(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】ダイ基板拡張部を有する積み重ねられた半導体ダイアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 25/065 20060101AFI20220111BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20220111BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
H01L25/08 E
(21)【出願番号】P 2019544691
(86)(22)【出願日】2018-02-20
(86)【国際出願番号】 US2018018805
(87)【国際公開番号】W WO2018156512
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2019-09-04
(32)【優先日】2017-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 文友
(72)【発明者】
【氏名】草▲薙▼ 惠與
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/153742(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0147062(US,A1)
【文献】特開2002-373968(JP,A)
【文献】米国特許第06337226(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ基板と、
前記パッケージ基板に取り付けられたダイのスタックであって、前記ダイのスタックは、
前記パッケージ基板に積載され、第1のダイ基板を有する第1のダイと、
前記第1のダイ
に積載され、前記第1のダイ基板に取り付けられた第2のダイ基板を有する第2のダイ
と、
前記第2のダイに積載された第3のダイと
を含み、
前記第2のダイ
基板は、(1)周辺部分を有する半導体基板と(2)前記周辺部分から広がる第1の成型材料とを含み、
前記周辺部分及び前記第1の成型材料は前記第2のダイ基板を画定し、
前記第2のダイの前記
半導体基板及び前記第1の成型材料の一部は、前記第1のダイを越えて広がり、前記パッケージ基板に張り出す
、
前記ダイのスタックと、
前記ダイのスタックを封止する第2の成型材料と
を含む、半導体ダイアセンブリ。
【請求項2】
前記第
1のダイは前記パッケージ基板と前記第
2のダイとの間にあり、前記第1のダイ基板は、前記第2のダイの前記半導体基板に取り付けられた第1の部分と、前記第2のダイの前記第1の成型材料に取り付けられた第2の部分とを含む、請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のダイ基板は外周を有し、前記第2のダイの前記第1の成型材料及び前記半導体基板の両方は前記外周を越えて広がる、請求項2に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の成型材料は、前記第2のダイの前記半導体基板を完全に取り囲む、請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項5】
前記第2のダイの前記第1の成型材料及び前記半導体基板は同一平面にある、請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項6】
前記
第1のダイと前記第2のダイ基板との間のダイアタッチフィルムを更に含み、前記ダイアタッチフィルムは、前記第2のダイの前記第1の成型材料及び前記半導体基板の両方に取り付けられる、請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項7】
前記第2のダイの前記第1の成型材料は、エポキシ樹脂及び熱硬化性材料の内の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項8】
前記第1及び前記第2のダイの内の少なくとも1つはメモリダイである、請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項9】
パッケージ基板と、
前記パッケージ基板に搭載された第1のダイであって、前記第1のダイは第1のダイ基板を含む、前記第1のダイと、
前記第1のダイに搭載された第2のダイであって、前記第2のダイは、前記第1のダイ基板に取り付けられた第2のダイ基板を含む、前記第2のダイと
、
前記第2のダイに積載された第3のダイと
を含み、
