(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】容器搬送システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/84 20060101AFI20220111BHJP
B65B 43/46 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
B65G47/84 B
B65B43/46 Z
(21)【出願番号】P 2018553429
(86)(22)【出願日】2017-04-14
(86)【国際出願番号】 IB2017052169
(87)【国際公開番号】W WO2017179022
(87)【国際公開日】2017-10-19
【審査請求日】2020-03-24
(31)【優先権主張番号】102016000038971
(32)【優先日】2016-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】503308405
【氏名又は名称】エス.アイ.ピー.エイ.ソシエタ’インダストリアリザッジオーネ プロゲッタジオーネ エ オートマジオーネ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【氏名又は名称】関口 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100152054
【氏名又は名称】仲野 孝雅
(72)【発明者】
【氏名】エウセビオネ エルネスト
(72)【発明者】
【氏名】カヴェッツァン パオロ
(72)【発明者】
【氏名】キエース ダニエレ
(72)【発明者】
【氏名】ゾッパス マッテオ
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-536265(JP,A)
【文献】特開昭59-156533(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02671825(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02447194(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02799349(EP,A1)
【文献】米国特許第08899002(US,B1)
【文献】米国特許第04239116(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/80,47/84-47/86,47,90-47/96
B65B 43/00-43/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性物質容器(3)を直線作動機から回転作動機に搬送するための搬送システム(1、100)であって、
-ピッキングゾーン(A)において前記直線作動機から容器を取り出し、前記ピッキングゾーン(A)から交換ゾーン(B)へ第1の軸(X)に沿って並進しやすく、その逆も同様である、第1の直線搬送装置(2)と、
-前記容器のためのシート(34)が周囲に設けられた回転作動機と協働し、前記第1の軸(X)に対して垂直な第2の軸(Z)の周りを回転しやすいホイール(32)と、
-前記交換ゾーン(B)において前記第1の直線搬送装置(2)から前記容器を取り出し、それらを前記シート(34)に搬送する少なくとも1つの第2の直線搬送装置(12、22、112)であって、前記第1の軸(X)に平行に前記交換ゾーン(B)から前記ホイール(32)に近いアンローディングゾーン(C)へ並進しやすく、その逆も同様である、少なくとも1つの第2の直線搬送装置(12、22、112)と、
を備え、
前記第1の直線搬送装置(2)は、前記容器を保持するための保持手段(8、108)を備え、少なくとも1つの前記第2の直線搬送装置(12、22、112)は、前記交換ゾーン(B)内の対応する保持手段(8、108)から前記容器を取り出すための把持手段(18、28、118)を備え、前記保持手段(8、108)は、前記把持手段(18、28、118)のピッチに等しい第1のピッチで等しく離間されており、
前記シート(34)は、前記第1のピッチとは異なる第2のピッチで等しく離間されており、
前記シート(34)は、前記ホイール(32)の周囲が鋸歯状の輪郭を有するように成形されて
おり、
前記少なくとも1つの第2の直線搬送装置の前記把持手段(18、28、118)は、グリッパであり、
容器がそれぞれのシート(34)に解放されると、それぞれのグリッパが開放されやすくなるように、前記グリッパのそれぞれのグリッパの開放および閉鎖を個別に、互いに独立した方法で作動させるように構成された作動手段が設けられる、
搬送システム。
【請求項2】
各々のシート(34)におけるホイール(32)の周囲の形状は、第1の湾曲ストレッチ(41)と、前記第1の湾曲ストレッチ(41)に近接する第2の湾曲ストレッチ(42)とを備え、前記第1の湾曲ストレッチと前記第2の湾曲ストレッチとの間に変曲点が存在する、請求項
1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記保持手段(8、108)は、前記第1の軸(X)に沿って整列され、前記把持手段(18、28、118)は、前記第1の軸(X)に対して並列に整列され、それによって、前記第1の直線搬送装置(2、102)および前記少なくとも1つの第2の直線搬送装置(12、22、112)が前記交換ゾーン(B)にあるときに、前記把持手段(18、28、118)は、それぞれの前記保持手段(8、108)に面する、請求項1
