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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】チャック付き袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/25 20060101AFI20220128BHJP
   B65D 30/22 20060101ALI20220128BHJP
   B65D 75/58 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
B65D33/25 A
B65D30/22 F
B65D75/58
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019233641
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021102450
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2020-01-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519460926
【氏名又は名称】荘司 博則
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(72)【発明者】
【氏名】荘司 博則
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-114301(JP,A)
【文献】特開2001-130594(JP,A)
【文献】特開2018-012549(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1421250(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/25
B65D 75/58
B65D 30/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ね合わされた状態のシート状材料が、重ね合わせ状態で、下縁と両側縁が融着されて袋状に形成され、上縁側に物品出入口を有する袋本体部と、
前記シート状材料に融着され、同じ幅寸法の雄雌部材が雄雌嵌合することによって前記物品出入口を開放可能に封止するチャック部を備えるチャック付き袋であって、
前記袋本体部は、前記両側縁に沿ってそれぞれ同一幅に形成された側縁融着部と、
一方の前記側縁融着部から他方の前記側縁融着部側に向かって延出する2つの幅広融着部と、
それぞれチャック部が設けられた幅の異なる物品出入口を形成するように、前記幅広融着部間を仕切るように設けられた仕切り融着部を備え、
前記幅広融着部が、前記側縁融着部の端縁から前記チャック部の端縁まで達する第1融着部と、
前記側縁融着部から前記第1融着部の上縁に沿って第1融着部のチャック部側端縁方向に延び、そのチャック部側端縁が、前記第1融着部のチャック部側端縁に対し段状またはテーパ状に切り欠かれた形状の第2融着部を有し、
前記仕切り融着部が、前記第1融着部の上下幅と同じ幅で、一端が前記仕切り融着部を挟んだ一方の物品出入口のチャック部の端縁に達し、他端が前記仕切り融着部を挟んだ他方の物品出入口のチャック部の端縁に達する第1仕切り融着部と、
この第1仕切り融着部の上方に前記第1仕切り融着部の上縁から前記袋本体部の上縁側端縁に達するスリットによって分離されて前記スリットを中心に対称形状となった2つの第2仕切り融着部を有し、
前記第2仕切り融着部が、前記第1仕切り融着部の上縁から前記スリットに沿ってスリットの上縁まで延びる細幅部と、この細幅部の下端側から前記第1仕切り融着部の上縁に沿って前記スリットから離れる方向に延出するとともに、その延出端が前記第1仕切り融着部の端縁に対し段状またはテーパ状に切り欠かれた形状の幅広部を備え,
両側の前記側縁融着部が、前記袋本体部の上端より上方にはみ出る長さをしているとともに、両側の前記側縁融着部の前記袋本体部より上方にはみ出た部分の上端で、上縁融着部によって連結されていて、
この上縁融着部と、前記物品出入口との間に、切り取りによって前記袋本体部を形成する目安となる切り取り線が設けられるとともに、前記スリットの上端が前記切り取り線に達していることを特徴とするチャック付き袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品出入口に雄雌嵌合により開放可能に封止するチャック部を有するチャック付き袋に関する。
【背景技術】
【0002】
食品の収納や、医薬品の収納などに、物品出入口に雄雌嵌合により開放可能に封止するチャック部を有するチャック付き袋が用いられている。