前記第2のダイ基板は、半導体基板と、前記半導体基板の外周に結合されたダイ基板拡張部とを含み、前記ダイ基板拡張部は成型材料を含み、前記成型材料は平面図形を少なくとも部分的に画定し、前記半導体基板及び前記ダイ基板拡張部の少なくとも一部は、前記第1のダイ基板を越えて広がり、前記
パッケージ基板に張り出す、
半導体デバイス。
【請求項10】
前記成型材料は第1の成型材料であり、前記半導体デバイスは、前記第1及び前記第2のダイを封止する第2の成型材料を更に含む、請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記第1のダイを前記第2のダイに取り付けるダイアタッチフィルムを更に含み、前記半導体基板は、前記ダイアタッチフィルムに取り付けられた第1の面を含み、前記成型材料は、前記ダイアタッチフィルムに取り付けられた第2の面を含む、請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
半導体デバイスを製造する方法であって、
半導体基板の一部の上方に成型材料を成型することであって、前記成型材料は、前記半導体基板の前記一部から外側に広がり、
第3のダイが積載された第1のダイの平面図形を画定する、前記成型することと、
ダイスタックを形成するために、前記第1のダイに第2のダイを取り付けることであって、前記第2のダイを取り付けることは、前記第1のダイの前記半導体基板及び前記成型材料の
少なくとも一部分を含む前記第1のダイの平面図形の一部が前記第2のダイの外周を越えて広がるような位置で前記第2のダイを前記第1のダイに取り付けることを含む、前記取り付けることと、
前記ダイスタックをパッケージ基板に搭載することであって、前記第2のダイは、前記パッケージ基板に取りつけられ、前記第2のダイの前記外周を越えて広がる前記
前記第1のダイの前記平面図形の前記一部は、前記パッケージ基板に張り出すことと
を含む、方法。
【請求項13】
前記成型材料は第1の成型材料であり、前記方法は、パッケージケースを形成するために、前記第1の成型材料の上方に第2の成型材料を成型することを更に含む、請求項
12記載の方法。
【請求項14】
前記成型することは、
前記第1のダイの前記半導体基板を一時的積載部に取り付けることと、
前記半導体基板及び前記一時的積載部の上方に前記成型材料を成型することと、
前記半導体基板の第1の面と前記成型材料の第2の面とを露出するために、前記成型材料を薄くすることであって、前記第1の面は前記第2の面に隣接する、前記薄くすることと
を含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のダイを前記第1及び前記第2の面に取り付けることを更に含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記成型することの後に前記パッケージ基板及び前記ダイスタックの上方に封止材料を流すことを更に含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1及び前記第2のダイの内の少なくとも1つはメモリダイである、請求項
12に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のダイの前記半導体基板はコントローラ回路を含む、請求項
17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は、半導体ダイアセンブリと、そうしたアセンブリ内のダイ基板拡張部に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリチップ、マイクロプロセッサチップ、及びイメージャチップを含むパッケージ化された半導体ダイは、パッケージ基板上に搭載された半導体ダイを含み得る。半導体ダイは、プラスチック保護カバー内に入れられ、各ダイは、メモリセル、プロセッサ回路、及びイメージャデバイス等の機能的機構を含む。ダイが外部回路に接続されることを可能にするために、機能的機構とパッケージ基板上の端子との間で、ダイ上のボンドパッドが電気的に接続される。
【0003】
パッケージ内のダイの密度を増加させるために、ダイは、ケース内で相互に上に積み重ねられ得る。垂直に積み重ねられたダイでの一課題は、しかしながら、ダイが異なるサイズ又はフットプリントを有し得ることである。例えば、メモリパッケージでは、メモリコントローラダイは、パッケージ内のメモリダイよりも小さなフットプリントを有し得る。メモリコントローラダイは、メモリダイからずれるので、ワイヤボンディングすることがより困難であり得る。また、メモリダイは、より小さなメモリコントローラダイの上に積み重ねられた場合に時折傾き得、そのことは、ワイヤの未接合及び/又はチップの亀裂に繋がり得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】本技術の実施形態に従って構成された半導体ダイアセンブリの断面図である。