または2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記第2の軸(Z)に対して遠位直線搬送装置(12)と近位直線搬送装置(22)とからなり、互いに並進移動しやすい2つの第2の直線搬送装置が設けられている請求項1から
3のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記近位直線搬送装置(22)の前記把持手段(28)の各々を前記第2の軸(Z)に並行して個別に作動させるように構成された作動手段が設けられる、請求項
4に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記遠位直線搬送装置(12)および前記近位直線搬送装置(22)は、それぞれの把持手段(18、28)が拘束されるそれぞれのプレート(16、26)を備え、前記遠位直線搬送装置(12)および/または前記近位直線搬送装置(22)の把持手段は、前記第2の軸(Z)に並行なそれぞれの軸を中心として回転できるように、前記プレートに拘束されることが好ましい、請求項
4または
5に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記近位直線搬送装置(22)は、前記ホイール(32)によって規定される平面上に配置された平面上に配置される、請求項
4から
6のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項8】
前記容器(3)は、ボトルであり、前記直線作動機は、直線ブロー成形機であり、前記回転作動機は、ボトルを液体で満たすように構成された回転充填機であり、前記回転充填機は、前記ホイール(32)を含む、請求項1から
7のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項9】
前記第2のピッチは、前記第1のピッチよりも大きい、請求項1から
8のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第2の直線搬送装置(12、22、112)は、前記交換ゾーン(B)において前記第1の直線搬送装置(2)から直接前記容器(3)を取り出し、それらを前記シート(34)に直接搬送しやすい、請求項1から
9のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項11】
前記ホイール(32)によって、およびガイド(35)によって前記容器が懸架されたままであるように、前記ホイール(32)の周囲に沿って少なくとも部分的に配置された前記ガイド(35)が設けられる、請求項1から
10のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項12】
前記保持手段(8、108)の各保持手段は、前記容器を保持するために前記容器のネックに挿入されるように構成される、請求項1から
11のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項13】
請求項1に記載の搬送システムによって、熱可塑性物質容器を直線作動機から回転作動機へ搬送する方法であって、
ピッキングゾーン(A)内の直線作動機から容器を取り出し、それらを第1の直線搬送装置(2)によって第1の軸(X)に沿って前記ピッキングゾーン(A)から交換ゾーン(B)へ搬送するステップと、
前記交換ゾーン(B)において前記第1の直線搬送装置(2)から前記容器を取り出し、それらを、少なくとも1つの第2の直線搬送装置(12、22、112)によって、第2の軸(Z)の周りを回転するホイール(32)のシート(34)へ搬送し、回転作動機と協働するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
a)前記ピッキングゾーン(A)内の前記第1の直線搬送装置(2,102)による容器を取り出すステップと、
b)前記第1の直線搬送装置(2,102)を前記交換ゾーン(B)内に位置決めするために並進するステップと、
c)前記少なくとも1つの第2の直線搬送装置(12,22,112)を前記交換ゾーン(B)内に位置決めするために並進するステップと、
d)前記少なくとも1つの第2の直線搬送装置(12,22,112)によって前記第1の直線搬送装置(2,102)から前記容器を取り出すステップと、
e)前記少なくとも1つの第2の直線搬送装置(12,22,12)を、アンローディングゾーン(C)内に位置決めするために並進するステップと、
f)前記容器を前記少なくとも1つの第2の直線搬送装置(12,22,112)から前記ホイール(32)へ搬送するステップと、
g)前記ピッキングゾーン(A)において前記第1の直線搬送装置(2,102)を位置決めするために前記第1の直線搬送装置(2,102)から前記容器を並進し、ステップa)から繰り返すステップと、
を備える請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
定常状態条件において、ステップe)、f)およびc)が順番に実行される時間は、ステップg)、a)およびb)が順番に実行される時間と実質的に等しい、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記2つの直線搬送装置(12、22)は、前記容器を前記直線作動機から前記回転作動機へ搬送するために、順番に交互に配置されている請求項