このようなチャク付き袋として、図8に示すように、袋本体100の物品出入口110の両側に幅広のシール部120を設けたチャック付き袋Eが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、このチャック付き袋Eは、幅広のシール部120を設けることによって、物品出入口110の幅が物品収容部130の幅より狭くなっているので、物品収容部130の内容物を少量ずつ取り出しやすくなるという利点がある。
また、チャック部160に端縁が臨む位置に幅広のシール部120が設けられているので、チャック部160を開閉する際に、シール部120が裂けることがなく、耐久性に優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭57-169650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記チャック付き袋Eは、幅広のシール部120が袋本体部110の開口端まで同じ幅で連続して設けられているので、袋本体部110の開口端を持って開口を押し広げながら、チャック部160の嵌合を解除しにくいという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みて、チャック部の開閉を繰り返し行っても、袋本体部が裂けるおそれが少なく、袋本体部の幅よりチャック部の幅が狭くても、物品を取り出しやすいチャック付き袋を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明にかかるチャック付き袋は、重ね合わされた状態のシート状材料が、重ね合わせ状態で、下縁と両側縁が融着されて袋状に形成され、上縁側に物品出入口を有する袋本体部と、前記シート状材料に融着され、同じ幅寸法の雄雌部材が雄雌嵌合することによって前記物品出入口を開放可能に封止するチャック部を備えるチャック付き袋であって、前記袋本体部は、前記両側縁に沿ってそれぞれ同一幅に形成された側縁融着部と、一方の前記側縁融着部から他方の前記側縁融着部側に向かって延出する2つの幅広融着部と、それぞれチャック部が設けられた幅の異なる物品出入口を形成するように、前記幅広融着部間を仕切るように設けられた仕切り融着部を備え、前記幅広融着部が、前記側縁融着部の端縁から前記チャック部の端縁まで達する第1融着部と、前記側縁融着部から前記第1融着部の上縁に沿って第1融着部のチャック部側端縁方向に延び、そのチャック部側端縁が、前記第1融着部のチャック部側端縁に対し段状またはテーパ状に切り欠かれた形状の第2融着部を有し、前記仕切り融着部が、前記第1融着部の上下幅と同じ幅で、一端が前記仕切り融着部を挟んだ一方の物品出入口のチャック部の端縁に達し、他端が前記仕切り融着部を挟んだ他方の物品出入口のチャック部の端縁に達する第1仕切り融着部と、この第1仕切り融着部の上方に前記第1仕切り融着部の上縁から前記袋本体部の上縁側端縁に達するスリットによって分離されて前記スリットを中心に対称形状となった2つの第2仕切り融着部を有し、前記第2仕切り融着部が、前記第1仕切り融着部の上縁から前記スリットに沿ってスリットの上縁まで延びる細幅部と、この細幅部の下端側から前記第1仕切り融着部の上縁に沿って前記スリットから離れる方向に延出するとともに、その延出端が前記第1仕切り融着部の端縁に対し段状またはテーパ状に切り欠かれた形状の幅広部を備え、両側の前記側縁融着部が、前記袋本体部の上端より上方にはみ出る長さをしているとともに、両側の前記側縁融着部の前記袋本体部より上方にはみ出た部分の上端で、上縁融着部によって連結されていて、この上縁融着部と、前記物品出入口との間に、切り取りによって前記袋本体部を形成する目安となる切り取り線が設けられるとともに、前記スリットの上端が前記切り取り線に達していることを特徴としている。
【0008】
本発明のチャック付き袋は、前記チャック部が、前記袋本体部の前記シート材料に前記チャック部の幅とほぼ同じ幅寸法の雄部材と、雌部材とをそれぞれ前記シート材料のチャック部形成位置に融着されて形成されていてもよい。
すなわち、上記構成とすれば、厚みが厚いチャック部を構成する雄雌部材の使用量を最小限に抑えることができる。
そして、袋全体を構成する樹脂量が少なくなり、ごみ焼却処理された場合の排ガス量を減らすことができ、環境にやさしい。
【0009】
本発明のチャック付き袋は、特に限定されないが、チャック部の幅を6cm以下とすることが好ましい。
すなわち、チャック付き袋においては、一般に親指と人差し指との間でチャック部を挟み込み、雄雌部材を嵌合させるようになるため、一動作で雄雌部材を嵌合できる幅は、せいぜい人差し指の先端から第二関節部分までの長さである。
したがって、人差し指の先端から第二関節までの長さの平均的な6cm以下の幅とすれば、ワンタッチで確実にチャック部を封止状態にすることができる。
【0010】
