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  • 特許-定電流交流電源装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】定電流交流電源装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/23 20200101AFI20220111BHJP
【FI】
H05B47/23
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018120652
(22)【出願日】2018-06-26
(65)【公開番号】P2020004522
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】321002112
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ インフラシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】井山 治
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-293776(JP,A)
【文献】特開2016-91600(JP,A)
【文献】特開平10-223379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/20
F21W 111/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された複数のカレントトランスの一次側に交流の定電流を流して前記複数のカレントトランスの二次側に接続された灯器に電力を供給する定電流交流電源装置であって、
前記複数のカレントトランスの一次側に流れる電流を検出する電流検出回路と、
前記複数のカレントトランス間の全体の電圧を検出する電圧検出回路と、
前記灯器が故障していない正常状態における前記電流検出回路で検出された電流と前記電圧検出回路で検出された電圧とに基づき出力電力量を算出し当該定電流交流電源装置から供給される皮相電力と前記灯器で消費される有効電力に基づき前記灯器の負荷力率を算出する算出部と、
前記算出部で算出された出力電力量と前記灯器の負荷電力容量との差分電力量が基準断芯容量以上かどうかを判定する基準断芯容量判定部と、
前記算出部で算出された負荷力率が基準負荷力率以下かどうかを判定する基準負荷力率判定部と、
前記基準断芯容量判定部で差分電力量が基準断芯容量以上と判定され且つ前記基準負荷力率判定部で負荷力率が基準負荷力率以下と判定された場合に、前記灯器の断芯警報を行う断芯警報部と、
を備えることを特徴とする定電流交流電源装置。
【請求項2】
前記基準断芯容量判定部で差分電力量が基準断芯容量以上と判定され且つ前記基準負荷力率判定部で負荷力率が基準負荷力率以下と判定された時間が所定時間を超えたかどうかを判定する時間判定回路を備えることを特徴とする請求項1記載の定電流交流電源装置。
【請求項3】
直流を前記交流の定電流に変換するとともに、前記灯器の明るさを複数段階に変えるために前記交流の定電流を複数段階に対応して調整するインバータと、
前記複数段階の各電流値時の負荷電力容量を記憶する負荷電力容量メモリと、
前記複数段階の各電流値時の負荷力率を記憶する負荷力率メモリと、
を備え、
前記基準断芯容量判定部は、前記複数段階の各電流値毎に前記基準断芯容量を設定し、
前記基準負荷力率判定部は、前記複数段階の各電流値毎に前記基準負荷力率を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の定電流交流電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直列接続されたカレントトランスの二次側に接続された灯器の航空灯火に対して、航空灯火の明るさに調光された定電流で電力を供給する定電流交流電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の定電流電源装置は、電流値検出回路が検出した出力電流の実効値または平均値と予め設定された基準電流値とが一致するように、主スイッチ素子のオンオフ比率を可変させて負荷に供給される出力電流が定電流となるように制御する制御回路と、出力電流波形検出回路が検出した出力電流波形の歪み成分と予め設定された基準値とを比較して、歪み成分が基準値以上のときに負荷の異常を判定する歪み検出回路とを設けている。
