えることにより、
図4に示すように、杭部材6を打ち込む位置を設置時の上下方向(
図4における左右方向)にずらしてもベース体4の角度や高さを所定の角度、高さにすることができる。
【0035】
この透孔8は、ベース体4の長さ方向に長孔状に形成してもよい。
本実施形態では、ベース体ユニット20を左右方向に複数個用いて、その上面に太陽光パネル支持部材7を架け渡すように取り付けて、この太陽光パネル支持部材7の上面に太陽光パネル3を取り付けるため、ベース体4の角度を所定の角度(任意の角度)に調整できない場合(杭部材とベース体が固定されている場合)、根が存在する部位のベース体4の角度や高さが他のベース体4と異なってしまい、適切に太陽光パネル支持部材7を取り付けることができなくなる。
【0036】
ベース体4に対して杭部材6を任意の位置に接続できるとともに、その角度を調節できることによって、樹木等の根が斜面の本来杭部材6を打ち込むべき部位に残っている状態であっても、この根を避けて杭部材6を斜面の上下方向にずらして打ち込み、かつ、ベース体4の角度を他のベース体ユニット20と同じ角度にすることができ、適切に太陽光パネル支持部材7を取り付けることができる。
【0037】
ところで、杭部材6には筋交い等(図示せず)を設けて強度を補強してもよい。
太陽光パネル支持部材7は、本実施形態では、左右方向に延在する断面視コ字状でレール状の部材で、ベース体4の上面に1対固定されており、この太陽光パネル支持部材7を介して間接的にベース体4に太陽光パネル3が取り付けられる。
【0038】
なお、この太陽光パネル支持部材7を用いずに、複数個のベース体ユニット20を支持装置1とし、複数個のベース体ユニット20に直接太陽光パネル3を取付けてもよい。
この支持装置1を使用した太陽光パネル用支持装置の設置方法16(以下、「設置方法」という)は、斜面2に複数個の杭部材6を打ち込んで挿入状態で設置する杭部材設置工程17と、該杭部材設置工程17で設置した杭部材に1対の接続手段5を介してベース体4を接続するベース体設置工程18と、ベース体設置工程後18に、前記複数個のベース体4の上部に架け渡すように太陽光パネル支持部材7を設置する支持部材設置工程19とで構成されている。
【0039】
本実施形態の杭部材設置工程17では、2つの杭部材6を斜面2にハンマーや杭打機等を用いて圧入状態で挿入し、設置する。この杭部材6はパイプ状の部材を用いているので、容易に打ち込むことができ、下穴等を削孔する必要がない。
【0040】
本実施形態においては、杭部材6を斜面2に対してほぼ直角に打ち込んでいるが、例えば鉛直方向に杭部材6を打ち込んでもよく、打ち込み角度は斜面2の状態や角度等にあわせて適宜変更することができる。
【0041】
ところで、杭部材6は、本実施形態では、円筒形状のものを用いているが、角筒形状のものを用いてもよい。
【0042】
この杭部材設置工程17で称される重機としては、例えば、ウインチを有する法面作業車21を用いて、ウインチのワイヤー22を斜面上部のアンカー23に固定して杭部材6を斜面に打ち込む。この法面作業車21は、1本のワイヤー22で支持されるものであってもよいし、2本のワイヤー22を斜めに引き出して、法面作業車21を支持するものであってもよい。
【0043】
この重機については、本願出願人が発明した様々な法面作業車(例えば、特許第3499478号、特許第5762859号、特開2018-3422号等)を使用してもよい。
【0044】
ベース体設置工程18では、杭部材設置工程17で設置した杭部材6に接続手段5の取付部材9を挟着状態で取り付けるとともに、連結具10をベース体4の所定の透孔8に挿入し、取り付ける。
【0045】
同様に他の杭部材6にベース体4を取り付け、複数個のベース体4を設置する。この時、複数個のベース体4の角度や高さが略同一となるように取付部材9の取り付け位置や連結具10を取り付ける透孔8の位置等を調節する。
【0046】
支持部材設置工程19では、太陽光パネル支持部材7をベース体4の上部に左右方向に延在するように取り付けて固定する。この太陽光パネル支持部材7の上部には太陽光パネル3が固定される。
なお、支持部材設置工程19を行わず、ベース体4の上部に太陽光パネル3を固定してもよい。
【0047】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、
図9乃至
図16に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図9乃至
図13に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、1つのベース体4に対して3つ以上の杭部材6を用いて支持したベース体設置工程18Aにした点で、このような支持装置1A及び設置方法16Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0048】
ところで、本実施形態のベース体設置工程18Aでは、斜面の左右方向に長いベース体4を設置し、3つ以上の杭部材6を用いてベース体4を支持している。
【0049】
この時、取付部材9が前記杭部材6の上下方向の任意の位置に取付けられるとともに、取付部材9に接続された接続部材11の連結具10が複数個の透孔8の任意の透孔8に挿入状態で接続されるので、斜面2の横方向に多少の高低差があっても、接続部材11の角度を変えてベース体4を接続することにより、杭部材6を斜面2に所定深さ以上挿入し、かつ、ベース体4の高さを一定に保った状態で設置することができる。
【0050】
なお、本実施形態では、ベース体4を上下方向に所定間隔を有して設け、この複数個のベース体4に架け渡すように上下方向に延在するように太陽光パネル支持部材7を取り付ける支持部材設置工程19Aを行っている。
【0051】
図14乃至
図16に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、アングル状の接続部材11Aを用いた接続手段5Aで杭部材6とベース体4を接続するベース体設置工程18Bにした点で、このような支持装置1B及び設置方法16Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は斜面に太陽光パネルを設置する産業等で利用される。
【符号の説明】
【0053】
1、1A、1B:太陽光パネル用支持装置、
2:斜面、 3:太陽光パネル、
4:複数個のベース体、 5、5A:接続手段、
6:杭部材、 7:太陽光パネル支持部材、
8:透孔、 9:取付部材、
10:連結具、 11、11A:接続部材、
12:突出部、 13:ボルト通し孔、
14:ボルト、 15:ナット、
16、16A、16B:太陽光パネル用支持装置の設置方法、
17:杭部材設置工程、
18、18A、18B:ベース体設置工程、
19、19A:支持部材設置工程、 20:ベース体ユニット。