(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】照明制御用の自動化システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/19 20200101AFI20220111BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20220111BHJP
H05B 47/11 20200101ALI20220111BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/16
H05B47/11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019118866
(22)【出願日】2019-06-26
(62)【分割の表示】P 2016523953の分割
【原出願日】2014-10-23
【審査請求日】2019-07-26
(32)【優先日】2013-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507387125
【氏名又は名称】パワーキャスト コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】POWERCAST CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,チャールズ イー.
(72)【発明者】
【氏名】ハリスト,ダニエル ダブリュー.
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-059580(JP,A)
【文献】特開2013-003911(JP,A)
【文献】特開2012-209274(JP,A)
【文献】特開2010-056613(JP,A)
【文献】特開2005-259437(JP,A)
【文献】実開昭57-179299(JP,U)
【文献】特開昭62-221205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ・アンテナと、前記ワイヤ・アンテナに動作可能に結合された無線機を含むプリント回路板とを含む無線制御装置であって、前記プリント回路板が、前記プリント回路板の動作中に前記ワイヤ・アンテナに対して第1の接地平面を規定する、無線制御装置を含み、
前記無線制御装置が、孔を規定する上面を含む照明器具に結合されるように構成され、前記無線制御装置が、第1の状態と第2の状態との間で前記照明器具を遷移させるように構成され、前記無線制御装置が前記照明器具に結合される場合に、前記無線制御装置の前記ワイヤ・アンテナが、前記ワイヤ・アンテナに対して第2の接地平面を形成する前記上面の前記孔内に配置された部分を有し、前記無線制御装置が前記照明器具に結合される場合に、前記上面および前記プリント回路板が、容量性結合して、前記ワイヤ・アンテナに対して仮想接地を形成するように構成される、装置。
【請求項2】
前記プリント回路板が、前記ワイヤ・アンテナを介して命令を受信し、前記命令に従って前記照明器具を前記第1の状態および前記第2の状態との間で遷移させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記無線制御装置が前記照明器具に結合される場合に、前記ワイヤ・アンテナが、前記照明器具の前記上面を含む平面と直交して配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記無線制御装置が前記照明器具に結合される場合に、前記ワイヤ・アンテナの第1の端部が、前記照明器具の前記上面の第1の側に配置され、前記ワイヤ・アンテナの第2の端部が、前記第1の側と反対側の、前記照明器具の前記上面の第2の側に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記照明器具が天井の照明器具である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記照明器具の前記上面は金属製である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記無線制御装置は、前記照明器具内に取り付けられるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記無線制御装置は、前記照明器具に結合される場合、前記照明器具の外側表面に取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記無線制御装置は、前記照明器具に結合される場合、前記照明器具に接着テープを使用して取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年10月23日出願の「照明制御用の自動化システム」と題する米国仮特許出願第61/894,899号の優先権およびその利益を主張し、その開示を参照により全体として本明細書に組み込む。
【0002】
本出願は、2013年3月21日出願の「スイッチおよびコンセントの制御を用いる無線センサのシステム、方法、および装置」と題する米国特許出願第13/848,667号に関連し、これは、2012年3月21日出願の「スイッチおよびコンセントの制御を用いる無線センサ・システム」と題する米国特許仮出願第61/613,753号の優先権を主張し、そのそれぞれの開示を参照により全体として本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0003】
背景
本明細書に記載のいくつかの実施形態は一般に、スイッチおよびコンセントの制御を用いる無線センサのシステム、方法、および装置に関する。
【0004】
スイッチおよびコンセントへの電力を遠隔で制御するための、既知のシステムが存在する。しかし、このようなシステムは、個々のスイッチまたはコンセントを制御するために長いケーブル・ランを使用することがある。他の既知のシステムは、電池の電力を頻繁に使用することがあり、これによってオンボードの電池の消耗が急速になり、かつ/または追加のケーブルを使用して、ローカルのスイッチおよびコンセントの制御装置に電力を供給することもある。
【0005】
したがって、スイッチおよびコンセントの制御を用いる無線センサのシステム、方法、および装置が必要になる。
【発明の概要】
【0006】
概要
実施形態によっては、装置は、ネットワーク・ゲートウェイ装置に動作可能に結合されるように構成された無線センサを含み、このネットワーク・ゲートウェイ装置は、第1のデータ・パケットまたは第2のパケットのうちの1つを、この無線センサから受信するように構成される。無線センサは、第1のデータ・パケットを、第1の時点に第1の周波数で送信するように構成され、第1のデータ・パケットは、この無線センサが測定した測定値に関連するペイロードを含んでいる。無線センサは、第2のデータ・パケットを、第2の時点に第2の周波数で送信するように構成され、第2のデータ・パケットは、その値に関連するペイロードを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態による無線センサ・システムの概略図である。
【
図2】一実施形態による無線センサおよびジャンクション・ボックスの概略図である。
【
図3】一実施形態による無線センサ・システムの概略図である。
【
図4】一実施形態による無線センサ・システムの概略図である。
【
図5】一実施形態による無線センサ・システムの概略図である。
【
図6】一実施形態による、ネットワーク・ゲートウェイ装置に結合された無線センサの概略図である。
【
図8】一実施形態による無線センサの正面を示す図である。
【
図9】
図8に示す無線センサの側面を示す図である。
【
図10】一実施形態による無線センサおよびジャンクション・ボックスの概略図である。
【
図11】一実施形態による無線センサおよびジャンクション・ボックスの概略図である。
【
図12】一実施形態による無線センサおよびジャンクション・ボックスの概略図である。
【
図13】一実施形態による無線センサおよびジャンクション・ボックスの概略図である。
【
図14】一実施形態による無線センサおよびジャンクション・ボックスの概略図である。
【
図15】一実施形態による無線センサおよびジャンクション・ボックスの概略図である。
【
図16】一実施形態による無線センサ、フェース・プレートおよびジャンクション・ボックスの図である。
【
図17】一実施形態による無線センサのアンテナの前面斜視図である。
【
図20】一実施形態によるジャンクション・ボックス内に少なくとも部分的に配置された、
図17に示すアンテナの正面斜視図である。
【
図21】一実施形態によるジャンクション・ボックス内に少なくとも部分的に配置された、
図17に示すアンテナの背面斜視図である。
【
図22】一実施形態によるジャンクション・ボックス内に少なくとも部分的に配置された、
図17に示すアンテナの第2の背面斜視図である。
【
図23】一実施形態による照明制御システムの概略図である。
【
図24】一実施形態による照明制御システムの一部分の概略図である。
【
図25】一実施形態に従ってクラウド・サーバに接続されたプロキシ・サーバとインターフェースする、複数のゲートウェイの概略図である。
【
図26A】第1の実施形態による無線スイッチの概略図である。
【
図26B】第2の実施形態による無線スイッチの概略図である。
【
図27】一実施形態による照明制御システムを動作させる方法の流れ図の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
実施形態によっては、方法は、空間に関連するタイムアウト・タイマが閾値を超えたことを示す信号を受信するステップを含む。モーション・センサが空間内に配置される場合、この方法は、光源に動作可能に結合された無線制御装置がデフォルト状態に戻るよう、この無線制御装置に信号を送信するステップを含む。(1)モーション・センサが空間内に配置されておらず(2)光センサが空間内に配置される場合、この方法は、無線制御装置が光センサによって制御されるよう、この無線制御装置に信号を送信するステップを含む。
【0009】
実施形態によっては、この方法は、空間のルクス・レベルが所定のレベルを下回ることを示す信号を光センサから受信するステップと、空間内の光を明るくするための信号を無線制御装置に送信するステップとを含む。実施形態によっては、この方法は、空間のルクス・レベルが所定のレベルを上回ることを示す信号を光センサから受信するステップと、無線制御装置が空間内のライトを暗くするよう、信号を無線制御装置に送信するステップとを含む。実施形態によっては、モーション・センサが空間内に配置される場合、この方法は、空間が占有されているというモーション・センサからの指示に応答して、タイムアウト・タイマをリセットするステップを含む。実施形態によっては、タイムアウト・タイマは30分に設定される。実施形態によっては、(1)モーション・センサが空間内に配置されておらず(2)光センサが空間内に配置されていない場合、この方法は、空間が占有される予定になっていないという指示に応答して、無線制御装置がデフォルト状態に戻るよう、この無線制御装置に信号を送信するステップを含む。このような実施形態によっては、デフォルト状態はオフである。
【0010】
実施形態によっては、装置は、ネットワーク・ゲートウェイ装置を含む。ネットワーク・ゲートウェイ装置は、(1)無線スイッチと、(2)空間内に配置された光センサと、(3)一定のルクス・レベルを空間にもたらすように構成されたライトに結合された無線制御装置とに無線で結合するように構成される。ネットワーク・ゲートウェイ装置は、空間の周辺光レベルの指示を、光センサから受信するように構成される。ネットワーク・ゲートウェイ装置は、ライトをオンにする要求を示す信号を、無線スイッチから受信するように構成される。ネットワーク・ゲートウェイ装置は、空間の周辺光に基づいてライトが明るさの量を増大させるように構成されたコマンドを、無線制御装置に送信するように構成される。
【0011】
実施形態によっては、ネットワーク・ゲートウェイ装置は、タイムアウト・タイマが閾値を超えたことを示す信号を受信するように構成され、モーション・センサが空間内に配置されている場合、このネットワーク・ゲートウェイ装置は、無線制御装置がデフォルト状態に戻るよう、この無線制御装置に信号を送信するように構成される。このような実施形態によっては、デフォルト状態はオンである。実施形態によっては、ネットワーク・ゲートウェイ装置は、空間内に配置されたモーション・センサの識別を含むデータ・パケットを受信するように構成され、モーション・センサを無線制御装置と関連付けるように構成される。実施形態によっては、ネットワーク・ゲートウェイ装置は、空間のルクス・レベルの指示を光センサから受信するように構成され、ライトの明るさレベルが変化して、空間のルクス・レベルを所定の範囲内に維持するよう、無線制御装置に信号を送信するように構成される。このような実施形態によっては、この所定の範囲は350~450の間である。実施形態によっては、ネットワーク・ゲートウェイ装置は、同時に2つのチャネルを介して、無線で無線制御装置と結合される。
【0012】
実施形態によっては、装置は、ある一定のルクス・レベルを選択的に空間にもたらすように構成されたライトに、動作可能に結合されるように構成された無線制御装置を含む。無線制御装置は、(1)光センサに無線で結合されたネットワーク・ゲートウェイ装置と、(2)無線スイッチとに無線で結合されるように構成される。無線制御装置は、ネットワーク・ゲートウェイ装置が無線スイッチからの要求を受信するのに応答して、このネットワーク・ゲートウェイ装置から、空間のルクス・レベルを示す光センサからのデータに基づいてライトの明るさの量を増大させる命令を受信するように構成される。無線制御装置は、ライトの明るさが増大するよう、ライトに信号を送信するように構成される。
【0013】
実施形態によっては、無線制御装置は電力線式に構成され、無線スイッチは電池式に構成される。実施形態によっては、無線制御装置は、光センサから受信する全てのパケットをネットワーク・ゲートウェイ装置に中継することによって、光センサをネットワーク・ゲートウェイ装置に無線で結合するように構成される。実施形態によっては、無線制御装置は、ネットワーク・ゲートウェイ装置との接続が失われたことの指示を受信するように構成され、この接続が失われたことに応答して、デフォルトのオン状態になるように構成される。実施形態によっては、無線制御装置は、(1)タイムアウト・タイマが閾値を超えたことを示す信号と、(2)空間が占有されていないことのモーション・センサからの指示とをネットワーク・ゲートウェイ装置が受信するのに応答して、デフォルト状態に戻るための信号をネットワーク・ゲートウェイ装置から受信するように構成される。
【0014】
実施形態によっては、方法は、空間に関連するタイムアウト・タイマが閾値を超えたことを示す信号を受信するステップを含む。モーション・センサが空間内に配置される場合、この方法は、空間内の光源に動作可能に結合された無線制御装置がデフォルト状態に戻るよう、この無線制御装置に信号を送信するステップを含む。(1)モーション・センサが空間内に配置されておらず(2)空間が占有される予定になっていないという指示が受信される場合、この方法は、無線制御装置がデフォルト状態に戻るよう、この無線制御装置に信号を送信するステップを含む。