【0003】
特許文献2は、不点の検出精度を向上した航空灯火用電源装置、航空灯火および航空灯火システムである。航空灯火用電源装置は、アドレスを有する複数の航空灯火に対して点灯用の定電流を出力する定電流出力部を備える。航空灯火用電源装置は、出力電流の変化をパターン信号として出力することで航空灯火に対応するアドレスを指定するアドレス指定部を備える。パターン信号に応じて航空灯火の不点(断芯)状態を検出するための検査モードが設定されている。
【0004】
特許文献3は、 親局において個々の灯火の断芯監視ならびに個々の灯火の消灯、点灯制御等が可能な灯火断芯検出装置である。灯火断芯検出装置は、 定電流交流電源装置に複数の絶縁変流器の一次側を直列に接続すると共に、その二次側を端末器を介してランプに接続し、定電流電源装置の出力電流および出力端電圧を入力とし所定の処理を行い定電流電源装置に制御出力を出す親局から構成され、複数灯火の断芯を検出する灯火断芯検出装置において、親局は、灯火の断芯発生判定手段と断芯位置判定手段と制御情報発生手段と電源装置制御手段とから構成され、また各端末器は、制御情報検出手段と過電圧検出手段と演算制御手段と短絡開放手段とから構成されている。
【0005】
定電流交流電源装置の出力電圧あるいは電流波形から変流器の二次側が灯火の断芯等により開放したときに発生する歪みを検出することにより端末器から送出された監視情報を検出する断芯発生判定手段と、断芯発生判定手段の出力信号の状態に基づき監視情報の内容を判定して断芯灯火の位置を判定する断芯位置判定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-157456号公報
【文献】特開2015-185384号公報
【文献】特開平6-188076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1は、出力波形の歪み成分を検出する方法で、既存の航空灯火でランプ負荷の場合に適用される。近年のLED灯火の場合は、LED点灯装置の入力電流が非線形となり、LED灯器が故障しない正常状態においても非線形電流が流れ、出力波形が歪み異常を検出してしまう。
【0008】
特許文献2は、複数の各航空灯火にアドレスを設け、パターン信号の授受が必要となる。このためには、航空灯火が、既存のランプのみの負荷には適用できず、アドレスおよびパターン信号の授受を行う制御回路部が必要となる。
【0009】
特許文献3では、末端器には監視情報を送出する制御回路部が必要でまた定電流交流電源装置には出力電流波形につき所定箇所の出力電流の有無を所定間隔と回数で制御しディジタルコード化された制御情報を解読する制御部を前記定電流交流電源装置の出力電流波形に付加する電源装置制御手段が必要となる。
【0010】
本発明の課題は、出力波形の歪成分を検出することなく、非線形負荷でも電流を検出でき、末端器に監視情報を送出するおよび定電流交流電源装置に制御情報を解読する制御部と制御回路部を不要とする定電流交流電源装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る定電流交流電源装置は、直列に接続された複数のカレントトランスの一次側に交流の定電流を流して前記複数のカレントトランスの二次側に接続された灯器に電力を供給する定電流交流電源装置であって、前記複数のカレントトランスの一次側に流れる電流を検出する電流検出回路と、前記複数のカレントトランス間の全体の電圧を検出する電圧検出回路と、前記電流検出回路で検出された電流と前記電圧検出回路で検出された電圧とに基づき出力電力量を算出し当該定電流交流電源装置から供給される皮相電力と前記灯器で消費される有効電力に基づき前記灯器の負荷力率を算出する算出部と、前記灯器が故障していない正常状態における前記算出部で算出された出力電力量と前記灯器の負荷電力容量とをメモリに記憶しておき、その差分電力量が基準断芯容量以上かどうかを判定する基準断芯容量判定部と、前記算出部で算出された負荷力率が基準負荷力率以下かどうかを判定する基準負荷力率判定部と、前記基準断芯容量判定部で差分電力量が基準断芯容量以上と判定され且つ前記基準負荷力率判定部で負荷力率が基準負荷力率以下と判定された場合に、前記灯器の断芯警報を行う断芯警報部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、算出部が出力電力量と灯器の負荷力率を算出し、基準断芯容量判定部が出力電力量と負荷電力容量との差分電力量が基準断芯容量以上と判定し、基準負荷力率判定部は、負荷力率が基準負荷力率以下と判定した場合に、断芯警報部が灯器の断芯警報を行う。
【0013】
即ち、本発明は、灯器が故障していない正常状態において灯器に非線形電流が流れても、出力波形の歪成分を検出するものではなく、波形歪みに影響されない。このため、LED灯器のような入力が非線形負荷でも電流を検出できる。
【0014】
また、特許文献2,3のような末端器に監視情報を送出するおよび定電流交流電源装置に制御情報を解読する制御部と制御回路部が不要であり、既存のランプ負荷のみの航空灯火に適用できる。また、定電流交流電源装置側にも制御情報を解読する制御部が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例1に係る定電流交流電源装置の構成図である。
図2】本発明の実施例1に係る定電流交流電源装置の負荷電力量メモリ内の各電流値に対する各負荷電力量を示す図で、航空灯火を調光する5段階の電流値がある。
図3】本発明の実施例1に係る定電流交流電源装置の負荷力率メモリ内の各電流値に対する各負荷力率を示す図である。
図4】本発明の実施例1に係る定電流交流電源装置の各部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係る定電流交流電源装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
定電流交流電源装置1は、例えば、飛行場灯火電源装置であり、直列に接続された複数のカレントトランス2-1~2-8の一次側に交流の定電流を流して複数のカレントトランス2-1~2-8の二次側に接続された灯器3-1~3-8に電力を供給する。
【0018】
ここでは、複数のカレントトランス、灯器をそれぞれ8個としたが、この個数に限定されるものではなく、その他の個数であっても良い。灯器3-1~3-8は、本発明の負荷であり、ランプや非線形電流が流れるLEDであり、航空灯火である。
【0019】
定電流交流電源装置1は、AC/DCコンバータ10、インバータ11、トランス12、変流器13、電流検出回路14、電圧検出回路15、出力電力量算出部16、負荷力率算出部17、負荷電力容量メモリ18、負荷力率メモリ19、差分電力量算出部20、実測負荷力率部21、基準断芯容量判定部22、基準負荷力率判定部23、アンド判定部24、時間判定回路25、断芯警報部26を備える。
【0020】
出力電力量算出部16、負荷力率算出部17、差分電力量算出部20、実測負荷力率部21、基準断芯容量判定部22、基準負荷力率判定部23、アンド判定部24、時間判定回路25は、マイクロコンピュータで構成される。なお、マイクロコンピュータの代わりに、アナログ回路で構成しても良い。
【0021】
AC/DCコンバータ10は、交流(AC)を直流(DC)に変換して、直流をインバータ11に出力する。インバータ11は、AC/DCコンバータ10からの直流を所定の交流に変換してトランス12に出力する。トランス12は、電圧を高電圧、例えば4600Vに昇圧し、AC/DCコンバータ10からの交流により複数のカレントトランス2-1~2-8の一次側に定格6.6Aの定電流を流す。
【0022】
変流器13は、検出巻線を有し、複数のカレントトランス2-1~2-8の一次側の巻線に流れる定電流の電流値に応じて検出巻線に発生した電圧を電流検出回路14に出力する。なお、変流器13の代わりに、電流センサを用いても良い。
【0023】
