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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】カットフードデネスター
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/18 20060101AFI20220111BHJP
   B26D 3/11 20060101ALI20220111BHJP
   B26D 1/28 20060101ALI20220111BHJP
   B26F 3/00 20060101ALI20220111BHJP
   B26D 3/26 20060101ALI20220111BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20220111BHJP
   A23L 19/12 20160101ALI20220111BHJP
【FI】
B26D7/18 D
B26D3/11
B26D1/28 J
B26F3/00 S
B26D7/18 A
B26D3/26 603A
A23L5/00 Z
A23L19/12 B
B26D3/26 605E
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2019572430
(86)(22)【出願日】2018-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-31
(86)【国際出願番号】 US2018039346
(87)【国際公開番号】W WO2019005693
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2020-02-03
(31)【優先権主張番号】62/527,737
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/016,421
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501060862
【氏名又は名称】ジェイ.アール.シンプロット カンパニー
【住所又は居所原語表記】1099 W.Front Street,Boise,Idaho 83702,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー,デイヴィッド ブルース
(72)【発明者】
【氏名】ニール,アレン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】イングラー,ジェイムズ
【審査官】石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-534151(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02543797(GB,A)
【文献】特表2018-521869(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0360326(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0182866(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 3/26
B26D 3/11
B26D 1/28
B26F 3/00
B26D 7/18
A23L 5/00
A23L 19/12
B04C 1/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入れ子状のフードプロダクト片を有するカットフードプロダクトを受け取るための流入口と、
流出口と、
前記流入口と前記流出口を接続する少なくとも1つのドラムであって、前記流入口と前記流出口は、前記少なくとも1つのドラムを通るサイクロン流軌跡を形成するように配置される少なくとも一つのドラムと、を備えた、
複数の入れ子状のフードプロダクト片を有するカットフードプロダクトを複数のフードプロダクト片に分離するためのシステム。
【請求項2】
前記サイクロン流軌跡が、前記複数の入れ子状のフードプロダクト片を、実質的にそれぞれが互いに個別に分離されている前記複数のフードプロダクト片に分離するように形成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記流入口は、前記カットフードプロダクトを前記少なくとも1つのドラムに接線方向に向けるように配置される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記流入口は、前記少なくとも1つのドラムの長手方向軸に対して直角に、前記カットフードプロダクトを前記少なくとも1つのドラムに向けるように配置される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記流入口は、前記少なくとも1つのドラムの上部に配置される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのドラムは、第1ドラム及び第2ドラムを含む複数のドラムであり、
前記流入口は前記第1ドラムに配置され、
前記流出口は前記第2ドラムに配置され、
前記第1ドラムから前記第2ドラムへの流体連通を提供する通路をさらに備える、請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記通路は、前記第1ドラムに接続された第1端部と、前記第2ドラムに接続された第2端部とを含み、
