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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】止水構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 5/02 20060101AFI20220111BHJP
   F16J 15/06 20060101ALI20220111BHJP
   F16J 15/14 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
F16L5/02 J
F16J15/06 N
F16J15/06 L
F16J15/14 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018234537
(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公開番号】P2020094665
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】國分 和己
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-060460(JP,A)
【文献】特開2012-026498(JP,A)
【文献】特開昭63-297886(JP,A)
【文献】特開平07-248078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 5/00-5/14
F16J 15/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁体の開口部と当該開口部に挿通された挿通部材との隙間から室内への浸水を防止する止水構造であって、
前記挿通部材の外周面を囲う外囲部を有して前記壁体の外壁面に取り付けられた止水フードと、前記外壁面と前記止水フードの上縁部及び左右の側縁部との取り合いを封止する第1シール部と、前記挿通部材と前記外囲部との隙間を封止する第2シール部と、前記開口部と前記挿通部材との隙間を封止する第3シール部と、前記外壁面と前記止水フードとの間に形成されて前記止水フードの内部に浸入した水を流下させて前記止水フードの下方に排出する排水経路部とが含まれており、
前記止水フードは、前記外囲部の上部側を含む下向きU字状の上側フード体と、前記外囲部の下部側を含むU字状の下側フード体とを有する上下二分割構造で、前記下側フード体の上部側が前記上側フード体の内部に入り込んだ状態で前記外壁面に取り付けられている止水構造。
【請求項2】
壁体の開口部と当該開口部に挿通された挿通部材との隙間から室内への浸水を防止する止水構造であって、
前記挿通部材の外周面を囲う外囲部を有して前記壁体の外壁面に取り付けられた止水フードと、前記外壁面と前記止水フードの上縁部及び左右の側縁部との取り合いを封止する第1シール部と、前記挿通部材と前記外囲部との隙間を封止する第2シール部と、前記開口部と前記挿通部材との隙間を封止する第3シール部と、前記外壁面と前記止水フードとの間に形成されて前記止水フードの内部に浸入した水を流下させて前記止水フードの下方に排出する排水経路部とが含まれており、
前記外囲部は、前記挿通部材の外周面に対向する内周面を有し、
前記第2シール部は、前記挿通部材の外周面と前記外囲部の内周面とにわたる二面接着で二面間を封止している止水構造。
【請求項3】
壁体の開口部と当該開口部に挿通された挿通部材との隙間から室内への浸水を防止する止水構造であって、
前記挿通部材の外周面を囲う外囲部を有して前記壁体の外壁面に取り付けられた止水フードと、前記外壁面と前記止水フードの上縁部及び左右の側縁部との取り合いを封止する第1シール部と、前記挿通部材と前記外囲部との隙間を封止する第2シール部と、前記開口部と前記挿通部材との隙間を封止する第3シール部と、前記外壁面と前記止水フードとの間に形成されて前記止水フードの内部に浸入した水を流下させて前記止水フードの下方に排出する排水経路部とが含まれており、
前記止水フードの前記上縁部及び前記左右の側縁部には、前記外壁面にビス止めされる溝部と、当該溝部の外縁から外周方向に突出して前記外壁面との間に隙間を形成する外縁部とが形成され、
前記第1シール部には、前記溝部における前記外壁面との対向面に貼り付けられた防水テープと、前記溝部の内部に施された第1止水シールと、前記外壁面と前記外縁部との隙間に施された第2止水シールとが含まれている止水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁体の開口部と当該開口部に挿通された挿通部材との隙間から室内への浸水を防止する止水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような止水構造としては、例えば、壁体の開口部と当該開口部に挿通された挿通部材(ダクト本体)との隙間から室内への浸水を防止する壁貫通部閉塞装置がある(例えば特許文献1参照)。