【
図1B】半導体ダイアセンブリの一部の上面図である。
【
図2A】本技術の実施形態に従って半導体ダイアセンブリを製造する様々な段階における半導体デバイスを説明する断面図である。
【
図2B】本技術の実施形態に従って半導体ダイアセンブリを製造する様々な段階における半導体デバイスを説明する断面図である。
【
図2C】本技術の実施形態に従って半導体ダイアセンブリを製造する様々な段階における半導体デバイスを説明する断面図である。
【
図2D】本技術の実施形態に従って半導体ダイアセンブリを製造する様々な段階における半導体デバイスを説明する断面図である。
【
図2E】本技術の実施形態に従って半導体ダイアセンブリを製造する様々な段階における半導体デバイスを説明する断面図である。
【
図2F】本技術の実施形態に従って半導体ダイアセンブリを製造する様々な段階における半導体デバイスを説明する断面図である。
【
図3】本技術の別の実施形態に従って構成された半導体ダイアセンブリの断面図である。
【
図4】本技術の別の実施形態に従って構成された半導体ダイアセンブリの断面図である。
【
図5】本技術の実施形態に従って構成された半導体ダイアセンブリを含むシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
ダイ基板拡張部を有する積み重ねられたダイアセンブリの実施形態が以下で説明される。幾つかの実施形態では、積み重ねられたダイアセンブリは、半導体ダイと、アセンブリ
の付加的なダイがその上に積み重ねられ得るダイ基板又は同様の支持構造を共に形成する成型材料とを含む。用語“半導体デバイス”は、一般的に、半導体材料を含む固体状態デバイスを指す。半導体デバイスは、例えば、半導体基板、ウエハ、又はウエハ若しくは基板からシンギュレーションされたダイを含み得る。開示全体を通じて、半導体デバイスは、一般的に、半導体ダイの文脈で説明されるが、半導体デバイスは半導体ダイに限定されない。
【0006】
用語“半導体デバイスパッケージ”は、共通のパッケージ内に組み込まれた1つ以上の半導体デバイスを用いた配置を指し得る。半導体パッケージは、少なくとも1つの半導体デバイスを部分的に又は完全に封止する筐体又はケースを含み得る。半導体デバイスパッケージは、1つ以上の半導体デバイスを積載し、且つケースに取り付けられるか、さもなければ組み込まれるインターポーザ基板をも含み得る。用語“半導体デバイスアセンブリ”は、1つ以上の半導体デバイス、半導体デバイスパッケージ、及び/又は基板(例えば、インターポーザ、支持、又はその他の適切な基板)のアセンブリを指し得る。半導体デバイスアセンブリは、例えば、別個のパッケージの形式、ストリップ若しくはマトリクスの形式、及び/又はウエハパネルの形式で製造され得る。
【0007】
本明細書で使用されるように、用語“垂直な”、“水平な”、“上部の”、及び“下部の”は、図に示した方位の視点において半導体デバイス内の機構の相対的な方向又は位置を指し得る。例えば、“上部の”又は“最上部の”は、別の機構よりもページの最上により近く位置付けられた機構を指し得る。これらの用語は、しかしながら、最上の/底の、上方の/下方の、より上の/より下の、上/下、及び左/右が方位に依存して入れ替えられ得る反転した又は傾斜した方位等、その他の方位を有する半導体デバイスを含むように広く解釈されるべきである。
【0008】
図1Aは、本技術の実施形態に従って構成された半導体ダイアセンブリ100(“アセンブリ100”)の断面図であり、
図1Bはその上面図である。
図1Aを参照すると、アセンブリ100は、第1のダイ110及び第2のダイ120を積載するパッケージ基板102(例えば、プリント回路基板)を含み、第1のダイ110は第2のダイ120上に積み重ねられる(纏めて、“ダイスタック105”)。第1のダイ110は、例えば、第1の外縁113を有する第1のダイ基板111(例えば、半導体基板)を有する半導体ダイであり得る。第2のダイ120は、周辺部分134と、周辺部分134から第2のダイ120の第2の外縁123まで広がるダイ基板拡張部136(“基板拡張部136”)とを有する半導体基板130(例えば、シリコン基板)を含む。第2のダイ120の第2の外縁123は、第1のダイ110の第1の外縁113から差し込まれる(例えば、第1の外縁113の内側にある)。以下で説明する様々な実施形態では、基板拡張部136は、熱硬化性材料、エポキシ樹脂、又はその他の適切な化合物等の第1の成型材料140から形成され得る。第1の成型材料140及び半導体基板130は、第2のダイ120の第2のダイ基板122を形成する。
