(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】制御バルブ、起伏シリンダ及びその作動方法、高所作業台
(51)【国際特許分類】
B66F 9/22 20060101AFI20220111BHJP
B66F 11/04 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
B66F9/22 V
B66F11/04
(21)【出願番号】P 2020008823
(22)【出願日】2020-01-23
【審査請求日】2020-01-23
(31)【優先権主張番号】201910841119.4
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520028405
【氏名又は名称】ジェージァン ディングリ マシナリー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG DINGLI MACHINERY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】No.1255 Baiyun South Rd.,Leidian Town,Deqing County,Huzhou,Zhejiang Province,313219,China
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】シュゲン,シュー
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-240385(JP,A)
【文献】特開平06-271297(JP,A)
【文献】特開2002-087788(JP,A)
【文献】特開2003-020197(JP,A)
【文献】特開2005-075510(JP,A)
【文献】特開2012-136344(JP,A)
【文献】特開2003-165699(JP,A)
【文献】特開2013-249197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/22
B66F 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ポートG8と第2ポートF9との間に提供されるオイル回路と、第3ポートH10と第4ポートE11との間に提供されるオイル回路と、を含むが、第1ポートG8と第2ポートF9との間のオイル回路にスイッチ弁と直列に連結される第1バランス弁12が提供され
、前記第1バランス弁は第1一方向機能部4と第1オーバーフロー機能部5を含み、第1オーバーフロー機能部5の制御ポートは第3ポートH10と第4ポートE11との間の前記オイル回路と連通し、前記第1バランス弁の第1オーバーフロー機能部5のオイル入口の一端に位置する第3オイル開口15は第2ポートF9に連結され、前記第1バランス弁の第1一方向機能部のオイル入口の一端に位置する第2オイル開口14は第1ポートG8に連結される制御弁。
【請求項2】
スイッチ弁12は二重位置両方向ソレノイド弁または比例型弁であり、前記制御弁はスイッチ弁12に電気的に連結される電子式制御ユニットを更に含む請求項1に記載の制御弁。
【請求項3】
前記第1バランス弁とスイッチ弁12は一つの弁体に一体化され、第1ポートG8、第2ポートF9、第3ポートH10、及び第4ポートE11は前記弁体の表面に位置する請求項1に記載の制御弁。
【請求項4】
前記第1オーバーフロー機能部5はパイロット型の構造であり、第1オーバーフロー機能部5のバネ側の制御空洞は第1オーバーフロー機能部5のオイル出口と連通し、第1オーバーフロー機能部5のバネのない側の制御空洞は第1オーバーフロー機能部5のオイル入口と連通する請求項1に記載の制御弁。
【請求項5】
第2バランス弁は、第3ポートH10と第4ポートE11との間のオイル回路の上に提供される請求項1に記載の制御弁。
【請求項6】
前記第1バランス弁、前記第2バランス弁、及びスイッチ弁12は一つの弁体に一体化され、第1ポートG8、第2ポートF9、第3ポートH10、及び第4ポートE11は前記弁体の表面に位置する請求項5に記載の制御弁。
【請求項7】
前記第1バランス弁は第1一方向機能部4と第1オーバーフロー機能部5を含み、前記第2バランス弁は第2一方向機能部6と第2オーバーフロー機能部7を含み、第1オーバーフロー機能部5の制御ポートは、前記第2バランス弁の第2一方向機能部6のオイル入口の一端に位置する第1オイル開口17と連通し、第2オーバーフロー機能部7の制御ポートは、前記第1バランス弁の第1一方向機能部4のオイル入口の一端に位置する第2オイル開口14と連通し、前記第1バランス弁の第1オーバーフロー機能部5のオイル入口の一端に位置する第3オイル開口は第2ポートF9に連結され、第2オイル開口14は第1ポートG8に連結され、第1オイル開口17は第3ポートH10に連結され、前記第2バランス弁の第2オーバーフロー機能部7のオイル入口の一端に位置する第4オイル開口16は第4ポートE11に連結される請求項6に記載の制御弁。
【請求項8】
第1オーバーフロー機能部5と第2オーバーフロー機能部7はいずれもパイロット型の構造であり、第1オーバーフロー機能部5のバネ側の制御空洞は第1オーバーフロー機能部5のオイル出口と連通し、第1オーバーフロー機能部5のバネのない側の制御空洞は第1オーバーフロー機能部5のオイル入口と連通し、第2オーバーフロー機能部7のバネ側の制御空洞は第2オーバーフロー機能部7のオイル出口と連通し、第2オーバーフロー機能部7のバネのない側の制御空洞は第2オーバーフロー機能部7のオイル入口と連通する請求項7に記載の制御弁。