この壁貫通部閉塞装置は、ダクト本体の外周部に鍔状に装着された第1フランジ(水切りフランジ5)と、第1フランジに接続される第2フランジ(水切りフランジ4と下部挿入フランジ13)と、第2フランジに接続される挿入形の第3フランジ(水切りフランジ9)と、開口部の下方において壁体と第2フランジと第3フランジとの間に形成される空間を封入するパッキンとを有している。そして、第2フランジと第3フランジとの隙間、及び、第3フランジと壁体との隙間に対しては、コーキング材による防水処理が施されている。又、締付具のワッシャ部にゴムパッキンが挿入されることにより、第1フランジと第2フランジとの締付具による接続箇所、及び、第2フランジと第3フランジとの締付具による接続箇所には、ゴムパッキンによる防水処理が施されている。
上記の構成により、この壁貫通部閉塞装置は、壁体の開口部とダクト本体との隙間から室内への浸水を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭63-120038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の壁貫通部閉塞装置においては、第2フランジと第3フランジとの隙間、及び、第3フランジと壁体との隙間に、コーキング材による水切り処理が施されることで、それらの隙間を封止するシール部が形成されている。
しかしながら、特許文献1に記載の壁貫通部閉塞装置においては、第1フランジと第2フランジとの接合面間、及び、壁体の開口部とダクト本体との隙間、などは封止されていないことから、雨水などが、第1フランジと第2フランジとの接合面間から壁貫通部閉塞装置内に浸入することがあり、この場合には、壁貫通部閉塞装置内に浸入した雨水などが壁体の開口部とダクト本体との隙間を通って室内に浸入することになる。又、例えば、コーキング材によるシール部に亀裂や剥がれなどが生じて雨水などが壁貫通部閉塞装置内に浸入した場合にも、その雨水などが壁体の開口部とダクト本体との隙間を通って室内に浸入することになる。
しかも、特許文献1に記載の壁貫通部閉塞装置は、開口部の下方において壁体と第2フランジと第3フランジとの間に形成される空間を封入するパッキンを有することから、壁貫通部閉塞装置内に浸入した雨水などがパッキン上に滞留することになる。その結果、壁貫通部閉塞装置内の雨水などが、壁体の開口部とダクト本体との隙間から室内に浸入し易くなる。
つまり、特許文献1に記載の壁貫通部閉塞装置は、止水構造としては不十分であり、止水性の面で改善の余地がある。
【0005】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、壁体の開口部と当該開口部に挿通された挿通部材との隙間から室内への浸水をより確実に防止する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴構成は、壁体の開口部と当該開口部に挿通された挿通部材との隙間から室内への浸水を防止する止水構造において、
前記挿通部材の外周面を囲う外囲部を有して前記壁体の外壁面に取り付けられた止水フードと、前記外壁面と前記止水フードの上縁部及び左右の側縁部との取り合いを封止する第1シール部と、前記挿通部材と前記外囲部との隙間を封止する第2シール部と、前記開口部と前記挿通部材との隙間を封止する第3シール部と、前記外壁面と前記止水フードとの間に形成されて前記止水フードの内部に浸入した水を流下させて前記止水フードの下方に排出する排水経路部とが含まれており、
前記止水フードは、前記外囲部の上部側を含む下向きU字状の上側フード体と、前記外囲部の下部側を含むU字状の下側フード体とを有する上下二分割構造で、前記下側フード体の上部側が前記上側フード体の内部に入り込んだ状態で前記外壁面に取り付けられている点にある。
【0007】
本構成によれば、第1シール部により、壁体の外壁面と止水フードの上縁部及び左右の側縁部との取り合い箇所から止水フード内への雨水などの浸入を防止することができる。又、第2シール部により、挿通部材と止水フードの外囲部との隙間から止水フード内への雨水などの浸入を防止することができる。
そして、仮に第1シール部又は第2シール部に亀裂や剥がれなどが生じて雨水などが止水フード内に浸入しても、その雨水などが壁体の開口部と挿通部材との隙間から室内に浸入することを、第3シール部によって防止することができる。しかも、止水フード内に浸入した雨水などは、止水フード内に滞留することなく、排水経路部を流下して止水フードの下方に排出されることから、壁体の開口部と挿通部材との隙間に向けて流れ難くなる。
つまり、前述した各シール部による好適な止水機能と排水経路部による排水機能とを有することにより、壁体の開口部と挿通部材との隙間から室内への浸水をより確実に防止することができる。
【0009】