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
熱可塑性容器、特にボトルを直線ブロー成形機から回転充填機へ移送する同期搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
PETボトルのような熱可塑性物質で作られた容器は、一般にブロー成形機によって作られる。直線ブロー成形機は、一般に使用されるタイプのブロー成形機である。直線ブロー成形機によって製造された後、容器は、通常は回転式の充填機に移され、そこで容器は液で充填される。既知の搬送システムの第1の課題は、その複雑さおよび寸法である。
【0003】
直線ブロー成形機と回転充填機との間の同期接続における更なる典型的な問題は、ブローピッチと充填ピッチとの間の差がしばしば生じる場合に生じる。
【0004】
直線ブロー成形機におけるピッチは、プレスにおける1つのブローキャビティと次のキャビティとの間の中心間隔であり、容器の大きさに応じて定義され、モールドの壁の構造耐性と両立するようにできるだけ小さく保つことを試みる。
【0005】
回転充填機のピッチは、充填機のホイールの周囲に沿った、充填される容器のシートと次にシートとの間の間隔である。
【0006】
また、この場合には、ピッチが容器の大きさに応じて定義されるが、典型的にはπの倍数であり、例えば、ρ=(πD)/ηであり、ここで、pはピッチであり、nはシートの数であり、Dは充填機のホイールのピッチ径である。
【0007】
ブロー成形機と充填機との間のピッチの差のこの欠点を回避するために、通常は、ブロー成形機のブローピッチにもはや制約されずに充填機のホイールに装填され得る容器の蓄積を生じやすい連結ベルトが2つの機械の間に使用される。
【0008】
ボトルの蓄積を作り出すためのシステムの代わりに、ピッチ変更システムがブローピッチから充填ピッチへ通過し、交換点における充填機のホイールと同じ周速を有する充填機のホイールまたは星形に容器を装填することを可能にするために、同期アプリケーションにおいて使用される。このような用途では、2つの機械の間の結線が典型的にはボトルを搬送するための複雑なチャックチェーンシステムによって達成される。
【0009】
しかしながら、公知の解決策は、搬送システムの全体サイズを不利に大きくしすぎ、システムを複雑にしすぎる。
【0010】
したがって、前述の問題を解決することができる搬送システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
直線作動機から回転作動機に同期して容器をより簡単で扱いにくくない方法で搬送する搬送システムを提供することが主な目的である。
【0012】
また、ブローピッチと充填ピッチの違いによっても、集積手段や他のピッチ変更システムを必要とすることなく、ピッチ変更を簡単に行うことができる搬送システムを提供することを目的とする。
【0013】
熱可塑性物質で作られた容器の搬送システムを直線作動機から回転作動機に提供することによって、本明細書の記載から明らかとなるこれらの目的および他の目的を達成し、搬送システムは、
-ピッキングゾーンAにおいて前記直線作動機から容器を取り出し、前記ピッキングゾーンAから交換ゾーンBへ第1の軸Xに沿って並進しやすく、その逆も同様である、第1の直線搬送装置と、
-前記容器のためのシートが周囲に設けられた回転作動機と協働し、前記第1の軸Xに対して垂直な第2の軸Zの周りを回転しやすいホイールと、
-前記交換ゾーンBにおいて前記第1の直線搬送装置から前記容器を取り出し、それらを前記シートに搬送する少なくとも1つの第2の直線搬送装置であって、前記第1の軸Xに平行に前記交換ゾーンBから前記ホイールに近いアンローディングゾーンCへ並進しやすく、その逆も同様である、少なくとも1つの第2の直線搬送装置と、
を備え、
前記第1の直線搬送装置2は、前記容器を保持するための保持手段8、108を備え、少なくとも1つの前記第2の直線搬送装置12、22、112は、前記交換ゾーンB内の対応する保持手段8、108から前記容器を取り出すための把持手段18、28、118を備え、前記保持手段8、108は、前記把持手段18、28、118のピッチに等しい第1のピッチで等しく離間されており、
前記シート34は、前記第1のピッチとは異なる第2のピッチで等しく離間されており、
前記シート34は、前記ホイール32の周囲が鋸歯状の輪郭を有するように成形されている。
【0014】
また、別の態様によれば、熱可塑性物質からなる容器を直線動作機械から回転動作機械に搬送する方法が提供され、この方法は、以下、
ピッキングゾーンA内の直線作動機から容器を取り出し、それらを第1の直線搬送装置によって第1の軸Xに沿って前記ピッキングゾーンAから交換ゾーンBへ搬送するステップと、
前記交換ゾーンBにおいて前記第1の直線搬送装置から前記容器を取り出し、それらを、少なくとも1つの第2の直線搬送装置によって、第2の軸Zの周りを回転するホイールのシートへ搬送し、回転作動機と協働するステップと、
を含む。
【0015】
有利なことに、交換ゾーンBとアンローディングゾーンCとの間に少なくとも1つの第2の直線搬送装置を設けることにより、容器の蓄積を生じる連結ベルトを設ける必要なく、また例えば複雑なチャックチェーンコンベヤに基づくシステムおよび/またはピッチ変更操作を設ける必要なく、寸法が大幅に低減される。
【0016】