【請求項9】
スイッチ弁12は第1ポートG8と前記第1バランス弁との間のオイル回路の上に提供され、前記制御弁は、スイッチ弁12と前記第1バランス弁との間のオイル回路の上の圧力をモニタリングするために構成される油圧センサ18と、油圧センサ18に電気的に連結される電子式制御ユニットと、電子式制御ユニットに電気的に連結されるアラーム装置と、を更に含む請求項6に記載の制御弁。
【請求項10】
前記弁体の表面は第5ポートM13を更に備え、第5ポートM13はスイッチ弁12と前記第1バランス弁との間のオイル回路に連結され、油圧センサ18は第5ポートM13の上に配列される請求項9に記載の制御弁。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のうちいずれか一項に記載の制御弁と油圧シリンダを含み、前記油圧シリンダは単一棒二重作用ピストン型油圧シリンダであり、第2ポートF9は前記油圧シリンダの棒なし空洞1と連通し、第4ポートE11は前記油圧シリンダの棒あり空洞2と連通する起伏シリンダ。
【請求項12】
請求項5に記載の制御弁と油圧シリンダを含み、前記油圧シリンダは単一棒二重作用ピストン型油圧シリンダであり、第2ポートF9は前記油圧シリンダの棒なし空洞1と連通し、第4ポートE11は前記油圧シリンダの棒あり空洞2と連通する起伏シリンダの作動方法であって、前記方法は、
振幅が上方に変われば、スイッチ弁12はターンオンされ、圧力オイルは第1ポートG8から前記制御弁内に流れ、スイッチ弁12と前記第1バランス弁を介して第2ポートF9から前記制御弁の外に流れた後、前記油圧シリンダの棒なし空洞1内に流れ、前記油圧シリンダの棒あり空洞2内のオイルは、第4ポートEから前記制御弁に流れ、前記第2バランス弁を介して第3ポートH10から前記制御弁の外に流れた後、前記オイルリターンシステムに入り、前記油圧シリンダのピストン棒3は延長され、
振幅が下方に変われば、スイッチ弁12はターンオンされ、前記圧力オイルは第3ポートH10から前記制御弁内に流れ、前記第2バランス弁を介して第4ポートE11から前記制御弁の外に流れた後、前記油圧シリンダの棒あり空洞2内に流れ、前記油圧シリンダの棒なし空洞1内のオイルは、第2ポートF9から前記制御弁に流れ、スイッチ弁12と前記第1バランス弁を介して第1ポートG8から前記制御弁の外に流れた後、前記オイルリターンシステムに入り、前記油圧シリンダのピストン棒3は収縮され、
停止状態であれば、前記制御弁内に圧力オイルは流れず、スイッチ弁12は遮断され、前記油圧シリンダの棒なし空洞1内のオイルは前記制御弁によって密封される作動方法。
【請求項13】
スイッチ弁12は二重位置両方向ソレノイド弁であり、前記制御弁はスイッチ弁12に電気的に連結される電子式制御ユニットを更に含み、スイッチ弁12の転倒または遮断は前記電子式制御ユニットによって制御される請求項12に記載の作動方法。
【請求項14】
スイッチ弁12は第1ポートG8と前記第1バランス弁との間のオイル回路の上に提供され、前記制御弁は、スイッチ弁12と前記第1バランス弁との間のオイル回路の上の圧力をモニタリングするために構成される油圧センサ18と、油圧センサ18に電気的に連結される電子式制御ユニットと、前記電子式制御ユニットに電気的に連結されるアラーム装置と、を更に含み、油圧センサ18が、スイッチ弁12と前記第1バランス弁との間のオイル回路の上の圧力が予め設定された範囲から逸脱することを感知すれば、前記電子式制御ユニットはアラーム機能を行うために予めアラーム装置を制御する請求項12に記載の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は高所作業分野に関し、より詳しくは、制御バルブ、起伏シリンダ及びその作動方法、高所作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
高所作業台は、高所構造物作業者の作業の効率性、安全性、及び便宜性を大きく向上させ、労働強度を減らす先端の高所作業器具である。これは先進国で広く使用されている。中国において、高所作業台の使用は一般都市の街灯の初期メンテナンス、植木の手入れなど、次第にその範囲が広くなっている。中国経済の急速な発展につれ、エンジニアリング建設、産業設置、装備のメンテナンス、プラントのメンテナンス、造船、電力、都市行政、空港、通信、庭、及び運輸分野で高所作業台の要求が増加しつつある。
【0003】
特許文献1は、リフト部と歩行部を含む高所作業台を開示しているが、歩行部はベースを含み、リフト部は順次に連結される折り畳みアーム、メインアーム、補助アーム、及び作業バケットを含む。折り畳みアームの一端はターンテーブルにヒンジ連結されるが、ターンテーブルは旋回軸受によってベースに連結される。メインアームの一端は折り畳みアームの他端にヒンジ連結され、補助アームの一端はメインアームの他端にヒンジ連結される。作業バケットは補助アームの他端に連結される。補助アームと連結されるメインアームのジョイントには小型アームヘッドが提供され、小型アームヘッドとメインアームとの間には小型アームレベリングシリンダが提供される。折り畳みアームは折り畳み式構造であるかリンク器具からなり、折り畳みアームは折り畳みアームの折り畳み式移動を制御するための折り畳みアーム折り畳み式シリンダを内部に備える。折り畳みアーム起伏シリンダが折り畳みアームとターンテーブルとの間に提供される。メインアームは収縮可能な構造を有し、メインアームの折り畳み式移動を制御するためにメインアーム折り畳み式シリンダを内部に備える。メインアームと折り畳みアームとの間にはメインアーム起伏シリンダが提供され、補助アームとメインアームとの間には補助アーム起伏シリンダが提供される。