更に、本構成によれば、例えば、挿通部材が壁体の開口部に挿通された既設部材であったとしても、挿通部材に対する上下方向からの組み付け作業により、止水フードを、その外囲部が挿通部材の外周面を囲う状態で壁体の外壁面に取り付けることができる。そして、止水フードを壁体の外壁面に取り付けた状態では、下側フード体の上部側が上側フード体の内部に入り込んでいることから、上側フード体と下側フード体との隙間を封止するシール部を有することなく、上側フード体と下側フード体との隙間からの浸水を防止することができる。
つまり、シール打ち工程を追加することなく、既設の挿通部材に対する止水フードの後施工を可能にすることができ、結果、施工性の向上を図ることができる。
【0010】
本発明の第2特徴構成は、壁体の開口部と当該開口部に挿通された挿通部材との隙間から室内への浸水を防止する止水構造において、
前記挿通部材の外周面を囲う外囲部を有して前記壁体の外壁面に取り付けられた止水フードと、前記外壁面と前記止水フードの上縁部及び左右の側縁部との取り合いを封止する第1シール部と、前記挿通部材と前記外囲部との隙間を封止する第2シール部と、前記開口部と前記挿通部材との隙間を封止する第3シール部と、前記外壁面と前記止水フードとの間に形成されて前記止水フードの内部に浸入した水を流下させて前記止水フードの下方に排出する排水経路部とが含まれており、
前記外囲部は、前記挿通部材の外周面に対向する内周面を有し、
前記第2シール部は、前記挿通部材の外周面と前記外囲部の内周面とにわたる二面接着で二面間を封止している点にある。
【0011】
本構成によれば、第1シール部により、壁体の外壁面と止水フードの上縁部及び左右の側縁部との取り合い箇所から止水フード内への雨水などの浸入を防止することができる。又、第2シール部により、挿通部材と止水フードの外囲部との隙間から止水フード内への雨水などの浸入を防止することができる。
そして、仮に第1シール部又は第2シール部に亀裂や剥がれなどが生じて雨水などが止水フード内に浸入しても、その雨水などが壁体の開口部と挿通部材との隙間から室内に浸入することを、第3シール部によって防止することができる。しかも、止水フード内に浸入した雨水などは、止水フード内に滞留することなく、排水経路部を流下して止水フードの下方に排出されることから、壁体の開口部と挿通部材との隙間に向けて流れ難くなる。
つまり、前述した各シール部による好適な止水機能と排水経路部による排水機能とを有することにより、壁体の開口部と挿通部材との隙間から室内への浸水をより確実に防止することができる。
更に、本構成によれば、第2シール部が、例えば挿通部材の外周面と止水フードの外面とにわたる三角シールで挿通部材の外周面と止水フードの外囲部との隙間を封止する場合に比べて、壁体の伸縮などに対する第2シール部の追従性を高めることができ、第2シール部の剥がれなどによる止水性の低下を抑制することができる。
又、止水フードに第2特徴構成で記載した上下二分割構造を採用した場合であっても、給水管の外周面と止水フードの外囲部との隙間を第2シール部によって簡単かつ確実に封止することができる。
【0012】
本発明の第3特徴構成は、壁体の開口部と当該開口部に挿通された挿通部材との隙間から室内への浸水を防止する止水構造において、
前記挿通部材の外周面を囲う外囲部を有して前記壁体の外壁面に取り付けられた止水フードと、前記外壁面と前記止水フードの上縁部及び左右の側縁部との取り合いを封止する第1シール部と、前記挿通部材と前記外囲部との隙間を封止する第2シール部と、前記開口部と前記挿通部材との隙間を封止する第3シール部と、前記外壁面と前記止水フードとの間に形成されて前記止水フードの内部に浸入した水を流下させて前記止水フードの下方に排出する排水経路部とが含まれており、
前記止水フードの前記上縁部及び前記左右の側縁部には、前記外壁面にビス止めされる溝部と、当該溝部の外縁から外周方向に突出して前記外壁面との間に隙間を形成する外縁部とが形成され、
前記第1シール部には、前記溝部における前記外壁面との対向面に貼り付けられた防水テープと、前記溝部の内部に施された第1止水シールと、前記外壁面と前記外縁部との隙間に施された第2止水シールとが含まれている点にある。
【0013】
本構成によれば、第1シール部により、壁体の外壁面と止水フードの上縁部及び左右の側縁部との取り合い箇所から止水フード内への雨水などの浸入を防止することができる。又、第2シール部により、挿通部材と止水フードの外囲部との隙間から止水フード内への雨水などの浸入を防止することができる。
そして、仮に第1シール部又は第2シール部に亀裂や剥がれなどが生じて雨水などが止水フード内に浸入しても、その雨水などが壁体の開口部と挿通部材との隙間から室内に浸入することを、第3シール部によって防止することができる。しかも、止水フード内に浸入した雨水などは、止水フード内に滞留することなく、排水経路部を流下して止水フードの下方に排出されることから、壁体の開口部と挿通部材との隙間に向けて流れ難くなる。