前記通路は、前記第1端部と前記第2端部の間に、前記第2端部に向かって先細りするテーパ部を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記流入口が前記流出口と位置合わせされている、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1ドラムは、略12インチの内径を有する、請求項6から8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1ドラムは、略24インチの長さを有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1ドラムが第1排出バルブを含み、前記第2ドラムが第2排出バルブを含む、請求項6から10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記流入口は、ナイフブロック又はウォーターナイフの排出部と位置合わせされている、請求項1から11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
バイパス入口及びバイパス出口を有するバイパス流路をさらに備え、
前記システムは第1の位置と第2の位置との間で枢動可能であり、前記流入口は前記第1の位置で前記排出部と位置合わせされ、前記バイパス入口は、前記第2の位置で前記排出部と位置合わせされる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのドラムが、重力に対して垂直な長手方向軸を有する、請求項1から13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1つのドラムを有するデネスターの流体流路に沿って流体流れを向ける行程であって、前記流体流れは前記少なくとも1つのドラムに接線方向に向けられ、前記流体流れは複数の互いに入れ子状のフードプロダクト片を有するカットフードプロダクトを運搬する、流体流れを向ける行程と、
前記流体流路を通る前記流体流れの運動によって、前記少なくとも1つのドラムの長さに沿ってカットフードプロダクトを回転させる行程であって、前記互いに入れ子状になっている複数のフードプロダクト片の実質的に各々が、互いに個別に分離される、回転させる行程と、
流出口を通して、前記少なくとも1つのドラムから前記複数のフードプロダクト片を取り出す行程と、を有する、
カットフードプロダクトを複数のフードプロダクト片に分離する方法。
【請求項16】
前記カットフードプロダクトを前記流体流路に沿って接線方向に前記少なくとも1つのドラムに向ける工程は、前記カットフードプロダクトを前記流体流路に沿って接線方向に、前記少なくとも1つのドラムの長手方向軸に対して直角に、前記少なくとも1つのドラムに向ける工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記流出口を通して前記ドラムから前記複数のフードプロダクト片を取り出す工程は、接線方向に向けられた前記流出口を通して前記ドラムから前記複数のフードプロダクト片を取り出す工程を含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのドラムが第1ドラム及び第2ドラムを含み、
前記少なくとも1つのドラムの長さに沿って前記カットフードプロダクトを回転させる行程が、
前記カットフードプロダクトを前記第1ドラムの長さに沿って回転させる行程と、
前記カットフードプロダクトを前記第2ドラムに受け渡す行程と、
前記カットフードプロダクトを前記第2ドラムの長さに沿って回転させる行程と、
を有する、請求項15から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記カットフードプロダクトを前記第2ドラムに受け渡す行程は、前記カットフードプロダクトを前記第1ドラムから前記第2ドラムへの通路に沿って受け渡す行程を含み、
前記通路は先細りとされ、前記第2ドラムに前記カットフードプロダクトを受け渡す際に前記カットフードプロダクトの速度を増加させる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記カットフードプロダクトがジャガイモである、請求項15から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
ジャガイモを運搬する前記流体流れが接線方向に前記少なくとも1つのドラムに向けられる前に、前記ジャガイモを複数のらせん状ウェッジにカットする行程をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのドラムの長さに沿って前記カットフードプロダクトを回転させる行程は、前記少なくとも1つのドラムの内壁に最も近い前記流体流れの一部を、前記少なくとも1つのドラムの中心の前記流体流れの一部より速い速度で移動させる行程を含む、
請求項15から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記デネスターがバイパス流路を含み、
前記方法が、前記デネスターを移動させる行程をさらに含み、
前記デネスターの移動が前記流体流路の代わりに前記バイパス流路を中心に合わせて配置する、請求項15から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記デネスターが第1軸に沿った向きの流入口を含み、
前記バイパス流路が第2軸に沿った向きのバイパス入口を含み、
前記第2軸が前記第1軸に平行であり、
前記デネスターを移動させる行程が、バイパス位置と係合位置の間で前記デネスターを枢動させる行程を含み、
前記流入口は前記係合位置でナイフブロック又はウォーターナイフの排出部と連通し、
前記バイパス入口は前記バイパス位置で前記排出部と連通している、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
第1ドラムと第2ドラムを含む複数のドラムと、
前記第1ドラムに配置され、ナイフブロック又はウォーターナイフの排出部と流体連通配置されるように構成された流入口と、
前記第2ドラムに配置された流出口と、
前記流入口から前記複数のドラムを通って前記流出口まで延びる流路であって、該流路は、前記流入口を通して受け取った、複数の入れ子状のフードプロダクト片を有するカットフードプロダクトに乱流及び求心加速を与えるように構成される流路と、を備えた、