【0009】
アセンブリ100は、パッケージ基板102の上方にあり、且つ保護ケース158を形成するようにダイスタック105を封止する第2の成型材料150(例えば、エポキシ)を更に含む。ケース158は、機械的支持を提供するように、及び周囲の環境を(例えば、湿度を)遮るように構成され得る。ケース158はまた、ワイヤボンド間の電気的絶縁を維持する。幾つかの実施形態では、ケース158の第2の成型材料150は、第2のダイ基板122の第1の成型材料140と同じであり得、又は実質的に類似し得る。
【0010】
図1Bを参照すると、アセンブリ100のケース158(
図1A)は、第1のダイ110、第2のダイ120、及びアセンブリ100のその他のコンポーネントを更に詳細にしめすために除去されている。第1のダイ基板111(
図1A)は、第2のダイ120の上方の第1のダイ110の第1のフットプリント又は第1の外周P
1を画定する。
第2のダイ基板122の第1の成型材料140が平面図形を少なくとも部分的に画定すると共に、第2のダイ基板122は、第2のダイ120の第2のフットプリント又は第2の外周P
2
を画定する。第1のダイ基板111の第1の外縁113の領域がパッケージ基板102の一部を第1の距離d
1だけ張り出すように、及び第2のダイ基板122の第2の外縁123の領域が第1の外縁113を越えて第2の距離d
2に広がるように、第1の外周P
1及び第2の外周P
2は、相互に重なる。
図1Bに説明する実施形態では、第2の距離d
2に広がる第2の外縁123の領域は、第1の成型材料140の一部と、第2のダイ120の半導体基板130の一部と含む。
【0011】
使用中、基板拡張部136は、第1のダイ110の張り出す縁113を安定させ得る。様々な実施形態では、基板拡張部136は、第1のダイ110だけではなく、第1のダイ110上に積み重ねられた付加的なダイ(図示せず)をも安定させ得る。ダイの積み重ねられた配置は、ダイの全てがダイスタックの共通のフットプリント内に位置付けられるので、アセンブリ100のサイズ全体を削減する。また、第1のダイ110の張り出し部分は、第2のダイ120の基板拡張部136によって支持されるので、第1のダイ110の厚さは削減され得る。幾つかの実施形態では、第1のダイ110はメモリダイであり得、第2のダイ120はコントローラダイであり得る。メモリダイは、メモリ回路を形成するように構成された集積回路コンポーネント117(概略的に図示される)を含み得る。コントローラダイは、典型的には、集積回路コンポーネント127(概略的に図示される)のよりコンパクトな及び/又はより小さい配置を有する。結果として、コントローラダイは、典型的には、メモリダイよりも小さなフットプリントを有する。より小さなコントローラダイの上により大きなメモリダイを積み重ねることの一課題は、コントローラダイ上に積み重ねられた時に適切に位置合わせされていない場合に、より大きなメモリダイが傾斜又は傾き得ることである。幾つかの実例では、傾いたダイは、保護ケースの外側に突き出し得、ダイの一部を周辺の環境に晒し得る。傾いたダイは、一般的に、チップの亀裂をより多く発生させ、ワイヤボンドは、ダイの両対辺で異なる長さを有するので、傾いたダイへのワイヤボンディングはより困難であり得る。この課題に対処するための従来の一製造技術は、下部のダイが挿入され得るパッケージ基板内に空洞を形成することを含む。この技術は、しかしながら、空洞を形成するためにパッケージ基板をミリング又はエッチングすることを要するので、製造を複雑にし得、コストを増加させ得る。別の既存の解決法は、パッケージ基板102にスペーサ又は支持を搭載することである。
【0012】
本技術の様々な実施形態に従って構成されたダイアセンブリは、従来の積み重ねられたダイアセンブリのこれら又はその他の制限に対処し得る。例えば、幾つかの実施形態では、下部の第2のダイ120の基板拡張部136は、第1のダイ110のサイズ及び/又は形状に合致するように、第2のダイ基板122の外周に広がり得る。第2のダイ120の増加したサイズは、第1のダイ110に付加的な支持を提供し得、それは、ダイの傾きを順次削減又は防止する。様々な実施形態では、基板拡張部136は、第1のダイ110がパッケージ基板102をより少量だけ張り出す又は全く張り出さないように構成され得る。幾つかの実施形態では、半導体ダイアセンブリのその他のダイは基板拡張部を含み得、又はダイスタック内の複数のダイは、スタック内の機械的支持を強化するために基板拡張部を含み得る。これらの実施形態及びその他の実施形態では、基板拡張部を有するダイを含むダイアセンブリは、千鳥状の配置、重複した方位、及び/又は異種の形状を有する、ダイ及び対応する半導体基板を収容し得る。
【0013】