【0015】
実施形態によっては、(1)モーション・センサが空間内に配置されておらず、(2)空間が占有される予定になっているという指示が受信される場合、この方法は、無線制御装置が現状にとどまることができるようにするステップを含む。実施形態によっては、この方法は、光源の明るさを増大させる要求を示す信号を、電池駆動の静電容量タッチ式スイッチから受信するステップを含む。実施形態によっては、この方法は、光源の明るさを減少させる要求を示す信号を、電池駆動の静電容量タッチ式スイッチから受信するステップを含む。実施形態によっては、この方法は、光源をオフにする要求を示す信号を、電池駆動の静電容量タッチ式スイッチから受信するステップを含む。
【0016】
無線センサ・システムを使用して、たとえば建物の部屋の環境特性、無線センサ自体の特性、たとえばプラグを使用しているかどうかを測定および監視することができ、かつ/または部屋もしくは無線センサの特性をもたらすことができる。一例として、無線センサは、ライトまたはコンセントを制御する電気スイッチが開いているか、それとも閉じているかを検知および/または制御するように構成された光源またはコンセントのスイッチを含むことができる。別の例では、無線センサは、区域内の一酸化炭素のレベルを測定するように構成された、一酸化炭素センサを含むことができる。実施形態によっては、無線センサ・システムの各態様は、既存システムに追加の変更を加える必要なく、この既存システムに後付けすることができる。たとえば、本明細書に記載の照明スイッチ・タイプの無線センサは、追加の配線を加える必要なく、既存のライト・スイッチを置き換えたり、ジャンクション・ボックスを置き換えたりなどすることができる。
【0017】
本明細書で使用されているように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈から明らかにそうでないことが示されていなければ、複数の参照先を含む。したがって、たとえば、用語「1つのデータ・パケット」は、1つのデータ・パケット、または複数のデータ・パケットの組合せを意味するものである。
【0018】
図1は、一実施形態による無線センサ・システム(「システム」)100の概略図であり、システム100は無線センサ110を含む。実施形態によっては、無線センサ110の少なくとも一部分を、電気格納装置(図示せず)内に配置してもよい。システム100は、無線中継装置130、無線中継装置130’、およびネットワーク・ゲートウェイ装置140を含む。
【0019】
システム100は、無線センサ110を含んでおり、無線センサ110および/または無線センサ110が配置される部屋の特性を測定するように構成される。実施形態によっては、無線センサ110は、たとえば、温度、圧力、炭素ガスのレベル、湿度などを測定するための環境センサを含むことができる。実施形態によっては、無線センサ110は、たとえば、動き、光レベル、近接度、接触度などを測定するための領域センサを含むことができる。実施形態によっては、無線センサ110は、たとえば、エネルギー使用量、スイッチの状態、コンセントの状態などを測定および/または制御するための電気センサを含むことができる。実施形態によっては、無線センサ110の少なくとも一部分を、電気格納装置内に配置することができる。実施形態によっては、電気格納装置は、標準の電気ジャンクション・ボックス、たとえば壁および/または他の支持体に配置されるように構成され、1つまたは複数の電気接続部および/または関連する構成部品、たとえばスイッチ、コンセントなどを収容するように構成された金属および/またはプラスチックの箱とすることができる。実施形態によっては、電気格納装置は一般に、接地された格納装置など(たとえば、照明器具、ブレーカ・ボックス、配電盤など)、ACまたはDCの配線電気接続部を収容するのに通常使用される任意の格納装置とすることができる。実施形態によっては、無線センサ110は、センサ・モジュール(
図1には図示せず)、プロセッサ・モジュール(
図1には図示せず)、第1の無線モジュール(
図1には図示せず)、第2の無線モジュール(
図1には図示せず)、第1のアンテナ(
図1には図示せず)、第2のアンテナ(
図1には図示せず)を含むことができる。実施形態によっては、無線センサ110は、電池(図示せず)、スイッチ(図示せず)、アナログ・デジタル変換器(図示せず)、ポート(図示せず)、インターフェース(図示せず)などを含むことができる。実施形態によっては、無線センサ110は、他の無線センサのための、たとえば以下に述べる無線中継装置130と同様の無線中継装置の役割を果たすことができる。
【0020】
無線センサ110は、無線センサ110の特性および/または無線センサ110が配置される環境の値を測定するための、センサ・モジュールを含むことができる。たとえば、センサ・モジュールは、環境の値(温度、圧力、動きなど)、動きおよび/もしくは占有率の値、ならびに/または無線センサ110に関連する電気構成部品の特性および/もしくは状態(開いたもしくは閉じたライト・スイッチ、プラグを差し込んだもしくは使用中の電気コンセントなど)を測定することができる。実施形態によっては、センサ・モジュールは、プロセッサ・モジュール内に含むことができる。センサ・モジュールは、ある事象に応答して、所定の時点および/または所定のスケジュールなどでの値を測定することができる。センサ・モジュールは、測定値をプロセッサ・モジュールに提供することができる。実施形態によっては、センサ・モジュール110は、所定の時点および/またはスケジュールに基づいて測定を促すためのクロック・モジュール(図示せず)を含むことができる。このような実施形態では、クロック・モジュールは、5~10%の間の「緩い公差」を含むことができる。このような実施形態では、クロック・モジュールは、緩い公差を実施するためのRCベースの発振器を含むことができる。このような実施形態では、RCベースの発信器は、プロセッサ・モジュール内に含むことができる。このようにして、設定が実質的に同じであるクロック・モジュールをそれぞれが含む2つ以上の無線センサ110を含むシステム100は、無線機/アンテナのセットを用いて、互いに異なる時点で信号を送信して通信衝突を減らすことができる。このような実施形態によっては、クロックは、測定がいつ実行されるか、および/またはこの測定の値を含むデータ・パケットがいつ送信されるかを決定することができる。値を測定するため、および/または関連するパケットを伝送するための所定時間は、プログラムすることができ、入力装置を用いてユーザ調整可能とすることができ、イベント駆動型とすることができ、無作為に導出することができ、またはネットワーク・ゲートウェイ装置140によって設定することができる。
【0021】
無線センサ110は、センサ・モジュールの測定に関連する値を含む少なくとも1つのデータ・パケットを規定するための、プロセッサ・モジュールを含むことができる。センサ・モジュールは、1つまたは複数のデータ・パケットの、1つまたは複数のコピーを規定することができる。データ・パケットは、センサ・データ(たとえば、センサ・モジュールが取得する測定値)、制御データ(たとえば、スイッチが開いたり、閉じたり)、制御要求(たとえば、スイッチが開いていないといけないのか、閉じていないといけないのか)、ネットワーク識別情報(たとえば、ノード識別番号、ネットワーク識別番号)、セキュリティ情報(たとえば、データ暗号化鍵)などを含むことができる。プロセッサ・モジュールは、コンピュータのプロセッサもしくはマイクロプロセッサ、および/または、たとえばランダム・アクセス・メモリ(RAM)、メモリ・バッファ、ハード・ドライブ、データベース、消去可能プログラマブル・リードオンリ・メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なリードオンリ・メモリ(EEPROM)などのメモリを含むことができる。データを制御し、または無線センサ110、中継装置130、131’、もしくはネットワーク・ゲートウェイ装置140にデータを伝達するのに使用するために、メモリを使用して、たとえばスケジュール、設定ポイント、命令などだがそれに限定されないデータを保持することができる。このようにして、プロセッサ・モジュールは、少なくとも1つのデータ・パケット、およびこの少なくとも1つのデータ・パケットの少なくとも1つのコピーを記憶し、これを互いに異なる時点で第1の無線機および/または第2の無線機に送信する。このようにして、無線センサ110は、測定値、制御データ、制御要求などを含んでもよいデータ・パケットを、2度以上、かつ2つ以上のアンテナから送信することができる。
【0022】
無線センサ110は、1つまたは複数の送信機セット、たとえば第1の送信機セット(たとえば、第1の無線機およびそれに関連する第1のアンテナ)、ならびに第2の送信機セット(たとえば、第2の無線機およびそれに関連する第2のアンテナ)を含んでいて、測定値、制御データ、制御要求などを含むデータ・パケットを、無線センサ110から、たとえば無線中継装置130、130’に伝送することができる。送信機セットは、任意の変調タイプ、たとえば直接シーケンス拡散スペクトラム(DSSS)または周波数ホッピング拡散スペクトラム(FHSS)を使用してデータ・パケットを伝送することができる。実施形態によっては、DSSSおよびFSSSのハイブリッド・システムである周波数ホッピング直接シーケンス拡散スペクトラム(FHDSSS)を使用し、周波数と時間の両方にわたってデータ・パケットを拡散して、他の送信機セット(たとえば、無線センサ110内での、別の無線センサ、または送信機セットを含む別の装置)から干渉される可能性を低減することができる。ハイブリッド・システムでは、チャネル間をホッピングして頑強性を向上させることができるDSSS信号を使用して、データ・パケットを伝送することができる。実施形態によっては、第1のアンテナおよび/または第2のアンテナは、ダイポール(たとえば無指向性)アンテナとすることができ、またはパッチ(たとえば指向性)アンテナとすることができる。
【0023】
実施形態によっては、無線センサ110の各送信機セットは、互いに異なるチャネルでほぼ同時に動作することができる。実施形態によっては、無線センサ110の送信機セットは、2つ以上の異なるチャネルで順次動作する(連続する)ことができる。このようにして、無線センサ110は、システム100の他の構成要素が特定のチャネル上で動作していることを確認検査する必要がない。すなわち、システム100の複数のチャネル上にデータ・パケットのコピーを送信することによって、システム100のその他の構成要素は、データ・パケットおよび/またはこのデータ・パケットのコピーのうち、少なくとも1つを受信しなければならない。このような実施形態によっては、また以下に述べるように、システム100の他の構成要素は複数の送信機セットを含むことができ、その結果、これらの構成要素は、データ・パケットおよび/またはこのデータ・パケットのコピーのうち少なくとも1つを受信することができる。このような実施形態では、複数の時点および/または複数のチャネルで、データ・パケットおよび/またはデータ・パケットのコピーを送信するのに使用されるエネルギーの量は、構成要素が特定のチャネルで動作していることを確認検査するのに使用されるエネルギーよりも低くすることができる。このような実施形態では、第1のチャネルおよび第2のチャネルは、周波数帯の実質的に両端として、他のチャネルによる潜在的ないかなる干渉源をも回避する可能性を最大化することができる。一例として、無線センサ110は、902~928MHzの帯域において、第1のチャネルの903MHz、および第2のチャネルの927MHzで、ほぼ同時に、または順次に伝送することができる。
【0024】
実施形態によっては、また前述の通り、無線センサ110は、データ・パケットおよびこのデータ・パケットのコピーを、2つ以上のチャネルで、また2つ以上の時点で送信することができる。このような実施形態では、無線センサ110は、ある一定時間、電源(たとえば電池)の電力を節約するようスリープ・モード(または、他の低電力もしくはゼロ電力の動作モード)に入ることができる。所定の時間間隔および/またはスケジュールで、無線センサ110は、スリープ・モードから復帰してアクティブ・モードに入ることができる。無線センサ110は、特性の値を測定し、その値を含むデータ・パケットを規定することができる。無線センサ110は、制御データまたは制御要求を含むデータ・パケットを規定することができる。このような実施形態では、前述の通り、無線センサ110は、第1の送信機セットを用いて第1の時点でデータ・パケットを送信し、次いで、第1の時点の後、第2の時点で、第1の送信機セットからのデータ・パケットの第1のコピーを送信することができる。このような実施形態では、無線センサ110は、第2の送信機セットを用いて第3の時点でデータ・パケットの第2のコピーを送信し、次いで、第3の時点の後、第4の時点で、第2の送信機セットからのデータ・パケットの第3のコピーを送信することができる。
【0025】
実施形態によっては、無線センサ110は、ネットワークID、セキュリティ機能、および無線センサ識別番号を含め、システム100を設定するためのデータを受信することができる。実施形態によっては、システム100を設定した後、無線センサ110は、送信専用の無線センサに指定することができる。実施形態によっては、無線センサ110は、必要ならば、無線中継装置130および無線中継装置130’を介して、ネットワーク・ゲートウェイ装置140に状況要求データ・パケットを周期的に送信することができ、コマンドを受信するための送信/受信装置に指定することができる。
【0026】
システム100は、無線センサ110および/または無線中継装置130’からデータ・パケットを受信し、ネットワーク・ゲートウェイ装置140にデータ・パケットを送信するように構成された無線中継装置130を含む。システム100は、無線中継装置130’を含み、これは、無線中継装置130と同様であり、無線センサ110からデータ・パケットを受信し、無線中継装置130にデータ・パケットを送信するように構成されている。無線中継装置130、130’は、コンピュータ/マイクロプロセッサもしくはマイクロプロセッサ、および/または、たとえばランダム・アクセス・メモリ(RAM)、メモリ・バッファ、ハード・ドライブ、データベース、消去可能プログラマブル・リードオンリ・メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なリードオンリ・メモリ(EEPROM)などのメモリを含むことができる。データを制御し、または無線センサ110、中継装置130、131’、もしくはネットワーク・ゲートウェイ装置140にデータを伝達するのに使用するために、メモリを使用して、たとえばスケジュール、設定ポイント、命令などだがそれに限定されないデータを保持してもよい。このようにして、無線中継装置130、130’は、受信済みデータ・パケットを、所定の期間バッファ内に記憶することができる。実施形態によっては、無線中継装置のバッファは、受信済みデータ・パケットを記憶することができ、このデータ・パケットと、バッファ内の他のデータ・パケット、ならびに/または最近受信および/もしくは転送されたデータ・パケットとを比較することができる。このような実施形態では、無線中継装置は、重複するデータ・パケットを破棄することができる。一例として、無線中継装置130は、第1のデータ・パケットを無線センサ110から受信することができ、この第1のデータ・パケットと同一の第2のデータ・パケットを、無線中継装置130’を介して無線センサ110から受信することができる。このような実施形態では、無線中継装置130は、たとえば、どちらが最初に受信されたか(たとえば、先入れ先出し「FIFO」)、どちらの受信済み信号強度が強いか、および/または他の尺度に基づいて、第1のデータ・パケットか第2のデータ・パケットのいずれかを破棄することができる。実施形態によっては、無線中継装置130は、一定期間の後、たとえば5秒後にパケットを破棄することができる。