より詳細には、ホイールの外周または外縁の構造が中間手段を用いずに、容器を少なくとも1つの第2の直線搬送装置からホイールに直接的に移すことができる。典型的には、第1の直線搬送装置から少なくとも1つの第2の直線搬送装置への容器の搬送装置も、中間手段なしで直接的に行われる。
【0017】
2つの第2の直線搬送装置が提供される場合、これらの作用は、有利には交互に作用して、充填機のホイールに継続的かつ一定の供給流を提供する。
【0018】
第1の直線搬送装置および/またはホイールは、それぞれ、直線ブロー成形機および充填機に一体化された構成要素とすることができる。
【0019】
好ましくは、搬送システムが容器を直線作動機から回転作動機に専ら搬送するように構成され、逆もまた同様ではない。
【0020】
好ましくは、ピッキングゾーンA、交換ゾーンB、およびアンローディングゾーンCは、軸Xに並行に順番に配置される。より詳細には、直線作動機、例えば直線ブロー成形機の後方のゾーンは、ピッキングゾーンAにあり、回転作動機、例えば回転充填機が配置されるゾーン、特にホイールが配置されるゾーンは、アンローディングゾーンCであり、交換ゾーンBは、ピッキングゾーンAとアンローディングゾーンCとの間にある。
【0021】
従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明による搬送システムの好ましいが排他的ではない実施形態の詳細な説明に照らして、より明らかになるのであろう。また、ある作動機械から別の作動機械へ容器を搬送する方法の例についても説明する。
【0023】
【
図1】
図1は、第1の動作位置における、第1の実施形態による搬送システムの上面図を示す、同じく非限定的な例として提供される添付の図面に関して、非限定的な例として説明する。
【
図4】
図4は、第2の動作位置における
図1のシステムの一部の斜視図である。
【
図7】
図7は、a)からj)に、本発明のシステムの動作中に生じる動作のシーケンスを示す。
【
図8】
図8は、I)からV)に、本発明のシステムの動作中に生じる動作のシーケンスを示す。
【
図12】
図12は、第2の実施形態の搬送システムの平面図である。
【0024】
図中の同じ参照番号は、同じ要素または構成要素を識別する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の好ましい実施形態の詳細な説明
熱可塑性容器を直線作動機から回転作動機(両方とも図示せず)に搬送するための搬送システム1の第1の実施形態が、
図1~11に関連して例示される。
【0026】
特に、本発明のシステムは、ボトルが製造された直線ブロー成形機から出てくるボトル3を、ボトルに液、例えば水を充填する回転式充填機に搬送するために使用することができる。
【0027】
典型的には、ボトルは、ネックリングとしても知られるリングを備えたネックを有し、熱可塑性物質、例えばポリエチレンテレフタレートで製造される。
【0028】
直線ブロー成形機の後方のゾーンは、ピッキングゾーンAまたはブロー成形機出口ゾーンと呼ばれる。直線ブロー成形機の後段には、説明のために第1の直線搬送装置2とも呼ばれる直線搬送装置2が設けられている。
【0029】
第1の直線搬送装置2は、可動部5が直線軸Xに沿って移動できるように、軌道7に摺動自在に拘束された往復台4を含む可動部5を有する。特に、第1の直線搬送装置2は、ピッキングゾーンAから交換ゾーンBに移動可能であり、第1の直線搬送装置2の往復台4を移動させるために、図示しない適当な作動手段、例えば、モータが設けられている。
【0030】
往復台4に加えて、第1の直線搬送装置2の可動部5は、軸Xに沿って配置された縦プレート6と、保持手段8とを備えている。
【0031】
特に、プレート6は、往復台4に固定され、往復台4には、直線ブロー成形機から出るボトル3のネックが拘束される複数の保持手段8が設けられている。好ましくは、キャリッジ4は、軸Xに沿ったプレート6の長手方向の延長の約半分に配置される。
【0032】
保持手段8は、好ましくはボトルのネックに挿入される把持装置、例えば、チャックであるが、他の種類の保持手段が提供されてもよい。それぞれの保持手段8は、例えば
図1に示すように、それぞれのボトル3を保持するように構成されており、保持手段8は、互いに等しく、軸Xに沿って整列され、直線ブロー成形機のピッチに等しい所定のピッチ、すなわち中心距離だけ離れている。この実施形態では、6つの保持手段8が設けられるが、異なった個数の保持手段、例えば、2、3、4、5または6つ以上の保持手段が設けられてもよい。
【0033】
回転充填機が配置されている区域をアンローディングゾーンCと呼び、ピッキングゾーンAとアンローディングゾーンCとの間に交換ゾーンBを設ける(
図1)。アンローディングゾーンCには、充填すべきボトルが配置されたホイール32、すなわち星形部材が設けられており、ホイール32の周囲にはボトル用のシート、特にボトル毎のシート34が設けられている。シート34は、ホイール32の外縁または外形に対して凹んでおり、好ましくは、ボトルのネックがシート34でホイールの上面に当接し、ボトルが懸架されたままであるように形作られる。
【0034】
好ましくは、搬送システムは、その全ての実施形態において、容器がホイール32およびガイド35によって懸架されたままであるように、ホイール32の周囲に沿って少なくとも部分的に配置されたガイド35または外側ガイドを含む。好ましくは、ガイド35は、ホイール32の外縁に実質的に追従する少なくとも1つの湾曲ストレッチを備え、任意選択で、直線ストレッチも含む。
【0035】