本発明のチャック付き袋は、特に限定されていないが、袋本体部の幅方向に幅寸法の異なる前記物品出入口が複数並設されている構成としてもよい。
すなわち、上記のような構成とすると、出し入れする量に応じて開口の大きさを選択できる。
【0011】
本発明において、シート状材料としては、融着可能なものであれば、特に限定されないが、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのプラスチックフィルム、紙、及びこれらの複合シート、並びにアルミ箔などとの複合シートが挙げられ、透明でも不透明でも構わないし、印刷されていても構わない。
また、本発明において、チャック部の雄部材および雌部材の材質は、特に限定されないが、たとえば、上記シート材料と融着可能な樹脂から成ることが望ましい。例えば、上記シート材料の最内層が直鎖状低密度ポリエチレンや低密度ポリエチレンからなる場合、雄部材および雌部材もポリエチレン系樹脂から成ることが好ましい。
【0012】
本発明のチャック付き袋は、たとえば、粉体、粒体、液体の食品や薬剤を収容するのに用いられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のチャック付き袋は、以上のように、重ね合わされた状態のシート状材料が、重ね合わせ状態で、下縁と両側縁が融着されて袋状に形成され、上縁側に物品出入口を有する袋本体部と、前記シート状材料に融着され、同じ幅寸法の雄雌部材が雄雌嵌合することによって前記物品出入口を開放可能に封止するチャック部を備えるチャック付き袋であって、前記袋本体部は、前記両側縁に沿ってそれぞれ同一幅に形成された側縁融着部と、一方の前記側縁融着部から他方の前記側縁融着部側に向かって延出する2つの幅広融着部と、それぞれチャック部が設けられた幅の異なる物品出入口を形成するように、前記幅広融着部間を仕切るように設けられた仕切り融着部を備え、前記幅広融着部が、前記側縁融着部の端縁から前記チャック部の端縁まで達する第1融着部と、前記側縁融着部から前記第1融着部の上縁に沿って第1融着部のチャック部側端縁方向に延び、そのチャック部側端縁が、前記第1融着部のチャック部側端縁に対し段状またはテーパ状に切り欠かれた形状の第2融着部を有し、前記仕切り融着部が、前記第1融着部の上下幅と同じ幅で、一端が前記仕切り融着部を挟んだ一方の物品出入口のチャック部の端縁に達し、他端が前記仕切り融着部を挟んだ他方の物品出入口のチャック部の端縁に達する第1仕切り融着部と、この第1仕切り融着部の上方に前記第1仕切り融着部の上縁から前記袋本体部の上縁側端縁に達するスリットによって分離されて前記スリットを中心に対称形状となった2つの第2仕切り融着部を有し、前記第2仕切り融着部が、前記第1仕切り融着部の上縁から前記スリットに沿ってスリットの上縁まで延びる細幅部と、この細幅部の下端側から前記第1仕切り融着部の上縁に沿って前記スリットから離れる方向に延出するとともに、その延出端が前記第1仕切り融着部の端縁に対し段状またはテーパ状に切り欠かれた形状の幅広部を備え、両側の前記側縁融着部が、前記袋本体部の上端より上方にはみ出る長さをしているとともに、両側の前記側縁融着部の前記袋本体部より上方にはみ出た部分の上端で、上縁融着部によって連結されていて、この上縁融着部と、前記物品出入口との間に、切り取りによって前記袋本体部を形成する目安となる切り取り線が設けられるとともに、前記スリットの上端が前記切り取り線に達しているので、以下のような優れた点を備えている。
(1)開口幅の異なる物品出入口を備えているので、出し入れする量が多い場合は、大きな物品出入口を用い、出し入れする量が少ない場合は、小さい物品出入口を用いるというように、袋を必要最小限の開口に留めることができ、収容物の酸化や湿気を防ぐことができる。
(2)スリットが設けられ、各物品出入口の上部がいずれもサークル状に連続した状態となるので、開口端縁を持ってそれぞれの物品出入口を開口する際に、開口端縁がちぎれることがない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】チャック付き袋の第1の参考例の下端融着部の融着前の状態をあらわす正面図である。
図2図1のX-X断面図である。
図3図1のチャック付き袋に収容物を充填した状態をあらわす図である。
図4図3のチャック付き袋の切り取り部を切り取った状態をあらわす図である。
図5】チャック付き袋の第2の参考例の下端融着部の融着前の状態をあらわす正面図である。
図6】本発明のチャック付き袋の第1の実施の形態の下端融着部の融着前の状態をあらわす正面図である。
図7チャック付き袋の第3の参考例の下端融着部の融着前の状態をあらわす正面図である。
図8】従来のチャック付き袋の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する.