【0004】
図1に示した従来の起伏シリンダは、単一棒二重作用ピストン類型の油圧シリンダと制御弁を含み、制御弁は、オイル供給圧力回路またはオイルリターンシステムでターンオンまたはターンオフを行うために、油圧シリンダの棒あり空洞2、及び棒なし空洞1をそれぞれ制御するのに使用される。制御弁は第1バランス弁と第2バランス弁を含み、第1バランス弁は第1一方向機能部4及び第1オーバーフロー機能部5を含む。第2バランス弁は第2一方向機能部6及び第2オーバーフロー機能部7を含み、第1オーバーフロー機能部5の制御ポートは第2オーバーフロー機能部7のオイル出口と連通する。第2オーバーフロー機能部7の制御ポートは第1オーバーフロー機能部5のオイル出口と連通する。第1一方向機能部4のオイル出口の一端に位置する第1バランス弁のポートC1は油圧シリンダの棒なし空洞1と連通し、第2一方向機能部6のオイル出口の一端に位置する第2バランス弁のポートC2は油圧シリンダの棒あり空洞2と連通する。
【0005】
図2に示したように、振幅が上方に変われば、圧力オイルは第1一方向機能部4のオイル入口の端で第1バランス弁のポートV1から第1バランス弁に入った後、第1一方向機能部4を介してポートC1の外に流れる一方、第1オーバーフロー機能部5のオイル出口から第2オーバーフロー機能部7の制御ポートに圧力オイルの一部が流れて第2オーバーフロー機能部7をターンオンさせる。ポートC1から流出される圧力オイルは油圧シリンダの棒なし空洞1内に流れ、同時に油圧シリンダの棒あり空洞2の油圧オイルは第2オーバーフロー機能部7を通過して、第2一方向機能部のオイル入口の一端に位置する第2バランス弁のポートV2から排出される。油圧オイルシリンダのピストン棒3は延長され、高所作業台のリフトアームの振幅は上方に変わる。
【0006】
図3に示したように、振幅が下方に変われば、圧力オイルは第2一方向機能部6のオイル入口の端で第2バランス弁のポートV2から第2バランス弁に入った後、第2一方向機能部6を介してポートC2の外に流れる一方、第2オーバーフロー機能部7のオイル出口から第1オーバーフロー機能部5の制御ポートに圧力オイルの一部が流れて第1オーバーフロー機能部5をターンオンさせる。ポートC1から流出される圧力オイルは油圧シリンダの棒あり空洞2内に流れ、油圧シリンダの棒なし空洞1のリターンオイルは第1オーバーフロー機能部5を通過して、第1一方向機能部4のオイル入口ポートの一端に位置する第1バランス弁のポートV1から排出される。油圧オイルシリンダのピストン棒3は収縮され、高所作業台のリフトアームの振幅は下方に変わる。
【0007】
図4に示したように、停止状態にある場合、オイル供給システムは加圧オイルを加圧シリンダに供給せず、油圧シリンダの棒なし空洞1及び棒あり空洞2のオイルは第1バランス弁と第2バランス弁によって密封される。棒なし空洞1は高い圧力を維持し、棒あり空洞2は比較的高い圧力を維持するが、棒なし空洞1の油圧は、棒あり空洞2の油圧とリフトアームの重力と均衡を成す。油圧シリンダのピストン棒3は延長されるか収縮されない。リフトアームは停止状態にある。
バランス弁の複雑な構造のため、
図5に示したように棒なし空洞1に連結された第1バランス弁が一旦故障すると、油圧シリンダの棒なし空洞1のオイルはリターンシステムに入り、油圧シリンダのピストン棒3は収縮し始め、リフトアームは下降する。高所作業台が高所作業状態にあれば、作業バケットを傾けて作動者を倒しやすく、しかも機械全体の重心の位置さえ勾配ラインを超過し高所作業台が全体的に傾くようになって、深刻な事故が起こる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】中国特許出願番号CN201810449467.2
【発明の概要】
【0009】
本開示の目的は、従来技術の欠点を補充し、制御弁、起伏シリンダ及びその作動方法、及び高所作業台を提供することであるが、これは起伏シリンダのバランス弁と棒なし空洞が故障することで事故を起こすことを防止するためである。
【0010】
本開示の一様態によって、制御弁は、第1ポートGと第2ポートFとの間に提供されるオイル回路と、第3ポートHと第4ポートEとの間に提供されるオイル回路と、を含み、スイッチ弁と直列に連結される第1バランス弁が第1ポートGと第2ポートFとの間のオイル回路に提供される。
【0011】
また、スイッチ弁は二重位置両方向ソレノイド弁または比例型弁であり、制御弁はスイッチ弁に電気的に連結される電子式制御ユニットを更に含む。
【0012】
また、第1バランス弁とスイッチ弁は弁体に一体化され、第1ポートG、第2ポートF、第3ポートH、及び第4ポートEは弁体の表面に位置する。
【0013】