【0027】
無線中継装置130、130’は、データ・パケットを含む信号を受信および/または送信するための、少なくとも1つの送信機セットを含むことができる。実施形態によっては、無線中継装置130、130’は、無線センサ110と少なくとも同じ数の送信機セットを含むことができる。このようにして、無線中継装置130、130’は、無線センサ110から送信された任意のデータ・パケットを送受信することができる。一例として、無線センサ110は、第1のチャネル上で、第1の時点および第2の時点にデータ・パケットを送信する第1の送信機セットを含むことができ、第2のチャネル上で、第3の時点および第4の時点にデータ・パケットを送信する第2の送信機セットを含むことができる。このような例では、無線中継装置130、130’は、第1のチャネル上で動作する第1の送信機セット、および第2のチャネル上で動作する第2の送信機セットを含むことができ、その結果、無線中継装置130、130’のいずれかが、データ・パケットの4つのコピーを受信することができる。一例として、無線センサ110は、第1のチャネル上で第1の時点に、かつ第2のチャネルで第2の時点にデータ・パケットを送信する第1の送信機セットを含むことができる。このような例では、無線中継装置130、130’はそれぞれ、第1のチャネル上で動作する第1の送信機セット、および第2のチャネル上で動作する第2の送信機セットを含むことができ、その結果、無線中継装置130、130’のいずれかが、チャネル間で切り替わる必要なしにデータ・パケットの2つのコピーを受信することができる。このような例では、システム100は、複数の周波数、複数の時点、複数のデータ経路、および複数のアンテナを含むことができる。すなわち、システム100は、周波数ダイバーシチ、時間ダイバーシチ、空間ダイバーシチ、およびアンテナ・ダイバーシチを有する。言い換えると、システム100は、周波数、時間、空間、およびアンテナのダイバーシチを同時に有する。別の例として、無線中継装置130、130’はそれぞれ、第1のチャネル上で第1の時点にデータ・パケットを送信または受信する第1の送信機セットと、第2のチャネルで第2の時点にデータ・パケットを送信または受信する第2の送信機セットを含むことができる。このような例では、第1の時点と第2の時点はオーバラップすることがある。
【0028】
実施形態によっては、無線中継装置130、130’は、データ・パケットを受信すると、受信信号強度表示(RSSI)を計算することができる。このような実施形態では、無線中継装置130、130’は、たとえばデータ・パケットのペイロードの最後で、このデータをデータ・パケットに追加することができる。このようにして、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、無線センサ110とネットワーク・ゲートウェイ装置140の間での各ホップにおいてRSSIデータを検査することができる。このような実施形態によっては、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、追加データを使用して、無線センサ110とネットワーク・ゲートウェイ装置140の間のホップの数を求めることができる。このような実施形態では、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、実際に使用されるホップの数と、予想されるホップの数とを比較して、たとえば、システム100の効率および/または健全性を決定することができる。
【0029】
システム100は、無線中継装置130、130’から、または無線センサ110から直接、データ・パケットを受信するように構成されたネットワーク・ゲートウェイ装置140を含む。ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、たとえば1つまたは複数の送信機セットとともに無線プロトコルを使用してデータ・パケットを受信することができ、ネットワーク・ゲートウェイ装置140に結合された有線ネットワーク(図示せず)を介してさらに伝送するために、このデータ・パケットを有線プロトコルに変換することができる。一例として、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、たとえば802.15.4、WiFi、携帯電話(GSM(登録商標)、CDMAなど)、または衛星などの無線フォーマットで受信したデータ・パケットを変形し、これを、様々な無線プロトコルおよび/または有線プロトコルに変換することができ、この有線プロトコルには、1)イーサネット(登録商標)、たとえばBACnet/IP、BACnet/イーサネット、Modbus TCP、イーサネット/IP、Omron FINS、DNP3、SNMP、XML、2)RS-485、たとえばBACnet/MSTP、Metasys N2、Modbus RTU、JBus、DNP、YorkTalk、Allen Bradley DF1、および3)FTT-10、たとえばLonWorksなどが挙げられる。実施形態によっては、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、たとえば801.15.4、WiFi、携帯電話(GSM、CDMAなど)または衛星無線ネットワークなどの無線ネットワーク(図示せず)を介してさらに伝送するために、データ・パケットを無線プロトコルに変換することができる。このような実施形態では、ネットワーク・ゲートウェイ装置または無線中継装置は、1つまたは複数の入力/出力部を有することができ、各入力/出力部は、互いに異なるプロトコルを使用して動作するように構成される。一例として、建物については、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、建物の暖房、換気、および空気調和のシステムと通信するためのBACnet/IPプロトコルを使用して動作する第1の入力/出力部を含むことができ、ブラウザ・ベースのページを閲覧するために、インターネットなどのネットワークを介して通信するためのTCP/IPプロトコルを使用して動作する第2の入力/出力部を含むことができ、ローカルの(たとえばネットワーク・ゲートウェイ装置140での)通信、構成などのための、シリアル・バス接続(たとえばユニバーサル・シリアル・バス)を使用して動作する第3の入力/出力部を含むことができる。入力/出力部は、たとえば、無線ネットワークの監視、グラフ表示、警告(eメール、テキスト・メッセージ、または他の方法による)、設定などのために使用することができる。
【0030】
前述の無線中継装置130、130’と同様に、実施形態によっては、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、無線センサ110および/または無線中継装置130、130’と同じ数の送信機セットを含むことができる。このようにして、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、無線センサ110および/または無線中継装置130、130’から送信された任意のデータ・パケットを送信および/または受信することができる。無線中継装置130、130’および無線センサ110と同様に、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、コンピュータ/マイクロプロセッサ、および/または、たとえばランダム・アクセス・メモリ(RAM)、メモリ・バッファ、ハード・ドライブ、データベース、消去可能プログラマブル・リードオンリ・メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なリードオンリ・メモリ(EEPROM)などのメモリを含むことができる。データを制御し、または無線センサ110、中継装置130、131’、もしくはネットワーク・ゲートウェイ装置140にデータを伝達するのに使用するために、メモリを使用して、たとえばスケジュール、設定ポイント、命令などだがそれに限定されないデータを保持することができる。このようにして、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、前述の通り、たとえば第1のプロトコルから第2のプロトコルに変換する前および/もしくは後に、または1つもしくは複数の入力/出力部からデータを受信するのに応答して、データ・パケットを記憶し、これを送信することができる。
【0031】
実施形態によっては、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、無線センサ110および無線中継装置130、130’が動作するチャネル(または、複数送信機セットの実施形態向けの複数チャネル)の周波数を調整することができる。このような実施形態では、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、周期的な命令を送信して、1つまたは複数のチャネルおよび/またはネットワークIDを切り替えることができる。このような実施形態では、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、こうした命令を、たとえば10秒毎に送信することができる。実施形態によっては、たとえば1つまたは複数のチャネルを変更するために命令が送信されるかどうか、およびこの命令に何が含まれるかは、たとえばデータ・パケットが経るホップの数、データ・パケット伝送のRSSIなど、ネットワークの健全性に基づくことができる。実施形態によっては、ネットワーク・ゲートウェイ装置140は、無線でまたは有線接続を介して、セキュリティ・キーなどのセキュリティ・データを無線センサ110および無線中継装置130、130’に転送することによって、無線システム100のセキュリティを調整することができる。
【0032】
図2は、電気格納装置220内に少なくとも部分的に配置された無線センサ210の概略図である。無線センサ210は、前述の無線センサと同様とすることができ、またそれと同様の構成部品を含むことができる。たとえば、無線センサ210は、無線センサ110に関して前述したプロセッサと同様とすることができる、プロセッサ216を含むことができる。無線センサ210は、センサ・モジュール214、プロセッサ216、無線機262、無線機262’、アンテナ264、およびアンテナ264’を含む。実施形態によっては、無線機262、262’は2つ以上のアンテナを含むことができ、たとえば無線機262は、アンテナ264を含み、第2のアンテナ(図示せず)を含むことができる。このような実施形態では、無線センサ210は、アンテナ264または第2のアンテナのどちらでも、無線機262が使用する際にRSSIが強い方を選択することができる。
【0033】
図3は、一実施形態による無線センサ・システム(「システム」)300の概略図であり、システム300はシステム100と同様とすることができ、同様の構成部品を含むことができる。たとえば、システム300は、無線センサ110と同様で、少なくとも一部分を電気格納装置(図示せず)内に配置することができる無線センサ310を含む。システム300は、無線中継装置330、無線中継装置330’、およびネットワーク・ゲートウェイ装置340を含む。
図1に示す無線センサ110とは異なり、無線センサ310は、電気格納装置320のエネルギー供給装置(図示せず)から独立しているエネルギーを無線センサ310に供給するように構成されたエネルギー源312を含む。実施形態によっては、エネルギー源312は、電池、たとえば塩化チオニルリチウムまたはリチウム二硫化鉄など、25年以上も化学的に長持ち可能な安定した電池化学作用を使用する電池を含むことができる。実施形態によっては、エネルギー源312は、単独で、または電池と組み合わせて、エネルギー・ハーベスタを含むことができる。実施形態によっては、エネルギー・ハーベスティング装置は、たとえば、「様々な負荷向けの高能率整流のための方法および装置(METHOD AND APPARATUS FOR HIGH EFFICIENCY RECTIFICATION FOR VARIOUS LOADS)」と題する米国特許第7,868,482号に記載のエネルギー・ハーベスティング装置と同様とすることができ、この特許を参考として本明細書に援用する。
【0034】
図4は、一実施形態による、無線センサ・システム(「システム」)400の概略図である。システム400は、システム100と同様とすることができ、同様の構成部品を含むことができる。たとえば、システム400は、無線センサ110と同様で、少なくとも一部分を電気格納装置(図示せず)内に配置することができる無線センサ410を含む。システム400は、無線中継装置430、無線中継装置430’、およびネットワーク・ゲートウェイ装置440を含む。
図1に示すシステム100とは異なり、システム400は、ネットワーク・ゲートウェイ装置440’を含む。このような実施形態では、ネットワーク・ゲートウェイ装置440、441’は、無線センサ410および無線中継装置430、430’からデータ・パケットを受信するように構成することができる。このようにして、ネットワーク・ゲートウェイ装置440、440’のうちの一方が故障しても、ネットワーク・ゲートウェイ装置440、440’のうちのもう一方が動作を継続することができる。実施形態によっては、ネットワーク・ゲートウェイ装置440は第1の有線ネットワークと連携することができ、ネットワーク・ゲートウェイ装置440’は第2の有線ネットワークと連携することができ、少なくともその一部分は、第1の有線ネットワークと異なっていてもよい。実施形態によっては、ネットワーク・ゲートウェイ装置440は、システム400の1組の無線中継装置および/または無線センサ(その全体は図示せず)の一部分と通信することができ、ネットワーク・ゲートウェイ装置440’は、システム400の1組の無線中継装置および/または無線センサの別の部分と通信することができる。このような実施形態では、無線中継装置430、430’のいずれかを、複数の無線中継装置の一部分、および/または1組の無線中継装置の別の部分に含めることができる。
【0035】