図1図4、チャック付き袋の第1の参考例をあらわしている。
【0016】
図1および図3に示すように、このチャック付き袋Aは、正面視矩形をしていて、図2に示すように、矩形をした2枚の樹脂シート材料1,1と、チャック部2aを構成する雄部材21および雌部材22から形成されている。
すなわち、2枚の樹脂シート1,1は、図1に示すように、雄部材21と雌部材22が、嵌合するように、2つの側縁融着部41と、上縁融着部42と、2つの幅広融着部5aにて融着されて一体化されて、下端に開口12を備えた袋状に成形される。
【0017】
両側縁融着部41および上縁融着部42は、同一幅の細幅で形成されている。
幅広融着部5aは、開口12側の第1融着部51と、上縁融着部42の第2融着部52を備え、上縁融着部42近傍で、両側縁融着部41から他方の幅広融着部5aに向かって延出するとともに、両第1融着部51間に6cmの幅の物品出入口11が形成されるようになっている。
第2融着部52は、第1融着部51より階段状に幅が狭くなっている。
【0018】
雄部材21は、6cmの長さで、物品出入口11の上下方向の寸法と同じ幅の帯状をしたベース部21aと、ベース部21aの長手方向に連続するように、ベース部21aに支持された嵌合突条21bを備え、ベース部21aが一方の樹脂シート材料1の物品出入口11に相当する位置に、嵌合突条21bが上部融着部に平行状態となるように融着されている。
雌部材22は、6cmの長さの帯状をしたベース部22aと、このベース部22aの長手方向に連続するように、ベース部22aに支持されるとともに、ベース部22aが他方の樹脂シート材料1の前記嵌合突条21bが嵌合する物品出入口11に相当する位置に、嵌合溝22bが上部融着部に平行状態となるように融着されている。
【0019】
なお、雄部材21および雌部材22は、一般的には、それぞれ袋状に融着される前の樹脂シート材料1に融着しておくことが好ましい。
また、樹脂シート材料1は、透明でも、不透明でも、表面に印刷が施されていても構わない。
【0020】
そして、このチャック付き袋Aは、図3に示すように、上記開口を介して収容物7が、開口12と、チャック部2aとの間の空間に充填されたのち、開口12側の端縁に下端融着部43が形成されて、収容物7が、下端融着部43とチャック部2との間に密封状態に収容されるようになっている。
また、このチャック付き袋Aは、図1および図3に点線で示すように、袋本体部14と切り取り部15との境界を示す切り取り線13が印刷されている。
【0021】
切り取り線13は、袋本体部14に収容された収容物7を取り出す際に、図4に示すように、切り取り線13に沿って、切り取り部15を切り取れば、袋本体部14にチャック部2aの開閉に適した開口端16を形成できる。
すなわち、開口端16を両手で押し広げるようにすることで、チャック部2aの嵌合突条21bと嵌合溝22bの嵌合を容易に解除できて、物品出入口11から収容物7を出し入れできるようになっている。
【0022】
このチャック付き袋Aは、上記のようになっており、以下のような優れた効果を備えている。
(1)チャック部2aの端縁に沿うように幅広融着部5aが設けられているので、チャック部2aの開閉を繰り返し行っても、袋本体部14が破損しにくい。
(2)幅広融着部5aが、第1融着部51より幅が狭い第2融着部52を備えているので、
すなわち、袋本体部14の外側に向かって幅広融着部5aが階段状に狭くなっているので、切り取り線13に沿ってカットした袋本体部14の開口端16を物品出入口11より大きく広げることができ、収容物7の出し入れを容易に行える。
(3)チャック部2aを構成する雄部材21および雌部材22が、物品出入口11の長さと同じ必要最小限の長さしか用いられていないので、袋全体としての樹脂使用量を最小限に抑えることができ、環境にやさしい。
(4)チャック部2aの長さが6cm以下であるので、手の小さい人の場合においても、両手の人差し指あるいは中指の先端から第二関節部分までの間と、親指との間でチャック部2aの長さ方向全体を挟み込み一度に押圧でき、ワンタッチで、雄部材21の嵌合突条21bを雌部材22の嵌合溝22bに、確実に、かつ、素早く嵌合させることができる。
【0023】
図5、チャック付き袋の第2の参考例をあらわしている。
図5に示すように、このチャック付き袋Bは、幅広融着部5bの第2融着部53が第1融着部51の上端からテーパ状に徐々に幅が狭くなるように形成されている以外は、上記第1の実施の形態と同様になっている。
したがって、第1の実施の形態と同様の構成部分は、第1の実施の形態と同様の符号を付している。
【0024】
図6は、本発明のチャック付き袋の第の実施の形態をあらわしている。
図6に示すように、このチャック付き袋Cは、幅広融着部5cと幅広融着部5cとの間に、仕切り融着部5dを備えている。
【0025】
幅広融着部5cは、第1の参考例と同様に第1融着部54と、第2融着部55を備えている。
そして、第1融着部54は、それぞれ一方の側縁融着部41から他方の側縁融着部41側に向かって延出している。
第2融着部55は、側縁融着部41から第1融着部54の上縁に沿って第1融着部54のチャック部側端縁方向に延び、その側縁融着部41からチャック部側端縁までの長さが、第1融着部54より短くなっている。