また、第1バランス弁は第1一方向機能部と第1オーバーフロー機能部を含み、第1オーバーフロー機能部の制御ポートは第3ポートHと第4ポートEとの間のオイル回路と連通し、第1オーバーフロー機能部のオイル入口の一端に位置する第3オイル開口は第2ポートFに連結され、第1バランス弁の第1一方向機能部のオイル入口の一端に位置する第2オイル開口は第1ポートGに連結される。
【0014】
また、第1オーバーフロー機能部はパイロット型の構造であり、第1オーバーフロー機能部のバネ側の制御空洞は第1オーバーフロー機能部のオイル出口と連通し、第1オーバーフロー機能部のバネなし側の制御空洞は第1オーバーフロー機能部のオイル出口と連通する。
【0015】
また、第2バランス弁は第3ポートHと第4ポートEとの間のオイル回路の上に提供される。
また、第1バランス弁、第2バランス弁、及びスイッチ弁は単一弁体に一体化され、第1ポートG、第2ポートF、第3ポートH、及び第4ポートGは弁体の表面に位置する。
【0016】
また、第1バランス弁は第1一方向機能部と第1オーバーフロー機能部を含み、第2バランス弁は第2一方向機能部おと第2オーバーフロー機能部を含む。第1オーバーフロー機能部の制御ポートは、第2バランス弁の第2一方向機能部のオイル入口の一端に位置する第1オイル開口と連通し、第2オーバーフロー機能部の制御ポートは、第1バランス弁の第1一方向機能部のオイル入口の一端に位置する第2オイル開口と連通し、第1バランス弁の第1オーバーフロー機能部のオイル入口の一端に位置する第3オイル開口は第2ポートFに連結され、第2オイル開口は第1ポートGに連結され、第1オイル開口は第3ポートHに連結され、第2バランス弁の第2オーバーフロー機能部のオイル入口の一端に位置する第4オイル開口は第4ポートEに連結される。
【0017】
また、第1オーバーフロー機能部と第2オーバーフロー機能部はいずれもパイロット型の構造であり、第1オーバーフロー機能部のバネ側の制御空洞は第1オーバーフロー機能部のオイル出口と連通し、第1オーバーフロー機能部のバネのない側の制御空洞は第1オーバーフロー機能部のオイル入口と連通し、第2オーバーフロー機能部のバネ側の制御空洞は第2オーバーフロー機能部のオイル出口と連通し、第2オーバーフロー機能部のバネのない側の制御空洞は第2オーバーフロー機能部のオイル入口と連通する。
【0018】
また、スイッチ弁は第1ポートGと第1バランス弁との間のオイル回路の上に提供され、制御弁は、スイッチ弁と第1バランス弁との間のオイル回路の上の圧力をモニタリングするために構成される油圧センサと、油圧センサに電気的に連結される電子式制御ユニットと、電子式制御ユニットに電気的に連結されるアラーム装置と、を含む。
【0019】
また、弁体の表面は、スイッチ弁と第1バランス弁との間のオイル回路に連結される第5ポートMを更に備え、油圧センサは第5ポートMの上に配列される。
【0020】
本開示の第2様態によって、起伏シリンダは第1様態による制御弁と油圧シリンダを含み、油圧シリンダは単一棒二重作用ピストン型の油圧シリンダであり、第2ポートFは油圧シリンダの棒なし空洞と連通し、第4ポートEは油圧シリンダの棒あり空洞と連通する。
【0021】
本開示の第3様態によって、起伏シリンダの作動方法は第1様態による制御弁と油圧シリンダを含む。油圧シリンダは、単一棒二重作用ピストン型の油圧シリンダである。第2ポートFは油圧シリンダの棒なし空洞と連通し、第4ポートEは油圧シリンダの棒あり空洞と連通するが、作動方法は、振幅が上方に変われば、スイッチ弁はターンオンされ、圧力オイルは第1ポートGから制御弁内に流れ、スイッチ弁と第1バランス弁を介して第2ポートFから制御弁の外に流れた後、油圧シリンダの棒なし空洞内に流れ、油圧シリンダの棒あり空洞内のオイルは、第4ポートEから制御弁に流れ、第2バランス弁を介して第3ポートHから制御弁の外に流れた後、オイルリターンシステムに入り、油圧シリンダのピストン棒は延長され、振幅が下方に変われば、スイッチ弁はターンオンされ、圧力オイルは第3ポートHから制御弁内に流れ、第2バランス弁を介して第4ポートEから制御弁の外に流れた後、油圧シリンダの棒あり空洞内に流れ、油圧シリンダの棒なし空洞内のオイルは、第2ポートFから制御弁に流れ、スイッチ弁と第1バランス弁を介して第1ポートGから制御弁の外に流れた後、オイルリターンシステムに入り、油圧シリンダのピストン棒は収縮され、停止状態であれば、制御弁内に圧力オイルは流れず、スイッチ弁は遮断され、油圧シリンダの棒なし空洞内のオイルは制御弁によって密封され、油圧シリンダは維持状態に入る。
【0022】
また、スイッチ弁は二重位置両方向ソレノイド弁または比例型弁であり、制御弁はスイッチ弁に電気的に連結される電子式制御ユニットを更に含み、スイッチの転倒または遮断は電子式制御ユニットによって制御される。
【0023】
また、スイッチ弁は第1ポートGと第1バランス弁との間のオイル回路の上に提供され、制御弁は、スイッチ弁と第1バランス弁との間のオイル回路の上の圧力をモニタリングするために構成される油圧センサと、油圧センサに電気的に連結される電子式制御ユニットと、電子式制御ユニットに電気的に連結されるアラーム装置と、を更に含む。油圧センサがスイッチ弁と第1バランス弁との間のオイル回路の上の圧力予め設定された範囲を逸脱したことを感知すれば、電子制御ユニットはアラーム装置を制御してアームを行う。
【0024】
本発明の第4様態によって、高所作業台はリフト部及び歩行部を含み、リフト部は、リフト部を上昇及び加工するよう駆動する、上述した起伏シリンダを含む。