入れ子状の複数のフードプロダクト片を有するカットフードプロダクトを複数のフードプロダクト片に分離するためのシステム。
【請求項26】
前記流路は、前記複数の入れ子状のフードプロダクト片を、実質的にそれぞれが互いに個別に分離されている複数のフードプロダクト片に分離するように構成されている、請求項25に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連特許出願の相互参照>
本出願は、2017年6月30日に出願された「カットフードデネスター(Cut Food Denester)」と題する米国仮特許出願第62/527,737号の利益を主張するものであり、その内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
ここに記載される実施形態は、フードプロダクトを切り離すためのシステムに関する。特に、本開示は、カットフードプロダクトのためのデネスターに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、フライ及び他のスライスされたフードプロダクトは、ウォーターナイフを使用してカットされ、その後、ブランチング、乾燥、バタリング、フライイング、及び/又は冷凍によって処理される。ストレートカットフライなどの多くのフライプロダクトでは、フライは簡単に分離する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、よりユニークなフライ形状の開発により、フードプロダクトはカット後もその形状を保持し、フライを互いに切り離すために手動操作が必要になる場合がある。手動切離しの要求は、製造コストを実質的に増加する、及び/又は、カットシステムのスループットを低下させる可能性がある。その他の欠点が存在する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、上記で議論された問題及び欠点のいくつかを克服及び/又は軽減するカットフードプロダクトを切り離すためのシステム及び方法に向けられる。
【0006】
カットフードプロダクトを複数のフードプロダクト片に切り離すためのシステムの一つの実施形態は、流入口と、流出口と、前記流入口と前記流出口を接続する少なくとも1つのドラムを含む。
カットフードプロダクトは、複数の入れ子状のフードプロダクト片を有する。流入口は、切り離されるカットフードプロダクトを受け取るように配置できる。
流入口は、水等の流体をウォーターナイフから受け取ることができる。
前記流入口と前記流出口は、前記少なくとも1つのドラムを通るサイクロン流軌跡を形成するように配置されてよい。
【0007】
前記流入口はナイフブロック又はウォーターナイフの排出部に位置合わせされてよい。
【0008】
前記流入口は、前記カットフードプロダクトを前記少なくとも1つのドラムに接線方向に向けるように配置されてよい。
【0009】
前記流入口は、前記少なくとも1つのドラムの長手方向軸に対して直角に、前記カットフードプロダクトを前記少なくとも1つのドラムに向けるように配置されてよい。
【0010】
前記流入口は、前記少なくとも1つのドラムの上部に配置されてよい。
【0011】
前記少なくとも1つのドラムは、第1ドラム及び第2ドラムを含む複数のドラムであってよい。前記流入口は前記第1ドラムの上部に配置され、前記流出口は前記第2ドラムの上部に配置されてよい。
【0012】
サイクロン流軌跡が、前記複数の入れ子状のフードプロダクト片を、実質的にそれぞれが互いに個別に切り離されている複数のフードプロダクト片に切り離すように形成されていてよい。
【0013】
前記システムは、前記第1ドラムから前記第2ドラムへの流体連通を提供する通路をさらに備えてよい。
【0014】
前記通路は、前記第1ドラムに接続された第1端部と、前記第2ドラムに接続された第2端部とを含んでよい。前記通路は、前記第1端部と前記第2端部の間に、前記第2端部に向かって先細りするテーパ部を有してよい。
【0015】
前記流入口が前記流出口と位置合わせされてよい。
【0016】
前記第1ドラムは、略12インチの内径を有してよい。
【0017】
前記第1ドラムは、略24インチの長さを有してよい。
【0018】
前記第1ドラムが第1排出バルブを含んでよい。前記第2ドラムが第2排出バルブを含んでよい。
【0019】
前記システムは、バイパス入口及びバイパス出口を有するバイパス流路を含んでよい。
前記システムは第1の位置と第2の位置との間で枢動可能としてよい。
前記流入口は前記第1の位置で前記排出部(入口軸)と位置合わせされ、前記バイパス入口は、前記第2の位置で前記入口軸と位置合わせされてよい。
【0020】
前記少なくとも1つのドラムが、重力に対して垂直な長手方向軸を有してよい。
【0021】
カットフードプロダクトを複数のフードプロダクト片に切り離す方法の一つの実施形態は、デネスターの流体流路に沿って流体流れを向ける行程を含む。デネスターは少なくとも1つのドラムを有する。前記流体流れは前記少なくとも1つのドラムに接線方向に向けられる。前記流体流れはウォーターナイフからであってよい。
上記方法は、カットフードプロダクトが複数のフードプロダクト片に切り離される前記少なくとも1つのドラムの長さに沿ってカットフードプロダクトを回転させる行程と、流出口を通して、前記少なくとも1つのドラムから前記複数のフードプロダクト片を取り出す行程と、を含む。互いに入れ子状になっている前記複数のフードプロダクト片の実質的に各々が、互いに個別に切り離される。
【0022】
上記方法は、前記カットフードプロダクトを前記流体流路に沿って接線方向に、前記少なくとも1つのドラムの長手方向軸に対して直角に、前記少なくとも1つのドラムに向ける工程を含んでよい。
【0023】
上記方法は、接線方向に向けられた前記流出口を通して前記ドラムから前記複数のフードプロダクト片を取り出す工程を含んでよい。
【0024】
前記少なくとも1つのドラムが第1ドラム及び第2ドラムを含んでよい。