すなわち、第2融着部55は、そのチャック部側端縁が、第1融着部54のチャック部側端縁に対し段状に切り欠かれた形状をしている。

【0026】
仕切り融着部5dは、第1仕切り融着部56と、スリット8を介して切り離された状態の2つの第2仕切り融着部57を備えている。
第1仕切り融着部56は、幅広融着部5cの第1融着部54と同じ上下寸法で、その長軸方向の中心が、チャック付き袋5cの幅方向の中心より一方にずれて設けられ、第1融着部54との間に、開口幅の大きい第1物品出入口17aと、開口幅の小さい第2物品出入口17bを形成している。
第1物品出入口17aおよび第2物品出入口17bは、それぞれ第1物品出入口17aあるいは第2物品出入口17bの長さの第1の実施の形態と同様の構造をした雄雌部材からなるチャック部2b,2cが設けられている。
チャック部2b、2cは、それぞれ一端が第1融着部54の端縁に達し、他端が第1仕切り融着部56の端縁に達している。
2つの第2仕切り融着部57は、スリット8を挟んで一方が正面視断面L字形をしていて、他方が正面視断面逆L字形をしており、それぞれ細幅部57bと幅広部57aを備えている。
細幅部57bは、第1仕切り融着部56の上縁からスリット8に沿ってスリット8の上縁まで延びている。
幅広部57aは、第1融着部54と同じ上下寸法で細幅部57bの下端部から第1仕切り融着部56の上縁に沿ってスリット8から離れる方向に第2融着部55と同じ長さ延出している。
すなわち、幅広部57aは、その延出端が第1仕切り融着部56の端縁に対し段状に切り欠かれた形状をしている。
【0027】
スリット8は、第1融着部56の上端から切り取り線13に達する長さになっている。
そして、このチャック付き袋Cは、上記した以外は、第1の実施の形態と同様の構成を備えている。
したがって、第1の参考例と同様の構成部分は、第1の実施の形態と同様の符号を付している。
【0028】
このチャック付き袋Cは、上記第1の参考例と同様の作用効果を備えているとともに、以下のような効果を備えている。
(1)開口長さの異なる第1物品出入口17aと第2物品出入口17bを備えているので、出し入れする量が多い場合は、第1物品出入口17aを用い、出し入れする量が少ない場合は、第2物品出入口17bを用いるというように、袋を必要最小限の開口に留めることができ、収容物の酸化や湿気を防ぐことができる。
(2)スリット8が設けられ、第1物品出入口17aおよび第2物品出入口17bの上部がいずれもサークル状に連続した状態となるので、開口端縁を持って第1物品出入口17aおよび第2物品出入口17bを開口する際に、開口端縁がちぎれることがない。
【0029】
図7、チャック付き袋の第3の参考例をあらわしている。
図7に示すように、このチャック付き袋Dは、幅広融着部5cが設けられていないとともに、仕切り融着部5eが、側縁融着部41の2倍の幅をしていて、スリットが上端の中央にスリット8が設けられている以外は、上記第の実施の形態のチャック付き袋Cと同様になっている。
【0030】
図7中、18aは、第1物品出入口、18bは第2物品出入口、2dは したがって、第の実施の形態と同様の構成部分は、第の実施の形態と同様の符号を付している。
【0031】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、収容物を出し入れする際には、切り取り線に沿って切り取り部を取り除くようになっていたが、切り取り部が設けられておらず、図4に示すように、開口端縁がそのまま露出した状態の袋でも構わない。
かかる袋の場合、下部融着部は、収容物を収容する前に融着しておいても構わない。すなわち、下部融着部が融着されていても物品出入口を利用して収容物を袋内に収容することができる。
また、かかる袋の場合、一枚の長尺帯状をしたシート材料の一方の長尺方向の端部に雄部材を融着し、他方の長尺方向の端部に雌部材を融着しておくとともに、雄部材と雌部材が嵌合状態になるように、折りたたんだのち、側縁融着部および幅広融着部を設けるようにすることができる。
【0032】
上記の実施の形態では、封止部をハサミで切り取るようになっていたが、ミシン目を設けミシン目に沿って手で切り取れるようにしても構わない。
上記の実施の形態では、幅広融着部が左右対称であったが、本発明の目的を達成できれば、左右の幅は対称でなくても構わない。
上記の実施の形態では、幅広融着部が2段階で幅が狭くなっていたが、三段階以上でも構わない。
【0033】
記実施の形態では、仕切り融着部が1つであったが、2つ以上でも構わない。
上記の実施の形態では、雄部材の嵌合突条および雌部材の嵌合溝が1条ずつであったが、2条以上設けられていても構わない。
【符号の説明】
【0034】
A,B,C チャック付き袋
1 シート材料
11,17a,17b 物品出入口
2a,2b,2c チャック部
21 雄部材
21a ベース部
21b 嵌合突条
22 雌部材
22a ベース部
22b 嵌合溝
41 側縁融着部
42 上縁融着部
43 下縁融着部
5a,5b,5c 幅広融着部
5d 仕切り融着部
51,54,56 第1融着部
52,55,57 第2融着部
7 収容物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8