図1Aを再び参照すると、パッケージ基板102は、第1のワイヤボンドコネクタ107a(例えば、ワイヤボンド)によって第1のダイ110上の対応するボンドパッド109aに結合された複数の第1の基板パッド108aを含む。
図1Bを参照すると、第1の基板パッド108aは、第2のダイ120の第2の外周P
2の両対辺に沿って整列される
。パッケージ基板102は更に、第2の外周P
2の両対辺に位置付けられ、且つ第1の基板パッド108aのアレイに概して垂直な方向に整列された第2の基板パッド108bを含む。第2の基板パッド108bは、第2のワイヤボンドコネクタ107b(例えば、ワイヤボンド)によって、第2のダイ120の半導体基板130の上面124上の対応するボンドパッド109bに結合される。ボンドパッド109aは、第1の成型材料140と概して位置合わせされ、このことは、ワイヤボンディングの信頼性を増加させること、及びチップの亀裂を防止することを助け得る。
【0014】
図1Aに更に示すように、パッケージ基板102は、パッケージ基板102の両対辺上に、及び/又はパッケージ基板102を通じて広がる(例えば、再配線構造体を形成する)金属トレース、ビア、又はその他の適切なコネクタ等の電気的コネクタ103(概略的に図示される)を含み得る。電気的コネクタ103は、パッケージ基板102の対面にパッケージ接触部106及び相互接続部104(例えば、バンプボンド)を介して外部回路(図示せず)に第1の基板パッド108a及び/又は第2の基板パッド108b(
図1B)を結合し得る。幾つかの実施形態では、電気的コネクタ103はまた、第1のダイ110と第2のダイ120とを電気的に相互に結合するために、個別の第1の基板パッド108aを個別の第2の基板パッド108bと結合し得る。
【0015】
第1のダイ110は更に、第1のダイアタッチ材料138(例えば、ダイアタッチフィルム)によって第2のダイ120に取り付けられた下面115を含む。
図1Aに説明する実施形態では、第1のダイアタッチ材料138は、第2のダイ120の基板拡張部136に取り付けられた第1の部分と、第2のダイ120の半導体基板130の上面124に取り付けられた第2の部分とを含む。他の実施形態では、第1のダイアタッチ材料138は、半導体基板130に取り付けられるが、基板拡張部136には取り付けられない(又は、その逆も同様である)。
【0016】
第2のダイ120は、第2のダイアタッチ材料139(例えば、ダイアタッチフィルム)によってパッケージ基板102に取り付けられる。幾つかの実施形態では、ダイアタッチ材料138及び139は、同じ又は類似の材料から形成され得る。これら又はその他の実施形態では、ダイアタッチ材料138及び139の内の1つ以上は、被覆ワイヤ材料又はラミネートフィルム(例えば、エポキシベースの材料のラミネートフィルム)を含み得る。幾つかの実施形態では、ダイアタッチ材料は、例えば、(夫々“DAF”又は“DDF”として当該技術分野で周知の)ダイアタッチフィルム又はダイシングダイアタッチフィルムを含み得る。一実施形態では、ダイアタッチ材料及び/又はフィルム被覆ワイヤ材料は、中国上海のHenkel AG&Co.により提供されるDAF又はDDF(例えば、型番Ablestick ATB-100、100U、100A)を各々含む。
【0017】
第1のダイ110及び第2のダイ120の各々の半導体基板は、シリコン、シリコンオンインシュレータ、化合物半導体(例えば、窒化ガリウム)、又はその他の適切な基板等、様々な半導体材料の内の何れかから形成され得る。半導体基板は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、フラッシュメモリ、(メモリ、処理回路、イメージングコンポーネント、及び/又はその他の半導体デバイスを含む)集積回路デバイスのその他の形式等、様々な集積回路コンポーネント(概略的に図示される)の内の何れかを有する半導体ダイにカッティングされ得、又はシンギュレーションされ得る。選りすぐりの実施形態では、アセンブリ100は、ダイ110及び120の内の一方又は両方がデータストレージ(例えば、NANDダイ)及び/又はメモリ制御(例えば、NAND制御)を提供するメモリとして構成され得る。様々な実施形態では、アセンブリ100は、第1のダイ110の上に積み重ねられた付加的なダイ等、付加的なダイを含み得る。幾つかの実施形態では、2つのメモリダイに代えて
、アセンブリ100は、3つ以上のメモリダイ(例えば、4つのダイ、8つのダイ等)又は唯1つのメモリダイを含み得る。更に、様々な実施形態では、アセンブリ100のダイは異なるサイズを有し得る。例えば、幾つかの実施形態では、第1のダイ110の第1の外周P1全体は、第2のダイ120の第2の外周P2全体の外側であり得る。
【0018】
図2A~