前記少なくとも1つのドラムの長さに沿って前記カットフードプロダクトを回転させる行程が、
前記カットフードプロダクトを前記第1ドラムの長さに沿って回転させる行程と、
前記カットフードプロダクトを前記第2ドラムに受け渡す行程と、
前記カットフードプロダクトを前記第2ドラムの長さに沿って回転させる行程と、
を含んでよい。
【0025】
前記カットフードプロダクトを前記第2ドラムに受け渡す行程は、前記カットフードプロダクトを前記第1ドラムから前記第2ドラムへの通路に沿って受け渡す行程を含んでよい。
前記通路は先細りとされ、前記第2ドラムに前記カットフードプロダクトを受け渡す際に前記カットフードプロダクトの速度を増加させてよい。
【0026】
前記カットフードプロダクトがジャガイモであってよい。
【0027】
前記ジャガイモを複数のらせん状ウェッジにカットされてよい。上記方法が、ジャガイモを運搬する前記流体流れが接線方向に前記少なくとも1つのドラムに向けられる前に、ジャガイモを複数のらせん状ウェッジにカットする行程を含んでよい。
【0028】
前記少なくとも1つのドラムの長さに沿って前記カットフードプロダクトを回転させる行程は、前記少なくとも1つのドラムの内壁に最も近い前記流体流れの一部を、前記少なくとも1つのドラムの中心の前記流体流れの一部より速い速度で移動させる行程を含んでよい。
【0029】
前記デネスターがバイパス流路を含んでよい。
前記方法が、前記デネスターを移動させる行程をさらに含んでよく、
前記デネスターの移動が前記流体流路の代わりに前記バイパス流路を中心に合わせて配置してよい。
【0030】
前記デネスターが第1軸に沿った向きの流入口を含んでよい。
前記バイパス流路が第2軸に沿った向きのバイパス入口を含んでよい。
前記第2軸が前記第1軸に平行であってよい。
前記デネスターを移動させる行程が、バイパス位置と係合位置の間で前記デネスターを枢動させる行程を含んでよい。
前記流入口は前記係合位置でナイフブロック又はウォーターナイフの排出部と連通してよい。
前記バイパス入口は前記バイパス位置で前記排出部と連通してよい。
【0031】
カットフードプロダクトを複数のフードプロダクト片に切り離すためのシステムの一つの実施形態は、複数のドラムと、流入口と、流出口と、流路と、を含む。
前記カットフードプロダクトは、入れ子状の複数のフードプロダクト片を有する。前記複数のドラムは第1ドラムと第2ドラムを含む。
前記流入口は、前記第1ドラムに配置される。前記流入口は、ナイフブロック又はウォーターナイフの排出部と流体連通配置されるように構成される。
前記流出口は、前記第2ドラムに配置される。
前記流路は、前記流入口から前記複数のドラムを通って前記流出口まで延びる。該流路は、前記流入口を通して受け取った、複数の入れ子状のフードプロダクト片を有するカットフードプロダクトに乱流及び求心加速を与えるように構成される。
【0032】
前記流路は、前記複数の入れ子状のフードプロダクト片を、実質的にそれぞれが互いに個別に切り離されている複数のフードプロダクト片に切り離すように構成されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1-3は、ウォーターナイフに隣接配置されたデネスターの一実施形態を示す。
図2図1-3は、ウォーターナイフに隣接配置されたデネスターの一実施形態を示す。
図3図1-3は、ウォーターナイフに隣接配置されたデネスターの一実施形態を示す。
図4図4-5は、ウォーターナイフに隣接配置されたデネスターの一実施形態を示す。
図5図4-5は、ウォーターナイフに隣接配置されたデネスターの一実施形態を示す。
図6図6は、デネスターの一実施形態を示す。
図7A図7A図8Aは、バイパス位置における図6の実施形態を示す。
図7B図7B図8Bは、係合位置における図6の実施形態を示す。
図8A図7A図8Aは、バイパス位置における図6の実施形態を示す。
図8B図7B図8Bは、係合位置における図6の実施形態を示す。
図9A図9Aは、図6の実施形態のピボット接続の詳細図を示す。
図9B図9Bは、図9Aの断面図を示す。
図10A図10A図10Dは、カットフードプロダクトを複数のフードプロダクト片に分離する連続図を示す。
図10B図10A図10Dは、カットフードプロダクトを複数のフードプロダクト片に分離する連続図を示す。
図10C図10A図10Dは、カットフードプロダクトを複数のフードプロダクト片に分離する連続図を示す。
図10D図10A図10Dは、カットフードプロダクトを複数のフードプロダクト片に分離する連続図を示す。
【0034】
本開示は、様々な変形及び代替形態の影響を受けやすいが、特定の実施形態は、例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかし、本開示は、開示された特定の形態に限定されることを意図していないことを理解されたい。むしろ、その意図は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲内にあるすべての変形、同等物、及び代替物を網羅することである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1図3は、カットフードプロダクトを切り離すためのデネスター100の一実施形態を示す。デネスター100は、ウォーターナイフ10の排出部11からカットフードプロダクトを受け取るように配置される。ウォーターナイフ10の代わりにナイフブロック又は他のカット装置を使用することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、補助流体流も使用され得る。ウォーターナイフ10及び排出部11は、デネスター100に隣接して示されているが、より長い流路の排出部11を使用して、カットフードプロダクトをデネスター100に再方向付けし、デネスター100を処理ラインにおいてカット装置より後に配置することが理解されうる。
【0037】
たとえば、排出部11は、切り離されるカットフードプロダクトを一時的に保持する部分を含むことができ、及び/又は、排出部11は、複数のカット装置からカットフードプロダクトを受け取ることができる。