つまり、前述した各シール部による好適な止水機能と排水経路部による排水機能とを有することにより、壁体の開口部と挿通部材との隙間から室内への浸水をより確実に防止することができる。
更に、本構成によれば、止水フードのビス止めによる穿孔箇所から止水フード内への浸水は、第1止水シールと防水テープとの二重止水構造で効果的に防止することができる。
又、壁体の外壁面と止水フードの上縁部及び左右の側縁部との隙間から止水フード内への浸水は、第2止水シールと防水テープとの二重止水構造で効果的に防止することができる。
つまり、止水フード内への浸水をより確実に防止することができ、結果、壁体の開口部と挿通部材との隙間から室内への浸水をより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】止水構造を示す要部の縦断正面図
図2】止水構造を示す要部の縦断側面図
図3】止水構造を示す要部の横断平面図
図4】第1シール部の構成などを示す要部の拡大縦断側面図
図5】第2シール部及び第3シール部の構成などを示す要部の拡大縦断側面図
図6】止水フードにおける上側フード体の構成を示す正面図
図7】止水フードにおける下側フード体の構成を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態の一例を図面に基づいて説明する。
なお、本発明に係る止水構造は、建物の外壁における設備貫通部の止水対策に適用することができ、特に、設備貫通部の改修工事や設備の更新工事などに好適に適用することができる。
【0016】
図1~2に示すように、本実施形態に例示された止水構造は、建物の外壁を形成する壁体の一例である断熱パネル1に形成された開口部1Aと、この開口部1Aに挿通された挿通部材の一例である給水管2との隙間から室内3への浸水を防止している。
【0017】
図2~5に示すように、断熱パネル1には、2枚の耐食性鋼板10の間に断熱材11が挟まれて一体化された金属断熱サンドイッチパネルが採用されている。開口部1Aは、給水管2の直径よりも大径の円形に形成されている。開口部1Aには、その小口面の断熱材11を覆い隠すように第1アルミテープ12が貼り付けられている。そして、この第1アルミテープ12にて開口部1Aの内周面が形成されている。
【0018】
図2~3、図5に示すように、給水管2には、断熱パネル1の外壁面1Bから屋外に延びる給水管2の露出部2Aを覆うチューブ状の保温材20が含まれている。つまり、給水管2は、その露出部2Aの外周面が保温材20の外周面によって形成されている。
【0019】
図1~7に示すように、止水構造には、給水管2における露出部2Aの外周面を囲う外囲部4Aを有して断熱パネル1の外壁面1Bに取り付けられた止水フード4が含まれている。止水フード4は、断熱パネル1の外壁面1Bからの出幅が短い(例えば30mm程度)薄型の箱状に形成されている。止水フード4は、外囲部4Aの上部側を含む下向きU字状の上側フード体40と、外囲部4Aの下部側を含むU字状の下側フード体41とを有する上下二分割構造で、下側フード体41の上部側が上側フード体40の内部に入り込んだ状態で外壁面1Bに取り付けられている。上側フード体40と下側フード体41には、断熱パネル1の表面材と同じ耐食性鋼板が採用されている。
【0020】
図1~6に示すように、上側フード体40は、断熱パネル1の外壁面1Bに対向する縦壁部40A、縦壁部40Aの上縁において屈曲形成された上縁部40B、及び、縦壁部40Aの左右の側縁において屈曲形成された左右の側縁部40C、などを有して、断熱パネル1の外壁面1Bからの出幅が短い薄型の箱状に形成されている。そして、屈曲形成によって突き合わされる上縁部40Bの左右の両側縁と左右の側縁部40Cの上縁とが溶接されている。上側フード体40には、縦壁部40Aの下縁から上向きに切り込まれた凹部40Dが形成されている。上側フード体40は、凹部40Dの上縁が円弧状に形成されるとともに、凹部40Dの上縁において内向きに屈曲形成された円弧状の庇部40Eを有している。庇部40Eは、縦壁部40Aからの延出長さが、縦壁部40Aからの上縁部40B及び左右の側縁部40Cの延出長さよりも短い長さに設定されている。庇部40Eの底面には、その全域にわたって第2アルミテープ42が貼り付けられている。上縁部40Bと左右の側縁部40Cには、断熱パネル1の外壁面1Bに複数箇所がビス止めされる溝部40Ba,40Caと、これらの溝部40Ba,40Caの外縁から外周方向に突出して断熱パネル1の外壁面1Bとの間に隙間を形成する外縁部40Bb,40Cbとが形成されている。
【0021】