【0025】
また、歩行部はベース部を含み、リフト部は順次に連結された折り畳みアーム、メインアーム、補助アーム、及び作業バケットを含む。折り畳みアームの一端はターンテーブルにヒンジ連結されるが、ターンテーブルは旋回軸受によってベースに連結される。メインアームの一端は折り畳みアームの他端にヒンジ連結され、補助アームの一端はメインアームの他端にヒンジ連結される。作業バケットは補助アームの他端に連結される。補助アームと連結されるメインアームのジョイントには小型アームヘッドが提供され、小型アームヘッドとメインアームとの間には小型アームレベリングシリンダが提供される。折り畳みアームは折り畳み式構造であるかリンク器具を含み、折り畳みアームは折り畳みアームの折り畳み式移動を制御するための折り畳みアーム折り畳み式シリンダを内部に備える。折り畳みアーム起伏シリンダは折り畳みアームとターンテーブルとの間に提供される。メインアームは収縮可能な構造を有し、メインアームの折り畳み式移動を制御するためにメインアーム折り畳み式シリンダを内部に備える。メインアームと折り畳みアームとの間にはメインアーム起伏シリンダが提供され、補助アームとメインアームとの間には補助アーム起伏シリンダが提供される。折り畳みアーム起伏シリンダ、メインアーム起伏シリンダ、及び補助アーム起伏シリンダのうち少なくとも一つは、上述した起伏シリンダである。
【発明の効果】
【0026】
本開示の有益な効果は以下のようである。
1.第1バランス弁が故障すれば、スイッチ弁を遮断することで第1ポートGと第2ポートFとの間のオイル回路からオイルがオイルリターンシステムに入ることが防止され、制御弁の作動の信頼性がバランス弁のみ存在する従来のものより高い。
2.制御弁は弁体に一体化され、モジュール式であって設置が容易であり、異なるモデルに設置することができる。
3.起伏シリンダの棒なし空洞で第1バランス弁が故障すれば、スイッチ弁を遮断することで、オイルが第1ポートGと第2ポートFとの間のオイル回路から復帰することが防止される。制御弁は起伏シリンダの棒なし空洞内で高圧オイルを密封し、リフトアームは停止状態を維持する。制御されない下方移動が作業バケットを傾けるか全体の作業台をひっくり返すようなことがなくなり、高所作業台の安全性が更に高くなる。
4.油圧センサは、第1バランス弁とスイッチ弁との間のオイル回路の圧力をリアルタイムで感知する。第1バランス弁が故障すれば、異常な圧力信号が電子式制御ユニットに伝送され、システムは棒なし空洞側の第1バランス弁を切り替えるようにアラームして促し、棒なし空洞のオイルからオイル回路を常に二重に安心できるように保障するが、これは制御弁の信頼性と高所作業台の安全性を更に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本開示の技術的解決策をより明確に例示するために、本開示の説明に使用された図面を以下に簡単に説明する。以下に説明する図面が本開示の一部具現にのみ使用されることは明らかである。また、他の図面は本発明の作業に関わらず当業者から得られる。
【
図1】従来の起伏シリンダの油圧原理を示す概略的なダイアグラムである。
【
図2】振幅が上方に変わる場合の従来の起伏シリンダの油圧原理を示す概略図である。
【
図3】振幅が下方に変わる場合の従来の起伏シリンダの油圧原理を示す概略的なダイアグラムである。
【
図4】停止状態における従来の起伏シリンダの油圧原理を示す概略図である。
【
図5】従来の起伏シリンダの棒なし空洞バランス弁が故障した場合の油圧原理を示す概略的なダイアグラムである。
【
図6】本開示の具現例による油圧原理を示す概略図である。
【
図7】本開示の具現例によって起伏シリンダの油圧原理を示す概略図である。
【
図8】本開示の具現例によって振幅が上方に変わる場合の起伏シリンダの油圧原理を示す概略図である。
【
図9】本開示の具現例によって振幅が下方に変わる場合の起伏シリンダの油圧原理を示す概略図である。
【
図10】本開示の具現例によって停止状態にある起伏シリンダの油圧原理を示す概略図である。
【
図11】本開示の具現例によって棒なし空洞バランス弁がお称した場合の起伏シリンダの油圧原理を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示において、技術的解決策は添付した図面を参照して以下に明白に、そして完全に説明される。説明された具現例は、本開示の具現例の単に一部分にすぎない。本開示の具現例に基づいて創造的な努力をせずに当業者によって得られた全ての他の具現例は、本開示の範疇内に属することは明らかである。
【0029】
図6は、本開示の具現例によって制御弁の油圧原理を示す概略図的なダイアグラムである。