実施形態によっては、新規のネットワーク・ゲートウェイ装置(図示せず)、または第2のネットワーク・ゲートウェイ装置(図示せず)を、無線センサ・システム内に設置することが必要になる場合がある。ネットワーク・ゲートウェイ装置440、440’上のボタンを押すことによって開始するリスン・モードを使用して、またはネットワーク・ゲートウェイ装置440、440’上のコンピュータ・インターフェースおよびグラフィカル・ユーザ・インターフェースを使用することによって、これを実行することができる。一例として、無線センサ410は、この無線センサ410とネットワーク・ゲートウェイ装置440、440’の間にmini-USBケーブルを接続することによって、ネットワーク・ゲートウェイ装置440、440’に接続することができる。この時点で、ネットワーク・ゲートウェイ装置440、440’は、適切なチャネルおよびネットワークIDを設定し、無線センサ410に固有の無線センサIDを割り当てるよう、ケーブルを介して無線センサ410に命令することになる。ネットワーク・ゲートウェイ装置440、440’が動作を停止する場合、新規のネットワーク・ゲートウェイ装置440、440’は、所定の期間中、リスン・モードがネットワークの接続要求を待つことができるようにすることによって配備することができ、全ての無線センサ410のIDを記憶し、無線センサ410のデータを適切な記憶場所にマッピングすることができる。
【0036】
図5は、一実施形態による、無線センサ・システム(「システム」)500の概略図である。システム500は、システム100と同様とすることができ、同様の構成部品を含むことができる。たとえば、システム500は、無線センサ110と同様で、少なくとも一部分を電気格納装置(図示せず)内に配置することができる無線センサ510を含む。システム500は、無線中継装置530、無線中継装置530’、およびネットワーク・ゲートウェイ装置540を含む。
図5に示すように、無線センサ510は、時点tにデータ・パケットCを送信することができる(C(t)として表示)。無線中継装置530は、無線センサ510からデータ・パケットCを受信することができ、メモリ内のそのバッファと比較することによって、データ・パケットCが無線中継装置530によって送信されたものではないと判定することができる。無線中継装置530は、25ms~100msの間で無作為に遅延することができ、次いで、時点(t+y)にデータ・パケットCをブロードキャストすることができる(C(t+y)として表示)。実施形態によっては、データ・パケットCがブロードキャストされるので、無線センサ510は、データ・パケットCを受信することができ、それを受信することで、伝送が首尾よく実行されたことの肯定応答とすることができる。この例では、無線中継装置530’は、データ・パケットCを受信することができ、メモリ内のそのバッファと比較することによって、このパケットが無線中継装置530’によって送信されたものではないと判定することができる。無線中継装置530’は、25ms~100msの間で無作為に遅延することができ、次いで、時点(t+x)にパケットをブロードキャストすることができる(C(t+x)として表示)。パケットC(t+x)は、無線中継装置530が受信することができる。無線中継装置530は、データ・パケットC(t+x)をメモリ内のそのバッファと比較することができ、データ・パケットC(t+x)と同等のデータ・パケットC(t+y)が既に送信されたと判定することができ、データ・パケットC(t+x)を破棄および/または他の方法で無視することができる。
【0037】
図6は、ケーブル650によって動作可能に結合された、無線センサ610およびネットワーク・ゲートウェイ装置640の概略図である。無線センサ610およびネットワーク・ゲートウェイ装置640は、それぞれ、無線センサ110およびネットワーク・ゲートウェイ装置140と同様とすることができる。
図6には、たとえば初期設定プロセス中での、無線センサ610とネットワーク・ゲートウェイ装置640の間の一時的な配線接続が示してある。ネットワーク・ゲートウェイ装置640は、ネットワークID、チャネル、データ暗号化、セキュリティ・キー、および/または他の任意のセキュリティ機能を割り当てることができる。
【0038】
図7は、無線センサ710、具体的には揺り子タイプのスイッチの図である。
図8は、無線センサ810の正面図であり、
図9は無線センサ810の側面図であり、これは、具体的にはトグル(たとえばモメンタリ)タイプのスイッチである。無線センサ710、810は、前述の無線センサ110と同様とすることができ、またそれと同様の構成部品を含むことができる。無線センサ710、810は、標準のジャンクション・ボックス内に配置するように構成することができる。このような実施形態によっては、無線センサ710、810は、中性線を必要とすることなく負荷線、電源線、および/またはアースに結合するための、3つの端子および/またはワイヤを含むことができる。このような実施形態では、無線センサ710、810を動作させるための電力は、少なくとも部分的にジャンクション・ボックスに取り付けることができる無線センサ710、810に内蔵された電池(図示せず)によって得ることができる。実施形態によっては、無線センサ710、810は、負荷線からアース接続部に少量の電流を少しずつ流すことによって、エネルギーを回収することができる。
【0039】
図10~15は、本明細書に記載の実施形態による無線センサの概略図である。具体的には、
図10には、ジャンクション・ボックス1020内に配置されたアンテナ1064を含む無線センサ1010が示してあり、
図11には、ジャンクション・ボックス1120の外側に配置されたアンテナ1164を含む無線センサ1110が示してあり、
図12には、第1の構成でのエネルギー・ハーベスタ1212を含む無線センサ1210が示してあり、
図13には、第2の構成でのエネルギー・ハーベスタ1312を含む無線センサ1310が示してあり、
図14には、第3の構成でのエネルギー・ハーベスタ1412を含む無線センサ1410が示してあり、
図15には、ジャンクション・ボックス1520に動作可能に結合された電源1513を含む無線センサ1510が示してある。一例として、無線センサ、たとえば無線センサ1010、1110、1210、1310、1410、1510は、ライトまたはコンセントを制御する電気スイッチが開いているか、それとも閉じているかを検知および/または制御するように構成されたライトまたはコンセントのスイッチを含むことができる。
【0040】
図10を参照すると、無線センサ1010は、電気格納装置1020内に少なくとも部分的に配置することができ、プロセッサ・モジュール1016、無線機1062、アンテナ1064、ボタン1066、変流器1072、スイッチ1074(一例として、リレーまたはトライアック)、DC/DCコンバータ1076、およびレギュレータ1078を含むことができる。無線センサ1010は、ライト・スイッチとして動作することができる。たとえば、ボタン1066が押されると、AC電源1022、1024(好ましくは、120~277VAC、50Hzまたは60Hz)に負荷を接続または切断することによって、無線センサ1010と連携するライトがオンまたはオフすることになる。無線センサ1010は、ボタン1066が押されたときに、プロセッサ1016内に割込みが生じ、それによって無線センサ1010がスリープ・モードから抜け出すように構成することができる。プロセッサ1016は、スイッチ1074の状態を切り替えて、無線センサ1010に結合された負荷(たとえばライト)への電力を供給したり遮断したりすることができる。プロセッサ1016は、無線機1062およびアンテナ1064を使用して、たとえばスイッチ1074の状態に基づいて、たとえば前述の無線センサ・システムを介して、たとえばビル・オートメーション・システム(BAS)に無線センサ1010の状態の変化を送信することができる。実施形態によっては、プロセッサ1016は、スイッチの状態を記憶し、スリープ状態に戻ることができる。このような実施形態では、プロセッサ1016は、所定のスケジュールおよび/または所定の時間間隔で、この状態に関連するデータ・パケットを伝送することができる。変流器1072は、負荷に供給される電流の量を測定することができ、データ処理装置1016に供給される電流の値を送信することができ、その結果、データ処理装置1016は、データ・パケットを規定し、無線センサ・システムを介してそれをたとえばBASに送信することができる。実施形態によっては、アンテナ1064は、このアンテナ1064の一部分として、電気格納装置1020の少なくとも一部分を使用することができる。このような実施形態では、無線(RF)データ信号を放射することで、無線周波数(RF)の電流が電気格納装置1020の外部を流れることができる。
【0041】
実施形態によっては、BASは、負荷のエネルギー使用量を監視することができる。このような実施形態では、数多くの標準の(たとえば無線センサではない)スイッチ、コンセント、およびセンサを有する建物を、本明細書に記載の無線センサで改造して、ユーザによるその場での制御に加えて、全てのスイッチおよびコンセントでの負荷をBASが無線で制御できるようにすることができる。実施形態によっては、BASは、部屋がいつ使用され、またいつ空くかのスケジュールを有し、このデータを使用して、その部屋中の無線センサのスイッチを入れたり切ったりしてもよい。このような実施形態では、ユーザは、空きと表示された部屋にいて、手動でスイッチを操作して、負荷を使用可能にすることができる。実施形態によっては、無線センサは、1時間などの所定時間またはプログラム可能な時間にわたってオン状態を維持するためのタイマを含むことができる。このような実施形態では、無線センサは、スケジュールに基づいて部屋が依然として空きと表示されているかどうかについて、BASからのデータを待つことができる。部屋が依然として空きと表示されていると、無線センサは、電子的手段によって負荷から電力を遮断することができる。
【0042】
図11を参照すると、無線センサ1110は、電気格納装置1120内に少なくとも部分的に配置することができ、プロセッサ・モジュール1116、無線機1162、アンテナ1164、ボタン1166、変流器1172、スイッチ1174、DC/DCコンバータ1176、およびレギュレータ1178を含むことができる。電気格納装置1120は、AC電源1122、1124を含むことができる。無線センサ1110は無線センサ1010と同様とすることができ、またそれと同様の構成部品を含むことができる。たとえば、無線センサは、プロセッサ・モジュール1016と同様のプロセッサ・モジュール1116を含むことができる。
図10に示す無線センサ1010とは異なり、無線センサ1110のアンテナ1164は、電気格納装置1120の外側に少なくとも部分的に配置される。
【0043】
図12を参照すると、無線センサ1210は、電気格納装置1220内に少なくとも部分的に配置することができ、エネルギー・ハーベスタ1212、プロセッサ・モジュール1216、無線機1262、アンテナ1264、ボタン(
図12には図示せず)、変流器1272、スイッチ1274、DC/DCコンバータ1276、およびレギュレータ1278を含むことができる。電気格納装置1220は、AC電源1222、1224を含むことができる。無線センサ1210は無線センサ1010と同様とすることができ、またそれと同様の構成部品を含むことができる。たとえば、無線センサ1210は、プロセッサ・モジュール1016と同様のプロセッサ・モジュール1216を含むことができる。
図10に示す無線センサ1010とは異なり、無線センサ1210はエネルギー・ハーベスタ1212を含み、これは、前述のエネルギー・ハーベスタと同様とすることができる。具体的には、エネルギー・ハーベスタ1212が第1の構成にあるとき、たとえば、エネルギー・ハーベスタ1212は、無線センサ1210を通って流れる電流からエネルギーを回収することができる。エネルギー・ハーベスタ1212は、電流のごく一部を、使用可能な電圧に変換する。この電圧は、DCに整流することができ、この電圧を使用して、電池または他のスーパーキャパシタなどの貯蔵装置を充電することができる。
図12に示すように、エネルギー・ハーベスタ1212は、スイッチ1274が閉じられ、配線1222が負荷1224に接続されるときにのみエネルギーを回収することができる。実施形態によっては、エネルギー・ハーベスタ1212は、アース線(図示せず)を介してわずかな電流を少しずつ流すことができ、これにより、負荷1224がスイッチ1274によって切断されると、無線センサ1210が、配線1222からエネルギーを回収できるようにすることができる。このような実施形態では、トリクル電流は6mA未満、具体的には3mA未満とすることができる。
【0044】
図13を参照すると、無線センサ1310は、電気格納装置1320内に少なくとも部分的に配置することができ、エネルギー・ハーベスタ1312、プロセッサ・モジュール1316、無線機1362、アンテナ1364、ボタン(
図13には図示せず)、変流器1372、スイッチ1374、DC/DCコンバータ1376、およびレギュレータ1378を含むことができる。電気格納装置1320は、AC電源1322、1324を含むことができる。無線センサ1310は無線センサ1010と同様とすることができ、またそれと同様の構成部品を含むことができる。たとえば、無線センサ1310は、プロセッサ・モジュール1016と同様のプロセッサ・モジュール1316を含むことができる。
図10に示す無線センサ1010とは異なり、無線センサ1310はエネルギー・ハーベスタ1312を含み、これは、前述のエネルギー・ハーベスタと同様とすることができる。具体的には、エネルギー・ハーベスタ1312が第2の構成にあるとき、たとえば、エネルギー・ハーベスタ1312は、交流回路とは無関係にすることができる。より具体的には、実施形態によっては、エネルギー・ハーベスタ1312は、太陽電池とすることができる。このような実施形態では、太陽電池は、フェース・プレートを介して無線センサ1310の外側に暴露するように設計することができる。フェース・プレートは、標準設計とすることができ、または、特注にして無線センサ1310に集積化してもよい。
【0045】
図14を参照すると、無線センサ1410は、電気格納装置1420内に少なくとも部分的に配置することができ、エネルギー・ハーベスタ1412、プロセッサ・モジュール1416、無線機1462、アンテナ1464、ボタン(
図14には図示せず)、変流器1472、スイッチ1474、DC/DCコンバータ1476、およびレギュレータ1478を含むことができる。電気格納装置1420は、AC電源1422、1424を含むことができる。無線センサ1410は無線センサ1010と同様とすることができ、またそれと同様の構成部品を含むことができる。たとえば、無線センサは、プロセッサ・モジュール1016と同様のプロセッサ・モジュール1416を含むことができる。