図1~5、図7に示すように、下側フード体41は、断熱パネル1の外壁面1Bに対向する縦壁部41A、縦壁部41Aの上縁において内向きに屈曲形成された左右の上縁部41B、及び、縦壁部40Aの左右の側縁において屈曲形成された左右の側縁部41C、などを有して、断熱パネル1の外壁面1Bからの出幅が短い薄型の箱状に形成されている。下側フード体41には、縦壁部41Aの上縁から下向きに切り込まれた凹部41Dが形成されている。下側フード体41は、凹部41Dの下縁が円弧状に形成されるとともに、凹部40Dの下縁において内向きに屈曲形成された円弧状の庇部41Eと、凹部41Dの左右の側縁において内向きに屈曲形成された左右の内壁部41Fとを有している。左右の側縁部41Cには、左右の内壁部41Fに対向する外壁部41Caと、断熱パネル1の外壁面1Bに複数箇所がビス止めされる端縁部41Cbとが形成されている。そして、屈曲形成によって突き合わされる各上縁部41Bの左右の側縁と左右の外壁部41Caの上縁と左右の内壁部41Fの上縁とが溶接されている。庇部41Eは、縦壁部41Aからの延出長さが、縦壁部41Aからの上縁部41B及び左右の側縁部41Cの延出長さよりも短い長さに設定されている。庇部41Eの上面には、その全域にわたって第2アルミテープ42が貼り付けられている。
【0022】
上記の構成により、止水フード4を断熱パネル1の外壁面1Bに取り付ける場合には、先ず、下側フード体41の庇部41Eが給水管2における露出部2Aの下半部を下方から囲う状態になるように、下側フード体41を断熱パネル1の外壁面1Bにビス止めする。その後、上側フード体40の庇部40Eが給水管2における露出部2Aの上半部を上方から囲う状態になるように、上側フード体40を断熱パネル1の外壁面1Bにビス止めする。これにより、断熱パネル1の外壁面1Bに対して、止水フード4を、上側フード体40の庇部40Eと下側フード体41の庇部41Eとで給水管2の露出部2Aを囲う円筒状の外囲部4Aが形成され、かつ、下側フード体41の上部側が上側フード体40の内部に入り込んだ状態となる適正な位置に簡単に取り付けることができる。
【0023】
止水フード4は、上記のように断熱パネル1の外壁面1Bに取り付けられた状態では、上側フード体40の上縁部40Bが止水フード4の上縁部となり、上側フード体40の左右の側縁部40Cが止水フード4の左右の側縁部となる。又、上側フード体40における上縁部40Bの溝部40Baと左右の側縁部40Cの溝部40Caとが止水フード4の溝部となり、上側フード体40における上縁部40Bの外縁部40Bbと左右の側縁部40Cの外縁部40Cbとが止水フード4の外縁部となる。そして、上側フード体40の庇部40Eと下側フード体41の庇部41Eとに貼り付けられた第2アルミテープ42により、給水管2における露出部2Aの外周面に対向する外囲部4Aの内周面が形成されている。
【0024】
図2~5に示すように、止水構造には、断熱パネル1の外壁面1Bと止水フード4の上縁部40B及び左右の側縁部40Cとの取り合いを封止する第1シール部5が含まれている。第1シール部5には、止水フード4の溝部40Ba,40Caにおける外壁面1Bとの対向面に貼り付けられた防水テープ50と、溝部40Ba,40Caの内部に施された第1止水シール51と、断熱パネル1の外壁面1Bと止水フード4の外縁部40Bb,40Cbとの隙間に施された第2止水シール52とが含まれている。
【0025】
防水テープ50は、断熱パネル1の外壁面1Bと止水フード4の各溝部40Ba,40Caとの間に介在することにより、断熱パネル1の外壁面1Bと止水フード4の各溝部40Ba,40Caとの間を封止している。この封止により、防水テープ50は、断熱パネル1の外壁面1Bと止水フード4の各溝部40Ba,40Caとの隙間から止水フード内への浸水、及び、各溝部40Ba,40Caのビス止めによる複数の穿孔箇所から止水フード内への浸水を防止している。防水テープ50には、防水性、気密性、防振性に優れ、又、高い柔軟性を有して粗面への接着性にも優れた粘着力の高いブチルテープなどを採用することができる。
【0026】
第1止水シール51は、止水フード4における各溝部40Ba,40Caの全長にわたって、変成シリコン系などのシーリング材が各溝部40Ba,40Caの内部に充填されることにより、各溝部40Ba,40Caをそれらの全長にわたって封止している。この封止により、第1止水シール51は、各溝部40Ba,40Caのビス止めによる複数の穿孔箇所から止水フード内への浸水を防止している。
【0027】
第2止水シール52は、止水フード4における各外縁部40Bb,40Cbの全長にわたって、変成シリコン系などのシーリング材が断熱パネル1の外壁面1Bと止水フード4の各外縁部40Bb,40Cbとの隙間に充填されることにより、その隙間を各外縁部40Bb,40Cbの全長にわたって封止している。この封止により、第2止水シール52は、断熱パネル1の外壁面1Bと止水フード4の各外縁部40Bb,40Cbとの隙間から止水フード内への浸水を防止している。
【0028】
第1シール部5には、各溝部40Ba,40Caの底面と第1止水シール51との間に介在する第1バックアップ材53と、各溝部40Ba,40Caの外壁部と第2止水シール52との間に介在する第2バックアップ材54とが含まれている。第1バックアップ材53は、第1止水シール51が各溝部40Ba,40Caの底面に接着することを阻止している。これにより、第1止水シール51は、各溝部40Ba,40Caにおいてそれらの内壁面と外壁面とにわたる二面接着でその二面間を封止している。第2バックアップ材54は、第2止水シール52が各溝部40Ba,40Caの外壁部に接着することを阻止している。これにより、第2止水シール52は、断熱パネル1の外壁面1Bと止水フード4の外縁部40Bb,40Cbとにわたる二面接着でその二面間を封止している。