図6に示したように、制御弁は、第1ポートG8と第2ポートF9との間のオイル回路の上の第1バランス弁、及び第3ポートH10と第4ポートE11との間のオイル回路の上の第2バランス弁を含む。第1バランス弁は第1一方向機能部4と第1オーバーフロー機能部5を含み、第2バランス弁は第2一方向機能部6と第2オーバーフロー機能部7を含む。第1オーバーフロー機能部5の制御ポートは、第2バランス弁の第2一方向機能部6のオイル入口ポートの一端で第1オイル開口17と連通する。第2オーバーフロー機能部7の制御ポートは、第1バランス弁の第1一方向機能部4のオイル入口ポートの一端で第2オイル開口14と連通する。第1バランス弁の第1オーバーフロー機能部5のオイル入口ポートの一端で第3オイル開口15は第2ポートF9に連結され、第2オイル開口14は第1ポートG8に連結され、第1オイル開口17は第3ポートH10に連結される。第2バランス弁の第2オーバーフロー機能部7のオイル入口ポートの一端で第4オイル開口16は第4ポートE11に連結される。第1オーバーフロー機能部5と第2オーバーフロー機能部7はパイロット型の構造である。第1オーバーフロー機能部5のバネ側の制御空洞は第1オーバーフロー機能部5のオイル出口ポートと連通し、第1オーバーフロー機能部のバネのない側の制御空洞は第1オーバーフロー機能部5のオイル入口ポートと連通する。第2オーバーフロー機能部7のバネ側の制御空洞は第2オーバーフロー機能部7のオイル出口ポートと連通し、第2オーバーフロー機能部7のバネのない側の制御空洞は第2オーバーフロー機能部7のオイル入口ポートと連通する。第1ポートG8と第2ポートF9との間のオイル回路は第1バランス弁と直列に連結されるスイッチ弁12を更に備え、スイッチ弁12は第1ポートG8と第1バランス弁との間のオイル回路の上に提供される。
【0030】
図7は、本開示の具現例によって起伏シリンダの油圧原理を示す概略図的なダイアグラムである。
図7に示したように、上述した制御弁と油圧シリンダが含まれる。油圧シリンダは、単一棒二重作用ピストン型の油圧シリンダである。第2ポートF9は油圧シリンダの棒なし空洞1と連通し、第4ポートE11は油圧シリンダの棒あり空洞2と連通する。
【0031】
図8は、本開示の具現例によって振幅が上方に変わる場合の起伏シリンダの油圧原理を示す概略的なダイアグラムである。
図8に示したように、振幅が上方に変われば、スイッチ弁12はターンオン状態に入り、圧力オイルは第1ポートG8から制御弁に入り、スイッチ弁12と第1一方向機能部4を介して第2ポートF9から制御弁の外に流れる。スイッチ弁12から流出する圧力オイルが第1一方向機能部4に入る間、圧力オイルの一部はまた、第1バランス弁の第1一方向機能部4のオイル流入口の一端で第2オイル開口14から第2オーバーフロー機能部7の制御ポート内に流れることで、第2オーバーフロー機能部7を転倒する。第2ポートFから制御弁の外に流れる圧力オイルは、次に油圧シリンダの棒なし空洞1内に流れ、油圧シリンダの棒あり空洞2内のオイルは第4ポートE11を介して制御弁内に流れ、第2オーバーフロー機能部7を介して第3ポートH10から制御弁の外に流れた後、オイルリターンシステムに入る。油圧オイルシリンダのピストン棒3は延長され、高所作業台のリフトアームの振幅は上方に揺動する。
【0032】
図9は、本開示の具現例によって振幅が下方に変わる場合の起伏シリンダの油圧原理を示す概略図である。
図9に示したように、振幅が下方に変われば、スイッチ弁はターンオン状態に入る。圧力オイルは第3ポートH10から制御弁内に流れ、第2バランス弁の第2一方向機能部6を介して第4ポートE11から制御弁の外に流れる。制御弁に流れる圧力オイルが第2一方向機能部6に入る間、圧力オイルの一部はまた、第2バランス弁の第2一方向機能部6のオイル入口ポートの一端で第1オイル開口17から第1オーバーフロー機能部5の制御ポート内に流れることで、第1オーバーフロー機能部5をターンオンする。第4ポートE11から制御弁の外に流れる圧力オイルは、次に油圧シリンダの棒あり空洞2内に流れ、油圧シリンダの棒なし空洞1内のオイルは第2ポートF9から制御弁内に流れ、第1オーバーフロー機能部5とスイッチ弁12を介して第1ポートG8から制御弁の外に流れた後、オイルリターンシステムに入る。油圧シリンダのピストン棒3は収縮され、高所作業台のリフトアームの振幅は下方に変わる。
【0033】
図10は、停止状態における従来の起伏シリンダの油圧原理を示す概略図である。
図10に示したように、起伏シリンダが停止状態にあれば、スイッチ弁12は遮断される。油圧シリンダの棒なし空洞1内のオイルは制御弁によって密封される。第1オーバーフロー機能部5または第2オーバーフロー機能部7は圧力オイルが流れずに遮断されるため、油圧シリンダの棒なし空洞1と棒あり空洞2におけるオイルは、第1バランス弁または第2バランス弁を介して復帰することができない。油圧シリンダのピストン棒3は拡張するか収縮せず、高所作業台のリフトアームは停止状態にある。
【0034】
図11は、本開示の具現例によって、起伏シリンダの棒なし空洞バランス弁が故障した場合の油圧原理を示す概略的なダイアグラムである。
図11に示したように、上述した起伏シリンダの第1バランス弁が故障すれば、棒なし空洞1内のオイルは第1バランス弁を介して流れるが、スイッチ弁12が遮断されるため、第1バランス弁を介して流れるオイルはスイッチ弁12を介して第1ポートG8から外に流れることができないか、オイルリターンシステムに入ることができない。油圧シリンダの棒なし空洞1内のオイルは制御弁によって依然として密封されており、高所作業台のリフトアームは作業バケットを傾けるか全体の作業台をひっくり返しながら下方に移動しないため、高所作業台の安全性が更に高くなる。
【0035】