電流検出回路14は、変流器13からの電圧に応じて、直列接続とした複数のカレントトランス2-1~2-8の一次側に流れる電流を検出する。電圧検出回路15は、複数のカレントトランス2-1~2-8間、即ち、トランス12の二次巻線の電圧を検出する。
【0024】
出力電力量算出部16は、本発明の算出部に対応し、電流検出回路14で検出された電流と電圧検出回路15で検出された電圧とに基づき出力電力量を算出する。負荷力率算出部17は、本発明の算出部に対応し、当該定電流交流電源装置から供給される皮相電力と灯器3-1~3-8で消費される有効電力に基づき灯器3-1~3-8の負荷力率を算出する。
【0025】
負荷電力容量メモリ18は、灯器が故障していない正常状態における定格電流時の負荷電力容量を記憶する。負荷力率メモリ19は、5段階の各電流値の負荷力率を記憶する。負荷力率メモリ19は、灯器3-1~3-8がLEDの場合に、基準負荷力率例えば85%以下を記憶する。
【0026】
差分電力量算出部20は、灯器が故障していない正常状態における出力電力量算出部16で算出された出力電力量と灯器の負荷電力容量との差分電力量を算出する。基準断芯容量判定部22は、差分電力量算出部20で算出された出力電力量と灯器の負荷電力容量との差分電力量が基準断芯容量以上かどうかを判定する。
【0027】
実測負荷力率部21は、負荷力率算出部17で算出された実測負荷力率を基準負荷力率判定部23に出力する。実測負荷力率部21は、灯器3-1~3-8がLEDの場合に、灯器が故障していない正常状態における力率から5%低下させた例えば85%を負荷力率メモリ19から基準負荷力率として読み出し、負荷力率算出部17で算出された実測負荷力率と基準負荷力率とを基準負荷力率判定部23に出力する。基準負荷力率判定部23は、灯器3-1~3-8がLEDの場合に、負荷力率算出部17で算出された実測負荷力率が基準負荷力率以下の場合に、その旨をアンド判定部24に出力する。
【0028】
基準負荷力率判定部23は、実測負荷力率部21からの負荷力率が基準負荷力率以下かどうかを判定する。アンド判定部24は、基準断芯容量判定部22で差分電力量が基準断芯容量以上と判定され且つ基準負荷力率判定部23で負荷力率が基準負荷力率以下と判定されたかどうかを判定する。
【0029】
時間判定回路25は、基準断芯容量判定部22で差分電力量が基準断芯容量以上と判定され且つ基準負荷力率判定部23で負荷力率が基準負荷力率以下と判定された時間が所定時間、例えば10秒を超えたかどうかを判定する。
【0030】
断芯警報部26は、時間判定回路25が判定された時間が所定時間を超えたと判定した場合に、灯器3-1~3-8の断芯警報を行う。
【0031】
なお、インバータ11は、直流を交流の定電流に変換するとともに、灯器3-1~3-8の明るさを複数段階、例えば5段階に変えるために交流の定電流を5段階に対応して調整する。例えば、6.6A、5.2A、4.1A、3.4A、2.8Aの5段階に調光する。
【0032】
また、負荷電力容量メモリ18は、灯器が故障していない正常状態での図2に示すように5段階の各電流値I~I時の負荷電力容量W~Wを記憶する。負荷力率メモリ19は、図3に示すように、5段階の各電流値I~I時の負荷力率PF~PFを記憶する。
【0033】
基準断芯容量判定部22は、5段階の各電流値毎に基準断芯容量を設定する。即ち、各電流値I~I毎に、出力電力量の例えば5%減以下の出力容量低減(出力電力95%以下)を設定する。基準負荷力率判定部23は、5段階の各電流値毎に基準負荷力率、例えば遅れ95%を設定する。断芯警報部26は、5段階の各電流値毎に断芯警報を行う。また、灯器の場合は、例えば遅れ85%を設定する。
【0034】
次にこのように構成された実施例1の定電流交流電源装置1の動作を図2に示すフローチャートを参照しながら、詳細に説明する。
【0035】
まず、定電流交流電源装置1から複数のカレントトランス2-1~2-8の一次側に定電流を流して二次側に接続された灯器3-1~3-8に電力を供給する。定電流交流電源装置1は、灯器の明るさに調光された定電流で電力を供給する。
【0036】
ここで、例えば、灯器3-7,3-8のランプが断芯(点線×印で示す。)すると、断芯したカレントトランス2-7,2-8の二次側がオープンとなる。すると、断芯したカレントトランス2-7,2-8が飽和し、他の直列に接続された灯器3-1~3-6は、定電流で供給されているので、残りの灯器3-1~3-6は、正常に点灯する。