【0029】
図1~3、図5に示すように、止水構造には、給水管2と止水フード4の外囲部4Aとの隙間を封止する第2シール部6が含まれている。第2シール部6は、給水管2における露出部2Aの外周面と止水フード4における外囲部4Aの内周面との間の全周にわたって、変成シリコン系などのシーリング材が充填されることにより、給水管2と外囲部4Aとの隙間を封止している。この封止により、第2シール部6は、給水管2と外囲部4Aとの隙間から止水フード内への浸水を防止している。第2シール部6は、断熱パネル1の外壁面1Bとの間に第3バックアップ材60が介在することにより、断熱パネル1の外壁面1Bへの接着が阻止されている。これにより、第2シール部6は、給水管2における露出部2Aの外周面と外囲部4Aの内周面とにわたる二面接着でその二面間を封止している。
【0030】
図2~3、図5に示すように、止水構造には、断熱パネル1の開口部1Aと給水管2との隙間を封止する第3シール部7が含まれている。第3シール部7には、開口部1Aの室内側と給水管2との隙間を封止する内側止水シール70と、開口部1Aの室外側と給水管2との隙間を封止する外側止水シール71と、内側止水シール70と外側止水シール71とを仕切る第4バックアップ材72とが含まれている。内側止水シール70は、開口部1Aにおける室内側の内周面と給水管2の外周面との間の全周にわたって、変成シリコン系などのシーリング材が充填されることにより、開口部1Aにおける室内側の内周面と給水管2の外周面との隙間を封止している。外側止水シール71は、開口部1Aにおける室外側の内周面と給水管2の外周面との間の全周にわたって、変成シリコン系などのシーリング材が充填されることにより、開口部1Aにおける室外側の内周面と給水管2の外周面との隙間を封止している。これにより、第3シール部7は、開口部1Aの内周面と給水管2の外周面とにわたる二面接着でその二面間を封止する内側止水シール70と外側止水シール71とを有する二重止水構造で、開口部1Aの内周面と給水管2の外周面との隙間から室内3への浸水を防止している。
【0031】
第3シール部7には、断熱パネル1における開口部1Aの周辺部と給水管2における保温材20の端面との隙間を封止する外部止水シール73と、給水管2の外周面と外部止水シール73との間に介在する第5バックアップ材74とが含まれている。外部止水シール73は、開口部1Aの周辺部と保温材20の端面との間の全周にわたって、変成シリコン系などのシーリング材が充填されることにより、開口部1Aの周辺部と保温材20の端面との隙間を封止している。この封止により、開口部1Aの周辺部と保温材20の端面との隙間から開口部側への浸水を防止している。外部止水シール73は、給水管2の外周面との間に第5バックアップ材74が介在することにより、給水管2の外周面への接着が阻止されている。これにより、外部止水シール73は、開口部1Aの周辺部と保温材20の端面とにわたる二面接着でその二面間を封止している。
【0032】
図2~5に示すように、止水構造には、断熱パネル1の外壁面1Bと止水フード4との間に形成されることで、止水フード4の内部に浸入した雨水などを流下させて止水フード4の下方に排出する排水経路部8が含まれている。排水経路部8は、断熱パネル1の外壁面1Bと止水フード4の下縁との間に形成された排出口8Aから止水フード内の雨水などを外部に排出する。
【0033】
以上の説明から明らかなように、この止水構造には、前述した第1シール部5と第2シール部6と第3シール部7と排水経路部8とが含まれている。これにより、断熱パネル1の外壁面1Bと止水フード4の上縁部4B及び左右の側縁部4Cとの取り合い箇所から止水フード内への雨水などの浸入は、第1シール部5によって防止することができる。又、給水管2と止水フード4の外囲部4Aとの隙間から止水フード内への雨水などの浸入は、第2シール部6によって防止することができる。そして、仮に第1シール部5又は第2シール部6に亀裂や剥がれなどが生じて雨水などが止水フード内に浸入した場合は、その雨水などが断熱パネル1の開口部1Aと給水管2との隙間から室内3に浸入することを、第3シール部7によって防止することができる。しかも、止水フード内に浸入した雨水などは、止水フード内に滞留することなく、排水経路部8を流下して排出口8Aから止水フード4の外部に排出されることから、断熱パネル1の開口部1Aと給水管2との隙間に向けて流れ難くなる。
つまり、この止水構造は、前述した各シール部5~6による好適な止水機能と排水経路部8による排水機能とを有することにより、断熱パネル1の開口部1Aと給水管2との隙間から室内3への浸水を好適に防止することができる。