図10に示す無線センサ1010とは異なり、無線センサ1410はエネルギー・ハーベスタ1412を含み、これは、前述のエネルギー・ハーベスタと同様とすることができる。具体的には、エネルギー・ハーベスタ1412が第3の構成にあるとき、たとえば、エネルギー・ハーベスタ1412は、電池とは無関係に、無線センサ1410に電力を供給するよう設計することができる。このような実施形態では、エネルギー・ハーベスタ1412および電池は、ダイオードでOR接続してもよい。実施形態によっては、回収するのに使用されるエネルギー源が存在しないとき(すなわちライトがないとき)、電池をエネルギーの1次供給源として、無線センサ1410に電力供給することができる。このような実施形態では、回収するのに使用されるエネルギー源が増えるにつれて、たとえば、室内の周辺ライトが増えるにつれて、エネルギー・ハーベスタ1412は電池を増強することができる。このような実施形態では、回収するのに使用されるエネルギー源が十分に大きな値に達したら、エネルギー・ハーベスタ1412をエネルギーの1次供給源として、無線センサ1410に電力供給することができる。実施形態によっては、全てのエネルギーをエネルギー・ハーベスタ1412が供給してもよく、無線センサ1410に電力供給するのに、電池にエネルギーを供給しなくてもよい。このような実施形態では、エネルギー・ハーベスタ1412は、十分なエネルギーを有している場合、無線センサ1410に電力供給し、電池のエネルギーを維持することができる。実施形態によっては、エネルギー・ハーベスタ1412は、スーパーキャパシタまたは充電式電池を充電することができる。
【0046】
図15を参照すると、無線センサ1510は、電気格納装置1520内に少なくとも部分的に配置することができ、電源1513、プロセッサ・モジュール1516、無線機1562、アンテナ1564、ボタン(
図15には図示せず)、変流器1572、スイッチ1574、DC/DCコンバータ1576、およびレギュレータ1578を含むことができる。電気格納装置1520は、AC電源1522、1524、および中性線1526を含むことができる。無線センサ1510は無線センサ1010と同様とすることができ、またそれと同様の構成部品を含むことができる。たとえば、無線センサは、プロセッサ・モジュール1016と同様のプロセッサ・モジュール1516を含むことができる。
図10に示す無線センサ1010とは異なり、無線センサ1510は電源1513を含む。具体的には、電気格納装置1520は中性線1026を含むので、無線センサ1510は、たとえば建物の電気から電力を受け取ることができる。電源1513は、AC/DCコンバータを含むことができる。
【0047】
本明細書に記載の通り、
図10~15を参照すると、無線センサは、送電線からのAC入力を断続すること、または外部の調光装置(図示せず)に0~10Vの信号を供給することなど、任意の方法を用いて負荷線上での電気接続を調節するか、それとも弱めてもよい。
【0048】
図16は、電気格納装置1620内に配置された無線センサ1610の一部分の図である。具体的には、無線センサ1610は、アンテナ1664、フェース・プレート1668、ボタン1666、電池区画室ドア1682、および電池区画室ドアの固定装置1684を含む。
図16に示すように、アンテナ1664は、フェース・プレート1668の内部に、かつ/またはそれに隣接して配置することができる。電池区画室ドア1682は、電池(図示せず)を設置および/または置換できるようにすることができる。電池区画室ドアの固定装置1684は、閉位置で電池区画室ドア1682を固定し、たとえば、ねじ機構または留め機構を含むことができる。実施形態によっては、ボタン1666は、1つまたは複数の検知位置を用いる静電容量タッチ技術を使用して実装してもよい。実施形態によっては、ボタン1666は、スイッチを制御し、送電線と負荷線の間の電気接続も調節できるようにしてもよい。
【0049】
本明細書に記載の通り、
図1~16を参照すると、無線センサは、電気格納装置内、具体的にはジャンクション・ボックス内に少なくとも部分的に配置することができ、1つまたは複数のアンテナを、ジャンクション・ボックスの内部、外部、部分的に内部に、またはジャンクション・ボックスと一体化して配置することができる。実施形態によっては、ジャンクション・ボックスの特性が、アンテナの位置を決定することができる。実施形態によっては、ジャンクション・ボックスは金属を含むことができ、またはプラスチックを含むことができる。実施形態によっては、ジャンクション・ボックスおよび/または無線センサと連携するフェース・プレートは、プラスチックを含むことができ、ジャンクション・ボックス内にアンテナを取り付けることが可能となり、ジャンクション・ボックスが金属のとき、RFエネルギーがプラスチックのフェース・プレートを通って箱から放出することができる。あるいは、ジャンクション・ボックスがプラスチックのとき、RFエネルギーは、フェース・プレートとジャンクション・ボックスの両方を通って放出することができる。実施形態によっては、アンテナをジャンクション・ボックスから出して、金属製ジャンクション・ボックスの影響を最小限に抑えることによって性能を最大化することができる。実施形態によっては、アンテナは、ジャンクション・ボックスにケーブルで接続してもよく、またはジャンクション・ボックスの側部もしくは上部に取り付けられたパネル、スタッド、もしくは壁でもよい。
【0050】
実施形態によっては、アンテナは、接地平面として、またはアンテナの放射構造体の一部として、ジャンクション・ボックスまたは照明器具の金属部を使用してもよい。実施形態によっては、アンテナは、金属製ジャンクション・ボックスおよび金属製フェース・プレートを使用することによって、またフェース・プレート内のスロットを使用することによって形成することもできる。一例として、ジャンクション・ボックスは金属とすることができる。ジャンクション・ボックスの金属は、標準アンテナが適切に動作できないようにする可能性があるが、それはジャンクション・ボックスが放射を遮蔽する可能性、および/またはアンテナの同調が外れる可能性があるからである。寸法が適切なスロットを有する金属製カバーを、ジャンクション・ボックスにかぶせることによって、ジャンクション・ボックスからの放射を可能にすることができる。好ましくは、このスロットは、ジャンクション・ボックスの長手側部に沿って延び、スロットまたはジャンクション・ボックスの大地アースとは物理的に接続されていない伝送線路から電力供給される。好ましくは、たとえばFR4だがそれに限定されない誘電体が、スロット・アンテナと伝送線路の間に存在して、ACラインの周波数での電気的絶縁、またはDC電圧からの電気的絶縁が実現する。こうして絶縁することで、非絶縁電源の使用がULの要求事項に適合するようになる。
【0051】
実施形態によっては、アンテナは、無線機のRFアースをジャンクション・ボックスの大地アースに物理的に接続することなく、アンテナ用の接地平面としてジャンクション・ボックスまたは照明器具の金属部を使用してもよい。アース間の絶縁は、誘電体を使用して実現される。誘電体を介してRFアースと大地アースの間に形成されるキャパシタンスを使用して、RF信号が仮想接地接続を確立する。場合によっては、無線機を含むプリント回路板(PCB)は、ジャンクション・ボックスの内部に完全に納めてもよく、または安定器カバーの下に納めて、PCBを外界から効果的に遮蔽できるようになる。ワイヤ・アンテナは、金属内の小さい孔を通して供給され、したがって金属の平面に対してほぼ直交している。PCB接地平面からジャンクション・ボックスの金属部または照明器具の金属部まで仮想接地が確立されて、ジャンクション・ボックス内または照明器具の金属部でのRF電流を励起して、ワイヤ、およびジャンクション・ボックスの非接地(絶縁された)金属部または照明器具の金属部が無線機から見て共振するようにできる。使用される誘電体は、(使用する場合は)両面テープなどの接着剤を用いて結合された格納装置のABSプラスチックであることが好ましい。
【0052】
実施形態によっては、アンテナは、このアンテナの一部としてジャンクション・ボックスの金属部を使用して、性能を改善することができる。このような実施形態では、アンテナは、プラスチック製のジャンクション・ボックスカバーを使用することができる。このような実施形態では、アンテナ構造体は、金属平面、直交金属ウィング、および点給電平面を含む。点給電平面は、FR4などの誘電体上に構成することができ、平面を覆うことができるスーパーストレートを有することもでき、第2の誘電体、たとえばプラスチックから作製することができる。このような実施形態では、このアンテナは、パッチ・アンテナと、逆Fアンテナと、ダイポール・アンテナとの混成アンテナである。さらに、金属平面は、マルチギャング式またはプラスチック製のジャンクション・ボックス内での共振を確実に実現するための直交ウィングを含む。このような実施形態では、ジャンクション・ボックスがダイポール・アンテナの半分の役割を果たし、点給電平面がもう半分の役割を果たす。点給電平面の下の金属平面は、RF波に伴う電流をジャンクション・ボックスの外側を流れるようにして、ダイポール・タイプ・アンテナを形成することができる(点給電平面はダイポールの正側とすることができ、ジャンクション・ボックスの金属部および直交ウィングと結合される金属面はダイポールの負側とすることができる)。別の例では、ジャンクション・ボックスは、プラスチック製のジャンクション・ボックスであり、直交ウィングによって、金属製のジャンクション・ボックスの場合と同様に、RF波に伴う電流が後方に流れるようになる。これにより、アンテナの共振を維持できるようになる(反射減衰量-7dB未満)。言い換えると、アンテナのインピーダンスが信号源インピーダンスまたは負荷インピーダンスに対して複素共役になると、アンテナの共振周波数が生じる。一例では、アンテナは、無線送受信機に接続された50オームのインピーダンスと整合するよう、50オームになるように設計することができる。このような例では、反射減衰量は、アンテナが50オーム(または、50オームでないシステムでは別のインピーダンス)にどの程度近いかの測定値とすることができる。この例では、反射減衰量が-10dB未満であれば、整合が良好とすることができ、たとえばアンテナは、その周波数またはその周波数範囲にわたって共振する。さらに、直交ウィングによって、アンテナは、マルチギャング金属性ジャンクション・ボックスに取り付けられるとき、共振状態を保つことができるようになる。実施形態によっては、金属平面および金属製の直交ウィングは、単一の折り曲げた金属から形成することができる。直交ウィングは、たとえば、ジャンクション・ボックスの壁から少なくとも1mm離して配置することができる。実施形態によっては、アンテナは、無線センサ内のボタンの一部分として使用することができる。実施形態によっては、点給電点は、アンテナの一部分として、また静電容量タッチ式ボタンとして使用して、アンテナの機械的な動きをなくすことができる。
【0053】
図17~22には、関連するジャンクション・ボックスがある場合とない場合での、無線センサのアンテナの様々な図が示してある。具体的には、
図17は、一実施形態による無線センサのアンテナの正面斜視図であり、
図18は、
図17に示すアンテナの背面斜視図であり、
図19は、
図17に示すアンテナの第2の背面斜視図であり、
図20は、一実施形態によるジャンクション・ボックスに少なくとも部分的に配置された、
図17に示すアンテナの正面斜視図であり、
図21は、一実施形態によるジャンクション・ボックスに少なくとも部分的に配置された、
図17に示すアンテナの背面斜視図であり、
図22は、一実施形態によるジャンクション・ボックスに少なくとも部分的に配置された、
図17に示すアンテナの第2の背面斜視図である。
図17~22に示すように、アンテナ1764は、金属平面1794、直交ウィング1792、および点給電平面1796を含む。やはり
図20~22に示すように、アンテナ1764は、ジャンクション・ボックス1720内に少なくとも部分的に配置してもよい。
【0054】
建物内の空間(たとえば、開放および/または閉鎖された部屋、区域など)での照明システムの制御、構成、および解析のためのBASの一部分として、照明制御システムを使用することができる。実施形態によっては、人が空間を物理的に占有するとき、その人と照明制御システムとのインタラクションに基づいて照明制御システムを使用することができる。実施形態によっては、人が空間を物理的に占有していないとき、その空間内で検出される動き、または動きが検出されないことに基づいて照明制御システムを使用することができる。実施形態によっては、スケジュールおよび/または空間の環境の特性に基づいて照明制御システムを使用することができる。照明制御システムは、無線制御装置、ライト、動きセンサおよび他のセンサ、無線スイッチ、ならびにゲートウェイおよび他のネットワーキング・システムを含むことができる。照明制御システムは、ローカル・エリア・ネットワークおよび/もしくは広域ネットワーク、ならびに/またはクラウド・ベース・ネットワークを介して、BASと一体化することができる。
【0055】
図23は、照明制御システム(「システム」)2300の概略図である。システム2300は、照明器具2320内、またはそれに取り付けられた無線制御装置2310、無線スイッチ2330、モーション・センサ2340、光センサ2350、ゲートウェイ2360、プロキシ・サーバ(図示せず)、およびクラウド・サーバ(図示せず)を含む。
【0056】
無線スイッチ2330は、たとえば、照明器具2320のうちの一方または両方など、照明器具の状態を制御するように構成することができる。場合によっては、無線スイッチ2330は、電池駆動式装置とすることができる。こうした場合には、無線スイッチ2330の電池(図示せず)は、本明細書に記載のエネルギー・ハーベスタに結合することができる。場合によっては、無線スイッチ2330は、送信専用装置とすることができる。他の例では、無線スイッチ2330は、システム2300の他の装置から情報を受信するように構成することができる。無線スイッチ2330が送信専用スイッチとして構成されている場合、無線スイッチ2330は、あらかじめ組み込まれた(たとえばハンダ付けされた)単一の電池で25年以上稼働することができる。場合によっては、無線スイッチ2330には可動部品がなくてもよい。このように可動部品がなくなることで、使用可能な寿命を延ばすことができる。
【0057】
場合によっては、無線スイッチ2330は、ユーザからのインタラクションを示すために、容量性検知を使用することができる。このような場合、ユーザは、無線スイッチ2330上のある区画に触れることができ、無線スイッチ2330によってキャパシタンス変化を検知することができ、押された区画に基づくコマンドを伝送することができる。一例として、
図26を参照すると、無線スイッチ2630aは4つの区画を有してもよい。無線スイッチ2630aの上部に示す第1の区画(たとえば、
図26Aの「区画1」)を使用して、ユーザが部屋のライトをつけようとしていることを示すことができる。区画1の下の区画(たとえば、
図26Aの「区画2」)を使用して、ユーザが部屋の光量レベルを上げようとしていることを示すことができる。区画2の下の区画(たとえば、
図26Aの「区画3」)を使用して、ユーザが部屋の光量レベルを下げようとしていることを示すことができる。最下部の区画(たとえば、