例えば、ホイール32には、ホイール32に入るとボトルのネックを支持するホイール32の周囲に少なくとも部分的に沿って配置された外側ガイド35(
図13)が設けられている。したがって、ボトルは、ホイール32上に懸架されたままであり、それらのネックの一方の部分は、それぞれのシート34によって支持され、ネックの他方の部分は、他の構成要素のより良い可視性のために
図1~
図12には示されていない外側ガイド35によって支持される。
【0036】
シート34は、直線搬送装置2の保持手段8のピッチと等しいか、または異なっている、例えば、より大きいピッチで等間隔に配置されている。ホイール32は、軸Xに垂直な回転軸である軸Zを中心に回転することができる。図示の実施形態では、回転は、反時計回りに起こり、軸Zは、ホイール32の中心を通過する。
【0037】
この第1の実施形態では、2つのさらなる直線搬送装置は、一方が他方の前に配置されて提供される。他の2つの直線搬送装置は、ホイール32の回転軸Zに対して遠位直線搬送装置12および近位直線搬送装置22と呼ばれる。
【0038】
遠位直線搬送装置12および近位直線搬送装置22は、キャリッジ14、24と、軸Xに平行な縦プレート16、26と、把持手段18、28とを備えるそれぞれの可動部15、25を備えている。特に、往復台14、24は、それに固定されたそれぞれのプレート16、26を有し、このプレートには、交換ゾーンBにあるボトルのネックを把持する複数の把持手段18、28が設けられている。
【0039】
好ましくは、近位直線搬送装置22は、ホイール32の上方に配置され、より詳細には、好ましくは、近位直線搬送装置22は、ホイール32によって規定される平面の上方に配置される。
【0040】
好ましくは、各キャリッジ14、24は、軸Xに沿ったそれぞれのプレート16、26の長手方向延長部のほぼ半分に配置される。各々の往復台14、24は、可動部15、25が軸Xに沿って移動できるように、それぞれのレール17、27に摺動自在に拘束されている。特に、各キャリッジ14、24は、軸Xに平行なその軸に沿って摺動する。
【0041】
好ましくは、近位直線搬送装置22のレール27は、ホイール32の作用直径に重ね合わされ、特に、ホイール27は、ホイール32の作用直径と交差し、ホイール32自身の上方に配置される。近位直線搬送装置22の可動部25は、それがアンローディングゾーンC(
図4、5)にあるとき、少なくとも部分的にホイール32の寸法内にあり、すなわち部分的に作用直径内にあり、ホイールの上にある。
【0042】
その代わり、遠位直線搬送装置12のレール17は、ホイール32の作用直径に重ね合わされず、すなわち完全にホイール32の外部に配置される。遠位直線搬送装置12の可動部15は、それがアンローディングゾーンC(
図1~3)にあるとき、ホイール32の寸法の外側にあり、換言すれば、ホイール32の半径方向外側(すなわち、作用直径の外側)にある。
【0043】
好ましくは、遠位直線搬送装置12および近位直線搬送装置22、したがってそれらのレール17、27は、直線ブロー成形機と回転充填機との間に配置された専用のフレーム上に設置される。第1の搬送装置2は、好ましくは直線ブロー成形機に接続される。
【0044】
遠位搬送装置12のキャリッジ14および近位搬送装置22のキャリッジ24を動かすために、適切な作動手段、好ましくはそれぞれ独立した作動手段が設けられている。
【0045】
好ましい変形例では、直線搬送装置12、22のプレート16、26と関連する把持手段18、28は、グリッパであり、各グリッパは、直線搬送装置2の保持手段8によって保持されたボトル3の一方のネックを外側から把持するように構成され、交換ゾーンBにおいて、各直線搬送装置12、22のグリッパ18、28の数は、第1の直線搬送装置2の保持手段8の数に等しい。さらに、各々の直線搬送装置12、22のグリッパ18、28は、軸Xに平行なそれぞれの軸に沿って整列され、第1の直線搬送装置2の保持手段8のピッチに等しいピッチでそれらの間に間隔を置かれる。典型的には、第1の直線搬送装置2および遠位直線搬送装置12が交換ゾーンBにあるとき、それぞれの把持手段18は、軸Zに並行なそれぞれの軸に沿って、それぞれの保持手段8と整列するか、または対向する。
【0046】
それぞれのグリッパ18、28は、それぞれのプレート16、26に拘束され、それぞれのキャリッジ14、24に対して遠位方向に延びるアーム19、29(
図3、4)を含む。アーム19、29には、グリッパを形成するように、そこにヒンジ結合された2つの顎または爪が設けられている。顎は、グリッパ18、28が開放または閉鎖されるように、互いの方へまたは互いの方へ動かされ得る。特に、グリッパ18、28が閉じた位置、すなわち、ボトルネックの把持位置にあるとき、それらの顎は、同じ軸X(
図1)に沿って整列される。これは、第1の直線搬送装置2、遠位直線搬送装置12および近位直線搬送装置22が把持手段18、28に拘束されたボトルおよび保持手段8に拘束されたボトルが同軸Xに沿って実質的に整列されるように構成されていることを意味する。
【0047】
有利には、各グリッパの開閉を単独で、好ましくは相互に依存して作動させるように構成された作動手段(図示せず)がグリッパ18、28に設けられる。例えば、このような作動手段は、電気弁または他の電気的および/または空気圧的に制御される手段の一式とすることができる。空気圧制御手段の場合、空気圧供給は、プレートを通して行うことができる。グリッパのこの独立した構成は、特に、ホイール32のそれぞれのシート34内への容器の解放の瞬間に、各々の単一のグリッパの開口部を可能にするために必要とされる。