【0038】
一例として、ウォーターナイフ10は、それらの全ての開示が参照により本明細書に組み込まれる2015年7月28日に発行された「らせん状テクスチャージャガイモ片をカットするための回転ナイフ固定具」と題する米国特許第9,089,987号明細書、又は、2016年1月21日に米国特許出願公開第2016/0016326号として公開された「らせん状の断片をカットするためのシステム」と題する米国特許出願第14/868,987号、又は、2017年3月16日に米国特許出願公開第2017/0072581号明細書として公開された「流れ推進型回転ナイフ」と題する米国特許出願第14/937,271号、に記載されるナイフ固定具であってもよい。
【0039】
これらの開示により理解されるように、ジャガイモなどのフードプロダクトは、らせん状のウェッジ形にカットされる。らせん状のウェッジ形状は互いに絡み合っており(互いに入れ子状になっている)、1個の完全なジャガイモのような外観でウォーターナイフから出うる。言い換えると、一つのカットフードプロダクトは、互いに入れ子状の複数のフードプロダクト片を含む。本明細書に記載の実施形態は、らせん状ウェッジ形状を言及するかもしれないが、本開示が、本開示を用いなければ切り離すために手作業を用いるであろう他のタイプのユニークなカットの切り離しにも適用可能であることが理解されよう。
【0040】
一例として、本開示から利益を主張できるカットフードプロダクトの形状には、米国意匠特許第D640036号、D716517号、D716518号、D716519号、D716520号、D723241号、D723242号、D723243号、D766542号、及び登録共同体意匠番号003135722-0001、003154293-0001、及び003164102-0001に示され記載されているものが含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
製品の損傷を防ぐためにウォーターナイフ10の排出部11での乱流を最小化する傾向がある既知のシステムとは対照的に、デネスター100は、フードプロダクトの個々の断片に切り離すために、カットフードプロダクトに摩擦、指向性乱流、及び求心性加速を付与するように構成される。デネスター100は可動部品を含まず、ウォーターナイフ10を通過したフードプロダクトを運搬する水などの流体流れのみを用いてよい。
【0042】
デネスター100は、入れ子状にされた(nested)フードプロダクトを切り離すために、カットフードプロダクトに乱流及び求心加速を与えるような複数のドラム等の1つ以上のドラムを含む。
【0043】
図1に示されるように、デネスター100は、第1ドラム110と、第2ドラム140とを含む複数のドラムと、その間の通路130とを有する。第1ドラム110及び第2ドラム140は、実質的に円筒形状を有してもよい。
【0044】
本明細書で使用される「実質的に」という用語は、「少なくともほぼ完全に」を意味する。例えば、フードプロダクト片の少なくとも1つが他の1つ以上のフードプロダクト片と入れ子状にされていない場合であっても、すでに入れ子状にされたフードプロダクト片の実質的にそれぞれが、互いに個別に切り離されているといえる。量的な用語として、「実質的に」は、述べられた(例えば、量又は形状の)基準の少なくとも80%を意味する。さらに、1つの対象物が通常のユーザにはそのように見える円筒形状であっても、例えば、製造プロセスは、形状又は設計に許容誤差を生じるかもしれず、その対象物は、その表面に完全には滑らか或いは対称的でない表面の特徴又は構造を有するかもしれないことが認められる。
【0045】
いくつかの実施形態では、ドラム110、140の一方又は両方は、別の形状のチャンバであってもよい。例えば、ドラム110、140の一方又は両方は、円錐台又は六角柱を形成してもよい。
【0046】
第1ドラム110は、排出部11を介してウォーターナイフ10から水及びフードプロダクトを受け取る流入口101を含む。流入口101は、ウォーターナイフ10の排出部11と流体連通するように配置されるように構成される。流入口101は、第1ドラム110の内径の接線方向に流れを向けるように配置され得る(図3に最もよく示されている)。流入口101はまた、第1ドラム110の長手方向軸115に対して略(approximately)直角に向けられることができる(図2に最もよく示されている)。本明細書で使用される用語「略(approximately)」は、おおよその値を意味するが、+/-10%等、必ずしも精密である必要はない。
【0047】
第1ドラム110は、第1端部111及び第2端部112を含む。第1端部111及び第2端部112は、図示のように、それぞれがフランジ付き端部であってもよい。長手方向軸115は、第1ドラムの第1端部111から第2端部112まで延びる。第1端部キャップ113は第1端部111に取り付けられ、第2端部キャップ114は第2端部112に取り付けられる。
1つ以上の端部キャップ113、114は、ポリカーボネート又はガラスのような、実質的に透明な材料で形成することができ、第1ドラム110の内部容積をモニタリング可能とすることができる。
端部キャップ113、114は、水密接続を提供するガスケット又はシールを含むことができる。第1ドラム110は、支持体120を介してウォーターナイフ10のフレーム12上に支持されてもよい。
【0048】
第2ドラム140は、第1端部141及び第2端部142を含む。第1端部141及び第2端部142は、図示のように、それぞれがフランジ付き端部であってもよい。第1端部キャップ143は第1端部141に取り付けられ、第2端部キャップ144は第2端部142に取り付けられる。1つ以上の端部キャップ143、144は、ポリカーボネート又はガラスのような実質的に透明な材料で形成することができ、第2ドラム140の内部容積をモニタリング可能とすることができる。
端部キャップ143、144は、水密接続を提供するガスケット又はシールを含むことができる。第2ドラム140は、支持アーム150上に支持されてもよい。