図26Aの「区画4」)を使用して、ユーザが部屋のライトを消そうとしていることを示すことができる。場合によっては、容量性検知はデューティ・サイクルで動作する。このようなデューティ・サイクルは、電力を節約することができ、25年の電池寿命を可能にするのに寄与できる。一例として、1/4秒毎または1/8秒毎に1度、各区画を検知することができる。ユーザが検出されると、無線スイッチ2330は、ユーザを検出する第1のモード(ユーザ検出モード)から、ユーザのコマンドに迅速な応答を確実に返すために各区画がより高速にサンプリングする第2のモード(実行モード)に遷移することができる。区画1~4は、それぞれ互いに異なる状況を部屋の中に設定するように構成することができる。一例として、区画1は、無線制御装置2310を調光レベル40%に設定するように構成することができる。このような例では、無線スイッチ2330から無線制御装置2310まで、直接または中継装置(図示せず)を介して、区画1のコマンドを送信することができる。このような例では、ゲートウェイ2360は、各区域のコマンドについて所望の状態で無線制御装置2310をプログラムすることができる。
【0058】
無線センサ2330は、ライトのオン/オフを切り替え、またライトを調光するよう構成することができる。実施形態によっては、無線スイッチ2330はスライダを含むことができる。一例として、
図26Bを参照すると、無線スイッチ2630は、2つの要素からなる静電容量タッチ式(検知)スライダ2632(
図26B参照)を含むことができる。スライダ2632により、ユーザは、スイッチの上端部に触れてライトをオンにすることができるようになる。スライダ2632により、ユーザは、スイッチの下端部に触れてライトをオフにすることができるようになる。オン区画とオフ区画の中間では、ユーザは、自分の指を摺動させて、ライトの調光レベルを調整することができる。場合によっては、ユーザは、無線スイッチ2630に物理的に触れる必要はない。こうした場合には、容量性検知は、無線スイッチ2632の検知表面の数ミリメートル以内でユーザの指を検知できるような感度とすることができる。
【0059】
前述の通り、無線スイッチ2330は、単一の無線機を使用して、2つ以上の連続チャネル上でコマンドを伝送するように構成された送信専用装置とすることができる。一例として、無線スイッチ2330は、第1のチャネル(たとえば「チャネルA」)と、それに続いて第2のチャネル(たとえば「チャネルB」)とで伝送することができる。無線スイッチ2330は、壁に取り付けることができ、(部屋中を移動可能な)モバイル装置とすることができ、または、無線スイッチ2330をクレードルから取り外せるように、ねじなどの留め具を用いて壁に固定されたクレードルに取り付けることができる。無線スイッチ2330は、固有のシリアル・ナンバーに関連することができ、このシリアル・ナンバーは、製造の時点で割り当てられ、伝送されるあらゆるパケット内にデータとして含まれる。
【0060】
無線制御装置2310は、1つまたは複数の照明器具2320を制御し、BASと通信するように構成することができる。場合によっては、無線制御装置2310は、ACラインまたはDCラインで電力供給する装置とすることができる。無線制御装置2310は、通常動作中、無線スイッチ2330、ゲートウェイ2360、モーション・センサ2340、および/または光センサ2350からデータを受信し、照明器具2320の状況を制御するよう構成することができる。無線制御装置2310は、照明器具2320内のライトをオンもしくはオフし、照明レベルを調整することができる。一例として、
図24を参照すると、照明器具2320は、安定器2322によって制御される複数の電球2324を含むことができ、無線制御装置2310は安定器2322とインターフェースすることができる。こうした場合、無線制御装置2310は、安定器2322へのACまたはDCのライン電力を断続するための機構を含むことができる。こうした場合には、この機構は、無線制御装置2310が使用する電力量を制限するためのラッチング・リレーとすることができ、あるいは、非ラッチング・リレーまたは他の固体リレーもしくはスイッチとすることができる。
【0061】
場合によっては、無線制御装置2310は、BASネットワークに加わるようゲートウェイ2360が問合せすることができる。ゲートウェイ2360または1つもしくは複数のクラウド・サーバと連携するウェブページに、ユーザが無線制御装置2310のバーコードをスキャンまたは手動入力すると、無線制御装置2310をBASネットワークに登録することができる。次いで、無線制御装置2310は、ゲートウェイ2360に、このゲートウェイ2360の固有識別番号を送信することができ、この識別番号は、無線制御装置2310から伝送されるパケット内に含むことができる。さらに、無線制御装置2310は、ゲートウェイ2360から関連データを受信することができる。こうした場合、この関連データは、いずれのシステム装置(たとえば、スイッチ、センサなど)が無線制御装置2310にデータを提供することになるのか、無線制御装置2310に示すことができる。一例として、ゲートウェイ2360は、1つまたは複数の無線スイッチ2330からの信号を受信するよう、無線制御装置2310に指示することができる。この関連付けが無線制御装置2310の不揮発性メモリに記憶されると、無線制御装置2310は、1つまたは複数の無線スイッチ2330からのデータまたはコマンドを直接受信し、受信したデータまたはコマンドに基づいて動作することができる。場合によっては、無線制御装置2310は、ゲートウェイ2360からのコマンドを受信することができる。ゲートウェイ2360は、無線制御装置2310の周波数チャネルを設定することができる。一例として、無線制御装置2310をチャネルAに設定して、センサ2340もしくはスイッチ2330からのデータをチャネルA上で受信することができ(センサ2340もしくはスイッチ2330からの第1の連続送信)、または無線制御装置2310をチャネルBに設定して、センサ2340もしくはスイッチ2330からのデータをチャネルB上で受信することができる(センサ2340もしくはスイッチ2330からの第2の連続送信)。
【0062】
場合によっては、無線制御装置2310を中継装置として使用可能にして、他の装置(たとえば、無線スイッチ、センサ、他の無線制御装置など)からのパケットを中継できるようにすることができる。こうした場合、無線制御装置2310は、受信したパケットを追跡して、確実にそのパケットが2回以上伝送されないようにする。こうした場合、無線制御装置2310はまた、ゲートウェイ固有識別番号をパケットに追加して、このパケットが既に中継されたこと、および、パケットは、このパケットにその固有識別番号が含まれているゲートウェイと連携する無線制御装置によってのみ中継されることを、他の中継無線制御装置(図示せず)に示すこともできる。場合によっては、診断データをパケットに追加して、ホップ・カウント、受信信号強度、パケット・カウンタなどを含め、ネットワークの健全性を監視することができる。場合によっては、無線制御装置2310は、メモリに記憶され、無線制御装置2310に関連付けられた装置のパケットを専ら中継する。場合によっては、たとえば、無線制御装置2310は、中継装置でない動作モードに構成されると、メモリに記憶された関連装置(たとえば、無線スイッチ、センサなど)およびゲートウェイ2360からのパケット以外のいずれのパケットも無視することができる。中継装置モードでのチャネルは、ゲートウェイが設定することができ(チャネルAまたはチャネルB)、これにより、ネットワークが、2つの冗長オーバラップ・ネットワークを有することができるようになる。一例として、ユーザは、部屋内の1つの無線制御装置2310が中継装置チャネルA上で、また部屋内のもう1つの無線制御装置2310が中継装置チャネルB上で使用可能になるようゲートウェイ2360に命令することができる。場合によっては、中継装置は、全てのチャネル上で順次伝送することができる。
【0063】
場合によっては、無線制御装置2310は、停電後にデフォルトでオンになって、ユーザが無線スイッチ2330またはゲートウェイ2360を介して無線制御装置2310の状況(たとえば、オン、オフ、または調光)を変更するまで、確実に照明を回復することができる。無線制御装置2310は、照明器具2320もしくは照明器具組立体に取り付けてもよく、またはその中に組み込んでもよい。多くの場合で、照明器具2320は金属で構成されることがあり、これによってRF通信に難題を突きつけることがある。こうした場合、
図17~22に上述したアンテナを使用して、これらの難題を克服することができる。一例として、照明器具2320は、2フィート×2フィートのつり天井の照明器具とすることができ、無線制御装置2310はワイヤ・アンテナ(図示せず)を使用することができる。プリント回路板(PCB)(図示せず)は、アンテナ用の接地平面を含むことができる。無線制御装置2310は、接着テープ(図示せず)を使用して取り付けることができる。アンテナは、照明器具2320の頂部の孔を通って突出し、つり天井の上方の空間に入るように設計される。アンテナは、照明器具の頂部と直交していてもよい。照明器具の頂部は、アンテナにとって接地平面の役割を果たすことができる。PCBの接地平面および照明器具の金属は、容量性結合して、アンテナにとって仮想接地を形成することができる。
【0064】
場合によっては、無線制御装置2310は、ブレーカ・パネルで器具への接続をオフにする必要なく、電源(ACまたはDC)(たとえば、
図10~15を参照して上述した電源)との間で迅速に脱着するためのコネクタを含むことができる。さらに、このコネクタにより、追加のワイヤを準備して、ACまたはDCの電源を、次の無線制御装置にデイジー・チェーン接続できるようにすることが可能になる。無線制御装置2310はそれぞれ、固有のシリアル・ナンバーに関連することができ、このシリアル・ナンバーは、製造の時点で割り当てることができ、伝送されるあらゆるパケット内にデータとして含まれる。
【0065】
無線制御装置2310は、0~10Vの信号を使用して調光を実行することができる。無線制御装置2310は、たとえば、同じ回路を使用して0~10Vの信号(出力)を供給し、または0~10Vの信号(入力)を受信することができる。これは、ドライバ出力を使用することによって実現することができ、このドライバ出力は、電流を供給または減少させて、適切な電圧レベルで出力を保持することができる。
【0066】
モーション・センサ2340は、空間にいる人の動きを検知するように構成することができる。場合によっては、モーション・センサ2340は、電池駆動式装置とすることができる。こうした場合には、モーション・センサ2350の電池(図示せず)は、本明細書に記載のエネルギー・ハーベスタに結合することができる。場合によっては、モーション・センサ2340は、送信専用装置とすることができる。他の例では、モーション・センサ2340は、システム2300の他の装置から情報を受信するように構成することができる。モーション・センサ2340が送信専用装置として構成されている場合、モーション・センサ2340の電池(図示せず)は25年以上稼働することができる。場合によっては、モーション・センサ2340には可動部品がなくてもよい。こうした場合、可動部分がなくなることで、モーション・センサ2340の使用可能な寿命を延ばすことができる。場合によっては、モーション・センサ2340は、受動型赤外線を使用して、検知領域内の固体の存在を示すことができる。場合によっては、モーション・センサ2340は、ほぼ連続的な速度で動きをサンプリングすることができる。こうした場合、モーション・センサ2340は、検知時間とエネルギー使用量(電池寿命)のバランスをとることができる。モーション・センサ2340は、連続的な検知を実行するように構成することができるが、それでもなお、あらかじめ組み込まれた(たとえばハンダ付けされた)単一の電池で25年以上の動作を実現する。場合によっては、エネルギー・ハーベスティングなしで25年の電池寿命が実現する。動きが検出されると、モーション・センサ2340は、出力信号をトリガし、リセットして再び検知を可能にする。リセット・プロセス中、モーション・センサ2340は、動きを検知できなくてもよい。しかし、リセット・プロセスは、ほんの1秒程度しかかからない可能性があり、ちょうど動きが検知されたので、1秒間の非検知時間は重要でないことがある。
【0067】
場合によっては、モーション・センサ2340は、動きが検出されるとパケットを伝送するように構成することができる。こうした場合、モーション・センサ2340は、動きを検出し続けることができるが、場合によっては、所定の期間またはプログラム可能な期間、たとえば5分間は別のパケットを伝送しない。こうした場合、モーション・センサ2340は、5分間の時間枠(または適切な他の任意の時間枠)において、動きを絶えず効果的に監視し、この5分間に動きが生じたかどうかを示すパケットを送信することができる。場合によっては、モーション・センサ2340は、ゲートウェイおよび/または無線制御装置2310にデータを送信することができる。ゲートウェイ2360および/または無線制御装置2310によって、パケットに基づいた制御またはそれに応答した制御を実行することができる。場合によっては、モーション・センサ2340を使用して、部屋または区域の占有状態または空き状態を検知することができる。モーション・センサ2340は、天井、壁、または廊下に取り付けてもよい。
【0068】
場合によっては、モーション・センサ2340は、送信専用装置とすることができ、この装置は、単一の無線機を使用して2つの連続チャネル上でデータを伝送することができる。一例として、モーション・センサ2340は、チャネルAと、それに続いてチャネルBとで伝送することができる。モーション・センサ2340はそれぞれ、固有のシリアル・ナンバーを有することができ、このシリアル・ナンバーは、製造の時点で割り当てられ、伝送されるあらゆるパケット内にデータとして含まれる。
【0069】
光センサ2350は、空間内の周辺光のレベルを検知するように構成することができ、照明器具2320を制御および/または構成するためのこうした情報を伝送するように構成することができる。場合によっては、光センサ2350は、電池駆動式装置とすることができる。場合によっては、光センサ2350は、通常動作中、送信専用装置となるように構成することができる。他の例では、光センサ2350は、システム2300から情報を受信するように構成することができる。光センサ2350が送信専用装置として構成されている場合、光センサ2350の電池(図示せず)は25年以上稼働することができる。場合によっては、光センサ2350には可動部品がなくてもよい。こうした場合、可動部分がなくなることで、光センサ2350の使用可能な寿命を延ばすことができる。場合によっては、光センサ2350は、レンズ、IRおよびUVフィルタ、ならびに、光センサ2350が取り付けられた表面に照射されるルクス・レベルを測定するように構成されたフォトダイオードを含むことができる。光センサ2350内の光検知素子(図示せず)は、人間の目の光周波数(スペクトル)応答に厳密にマッチするように設計することができる。
【0070】