【0048】
好ましくは、近位直線搬送装置22のグリッパ28は、それぞれの作動手段(例えばシリンダ33)に拘束され、これもまた個々のグリッパ28の軸Zに並進運動を許容する(
図4、
図5、
図6)。特に、シリンダ33は、ボトルをホイール32のそれぞれのシート34から解放した直後に、グリッパ28を持ち上げることができる。
【0049】
好ましくは、特に基準値10および基準値11に関して、近位直線搬送装置22のグリッパ28は、遠位直線搬送装置12のグリッパ18と衝突したときに、軸Zに並行な軸を中心に回転できるようにプレート26に拘束される。特に、衝突は、可動部15、25の相互に逆方向の並進運動中に偶発的に起こり得る。例えば、グリッパ28は、特にそのアーム29によって、プレート26に単独でヒンジ止めされている。好ましくは、センサ装置(図示せず)、例えば光電セルは、グリッパ28の位置を検出するために、特に1個以上のグリッパが作業位置に対して回転しているかどうかを検出するために設けられ、この実施形態では、アームは、プレートに対して実質的に垂直に配置される。衝突により1つ以上のグリッパ28が回転すると、センサは、搬送システムを遮断する信号を送る。このようにして、搬送システム1の部品の誤動作および破損を回避するために、安全システムが有利に設けられる。
【0050】
これに代えてまたはこれに加えて、遠位直線搬送装置12は、軸Zに並行な軸の周りを回転できるようにプレート16に拘束されたグリッパ18を備えた前述の安全システムを備えることができる。
【0051】
グリッパ28がホイール32のそれぞれのシート34から容器を解放した直後に持ち上げられない場合には、グリッパ18と衝突する事態に加えて、軸Zに並行な軸を中心としたグリッパ28の回転も行うことができる。
【0052】
ここで説明した実施形態は排他的ではないが、特に、0.1~12リットルの能力を有する容器、特にボトルを搬送しやすい。
【0053】
本発明のこのシステムは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上のキャビティを有するブロー成形機の場合に使用することができる。
【0054】
図12において、搬送システム100は、以下に説明する相違点を除いて、第1の実施形態の搬送システム1と同一である。この理由から、任意の変形を含む2つの実施形態間で共通する部分については、これ以上説明しない。
【0055】
第1の実施形態の搬送システム1とは異なり、搬送システム100は、第1の直線搬送装置102と、好ましくは第1の実施形態の遠位直線搬送装置12と等価な、唯一のさらなる直線搬送装置112とを備える。更なる直線搬送装置は、説明の目的で第2の直線搬送装置112と呼ばれる。この第2の実施形態では、2つ以上の保持手段108および2つ以上の把持手段118、特に2つ以上のグリッパは、それぞれ直線搬送装置102、112のプレート106、116に拘束される。実際、この実施形態は、2つ以上のキャビティおよびより長いブロー成形時間を有するブロー成形機の場合に使用することができる。
【0056】
実際、この場合には、1つの容器モールドと次のモールドとの間に経過するブローサイクル時間は、第2の直線搬送装置112がアンローディングゾーンCから交換ゾーンBに通過し、第1の直線搬送装置102の保持手段108、典型的には、チャックから2つ以上のブロー容器を受け取り、アンローディング領域Cに戻り、容器をホイール32に排出するのに要する時間に亘ることができる。
【0057】
この第2の実施形態は、より簡単で費用効果が高く、1つの第2の直線搬送装置のみが提供される。
【0058】
両方の実施形態について、直線ブロー成形機のピッチが回転充填機のピッチに等しいとき、すなわち第2の直線搬送装置のグリッパ18、28、118のピッチがホイール32のシート34のピッチに等しいとき、これらのシート34は、実質的に半円形であり、ホイール32に向かう第2の直線搬送装置の前進速度はホイール32の接線速度に等しい。この場合には、グリッパ18または28は、それぞれのシート34にあるときに、ボトル3が解放される。ホイール32が回転し、第2の直線搬送装置が並進すると、グリッパがボトルをそれぞれのシートに搬送した後、次のシートと次のグリッパが相互に対応して、別のボトルを搬送できるようになる。次いで、ボトルは、ホイール32から徐々に取り外され、その結果、シート34は更なるボトルを受け取るために再度利用可能となる。有利には、各グリッパ18、28を個別に開閉する作動手段を設けることによって、グリッパ18、28が各シート34に位置するとき、各グリッパの開口部、したがって各ボトルの解放が可能になる。
【0059】
その代わり、回転充填機のピッチとは異なる直線ブロー成形機のピッチ、すなわち第2の直線搬送装置のグリッパ18、28、118のピッチがホイール32のシート34のピッチと異なるとき、ホイール32に向かう第2の直線搬送装置の前進速度は、ホイール32の接線速度と異なる。第2の直線搬送装置とホイールとの間の同期を確実にし、ボトル3とホイール32との間の望ましくない干渉を回避するために、2つの代替的な解決策が提供される。
【0060】
第1の好都合な変形例は、シート34がホイール32の周囲が鋸歯状の輪郭を有するように成形され、妨害なしにそれぞれのシート34内に容器を配置することを可能にする。
【0061】
好ましくは、それぞれのシート34におけるホイール32の周囲の輪郭は、第1の湾曲ストレッチ41に近接した第1の湾曲ストレッチ41および第2の湾曲ストレッチ42(