【0049】
第2ドラム140は、第2ドラム140から水及び切り離されたフードプロダクト片を排出する流出口102を含む。流出口102は、第2ドラム140の内径に接線方向に向けられて、フードプロダクト片の損傷を回避することができる(図3に最もよく示されている)。いくつかの実施形態では、第1ドラム110の流入口101及び第2ドラム140の流出口102は、同じ軸103(図2に示されている)に位置合わせされてもよい。流入口101と流出口102を同じ軸103に位置合わせして、処理ラインの長さを短くし、及び/又は既存の処理ライン内にデネスター100をより容易に設置することが望ましい。
【0050】
デネスター100は、第1ドラム110を第2ドラム140に接続する通路130を含む。通路130は、第1ドラム110の第2端部112から第2ドラム140の第1端部141まで延びてよい。
【0051】
図示されるように、通路130は、第1ドラム110の長手方向軸115(図2に最もよく示されている)に直角に、及び/又は、第1ドラム110の内径に接線方向に(図3に最もよく示されている)向けられている第1端部131を含むことができる。
【0052】
通路130の第2端部132(図2に示されている)は、第2ドラム140の長手方向軸145(図2に最もよく示されている)に直角に、及び/又は、第2ドラム140の内径の接線方向に向けられてよい(図3に最もよく示されている)。
【0053】
長手方向軸145は、第1ドラム110の第1端部141から第2端部142まで延びる。通路130は、第1端部131の第2端部132への組み立てを容易にするフランジ部133(図2に示されている)を含むことができる。
【0054】
通路130は、通路130を通る水流がより小さな断面積を通過しなければならなくなり、流れの速度が増加するように第2端部132に向かって延びるテーパ部135を含むことができる。流速の増加は、第2ドラム140内のカットフードプロダクトが受ける求心加速度を増加させる。求心加速度の増加は、カットフードプロダクトを別個のフードプロダクト片に切り離すのを支援し得る。
【0055】
図1を参照すると、ジャガイモ等のフードプロダクトは、ウォーターナイフ10によってカットされ、排出部11を通って第1ドラム110の流入口101に入る流体流れ軌道に続く。第1ドラム110内の流れは、第1ドラム110の第1端部111から第2端部112までサイクロン流軌道を形成する。図3に示すように、第1ドラム110の内径の底部側に接線方向に配置された流入口101により、流れは、第1ドラム110の第1端部111から第2端部112に移動するときに反時計回り方向に動く。
【0056】
水の体積流量に応じて、第1ドラム110は実質的に水で満たされ、流れの接線方向は、内壁に最も近い流れ部分を、第1ドラム110の中心の流れ部分よりも速い速度で移動させ得る。その結果、カットされたジャガイモは、サイクロン流軌道を通って回転するときにタンブル回転しうる。
【0057】
ジャガイモは、第1ドラム110の第2端部112に到達すると、通路130の第1端部131に受け取られる。通路130の第1端部131は、通路130の第2端部132よりも大きい直径を有し得る。より大きな直径は、ジャガイモが通路130に向かうのを助け、詰まりが生じるのを防ぐことができる。ジャガイモが通路130を通って移動するとき、通路130のテーパ部135は、ジャガイモが第2ドラム140に入る際の流れの速度を増加させる。
【0058】
第2ドラム140内の流れは、第2ドラム140の第1端部141から第2端部142までサイクロン流軌道を形成する。図3に示すように、第2ドラム140の内径の底部側に接線方向に配置された通路130の第2端部132により、流れは第2端部141から第2端部142に移動するときに反時計回りに動く。
第1ドラム110と同様に、水の体積流量に応じて、第2ドラム140は実質的に水で満たされ、流れの接線方向は、内壁に最も近い流れ部分を、より速い速度で移動させ得る。その結果、カットされたジャガイモは、サイクロン流軌道を通って回転するときにタンブル回転しうる。ジャガイモが第2ドラム140の第2端部142に到達すると、切り離されたジャガイモ片は流出口102を通ってさらなる処理のために排出される。
【0059】
例として、毎分650ガロン(GPM)の流量が、450GPMの流量よりもプロダクトを切り離すのにより効果的であると突き止められた。さらに、内径が12インチのドラムは、内径18インチの内径を有するドラム内に設置された12インチドラムと間の環状流れ空間を有するドラムよりも性能が優れていると突き止められ、該ドラムは、内径18インチのドラムよりも性能が良いと判断された。内径12インチ、長さ24インチの2つのドラムを、流量650GPMで使用すると、99%を超える分離率が得られた。
【0060】
また、例として、流入口101は略4インチの内径を有してもよく、通路130の第1端部131は略6インチの内径を有してもよく、通路130の第2端部132は略4インチの内径を有してもよく、及び/又は、流出口102は、略6インチの内径を有してもよい。
【0061】
図4及び図5は、ウォーターナイフ10から水とカットフードプロダクトを受け取ってフードプロダクトをカットするように配置されたデネスター200の実施形態を示す。デネスター200は、第1ドラム210と第2ドラム240とその間の通路230とを含む。第1ドラム210は、第1端部211及び第2端部212を含む。透明な端部キャップ214は、第2端部212に取り付けられる。
【0062】
第1ドラム210は、支持部(図示せず)を介してウォーターナイフ10のフレーム12に支持される。第2ドラム240は、第1端部241及び第2端部242を含む。透明な端部キャップ243は、第1端部241に固定される。第2ドラム240は、支持アーム250に支持される。第2ドラム240は、第2ドラム240から水と切り離されたフードプロダクト片を排出する流出口202を含む。ウォーターナイフ10からの流出口と第2ドラム240の流出口202は同じ軸に位置合わせされる。
【0063】