【0034】
この止水構造においては、前述したように、止水フード4が上側フード体40と下側フード体41とを有する上下二分割構造で、下側フード体41の上部側が上側フード体40の内部に入り込んだ状態で断熱パネル1の外壁面1Bに取り付けられている。これにより、例えば、給水管2が既に断熱パネル1の開口部1Aに挿通されている既設部材であったとしても、給水管2に対する上下方向からの組み付け作業により、止水フード4を、その外囲部4Aが給水管2の外周面を囲う状態で断熱パネル1の外壁面1Bに取り付けることができる。そして、止水フード4を断熱パネル1の外壁面1Bに取り付けた状態では、下側フード体41の上部側が上側フード体40の内部に入り込んでいることから、上側フード体40と下側フード体41との隙間を封止するシール部を有することなく、上側フード体40と下側フード体41との隙間から止水フード内への雨水などの浸入を防止することができる。
つまり、シール打ち工程を追加することなく、既設の給水管2に対する止水フード4の後施工を可能にすることができ、結果、施工性の向上を図ることができる。
【0035】
又、止水フード4においては、下側フード体41における左右の端縁部41Cbの複数箇所(図1図7では3箇所ずつの合計6箇所)が断熱パネル1にビス止めされ、かつ、上側フード体40における各溝部40Ba,40Caの複数箇所(図1図6では3箇所ずつの合計9箇所)が断熱パネル1にビス止めされている。つまり、断熱パネル1に対する上側フード体40及び下側フード体41の固定箇所を多くすることにより、断熱パネル1に対する止水フード4の堅固な取り付けを可能にしている。特に、上側フード体40においては、その上縁部40Bと左右の側縁部40Cとの3辺に形成された各溝部40Ba,40Caの複数箇所がビス止めされていることから、断熱パネル1に対するより堅固な取り付けが可能になっている。
【0036】
そして、止水フード4は、その形状が薄型の箱状であることにより、風の影響によるガタツキが生じ難くなっている。これにより、止水フード4のガタツキに起因した各シール部5~7での剥がれが生じ難くなっており、その剥がれによる止水性の低下が抑制されている。
【0037】
この止水構造においては、前述したように、第1シール部5に防水テープ50と第1止水シール51と第2止水シール52とが含まれている。これにより、止水フード4のビス止めによる穿孔箇所から止水フード内への浸水は、第1止水シール51と防水テープ50との二重止水構造によって効果的に防止することができる。又、断熱パネル1の外壁面1Bと止水フード4の上縁部4B及び左右の側縁部4Cとの隙間から止水フード内への浸水は、第2止水シール52と防水テープ50との二重止水構造によって効果的に防止することができる。
つまり、止水フード内への浸水をより確実に防止することができ、結果、断熱パネル1の開口部1Aと給水管2との隙間から室内3への浸水をより確実に防止することができる。
【0038】
そして、第1シール部5においては、第1止水シール51が、止水フード4における上側フード体40の各溝部40Ba,40Caにおいてそれらの内壁面と外壁面とにわたる二面接着でその二面間を封止している。これにより、第1止水シール51が、例えば各溝部40Ba,40Caの内壁面と外壁面と底面とに接する三面接着で各溝部40Ba,40Caを封止する場合に比べて、止水フード4の伸縮などに対する第1止水シール51の追従性を高めることができ、第1止水シール51の剥がれなどによる止水性の低下を抑制することができる。
【0039】
又、第1シール部5においては、第2止水シール52が、断熱パネル1の外壁面1Bと止水フード4における上側フード体40の各外縁部40Bb,40Cbとにわたる二面接着でその二面間を封止している。これにより、第2止水シール52が、例えば断熱パネル1の外壁面1Bと上側フード体40の外縁部40Bb,40Cbと上側フード体40における溝部40Ba,40Caの外壁面とに接する三面接着で断熱パネル1の外壁面1Bと上側フード体40の外縁部40Bb,40Cbとの隙間を封止する場合に比べて、断熱パネル1の伸縮などに対する第2止水シール52の追従性を高めることができ、第2止水シール52の剥がれなどによる止水性の低下を抑制することができる。
【0040】
この止水構造においては、前述したように、第2シール部6が給水管2の外周面と止水フード4における外囲部4Aの内周面とにわたる二面接着でその二面間を封止している。これにより、止水フード4に前述した上下二分割構造を採用しても、給水管2の外周面と止水フード4の外囲部4Aとの隙間を第2シール部6によって簡単かつ確実に封止することができる。又、第2シール部6が、例えば給水管2の外周面と止水フード4における上側フード体40の縦壁部40Aとにわたる三角シールで給水管2の外周面と止水フード4の外囲部4Aとの隙間を封止する場合に比べて、断熱パネル1の伸縮などに対する第2シール部6の追従性を高めることができ、第2シール部6の剥がれなどによる止水性の低下を抑制することができる。