【0037】
正常時には、ランプは、抵抗分とみなし、灯器としては力率100%となる。灯器3-7,3-8が断芯すると、断芯したカレントトランス2-7,2-8が飽和し、正常なランプが抵抗分で力率100%であっても飽和したカレントトランス2-7,2-8により遅れ無効電流が流れ、力率は100%から低下する。なお、灯器の断芯(消灯)台数が増加すると、力率はさらに低下する。
【0038】
また、灯器が断芯すると、ランプに供給する電力が断芯分の容量低下し、定電流交流電源装置の出力電力が低下する。
【0039】
このため、電流検出回路14は、複数のカレントトランス2-1~2-8の一次側に流れる出力電流を検出する(ステップS11)。電圧検出回路15は、複数のカレントトランス2-1~2-8の間の出力電圧を検出する(ステップS12)。
【0040】
さらに、出力電力量算出部16が電流検出回路14からの出力電流と電圧検出回路15からの出力電圧とに基づき出力電力量を算出する(ステップS13)。負荷力率算出部17が定電流交流電源装置の皮相電力と灯器3-1~3-6の有効電力とに基づき負荷力率を算出する(ステップS14)。
【0041】
ここで、定電流交流電源装置を現地に設置し、航空灯火システムとして運用開始時に灯器に接続し灯器が故障していない正常状態で全てを点灯させて、定格電流時の負荷電力容量を負荷電力容量メモリ18に記憶する。
【0042】
基準断芯容量判定部22は、差分電力量算出部20で算出された出力電力量と灯器の負荷電力容量との差分電力量が基準断芯容量以上かどうかを判定する(ステップS15,S16)。予め設定した灯器の断芯数(断芯容量)、例えば5%以上の灯器の断芯があった場合には、その旨をアンド判定部24に出力する。
【0043】
基準負荷力率判定部23は、実測負荷力率部21からの負荷力率が基準負荷力率、例えば95%以下かどうかを判定する(ステップS17)。LEDの基準負荷力率は、例えば、85%である。
【0044】
基準断芯容量判定部22で差分電力量が基準断芯容量以上と判定され且つ基準負荷力率判定部23で負荷力率が基準負荷力率以下と判定された時間が10秒を超えた場合には(ステップS18)、断芯警報部26は、断芯を警報する(ステップS19)。
【0045】
このように実施例の定電流交流電源装置によれば、算出部16,17が出力電力量と灯器の負荷力率を算出し、基準断芯容量判定部22が出力電力量と負荷電力容量との差分電力量が基準断芯容量以上と判定し、基準負荷力率判定部23は、負荷力率が基準負荷力率以下と判定した場合に、断芯警報部26が灯器の断芯警報を行う。
【0046】
即ち、本発明は、LED灯器のように灯器が故障していない正常状態において灯器に非線形電流が流れても、出力波形の歪成分を検出するものではなく、波形歪みに影響されない。このため、LED灯器のような入力が非線形負荷でも電流を検出できる。LED灯器の場合は、灯器3-1~3-8がLED灯器(LED駆動回路を含む)に変わる。
【0047】
また、特許文献2,3のような末端器に監視情報を送出するおよび定電流交流電源装置に制御情報を解読する制御部と制御回路部が不要であり、既存のランプ負荷のみの航空灯火に適用できる。また、定電流交流電源装置側にも制御情報を解読する制御部が不要となる。
【0048】
また、単に負荷容量が低下した場合には、力率が100%で変わらないが、本発明は、負荷容量の低下と断芯時の力率低下とをアンド判定部24によるアンド条件で処理しているため、断芯を正確に検出できる。
【符号の説明】
【0049】
1 定電流交流電源装置
2-1~2-8 カレントトランス
3-1~3-8 灯器
10 AC/DCコンバータ
11 インバータ
12 トランス
13 変流器
14 電流検出回路
15 電圧検出回路
16 出力電力量算出部
17 負荷力率算出部
18 負荷電力容量メモリ
19 負荷力率メモリ
20 差分電力量算出部
21 実測負荷力率部
22 基準断芯容量判定部
23 基準負荷力率判定部
24 アンド判定部
25 時間判定回路
26 断芯警報部













図1
図2
図3
図4