デネスター200は、第1ドラム210の第2端部212から第2ドラム240の第1端部241まで延びる通路230を含む。通路230は、第1ドラム210の内径に接線方向に向けられた第1端部231を含む。通路230の第2端部232は、第2ドラム240の内径に接線方向に向けられている。通路230の第1端部231及び第2端部232は、フランジ付きコネクタ233を介して接続されている。通路230は、通路230を通って流れる水がより小さな断面積を通過しなければならなくなり、流れの速度が増加するように第2端部232に向かって延びるテーパ部235を有する。通路230の第1端部231のより大きな直径は、フードプロダクトの切り離されていない部分を通路230内に横向きに受け取ったときに詰まりが生じるのを防ぐことができる。増加した流速は、第2ドラム240内のカットされたフードプロダクトが受ける求心加速度を増加させる。
【0064】
図4に示すように、ジャガイモ50は、ウォーターナイフ10によってカットされ、サイクロン流軌跡に沿って第1ドラム210の第1端部211から第2端部212まで運ばれる。ジャガイモ50は複数の断片に切り離され、(第1ドラム210の第2端部212から見て)時計回りの回転を終えて通路230に受け入れられそうになっている。ジャガイモ50は、第1ドラム210内のサイクロン流軌跡に沿った運動によって十分に切り離される。
【0065】
図5に示すように、ジャガイモ50の断片は、第2ドラム240に入り、流出口202に向かって移動する。第2のジャガイモ51は、ウォーターナイフ10によってカットされ、サイクロン流軌跡に沿って第1ドラム210の第1端部211から第2端部212まで運ばれる。第2のジャガイモ51の一部は、第1ドラム210内のサイクロン流軌跡に沿った運動により切り離されているが、第2のジャガイモ51の別の部分は絡み合ったままである。第2のジャガイモ51は(第1ドラム210の第2端部212から見て)時計回りの回転を継続し、通路230に受け入れられ、第2ドラム240内のサイクロン流軌跡に沿ったさらなる運動が第2のジャガイモ51の絡み合った部分をさらに切り離す。
【0066】
図10A-10Dは、デネスター200のサイクロン流軌跡を通って移動する際に複数のフードプロダクト片に分離するジャガイモ50等のカットフードプロダクトの連続的な図を示す。図10Aでは、ジャガイモ50は、互いに絡み合う複数のフードプロダクト片にカットされており、デネスター200に導入される準備ができている。図10Bでは、ジャガイモ50がサイクロン流軌跡を移動する際に、フードプロダクト片の一部が他のフードプロダクト片に対して回転することにより他のフードプロダクト片からほどけ始めている。
【0067】
図10Cでは、ジャガイモ50はサイクロン流軌跡をさらに移動し、フードプロダクト片の複数のサブセットにさらにほどかれているが、一部のフードプロダクト片は他のフードプロダクト片と絡み合ったままである。図10Dでは、ジャガイモ50はサイクロン流軌跡をさらに移動した後に、ジャガイモ50の複数のフードプロダクト片は完全に互いにほどかれている。
【0068】
図6図8Bは、ウォーターナイフ10から水及びカットフードプロダクトを受け取るように配置されたデネスター300の一実施形態を示す。デネスター300は、第1ドラム310と、第2ドラム340と、その間の通路330と、を含む。第1ドラム310は、第1端部311と、第2端部312と、排出部11(図7A-7Bに最もよく示される)を介してウォーターナイフ10から水及びフードプロダクトを受け取る流入口301と、を含む。第2ドラム340は、第1端部341と、第2端部342と、水及び切り離されたフードプロダクト片を第2ドラム340から補助流路20に排出する流出口302と、を含む。ウォーターナイフ10の排出部11と第2ドラム340の流出口302とは、同じ軸303に位置合わせされてよい。
【0069】
デネスター300は、第1ドラム310の第2端部312から第2ドラム340の第1端部341まで延びる通路330を含む。第1ドラム310の近くの通路330の部分は、第1ドラム310の内径に接線方向に向けられている。第2ドラム340の近くの通路330の一部は、第2ドラム340の内径に接線方向に向けられている。通路330は、通路330を通って流れる水がより小さな断面積を通過しなければならなくなり、流れの速度が増加するように、第2ドラム340に向かって先細になっている。流速の増加により、第2ドラム340内のカットフードプロダクトが受ける求心加速度が増加する。流入口301、流出口302、第1ドラム310、第2ドラム340、及び通路330は、デネスターの流体流路を形成する。
【0070】
デネスター300は、第1ドラム310と流体連通する第1排出バルブ315と、第2ドラム340と流体連通する第2排出バルブ345とを含む。デネスター300が作動していないとき、第1排出バルブ315は、第1ドラム310から水を排出するために開かれ、第2排水バルブ345は、第2ドラム340から水を排出するために開かれていてよい。
【0071】
デネスター300は、バイパス入口306及びバイパス出口307を有するバイパス流路305を含む。バイパス入口306及びバイパス出口307は、同じ軸308に位置合わせされてよい。バイパス流路305に関連付けられた軸308と、流入口301及び流出口302に関連付けられた軸303とは、平行軸であってよい。いくつかの実施形態では、バイパス入口306とバイパス出口307とは、同じ軸308に位置合わせされていなくてもよいが、バイパス入口306と流入口301とは、バイパス出口307及び流出口302と同態様に相対配置されうる。
【0072】
いくつかの枢動実施形態において、流入口301及びバイパス入口306は、それらの運動平面内で枢止点から等距離に配置されてよい。また、流出口302及びバイパス出口307は、それらの運動平面内で枢止点から等距離に配置されてよい。デネスター300は、ピボット接続320によりフレーム350上に支持されている。ピボット接続320により、第1ドラム310及び第2ドラム340は、(図7A及び8Aに示される)バイパス位置と(図7B及び8Bに示される)係合位置との間で枢動できる。