図2Fは、本技術の実施形態に従った製造の様々な段階における半導体デバイス200を説明する断面図である。
図2Aをまず参照すると、複数の第2のダイ120の複数の半導体基板130の上面124は、接着剤265によって一時的積載部260に取り付けられる。一時的積載部260は、シリコン又はキャリアテープ等の、再利用及び/又は再生利用され得る安価な材料から作られ得る。
【0019】
図2Bは、第1の成型材料140を用いて半導体基板130を封止した後の半導体デバイス200を示す。様々な実施形態では、半導体基板130は、装置を成型する成型空洞(図示せず)中に受け入れられ得る。第1の成型材料140が溶解し、半導体基板130に渡って流れるように、第1の成型材料140は、加熱され得、空洞内に押し込まれ得る。第1の成型材料140は、その後、冷却して固まることが可能であり得る。一旦固まると、第1の成型材料140は、
図2Cに示すように、第1の成型材料140上の第1の外面225aを画定するように、(例えば、バックグラインドを介して)薄くされ得る。第1の成型材料140を薄くすることはまた、対応する半導体基板130の第2の外面225b(例えば、裏面)を露出する。第1の成型材料140及び半導体基板130は、薄くした後に実質的に同一平面にあり得る。
【0020】
図2Dは、第1の成型材料140及び半導体基板130の外面225a及び225bの上方に第2のダイアタッチ材料139が形成された後、及び第2のダイアタッチ材料139の上方に移送構造体270を形成した後の反転した方位における半導体デバイス200を示す。移送構造体270は、例えば、ダイアタッチテープを含み得る。幾つかの実施形態では、一時的積載部260及び接着剤265は、
図2Eに示すように、移送構造体270を形成した後に除去され得る。
【0021】
図2Eは、第2のダイ120のシンギュレーション後の半導体デバイス200を示す。シンギュレーション中、第1の成型材料140は、ダイシングレーン272において第2のダイアタッチ材料139と共にカッティングされ得る。シンギュレーションは、第2のダイ120の基板拡張部136を画定する。シンギュレーションは、基板拡張部136を画定し、且つ機械的に分離するためのその他の適切なプロセスと共に、ブレード、ソー、又はレーザのカッティングプロセスを含み得る。幾つかの実施形態では、第1の成型材料140が対応する半導体基板130を完全に取り囲むように、第2のダイ120はシンギュレーションされ得る。その他の実施形態では、第2のダイ
120は、ダイの全ての縁よりも少ない周囲に成型材料が広がるようにシンギュレーションされ得る。
【0022】
幾つかの実施形態では、第2のダイ120は、デバイスの取り扱いを容易にするために、後続のプロセス段階中に移送構造体270上に留められ得る。シンギュレーションされた第2のダイ120の製造は、デバイスの検査又は組み立て等のその他の製造段階に続き得る。
図2Fを参照すると、シンギュレーションされたダイアタッチ材料139は、切り離された第2のダイ120の上に留まると共に、第2のダイ120は、移送構造体270から除去され得る(1つのみ図示する)。第2のダイ120は、半導体基板130と基板拡張部136とを含み、それらは、第2のダイ基板122を共に形成する。シンギュレーションされたダイアタッチ材料139は、第2のダイ120をパッケージ基板102(
図1A)に取り付けるために使用され得る。第2のダイ120は、ダイスタック105を形成するために、第1のダイアタッチ材料138(
図1A)によって第1のダイ110(
図1A)に取り付けられ得る。第2の成型材料150(
図1A)等の封止材料(図示せず)
は、上で説明したように、ワイヤボンディング後にダイ110及び120を入れるためにダイスタック及びパッケージ基板102に渡って流れ得る。
【0023】
図3は、本技術の別の実施形態に従って構成された半導体ダイアセンブリ300(“アセンブリ300”)の断面図である。アセンブリ300は、上で詳細に説明したアセンブリ100の機構と概して類似する機構を含み得る。例えば、アセンブリ300は、半導体基板330及び基板拡張部から形成されたダイ基板322を有する中間ダイ320を含む。
図3に説明する例では、基板拡張部は、半導体基板330の対縁332a及び332bに夫々隣接する第1及び第2の拡張部分336a及び336bを含む。
【0024】
図3に更に示すように、アセンブリ300は、パッケージ基板102に搭載された下部のダイ382a及び382bのスタック(纏めて“下部のダイスタック382”)を含む。中間ダイ320は、下部のダイスタック382の最上部のダイ382aに取り付けられる。下部のダイ382a及び382bは、最上部のダイ382aがパッケージ基板102の一部を張り出すようにずれ、中間ダイ320の一部は、最上部のダイ382aの外周を越えて広がる。