【0041】
この止水構造においては、前述したように、第3シール部7が、断熱パネル1における開口部1Aの内周面と給水管2の外周面とにわたる二面接着でその二面間を封止する内側止水シール70と外側止水シール71とを有する二重止水構造で、開口部1Aの内周面と給水管2の外周面との隙間から室内3への浸水を防止している。これにより、開口部1Aの内周面と給水管2の外周面との隙間から室内3への浸水を、前述した二重止水構造によって効果的に防止することができる。又、第3シール部7が、例えば断熱パネル1の外壁面1Bと給水管2の外周面とにわたる三角シールで開口部1Aの内周面と給水管2の外周面との隙間を封止する場合に比べて、断熱パネル1の伸縮などに対する第3シール部7の追従性を高めることができ、第3シール部7の剥がれなどによる止水性の低下を抑制することができる。
【0042】
これに加えて、第3シール部7においては、外部止水シール73が断熱パネル1における開口部1Aの周辺部と保温材20の端面とにわたる二面接着でその二面間を封止している。これにより、止水フード内に浸入した雨水などが断熱パネル1の開口部1Aと給水管2との隙間から室内3に浸入することを、より確実に防止することができる。又、断熱パネル1の伸縮などに対する外部止水シール73の追従性を高めることができ、外部止水シール73の剥がれなどによる止水性の低下を抑制することができる。
【0043】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。
なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0044】
(1)壁体1は、断熱パネル以外の例えばコンクリート壁や石膏ボードなどであってもよい。又、壁体1における開口部1Aの形状は、開口部1Aに挿通される挿通部材2の断面形状などに応じて種々の変更が可能である。
【0045】
(2)挿通部材2は、給水管2以外の例えば空調ダクト、ケーブルラック、又は、建築鋼材などであってもよい。
【0046】
(3)止水フード4は、外囲部4Aの上部側を含む下向きU字状の上側フード体40と、外囲部4Aの下部側を含むU字状の下側フード体41とを有する上下二分割構造で、かつ、下側フード体41の上部側が上側フード体40の内部に入り込まない状態(例えば、上側フード体40と下側フード体41との突合せ状態など)で壁体1の外壁面1Bに取り付けられることにより、上側フード体40と下側フード体41との隙間を封止するシール部が必要な構成であってもよい。
【0047】
(4)止水フード4は、外囲部4Aの左半部を含む右向きU字状の左側フード体と、外囲部4Aの右半部を含む左向きU字状の右側フード体とを有する左右二分割構造で、左側フード体と右側フード体との隙間を封止するシール部が必要な構成であってもよい。
【0048】
(5)止水フード4は分割不能に構成されていてもよい。又、止水フード4は、三分割以上に分割可能な分割構造であってもよい。
【0049】
(6)止水フード4は、その外囲部4Aが挿通部材2の外周面に対向する周縁部からなり、第2シール部6は、挿通部材2の外周面と止水フード4の外面(縦壁部40A,41A)とにわたる三角シールで挿通部材2の外周面と止水フード4の外囲部4Aとの隙間を封止する構成であってもよい。
【0050】
(7)止水フード4は、その上縁部40Bと左右の側縁部40Cとに、前述した溝部40Ba,40Caの代わりに、壁体1の外壁面1Bに複数箇所がビス止めされる端縁部が形成され、第1シール部5は、各端縁部の裏面に貼り付けられた防水テープ50のみで壁体1の外壁面1Bと止水フード4の端縁部との隙間を封止する構成であってもよい。
【0051】
(8)第3シール部7は、壁体1における開口部1Aの内周面と給水管2の外周面とにわたる二面接着でその二面間を封止する二面間シールと、壁体1の外壁面1Bと給水管2の外周面とにわたる三角シールとを有する二重止水構造で、開口部1Aの内周面と給水管2の外周面との隙間から室内3への浸水を防止する構成であってもよい。
【0052】
(9)第1シール部5においては、第1バックアップ材53及び第2バックアップ材54の代わりにボンドブレーカが採用されていてもよい。
【0053】
(10)止水フード4における外囲部4Aの形状は、外囲部4Aが囲う挿通部材2の断面形状などに応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 壁体
1A 開口部
1B 外壁面
2 挿通部材
3 室内
4 止水フード
4A 外囲部
5 第1シール部
6 第2シール部
7 第3シール部
8 排水経路部
40 上側フード体
40B 上縁部
40Ba 溝部
40Bb 外縁部
40C 側縁部
40Ca 溝部
40Cb 外縁部
41 下側フード体
50 防水テープ
51 第1止水シール
52 第2止水シール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7