【0073】
ピボット接続320の一実施形態は、図9A及び9Bに示されている。ピボット接続320は、フレーム350に固定的に接続されたプレート321を含む。第2ドラム340は、アセタールベアリングなどのベアリング322に支持され、プレート321に対する第2ドラム340の回転運動を可能にする。プレート321は、第1側部324及び第2側部325によって境界付けられた凹部323を含むことができる。デネスター300は、第2ドラム340又はフレーム部分から凹部323に延びる停止ピン326を含むことができる。図9A及び図9Bは、第2ドラム340に対するピボット接続320のみを示しているが、第1ドラム310が同態様にピボット接続されてもよいことが理解される。
【0074】
作動中、デネスター300は、そのバイパス位置とその係合位置との間で枢動され得る。図7A及び図8Bに示されるバイパス位置では、ウォーターナイフ10の排出部11は、バイパス流路305のバイパス入口306と連通しており、バイパス流路305のバイパス出口307は、補助流路20と連通している。ジャガイモ等のフードプロダクトは、ウォーターナイフ10によってカットされ、排出部11を通って、バイパス流路305のバイパス入口306に入ってから、バイパス出口307を通り、さらに処理するために補助流路20に続く。バイパス位置では、停止ピン326は、さらなる回転を防止するように、(図9に示される)プレート321の第1側部324に対して配置される。この構成では、ストレートカットフライのようなフードプロダクトの第1セットがデネスター300の第1ドラム310と第2ドラム340とを迂回(バイパス)する。例えば、バイパス位置は、フードプロダクトの損傷を防ぐために、乱流を抑制できるものであることがカットのために望ましい。
【0075】
フードプロダクトの第1セットがカットされると、ツイストしたウェッジ等のフードプロダクトの第2セットをカットして切り離すためにウォーターナイフ10内のカットヘッドを変更することができる。
【0076】
デネスター300は、(図7B及び8Bに示される)係合位置まで枢動される。係合位置では、第1ドラム310の流入口301は、ウォーターナイフ10の排出部11と位置合わせされて連通し、第2ドラム340の流出口302は、補助流路20と位置合わせされて連通している。係合位置では、(図9Bに示される)停止ピン326は、プレート321の第2側部325に近接配置される。該位置で、切り離されるフードプロダクトの第2セットは、第1ドラム310及び第2ドラム340を通って移動できることができる。
【0077】
カットが完了すると、第1ドラム310及び第2ドラム340内の水を取り出すために、排出バルブ315、345を作動させることができる。このような排出バルブ315、345は、流入口301及び/又は流出口302が図示のように第1ドラム310及び第2ドラム340の上部に配置される場合に特に望ましい。さらに、デネスター300は、第1ドラム310及び第2ドラム340の排出を支援するためにバイパス位置に枢動してよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、バイパス位置と係合位置における第1ドラム310及び第2ドラム340の向きを逆にし得ることが見込まれる。例えば、第1ドラム310及び第2ドラム340は、バイパス位置で水平な向きを有し、係合位置で角度を付けられた向きを有することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ドラム310、340のうちの少なくとも1つは、垂直な向き又は角度を付けられた向きで作動することができ、水の流れは重力に逆らうことになる。
【0079】
これらの実施形態の様々な変形及び組み合わせは、本開示の利益を有する当業者によって理解されるであろう。例えば、第1ドラムと第2ドラムは、同じ長手方向軸に沿って組み合わされるか、方向付けられ得る。また、例えば、3つ以上のドラムを使用することができ、及び/又は、ドラムの寸法を変更することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ドラム間で回転方向を変えることができる。
【0080】
いくつかで実施形態では、流入口及び流出口は、第1ドラム及び第2ドラムの上部に配置されてもよい。他の実施形態では、流入口及び流出口は、第1ドラム及び第2ドラムの底部に配置されてもよい。さらに他の実施形態では、流入口及び流出口は、異なる平面内に配置されてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、デネスターは、デネスターの流体流路に替えて、ウォーターナイフの排出部を有するバイパス流路の中心位置合わせを可能にするために別の方法で移動可能であってもよい。例えば、バイパス入口及びバイパス出口は、流入口及び流出口に対して垂直に向けられてもよく、デネスターは、バイパス流路を位置合わせするために90度回転されてもよい。
【0082】
また、ドラムの内径の減少は、ドラム内の求心加速度を増加させることが理解される。より内径の小さいドラムを使用することで、低ロバスト性のカット(切断片)よりも高ロバスト性のカットを切り離すことができる。同様に、体積流量の増加はドラム内の求心加速度を増加させることが理解される。より大きい体積流量を使用することで、低ロバスト性のカット(切断片)よりも高ロバスト性のカットを切り離すことができる。さらに、ドラムの内径に対するカットフードプロダクト片の寸法は、スループットに影響するかもしれず、詰まりが生じそうであるかを判断させるかもしれない。さらに、本明細書に記載の実施形態は、非フードプロダクトの切り離しにも同様に適用可能であることも予測可能である。
【0083】
本開示は、ある好ましい実施形態の観点で記載されたが、上記の全ての特徴及び利点の全てを提供しない実施形態を含む、当業者に明らかである他の複数の実施形態も本開示の範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D