【0025】
アセンブリ300は更に、中間ダイ320により積載された上部のダイ385a~cのスタック(纏めて“上部のダイスタック385”)を含む。上部のダイスタック385は、パッケージ基板102を部分的に張り出し、下部のダイスタック382と同様の方法ではあるが、反対方向にずれる。第1の拡張部分336aは、パッケージ基板102を張り出し、上部のダイスタック385の最下部のダイ385cの下で、半導体基板330の第1の縁332aから突き出る。第1の拡張部分336aは、上で説明した方法と同様の方法でスタックの傾斜又は傾きを防止又は削減するように、張り出す上部のダイスタック385を支持し得る。
【0026】
第2の拡張部分336bは、下部のダイスタック382の最上部のダイ382aの隣接部分の上方で、半導体基板330の第2の縁332bから広がる。様々な実施形態では、第2の拡張部分336bは、下部のダイスタック382への取り付けを容易にするように、中間ダイ320の搭載面のサイズを増加させ得る。
図3に説明する実施形態では、第2の拡張部分336bは、第1の拡張部分336aよりも小さな外形を有する。他の実施形態では、第2の拡張部分336bは、第1の拡張部分336aよりも大きくでき、又は第2の拡張部分336bは、第1の拡張部分336aと同じ形状及び/又はサイズを有し得る。幾つかの実施形態では、第2の拡張部分336bは省かれ得る。
【0027】
図4は、本技術の別の実施形態に従って構成された半導体ダイアセンブリ400(“アセンブリ400”)の断面図である。アセンブリ400は、上で詳細に説明したダイアセンブリの機構と概して類似する機構を含み得る。例えば、アセンブリ400は、下部のダイスタック382と、下部のダイスタック382に搭載された中間ダイ320と、中間ダイ320に搭載された上部のダイスタック385とを含む。
図4に示す配置では、アセンブリ400は、上部のダイスタック385により積載されたコントローラダイ431を含む。幾つかの実施形態では、中間ダイ320並びに下部及び上部のダイスタック382及び385はメモリダイを含み得る。これら又はその他の実施形態では、アセンブリ400は、メモリカードとして構成され得る。例えば、アセンブリ400は、ホストデバイス(図示せず)のメモリスロット(図示せず)中に受け入れられ得る筐体458及びパッケージ基板402を含み得る。筐体458は、アセンブリ400のダイを入れる成型材料450から形成され得る。成型材料450は、ホストデバイス内に取り付けられた時にメモリスロットに隣接する外側の突出物又はフックタブ456を画定するように成型され得る。パッケージ基板402は、筐体458内のダイに電気的に接続された外部端子404(
図4には1つの端子のみを見せる)を含み得る。
【0028】
図1~
図4を参照しながら上で説明した積み重ねられた半導体ダイアセンブリの内の何れか1つは、無数のより大きな及び/又はより多くの複合システムの内の何れかに組み込まれ得、その代表例は、
図5に概略的に示されたシステム590である。システム590は、半導体ダイアセンブリ500、電源592、ドライバ594、プロセッサ596、及び/又はその他のサブシステム若しくはコンポーネント598を含み得る。半導体ダイアセンブリ500は、上で説明した積み重ねられた半導体ダイアセンブリの機構と概して類似する機構を含み得る。もたらされるシステム590は、メモリストレージ、データ処理、及び/又はその他の適切な機能等、多種多様な機能の内の何れかを実施し得る。したがって、代表的なシステム590は、携帯デバイス(例えば、携帯電話、タブレット、デジタルリーダ、及びデジタルオーディオプレーヤー)、コンピュータ、及び電化製品を非限定的に含み得る。システム590のコンポーネントは、単一のユニットに収容され得、又は相互接続された複数のユニットに渡って(例えば、通信ネットワークを通じて)分散され得る。システム590のコンポーネントはまた、遠隔デバイスと、多種多様なコンピュータ可読媒体の内の何れかとを含み得る。
【0029】
上述したことから、技術の具体的実施形態は、説明の目的で本明細書に記述されているが、開示から逸脱することなく様々な変更がなされ得ることが分かるであろう。また、特定の実施形態の文脈で説明した新たな技術の幾つかの側面はまた、その他の実施形態では組み合わせられてもよく、又は省かれてもよい。更に、新たな技術の幾つかの実施形態と関連する利点は、それらの実施形態の文脈で説明されているが、その他の実施形態もこうした利点を示してもよく、本技術の範囲内にあるために、全ての実施形態がこうした利点を必ずしも示す必要はない。したがって、開示及び関連する技術は、本明細書に明白には示されない又は説明されないその他の実施形態を包含し得る。