図3に示す)を備え、第1の湾曲ストレッチと第2の湾曲ストレッチとの間に変曲点がある。換言すれば、第1湾曲ストレッチ41の凹部は、第2湾曲ストレッチ42の凹部と異なっている。好ましくは、ボトルのネックの一部は、第1の湾曲ストレッチ41の外面と接している。
【0062】
好ましくは、第1の湾曲ストレッチ41の曲率半径は12~25mm、例えば15~22mmであり、第2の湾曲ストレッチ42の曲率半径は180~220mm、好ましくは190~210mm、例えば200mmである。
【0063】
例えば、上から平面的に見ると、ホイール32の輪郭は、ホイール32の外径が最大限である周囲の点から始まって、第1の湾曲ストレッチ41を有する入口があり、ホイール32の外径が減少するような形状にされる。第1の湾曲ストレッチ41に続いて、好ましくは湾曲したまたは湾曲した直線の別の延伸部42があり、それによってホイールの外径は、外径が最大限になる別の点に達するまで増加する。少なくとも第1の湾曲ストレッチ41は、シート34を規定する。変曲点は、好ましくは2つのストレッチ41、42の間に設けられる。
【0064】
代わりに、第2の好都合な変形例は、アンローディングゾーンCにおける第2の直線状コンベア12、22、112の前進速度を調節する速度調節装置を想定し、それにより、第2の搬送装置とホイールとの間の接触点において、ホイールのボトルと縁部との間のいかなる妨害もなしに、シート34に完全に対応するグリッパ18、28、118が常時存在することになる。
【0065】
言い換えれば、シート34が少なくとも1つの第2の直線搬送装置のピッチと異なったピッチだけ等間隔に配置されている場合、搬送装置は、把持手段18、28、118が少なくとも1つの第2の搬送装置とホイールとの間の接触点におけるシート34に常時完全に対応するように、少なくとも1つの第2の直線搬送装置12、22、112の前進速度をアンローディングゾーンCで調節する速度調節装置を備える。
【0066】
実際、適切な作動手段を用いて第2の直線搬送装置の並進速度を適切に調節することが有益であることが見出された。好ましくは、例えばブラシレスモータ13、23のようなそれぞれの搬送装置の速度および位置の連続的な制御を可能にする作動手段が使用されるが、例えば永久磁石を有する同期モータまたは三相非同期モータのような異なった作動手段が使用されてもよい。特に、速度は、ボトルの解放時に時間周速度を維持しながらホイール内にボトルを堆積させることができるように、接点で調節することができる。このようにして、例えば、グリッパピッチが充填ピッチよりも小さい場合、第2の直線搬送装置とホイールとの間の正確な同期を維持するために、継続的な減速および加速を提供する動作が存在する。
【0067】
したがって、搬送速度および位置の継続的な制御を可能にする直線搬送装置12、22の作動手段を設けることによって、アンローディングゾーンCに到達し、次いでホイール32内のボトルの解放を可能にするためにホイールの速度に適した速度で追跡を続ける速い前進を有することができる。
【0068】
例として、搬送システムの例示的な構造的説明を提供した後、本搬送システムの以下の動作の詳細な説明に照らして、より良く理解され、その利点がより理解されるであろう。また、本発明は、熱可塑性物質容器を直線作動機から回転作動機へ搬送する方法を提供する。
【0069】
概して、該方法は、
a)ピッキングゾーンAにおける第1の直線搬送装置2、102によって容器を取り出すステップと、
b)第1の直線搬送装置2、102を交換ゾーンBに位置決めするために並進するステップと、
c)少なくとも1つの第2の直線搬送装置12、22、112を交換ゾーンBに位置決めするために並進するステップと、
d)少なくとも1つの第2の直線搬送装置12、22、112によって第1の直線搬送装置2、102から容器を取り出すステップと、
e)少なくとも1つの第2の直線搬送装置12、22、112をアンローディングゾーンCに位置決めするために並進するステップと、
f)少なくとも1つの第2の直線搬送装置12、22、112からホイール32に容器を搬送するステップと、
g)第1の直線搬送装置2、102をピッキングゾーンAに位置決めするために並進し、ステップa)から繰り返すステップとを含む。
【0070】
この方法のステップは、必ずしも順次実行される必要はなく、いくつかのステップを同時に実行することができる。
【0071】
特に、定常状態条件ではステップe)、f)およびc)が順次実行される時間はステップg)、a)およびb)が順次実行される時間と実質的に等しい。
【0072】
2つの第2の直線搬送装置12、22が設けられる場合、第1の実施形態のように、これらは、交換ゾーンBとアンローディングゾーンCとの間で順番に交互になって、容器を直線作動機から回転作動機に、特に第1の直線搬送装置からホイールに搬送する。
【0073】
第1の実施形態および
図8において、遠位直線搬送装置12の把持手段18は、第1列のボトルを把持した時点から周期的な動作を説明する。
【0074】
I)この状態で、遠位直線搬送装置12は、ホイール32に向かって並進し、ボトルをホイール32に搬送し始める。同時に、近位直線搬送装置22は、ボトルがなく、ホイール32から始めて交換領域Bに到達するまで並進し、第1の直線搬送装置2は、ピッキング領域A内の第2の一連のボトルを取り出す。
【0075】
II)次に、第1の直線コンベア2は、それが交換領域Bに到達するまで並進し、第2の一連のボトルが近位直線搬送装置22に搬送される。その間、遠位直線搬送装置12は、まだ第1の一連のボトルをホイール32に搬送している。