高所作業台は、起伏シリンダに圧力オイルを供給するためのオイル供給システム、及びリターンオイルを収容するためのオイルリターンシステムを追更に含む。ここで、オイルリターンシステムとオイルリターンシステムは、従来のように燃料タンク、燃料供給ポンプ、燃料供給パイプライン、制御弁、及びリターンパイプラインなどを含む。前記システムと起伏シリンダは従来の連結部と作動モードを有する。出願において、上述した起伏シリンダが従来の高所作業台に使用されれば、オイル供給システムとオイルリターンシステムを改造する必要はないが、正常に作動するために従来のオイル供給システムとオイルリターンシステムを連結する必要はある。本出願は高所作業台のオイル供給システムとオイルリターンシステムは説明しない。
【0036】
図6乃至
図11に示したように、制御弁は、スイッチ弁12と第1バランス弁との間のオイル回路の上の圧力をモニタリングするための油圧センサ18、及び油圧センサ18に電気的に連結される電子式制御ユニット、及び電子式制御ユニットに電気的に連結されるアラーム装置を更に含む。油圧センサ18が、スイッチ弁12と第1バランス弁との間のオイル回路の上の圧力予め設定された範囲を逸脱したことを感知すれば、電子制御ユニットはアラーム装置を制御してアームを行う。予め設定された範囲は実験を介して決定されてもよく、アラーム装置のアラームの作動はアラーム情報をディスプレイの上にディスプレイするか、光または音のようなアラーム信号を放出してもよいが、これは本出願では説明されない。アラーム装置のアラームが鳴ったら、メンテナンス担当者は第1バランス弁が故障したことを知り、起伏シリンダが停止状態であれば、棒なし空洞1のオイルが密封されていない可能性があることと、アームが下降する場合に作業バケットが傾いたか全体の高所作業台が倒れて危険な事故が起こり得る結果である、スイッチ弁12を故障し得る長期使用を防止するために第1バランス弁を切り替える。よって、故障した第1バランス弁を切り替えることで、制御弁は棒なし空洞1のオイル流出から二重の安心を保障することができ、更に制御弁の信頼性と高所作業台の安全性を向上させることができる。
【0037】
好ましくは、スイッチ弁12は二重位置両方向ソレノイド弁または比例型弁であり、スイッチ弁12に電気的に連結される電子式制御ユニットを更に含むが、スイッチ弁12のターンオンまたはターンオフは電子式制御ユニットによって制御される。スイッチ弁12の制御は速くて効率的である。スイッチ弁12はまた、スイッチ弁のオン・オフのみ制御することができれば、機械的制御スイッチ弁、二重位置三方向ソレノイド弁、または比例型弁などのような他の類型の弁であってもよい。実施例はこれに限らない。
【0038】
上述した制御ユニットは、従来の高所作業台の電子式制御ユニットを延長するか、追加に提供された電子式制御ユニットによって得られることを理解すべきである。電子式制御ユニットはメモリ、プロセッサ、及び通信モジュールなどを含む。電子式制御ユニットは、通信モジュールを介して高所作業台の制御システム、油圧センサ18、電磁気式スイッチ弁12、及びアラーム装置と電気的に連結され、制御システムから制御信号、例えば、上方の辺が振幅、下方の辺が振幅、及び停止状態などの信号を受信する。電子式制御ユニットは、メモリとプロセッサが受信された信号をプロセッシングしてから実行命令語を獲得し、電子式スイッチ弁12のオン・オフを制御するための実行命令を通信モジュールを介してスイッチ弁12に送り、油圧センサ18から圧量信号を受信する。電子式制御ユニット、メモリとプロセッサが受信された入力信号をプロセッシングしてから実行命令語を獲得し、アラーム装置がアラームを行うのか否かを制御するための実行命令語を通信モジュールを介してアラーム装置に送る。
【0039】
好ましくは、第1バランス弁、第2バランス弁、及びスイッチ弁12は一つの弁体に一体化される。第1ポートG8、第2ポートF9、第3ポートH10、及び第4ポートE11はいずれも弁体の表面に位置し、弁体の表面は、スイッチ弁12はと第1バランス弁との間のオイル回路に連結される第5ポートM13を更に備える。油圧センサ18は第5ポートMの上に提供される。制御弁のモジュール式製造は、設置が容易で多用途であって、異なるモデルに設置することができる。
前記制御弁は起伏シリンダとは別の構造であり、前記単一棒二重作用ピストン油圧シリンダと使用することに限らず、他の形態の油圧シリンダに使用されてもよいことを理解すべきである。改変速度シリンダに使用されることを除いては、高所作業台の折り畳み式シリンダに使用されてもよい。または、オイルシリンダと使用せず、その代わりにオイル吸入及びオイルリターンを制御する必要がある他のオイル回路に別途に使用されてもよい。
【0040】
前記具現例の第1バランス弁の第1オーバーフロー機能部5と、第2バランス弁の第2オーバーフロー機能部7は、好ましくはパイロット型の構造を採択する。第1バランス弁の前記第1オーバーフロー機能部5及び第2バランス弁の前記第2オーバーフロー機能部7もまた、選択的に共通直接作用構造を採択してもよく、オーバーフロー機能部のバネ側の制御空洞は外部排出ポートを有しない。
【0041】