場合によっては、光センサ2350は、光レベル(たとえばルクス・レベル)をサンプリングし、たとえば1分間に1度など、所定の時点もしくはプログラム可能な時点に、または以前の読取り値に対する百分率での光レベルの変化を条件に、RFパケットを送信するように構成することができる。場合によっては、光センサ2350は、ゲートウェイ2360または無線制御装置2310にデータを送信することができる。こうした場合、このデータを使用して、光レベルを所望のレベルにまで駆動するよう、部屋の中の光レベルを調整することができる。場合によっては、たとえば、最大許容光レベル(最大設定ポイント/ルクス・レベル)および最小許容光レベル(最小設定ポイント/ルクス・レベル)を含め、ユーザ定義された光レベルの範囲を提示することができる。システムは、光センサ2350と連動する無線制御装置2310の調光レベルを修正して、光レベルを最小設定ポイントと最大設定ポイントの中間まで駆動することができる。一例として、部屋での最小ルクス・レベルを300ルクスに設定することができ、最大ルクス・レベルを400ルクスに設定することができる。部屋内の現在のルクス・レベルが350ルクスであることを、光センサ2350がゲートウェイ2360に報告する場合、ゲートウェイ2360は、部屋内の無線制御装置の調光レベルに変更を加えることができない。しかし、ルクス・レベルが250ルクスであることを、光センサ2350が報告する場合、ゲートウェイ2360は、あるパーセント(たとえば10%)だけ調光レベルを上げるよう、部屋内の無線制御装置2310のうちの1つもしくは複数、またはその全てに指示することができる。場合によっては、光センサ2350からの後続の読取り値が受信されると、ゲートウェイ2360は、300ルクス~400ルクスの間の読取り値を光センサ2350が送信するまで調光設定を上げ続けることができる。ルクス・レベルがユーザ定義の設定ポイント300ルクス~400ルクスの間に入るまで、あるパーセント(たとえば10%)だけ調光レベルを下げるよう無線制御装置2310のうちの1つもしくは複数、またはその全てにゲートウェイ2360が指示する以外は、ルクス・レベルが400ルクスを超える場合にも同じプロセスが生じることがある。
【0071】
場合によっては、光センサ2350は、送信専用装置とすることができ、この装置は、単一の無線機を使用して2つの連続チャネル上でデータを伝送することができる。一例として、光センサ2350は、チャネルAと、それに続いてチャネルBとで伝送することができる。光センサ2350はそれぞれ、固有のシリアル・ナンバーを含むことができ、このシリアル・ナンバーは、製造の時点で割り当てられ、伝送されるあらゆるパケット内にデータとして含まれる。
【0072】
ゲートウェイ2360は、無線スイッチ2330、光センサ2350、モーション・センサ2340、無線制御装置2310、および関連する照明器具2320とBASネットワークとを接続するように構成することができる。ゲートウェイ2360は、本明細書に記載のネットワーク・ゲートウェイ装置、たとえばネットワーク・ゲートウェイ装置140と同様とすることができる。場合によっては、ゲートウェイ2360は、ゲートウェイ2360のネットワーク上の全ての装置からデータを収集することができる。ユーザは、LAN(図示せず)を介してゲートウェイ2360からユーザのコンピュータに提示されるウェブページを使用して、ゲートウェイ2360に関連するネットワークに装置を登録することができる。このようにして、バーコード・スキャナ(図示せず)を使用して各装置の固有の識別番号のバーコードをスキャンすることで、ウェブページによってユーザが装置を登録できるようになる。ユーザはまた、ウェブページを使用して、装置(たとえば、無線スイッチ、無線センサ、無線制御装置など)の特性を設定することができる。ユーザはまた、ウェブページを使用して、ある装置を別の装置に関連付けることができる。このデータの全てをゲートウェイ2360内の不揮発性メモリに記憶して、停電時に確実に保持し、クラウド・サーバとの間のシステム待ち時間を削減することができる。場合によっては、関連付けによって、どのようにして互いにインタラクトするのか各装置には分かる。一例として、無線制御装置2310は、無線スイッチ2330と連携している。このような例では、無線制御装置2310は、無線スイッチ2330からのパケットを受信および処理して、オン、オフ、または調光状態を制御する。このデータをゲートウェイ2360に中継して、適切なシステム制御を確実に実行し、無線制御装置がコマンドを受信し、それに基づいて動作したことを2重チェックすることもできる。
【0073】
場合によっては、ゲートウェイ2360は、部屋または区域毎に装置をグループ化することができる。一例として、
図23を参照すると、全ての装置(たとえば、無線制御装置2310、無線スイッチ2330、モーション・センサ2340、光センサ2350など)が部屋に追加されている。この例では、無線制御装置2310は無線スイッチ2330と連携することになり、モーション・センサ2340および光センサ2350は部屋と連携することになる。
【0074】
場合によっては、モーション・センサを使用して部屋のタイムアウトをリセットする。部屋のタイムアウト・タイマは、占有状態から空き状態にいつ切り替えるかを示すことができる。部屋のタイムアウト・タイマは、ユーザが構成可能とすることができ、たとえば30分とすることができる。部屋のタイムアウト・タイマは、個々の部屋にあるゲートウェイ2360によって計時することができ、ゲートウェイ2360がこれを使用して、部屋の装置(たとえば無線制御装置2310)をどのようにして制御するのか決定することができる。動きを示すデータは、モーション・センサ2340から送信され、
図23に示す部屋の部屋タイマをリセットすることができる。場合によっては、それぞれの部屋または区域は、専用の部屋タイマおよびタイムアウト条件を有する。場合によっては、いずれのモーション・センサ2340も、動きを検知し、部屋タイマをクリアすることができる。場合によっては、部屋タイマが部屋のタイムアウト条件、たとえば30分に達すると、その部屋に関連して無線制御装置2310の所望の状態に切り替えるためのコマンドを、ゲートウェイ2360が無線制御装置2310に送出することができる。こうした場合、無線制御装置2310へのコマンドは、それぞれの無線制御装置2310に順次生じることがあり、または全ての無線制御装置2310への単一のコマンドとして同時に生じることがある。こうした場合、通常は所望の状態がオフであるが、場合によっては、セキュリティ照明または非常用照明など、ある種の照明では、所望の状態がオン、または50%など設定可能なレベルへの調光となることがある。場合によっては、光センサ2350は、部屋内の光レベルを絶えず監視し、データをゲートウェイ2360に送信することができる。ゲートウェイ2360は、(モーション・センサ2340および光センサ2350からの)センサ・データに基づいて、無線制御装置2310にコマンドを無線で送信することができる。場合によっては、有利だと分かれば、モーション・センサ2340および/または光センサ2350は、無線制御装置2310と直接通信することができ、無線制御装置2310内のモーション・センサ2340および/または光センサ2350用に関連付けを記憶することができる。
【0075】
場合によっては、ゲートウェイ2360は、たとえば、検知閾値、タイムアウト、調光レベルなどだがそれに限定されない装置データを設定することができる。このデータをゲートウェイ2360が使用して、システム制御を実行または保証する。
【0076】
場合によっては、ゲートウェイ2360は、各部屋についてのスケジュール、またはその部屋を占有すべきかそれとも空きにすべきかについてのスケジュールを保持することができる。このスケジュールは、たとえば15分毎に分けてもよい。場合によっては、クラウド・サーバからゲートウェイ2560にスケジュールをプッシュ配信し、それをユーザが設定することができる。例によっては、占有状態の下での挙動は、空き状態での挙動とはマッチしないことがある。一例として、占有状態にあるときは、タイムアウト条件が理由でライトをオフにしなくてもよいが、少しだけ調光してもよい。その一方で、空き状態では、ライトをオフにしてもよい。スケジュールの少なくとも一部分(一例として24時間)をゲートウェイ2360に記憶して、ネットワーク故障を克服することができる。
【0077】
場合によっては、ゲートウェイ2360はまた、制御および監視の情報を受信して提供するための、BASとのインターフェースを含む。場合によっては、ゲートウェイ2360は、所定期間の後に各無線制御装置2310をポーリングして、それぞれの無線制御装置2310を確実に適切な状態にすることができる。こうした場合、ゲートウェイ2310は、見つかった任意の誤りを訂正するためのパケットを伝送することができる。一例として、ゲートウェイ2360は、1秒毎に100台の無線制御装置のうちの1台をポーリングして、その状態を検査することができる。したがって、それぞれの無線制御装置2310は、100秒毎にポーリングされる。場合によっては、ゲートウェイ2360は、2つのアンテナおよび2つの無線機を含むことができ、これらは、互いに異なるチャネル(チャネルAおよびチャネルB)上で同時に動作して、空間ダイバーシチおよび周波数ダイバーシチを実現する。場合によっては、ゲートウェイ2360は、ユーザのコンピュータから、またはプロキシ・サーバもしくはクラウド・サーバからアクセスするための、安全なログインおよびパスワードを有することができる。場合によっては、ゲートウェイ2360は、クラウド・サーバによって促されると、また更新されたファームウェアを含むファイルを受信すると、ファームウェアのアップグレードを実行する機能を有することができる。場合によっては、ゲートウェイ2360は、それ自体が動作不能になる場合、そのメモリ内容をクラウド・サーバにバックアップすることができる。これにより、ユーザは、システム2300を再度設定する必要なしに、新規ゲートウェイにメモリ内容を復元できるようになる。
【0078】
前述の通り、ゲートウェイは、照明制御システムの制御点とすることができ、システムを構成および監視するための中心装置とすることができる。ゲートウェイは、システム内の他の装置を制御する中心点とすることができる。しかし、場合によっては、システム内の各装置はまた、ゲートウェイがなくても自律的に機能することができる。こうした場合、ゲートウェイが制御するように構成された装置とこのゲートウェイが通信できないような、建物の電源の部分的な故障または障害が生じると、各装置は、デフォルトの命令および設定を使用して機能し続けることができる。
【0079】
前述の通り、ゲートウェイは、各装置(無線制御装置および関連する照明器具、モーション・センサ、照明センサなど)向けの初期構成を制御するように構成することができる。こうした場合、たとえば、イーサネットのインターフェースおよびウェブサイトによって初期構成を実現することができ、この初期構成をユーザがゲートウェイからロードして、ネットワークとの間で構成要素または装置を追加したり取り外したりすることができる。さらに、システム内の各装置は、クラウド・サーバを介してゲートウェイと関連付けることができる。場合によっては、ゲートウェイは、他の全ての照明システムのハードウェア構成部品または装置用の最小限の制御ユニットとして機能することができる。場合によっては、ゲートウェイにスケジューリングは記憶されない。場合によっては、システム内の装置の有効化または無効化は、ゲートウェイのウェブ・ページ・インターフェースまたはJSON RESTインターフェースを介して決まったやり方で実行して、所与のスケジュールまたはポリシーを実行できる手段となる機構を提供することができる。場合によっては、本明細書に記載の通り、ゲートウェイは、プロキシ・サーバ、ローカル・サーバ、および/またはクラウド・サーバにデータをプッシュするように構成される。場合によっては、ゲートウェイは、関連する装置(無線制御装置/中継装置、スイッチ、センサ)ついての情報をメモリに記憶することができる。場合によっては、ゲートウェイは、サーバによって促されると、ソフトウェア/ファームウェアをアップグレードすることができる。こうした場合、ゲートウェイは、新規タイプの装置を構成および制御するように構成することができる。場合によっては、ゲートウェイは、ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)クライアントを使用して、現時刻を知るためにNTPサーバをポーリングすることができる。場合によっては、IEEE規格1003.1-1988に指定された秒として、ゲートウェイ上のタイムスタンプを記録することができる。
【0080】
図25に示すように、プロキシ・サーバ2380は、有線ネットワーク上の複数のゲートウェイ2360a~2360nからデータを収集するように構成することができる。次いで、
図25で見て分かるように、複数のゲートウェイ2360a~2360nからのデータは、単一点を通ってファイアウォールを抜け出て、ファイアウォールを開放することによるセキュリティのリスクを最小限に抑えることができる。さらに、プロキシ・サーバ2380は、セキュリティを高めるために、クライアント・セキュリティ・ソケット・レイヤ(SSL)などのさらなるセキュリティ機能をシステムに追加することができる。プロキシ・サーバ2380は、物理ユニット、ソフトウェア・パッケージ、および/または既存のサーバ上で実行される仮想マシンとすることができることに留意されたい。
【0081】
クラウド・サーバは、複数のゲートウェイ、および複数のサイト、および複数のユーザからデータを収集するように構成することができる。場合によっては、クラウド・サーバは、ゲートウェイと同じ機能を実行することができるが、複数のゲートウェイを含む総合サイトを管理することもできる。クラウド・サーバは、データを記憶し、追跡し、解析することもできる。一例として、クラウド・サーバは、建物、部屋/区域、または無線制御装置レベルでの、照明制御システムのエネルギー使用量を追跡することができる。ユーザは、ACまたはDC電圧、安定器の典型的な電流引込み、および力率を入力することができる。クラウド・サーバは、このデータ、および無線制御装置のオン時間を使用して、エネルギー消費量を計算することもできる。
【0082】
本明細書に記載の装置、たとえば、無線スイッチ、無線センサなどは、それぞれ、恒久的なバーコード・ラベル、および取外し可能な接着バーコード・ラベルを有することができる。この取外し可能なバーコード・ラベルは、設置する際には取り外すことができ、部屋または区域内の装置を記載したシートに貼り付けることができる。これらのバーコードは、後でスキャンして、照明制御システムの設定時にゲートウェイに送ることができる。これにより、ゲートウェイは、いずれの装置をネットワークに追加すべきか、およびいずれの装置を無視すべきか(設定時に装置をスキャンしない)を知ることができるようになる。
【0083】
場合によっては、複数のセンサが部屋に存在するとき、各センサからのデータはOR演算、AND演算、平均化、加算、減算、積分、または他の任意の数学演算を実行して、所望の結果を生み出してもよい。
【0084】
場合によっては、複数の無線スイッチは、1つまたは複数の無線制御装置と連携して、部屋または区域が複数の制御用スイッチを有することができるようにする。こうした場合、制御は、直近のスイッチ押圧に基づく場合があり、またはタイムアウト期間内に優先度が最も高いスイッチによる場合がある。場合によっては、マスタ・スイッチが、複数の部屋または区域を制御でき、その部屋または区域内に含まれる低位スイッチに優先することができる。