【0076】
III)遠位直線搬送装置12は、ホイール32の第1列のボトルを全て搬送した後、交換ゾーンBに戻る移動を行い、その間、近位直線搬送装置22はホイール32に向かって並進し、第2シリーズのボトルをホイール32に搬送し始め、第1の直線搬送装置2は、ボトルなしで、ピッキング位置Aに到達するまで戻る移動を行う。
【0077】
IV)次に、第1の直線搬送装置2は、ピッキング領域Aにおいて第3の一連のボトルを取って交換ゾーンBに持って行き、一方、近位直線搬送装置22は、第2の一連のボトルをホイール32に依然として搬送しており、遠位直線搬送装置12は、まさに交換領域Bに到達しようとしている。
【0078】
V)次に、第1の直線搬送装置2は、交換領域Bに到達するまで移動し、交換位置Bに到達した遠位直線搬送装置12によって取り出される位置まで第3の一連のボトルを取る。その間、近位直線搬送装置22は、依然として第2の一連のボトルをホイール32に搬送している。
【0079】
近位直線搬送装置22は、ホイール32の第2の一連の全てのボトルを搬送し、第1の直線コンベア2がピッキング領域Aに戻った後、ステップI)から再開を続ける。
【0080】
有利には、近位直線搬送装置22および遠位直線搬送装置12は、ホイールに継続的かつ一定の供給流を提供するように交互に働く。
【0081】
ボトルは、保持手段8がそれぞれのグリッパ18またはそれぞれのグリッパ28で互いに向かい合う交換ゾーンB内の交換位置において、第1の搬送装置2から遠位直線搬送装置12または近位直線搬送装置22に搬送される。
【0082】
ボトルは、特に
図7に関して、遠位直線搬送装置12または近位直線搬送装置22からホイール32に順次搬送され、これはグリッパ18または28がボトルをホイール32のシート34内に順次解放することを意味する。
【0083】
図4、5、6に関して、近位直線搬送装置22の各グリッパ28とホイール32に既に置かれたボトルのネックとの間のいかなる妨害も回避するために、各グリッパ28は、それぞれのボトルを解放した後にホイール32から離れるように上がることが有利に提供される。これは、前述したように、近位直線搬送装置22がホイール32の上方に配置され、ホイール32内にすでに堆積されたボトルのネックがその円形前進において、直線的に前進するグリッパ28と干渉し得るので、好都合である。ボトルを解放した直後にグリッパ28を持ち上げることは特に、取り扱うことができるネックの最高高さよりも大きい移動に対してはこの起こり得る妨害を回避することを可能にする。この課題は、遠位直線搬送装置12がホイール32によって占められる寸法の外側に配置され、ホイール内に放出されるボトルがグリッパ18の直線運動を妨害しないので、この課題には当てはまらない。
【0084】
搬送システムの通常の動作において、ボトルが解放されると、グリッパ18、28は交換ゾーンBの連続するボトルを把持するまで開いたままであり、特に、近位側および遠位直線搬送装置側は、グリッパ18、28が開いた状態で交換ゾーンBに向かうそれぞれの戻り移動を実行する。もちろん、ホイール32に向かう前方移動において、グリッパはそれぞれのボトルのネックの周りで閉じられる。
【0085】
したがって、前述の通常の動作状態において、2つの第2の直線搬送装置の一方、例えば近位直線搬送装置22が交換ゾーンBに向かってボトルなしで並進するとき、グリッパ28は開き、ホイール32に向かってボトルを取る遠位直線搬送装置12のグリッパ18は閉じる。このようにして、相互に反対方向に前進する2つの直線搬送装置12、22のグリッパ18、28の爪間に干渉または衝突は生じない。しかし、技術的な不具合があると、2つの直線搬送装置12、22の一方のグリッパが交換ゾーンBに向かう戻り移動中に閉じられる可能性があり、搬送システムが非常に近い2つの搬送装置12、22で設計されている場合、直線搬送装置のグリッパ18、28の爪が衝突することになる。このため、上述した安全システムを提供することが有利である。2つの直線搬送装置12、22の少なくとも一方のグリッパが旋回されると仮定すると、偶発的な衝突の場合に、それらは離脱してそれ自体の周りを回転し、その結果、それらは搬送装置システムのグリッパまたは他の構成要素に損傷を与えない。
【0086】
第2の実施形態に関して、搬送システム100の動作は、明らかに1つの第2の直線搬送装置112のみが提供されることを考慮して、搬送システム1の動作と同様である。この実施形態は、大型容器に特に適しているので、ボトルを製造するためのブロー時間およびボトルの充填時間は、小型ボトルに必要な時間よりも長いことを考慮しなければならない。したがって、第2の直線搬送装置112を有することで、速度の伝達周期を得ることができる。実際、この場合には、1つの容器モールドと次のモールドとの間に経過するブローサイクル時間は、第2の搬送装置が交換ゾーンBに戻るのに要する時間におよび、2つ以上の容器をとり、アンローディングゾーンCに戻ることができる。
【0087】
本発明の搬送システムおよび方法を例示的に記載した後、本発明の誤った解釈または限定的な解釈を防止するために、当業者にとって不必要であると仮定するさらなる解釈を省略することを明らかにしたい。
【0088】
特に、直線搬送装置が「並進する」と記載される場合、その可動部が並進することを意味する。
【0089】
搬送システムは、例えば、ボトルに関して説明されたが、他の種類の容器、例えば、ボトルのためのプリフォームに使用されてもよい。
【0090】
さらに、説明された搬送システムの動作は、非限定的な例示に過ぎない。