第1バランス弁及び第2バランス弁はオイル吸入及びオイルリターンを制御するために同時に作動され、制御弁が油圧シリンダのオイル吸入及びオイルリターンを制御し得るように、第1バランス弁及び第2バランス弁が同期式に作動する限り、上述した第1バランス弁及び第2バランス弁の特定構造は前記具現例の構造に限らないことを理解すべきである。第1バランス弁は第1一方向機能部4と第1オーバーフロー機能部5を含み、第2バランス弁は第2一方向機能部6と第2オーバーフロー機能部7を含む。第1オーバーフロー機能部5の制御ポートは第2バランス弁の第2一方向機能部6のオイル流入口の一端で第1オイル開口17と連通し、第2オーバーフロー機能部7の制御ポートは第1バランス弁の第1一方向機能部4のオイル流入口の一端で第2オイル開口14と連通し、第1バランス弁の第1オーバーフロー機能部5のオイル流入口の一端で第3オイル開口15は第2ポートF9に連結される。第1バランス弁のオイル開口のうち一つが第1ポートG8に連結され、第1バランス弁のオイル開口の他の一つが第2ポートF9に連結され、第2バランス弁のオイル開口のうち一つが第3ポートH10に連結され、第2バランス弁のオイル開口の他の一つが第4ポートE11に連結される限り、第1バランス弁と第2バランス弁は他の構造である。
第3ポートH10と第4ポートE11との間のオイル回路の上に提供される第2バランス弁の機能は、第1バランス弁が遮断された後、高所作業台のリフト部が揺動することで作動者に不便を与える場合、圧力波の衝撃がもたらすピストン棒3の反動を防止することであると理解すべきである。このような点を考慮しない限り、第2バランス弁は、第3ポートH10と第4ポートE11との間のオイル回路に提供されることができない。この際、第1オーバーフロー機能部の制御ポートは、第3ポートH10と第4ポートE11との間のオイル回路と連通する。油圧シリンダの油圧式オイルは重力が作用する圧力を受けるため、第3ポートH10と第4ポートE11との間のオイル回路の上でも第2バランス弁は提供されなくてもよく、制御弁の制御機能は影響を受けない。
【0042】
前記具現例の起伏シリンダの制御弁は、第1バランス弁の第2オイル開口14における圧力をモニタリングすることで第1バランス弁が作動不可能であるのか否かを決定するように構成され、スイッチ弁12は第1バランス弁と第1ポートG8との間のオイル回路の上に設定されて第1バランス弁と直列に連結されることを理解すべきである。第1バランス弁の故障及びアラーム可否を決定するために圧力をモニタリングする必要がなければ、スイッチ弁12は第1バランス弁と第2ポートF9との間のオイル回路の上に提供されて第1バランス弁と直列に連結される。起伏シリンダが停止状態であれば、前記制御弁は、スイッチ弁12を遮断し第1バランス弁リターン回路を遮断して起伏シリンダの棒なし空洞1内のオイルを密封することで、依然として二重の安心を提供することができる。第1バランス弁が故障しても、スイッチ弁12を遮断することで第1ポートGと第2ポートFとの間のオイル回路からオイルがリターンすることを防止することができ、制御弁は依然として高い作動の信頼性を有する。
【0043】
前記具現例の起伏シリンダの制御弁は、第1バランス弁、第2バランス弁、及びスイッチ弁12を一つの弁体で一体化し、第1バランス弁、第2バランス弁、及びスイッチ弁12を異なる弁体に分割し得ることを理解すべきである。
【0044】
上述した起伏シリンダは、上述した特許文献1に開示された高所作業台に使用される。高所作業台はリフト部及び歩行部を含み、歩行部はベース部を含み、リフト部は順次に連結される折り畳みアーム、メインアーム、補助アーム、及び作業バケットを含む。折り畳みアームの一端はターンテーブルにヒンジ連結されるが、ターンテーブルは旋回軸受によってベースに連結される。メインアームの一端は折り畳みアームの他端にヒンジ連結され、補助アームの一端はメインアームの他端にヒンジ連結される。作業バケットは補助アームの他端に連結される。補助アームと連結されるメインアームのジョイントには小型アームヘッドが提供され、小型アームヘッドとメインアームとの間には小型アームレベリングシリンダが提供される。折り畳みアームは折り畳み式構造であるかリンク器具を含み、折り畳みアームは折り畳みアームの折り畳み式移動を制御するための折り畳みアーム折り畳み式シリンダを内部に備える。折り畳みアーム起伏シリンダが折り畳みアームとターンテーブルとの間に提供される。メインアームは収縮可能な構造を有し、メインアームの折り畳み式移動を制御するためにメインアーム折り畳み式シリンダを内部に備える。メインアームと折り畳みアームとの間にはメインアーム起伏シリンダが提供され、補助アームとメインアームとの間には補助アーム起伏シリンダが提供される。折り畳みアーム起伏シリンダ、メインアーム起伏シリンダ、及び補助アーム起伏シリンダのうち少なくとも一つは、上述した起伏シリンダである。
【0045】
上述した起伏シリンダは前記特定構造の高所作業台に限らず、他の構造の異なるリフト部を有する高所作業台にも使用することができ、上述した起伏シリンダはリフティングのためにリフト部を駆動するのに使用されるよう、高所作業台のリフト部に提供されることを理解すべきである。
以上は本開示の特定具現例に過ぎず、本開示の範疇はこれに限らない。当業者は本開示によって開示された技術的範疇内で多様な種類の均等な改造及び代替物を容易に考えることができる。均等な改造及び代替物は、本開示の範疇内に含まれると意図される。よって、本開示の保護範疇は特許請求の範囲によって決められるべきである。
【符号の説明】
【0046】
1-棒なし空洞、2-棒あり空洞、3-ピストン棒、4-第1一方向機能部、5-第1オーバーフロー機能部、6-第2一方向機能部、7-第2オーバーフロー機能部、8-第1ポートG、9-第2ポートF、10-第3ポートH、11-第4ポートE、12-スイッチ弁、13-第5ポートM、14-第2オイル開口、15-第3オイル開口、16-第4オイル開口、17-第1オイル開口、18-油圧センサ