【0085】
本明細書に記載の装置は、それぞれ固有のシリアル・ナンバーを有することができる。このシリアル・ナンバーは、装置のタイプを識別するのに使用できる一部分を含むことができる。一例として、シリアル・ナンバーは32ビットの数でもよく、ここで第1の8ビットが装置のタイプを識別し、残りの24ビットが固有の数である。
【0086】
場合によっては、照明制御システムは、暗号化を利用して、確実にシステムを安全にすることができる。追加セキュリティとして、システムは、パケット・カウンタおよびデータ・ホワイトニング・アルゴリズムを利用することができる。パケット・カウンタにより、ゲートウェイは、パケットが攻撃者によって中継されないよう確実にすることができる。送信装置からの簡略なタイムスタンプとしてパケット・カウンタを使用して、その装置からのパケットが消失または紛失したかどうか判定することもできる。適用可能な場合、このデータを使用して、再送信を要求することができる。データ・ホワイトニング・アルゴリズムを主に使用して、FCC規制に適合するようRF周波数スペクトル拡散を実行する。
【0087】
場合によっては、照明制御システムは、たとえば、有線スイッチ、無線コンセント、電子制御ルーバーと有する制御可能な通気孔、HVACセンサ(温度、湿度、CO2、差圧、接点閉鎖、外部温度、パルス・カウンタなど)、音声起動照明制御装置、音声検知占有/空きセンサなどだが、それに限定されない追加の装置を含むことができる。
【0088】
場合によっては、ゲートウェイは、ZigbeeまたはWiFiなど異なるプロトコルを使用して他の装置の追加を支援するための、追加の無線機を含むことができる。場合によっては、ゲートウェイは、他のシステムに接続して制御用の他のデータを取得するための、デジタルまたはアナログの入力部および/または出力部を含むことができる。一例には、セキュリティ状況の変化に基づいて照明設定を変更するための、セキュリティ・システムへの接続部が含まれる。
【0089】
場合によっては、無線制御装置は、負荷の電流および力率を監視して、エネルギー消費量をゲートウェイ・サーバまたはクラウド・サーバに報告できるようにするための回路を含むことができる。電流の監視を使用して、切れた電球または壊れた安定機など負荷装置での機能不良を確定することもできる。
【0090】
図27は、本明細書に記載の照明制御システムを動作させる方法2700を示す流れ図である。方法2700は、たとえば、2702、2704で空間におけるタイムアウト期間中に状態変化信号が受信されたかどうか判定する定期検査を実行する、この空間と連携するゲートウェイを含む。状態変更信号を受信することなくタイムアウト期間が経過した場合、方法2700は、2706で、空間内にモーション・センサが存在するかどうか判定するステップを含む。モーション・センサが存在する場合、方法2700は、2708で、ゲートウェイが任意の無線制御装置をその所望の状態まで復帰させるステップを含む。モーション・センサが存在しない場合、方法2700は、2710で、この空間を占有するスケジュールになっているかどうか、ゲートウェイが判定するステップを含む。空間を占有するスケジュールになっていない場合、方法2700は、2708で、ゲートウェイが任意の無線制御装置をその所望の状態まで戻すステップを含む。部屋を占有するスケジュールになっている場合、方法2700は、2712で、光センサが存在するかどうか判定するステップを含む。光センサが存在しない場合、方法2700は、2708で、ゲートウェイがいかなる変更をも行わないステップを含む。光センサが存在する場合、方法2700は、2714で、任意の無線制御装置を光センサ制御に戻すステップを含む。2704に戻ると、タイムアウト期間が経過していない場合、2716で、ゲートウェイはいかなる変更をも開始しない。
図7には示していないが、終点2708、2714、および2716のそれぞれの後、方法2700は、2702に戻って定期検査を実行することができる。
【0091】
本明細書に記載の照明制御システムは、様々な使用事例と連携することができる。具体的には、照明制御システムは、人がシステムと物理的に(たとえばスイッチ)かつ/またはシステム内に含まれる装置(たとえばモーション・センサ)を介してインタラクトする状況と連携することができる。
【0092】
人がスイッチと物理的にインタラクトする状況では、このスイッチにより、ユーザはシステム内のポリシーに優先できるようになる。ユーザによるスイッチまたはセンサを介した物理的インタクラションがない場合、このシステムは、設定されたポリシーに従って自律的に動作しなければならない。
【0093】
第1の物理的インタクラションの状況では、ユーザは、光をさらに必要とする場合がある。この状況では、ライトが電源オフ状態になるか、または調光レベルがユーザの要望に対して低すぎる設定が実施されている場合がある。ユーザは、その所望の照明レベルに基づいて、スイッチにタッチ入力することができる。この状況では、スイッチの押された部屋が占有に設定されている場合、センサが存在すると、部屋のタイムアウトにより、無線制御装置は日光ハーベスティングに戻ることができる。この状況では、スイッチの押された部屋が空きに設定されている場合、部屋のタイムアウトにより、米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)の規格に従って、無線制御装置はデフォルト状態のオフに戻ることができる。
【0094】
第2の物理的インタクラションの状況では、ユーザは、光をさほど必要としない場合がある。この状況では、部屋は、部屋の無線制御装置の状態のデフォルト値を設定するスケジュールを有効にすることができる。ユーザは、プレゼンテーションでは比較的暗い部屋を好むことがある。この状況では、ユーザは、その所望の照明レベルに基づいて、スイッチにタッチ入力することができる。この状況では、スイッチの押された部屋が占有に設定されている場合、センサがその部屋に配置されていると、部屋のタイムアウトにより、コネクタは日光ハーベスティングに戻ることができる。この状況では、スイッチの押された部屋が空きに設定されている場合、部屋のタイムアウトによりASHRAEの規格に従って、コネクタはデフォルト状態のオフに戻ることができる。
【0095】
第3の物理的インタクラションの状況では、その無線制御装置の連携を削除することによってスイッチを使用不可にすることができる。このような状況では、ユーザのスイッチとの物理的インタクラションがシステムに優先する場合がある。同様に、スイッチがタイムアウトになる場合、ユーザは、スイッチに優先することもできる。
【0096】
第4の物理的インタクラションの状況では、ゲートウェイは、接続性を失う場合がある。このような状況では、各スイッチは、システムの制御の唯一のポイントの役割を果たすことができる。部屋内の無線制御装置は、単一のユニットとして自律的に動作し、接続性を失う前の状態にとどまらなければなければならない。建物のポリシーは、ゲートウェイからのブロードキャストによって制御することができるので、故障すると、ゲートウェイ上で有効な建物のポリシー全てが他の装置によるアクセスに利用できなくなり、システム内で接続性が回復するまでスイッチの状態が持続することになる。
【0097】
第1のモーション・センサの状況では、動きが検出されない。このような状況では、部屋が空いている(タイムアウト期間内に動きがない)ことを建物の空きセンサが検出すると、部屋内の全ての無線制御装置が、そのデフォルト状態に戻ることになる。第2のモーション・センサの状況では、動きが検出される。このような状況では、動きが検出されると、部屋は、タイムアウト・タイマをリセットすることになる。
【0098】
光センサの状況では、光センサが部屋内に配置され、部屋のルクス・レベルを検出することができる。このような状況では、センサの構成可能なルクス設定ポイントが与えられている場合、システムは、センサと連携する無線制御装置を暗くまたは明るくすることができる。このような状況では、無線制御装置と連携する各スイッチは、日光ハーベスティング用に設定されたデフォルト状態に優先することができる。このような光センサの状況では、光センサによって測定される部屋のルクス・ポイントまたは明るさを、ゲートウェイを介して制御することができる。このシステムは、光の合理的な値を実現し、試験によって確定した光の状態を変更するのに適合するように設計することができる。この状況に続いて、無線制御装置と光センサの連携にはヒステリシス・レベルが設けられる。これらのレベルは、光センサと連携する無線制御装置が、そのパーセントでの調光を調整しようと試みない場合がある、ルクスの範囲を提示することができる。
【0099】
本明細書に記載の通り、ゲートウェイは、照明制御システムに接続することができる。一例として、技能者なら、ゲートウェイにイーサネット・ケーブルを接続することができる。イーサネット接続は、クロス・オーバ・ケーブルを必要とすることなく機能することができる。次いで、技能者なら、自身のコンピュータに静的なインターネット・プロトコル(IP)アドレスを設定することによって、ゲートウェイとの通信を可能にすることができる。この例に続いて、技能者なら、この場合ゲートウェイのデフォルトIPで、ゲートウェイ上のハイパーテキスト転送プロトコル・セキュア(HTTPS)サーバまで進むことができ、またデフォルトのユーザ名およびパスワードを求められることがある。デフォルトのユーザ名およびパスワードを入力した後、技能者は、処理の前にユーザ名およびパスワードの入力を求められることがある。ユーザ名およびパスワードを入力しないと、ゲートウェイは、構成可能にも、また使用可能にもならない。このような例では、これは、セキュリティ機構とすることができる。
【0100】
本明細書に記載の通り、照明制御システムのネットワーク設定を構成することができる。たとえば、技能者なら、デフォルトIPアドレス、およびLAN設定(ドメイン・ネーム・サーバ(DNS)、IPゲートウェイ、サブネット・マスク)を変更して、所望のネットワーク設定にマッチさせることができる。技能者なら、連携するクラウド・サーバまたはプロキシ・サーバにゲートウェイ情報を入力することができる。ゲートウェイが、クラウド・サーバに更新をプッシュするように設定されている場合、クラウド・サーバに関連するユーザ名およびパスワードは、インストーラまたはクラウド・サーバ/プロキシのいずれかによってゲートウェイに入力することができる。技能者なら、LAN付属物として、常設場所にゲートウェイをインストールすることができる。技能者なら、クラウド・サーバまたはプロキシにログインし、ゲートウェイが認識されたことを確認し/そのサーバに追加構成を実行することができる。
【0101】
本明細書に記載の通り、リソースが、HTTP要求および応答を介して、ゲートウェイの構成または現状の表示へのアクセス権を提供する。ゲートウェイは、リソースを示すURLへのHTTP要求を使用して、データをポーリング要求されるように、またそれらの要求に応答を返すように設計することができる。さらに、様々なリソース・パラメータへの状態変更は、リプレゼンテーショナル・ステート・トランスファ(REST)・インターフェースへの後続のポーリング間で消失することがあるので、外部サーバへの状態変更のプッシュを実現できる追加のインターフェースを設けることができる。RESTインターフェースを介して、ユーザまたは外部サーバによって読み込まれたり、構成されたりすることがない場合、ゲートウェイは、このゲートウェイを除く全てのリソースについて空のアレイ・レスポンス、およびスケジュールを返すことになる。
【0102】
本明細書に記載の様々な実施形態、具体例、および実装形態では、具体的な数の無線スイッチ、無線制御装置、無線センサ、無線中継装置、および/またはネットワーク・ゲートウェイ装置などを説明しているが、本明細書に記載の無線センサ・システムおよび照明制御システムは、たとえば冗長性を与えるために、任意の数のこうした装置を含むことができる。一例として、高層の建物は、最上階および最下階にネットワーク・ゲートウェイ装置を含むことができ、それぞれの無線センサは、無線中継装置を介して、最上階および/または最下階に置かれたネットワーク・ゲートウェイ装置への少なくとも1つの経路を含むことができる。
【0103】
本発明の様々な実施形態、具体例、および実装形態が本明細書に記載されているが、それらは、ほんの一例として提示されたものであって、限定的なものではないことを理解されたい。本明細書に記載の方法は、ある一定の順序で生じる一定の事象を示しており、この一定の事象の順序を修正してもよい。さらに、事象のうちのある事象は、可能なら並列プロセスで同時に実行してもよく、ならびに前述の通り順次実行してもよい。
【0104】
実施形態、具体例、および実装形態によっては、各装置は、コンピュータに実装された様々な動作を実行するための命令またはコンピュータ・コードを有する、持続的なコンピュータ読取り可能な媒体(持続的なプロセッサ読取り可能な媒体と呼ぶこともできる)を備えるコンピュータ記憶製品を含むことができ、またはそれらと連携することができる。コンピュータ読取り可能な媒体(またはプロセッサ読取り可能な媒体)は、それ自体、伝搬する一過性の信号(たとえば、空間またはケーブルなどの伝送媒体上で情報を運ぶ伝搬電磁波)を含まないという意味では持続的である。媒体およびコンピュータ・コード(コードと呼ぶこともできる)は、具体的な1つまたは複数の目的のために設計および構成されたものでもよい。持続的なコンピュータ読取り可能な媒体の例には、それだけには限らないが、ハード・ディスク、フロッピー・ディスク、磁気テープなどの磁気記憶媒体、コンパクト・ディスク/デジタル・ビデオ・ディスク(CD/DVD)、コンパクト・ディスク・リードオンリ・メモリ(CD-ROM)、ホログラフィック装置などの光記憶装置、光ディスクなどの光記憶装置記憶媒体、搬送波信号処理モジュール、および、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、リードオンリ・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)デバイスなど、プログラム・コードを記憶して実行するよう特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。
【0105】
コンピュータ・コードの例には、それだけには限らないが、マイクロコードまたはマイクロ命令、コンパイラが生成するような機械語命令、ウェブ・サービスを生成するのに使用されるコード、およびインタープリタを使用してコンピュータが実行する高次命令を有するファイルが含まれる。たとえば、各実施形態は、Java(登録商標)、C++、または他のプログラミング言語(たとえば、オブジェクト指向プログラミング言語)、および開発ツールを使用して実装してもよい。さらに、コンピュータ・コードの例には、それだけには限らないが、制御信号、暗号化コード、および圧縮コードが含まれる。
【0106】
特定の特徴および/または構成要素の組合せを有するものとして、様々な実施形態、具体例、および実装形態が本明細書に記載されているが、必要に応じてそれら実施形態のうち任意の実施形態からの任意の特徴および/または構成様子の組合せを有する、他の実施形態も実現可能である。